JPH0814639B2 - 微粒子研磨材による配管内面に強固に付着している放射性腐食生成物及び放射性汚染物を除去する流動研磨除染法及び装置 - Google Patents

微粒子研磨材による配管内面に強固に付着している放射性腐食生成物及び放射性汚染物を除去する流動研磨除染法及び装置

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JPH0814639B2
JPH0814639B2 JP1137797A JP13779789A JPH0814639B2 JP H0814639 B2 JPH0814639 B2 JP H0814639B2 JP 1137797 A JP1137797 A JP 1137797A JP 13779789 A JP13779789 A JP 13779789A JP H0814639 B2 JPH0814639 B2 JP H0814639B2
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健夫 五来
勇 中原
秀雄 安中
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、原子炉施設、再処理施設及び廃棄物処理施
設等(以下、原子炉等施設という)の配管内面に固着し
ている汚染物の研磨除去に関するものであって、規定流
速の加速流体と規定濃度の研磨材を混在して大気圧、室
温条件で除染対象系統を循環することにより汚染物を除
去するとともに、除染後は循環系統液の浄化まで行うこ
とが出来る方法及び装置に関するものである。
従来の技術 従来の汚染物の除去は、供用中の原子炉等施設の除染
法が主であって、解体を前提とした除染法としては、供
用中に用いられる除染法の応用・改良型が主流であっ
た。
これらの除染法には、化学薬品を用いて汚染物を溶
出させる化学除染法、氷、プラスチック、パラフィン
等の比較的低比重の固体粒子を流動することにより、機
械的に汚染物をこすり落す物理的・機械的除染法、復
水器の伝熱管等に付着した汚染物の除去として、伝熱管
内面と内接する球状のスポンジボールによって機械的に
除去する機械的除染法等がある。
化学除染法の場合、適用する除染条件や得られる除染
効率は、除染対象配管機器系統に固着している汚染物の
性状(例えば金属酸化物中のクロム含有量)により影響
を受ける。
クロム含有量の多い汚染物の除染で、高い除染効率を
得ようとすると、性状の異なる2種類(酸化剤によりク
ロム酸化物を溶解除去した後、還元剤により鉄、ニッケ
ル等の酸化物を還元溶解する)の除染液を用いることに
なるため除染工程や廃液処理工程が複雑になる。
さらに、除染後の廃液処理のために必要となる付加設
備が大きくなり、その結果、廃液処理によって発生する
2次廃棄物量が多くなる。
また、一般的な化学除染法は、高温(80℃〜120℃)
高圧(約2kg/cm2程度)となるため、除染を行うための
装置は耐圧構造となり、製作費がかさむとともに、操作
性が複雑となったり、溶出した汚染物のほとんどがイオ
ンとして循環系統液内に存在することから、除染後の循
環系統液浄化を図る手法としてイオン交換樹脂、逆浸透
膜、電気透析等を利用しなければならない。そのため、
廃液処理システム及び処理手順が複雑となることから除
染作業員の放射線被曝量が多くなる。
物理的・機械的除染法の場合、除染後の固体粒子の回
収と容易性と流動の容易性との観点から低比重で硬度の
小さい物質を用いているため、汚染物と衝突したときの
研磨・剥離除去効果がきわめて弱く、固着していない汚
染物の除去には適用出来るが、強く固着している汚染物
や酸化皮膜の除去などには適さない除染法である。
また、除染前、除染中及び除染後の各処理工程におい
て、系統液の温度コントロール等を必要とするため化学
除染法の場合と同様、付加装置の操作性が複雑となる。
機械的除染法の場合は、配管口径に応じた球状のスポ
ンジボールを用いるため熱交換器のような伝熱管の管数
