JPH08147785A - 光ディスク装置 - Google Patents

光ディスク装置

Info

Publication number
JPH08147785A
JPH08147785A JP6287850A JP28785094A JPH08147785A JP H08147785 A JPH08147785 A JP H08147785A JP 6287850 A JP6287850 A JP 6287850A JP 28785094 A JP28785094 A JP 28785094A JP H08147785 A JPH08147785 A JP H08147785A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coupling means
light
layer
optical coupling
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6287850A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3551506B2 (ja
Inventor
Seiji Nishiwaki
青児 西脇
Junichi Asada
潤一 麻田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP28785094A priority Critical patent/JP3551506B2/ja
Publication of JPH08147785A publication Critical patent/JPH08147785A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3551506B2 publication Critical patent/JP3551506B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価小型で、光磁気信号の再生も可能な光デ
ィスク装置の提供。 【構成】 透明基板3上に成膜した金属層4は軸Lを中心
とする円形領域でエイッチンク゛し、表面に同心円状のク゛レーティン
ク゛5A、5Bを備えた透明層5を成膜し、ク゛レーティンク゛5A、5Bは
軸Lを中心とする円6T内でエッチンク゛した導波層6の存在でカフ
゜ラとして機能する。半導体レーサ゛1の出射光は1/2波長板16
を透過しカフ゜ラ5Aに入射し、中心Oから外周側に向かう導
波層6の入射光で励起した1次モート゛導波光10aは段差構造6
Sを通過し0次モート゛導波光10bに変化し、0次モート゛導波光10
cの状態でク゛レーティンク゛カフ゜ラ5Bで放射され、光テ゛ィスク基板12
の裏面側の信号面12A上の点Fに集光後、反射光11bはク゛レ
ーティンク゛カフ゜ラ5Bに入射し、中心Oの方向に伝搬する0次モート゛
導波光13cを励起し、0次モート゛13aの状態でク゛レーティンク゛カフ゜ラ
5Aで放射され、光検出器15で受光する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は情報メモリとしての光デ
ィスクの信号を記録、または再生する光ディスク装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術について、例えば応用光エレ
クトロニクスハンドブック(監修:野口健一、大越孝
敬、昭晃堂発行、1989年初版)p.589に記載の
光磁気ヘッドに基づいて説明する。図13は従来の光磁
気ヘッドの原理構成図を示す。半導体レーザー1から出
射する光はコリメートレンズ33によって平行光とな
り、ハーフミラー34に入射し、入射光の70%が透過
して、直線偏光の状態で対物レンズ35により光ディス
ク12の磁気信号面12Aに集光する。信号面12Aを
反射する光は対物レンズ35を経てその30%がハーフ
ミラー34を反射した後、1/2波長板36により偏光
面を一定角だけ回転させて偏光ビームスプリッター37
に入射し、この入射光はほぼ同光量の光に分離されて、
それぞれ透過成分は光検出器38aに、反射成分は光検
出器38bに入射して光量が検出され、それらの差動信
号39が差分回路40により検出される。
【0003】信号面12Aを反射する光は、信号面の磁
化方向によって偏光面がεまたは−εだけ回転するの
で、信号の有無(磁化方向の差)によって偏光面は合計
2εだけ回転し、この差は差動信号39の変動として現
れる。
【0004】対物レンズ35を透過する戻り光量を1、
ハーフミラー34の反射率をβ、偏光ビームスプリッタ
ー37の透過軸と入射光偏光面のなす角をθとすると、
光検出器38aで検出される透過成分の光量はβcos
2(θ−ε)からβcos2(θ+ε)に変動するのに対し、光
検出器38bで検出される反射成分の光量はβsin2
−ε)からβsin2(θ+ε)に変動し、光検出器38a、
38bの差動信号はβ{cos 2(θ−ε)−sin2(θ−ε)}
からβ{cos2(θ+ε)−sin2(θ+ε)}に変化する。無
信号時には透過成分と反射成分とが同光量であることか
らsin2θ=cos2θがなりたつので、差動信号振幅ΔSは
(数1)で与えられる。
【0005】
【数1】
【0006】この(数1)におけるεの大きさは非常に
小さいので、(数1)は(数2)に近似できる。一般に
は、β=0.3程度(30%)であるので、戻り光量で
標準化された信号振幅はΔS=1.2εとなる。
【0007】
【数2】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の光磁
気ヘッドに於て以下の問題点があった。すなわち、ハー
フミラー34、偏光ビームスプリッター37は、高精度
に研磨されたプリズムにTiO2等の高屈折率の膜とS
iO2等の低屈折率の膜とを決められた膜厚で交互に積
層して作製するのでコストが高く、1/2波長板36も
水晶などの結晶を厚み管理しながら研磨し張り合わせて
作製するのでコストが高い。また、多数の光学素子を組
み合わせるために、調整コストも高く、光ヘッドの大き
さも大きくなる。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑み、コストが安
く、大きさが小さく、光磁気信号の再生も可能な光ディ
スク装置を提供することを目的する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の光ディスク装置は、レーザー光源と、前記
レーザー光源から出射するレーザー光の光軸と直交する
透明基板上に構成された導波層と、前記導波層上または
下あるいは前記道は層内の何れかに形成された前記入射
光軸を中心とする同心円状周期構造を持つ第1の光結合
