JPH08146150A - 熱放射体の検知装置 - Google Patents

熱放射体の検知装置

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JPH08146150A
JPH08146150A JP31405394A JP31405394A JPH08146150A JP H08146150 A JPH08146150 A JP H08146150A JP 31405394 A JP31405394 A JP 31405394A JP 31405394 A JP31405394 A JP 31405394A JP H08146150 A JPH08146150 A JP H08146150A
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thermal image
thermal
human body
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JP31405394A
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Masatake Nomura
正剛 野村
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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  • Radiation Pyrometers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 検知対象とした人体20を正確に検知判別でき
る熱放射体の検知装置を提供することである。 【構成】 本装置は、赤外線検知素子が横m列縦n列の
二次元アレイ状に配列形成された赤外線検知部と、赤外
線検知素子から検出出力される赤外検知信号を熱画像信
号に変換し記憶する熱画像記憶部と、熱画像信号を信号
処理する信号処理部等を有している。信号処理部は、熱
画像信号を2値化処理して赤外線検知部の配列位置に対
応させて背景情報を分離した熱画像を得る。そして、熱
画像のおおよその熱源分布を決める熱源領域28を特定
し、熱源領域28内で人体20のウインドウを走査移動し、
ウインドウ内の熱画像の占有率が90%以上であるとき
に、人体20の検知信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人や小動物等の熱放射
体から放射される赤外線を利用して熱放射体の存在を検
知する熱放射体の検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9には、人体等の熱放射体から放射さ
れる赤外線を利用して熱放射体の存在を検知する従来の
熱放射体の検知装置50の構成ブロック図が示されてい
る。この熱放射体の検知装置50は、自動ドアのシステム
に組み込み使用されているものであり、赤外線センサ40
と、増幅器41と、コンパレータ42と、スイッチングユニ
ット43と、ブザー44と、出入口開閉装置46とを有して構
成されている。
【0003】赤外線センサ40には、赤外線照射量に応じ
て自発分極を起こす1個の焦電素子(図示せず)が形成
されており、この焦電素子は、赤外線照射量に応じた赤
外検知信号を検出出力するものである。赤外線センサ40
は、図10に示すように、ドア47の上方に設置され、赤外
線検出領域内の人体20等から放射される赤外線の照射量
に応じた赤外検知信号を検出出力し、増幅器41は、赤外
線センサ40の赤外検知信号を増幅し、コンパレータ42に
出力する。
【0004】コンパレータ42には、赤外線検出領域内に
人体20が存在するか否かを判別する閾値が予め与えられ
ており、コンパレータ42は、前記赤外検知信号のレベル
が閾値以上であるときに、スイッチオン信号をスイッチ
ングユニット43に出力する。
【0005】スイッチングユニット43は、スイッチオン
信号を受けると始動信号をブザー44と出入口開閉装置46
に出力する。ブザー44は、始動信号を受けると、警告音
あるいは音声を、例えば、人体20に向けて発する。出入
