JPH08145008A - クローラ車両用ブレーキ装置 - Google Patents

クローラ車両用ブレーキ装置

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JPH08145008A
JPH08145008A JP30682694A JP30682694A JPH08145008A JP H08145008 A JPH08145008 A JP H08145008A JP 30682694 A JP30682694 A JP 30682694A JP 30682694 A JP30682694 A JP 30682694A JP H08145008 A JPH08145008 A JP H08145008A
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JP
Japan
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hydraulic motor
inner hole
brake
valve
brake device
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JP30682694A
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Hitoshi Yamaguchi
斎 山口
Masahiro Tsunemi
正博 常深
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Nabco Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メカニカルブレーキを用い、慣性負荷の大小
にかかわらずクローラ車両が停止する際のショックを緩
和する。 【構成】 クローラ車両の走行装置駆動用のメカニカル
ブレーキ装置付き油圧モータを、圧油給排回路1 を、カ
ウンタバランス弁5 を介して方向切換弁7 に接続すると
共に、油圧モータに設けたメカニカルブレーキ装置2 の
油圧室33を、前記カウンタバランス弁が中立位置にある
時タンクに接続し切換位置にあるとき上流側の高圧側給
排回路3a、4aに接続する構成において、メカニカルブレ
ーキ装置を、第1ブレーキ機構と第2ブレーキ機構とで
形成し、この第1ブレーキ機構と第2ブレーキ機構と
を、カウンタバランス弁によって油圧室がタンクに接続
された時、油圧モータに第1ブレーキ機構による第1ブ
レーキ力を作用させ、この第1ブレーキ機構の所定時間
作動後に第1ブレーキ力よりも強い第2ブレーキ機構に
よる第2ブレーキ力を作用させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クローラ車両の走行駆
動部の油圧モータに対して設けられたクローラ車両用ブ
レーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のブレーキ装置には、図7
に示すものがある。こうしたものにおいては、油圧モー
タ101の停止時に、油圧モータ101が有するメカニ
カルブレーキ102と、油圧モータ101に接続するカ
ウンタバランス弁103による流体ブレーキとを併用す
ることで、それまで用いられていた油圧ブレーキ弁を省
いて油圧モータのブレーキ装置を簡単にしたというもの
である。図中104は方向切換弁である。このメカニカ
ルブレーキを併用した構成は、クローラ車両が坂道下降
時のように長時間の速度制御を必要とする場合には、カ
ウンタバランス弁による流体ブレーキを利用し、メカニ
カルブレーキを作用させない。そして、その停止時のご
く短時間、メカニカルブレーキ装置をダイナミックブレ
ーキとして利用するようになっている。従って、停止時
にメカニカルブレーキによって停止する構成である。
【0003】メカニカルブレーキだけの場合には、装置
が決まると決まったブレーキ力であるため、油圧モータ
の速度が大幅に変化すると対応できなくなる。その理由
は、最近の建設機械においては、走行用油圧モータの速
度が2速あるいは3速のものがあり、建設機械の使用状
態に応じて使い分けられている。例えば、比較的長い距
離を走行するときは高速とし、比較的短い距離を走行す
る時は低速とされ、作業性の向上を図ることが行われて
いる。このように油圧モータの速度が変化すると、高速
走行の場合にはその分慣性負荷が大きくなり、低速走行