手段と、前記第1の光結合手段と同心してこれを取り囲
む前記導波層上または下あるいは前記道は層内の何れか
の領域に前記入射光軸を中心とし径方向にピッチの変調
された同心円状周期構造を持つ第2の光結合手段とから
なり、前記導波層にほぼ垂直に入射する前記レーザー光
は、前記第1の光結合手段により導波層内で中心から外
周側に伝搬する導波光を励起し、この導波光は、前記第
2の光結合手段より放射して集光する光となり、この集
光点近傍に配置された信号面を反射する光が、前記第2
の光結合手段に入力して中心方向に伝搬する導波光を励
起し、この帰還導波光を前記第1の光結合手段より放射
して、その放射方向に配置された光検出器により光量を
検出し、前記信号面上の信号を再生する装置において、
導波層に入射するレーザー光の偏光状態が直線偏光であ
り、信号面が磁性材料で形成され、光検出器が前記入射
光軸を中心とする輪帯の形状をなし、前記直線偏光の方
向にほぼ平行な直線とこれに直交する直線で4等分さ
れ、その対角位置領域から検出される信号を和算して2
組の和信号を得、これらの差分を再生信号とする。
【0011】また、第2の光結合手段の位置における導
波層の膜厚を厚くするか、導波層または透明基板を形成
する媒質に複屈折性を持つものを採用することで、第2
の光結合手段の位置において導波光のTEモードに対す
る等価屈折率とTMモードに対する等価屈折率の差を
0.0004以下に収まっている。
【0012】また、第1の光結合手段と第2の光結合手
段の間で前記透明基板上に段差構造があってもよい。
【0013】さらに、第2の光結合手段の平均的な半径
位置(すなわち第2の光結合手段を外側と内側で等面積
に分割する半径位置)において、放射に関わるTEモー
ド導波光及びTMモード導波光の位相が揃っており、第
2の結合手段の内、入射光軸に直交する直線に対し40
±5゜から50±5゜の角をなす領域からは、信号面へ
集光する光を放射しなくてもよい。
【0014】さらに、第2の光結合手段の位置において
透明基板と導波層の間には第1の金属反射層と第1の透
明誘電体層がこの順に積層されていてもよく、第1の光
結合手段の位置に相当する導波層の上には第2の透明誘
電体層と第2の金属反射層がこの順に積層されていても
良い。
【0015】また、導波層が第1の高屈折率透明膜と低
屈折率透明膜と第2の高屈折率透明膜をこの順に積層さ
れることで構成されていてもよく、この時第1の光結合
手段における周期構造は前記低屈折率透明膜上(又は
内、又は下)に形成されている。
【0016】また、レーザー光源と透明基板との間に1
/2波長板を配置してもよく、この1/2波長板により
レーザー光源から出射するレーザー光の電気ベクトルの
方向は90゜だけ回転しており、第1の光結合手段の最
外周の形状は楕円状であってもよく、この時第1の光結
合手段への入射光の電気ベクトルの方向と楕円形状の長
軸方向は一致している。
【0017】
【作用】本発明は上記した構成によって、信号面におけ
る磁性材料の磁化方向の差が帰還導波光の強度分布(す
なわち光検出器上の放射光強度分布)の変化として現
れ、対角位置領域の和信号を差分することで、信号面上
の磁気信号を電気信号として読みとることができる。
【0018】また、TEモードとTMモードの等価屈折
率の差が小く、TEモード導波光及びTMモード導波光
の位相も揃っているので、第2の光結合手段が収差の少
ない集光素子として機能する。
【0019】また、段差構造により導波層が折れ曲がる
ので、導波光がこの段差部を通過することで導波モード
が変化し、第1の光結合手段より帰還導波光を入射光軸
方向とは違った方向に放射できる。
【0020】また、40±5゜から50±5゜の角度を
なす領域からの収束光がないことで、集光スポットのサ
イドローブが分散し、信号トラック上でのサイドローブ
振幅が小さいスポットが得られる。
【0021】さらに、第2の光結合手段(または第1の
光結合手段)より第1の金属反射層(または第2の金属
反射層)側に放射する光はこれを反射し、反対側に放射
される成分と重なり互いに干渉するので、第1の透明誘
電体層(または第2の透明誘電体層)の膜厚を調整する
ことで、放射に関わるTEモード導波光の放射損失係数
をTMモード導波光の放射損失係数の2倍以上、または
1/2以下、または等しくなるように設定することがで
き、磁気信号の再生感度を高めたり、光学系の伝達効率
を高める作用をなす。
【0022】同じく、第1の透明誘電体層の厚さは、導
波層を伝搬するTEモードの光は通すがTMモードの光
はその数割が金属反射層により吸収されるようにも設定
でき、この構成でも磁気信号の再生感度を向上させるこ
とができる。
【0023】さらに、導波層を多層構造にし、その中間
層に周期構造を形成することで、放射損失係数設定の自
由度を広げることができる。また、第1の光結合手段へ
の入射光の電気ベクトルの方向と楕円形状の長軸方向と
は一致しているので、放射損失係数の小さいTMモード
導波光は長軸に沿った長い結合長で励起され、放射損失
係数の大きいTEモード導波光は短軸に沿った短い結合
長で励起され、ともに高い結合効率での励起がなされ
る。
【0024】
【実施例】以下本発明の第1実施例の光ディスク装置に
ついて、図1から図6までを参照しながら説明する。な
お従来例と同一の部材には同一番号を付し、詳しい説明
は省略する。
【0025】図1は、本発明の第1実施例における光デ
ィスク装置の断面構成図、図2はその多層膜構造の断面
構成図、図3は光の伝送経路を示す説明図を示してい
る。
【0026】図2に於いて、例えば石英などの透明基板
3上にはAlやCrなどの金属層4が成膜され、軸Lを
中心とする円形の領域でエッチングされている。金属層
4上にはSiO2などの透明層5が成膜され、透明層5
の表面は同心円状のグレーティング5A、5Bが形成さ
れている。透明層5上にはSiN,SiONやTa2 5
などの高屈折率の膜で導波層6が形成されており、この
導波層6の存在でグレーティング5A、5Bはカプラと
して機能する。導波層6は、軸Lを中心とする円6T内
の領域でエッチングされてこの位置での膜厚が薄い。
【0027】この導波層6上にはSiO2などの透明層
7が成膜され、その上にAlやCrなどの金属層8が成
膜され、金属層8は軸Lを中心とする円形の領域を残し
てそれ以外の領域がエッチングされている。金属層8の
上はSiO2などの透明層9が成膜され保護層として作
用する。なお、導波層6や透明層5、7には屈折率異方
性(複屈折)があっても良い。
【0028】図1、図2に示すように、半導体レーザー
1を出射する光は、1/2波長板16を透過することで
電気ベクトルが90゜回転し、光軸と軸Lが一致した状
態で、軸Lに沿って透明基板3を通過し、グレーティン
グカプラ5Aに入射する。入射光2は直線偏光の状態で