口開閉装置46は、タイマーを内蔵しており、始動信号を
受けるとドア47を開け、始動信号を受けてから設定の時
間が経過するとタイマー機能によってドア47を閉める。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記コ
ンパレータ42の閾値によって、犬等の小動物と人体20の
区別が困難であるために、例えば、人体20が存在しなく
ても、犬が赤外線センサ40の赤外線検出領域内に存在す
ると、ドア47が開いてしまうという問題がある。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、人体や小動物等を正確に判
別できる熱放射体の検知装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のように構成されている。すなわち、本
発明の熱放射体の検知装置は、熱放射体から放射される
赤外線を検出する複数配列配置された赤外線検知素子
と、各赤外線検知素子の赤外線検知信号を取り込んで熱
画像信号を作成しこれをメモリに記憶する熱画像記憶部
と、このメモリに記憶された熱画像信号を2値化処理し
て背景情報を分離除去した熱画像を作成する熱画像作成
部と、熱画像の水平軸上の投影熱エネルギ分布領域と垂
直軸上の投影熱エネルギ分布領域の組み合わせによって
熱源領域を特定する熱源領域特定部と、検知対象の熱源
分布に対応した大きさのウインドウを前記熱源領域に設
置し、ウインドウを熱源領域内で走査移動するウインド
ウ走査部と、ウインドウの各走査位置でウインドウの面
積に占めるウインドウ内の熱画像の面積の占有割合を求
め、その占有割合によって検知対象とした熱放射体の検
知判別を行いその判別信号を出力する画像判別部とを有
することを特徴として構成されている。
【0009】
【作用】上記構成の本発明において、赤外線検知素子が
赤外線照射量に応じた赤外検知信号を検出出力すると、
熱画像記憶部が、この赤外検知信号を取り込み、この信
号に基づいて信号処理に適当な熱画像信号を作成し、内
蔵のメモリに熱画像信号を記憶する。
【0010】熱画像作成部は、前記メモリから熱画像信
号を読み出し、この熱画像信号を2値化処理し、2値化
された各熱画像信号を、例えば、赤外線検知素子の配列
位置に対応させて熱画像を作成する。このようにして作
成された熱画像の熱源分布(熱エネルギ分布)を、熱源
領域特定部が、熱画像の水平軸上および垂直軸上に投影
し、水平軸上と垂直軸上の投影熱エネルギ分布領域を求
め、この水平軸上と垂直軸上の投影熱エネルギ分布領域
の組み合わせによって、熱源領域を特定する。
【0011】ウインドウ走査部は、上記熱源領域に、予
め与えられている検知対象の熱源分布に対応した大きさ
のウインドウを設置し、このウインドウが熱源領域より
も小さいときにはウインドウを熱源領域内で走査移動す
る。そして、ウインドウの各走査位置で、画像判別部
が、ウインドウの面積に占めるウインドウの熱画像の面
積の占有割合を求め、この占有割合によって、検知対象
とした熱放射体の検知判別を正確に行い、判別信号を出
力する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0013】図1には、本実施例における熱放射体の検
知装置1の構成ブロック図が示されている。本実施例の
熱放射体の検知装置1は、従来例と同様に、自動ドアの
システムに組み込み使用され、検知対象である人体から
放射される赤外線を利用して人体を検知するものであ
り、赤外線検知部2と、増幅回路4と、デジタル変換回
路(A/D変換回路)5およびフレームメモリ6を有す
る熱映像記憶部7と、熱画像作成部9および熱源領域特
定部10およびウインドウ走査部11および画像判別部12を
有する信号処理部8と、アナログ変換回路(D/A変換
回路)13と、スイッチングユニット14と、報知装置15
と、ドア開閉装置16を有して構成される。
【0014】赤外線検知部2には、図3に示すように、
赤外線照射量に応じて熱抵抗が変化するボロメータ素子
や、赤外線照射量に応じた起電力を起こすサーモパイル
素子や、従来例と同様な焦電素子等の複数の赤外線検知