が多くなると閉回路を形成しての循環除染が困難である
とともに、物理的・機械的除染法の場合と同様、用いる
固体粒子が低比重で硬度の小さい海綿状のスポンジボー
ルであるため得られる研磨・剥離除去効果は低い。
発明が解決しようとする課題 従来の除染法の適用例の特徴として、汚染物が配管母
材近傍又は母材まで浸透した場合や高い除染効果を得た
い時には化学除染法を、汚染物が配管内面に固着せずに
ルーズに付着している場合には物理的・機械的及び機械
的除染法を適用するケースが一般的である。
しかし、化学除染法を適用した場合、汚染物(この場
合は放射性腐食生成物を指す)の性状(クロム含有量)
によって除染条件が大きく左右されるため、画一的な除
染条件が適用できない。
また、従来の物理的・機械的除染法や機械的除染法を
適用した場合は、除染時に用いる固体粒子の流動性の優
れたものとの観点からどうしても低い比重の固体粒子を
選択する傾向にあった。このため、固体粒子のもつ汚染
物を研磨・剥離除去する力は弱く、得られる除染効果は
低い。
従って、これらの除染法を原子炉等施設の除染に適用
しても空間線量率の低減や定検時の作業員の被曝低減へ
の効果は低い。
本発明は、汚染物の性状や付着状態に影響を受けない
ことから、除染条件を変えることなく広範囲に適用で
き、かつ、添加した研磨材が沈降しない循環流速を確保
して除染するため、研磨・剥離除去力が大きい高比重の
研磨材を用いることが出来、得られる除染効果が非常に
大きくなるとともに、除染条件によって任意の除染効果
が得られる。さらに、除染後は、汚染物が化学除染法の
ようにイオン状とならずに不溶性懸濁物として系統液中
に残存することから、循環系統液の浄化は過捕集方式
(カートリッジフィルターによる過)の適用で容易と
なる。
課題を解決するための手段 本来、除染効果の向上を図る場合に必要となる研磨材
の条件は、流動性が良く、研磨・剥離除去力が大きいこ
とである。
この条件に合った研磨材は、低比重で、ある程度の硬
度と質量を有している物質となる。
しかしながら、研磨・剥離除去力の大きい比較的高い
比重の研磨材であっても沈降しないで流動すれば高い除
染効果が期待出来、その上で回収が出来れば良いことに
なる。
研磨材が沈降しないで流動するには、研磨材の比重や
粒径等によって決まってくる沈降速度(ストークスの式
から求めることが出来る。)以上の流速を制御・維持す
れば良い。
沈降速度以上の流速が容易に制御・維持出来れば多少
の高比重であっても研磨・剥離除去力の大きな研磨材材
質を選択した方が高い除染効果が得られる。
本発明では、大気圧・室温の加速流体中に規定濃度
(5wt%〜25wt%)の研磨材(材質B4C、粒径0.35mm〜0.
84mm程度、比重2.5程度)を添加して、循環ポンプの回
転数を制御することにより4.5m/sec以上の流速を有する
加速流体との混合液を作って循環することで研磨材濃度
の均一化が図れるために高い除染効果が得られる。
また、研磨材の回収は研磨材回収装置により回収が容
易となり、最終的に系統に残存する汚染物のスラッジを
過捕集方式で捕集・浄化すれば除染・研磨材回収・汚
染物捕集・系統液浄化が全て同一系統で行うことが出来
る。
これらのことから、本発明の除染法を適用した場合
は、既存の各種除染法のように温度、圧力等のコントロ
ールをせずに、大気圧、室温の条件で研磨材の循環流速
を確保するだけの単純な除染工程であるため、除染のた
めに付加する装置も少なく、高い除染効果が得られ、さ
らに、除染後の廃液処理も簡単に出来ることから除染作
業員の放射線被曝量をも低減できる。
作用 研磨材を用いて配管内面に固着している汚染物を除去
する流動研磨除染法は、高流速で循環する加速流体によ
って流動する研磨材を配管内面に固着している汚染物と
衝突させることにより、汚染物を機械的に研磨・剥離除
去するメカニズムである。このメカニズムの概念を第1
図に示す。
即ち、汚染物が固着した配管15内を加速流体16と研磨