あり、光軸法平面上での等強度線が楕円状をなしてお
り、その長軸方向に電気ベクトル2bの方向が一致する
(図3参照)。
【0029】グレーティングカプラ5Aの最外周の形状
は、前述の等強度線と相似した楕円状をなしており、方
位に応じて結合長が異なっている。カプラ5Aに入射す
る光は、全体として中心O(軸Lと導波層6の交点)か
ら外周側に向かう1次モード導波光10aを励起する。
【0030】また、入射光の内、導波層6を透過する成
分は金属層8で反射し、再び導波層6に入射して1次モ
ード導波光10aの励起を強める。
【0031】透明層5の表面は金属層4のエッチング部
の存在により、軸Lを中心とする円形の領域で階段構造
をなし、導波層6もこの位置で折れ曲がった構造(段差
構造6S)をなす。この段差構造6Sを通過すること
で、1次モード導波光10aは、そのほとんどがより安
定したモードである0次モード導波光10bに変化し、
円6Tを境にした導波層の厚膜構造部に移って、0次モ
ード導波光10cの状態でグレーティングカプラ5Bよ
り放射される。
【0032】放射光の内、金属層4側に放射する成分は
これを反射し、反対側(光ディスク基板12側)に放射
される成分と重なり、互いに干渉して放射光11aとな
る。カプラ5Bのグレーティングピッチは径方向に変調
されており、この効果で放射光11aは光ディスク基板
12の裏面側にある信号面12A上の点Fに集光する。
信号面12Aを反射する光11bは、グレーティングカ
プラ5Bに入射して中心Oの方向に伝搬する0次モード
導波光13cを励起し、入射光の内で導波層6を透過す
る成分は金属層4を反射して再び導波層6に入射し、導
波光13cの励起を強める。導波光13cは円6Tを境
にした導波層の薄膜構造部、及び段差構造6Sに移って
も0次モードを維持し(13b、13a)、0次モード
13aの状態でグレーティングカプラ5Aより放射され
る。この放射光の内、金属層8側に放射する成分はこれ
を反射し、反対側(光検出器15側)に放射される成分
と重なり、互いに干渉して放射光14となる。
【0033】1次モード導波光10aを励起する入射光
2が軸Lに沿っているのに対し、放射光14は0次モー
ド導波光からの放射であるので、軸Lに対しある角度
(sin- 1(N0−N1)、ただしN0,N1は0次、1次モード
の等価屈折率)をなす方位に出力する。光検出器15
は、その放射方向に配置されており、軸Lを中心とする
輪帯の形状をなしている。
【0034】図3で示すように、点Oを原点としx軸を
入射光電気ベクトル2bの方向、y軸をこれに直交する
方向にとると、x軸方向に励起され伝搬する導波光はT
Mモードであり、y軸方向に励起され伝搬する導波光は
TEモードである。また、x,y軸の間の方位には、T
E,TMモードが合わさった状態で伝搬する(以下、
x,y軸に沿った伝搬光について説明をするが、TE,
TMに関する議論はそれ以外の方位についても同様であ
る)。
【0035】入射光のTMモード導波光への結合の強さ
は、TEモード導波光への結合の強さに比べ弱いので、
結合効率(入力効率)を高めるには、TMモード励起側
の結合長をTEモード励起側のそれより大きくする必要
がある。この条件は、グレーティングカプラ5Aの最外
周の形状を楕円にすることで満足され、TE,TMモー
ドともそれぞれの最適の結合条件で励起される。
【0036】グレーティングカプラ5Aで励起され、外
周側に伝搬するTMモード導波光17a、TEモード導
波光18aは、輪帯状のグレーティングカプラ5Bから
放射されるが、入力の時と同様、放射光への結合の強さ
はTMモードの方が弱く、結合長の均一なカプラ5Bか
らほとんど全てのTEモード光18aが放射される場合
でも、TMモード光17aはその一部17cが放射され
ずにカプラの領域をすり抜けてしまう。すなわち、カプ
ラ5Bからの出力効率はTEモードで大きく、TMモー
ドで小さい(例えばTEモードで100%、TMモード
で50%)。
【0037】光ディスク信号面12Aは集光点Fに位置
し、この面を反射する光はカプラ5Bに入射し、中心O
方向に向かう導波光を励起する。例えば、放射光17b
に対する反射光19bはTMモードの導波光19aを、
放射光18bに対する反射光20bはTEモードの導波
光20aを励起する。カプラ5Bに於けるこれらの戻り
光の入力効率は出力効率と等しく、TEモード励起で大
きく、TMモード励起で小さくなる(例えばTEモード
で100%、TMモードで50%)。
【0038】なお、TEモード光18aからの放射光1
8bの集光点FBは、TMモード光17aからの放射光
17bの集光点FAとは異なり、TEモード光18aの
等価屈折率をNTE、、TMモード光17aの等価屈折率
をNTM、収束光の焦点距離をf(=OF)とすると、軸
L上で(数3)で示すδの距離をなす。
【0039】
【数3】
【0040】但し、(数3)の係数Kは開口により決ま
り、一般には2.5程度の値をなすので、f=2mmと
するとδ=5000(NTE−NTM)μmである。すなわ
ち、一般にはカプラ5Bによる収束光は2重焦点とな
り、集光性をよくするには少なくても|δ|≦2.5λ
の条件が必要である(ただし、λはレーザーの波長)。
この条件はλ=0.8μmとして(数4)で表される。
【0041】
【数4】
【0042】また、カプラ5Bの位置で(数4)が満た
されても、中心Oから段差構造6Sの間、および段差構
造6Sから円6Tの間では、TE/TMの等価屈折率差
は大きく異なる。このため段差構造6Sの径、円6Tの
径を最適化して、カプラ5Bの平均的な半径位置(厳密
にはカプラ5Bを外側と内側で等面積に分割する半径位
置)において、放射に関わるTEモード導波光とTMモ
ード導波光との位相を揃える必要がある。この時、収束
光の最良像点Fは集光点FAとFBの間に存在し、(数
4)の最悪条件(|NTE−NTM|=0.0004)で
も、Strehl強度は1割程度の劣化に収まる。最適
な6S、6Tの半径r1,r2は、カプラ5Bの平均的な
半径をr3として(数5)を満たす。
【0043】
【数5】
【0044】但し、(数5)は厳密に満たされる必要は
なく、右辺が2(m−0.1)πλから2(m+0.1)πλの範
囲に収まればよい。従ってΔ1、Δ2が0.01程度の大
きさとすればr1,r2の精度は±20πλの誤差が許容
でき、半導体プロセスに於けるパターニング精度がサブ
ミクロンのオーダーにあることを考えれば、段差構造6
S、円6Tの径の設定は難しい工程ではない。
【0045】図4は、本発明の第1実施例における導波
層の膜厚と等価屈折率の関係(分散特性)を示す説明図
である。同図(a)は導波層6の屈折率を1.90、透
明層5および7の屈折率を1.45とした場合、同図
(b)は導波層6に屈折率異方性(複屈折)があり、膜
面法線方向の屈折率1.905、膜面方向の屈折率1.
