JP4380875B2 - 液体処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体中の不純物を除去するための液体処理装置に係り、特に放射性物質取扱施設で発生する放射性廃液や発電プラントの冷却材を処理して放射性物質や非放射性腐食物質を除去するのに好適した液体処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウラン鉱山、原子力発電所、核燃料再処理工場、放射性同位元素取扱施設などの放射性物質取扱施設或は火力発電所からは各種の放射性廃液や非放射性廃液が発生する。
【0003】
これらの廃液に含まれる元素の種類は同一の施設から発生するものでも多種類にのぼっている。例えば、ウラン鉱山、原子力発電所、核燃料再処理工場及び放射性同位元素取扱施設から発生する元素の種類は以下のとおりである。
【0004】
(1) ウラン鉱山…U及びその同位元素である230 U、232 U、233 U、234 U、235 U、236 U、238 U、240 Uなどの物質が大部分である。
【0005】
(2) 原子力発電所…Fe、Cr、Mn、Co、Ta、Ni、Zr及びその同位元素である55Fe、59Fe、51Cr、52Mn、54Mn、56Mn、57Co、58Co、60Co、182 Ta、59Ni、63Ni、65Ni、93Zr、95Zr、97Zrなどの物質が含まれるが、Sr、Nb、Mo、Ru、I、Te、Cs、Ba、La、Ce及びその同位元素である85Sr、89Sr、90Sr、91Sr、92Sr、93Zr、95Zr、97Zr、95Nb、99Mo、97Ru、103 Ru、105 Ru、106 Ru、126 I、129 I、131 I、132 I、133 I、134 I、135 I、127 Te、129 Te、132 Te、131 Cs、134 Cs、135 Cs、136 Cs、137 Cs、131 Ba、140 Ba、140 La、141 Ce、143 Ce、144 Ceが含まれる場合もある。
【0006】
(3) 核燃料再処理工場…廃液中に含まれる物質としては、Sr、Zr、Nb、Mo、Ru、I、Te、Cs、Ba、La、Ce、及びその同位元素である85Sr、89Sr、90Sr、91Sr、92Sr、93Zr、95Zr、97Zr、95Nb、97Nb、99Mo、97Ru、103 Ru、105 Ru、106 Ru、126 I、129 I、131 I、132 I、133 I、134 I、135 I、127 Te、129 Te、132 Te、131 Cs、134 Cs、135 Cs、136 Cs、137 Cs、131 Ba、140 Ba、140 La、141 Ce、143 Ce、144 Ceなどがある。
【0007】
(4) 放射性同位元素取扱施設…取扱っているものが決まっていないため施設によって全く異なっている。
【0008】
次に従来の液体処理装置について説明する。
【0009】
まず、原子力発電所で発生する放射性廃液の処理について説明する。
【0010】
原子力発電所の放射性廃液は、廃液の電導度の高低に応じて異なる処理装置で処理が行われる。
【0011】
すなわち、低電導度の廃液は、図3に示したように、廃液中の微粒子成分を除去する濾過器1と、濾過器1を透過したイオン成分を除去するための粒状イオン交換樹脂を充填した脱塩装置2を備えた処理装置で処理される。
【0012】
脱塩装置2で、イオン成分の除去された脱イオン水は再使用されるか、或はそのまま放出される。図3に示した濾過器1の最新のものでは、中空糸膜フィルタが使用されている。
【0013】
一方、高電導度の廃液は、図4に示したように廃液を濃縮する蒸発濃縮器3と粒状イオン交換樹脂を充填した脱塩装置2とを備えた処理装置で処理される。
【0014】
上述したように、従来の液体処理装置では、濾過器1または蒸発濃縮器3の後段に粒状イオン交換樹脂を充填した脱塩装置2を設けて構成されている。
【0015】
低電導度の廃液の場合には、前段で濾過器1で廃液を処理するため構造材や各燃料被覆管材に由来する54Mnや60Coなどは濾過器1で微粒子成分として除去される。一方、高電導度の廃液中の54Mnや60Coなどは蒸発濃縮器3で処理した濃縮液中に残留して分離される。
【0016】
次に、火力発電所や原子力発電所などの発電プラントで行われている冷却材の処理を、原子力発電所の冷却材の処理を例にして説明する。
【0017】