素子3が、例えば、横8列縦8列の二次元アレイ状に配
置形成されている。この赤外線検知素子3は、人体20等
の熱放射体から放射される赤外線の照射量に応じた赤外
線検知信号(アナログ信号)を検出出力する。なお、本
明細書中では同一サンプリング時に検出出力された各赤
外線検知素子3の赤外検知信号はまとめてフレームと呼
ぶ。
【0015】赤外線検知部2は、図10に示す従来例の赤
外線センサ40と同様なドア47の上方位置に設置され、各
赤外線検知素子3から赤外線照射量に応じた赤外検知信
号を検出出力し、増幅回路4に出力する。
【0016】増幅回路4は、前記赤外線検知素子3の個
数と同数のプリアンプ等の増幅体(図示せず)を有して
形成されており、赤外線検知部2の赤外検知信号を増幅
して熱映像記憶部7のデジタル変換回路5に出力する。
【0017】デジタル変換回路5は、入力されたアナロ
グ信号である赤外検知信号をデジタル信号(熱画像信
号)に変換してフレームメモリ6に出力する。フレーム
メモリ6は、入力された熱画像信号を順次記憶する。
【0018】信号処理部8の熱画像作成部9には、メモ
リが内蔵されており、また、人体20等の熱放射体の赤外
線情報と背景情報を分別する閾値が予め与えられてい
る。熱画像作成部9は、フレームメモリ6から1フレー
ムの熱画像信号を読み出して、各熱画像信号を、例え
ば、熱画像信号のレベルが閾値以上のときには「1」信
号(ON信号)とし、信号レベルが閾値未満のときには
「0」信号(OFF信号)とするというように2値化処
理し、熱放射体の赤外線情報と背景情報を分離する。
【0019】図4はメモリ上に形成した熱源画像の1フ
レームを示しており、図3の人体20を検出した画素に相
当する信号は「1」で示され、背景に相当する信号は
「0」で示されている。この「1」で示された領域が熱
画像である。このフレームは、熱画像作成部9のメモリ
に格納されている。
【0020】以上のようにして、熱画像作成部9は、背
景情報を分離除去した熱放射体の熱画像(図4では
「1」信号で作られた人体20の赤外線像)が形成された
熱源画像を作成する。
【0021】熱源領域特定部10は、熱画像作成部9で作
成された熱源画像を読み出して、この熱源画像に、以下
のようにして、図5の(b)に示すような、熱画像のお
およその熱エネルギ分布を表す熱源領域28を特定する。
【0022】まず、例えば、図5の(a)に示すよう
に、熱画像作成部9で作成された熱源画像の水平軸に縦
方向に熱画像の熱エネルギ分布を投影して(具体的に
は、各縦列の理論和を求めて)、熱画像の水平軸上の投
影熱エネルギ分布を求め、同様に垂直軸に横方向に熱画
像の熱エネルギ分布を投影して(各横列の理論和を求め
て)、熱画像の垂直軸上の投影熱エネルギ分布を求め
る。
【0023】次に、図5の(b)に示すように、熱源画
像上で、上記に求めた熱画像の水平軸上の投影熱エネル
ギ分布領域と垂直軸上の投影熱エネルギ分布領域が重な
り合う領域を熱源領域28として特定する。
【0024】さらに、熱源領域特定部10には、メモリが
内蔵されており、このメモリには、上記特定された熱源
領域28が検知対象である人体20の熱画像を含む真の熱源
領域28であるかを判断するために、予め人体20の見かけ
上の面積データが記憶されている。熱源領域特定部10
は、特定された熱源領域28内の熱画像の面積を求め、メ
モリから人体の面積データを読み出して、前記熱源領域
28内の熱画像の面積と人体の面積を比較して、熱画像の
面積が上記人体の面積データ未満のときに、この熱源領
域28には人体20の熱画像がないとして、この熱源領域28
を除外する。
【0025】具体的には、熱源領域特定部10のメモリ
に、予め人体20の見かけ上の面積に相当する、例えば、
「1」(ON状態)の熱画像信号の個数Xq(人体信号
データ)を与えておき、熱源領域特定部10は、熱源領域
28内の「1」の熱画像信号の個数Xpを計数し、このX
pと前記Xqを比較し、XpがXq未満となる熱源領域
28を除外する。
【0026】例えば、前記赤外線検知素子3を横m列縦
n列の二次元アレイ状に配列配置した赤外線検知部2
に、図6の(a)に示すような人体20と猫等の小動物21
の赤外線が照射されると、熱源領域特定部10は、前記の