900とした場合である。
【0046】図4(a)のごとく、導波層6に異方性が
ない場合は、導波層の膜厚2〜3μm程度で、TE0モ
ードとTM0モードとの等価屈折率差を0.0004以
下に抑えることができる。第1実施例で導波層6の中心
部は、軸Lを中心とする円6T内の領域をエッチングし
て膜厚を薄くしたが、カプラ5Bを含む円6T外の領域
での膜厚を厚いまま残したのは、この厚膜によるTE/
TMモード等価屈折率の近接効果を狙ったためである。
【0047】また、図4(b)のごとく異方性がある場
合は、導波層の膜厚1μm前後で、TE0モードとTM
0モードとの等価屈折率差を0.0004以下に抑えら
れ、図4(a)の方式に比べ円6T前後での導波層膜厚
差を小さくできるので、この位置での導波損失を小さく
できる。異方性がもっと大きい場合は、円6T内の領域
をエッチングして膜厚を薄くする必要がなくなり、作製
プロセスをより簡素化できる。
【0048】図5は、本発明の第1実施例における伝搬
光の強度分布の変化を表す説明図である。縦軸は伝搬光
の強度、横軸は伝搬方位(xy座標に於ける偏角φ)を
表す(図3参照)。グレーティングカプラ5Aで励起さ
れる導波光10aの強度は、入射光2の等強度線の径に
比例するので、曲線21に示すようにφ=0゜、180
゜で極大、90゜、270゜で極小となる。
【0049】グレーティングカプラ5Bから放射される
光の強度は、出力効率がTEモードで大きくTMモード
で小さいので、曲線22に示すようなほぼ均一な分布に
することができる。
【0050】従って、TEモードからの放射光とTMモ
ードからの放射光とは強度が等しく、電気ベクトルの位
相差もないので、放射光の偏光はx,y軸以外の出力位
置においても直線偏光となる。
【0051】光ディスク信号面12Aからの反射光が励
起する帰還導波光の強度は、カプラ5Bに於ける入力効
率がTEモードで大きくTMモードで小さいので、曲線
23に示すようにφ=0゜、180゜で極小、90゜、
270゜で極大となる(αはTM/TEの入力効率
比)。
【0052】なお、信号面が磁性膜で形成され、磁気信
号が存在する場合には、カー効果またはファラデー効果
により、光ディスク信号面12Aからの反射光の偏光方
向が回転し、曲線24(破線)で示すように帰還導波光
の強度分布が変化する。曲線24は曲線23に比べ信号
面の磁化方向によってεだけ偏角φ方向にシフトした分
布であり、磁化方向が反転すれば−εだけシフトした分
布になる。
【0053】この効果を利用し、帰還導波光の強度分布
は、カプラ5Aより放射され光検出器15により受光さ
れる光の強度分布に等しいので、0゜≦φ≦90゜、1
80゜≦φ≦270゜の領域の光量和と、90゜≦φ≦
180゜、270゜≦φ≦360゜の領域の光量和との
差分をとることで、磁化方向の変化に対応する偏角φ方
向へのシフトを認識でき、磁気信号の再生が可能にな
る。
【0054】図6は、本発明の第1実施例における光検
出器の分割例を示す説明図であり、x,y軸は図3に示
したものに対応する。
【0055】図6(a)のように、x軸、y軸に沿った
分割(A,B,C,D)を光検出器15に加え、各対角
位置の和信号(A+C、B+D)の差分(A+C−(B
+D))を考える。図5の曲線23を関数f(φ)で表す
と、磁化方向の反転によって帰還導波光の強度分布は、
f(φ−ε)とf(φ+ε)との間を変動する。ここで図5
で現れた係数α(TM/TEの入力効率比)を使ってf
(φ)を(数6)で表す。
【0056】カプラ5Bに入射する戻り光量(図5の曲
線22に対応する光量)を1とし、カプラ5Bにより入
力結合した光が全て光検出器15により受光されるとし
て、(A+C−(B+D))の差分信号による差動信号振
幅ΔSは(数7)で与えられる。また、εの大きさは非
常に小さいので、(数7)は次式に近似できる。
【0057】
【数6】
【0058】
【数7】
【0059】
【数8】
【0060】戻り光量で標準化された信号振幅は、α=
0.5とするとΔS=0.7ε、α=1.0とするとΔ
S=1.4εとなり、従来例(ΔS=1.2ε)と同レ
ベルの信号感度が得られる。当然、CD等の凹凸信号や
相変化光ディスク等の濃淡信号の再生は全光検出器の和
信号(A+B+C+D)で実現でき、従来通りの信号感