の場合には慣性負荷が小さくなる。従って、高速走行に
必要なブレーキ力となるように調整すると、低速走行状
態から停止するときにブレーキ力が過剰になり、停止時
にショックが発生し、また低速走行時に必要なブレーキ
力となるように調整すると、高速走行時から停止すると
きに制動距離が長くなる、という欠点があるからであ
る。具体的には、図6の曲線(c)に示すような特性曲
線となるため、油圧モータの回転数が1800rpm程
度で停止時間が0.5secとなる点C1で良好なフィ
ーリングが得られるとして、このように調整しても、モ
ータの回転数が1000rpm程度(負荷が小さい)で
は点C2であり、停止時間が0.25secという短い
停止時間となり、ショックが大きくなり、良好なフィー
リングは得られないのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のブレーキ装
置は、停止時にはブレーキ力が一定に決まったメカニカ
ルブレーキにより停止するものであるから、2速、3速
に走行速度が変わるクローラ車両においては、停止時間
が大きく変化して停止の際のフィーリングが良くない問
題がある。本発明は、メカニカルブレーキを用い、カウ
ンターバランス弁の本来の機能を確保するとともに慣性
負荷の大小にかかわらずクローラ車両が停止する際のシ
ョックを緩和することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の手段は、クロー
ラ車両の走行装置駆動用のメカニカルブレーキ装置付き
油圧モータを、圧油を給排する給排回路をカウンタバラ
ンス弁を介して方向切換弁に接続すると共に、前記油圧
モータに設けたメカニカルブレーキ装置の油圧室を、前
記カウンタバランス弁が中立位置にある時タンクに接続
し切換位置にあるときカウンタバランス弁の上流側の高
圧側給排回路に接続する構成のクローラ車両用ブレーキ
装置において、前記メカニカルブレーキ装置を、第1ブ
レーキ機構と第2ブレーキ機構とで形成し、この第1ブ
レーキ機構と第2ブレーキ機構とを、前記カウンタバラ
ンス弁によって前記油圧室がタンクに接続された時、前
記油圧モータに第1ブレーキ機構による第1ブレーキ力
を作用させ、この第1ブレーキ機構の所定時間作動後に
第1ブレーキ力よりも強い第2ブレーキ機構による第2
ブレーキ力を作用させる構成としたことを特徴とする。
【0006】前記手段において、前記油圧モータに設け
たメカニカルブレーキ装置は、油圧モータのシリンダブ
ロックの外周に、シリンダブロックの回転方向に係合さ
れ、シリンダブロックの軸方向にのみ移動可能としたフ
リクションプレートと、このフリクションプレート外方
の油圧モータ本体の内孔に、周方向に係合し、軸方向に
のみ移動可能とし、前記フリクションプレートが軸方向
に移動させられた時当接するセパレータプレートとによ
り摩擦部分を構成し、この摩擦部分が設けられた本体の
内孔にこの内径より大径の第1内孔と、この第1内孔よ
り大径の第2内孔を連設し、この第1内孔と第2内孔の
各々に摺動自在に嵌入すると共に内側に大径内孔と小径
内孔を有する中間体を設け、この中間体の小径内孔と大
径内孔の各々に摺動自在に嵌入する押圧ブロックを設
け、前記中間体と前記摩擦部分との間に第1ブレーキ力
を発生させる第1ばねを設けると共に前記押圧ブロック
の後端に第2ブレーキ力を発生させる第2ばねを設け、
この押圧ブロックの先端面を前記摩擦部分に当接させる
構成とし、前記本体の第2内孔と中間体とで構成した第
1圧力室を前記カウンタバランス弁に接続するととも
に、前記中間体の大径内孔と押圧ブロックとで構成した
第2圧力室を、絞りを介して第1圧力室に接続した構成
とするのがよい。
【0007】また、前記手段において、前記油圧モータ
が、斜板を傾転して高速と低速の2速に切換可能とした
構成にし、この油圧モータの速度切換弁のパイロット側
に、油圧モータへの油圧の給排を制御する方向切換弁が
中立位置になったときパイロット油圧源に接続する切換
弁を設け、油圧モータを停止させるときの方向切換弁の
信号によって高速状態に切り換える構成とするのがよ
い。
【0008】
【作用】カウンタバランス弁が切換位置から中立位置に
戻る際に、メカニカルブレーキ装置の圧力室がタンクに
接続されるとともに、給排回路が絞られ、先ず第1ブレ
ーキ力が作用し、次に第1ブレーキ力よりも強い第2ブ
レーキ力が作用する。低速走行しているときには、比較
的慣性負荷が小さいから、第1ブレーキ力で油圧モータ
が停止し、その後に第2ブレーキ力が作用する。従っ