沸騰水型(BWR型)原子力発電所の発電プラントでは、BWR型原子炉で発生したスチームは、タービンを経て復水器に送給され、この復水器で凝縮されて復水となる。この復水中には、タービンや配管等の腐食によって生成した放射性腐食生成物の微粒子成分や微量のイオン成分が含まれている。
【0018】
放射性腐食生成物の代表的な物質は、同位元素55Fe、59Fe、51Cr、52Mn、54Mn、56Mn、57Co、58Co、60Co、182 Ta、59Ni、63Ni、65Ni、93Zr、95Zr、97Zr若しくはこれらの酸化物である。
【0019】
復水は、図3に示したような、微粒子成分を除去するための濾過器1と、濾過器1を透過したイオン成分を除去するイオン交換樹脂を充填した脱塩装置2とを接続した処理装置で処理され、イオン成分の除去された脱イオン水は再使用される。
【0020】
なお、火力発電所における復水も同様の液体処理装置で処理されて非放射性腐食生成物が除去される。
【0021】
図3及び図4のいずれの液体処理装置の場合でも、廃液中の微粒子成分を除去する工程と、イオン成分を除去する工程が別々に存在する構造になっているため、操作が煩雑となり装置も大型化する。
【0022】
さらに、中空糸膜及びイオン交換樹脂の両方を用いる液体処理装置では、使用済の中空糸膜及びイオン交換樹脂の両方が二次廃棄物となって多量に排出されるため廃棄物の処理が問題となる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上述したとおり、従来の液体処理装置では、廃液中の微粒子成分を除去する工程と、イオン成分を除去する工程が別々に存在する構造になっているため、操作が煩雑となり装置も大型化するという問題があった。
【0024】
さらに、微粒子成分除去のための中空糸膜とイオン成分除去のためのイオン交換樹脂の両方を用いる液体処理装置では、使用済の中空糸膜やイオン交換樹脂が両方が二次廃棄物となって多量に排出されるため廃棄物の処理が厄介であるという問題があった。特に原子力発電関連施設の場合には、放射性廃棄物の減容は大きい課題であるため、その改善が求められていた。
【0025】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたもので、イオン吸着機能と微粒子除去機能とを共に兼ね備え、イオンと微粒子を同時に1つの工程で効率良く除去することができ、二次廃棄物の減容と、安全性、経済性、操作性の向上及び小型化が可能な液体処理装置を提供することを目的とする。
【0026】
また、本発明は、ウラン鉱山、原子力発電所、核燃料再処理工場若しくは放射性同位元素取扱施設などの放射性物質取扱施設において、放射性廃液中、若しくは冷却材中に微粒子又はイオンとして存在する放射性物質を除去して、放射性物質の人体に対する影響を防いで放射線障害の予防に貢献する液体処理装置を提供することを目的とする。
【0027】
さらに、本発明は、火力発電所や原子力発電所などの発電プラントにおいて、復水中や冷却材中に微粒子又はイオンとして存在する放射性腐食生成物や非放射性腐食生成物を除去して復水ポンプ若しくは給水ポンプにこれらの腐食生成物が沈着して電力変換効率が低下するのを防止して、発電所における電力効率の改善に貢献する液体処理装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の液体中の放射性物質を除去するための液体処理装置の一実施態様では、イオン吸着機能と微粒子除去機能を共に有する複合機能濾過膜からなるフィルタと、前記フィルタに接続された前記フィルタに被処理液体を供給する収集タンクと、前記フィルタの処理済水を受ける処理済水タンクと、前記フィルタで処理後の処理済水の放射能濃度をインラインで計測する放射線検出器及び/又は前記フィルタで処理後の前記処理済水の腐食生成物濃度をインラインで計測する濃度計と、前記フィルタの処理済水を前記処理済水タンクに移送する処理済水移送手段と、前記フィルタの処理済水を前記収集タンクへ戻す処理済水還流手段と、前記放射線検出器及び前記濃度計の少なくとも一方の計測結果に基づいて前記処理済水移送手段及び前記処理済水還流手段を制御する制御装置とを具備することを特徴とする。
また、本発明の液体中の放射性物質を除去するための液体処理装置の他の実施態様では、さらに、前記フィルタを逆洗する逆洗手段と、前記フィルタの逆洗時に排出されるイオン成分及び微粒子成分を受けるスラッジ受タンクと、前記フィルタの入口水の圧力と出口水の圧力をそれぞれインラインで計測する圧力計及び/又は前記フィルタの出口水の放射線強度を計測する放射線測定器と、前記フィルタの入口水と出口水の差圧及び前記フィルタの出口水の放射線強度の少なくとも一方の計測結果に応じて前記逆洗手段を制御する制御装置とを具備することを特徴とする。