度が得られる。この様に、光学系を変えることなく光検
出器の信号処理方式を変えるだけで、記録原理の異なる
光ディスクの信号を容易に再生できる。
【0061】なお、図6(b)はTE(トラッキングエ
ラー)信号検出に対応する光検出器の分割例、図6
(c)はFE(フォーカシングエラー)信号検出に対応
する光検出器の分割例を示す。光ディスクの回転はx軸
方向に一致し、図6(b)に於いて差信号(A−B)に
よりいわゆるプッシュプル法の原理で、TE信号が検出
できる。また、図6(c)に於いて和信号(A+C)
は、図3におけるTEモード光による集光点FBからの
反射による信号であり、和信号(B+D)はTMモード
光による集光点FAからの反射による信号である。
【0062】図3に於いて、信号面12Aが点Fから点
FAに近づくと、反射光19bが入力の位相整合条件に
近づき、反射光20bは外れるので、和信号(B+D)
は大きく和信号(A+C)は小さくなる。反対に点Fか
ら点FBに近づくと、和信号(B+D)は小さく和信号
(A+C)は大きくなる。
【0063】従って、(数4)で示した|NTE−NTM
の大きさがある一定値に精密に設定できる場合、差信号
(A+C−m(B+D))によりFE信号が検出でき
る。なお、帰還光の強度分布は図5の曲線23に従うの
で、定数mの大きさは一般に1より大きい。また、
(c)では中心Oを通る2直線でA,B,C,Dに等分
割したが、m=1としてA,Cの交角を広く、B,Dの
交角を狭くしても良い。
【0064】この様に、本発明の第一実施例は、従来例
に於ける多数のレンズ、プリズムの組合せを、透明基板
上の多層膜構造に置き換えたものであり、部品点数を大
幅に低減できる上、調整作業も少なく、大きな基板の上
に膜やグレーティングを一括して形成した後、割断する
ことで大きな量産効果が得られる。また、ミクロンサイ
ズの導波層内で光の集光、分岐が可能となるので大きさ
の小さい光ヘッドが得られ、光磁気信号の再生も可能で
ある。
【0065】光磁気信号再生原理の基本は、TEモード
導波光とTMモード導波光との差別化にある。図3で説
明した実施例では、TE/TMの差別化がグレーティン
グカプラ5Bによる放射光への結合の強さが、TE/T
Mで異なる(TEモードの結合係数がTMモードの結合
係数より大きい)ことで達成されている。
【0066】これ以外にも、様々な差別化の方法が考え
られる。図7は本発明の第2実施例における光磁気信号
の再生原理を示す説明図であり、その構成は、透明層5
の膜厚dSの大きさを除いて第1実施例と同じである。
【0067】一般に、TMモード導波光は、TEモード
導波光に比べ近接する金属層に吸収されやすく、図7に
於いて透明層5の膜厚dSを小さくしていくと、TEモ
ード導波光25は減衰することなく導波層6を伝搬する
が、TMモード導波光26は金属層4により吸収され、
減衰の度合いが大きくなる。
【0068】仮にカプラ5Aからカプラ5Bに伝搬する
間に、TEモード導波光25は全く減衰しないが、TM
モード導波光26は半分に減衰するとすると、図5の曲
線21に示される強度分布の導波光は、カプラ5Bから
放射されるときには曲線22の強度分布に、カプラ5B
からの帰還導波光がカプラ5Aに達したときには曲線2
3の強度分布となり、この分布は信号面の磁化方向によ
り曲線24に変化するので、第1の実施例と同様に光磁
気信号の再生が可能となる。
【0069】図8は、本発明の第3実施例における光磁
気信号の再生原理を示す説明図である。その構成は、導
波層とグレーティングに関する構成の違い以外は第1実
施例と同じである。第1実施例との相違点のみ説明を加
えれば、導波層はSiO2などの低屈折率の膜6bをT
25などの高屈折率の膜6aと6cで挟んで構成され
ており、グレーティングカプラ6Aは高屈折率の膜6a
上に成膜された低屈折率の膜6bをエッチングして同心
円状の周期構造を形成し、この上に膜6cを成膜するこ
とで形成されている。
【0070】この構成で、透明層7の膜厚dCに対する
グレーティングカプラ6Aの放射損失係数を計算したの
が図9であり、波長0.82μm、グレーティングのピ
ッチと深さを0.55及び0.06μm(グレーティン
グの形状は正弦波状)、透明層5、7の屈折率を1.4
5、導波層6a、6b,6cの屈折率をそれぞれ2.