ようにして、図6の(a)に示すような熱画像の水平軸
上と垂直軸上の投影熱エネルギ分布を求め、図6の
(b)に示すような、熱源領域28A,28B,28C,28D
を特定する。そして、各熱源領域28A,28B,28C,28
D内の熱画像を表す信号数Xpを計数し、人体信号デー
タXqをメモリから読み出し、XpとXqを比較する。
その結果、人体20の熱画像を含む熱源領域28D以外の熱
源領域28A,28B,28Cは除外される。
【0027】なお、図6では、黒く塗り潰された部分が
前記2値化処理後の熱画像信号の「1」(ON状態)で
表される熱画像部分に対応し、その他の白い部分が
「0」(OFF状態)で表される背景部分に対応してい
る。
【0028】以上のようにして、熱源領域特定部10は検
知対象である人体20の熱画像を含む熱源領域28を特定す
る。
【0029】ウインドウ走査部11には、人体20の熱源分
布(面積)に対応した大きさのウインドウ(人体のウイ
ンドウ)が予め与えられており、ウインドウ走査部11
は、熱源領域特定部10で特定された熱源領域28に上記人
体のウインドウを設置し、このウインドウが設置された
熱源領域28より小さいときには、この熱源領域28内でウ
インドウを走査移動する。
【0030】例えば、熱源領域特定部10で、図7に示す
ような、小動物21と人体20と日光等の外乱ノイズ(赤外
線検知素子3に焦電素子を用いているときには圧電ノイ
ズも含む)26の熱エネルギ分布による熱源領域28が特定
されたとすると、ウインドウ走査部11は、人体のウイン
ドウを熱源領域28に設置し、人体のウインドウが熱源領
域28より小さいので、ウインドウを熱源領域28内で走査
移動する。
【0031】なお、図7は、図6と同様に、黒く塗り潰
された部分が前記2値化処理後の熱画像信号の「1」で
表される熱画像部分に対応し、その他の白い部分が
「0」で表される背景部分に対応しているものとする。
【0032】画像判別部12にはメモリが内蔵されてお
り、このメモリには、熱源領域28内に設置されたウイン
ドウ内の熱画像が真に人体20であるかを判断するため
に、前記ウインドウの面積に占める人体20(熱画像)の
面積の占有割合の基準値(人体占有率データ、例えば90
%)が予め与えられている。画像判別部12は、図7に示
すような、ウインドウの各走査位置で、ウインドウの面
積に占めるウインドウ内の熱画像の面積の占有割合を求
め、上記人体占有率データを内蔵のメモリから読み出し
て、熱画像のウインドウ内での占有割合と人体占有率デ
ータを比較し、この熱画像の占有割合が上記人体占有率
データ(90%)以上のときに、ウインドウ内の熱画像は
人体20であると判断し、判別信号(デジタル信号)をス
イッチングユニット14に出力する。
【0033】具体的には、ウインドウ内の熱画像の面積
は、前記と同様に、「1」(ON状態)の熱画像信号の
個数に置換して求めることができる。したがって、画像
判別部12は、ウインドウ内の「1」の信号数Pを計数
し、予め分かっているウインドウ内の全信号数Qに対す
る上記Pの占有割合を求め、この占有割合と人体占有率
データを比較し、例えば、図7のウインドウのA位置で
は、熱画像の占有率が30%であるので熱画像は人体20で
ないと判断し、人体検知の判別信号を出力せず、また、
B位置では、熱画像の占有率が90%であるので熱画像は
人体20であると判断し、人体検知の判別信号を出力す
る。
【0034】スイッチングユニット14は、画像判別部12
の人体検知の判別信号を受けると、報知始動信号とドア
開信号をアナログ変換回路13に出力する。アナログ変換
回路13は、報知始動信号をアナログ信号に変換し報知装
置15に出力し、同様に、ドア開信号をアナログ信号に変
換しドア開閉装置16に出力する。
【0035】報知装置15は、報知始動信号を受けると、
人体20やビルの管理人等に向けて警告音や音声を発した
り、ライトを点灯する等の報知動作を行う。ドア開閉装
置16は、タイマーを内蔵しており、ドア開信号を受ける
とドア47を開け、ドア開信号を受けて設定の時間が経過
するとタイマー機能によってドア47を閉める。
【0036】上記構成の熱放射体の検知装置1における