【0029】
前記複合機能濾過膜は、基材膜の材質がポリオレフィン又はオレフィンとハロゲン化オレフィンの共重合体からなる多孔膜に、親水基及びイオン吸着性官能基を導入して成るものである。複合機能濾過膜の基材膜は、平膜状又は中空糸状の構造のいずれであってもよい。
【0030】
基材膜の素材には、スルホン酸基、カルボン酸基、フェノール性水酸基、ホスホン酸基及びアミドキシム基から選ばれた1種以上の親水基及びイオン吸着性官能基が導入されている。
【0031】
本発明に使用されるイオン吸着機能と微粒子除去機能を共に有する複合機能濾過膜からなるフィルタとしては、例えば特開平1−70108号公報に記載されている複合機能濾過膜が挙げられる。この濾過膜は、平均孔径0.01〜10μmで、基材と重合性単量体に電離性放射線を照射して基材に重合性単量体をグラフト重合させる例が示されている。
【0032】
本発明の処理対象である液体中の不純物としては、廃液若しくは冷却材中に含まれる放射性物質又は非放射性腐食生成物が挙げられる。
【0033】
本発明の処理対象である放射性物質としては、放射性腐食生成物;核分裂、核変換若しくは核融合により生成する物質;アクチノイド元素若しくはアクチノイド元素1つ以上を含む化合物から選ばれた1種以上の物質が挙げられる。
【0034】
上記の放射性腐食生成物としては、構造材若しくは核燃料被覆管材の構成元素の放射性同位元素のいずれか1つ以上、若しくは前記放射性同位元素のいずれか1つ以上を含む酸化物、若しくは前記放射性同位元素のいずれか1つ以上を含む酸化物以外の化合物、若しくは前記放射性同位元素のいずれか1つ以上或は前記酸化物の1つ以上、或は前記酸化物以外の化合物のいずれか1つ以上を含む複合化合物が挙げられる。
【0035】
上記の構造材若しくは核燃料被覆管材を構成する元素の放射性同位元素としては、51Cr、52Mn、54Mn、56Mn、55Fe、59Fe、57Co、58Co、60Co、59Ni、63Ni、65Ni、64Cu、69Zn、182 Ta、181 W、185 W、187 W、93Zr、95Zr、97Zr、12Na、24Na又は32Pが例示され、これらは通常1種以上が存在する。
【0036】
典型的な放射性腐食生成物としては、55Fe又は59Feを含む鉄錆、酸化鉄、マグネタイト、マグヘマイト、ヘマタイト、水酸化鉄若しくはFeOOHが挙げられる。
【0037】
また、核分裂生成物としては、Br、I、Sr、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Npのような元素、若しくは82Br、126 I、129 I、131 I、132 I、133 I、134 I、135 I、85Sr、89Sr、90Sr、91Sr、92Sr、93Zr、95Zr、97Zr、95Nb、99Mo、96Tc、97Tc、 Tc、97Ru、103 Ru、105 Ru、106 Ru、127 Te、129 Te、132 Te、131 Cs、134 Cs、135 Cs、136 Cs、137 Cs、131 Ba、140 Ba、140 La、141 Ce、143 Ce、144 Ce、142 Pr、143 Pr、144 Nd、147 Nd、149 Nd、237 Np及び239 Npのような同位元素が挙げられる。これらの元素又は同位元素は通常1種以上が存在し、また、これらの元素又は同位元素の酸化物、これらの元素又は同位元素の酸化物以外の化合物、或はこれらの、元素、同位元素、酸化物、酸化物以外の化合物を含む複合化合物としても存在する。
【0038】
上記のアクチノイド元素としては、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No及びLrから選ばれた元素、若しくは227 Ac、228 Ac、227 Th、228 Th、230 Th、231 Th、232 Th、234 Th、230 Pa、231 Pa、233 Pa、230 U、232 U、233 U、234 U、235 U、236 U、238 U、240 U、237 Np、239 Np、238 Pu、239 Pu、240 Pu、241 Pu、242 Pu、243 Pu、244 Pu、241 Am、242 Am、243 Am、244 Am、242 Cm、243 Cm、244 Cm、245 Cm、246 Cm、247 Cm、248 Cm、249 Cm、249 Bk、250 Bk、249 Cf、250 Cf、251 Cf、252 Cf、253 Cf、254 Cf、252 Es、254 Es、255 Fm、257 Fm、255 Md、256 Md、258 Md、254 No、255 No、259 No、257 Lr及び260 Lrから選ばれた同位元素が例示される。これらの元素若しくは同位元素の酸化物や酸化物以外の化合物も本発明の処理対象である。