2、1.45、2.2、金属層8の光学定数を2.2+
7.5iとした。
【0071】図9より、dC=1.09μmのとき、各
導波モードの放射損失係数は、TE0で20(1/m
m)、TM0で0(1/mm)、TE1で12(1/m
m)、TM1で7(1/mm)となる。
【0072】従って、カプラ5Aの最外周形状を長軸/
短軸=12/7の楕円状し、入射光の偏光方向を長軸方
向と一致させれば、長軸、短軸方向にそれぞれTM1、
TE1モードの導波光を効率よく励起できる。
【0073】一方、0次モードの帰還導波光はTE0モ
ードは全て放射されるが、TM0モードはほとんど放射
されずにカプラ5Aをすり抜ける。従って帰還導波光の
強度分布が図5の曲線22に示されるものとすれば、カ
プラ5Aから放射される光は曲線23(ただしα=1)
の強度分布となり、この分布は信号面の磁化方向により
曲線24に変化するので、第1の実施例と同様に光磁気
信号の再生が可能となる。さらにα=1の設定が可能な
ので、信号感度も第1実施例より大きい。
【0074】第1実施例でも、透明層7の厚さdCを調
整することで、放射光と金属層8からの反射光との干渉
の度合いを変えて、ある程度の放射損失係数の設定がで
きたが、本実施例では導波層を多層構造とし、その中間
層にグレーティングを形成することで、放射損失係数の
設定の自由度を大幅に広げたものである。
【0075】なお、本実施例において、カプラ5Aの放
射損失係数が透明層7の膜厚dCの関数であったことと
同様に、カプラ5Bの放射損失係数も透明層5の厚さd
Sの関数であり、その大きさを適切に設定することで、
TE0とTM0の放射損失係数を一致させ、TE0、T
M0ともその全てをカプラ5Bから放射させることがで
きる。従って、第1の実施例に比べ2倍程度、伝達効率
を高めることができる。
【0076】また、本実施例に於いて、導波層6a、6
b,6cの仕様(屈折率、膜厚)及び厚さdCを変更す
ることで、TM1の放射損失係数をTE1モードの放射
損失係数より大きくすることも可能で、このとき第1実
施例で示した1/2波長板16は不要となる。
【0077】図10はTE0モードとTM0モードとの
等価屈折率差を0.0004以下に抑えるための、本発
明の第4実施例における断面構成図である。その構成は
外周部での導波層に関する構成の違い以外は、第1実施
例と同じである。
【0078】第1実施例との相違点のみ説明を加えれ
ば、外周部(円6Tの外周側)での導波層は、SiO2
などの低屈折率の膜6bをSiN,SiONやTa25
などの高屈折率の膜6aと6cで挟んで構成されてい
る。
【0079】実際のプロセスでは、膜6a、6b,6c
をこの順序で成膜した後、軸Lを中心とする中心の円径
領域で膜6c、6b、及び6aの一部をエッチングして
作製する。
【0080】この構成で、外周部の3層の導波層構造部
に於ける分散特性(膜6aの膜厚と等価屈折率の関係)
を計算したのが図11であり、波長0.82μm、透明
層5、7の屈折率を1.45、導波層6a、6b,6c
の屈折率をそれぞれ1.9、1.45、2.1、膜6
b、6cの膜厚を0.134、0.27μmとした。膜
6aの膜厚が0.67〜1.07μmのときに、TM0
とTE1の等価屈折率差が0.0004以下とすること
ができる。
【0081】図12は光ヘッドの集光性能をよくするた
めの、本発明の第5実施例における説明図であり、
(a)はカプラ5Bの形状、(b)は光ディスク信号面
での集光スポット等強度分布図を示し、x,y軸は図3
のそれに対応する。本実施例はカプラ5Bの形状の違い
以外は第1実施例と同じであり、同一部についての説明
は省略する。
【0082】図12(a)に示すように、カプラ5Bに
おけるx軸から40±5゜から50±5゜の偏角をなす
領域(5a)が遮光され(少なくとも点Fへの集光には
寄与せず)、光の集光はその他の領域(5b)からの放
射光によりなされている。この様な開口形状を採用する
ことで、図12(b)に示すように、集光スポットのメ
インローブ30を取り巻くサイドローブに強弱の分布が
現れ、サイドローブが走査トラック32aと2つの隣接
トラック32b,32cとの間に押し込まれた形にな
る。
【0083】メインローブ30の形状は、5aの開口制
限を行う前とほとんど変化せず、走査トラック32a上
のサイドローブ強度は弱まっているので、第1実施例に
比べ更に光ディスク信号の良好な再生(高感度、低クロ
ストーク、低符号間干渉)が実現できる。なお、本実施
例は従来例の如き一般の光学系にも適用できるものであ
る。
【0084】なお、以上の実施例で、半導体レーザー1
とカプラ5Aとの間にコリメーターレンズを配置しても
よく、また、透明層7、反射層8、保護層9のない構造
であってもよい。さらに、各実施例を複合した構成も考
えられるが、その効果も複合したものが得られる。
【0085】
【発明の効果】以上本発明の光ディスク装置により、透
明基板上の多層膜構造でほとんどの光学系を構成でき、
部品点数が著しく少なく、光ヘッドの組立がプロセス技
術で置き換えられる。量産効果の大きな半導体プロセス
との整合性もあるので、作製コストを安くでき、大きさ
が小さく、信号処理方式を変えるだけで光磁気信号の再
生も可能な光ディスク装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における光ディスク装置の
断面構成図
【図2】本発明の第1実施例における光ディスク装置の
多層膜構造の断面構成図
【図3】本発明の第1実施例における光ディスク装置の
光の伝送経路を示す説明図
【図4】(a)は、本発明の第1実施例における導波層
の膜厚と等価屈折率との関係を示し、導波層に屈折率異
方性が無い場合の一例の説明図 (b)は、同実施例の導波層の膜厚と等価屈折率との関
係を示し、導波層に屈折率異方性がある場合の一例の説
明図
【図5】本発明の第1実施例における伝搬光の強度分布
の変化を表す説明図
【図6】(a)は、本発明の第1実施例における光検出
器の一分割例を示す説明図 (b)は、同実施例の光検出器の他の分割例の一例を示
す説明図 (c)は、同実施例の光検出器の別の分割例の一例を示
す説明図
【図7】本発明の第2実施例における光磁気信号の再生
原理を示す説明図
【図8】本発明の第3実施例における光磁気信号の再生
原理を示す説明図
【図9】本発明の第3実施例における膜厚dCとカプラ
6Aの放射損失係数の関係を示す説明図
【図10】本発明の第4実施例における断面構成図
【図11】本発明の第4実施例における膜6aの膜厚と
等価屈折率の関係を示す説明図
【図12】(a)は、本発明の第5実施例におけるカプ
ラ5Bの形状の一例を示す説明図 (b)は、同実施例の集光スポット等強度分布を示す一
例の説明図
【図13】従来例に於ける光ディスク装置の原理構成図
【符号の説明】
1 半導体レーザー 2 入射光 3 透明基板 4、8 金属層 5、7、9 透明層 5A、5B 同心円状のグレーティングカプラ 6 導波層 10a、10b,10c 導波光 11a 放射光 11b 反射光 12 光ディスク基板 12A 信号面 13a、13b,13c 帰還導波光 14 帰還放射光 15 光検出器 16 1/2波長板

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー光源と、前記レーザー光源から出