材17を混在した状態で規定流速以上の流速を確保するこ
とにより、添加した研磨材は沈降せずに配管内を流動
し、この時の運動エネルギーの一部が配管内面に固着し
ている汚染物19と衝突及び接触することによって汚染物
を除去する。
このことから、流動研磨除染法を適用した場合、汚染
物を研磨・剥離除去する力は研磨材の運動エネルギー
(速度と質量の関数)に比例する。この関係の詳細は第
2図に示す研磨除去量(汚染物の研磨量に相当)と流速
との関係から明らかである。
即ち、研磨・剥離除去される汚染物の量は研磨材流速
のべき乗に比例して増加するが、その程度は研磨材の材
質によって異なっている。
例えば、研磨材の材質で、低比重(テフロン、ポリプ
ロピレン、アクリル及び氷等)のものと比較的高い比重
(B4C、Al2O4、SiC等)ものとを循環流速を因子として
比較すると、比重の高い研磨材のほうが研磨・剥離除去
出来る汚染物量が多くなる。
このことから、循環流速の確保・維持が出来て、研磨
材の回収が容易であれば比重の高い研磨材を選択した方
が得られる除染効果も高くなることが判る。
従って、研磨材の流速(実際には加速流体の流速に依
存する)と質量のうち、どちらをどの程度大きくしたほ
うが除染効果、付加設備及び除染後の研磨材回収・液の
浄化等に効果的であるかが重要な点である。
本発明では、適度な質量(粒径1mm以下、比重2.5程
度)を有する研磨材を用いることにより、除染効果の向
上を図ることが出来るとともに、除染後の研磨材と汚染
物との分離回収が、それらの重量差を利用して研磨材回
収装置により容易となる特徴がある。
研磨材の粒径を約1mm以下にすることにより、加速流
体を循環するに必要なポンプ仕様は、ポンプインペラー
とポンプケーシングの間隙が低揚程高容量の一般的なポ
ンプを用いることが出来るとともに、ポンプインペラー
とポンプケーシングの摩耗を少なくすることが出来る。
また、このポンプの流動制御は、循環系統配管の断面
積(弁を絞ることによって生ずる配管通路の面積)を変
えることなくポンプの回転数を制御することによって、
循環流速の制御が出来るため、循環系統中の研磨材の濃
度の均一化と研磨材のトラップ(通路断面積が小さくな
ることによる研磨材の一時的な滞留現象)防止が容易と
なる。
従来の固体粒子を用いた除染法は、除染効果より流動
性に着目して低比重・軽質量(例えばテフロンのような
樹脂系の物質)の固体粒子や回収しないで済むような物
質(例えば氷)を用いていたため、汚染物との衝突等に
より固体粒子の劣化・損傷が早くかつ、汚染物を研磨・
剥離除去する力が小さいことから、高い除染効果を得た
い場合には固体粒子の追加補充が必要となる。しかし、
除染後の廃棄物量(使用済となった固体粒子)が多くな
る割には期待した除染効果は得られない。
また、固体粒子を流動させるための流速制御は、弁の
開度を手動で調整していたため、循環系統中の固体粒子
がトラップされ易くなりどうしても均一の濃度が得ずら
い。
以上のようなことから、従来の方法を原子炉等施設の
除染に適用した場合、配管内面に固着している汚染物の
除染効果は低く、除染を実施しても施設内の空間線量率
の低減効果にはあまり寄与しない。さらに、固体粒子と
汚染物との分離が困難なため、最終的に発生する2次廃
棄物量が非常に多くなる。
実 施 例 本発明に係る流動研磨除染法を適用する場合の循環系
統の概要を第3図に示す。
この図において、太線を除染対象部とすると、除染対
象配管15入口と出口に設けてある既設の弁21,22を閉し
て、除染のために設けた除染対象配管入口と出口の弁2
2,23を開して系統を形成し、この入口弁と出口弁の間
に、研磨材を除染対象配管に供給するための研磨材供給
タンク1とエゼクター4から成る研磨材供給機構、研磨
材を流動させるために加速流体を高流速で流動する循環
ポンプ3、循環流速を計測する電磁流量計24、除染時に
循環系統液の温度が上昇するのを制御する冷却器25、循
環系統の水位調整用のサージタンク26、除染中における