人体20の検知動作を図2のフローチャートに基づいて説
明する。
【0037】まず、ステップ101 で、赤外線検知部2が
赤外検知信号を検出出力し、増幅回路4が赤外検知信号
を増幅し、デジタル変換回路5が赤外検知信号を熱画像
信号に変換し、この熱画像信号をフレームメモリ6が記
憶する。
【0038】ステップ102 で、熱画像作成部9がフレー
ムメモリ6から1フレームの熱画像信号を読み出し、熱
画像信号を2値化処理し、2値化された熱画像信号を赤
外線検知素子3の配列位置に対応させて内蔵のメモリ上
に、図4に示すような、背景情報が分離除去された熱画
像を形成した熱源画像を作成する。
【0039】ステップ103 で、熱源領域特定部10が、図
5に示すように、上記熱源画像に基づいて、熱画像の水
平軸上と垂直軸上の投影熱エネルギ分布を求め、ステッ
プ104 で、上記水平軸上と垂直軸上の投影熱エネルギ分
布領域が重なり合う熱源画像における領域を調べて、熱
源領域28を特定する。
【0040】ステップ105 で、特定した熱源領域28内に
おける熱画像(ON状態(「1」))の熱画像信号の個
数Xpを計数し、ステップ106 で、熱源領域特定部10の
メモリから人体信号データXqを読み出し、XpとXq
を比較する。
【0041】ステップ107 で、熱源領域28内における熱
画像(ON状態)の信号数Xpが人体信号データXq以
上でないときにはこの熱源領域28は除去され、ステップ
114の動作に移り、XpがXq以上であるときには、ス
テップ108 で、ウインドウ走査部11が、このXpがXq
以上である熱源領域28に、予め与えられている人体のウ
インドウを設置する。ステップ109 で、人体のウインド
ウが熱源領域28より大きいときにはステップ114 の動作
に移り、ウインドウが熱源領域28より小さいときには、
ステップ110 で、画像判別部12が、ウインドウ内の熱画
像(ON状態)の熱画像信号の個数Pを計数する。ステ
ップ111 で、画像判別部12が、ウインドウ内の全信号数
Qに対する上記Pの占有割合を求め、内蔵のメモリから
人体占有率データを読み出し、ウインドウ内の熱画像の
占有割合と人体占有率データ(90%)を比較し、熱画像
の占有割合が90%以上であるときには、ステップ112
で、熱画像が人体20であると判断する。そして、ステッ
プ113 で、画像判別部12が人体検知の判別信号を出力す
る。この判別信号は、スイッチングユニット14およびア
ナログ変換回路13を介して報知装置15とドア開閉装置16
に伝達され、ドア開閉装置16はドア47を開け、同時に、
報知装置15は、警告音や音声を発したり、ライトを点灯
させる等の報知動作を行う。そして、ステップ113 から
ステップ114 の動作に移る。
【0042】前記ステップ111 で、ウインドウ内の熱画
像の占有割合が90%以上でないときには、ステップ115
で、この熱画像は人体20の一部又は小動物21又は外乱ノ
イズ26であると判断し、人体検知の判別信号は出力され
ない。次に、ステップ116 で、ウインドウ走査部11が、
ウインドウを熱源領域28の全面に渡って走査移動したと
きには、ステップ114 の動作に移り、熱源領域28内の走
査移動が終了していないときには、ステップ117 で、ウ
インドウ走査部11が、ウインドウを熱源領域28内の他の
位置に走査移動し、ステップ110 以降の動作を行う。
【0043】ステップ114 では、複数の熱源領域28が生
じたときに、全ての熱源領域28について、ステップ105
以降の動作を行ったかを調べ、全ての熱源領域28の処理
が終了していないときには、ステップ118 で別の熱源領
域を調べると判断し、ステップ105 以降の動作を行い、
別の熱源領域を調べる。また、全ての熱源領域28の処理
が終了しているときには、ステップ101 に戻り、次のフ
レームの熱画像信号の取り込み動作に備える。
【0044】以上のようにして、熱放射体の検知装置1
は、人体20から放射される赤外線を利用して、正確に人
体20を判別する。
【0045】この実施例によれば、複数の赤外線検知素
子3が二次元アレイ状に配列形成される赤外線検知部2
と、各赤外線検知素子3の赤外検知信号(熱画像信号)