【0039】
本発明の処理対象となる非放射性腐食生成物としては、構造材若しくは核燃料被覆管材の構成元素のいずれか1つ以上、若しくは前記構成元素のいずれか1つ以上を含む酸化物、若しくは前記構成元素のいずれか1つ以上を含む化合物、若しくは前記構成元素のいずれか1つ以上あるいは前記酸化物のいずれか1つ以上あるいは前記化合物のいずれか1つ以上を含む複合化合物が挙げられる。
【0040】
このような構造材若しくは核燃料被覆管材の構成元素としては、例えばCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ta、W、Zr、Na、Pが例示され、これらは通常2種以上が存在する。
【0041】
典型的な非放射性腐食生成物は、鉄錆、酸化鉄、マグネタイト、マグヘマイト、ヘマタイト、水酸化鉄若しくはFeOOHである。
【0044】
前記フィルタ、前記収集タンク、前記処理済水タンク及び前記スラッジ受タンクの全部又は少なくとも1つは、アクチノイド元素又はアクチノイド元素1種以上を含む酸化物若しくは酸化物以外の化合物で満たされたときに臨界量に達しない容積に制限することが望ましい。
【0045】
【作 用】
本発明の液体処理装置においては、イオン吸着機能と微粒子除去機能とを同時に有する複合機能濾過膜によってイオン成分と微粒子成分が同時に1つの工程で除去される。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る液体処理装置の第1の実施の形態を図1に基づいて説明する。図1は第1の実施の形態の構成を示す系統図である。
【0047】
図1は本発明の第1の実施形態の構成を系統図で示したものである。
【0048】
図1に示したように、この実施形態の液体処理装置は、被処理液体、例えば廃液或は冷却材を収集する収集タンクT1と、イオン吸着機能と微粒子除去機能とを同時に有する複合機能濾過膜によって構成されたフィルタFと、最終的な処理済水を受ける処理済水タンクT2と、フィルタFの逆洗時に排出されるスラッジ(微粒子成分若しくはイオン成分の濃縮物)を受けるスラッジ受タンクT3と、フィルタFの出口水(処理済水)の放射能濃度を測定する放射線検出器Dと、フィルタFの入口の廃液若しくは冷却材の圧力を計測する圧力計X1と、フィルタFの出口の廃液若しくは冷却材の圧力を計測する圧力計X2と、放射線検出器D及び/又は圧力計X1及びX2からの信号により状況判断を行ない逆洗操作や処理済水の収集タンクT1への戻し操作を行う制御装置Nが備えられている。
【0049】
なお、図中P1からP3はポンプを、V1からV6はバルブを示している。
【0050】
制御装置Nは、次のような状況のときに、各バルブの開閉操作を行い逆洗や処理済水の還流を行う。
【0051】
(逆洗操作)
(1) フィルタFの差圧(フィルタの入口圧力と出口圧力の差)が圧力計X1及びX2の計測結果から予め設定した基準値より高くなったとき、
(2) 放射線検出器Dが計測したフィルタFの出口水(処理液)の放射性物質濃度が予め設定した基準値より高くなったとき、
(3) 差圧と放射性物質の濃度の両者が共に予め設定した基準値より高くなったとき、
このようなとき、制御装置Nは、バルブV1、V5を閉じ、バルブV4、V6を開けて、酸、アルカリ若しくは水からなる逆洗用液をフィルタFに注入して逆洗操作をする。
【0052】
(処理済水の還流操作)
放射線検出器Dによる計測結果から放射性物質濃度が十分に低減していないと判断したとき、制御装置Nは、バルブV2を閉じバルブV3を開けて処理液を収集タンクT1に戻す還流操作をする。
【0053】
次に、上記実施形態の液体処理装置を用いて放射性廃液を処理する方法について図1を参照しながら説明する。
【0054】
図1に示す通り、例えば原子力発電所で発生した放射性廃液は、収集タンクT1に集められる。収集タンクT1に集められた放射性廃液はポンプP1によりフィルタFに移送されて微粒子とイオンが同時に除去され処理済水は出口水は処理済水タンクT2へ移送される。このときバルブV1、V5、V2は開かれ、バルブV4、V6、V3は閉じられている。
【0055】