て、ブレーキ力が過剰にはならないから、停止時にショ
ックが発生しない。また、高速走行しているときには、
比較的慣性負荷が大きいから、第1ブレーキ力では油圧
モータが停止せず、第1ブレーキが所定時間作用した後
で第1ブレーキ力よりも強い第2ブレーキ力が作用して
油圧モータが停止する。従って、制動距離が長くなり過
ぎるようなことはない。
【0009】第1圧力室と第2圧力室を絞りを介して接
続した前述の構成のものでは、カウンタバランス弁が中
立位置に戻る際に、第1圧力室がタンクに接続されて第
1ブレーキ力が作用する。このとき第2圧力室は絞りを
介して第1圧力室に接続しているから、その第2圧力室
の圧油が流出してしまうまでに所定時間を要し、その所
定時間経過した後に第2ブレーキ力が作用する。従っ
て、第1ブレーキ機構と第2ブレーキ機構との連動が正
確に行われる。また、第1圧力室の内側に第2圧力室を
設る構成であるから、圧力室部分の軸方向寸法を小さく
できる。
【0010】油圧モータが低速に切り換えられて走行し
ている状態から停止させる場合、慣性負荷は高速走行時
よりも小さい。しかし、カウンタバランス弁が中立位置
に戻るまでの間に生じる流体ブレーキ力は、低速走行の
場合でも高速走行の場合でも同じである。すなわち、斜
板式油圧モータは一定流量で圧油を供給されていて斜板
の角度を変更されることによって速度を切り換えられる
ものであるから、流体ブレーキが作用しはじめる時の流
量は低速走行でも高速走行でも一定である。流体ブレー
キ力は回路が絞られることによる回路抵抗であり、流量
が一定であれば同じであるからである。このため、低速
で走行している状態から停止させる場合には、慣性負荷
が小さい分だけ、高速走行している状態から停止させる
場合よりもショックが大きくなるが、前記手段によれ
ば、つまり、油圧モータを停止させるときの方向切換弁
の信号によって高速状態に切り換えるようにした前述の
構成のものは、方向切換弁を中立位置に戻したときに高
速状態に切り換えられるから、事実上慣性負荷で駆動さ
れるポンプとして作用する油圧モータの吐出流量が減少
し、その分、流体ブレーキ力の影響が少なくなり、ショ
ックが小さくなる。
【0011】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図4を用いて説
明する。この実施例における油圧モータ1はメカニカル
ブレーキ装置2を有し、図2に示すような構成であり、
その油圧回路は図1に示すようになっている。図1にお
いて、油圧モータ1は、給排回路3、4によりカウンタ
バランス弁5に接続し、このカウンタバランス弁5とポ
ンプ6との間に方向切換弁7が設けてある。
【0012】油圧モータ1は、図2に示すように、斜板
式油圧モータであり、本体10内に、弁板11、シリン
ダブロック12、斜板13、出力軸14、メカニカルブ
レーキ装置2等を設置されており、弁板11を介してシ
リンダ15に圧油を給排することにより、斜板13にシ
ュー16を介して当接したピストン17が動作してシリ
ンダブロック12が回転し、その回転が出力軸14を介
して出力されるようになっている。弁板11には、図示
していないが、複数の、例えば2個の給排孔があり、そ
の一方に圧油を供給し他方から排出することでシリンダ
ブロック12が所定の方向へ回転し、圧油の給排を逆に
することによってシリンダブロック12が前記と逆の方
向に回転する。図中、18は斜板傾転用シリンダで、圧
油を供給されることにより図示の状態から斜板13を右
方へ押して斜板傾転支点19を中心として所定角度傾転
させた状態に保ち、シリンダブロック12の回転数を、
すなわち油圧モータ1の回転数を低速から高速へ切り換
えることができる。
【0013】メカニカルブレーキ装置2は、図3に部分
を拡大して示すように、摩擦ブレーキであり、第1制動
トルクを与える第1ブレーキ機構と第2制動トルクを与
える第2ブレーキ機構とで構成され、一つの摩擦部分2
3、第1ばね24、中間体25、押圧ブロック26、第
2ばね27等からなる。摩擦部分23は、シリンダブロ
ック12の外周に、回転方向に係合し、軸方向にのみ移
動可能に設けた環状のフリクションプレート28と、こ
のフリクションプレート28が軸方向に移動させられた
とき当接するようにフリクションプレートの外方の本体
10の内孔29に、周方向に係合し、軸方向にのみ移動
可能に設けた環状のセパレータプレート30との適当枚
数を交互に配置して構成されている。そして、セパレー