を2値化処理して背景情報を分離除去した熱画像を作成
する熱画像作成部9と、この熱画像による熱源領域28を
特定する熱源領域特定部10と、熱源領域28にウインドウ
を設置し走査移動するウインドウ走査部11と、ウインド
ウ内における熱画像の人体20の検知判別を行う画像判別
部12とを設けたので、本装置1は、小動物21や外乱ノイ
ズ26等の人体20以外の熱放射体と、人体20とを正確に判
別でき、従来例のように、小動物21と人体20を判別でき
ずに、小動物21であるのにドア47を開けてしまうという
ようなドア開閉装置16の誤動作がなくなる。
【0046】ところで、熱源領域28内の熱画像の信号数
Xpを計数し、このXpが人体信号データXq以上のと
きに熱画像が人体20であると判断する方式をとると、例
えば、図8に示すように、大きな熱源領域28内に外乱ノ
イズ26の熱画像が散在するような場合には、外乱ノイズ
26の信号数がXqを越える場合が生じ、外乱ノイズ26を
人体20の熱画像であると誤検知してしまうという問題が
生じるが、本実施例では、上記の如く、人体検知判断の
基準となるウインドウと、このウインドウのウインドウ
走査部11と、画像判別部12を設けたので、例えば、図8
に示すような、外乱ノイズ26だけの熱源領域28が特定さ
れ、この熱源領域28内の外乱ノイズ26の総信号数Xpが
人体信号データXq以上であっても、ウインドウ走査部
11によって人体のウインドウを走査移動し、画像判別部
12による各走査移動位置でのウインドウ内の熱画像の占
有割合と人体占有率データの比較によって、外乱ノイズ
26に惑わされずに、この熱源領域28内には人体20は存在
しないと正確に判別することができる。
【0047】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上
記実施例では、自動ドアのシステムに使用される装置1
であったが、例えば、図1の構成ブロック図のドア開閉
装置16を、捕獲用ネット射出器やガス噴出器等の小動物
21の排除手段に置き換えて、通信ケーブル用トンネル内
のケーブルを損傷させる小動物21、例えば鼠の排除装置
に適用させることができるという如く、報知装置15やド
ア開閉装置16を他の手段に置き換えて様々な装置に適用
することができる。
【0048】ただし、上記適用装置に合わせて、検知対
象は変わり、この検知対象によって、熱源領域特定部1
0、ウインドウ走査部11、画像判別部12には、それぞ
れ、検知対象(例えば鼠)に関するデータやウインドウ
が与えられる。
【0049】また、上記実施例では、画像判別部12に
は、ウインドウの面積に占める検知対象(人体20)の面
積の占有割合の基準となる1個のデータ(下限データ)
が与えられていたが、例えば、人体20より小さい小動物
21だけを検知したいときには、上記占有割合の基準とな
る上限と下限のデータを与えておけば、検知対象より大
きい熱放射体(例えば、人体20)を検知せず小動物21だ
けを検知することができる。
【0050】また、例えば、前記ドア開閉装置16を鼠の
排除手段に置き換えた通信ケーブル用トンネル内の鼠の
排除装置において、人体20と鼠を共に検知判別したいと
きには、人体20に関する信号数データとウインドウの大
きさとウインドウ内に占める人体検知の占有割合のデー
タ、および鼠に関する信号数データとウインドウの大き
さとウインドウ内に占める鼠検知の占有割合のデータ
を、それぞれ、熱源領域特定部10とウインドウ走査部11
と画像判別部12に与え、特定された熱源領域28につき、
上記実施例と同様に、人体20の検知動作と、鼠の検知動
作をそれぞれ行えば人体20と鼠を検知判別できる。この
ように、検知対象が複数種類であっても、各検知対象に
関するデータを熱源領域特定部10とウインドウ走査部11
と画像判別部12に与え、特定された各熱源領域28につ
き、各検知対象の検知動作を行えば、検知対象を正確に
検知判別できる。
【0051】また、アナログ変換回路13と報知装置15の
間や、アナログ変換回路13とドア開閉装置16の間は、有
線又は無線のどちらの手段で接続してもよく、無線で接
続されているときには、アナログ変換回路13に発信手段