フィルタFが有効に機能しているときは、放射性物質はフィルタFで除去されているため放射線検出器Dからは放射性物質が基準値以下であることを示す信号が出力され、制御装置Nはこの信号から再度の処理は必要ないものと判断し処理済水の処理済水タンクT2への移送を継続させる。
【0056】
何らかの理由によりフィルタFによる放射性物質の除去が不十分となって放射線検出器Dからの信号が高レベルになると、制御装置Nは、フィルタFの出口水の放射性物質濃度が十分に低減していないと判断して、バルブV2を閉じバルブV3を開けて、出口水(処理液)を収集タンクT1に戻して再度フィルタFに移送して処理を行わせる。
【0057】
また、廃液の処理に伴いフィルタFの入口と出口に配置した圧力計X1及びX2の測定する圧力の差が大きくなって、その差圧が予め設定した基準値を越えたとき、放射線検出器Dで測定されたフィルタFの出口水の放射性物質濃度が予め設定した基準値を越えたとき、或はフィルタの入口、出口の差圧と出口水の放射性物質の濃度の両者が予め設定した基準値を越えたときフィルタFを逆洗することとなる。このとき、バルブV1とV5が閉じられ、バルブV4とV6が開けられ、酸若しくはアルカリ若しくは水からなる逆洗用液がフィルタFに注入され、フィルタFから排出されるスラッジ(濃縮物)はスラッジ受タンクT3に移送される。
【0058】
この実施例では廃液中に含まれる放射性物質にイオンと微粒子が共存している場合でも、フィルタはイオン吸着機能と微粒子除去機能とを同時に兼ね備えているので、イオンと微粒子を同時に効率良く除去することができる。
【0059】
本実施例によれば従来例に比較して処理液の放射性物質の濃度を1/1000から1/10に低減することができる。
【0060】
次に、本発明に係る液体処理装置の第2の実施の形態を図2に基づいて説明する。図2は本発明の第2の実施の形態の構成を示す系統図である。
【0061】
図2に示したように、この実施形態の液体処理装置は、図1における放射線検出器Dの代わりに濃度計Mを配置した点と、制御装置Nを濃度計Mの計測結果に基づいて逆洗操作と還流操作を行わせるように構成した点を除いて実施例1と同一構成であるので、同一部分に同一符号を付して図1と共通する各部の重複する説明は省略する。
【0062】
上記実施形態の液体処理装置を用いて冷却材を処理する方法について図2を参照しながら説明する。
【0063】
図2に示す通り、冷却材は収集タンクT1に集められポンプP1によりフィルタFに移送されて微粒子成分とイオン成分とが同時に除去され処理済水は出口水は処理済水タンクT2へ移送される。このときバルブV1、V5、V2は開かれ、バルブV4、V6、V3は閉じられている。
【0064】
フィルタFが有効に機能しているときは、冷却材中の放射性腐食生成物や非放射性腐食生成物はフィルタFで除去されているため、濃度計Mからは基準濃度以下であることを示す信号が出力され、制御装置Nはこの濃度信号から冷却材を再度処理する必要はないと判断して処理済水の処理済水タンクT2への移送を継続させる。
【0065】
何らかの理由によりフィルタFによる放射性腐食生成物や非放射性腐食生成物の除去が不十分となって濃度計Mからの信号が高レベルになると、制御装置Nは再処理が必要と判断して、バルブV2を閉じバルブV3を開いて処理済液は収集タンクT1に戻され再度フィルタFによる処理が行われる。
【0066】
また、冷却材の処理に伴いフィルタの入口と出口に配置した圧力計X1及びX2の測定する圧力の差が大きくなって差圧が予め設定した基準値を越えたとき、濃度計Mで測定されたフィルタFの出口水の放射性腐食生成物及び非放射性腐食生成物の濃度が予め設定した基準値を越えたとき、或はフィルタの入口水、出口水の差圧と出口水の放射性腐食生成物及び非放射性腐食生成物の濃度の両者が予め設定した基準値を越えたとき、制御装置NはフィルタFの逆洗操作を行う。
【0067】
このとき、バルブV1とV5が閉じられ、バルブV4とV6が開けられ、酸若しくはアルカリ若しくは水からなる逆洗用液がフィルタFに注入され、フィルタFから排出されるスラッジ(濃縮物)はスラッジ受タンクT3に移送される。
【0068】
しかして、この実施例では廃液中に含まれる放射性物質にイオンと微粒子が共存している場合でも、フィルタはイオン吸着機能と微粒子除去機能とを同時に兼ね備えているので、イオンと微粒子を同時に効率良く除去することができる。
【0069】
本実施例によれば従来例に比較して処理液の放射性物質の濃度を1/1000から1/10に低減することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液体処理装置においては、フィルタはイオン吸着機能と微粒子除去機能とを共に兼ね備えているので、イオン成分と微粒子成分とを同時に1つの工程で効率良く除去することができ、これによって装置の小型化と二次廃棄物の低減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体処理装置の一実施例を示す系統図。
【図2】本発明に係る液体処理装置の他の実施例を示す系統図。
【図3】従来の液体処理装置を示す系統図。
【図4】従来の液体処理装置を示す系統図。
【符号の説明】
T1…収集タンク、T2…処理済水タンク、T3…スラッジ受タンク、
F…フィルタ、D…放射線検出器、M…濃度計、N…制御装置、
P1〜P3…ポンプ、V1〜V6…バルブ、X1,X2…圧力計

Claims (8)

  1. イオン吸着機能と微粒子除去機能を共に有する複合機能濾過膜からなるフィルタと、
    前記フィルタに接続された前記フィルタに被処理液体を供給する収集タンクと、
    前記フィルタの処理済水を受ける処理済水タンクと、
    前記フィルタで処理後の処理済水の放射能濃度をインラインで計測する放射線検出器及び/又は前記フィルタで処理後の前記処理済水の腐食生成物濃度をインラインで計測する濃度計と、
    前記フィルタの処理済水を前記処理済水タンクに移送する処理済水移送手段と、
    前記フィルタの処理済水を前記収集タンクへ戻す処理済水還流手段と、
    前記放射線検出器及び前記濃度計の少なくとも一方の計測結果に基づいて前記処理済水移送手段及び前記処理済水還流手段を制御する制御装置と
    を具備することを特徴とする液体中の放射性物質を除去するための液体処理装置。
  2. 前記フィルタを逆洗する逆洗手段と、
    前記フィルタの逆洗時に排出されるイオン成分及び微粒子成分を受けるスラッジ受タンクと、
    前記フィルタの入口水の圧力と出口水の圧力をそれぞれインラインで計測する圧力計及び/又は前記フィルタの出口水の放射線強度を計測する放射線測定器と、
    前記フィルタの入口水と出口水の差圧及び前記フィルタの出口水の放射線強度の少なくとも一方の計測結果に応じて前記逆洗手段を制御する逆洗制御装置とを具備することを特徴とする請求項1記載の液体中の放射性物質を除去するための液体処理装置。
  3. 前記複合機能濾過膜が、基材膜の材質がポリオレフィン又はオレフィンとハロゲン化オレフィンの共重合体からなる多孔膜に親水基及びイオン吸着性官能基を導入して成ることを特徴とする請求項1又は2記載の液体中の放射性物質を除去するための液体処理装置。
  4. 前記複合機能濾過膜の基材膜が、平膜状又は中空糸状の構造であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の液体中の放射性物質を除去するための液体処理装置。
  5. 前記複合機能濾過膜が、スルホン酸基、カルボン酸基、フェノール性水酸基、ホスホン酸基及びアミドキシム基から選ばれた1種以上を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の液体中の放射性物質を除去するための液体処理装置。
  6. 前記液体中の不純物は、廃液もしくは冷却材中に含まれる放射性物質又は非放射性腐食生成物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の液体中の放射性物質を除去するための液体処理装置。
  7. 前記放射性物質は、放射性腐食生成物;核分裂、核変換若しくは核融合により生成する物質;アクチノイド元素若しくはアクチノイド元素1種以上を含む酸化物又は酸化物以外の化合物;から選ばれた1種以上の物質であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の液体中の放射性物質を除去するための液体処理装置。
  8. 前記フィルタ、前記収集タンク、前記処理済水タンク及び前記スラッジ受タンクの全部又は少なくとも1つは、アクチノイド元素又はアクチノイド元素1種以上を含む酸化物若しくは酸化物以外の化合物で満たされたときに臨界量に達しない容積に制限されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の液体中の放射性物質を除去するための液体処理装置。
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