タプレート30の前端のものは所定の前端位置よりも前
には移動できないように、図2に示す本体10の部分1
0bで拘束されている。
【0014】第1ばね24は、前記内孔29よりも大径
の本体10の第1内孔31に配置された環状の皿ばねで
ある。中間体25は、段付きの環状ピストンに形成さ
れ、前記第1内孔31と、第1内孔31に続いて段を成
して形成された第2内孔32の双方に摺動可能に嵌合し
ている。これによって第1内孔31と第2内孔32の段
差部と、中間体25の段差部との間に環状の第1圧力室
33が形成される。また、中間体25は、内孔も外径に
略対応して段差をなし、小径内孔34、大径内孔35を
有している。押圧ブロック26は、中間体25の大径及
び小径内孔34、35の双方に摺動可能に嵌合した段差
付きの環状ピストンに形成され、その外径の段差部と中
間体25の内孔の段差部との間に第2圧力室36を形成
している。第1圧力室33と第2圧力室36との間は中
間体に穿設された絞り37を有する通路により連通して
あり、第1圧力室33は本体に穿設されている後述する
作動回路38が接続している。
【0015】第2ばね27は、複数のコイルばねで前記
押圧ブロック26の後面(摩擦部分23のある側と反対
側の面)に対向する位置の本体10の後蓋10aに凹設
された複数のばね支持部に後部を収容し各々の先端が押
圧ブロック26に当接している。この第2ばね27の押
圧力は第1ばね24の押圧力よりも大きい。
【0016】このメカニカルブレーキ装置2は、作動回
路38がタンク圧であるときは、第1圧力室33及び第
2圧力室36が共にタンク圧であるから、第2ばね27
の作用により押圧ブロック26が前進し、中間体25を
介して第1ばね24を圧縮してセパレータプレート30
の後側端のものに押圧接触しているとともに、押圧ブロ
ック26自身も前端面がセパレータプレート30の後側
端のものに押圧接触している。この状態を図3(c)に
示す。従って、セパレータプレート30とフリクション
プレート28とは互いに押しつけられ、シリンダブロッ
ク12の本体10側に対する回転に対してその摩擦抵抗
でブレーキ作用している。
【0017】作動回路38に圧油が供給されるようにな
ると、後述するリストリクタ38aがあるため第1圧力
室33に徐々に圧油が供給され、これによって中間体2
5が徐々に後退し、第1ばね24の圧縮が解除され、第
2圧力室36にも絞り37を介して徐々に圧油が供給さ
れるから、押圧ブロック26も第2ばね27に抗して徐
々に後退する。後退した状態を図3(a)に示す。従っ
て、摩擦部分23に作用していたばねによる押圧力が徐
々に解除され、つまりブレーキが徐々に解除される。
【0018】このようにブレーキが解除されている状態
から、作動回路38がタンクに接続されると、第2ばね
27の反力で押圧ブロック26が前進し先ず第1圧力室
33の圧油が排出されるから、中間体25が前進端まで
前進し、第1ばね24をセパレータプレート30の後側
端のものに接触させ押圧するようになる。中間体25が
前進端に到達した段階が第1制動トルクが作用した状態
であり、この状態を図3(b)に示す。このとき第2圧
力室36の圧油も絞り37を介して排出されているが、
絞り37の存在により全量が排出されるのは少し遅れる
から、その分遅れて押圧ブロック26の先端面がセパレ
ータプレート30の後側端のものに接触し、図3(c)
に示すように、押圧するようになる。この段階が第2制
動トルクが作用した状態である。結局、第1制動トルク
が作用してから第2制動トルクが作用するまでにはある
時間が掛かり、その間は第1制動トルクが作用し、その
第1制動トルクの大きさは一定しており、次に第1制動
トルクよりも大きい第2制動トルクが作用する。
【0019】給排回路3、4は、前記油圧モータ1の弁
板11の圧油給排孔に接続するもので、図1に見られる
ように、カウンタバランス弁5に接続し、このカウンタ
バランス弁5と方向切換弁7の間を給排回路3a、4a
で接続してある。メカニカルブレーキ装置2の第1圧力
室33に接続する作動回路38は、図1に示すように、
カウンタバランス弁5が中立位置になったとき、タンク
41に接続した回路42と接続する。作動回路38には
逆止弁38bと、絞り38cとを並列に接続したリスト
リクタ38aを設けてある。このリストリクタ38a
は、メカニカルブレーキ装置2の第1圧力室33への圧
油の供給を遅らせるもので、切換弁7が中立位置7aか
ら切換位置7b又は7cに切り換えられたとき、油圧モ