が設けられ、報知装置15やドア開閉装置16に受信手段が
設けられることになる。
【0052】また、ウインドウは、上記実施例のように
矩形でなく、検知対象の立体角に対応する円形等の他の
形状であってもよい。
【0053】また、上記実施例では、フレームメモリ6
に、背景情報を含んだままの熱画像信号を記憶したが、
背景情報を除去する信号処理を行った熱画像信号を記憶
してもよい。このときには、熱画像作成部9での背景情
報を除去する手間を省くことができる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、赤外線検知素子が複数
配列配置され、各赤外線検知素子の赤外検知信号に基づ
き熱画像信号を2値化処理して背景情報を分離除去した
熱画像を作成する熱画像作成部と、この熱画像による熱
源領域を特定する熱源領域特定部と、熱源領域に検知対
象の熱源分布に対応した大きさのウインドウを設置し走
査移動するウインドウ走査部と、ウインドウ内の熱画像
が検知対象とした熱放射体であるかを判別する画像判別
部を設けたので、本装置は、検知対象とした熱放射体を
正確に検知判別できる。
【0055】また、上記の如く、ウインドウ走査部と画
像判別部を設けたので、熱源領域特定部で、検知対象以
外の熱放射体による熱源領域が特定されたとしても、ウ
インドウ走査部による検知対象のウインドウの設置およ
び走査移動と、画像判別部におけるウインドウ内の熱画
像の占有割合による検知対象の検知判別によって、検知
対象以外の熱放射体は誤って検知対象の熱放射体である
と判断されることはなく、正確な判別信号を画像判別部
から出力できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の熱放射体の検知装置における構成ブ
ロック図である。
【図2】本実施例の熱放射体の検知装置における検知動
作を示すフローチャートである。
【図3】赤外線検知素子の配列配置の一例を示す説明図
である。
【図4】熱画像作成部が作成した熱源画像の一例を示す
説明図である。
【図5】熱源領域特定部が求める熱画像の投影熱エネル
ギ分布と熱源領域の一例を示す説明図である。
【図6】熱画像と、垂直軸上および水平軸上の投影熱エ
ネルギ分布と、熱源領域との関係を示す説明図である。
【図7】ウインドウ走査部が熱源領域内に設置し走査移
動するウインドウの一例と、ウインドウと熱画像の関係
を示す説明図である。
【図8】外乱ノイズだけで形成される熱源領域の一例を
示す説明図である。
【図9】従来例を示す説明図である。
【図10】赤外線を検知する赤外線センサ(赤外線検知
部)の設置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 熱放射体の検知装置 3 赤外線検知素子 6 フレームメモリ 7 熱映像記憶部 9 熱画像作成部 10 熱源領域特定部 11 ウインドウ走査部 12 画像判別部 20 人体 28 熱源領域

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱放射体から放射される赤外線を検出す
    る複数配列配置された赤外線検知素子と、各赤外線検知
    素子の赤外線検知信号を取り込んで熱画像信号を作成し
    これをメモリに記憶する熱画像記憶部と、このメモリに
    記憶された熱画像信号を2値化処理して背景情報を分離
    除去した熱画像を作成する熱画像作成部と、熱画像の水
    平軸上の投影熱エネルギ分布領域と垂直軸上の投影熱エ
    ネルギ分布領域の組み合わせによって熱源領域を特定す
    る熱源領域特定部と、検知対象の熱源分布に対応した大
    きさのウインドウを前記熱源領域に設置し、ウインドウ
    を熱源領域内で走査移動するウインドウ走査部と、ウイ
    ンドウの各走査位置でウインドウの面積に占めるウイン
    ドウ内の熱画像の面積の占有割合を求め、その占有割合
    によって検知対象とした熱放射体の検知判別を行いその
    判別信号を出力する画像判別部とを有する熱放射体の検
    知装置。
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