除染効果の経時変化を確認するために設けたテストセク
ション部5、除染終了後に研磨材を回収するための研磨
材回収タンク10とその附属系統から成る研磨材回収装置
と汚染物の過捕集のためのカートリッジフィルター34
を付加して除染循環系統を構成した。
即ち、この循環系統は、除染対象系統配管に、研磨材
供給機構(詳細は第4図参照)、循環ポンプ(流速制御
機構付き)、研磨材回収装置(詳細は第5図参照)サー
ジタンク、及びカートリッジフィルター(詳細は第6図
参照)を付加して閉回路循環系統を形成する。
[除染手順] 除染する場合は、予め全系統に液を張り、そこに、研
磨材供給機構の研磨材供給タンク1中の液と研磨材との
混合液2を循環ポンプ3の吐出圧を利用して同機構のエ
ゼクター4を介して循環系統中に供給する。
本機構は、第4図に示すとおり、研磨材供給タンク1
とエゼクター4から成り、研磨材供給タンクは、加速流
体と研磨材との混合が均一になるように攪拌機が設置さ
れている。研磨材と混合した液は、研磨材供給タンクの
出口弁28をエゼクターセクション部に設置した連成計27
の指示(真空圧を示している時に出口弁を関する。)を
確認しながら適宜開閉することにより、循環ポンプの吐
出圧力によってエゼクターを介して循環系統に供給され
る。
研磨材がエゼクターによって循環系統へ導かれる原理
は、エゼクターは、配管中心に循環ポンプからの加速流
体が流動するノズルと配管周方向に研磨材供給タンクの
出口配管が接続されるノズルの2つの部屋に分かれてお
り、高流速となる加速流体の影響を受け配管周方向のノ
ズルは真空となる。研磨材を含む混合液は、この真空度
を利用して加速流体と一緒に循環系統内へ導かれる。
除染中は、循環系統に設けたテストセクション部5に
装着した配管6の研磨量(実際には装着した配管の重量
の変化から研磨量を求める)の経時変化を観察しながら
除染対象配管の除染の進捗の程を確認する。
除染後は、弁7を閉、弁8,9を開として研磨材回収装
置の研磨材回収タンク10を用いて研磨材の回収を図る。
本装置は、第5図に示すとおり、研磨材回収タンク10
とその附属系統から成り、高速流の加速流体と混在して
流動する研磨材は、研磨材回収タンク内で流速が低下
し、沈降速度以下となるため研磨材回収タンク底部方向
に沈降し、軽量で微細粒子片となる汚染物片と衝突等で
微細となった研磨材片は加速流体と一緒に循環系統に戻
る。この循環を繰り返すことにより研磨材の回収が可能
となる。
原子炉等施設を除染する場合は、2次廃棄物となる研
磨材の汚染レベルを低減して廃棄物としての処理を容易
とするため、研磨材回収タンク底部方向に沈降して研磨
材に付着している放射能レベルの高い軽量で微細粒子片
ある汚染物片を分離する必要がある。このため、研磨材
回収タンク底部方向から上部方向に対して系統液を供給
して微細粒子片等を浮上させながら研磨材と分離する。
研磨材の回収状況は、系統液を適宜サンプリングし
て、系統液中の不溶性懸濁物濃度を測定することにより
確認する。回収した研磨材はドレン弁11を適宜開して別
容器に収納して廃棄する。
研磨材回収後は、弁12を閉、弁13,弁14を開し、カー
トリッジフィルター15を用いて系統液の浄化を行う。
カートリッジフィルターの構造は、第6図に示すとお
り、フィルターケーシング33とそれに内蔵されるフィル
ター34とから成る。使用中にフィルターに目詰まり(フ
ィルター前後に設置した圧力計の差で判断する)が生じ
た場合は、フィルターだけを交換出来る構造である。フ
ィルターの過対象流径は約1μm〜10μm程度(この
サイズは任意変えられる。)で廃棄浄化が容易となる。
浄化の進捗状況は、系統液を適宜サンプリングして、
系統液中の放射能濃度と不溶性懸濁物濃度を測定しなが
ら確認する。
次に、除染後の研磨材の回収及び汚染物の過捕集に
ついての概要を第5図に示す。
循環系統中を流速V1で流動している研磨材17は、研磨
材回収タンク10の入口弁8、出口弁9を開、バイパス弁