ータ1の始動よりメカニカルブレーキ装置2のブレーキ
解除が少し遅れるようにしたものである。
【0020】カウンタバランス弁5は、図1に示すよう
に、中立位置5aとその両側に切換位置5bと5cを有
し、その中立位置5aと切換位置5bの間に途中位置5
b′及び中立位置5aと切換位置5cの間に途中位置5
c′を有し、方向切換弁7に接続する給排回路3aにリ
ストリクタ43を介してパイロット回路44が接続する
パイロット室45と、給排回路4aにリストリクタ46
を介してパイロット回路47が接続するパイロット室4
8と、パイロット室45、48に作用する油圧による押
圧力に対向するようにばね49、50を設けてある。ま
た、カウンタバランス弁5が中立位置にあるとき、パイ
ロット室45を給排通路3aに接続するパイロット回路
51及びパイロット室48を給排通路4aに接続するパ
イロット回路52を設けてある。
【0021】このカウンタバランス弁5は、中立位置5
aでは、メカニカルブレーキ装置2の作動回路38が回
路42を介してタンク41に接続され、パイロット回路
51が給排回路3aに接続され、パイロット回路52が
給排回路4aに接続される。
【0022】切換位置5bでは、給排回路3aが給排回
路3と作動回路38に接続し、給排回路4aが給排回路
4に接続するが、その途中位置5b′では、給排回路3
aが給排回路3に接続し、作動回路38がタンクに接続
した回路42と接続する。また、切換位置5cでは、給
排回路4aが給排回路4と作動回路38に接続し、給排
回路3aが給排回路3に接続するが、その途中位置5
c′では給排回路3aが給排回路3に接続し、作動回路
38がタンクに接続した回路42と接続する。なお、途
中位置5b′、5c′及び切換位置5b、5cでは、パ
イロット回路51、52は遮断される。
【0023】方向切換弁7は、中立位置7a、切換位置
7b、7cを有し、中立位置7aでは給排回路3a、4
aをタンク8に接続し、切換位置7bでは給排回路にポ
ンプ6を、給排回路4aにタンク8を接続し、切換位置
7cでは給排回路4aをポンプ6に、給排回路3aをタ
ンク8に接続する。図中、53はリリーフ弁で、ポンプ
の吐出圧力の最高圧を制限する。
【0024】このように構成されたクローラ車両用ブレ
ーキ装置は、方向切換弁7を運転者が切換操作して車両
を前進や後進、そして停止させる間に、適切なブレーキ
が作用する。次に、切換弁の操作によるブレーキ装置の
作用を説明する。切換弁7が操作されていない中立位置
7aにあるとき、給排回路3a、4aはタンク8に接続
されているから、カウンタバランス弁5のパイロット室
45、48の双方がタンク圧になり、スプールが両端の
ばね49、50によって中立位置5aに保持される。中
立位置5aでは、給排回路3、4が遮断されており、作
動回路38がタンク41に接続している。従って、メカ
ニカルブレーキ装置2の第1圧力室33、第2圧力室3
6はタンク圧であり、第2制動トルクが作用している。
【0025】切換弁7が中立位置7aから切換位置7b
に操作されたとき、ポンプ6が給排回路3aに接続し、
給排回路4aにタンクが接続する。これによってカウン
タバランス弁5は、パイロット回路44とパイロット回
路51を介してパイロット室45に圧油が供給されて途
中位置5b′を経て切換位置5bに切り換わる。このと
きパイロット室48の油は、パイロット回路52とリス
トラクタ46の絞りからパイロット回路47を介して給
排回路4aに排出される。切換位置5bでは、給排回路
3aが給排通路3と作動回路38に接続して圧油を供給
し、給排回路4aが給排回路4に接続して圧油を排出す
るから、油圧モータ1が起動し、メカニカルブレーキ装
置2が解除される。メカニカルブレーキ装置2の完全な
解除が少し遅れるから、油圧モータ1の回転は始めに回
転方向の遊隙が無くなるように微小動作し、その微小動
作が終わった頃にブレーキが完全に解除される。これに
よって油圧モータ1は停止状態から起動するときの遊隙
を急激に消滅されることによる衝撃が回避されるから、
滑らかに起動し、クローラ車両が走行を開始する。な
お、切換弁7が中立位置7aから切換位置7cに操作さ
れたときは、給排回路4aにポンプ6が接続し、給排回
路3aにタンクが接続されるようになり、前記と油圧モ
ータ1の回転が逆になる点が相違し、ブレーキ解除作用
は同じである。
【0026】クローラ車両の走行中、切換弁7が切換位
置7bから中立位置7aに操作されたとき、給排回路3
a、4aがタンク8に接続されるから、給排回路3aの