    射するレーザー光の光軸と直交する透明基板上に構成さ
    れた導波層と、前記導波層上または下あるいは前記道は
    層内の何れかに形成された前記入射光軸を中心とする同
    心円状周期構造を持つ第1の光結合手段と、前記第1の
    光結合手段と同心してこれを取り囲む前記導波層上また
    は下あるいは前記道は層内の何れかの領域に前記入射光
    軸を中心とし径方向にピッチの変調された同心円状周期
    構造を持つ第2の光結合手段とからなり、前記導波層に
    ほぼ垂直に入射する前記レーザー光は、前記第1の光結
    合手段により導波層内で中心から外周側に伝搬する導波
    光を励起し、この導波光は、前記第2の光結合手段より
    放射して集光する光となり、この集光点近傍に配置され
    た信号面を反射する光が、前記第2の光結合手段に入力
    して中心方向に伝搬する導波光を励起し、この帰還導波
    光を前記第1の光結合手段より放射して、その放射方向
    に配置された光検出器により光量を検出し、前記信号面
    上の信号を再生する装置において、前記導波層に入射す
    るレーザー光の偏光状態が直線偏光であり、前記信号面
    が磁性材料で形成され、前記光検出器が前記入射光軸を
    中心とする輪帯の形状をなし、前記直線偏光の方向にほ
    ぼ平行な直線とこれに直交する直線とで4等分され、そ
    の対角位置領域から検出される信号を和算して2組の和
    信号を得、これらの差分を再生信号とすることを特徴と
    する光ディスク装置。
  2. 【請求項2】レーザー光源と、前記レーザー光源から出
    射するレーザー光の光軸と直交する透明基板上に構成さ
    れた導波層と、前記導波層上または下あるいは前記道は
    層内の何れかに形成された前記入射光軸を中心とする同
    心円状周期構造を持つ第1の光結合手段と、前記第1の
    光結合手段と同心してこれを取り囲む前記導波層上また
    は下あるいは前記道は層内の何れかの領域に前記入射光
    軸を中心とし径方向にピッチの変調された同心円状周期
    構造を持つ第2の光結合手段とからなり、前記導波層に
    ほぼ垂直に入射する前記レーザー光は、前記第1の光結
    合手段により導波層内で中心から外周側に伝搬する導波
    光を励起し、この導波光は、前記第2の光結合手段より
    放射して集光する光となり、この集光点近傍に配置され
    た信号面を反射する光が、前記第2の光結合手段に入力
    して中心方向に伝搬する導波光を励起し、この帰還導波
    光を前記第1の光結合手段より放射して、その放射方向
    に配置された光検出器により光量を検出し、前記信号面
    上の信号を再生する装置において、前記第2の光結合手
    段の位置における導波層の膜厚を厚くし、TEモードに
    対する等価屈折率とTMモードに対する等価屈折率との
    差を0.0004以下に収めることを特徴とする光ディ
    スク装置。
  3. 【請求項3】レーザー光源と、前記レーザー光源から出
    射するレーザー光の光軸と直交する透明基板上に構成さ
    れた導波層と、前記導波層上または下あるいは前記道は
    層内の何れかに形成された前記入射光軸を中心とする同
    心円状周期構造を持つ第1の光結合手段と、前記第1の
    光結合手段と同心してこれを取り囲む前記導波層上また
    は下あるいは前記道は層内の何れかの領域に前記入射光
    軸を中心とし径方向にピッチの変調された同心円状周期
    構造を持つ第2の光結合手段とからなり、前記導波層に
    ほぼ垂直に入射する前記レーザー光は、前記第1の光結
    合手段により導波層内で中心から外周側に伝搬する導波
    光を励起し、この導波光は、前記第2の光結合手段より
    放射して集光する光となり、この集光点近傍に配置され
    た信号面を反射する光が、前記第2の光結合手段に入力
    して中心方向に伝搬する導波光を励起し、この帰還導波
    光を前記第1の光結合手段より放射して、その放射方向
    に配置された光検出器により光量を検出し、前記信号面
    上の信号を再生する装置において、前記導波層または前
    記透明基板何れかを形成する媒質は複屈折性を持ち、こ
    の複屈折の作用で前記第2の光結合手段の位置におい
    て、導波光のTEモードに対する等価屈折率とTMモー
    ドに対する等価屈折率との差を0.0004以下に収め
    ることを特徴とする光ディスク装置。
  4. 【請求項4】第1の光結合手段と第2の光結合手段との
    間で、透明基板上に段差構造があり、この段差構造によ
    り導波層が折れ曲がり、導波光がこの段差部を通過する
    ことで導波モードが変化し、前記第1の光結合手段より
    帰還導波光を前記入射光軸方向とは違った方向に放射す
    ることを特徴とする、請求項1〜3何れかに記載の光デ
    ィスク装置。
  5. 【請求項5】第2の光結合手段を外側と内側で等面積に
    分割する平均的な半径位置において、放射に関わるTE
    モード導波光及びTMモード導波光の位相が揃っている
    ことを特徴とする、請求項1〜4何れかに記載の光ディ
    スク装置。
  6. 【請求項6】レーザー光源と、前記レーザー光源から出
    射するレーザー光の光軸と直交する透明基板上に構成さ
    れた導波層と、前記導波層上または下あるいは前記道は
    層内の何れかに形成された前記入射光軸を中心とする同
    心円状周期構造を持つ第1の光結合手段と、前記第1の
    光結合手段と同心してこれを取り囲む前記導波層上また
    は下あるいは前記道は層内の何れかの領域に前記入射光
    軸を中心とし径方向にピッチの変調された同心円状周期
    構造を持つ第2の光結合手段とからなり、前記導波層に
    ほぼ垂直に入射する前記レーザー光は、前記第1の光結
    合手段により導波層内で中心から外周側に伝搬する導波
    光を励起し、この導波光は、前記第2の光結合手段より
    放射して集光する光となり、この集光点近傍に配置され
    た信号面を反射する光が、前記第2の光結合手段に入力
    して中心方向に伝搬する導波光を励起し、この帰還導波
    光を前記第1の光結合手段より放射して、その放射方向
    に配置された光検出器により光量を検出し、前記信号面
    上の信号を再生する装置において、前記第2の結合手段
    の内、前記入射光軸に直交する直線に対し40±5゜か
    ら50±5゜の角をなす領域からは、前記信号面へ集光
    する光を放射しないこと特徴とする光ディスク装置。
  7. 【請求項7】第2の光結合手段の位置において、透明基
    板と導波層との間には第1の金属反射層と第1の透明誘
    電体層とがこの順に積層されており、前記第2の光結合
    手段より集光点側に放射する光は、前記第1の金属反射
    層側に放射してこれを反射する光と干渉し、前記第1の
    透明誘電体層の膜厚を調整することで、放射に関わるT
    Eモード導波光の放射損失係数を、TMモード導波光の
    放射損失係数の2倍以上、または1/2以下になるよう