7を閉して循環系統に接続すると、研磨材回収タンク内
では、研磨材が流速V2に減速(循環系統の配管口径≪研
磨材回収タンク内径)することにより、研磨除去した汚
染物18と比較して質量の大きい研磨材は沈降するが、軽
い汚染物18は研磨材回収タンク出口から循環系統に戻
る。
原子炉施設の除染では、沈降した研磨材とそれに付着
している汚染物とを分離して、研磨材の汚染程度を出来
るだけ低くし廃棄物としての処理性を容易にする必要が
ある。
この方法は、研磨材回収タンクの下方に設置した逆洗
弁32を開し系統液を供給しながら研磨材回収タンク内の
汚染物を浮上させることによって研磨材との分離が可能
となる。
沈降した研磨材は、研磨材回収タンクのドレン弁11を
適宜開しながら抜き取ることが出来る。
研磨材と分離した汚染物は、第6図に示すカートリッ
ジフィルターの入口弁13、出口弁14を開し、バイパス弁
12の開度を適宜調整することによりフィルターケーシン
グ33に内蔵したフィルター34によって過・捕集するこ
とが出来、この結果、系統液の浄化が容易となる。
[除染効果] 以上のような除染手順により、研磨材材質B4C(研磨
材の粒径0.35mm〜0.84mm)、添加濃度20wt%、循環流速
約5m/sec、除染時間35時間の除染条件で、JPDP冷却水浄
化系統(除染系統を第7図に示す。)配管(材質SUS−3
04−口径40A)を除染した。その結果、除染前の配管内
面に固着していた放射能密度が約3.5×10-2μCi/cm2
度であったものが除染後は約4×10-5μCi/cm2程度(除
染係数約900)迄除染出来、この時研磨除去した汚染物
重量は約25mg/cm2と高い研磨・剥離除去効果を得た。
適用した系統は、第7図に示すとおりJPDR冷却水浄化
系統の配管(SUS−304TP・40A)の一部で、適用した除
染条件は、研磨材材質はB4C、研磨材添加濃度は20wt%
及び循環流速は約5m/secで除染時間は約35時間を目標と
して除染した。
[廃液浄化] 研磨材の回収、研磨材と汚染物の分離及び過捕集の
うち研磨材の回収では、除染前に添加したB4C研磨材の
約90%が回収出来、残りの約10%は、除染時、除染対象
部や研磨材同志の衝突等によって微細な破砕粒子とな
り、除去された汚染物のスラッジと一緒にカートリッジ
フィルターに捕集された。
発明の効果 配管内面に固着した汚染物を除去する場合、流動研磨
除染法を適用することによって、高い除染効果が得られ
るとともに、添加した研磨材の回収と除染液の浄化が同
一系統システムで行える。
さらに効果的なことは、汚染物の性状や付着程度に関
係なく、大気圧、室温条件の下で、加速流体の循環流速
や除染時間の選択によって任意の除染効果が得られるこ
とにある。
また、除染後の廃液処理は、他の汚染法と比較して簡
単な過捕集方式で行うことが出来ることから、廃棄物
の取扱いが簡単であるとともに、除染作業員の放射線被
曝量を大きく低減できる。
このような特徴を有する本除染法は、今後、原子炉施
設、核燃料・再処理施設及び放射性廃棄物処理施設等の
各分野において応範囲に亘り適用が期待出来るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は研磨材による配管内面に固着している汚染物を
除去するメカニズムを示す図である。 第2図は研磨材の流速と研磨・剥離除去される汚染物の
量の関係を示す図である。 第3図は流動研磨除染法を適用する場合、除染対象系統
と閉回路系を形成するための付加する設備の系統概念を
示す図である。 第4図は研磨材供給機構の構造と研磨材供給原理の概要
を示す図である。 第5図は研磨材回収装置の構造と研磨材回収の原理の概
要を示す図である。 第6図はカートリッジフィルターの構造の概要を示す図
である。 第7図は流動研磨除染法を実際に適用した時の除染循環
系統を示す図である。 1……研磨材供給タンク、2……混合液 3……循環ポンプ、4……エゼクター 5……テストセクション部、6……配管 7,8,9,11,12,13,14,28,32……弁 10……研磨材回収タンク、15……除染対象配管 16……加速流体、17……研磨材 18……研磨除去した汚染物 19……配管に固着した汚染物 24……電磁流量計、25……冷却器 26……サージタンク、27……連成計 33……フィルターケーシング、34……フィルター

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉施設、その再処理施設及びその廃棄
    物処理施設等の汚染配管、機器系統の内面に付着、堆積
    する放射性汚染物を除去するため、汚染対象系統に付加
    装置を組み込んで閉回路循環系を構成し、その循環系に
    微粒子研磨材を含有する循環液を通して、配管、機器系
    統の内面に付着している放射性腐食生成物又は放射性汚
    染物に研磨材を衝突させることにより、前記生成物又は
    汚染物を研磨、剥離して除去回収する流動研磨除染方法
    において、 前記研磨材として粒径0.35−0.84mmのB4Cを使用し、循
    環液における研磨材の濃度を5−25wt%に調整し、且つ
    循環液の速度を4.5m/sec以上に維持して循環させ、 前記閉回路循環系に前記付加装置として研磨材回収タン
    ク及びカートリッジフィルターを組み込み、そして 前記研磨材回収タンクには、その側面に研磨材と汚染物
    とを含有する循環液の供給口を設け、この供給口に対面
    するタンク内面に衝突板を設け、タンク底部に循環液の
    上方向導入兼研磨材沈降回収口を設け、タンク頂部に浮
    上汚染物の排出口を設けることにより、研磨後の循環液
    を研磨材回収タンクに設けられた衝突板に衝突させて研
    磨材と剥離汚染物を含有した循環液とに分離し、この汚
    染物を含有した循環液をカートリッジフィルターに循環
    し、汚染物から分離された循環系を再度循環使用するこ
    とを特徴とする流動研磨除染方法。
  2. 【請求項2】原子炉施設、その再処理施設及びその廃棄
    物処理施設等の汚染配管、機器系統の内面に付着、堆積
    する放射性汚染物を除去するため、汚染対象系統に付加
    装置を組み込んで閉回路循環系を構成し、その循環系に
    微粒子研磨材を含有する循環液を通して、配管、機器系
    統の内面に付着している放射性腐食生成物又は放射性汚
    染物に研磨材を衝突させることにより、前記生成物又は
    汚染物を研磨、剥離して除去回収する流動研磨除染装置
    において、 前記閉回路循環系に前記付加装置として研磨材回収タン
    ク及びカートリッジフィルターを組み込み、 前記研磨材回収タンクには、その側面に研磨材と汚染物
    とを含有する循環液の供給口を設け、この供給口に対面
    するタンク内面に衝突板を設け、タンク底部に循環液の
    上方向導入兼研磨材沈降回収口を設け、タンク頂部に浮
    上汚染物の排出口を設け、 前記研磨材として粒径0.35−0.84mmのB4Cを使用し、循
    環液における研磨材の濃度を5−25wt%に調整し、且つ
    循環液の速度を4.5m/sec以上に維持して循環させ、研磨
    後の循環液を研磨材回収タンクに設けられた衝突板に衝
    突させて研磨材と剥離汚染物を含有した循環液とに分離
    し、この汚染物を含有した循環液をカートリッジフィル
    ターに循環し、汚染物から分離された循環系を再度循環
    使用することを特徴とする流動研磨除染方法。
JP1137797A 1989-05-31 1989-05-31 微粒子研磨材による配管内面に強固に付着している放射性腐食生成物及び放射性汚染物を除去する流動研磨除染法及び装置 Expired - Lifetime JPH0814639B2 (ja)

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