圧力の低下によりカウンタバランス弁5は、ばね49、
50により中立位置5aに向かう移動が始まり、パイロ
ット室45の油がリストリクタ43の絞りの作用により
徐々に排出され、中立位置5aに徐々に戻る。この間、
途中位置5b′を経るので、給排回路3、4は徐々に絞
られて流体ブレーキ作用を行い、パイロット回路38は
タンク41に連通されてメカニカルブレーキ装置2が作
動する。メカニカルブレーキは、先ず第1ばね24の反
力に対応する第1制動トルクが作用し、少し遅れて第2
ばね27の反力に対応する第2制動トルクが作用する。
ブレーキ作用によりモータ1が停止した直後にカウンタ
バランス弁5は中立位置5aに戻る。メカニカルブレー
キ装置2作動して油圧モータ1が停止するまでの時間
は、前述したリストラクタ43によりカウンタバランス
弁5の戻りが遅れるので、給排回路3、4を破損させる
圧力は発生しない。これによって給排回路3、4のオー
バロードリリーフ弁を省略できる。なお、切換弁7が切
換位置7cから、すなわち、油圧モータ1が前記とは逆
に回転している状態から、中立位置7aに操作されたと
きも、ブレーキ作用は同じである。
【0027】この第1実施例におけるメカニカルブレー
キ装置2の制動トルクと制動作用時間の関係の1例を図
4に示す。図中、t0 は方向切換弁7を切換位置から中
立位置に戻した後第1制動トルクが作用しはじめる時
点、t1 は第2制動トルクが作用しはじめた時点、t2
は油圧モータ1が停止した時点であり、T1 は圧縮され
た第1ばね24による第 1制動トルク、T2 は第2ばね
27による第2制動トルク、T3 はモータが停止した後
の第2ばね27による制動トルクであり、このT3 は静
止摩擦によるから、動摩擦による制動トルクT2 よりも
大きい。時点t0〜t1 までの時間は絞り37で制御さ
れるから一定している。従って、この間に停止しないか
ら、時点t1 から第2制動トルクが作用しはじめる。そ
してt2 で停止する。
【0028】この第1実施例のブレーキ装置は、メカニ
カルブレーキ装置2が、第1圧力室33の内側に第2圧
力室36を設けた構成であるから、押圧力の作用する方
向の寸法を小さくできて、小型化に有利である。また、
ブレーキ作用の際に、第2圧力室36から絞り37を介
して第1圧力室33を通りタンクへ連通するから、仮に
第1圧力室33の圧力の低下が遅れると、第2圧力室3
6の圧力の低下も遅れるので、第1ブレーキと第2ブレ
ーキの連動が確実である。
【0029】第2実施例を図5、図6を用いて説明す
る。この実施例は第1実施例の装置において、流体ブレ
ーキ力がメカニカルブレーキ装置に与える影響を出来る
だけ少なくしたものである。第1実施例と異なる点は、
高圧選択回路75、速度切換弁76、電磁切換弁77、
リミットスイッチ78、運転者が操作する速度切換スイ
ッチ79等を設けた点である。図5には第1実施例と同
等部分を同一図面符号で示してあり、その同等部分の説
明は省略する。
【0030】高圧選択回路75は、給排回路3、4を結
ぶ通路に2個の逆止弁81、82を図示のようにもうけ
て双方の逆止弁81、82の間に通路83を接続して、
通路83に給排回路3、4の高圧側の圧油が出力される
ようにしてあり、その通路83を速度切換弁76、絞り
93を有する通路94を介して斜板傾転用シリンダ18
に接続してある。速度切換弁76は切換位置76aと7
6bを有し、その切換のために一方にパイロット室8
4、他方にパイロット室85とばね86を有している。
切換位置76aは通路83を遮断し、通路94をタンク
41に接続し、切換位置76bは通路83を通路94に
接続する。
【0031】電磁切換弁77は、切換位置77a、77
bを有し、その切換のために一方にソレノイド87、他
方にばね88を有し、パイロット油圧源89とパイロッ
ト回路90との間に設けられている。切換位置77aは
パイロット回路90をタンク8に接続し、パイロット油
圧源89側を遮断する。切換位置77bはパイロット油
圧源89をパイロット回路90に接続する。リミットス
イッチ78は、方向切換弁7が中立位置においてオンと
なるように設けてあり、前記ソレノイド87に通電して
電磁切換弁77を切換位置77bとするようになってい
る。速度切換スイッチ79は、前記ソレノイド87と電
源の間に、前記リミットスイッチ78と並列に設けてあ
り、運転者が操作する遮断位置と導通位置を有するもの
である。パイロット回路90は速度切換弁76のパイロ
ット室84に接続されている。このパイロット回路90
には前記高圧選択回路75のもう一つの出力通路83a
が接続している。
【0032】この第2実施例の装置では、方向切換弁7
が切換位置7b又は7cから中立位置7aに切り換えら
れ、カウンタバランス弁5が切換位置5bにある状態か
ら途中位置5b′を経て中立位置5aになる際に、給排
回路3、4が徐々に閉鎖されるので、第1実施例と同様
に、油圧モータ1には給排回路3、4に作用する油圧に
よる流体ブレーキが作用し、そしてメカニカルブレーキ
も作用する。このとき、運転者の操作する速度切換スイ
ッチ79が遮断状態であると、パイロット回路90に圧
油が供給されず、速度切換弁76が切換位置76aであ
り、斜板傾転用シリンダ18が動作しておらず、低速走
行モードである。この低速走行モードでは、高速走行モ
ードの時よりも大きい流体ブレーキが作用することにな
る。しかし、この実施例の場合は、方向切換弁7が中立
位置7aになったときに、リミットスイッチ78がオン
となり、電磁切換弁77が切り換わってパイロット油圧
源89をパイロット回路90に接続し、パイロット室8
4にパイロット圧を作用させ、速度切換弁76を切り換
えて斜板傾転用シリンダ18に給排回路3、4の高圧側
の油圧とパイロット回路90の油圧の双方又は一方を供
給して動作させ、実質的に高速走行モードとしている。
従って、油圧モータ1が停止する時には、常に小さい値
の流体ブレーキが作用する。
【0033】これによって、運転者の操作する速度切換
スイッチ79が低速モード(遮断位置)でも高速モード
(連通位置)でも同じ流体ブレーキが作用するようにな
るから、前述のメカニカルブレーキ装置2の慣性負荷の
大小に対応できる作用と組合されて、ブレーキ作用のフ
ィーリングが一定し操作性が良い。つまり、慣性負荷の
大小によってあまり停止時間に相違がないのである。図
6における曲線(a)は同実施例の慣性負荷と車両停止
時間との関係を示し、前述のメカニカルブレーキのみの
場合の曲線(c)と比べて慣性負荷の大小による停止時
間の差がきわめて少ないことが分かる。同図における曲
線(a′)は同実施例の曲線(a)の示す停止時間に対
して慣性負荷が変化したときの流体ブレーキ力が影響し
ている程度を示すものであり、曲線(a)と曲線
(a′)との間がメカニカルブレーキの影響している範
囲であり、メカニカルブレーキの影響程度が少ない12
00rpm以下は第1ブレーキ力のみで停止し、それ以
上は第2ブレーキ力が作用して停止することを示す。
【0034】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、第1、
第2ブレーキ力が順次作用することで、低速走行から停
止するときにブレーキ力が過剰にならず、停止時のショ
ックが発生せず、高速走行から停止するとき、制動距離
が長くなり過ぎないことから、クローラ車両が停止する
際のブレーキフィーリングが良くなる効果を奏する。請
求項2に記載の発明によれば、第1ブレーキ力が作用し
た後第2ブレーキ力が作用するまでの時間が絞りによっ
て確保され、第1ブレーキ機構と第2ブレーキ機構との
連動が正確に行われる。また、第1圧力室の内側に第2
圧力室を設る構成であるから、圧力室部分の軸方向寸法
を小さくでき、油圧モータを小型にできる効果を奏す
る。請求項3に記載の発明によれば、低速走行から停止
する場合に、流体ブレーキ力の影響が少なくなるように
してあるから、慣性負荷の小さいときにブレーキ力が小
さくなり、従って、ショックが小さく、ブレーキフィー
リングが良くなる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の油圧回路図である。
【図2】同実施例のメカニカルブレーキ装置を有する油
圧モータの縦断面図である。
【図3】同実施例におけるメカニカルブレーキ装置の主
要部を示し(a)〜(c)は夫々異なる状態の断面拡大
図である。
【図4】第1実施例におけるメカニカルブレーキ装置2
の制動トルクと制動作用時間の1例を示すグラフであ
る。
【図5】第2実施例の油圧回路図である。
【図6】第2実施例及び従来例の慣性負荷と車両停止時
間との関係を示す特性線図である。
【図7】従来のクローラ車両用ブレーキ装置の1例を示
す油圧回路図である。
【符号の説明】
1 油圧モータ 2 メカニカルブレーキ装置 3 給排回路 4 給排回路 5 カウンタバランス弁 6 ポンプ 7 方向切換弁 8 タンク 10 油圧モータの本体 11 弁板 12 シリンダブロック 13 斜板 14 出力軸 18 斜板傾転用シリンダ 23 摩擦部分 24 第1ばね 25 中間体 26 押圧ブロック 27 第2ばね 28 フリクションプレート 29 内孔 30 セパレートプレート 31 第1内孔 32 第2内孔 33 第1圧力室 34 小径内孔 35 大径内孔 36 第2圧力室 37 絞り 38 作動回路 41 タンク 75 高圧選択回路 76 速度切換弁 77 電磁切換弁 78 リミットスイッチ 79 速度切換スイッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クローラ車両の走行装置駆動用のメカニ
    カルブレーキ装置付き油圧モータを、圧油を給排する給
    排回路をカウンタバランス弁を介して方向切換弁に接続
    すると共に、前記油圧モータに設けたメカニカルブレー
    キ装置の油圧室を、前記カウンタバランス弁が中立位置
    にある時タンクに接続し切換位置にあるときカウンタバ
    ランス弁の上流側の高圧側給排回路に接続する構成のク
    ローラ車両用ブレーキ装置において、前記メカニカルブ
    レーキ装置を、第1ブレーキ機構と第2ブレーキ機構と
    で形成し、この第1ブレーキ機構と第2ブレーキ機構と
    を、前記カウンタバランス弁によって前記油圧室がタン
    クに接続された時、前記油圧モータに第1ブレーキ機構
    による第1ブレーキ力を作用させ、この第1ブレーキ機
    構の所定時間作動後に第1ブレーキ力よりも強い第2ブ
    レーキ機構による第2ブレーキ力を作用させる構成とし
    たことを特徴とするクローラ車両用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のクローラ車両用ブレー
    キ装置において、前記油圧モータに設けたメカニカルブ
    レーキ装置は、油圧モータのシリンダブロックの外周
    に、シリンダブロックの回転方向に係合され、シリンダ
    ブロックの軸方向にのみ移動可能としたフリクションプ
    レートと、このフリクションプレート外方の油圧モータ
    本体の内孔に、周方向に係合し、軸方向にのみ移動可能
    とし、前記フリクションプレートが軸方向に移動させら
    れた時当接するセパレータプレートとにより摩擦部分を
    構成し、この摩擦部分が設けられた本体の内孔にこの内
    径より大径の第1内孔と、この第1内孔より大径の第2
    内孔を連設し、この第1内孔と第2内孔の各々に摺動自
    在に嵌入すると共に内側に大径内孔と小径内孔を有する
    中間体を設け、この中間体の小径内孔と大径内孔の各々
    に摺動自在に嵌入する押圧ブロックを設け、前記中間体
    と前記摩擦部分との間に第1ブレーキ力を発生させる第
    1ばねを設けると共に前記押圧ブロックの後端に第2ブ
    レーキ力を発生させる第2ばねを設け、この押圧ブロッ
    クの先端面を前記摩擦部分に当接させる構成とし、前記
    本体の第2内孔と中間体とで構成した第1圧力室を前記
    カウンタバランス弁に接続するとともに、前記中間体の
    大径内孔と押圧ブロックとで構成した第2圧力室を、絞
    りを介して第1圧力室に接続した構成としたことを特徴
    とするクローラ車両用ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のクローラ車両用ブレー
    キ装置において、前記油圧モータが、斜板を傾転して高
    速と低速の2速に切換可能とした構成にし、この油圧モ
    ータの速度切換弁のパイロット側に、油圧モータへの油
    圧の給排を制御する方向切換弁が中立位置になったとき
    パイロット油圧源に接続する切換弁を設け、油圧モータ
    を停止させるときの方向切換弁の信号によって高速状態
    に切り換えることを特徴とするクローラ車両用ブレーキ
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104832471A (zh) * 2014-09-22 2015-08-12 北汽福田汽车股份有限公司 回转控制装置
WO2020110946A1 (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 日立建機株式会社 油圧駆動装置

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