    に設定することを特徴とする、請求項1〜4または6何
    れかに記載の光ディスク装置。
  8. 【請求項8】第1の光結合手段の位置を除いて透明基板
    と導波層との間には、金属反射層と透明誘電体層がこの
    順に積層されており、前記透明誘電体層の厚さは前記導
    波層を伝搬するTEモードの光をほとんど通すが、TM
    モードの光の数割が前記金属反射層により吸収されるよ
    うに決定されていることを特徴とする、請求項1〜4ま
    たは6何れかに記載の光ディスク装置。
  9. 【請求項9】第1の光結合手段の位置に相当する導波層
    の上には、第2の透明誘電体層と第2の金属反射層とが
    この順に積層されており、前記第1の光結合手段より光
    検出器側に放射する光は、前記第2の金属反射層側に放
    射してこれを反射する光と干渉し、前記第2の透明誘電
    体層の膜厚を調整することで、放射に関わるTEモード
    導波光の放射損失係数を、TMモード導波光の放射損失
    係数の2倍以上、または1/2以下になるように設定す
    ることを特徴とする請求項1〜4または6何れかに記載
    の光ディスク装置。
  10. 【請求項10】第2の光結合手段の位置において、透明
    基板と導波層との間には金属反射層と透明誘電体層とが
    この順に積層されており、前記第2の光結合手段より集
    光点側に放射する光は、前記金属反射層側に放射してこ
    れを反射する光と干渉し、前記透明誘電体層の膜厚を調
    整することで、放射に関わるTEモード導波光の放射損
    失係数をTMモード導波光の放射損失係数と等しくする
    ことを特徴とする請求項1〜6または9何れかに記載の
    光ディスク装置。
  11. 【請求項11】導波層が、第1の高屈折率透明膜と低屈
    折率透明膜と第2の高屈折率透明膜とをこの順に積層さ
    れることで構成されており、第1の光結合手段における
    周期構造は前記低屈折率透明膜上(又は内、又は下)に
    形成されることを特徴とする、請求項1から6、または
    9何れかに記載の光ディスク装置。
  12. 【請求項12】レーザー光源と透明基板との間に1/2
    波長板を配置し、この波長板によりレーザー光源から出
    射するレーザー光の電気ベクトルの方向を90゜だけ回
    転させること特徴とする、請求項1〜4または6何れか
    に記載の光ディスク装置。
  13. 【請求項13】第1の光結合手段の最外周の形状が楕円
    状であり、その長軸方向を入射光の電気ベクトルの方向
    と一致させること特徴とする、請求項1〜4または6何
    れかに記載の光ディスク装置。
JP28785094A 1994-11-22 1994-11-22 光ディスク装置 Expired - Fee Related JP3551506B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28785094A JP3551506B2 (ja) 1994-11-22 1994-11-22 光ディスク装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28785094A JP3551506B2 (ja) 1994-11-22 1994-11-22 光ディスク装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08147785A true JPH08147785A (ja) 1996-06-07
JP3551506B2 JP3551506B2 (ja) 2004-08-11

Family

ID=17722596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28785094A Expired - Fee Related JP3551506B2 (ja) 1994-11-22 1994-11-22 光ディスク装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3551506B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3551506B2 (ja) 2004-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5621715A (en) Optical integrated circuit
KR930002165B1 (ko) 광학헤드장치
US7184386B2 (en) Integrated type optical head with sheet waveguide and light coupler
US5208800A (en) Mode splitter and magneto-optical signal detection device
US5790502A (en) Optical pickup with conversion of diffusion angle of outgoing light relative to diffusion angle of incident light
JP2543209B2 (ja) 光学ヘッド装置
EP0357780B1 (en) Optical head
JPH027238A (ja) 光情報記録再生装置
US5570333A (en) Head device for magneto-optical disk
US5684900A (en) Wavelength locking device, beam collimating device, and optical disk apparatus
JPH03233424A (ja) ビーム整形光学系
US5159650A (en) Optical disk apparatus for recording and reproducing ultra-high density signals
JP2000339744A (ja) 光集積装置及びその製造方法
JP3551506B2 (ja) 光ディスク装置
JPH0246412A (ja) 光学ヘッド装置
JP3501319B2 (ja) 波長固定装置、集光装置及び光ディスク装置
JP2543210B2 (ja) 光学ヘッド装置
EP0431194B1 (en) Optical disk device
JPS63102053A (ja) 光磁気ヘツド
JP3152456B2 (ja) 焦点誤差信号検出装置及び光情報記録再生装置並びに光磁気情報記録再生装置
JPH04368901A (ja) 光ピックアップ及び光ディスク装置
JPH09161310A (ja) 光学装置
JPH07272310A (ja) 光集積回路及び光ピックアップ
JPH07272312A (ja) 光集積回路及び光ピックアップ
JPH06180886A (ja) 光磁気情報記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040419

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees