JPH0842614A - 油圧ブレーキクラッチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 円滑な接続をし、ガタを防止すること。 【構成】 ブレーキ４とクラッチ３を駆動するピストン
は、主ピストン６と補助ピストン１０とに分割される。
補助ピストン１０は軸方向に移動でき、制限ボルト１４
により主ピストンに関連付けられている。主ピストン６
は補助ピストン１０よりもむしろ大きな加圧流体用表面
を有し、主ピストン６は通路１３を有し、それを通って
流体が補助ピストン１０に流入する。補助ピストン１０
には、主ピストン６に向かって流体引張力に抗して補助
ピストン１０をバイアスするスプリング１６が取り付け
られている。従って、接続がされるとき、補助ピストン
１０は実際には接触することはないが最初にクラッチデ
ィスク８に接近し、それからブレーキ４が解放された後
に、補助ピストン１０が主ピストン６に接近する最初の
接続段階と、両ピストンが接触するに至った後、アッセ
ンブリが従来のように単一ピストンとして作動する第二
段階とがある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特に駆動機械に使用さ
れる油圧ブレーキクラッチの分野に関する。このブレー
キクラッチは、プレスやカッター等の機械に於いて通常
行われているように、ギアボックスの外部に通常装着さ
れる。この発明の改良は、このような機械において、よ
り滑らかな接続を達成して衝撃を与えないようにするこ
とを目的としている。

【０００２】

【従来の技術】種々の機械やシステム、例えばプレスに
おいて、トルクは合成プレス作動トルクに従って計算さ
れる。

【０００３】このトルクは時々機械を始動するときに非
常に重要となり、それ故、機械への瞬間的なトルクの印
加は運動連鎖においてガタや好ましいからざる結果を引
き起こす。

【０００４】これが、低トルクの結合が短期間必要で、
その後、一旦機構が結合されて動作段階に達する前に、
その機構は全定格トルクを生じる状態になければならな
い理由である。

【０００５】これを達成するために、オイル入力圧は接
続中は定格値以下で、その後は定格圧力に到達するよう
に制御される。これは油圧接続回路に取り付けられた電
磁弁と圧力調整器の複雑なシステムが必要であって、非
常に多くのサービスを必要とする高価で複雑な解決法で
ある。

【０００６】更に、制動トルクは変化すなわち調節され
なければならない。そして、この意味において、ブレー
キクラッチの従来の概念では、また、外部油圧システム
が使用されている。この外部油圧システムは、そこから
作動して、ピストンからのオイル出力が解放されるので
はなくて制御圧力となってスプリングの力の一部を補う
ようにする。このシステムもまた高価である。通常、ブ
レーキクラッチは分解され、そのスプリングの中のいく
つかは取り除かれる。このことは実際問題として厄介で
あり、もし初期位置に戻すことになれば、取り除いたス
プリングを再度取り付けるのは容易でない。

【０００７】

【目的、構成、作用および効果】本発明の改良主題は前
述したごとく二重の上記問題を完全に解決するべくなさ
れた。

【０００８】第一の観点すなわち滑らかな始動に関し
て、ブレーキクラッチピストンは主ピストンと補助ピス
トンとの二つのピストンに分割される。上記補助ピスト
ンはかなり小さな断面を有し、主ピストンを介して供さ
れる。こうして、主ピストンがクラッチ内にある配置さ
れた従来のスプリングにより制動位置の方にバイアスし
ているので、主ピストンが回転するとき共に動くように
主ピストンにキーで止められている補助ピストンは、制
限ボルトにより主ピストンに関係付けられている。上記
制限ボルトは補助ピストンにスプリングの張力に抗して
ある動程を行わせる。上記スプリングは、上記従来型ス
プリングよりもはるかに弱いスプリングで、補助ピスト
ン自体と上記制限ボルトの頭との間に設けられている。

【０００９】オイルが主ピストンのチャンバに達する
と、オイルはそのチャンバから主ピストンを横切る通路
に沿って、より小さな断面を持つ補助ピストンに作用す
るチャンバに行く。オイルは第一段階において補助ピス
トンに各スプリングに抗して初期動を行わせる。この第
一段階では、補助ピストンは、バケットに実際には接触
しないで、オイル圧力が主ピストンに作用し始めるとき
に消失する最小クリアランスを形成するけれども、クラ
ッチディスクのパケットに接近して、ブレーキが解放さ
れるようにする。これにより、クラッチディスクに二段
階で、すなわち第一には補助ピストンにより、その直後
には主ピストンによって生成された圧力によって、うま
く負荷をかける。

【００１０】本発明のもうひとつの改良主題によると、
主ピストンを通常ブレーキディスクに突出させるスプリ
ングは、上記ピストンに直接載置していなくて、各ネジ
の頭に作用する。それらのネジはクラッチ本体を横切っ
てスライドし、外部保持ナットを有する。従って、ナッ
トの位置により、スプリングの圧縮度は任意に調節され
得る。それ故、制動トルクは極めて速くかつ簡単な方法
で調整される。

【００１１】

【実施例】図１と図２は、本発明の改良が、固定コッタ
２でマシーンシャフト１に結合できる油圧ブレーキクラ
ッチに適用できることを示している。この油圧ブレーキ
クラッチは、クラッチ３と、ブレーキ４と、このブレー
キ４に向けて各ディスクパケット７を介してピストン６
をバイアスしているクラッチ３のハウジングスプリング
５と、クラッチ３に連結され、上記スプリング５の圧力
以上の圧力で加圧オイルがチャンバ９に侵入するとき、
ピストン６の作用を受ける第二のディスクパケット８と
を備える。

【００１２】さて、本発明の改良の一つによると、前述
のピストン６は主ピストンと補助ピストン１０との２つ
の部分に分割される。実際上、主ピストンは６と番号を
付され、補助ピストン１０は主ピストン６上をスライド
するように装着されているが、主ピストンが回転すると
き、それと共に動くようにそれにキーで止められてい
る。

【００１３】上記補助ピストン１０は主ピストン６の押
し面１２よりもむしろ小さい押し面１１を有する。図１
に具体的に示すように、オイルは主ピストン６自体を横
切る通路１３を通って上記補助ピストン１０に達する。

【００１４】上記補助ピストン１０は制限ボルト１４で
主ピストン６に関連付けている。図２が具体的に示すよ
うに、それらのボルトと補助ピストン１０自体との間に
は、スプリング１６が設けられている。このスプリング
１６の引っ張り力は主スプリング５の引っ張り力よりも
むしろ小さく、このスプリング１６は主ピストン６に向
けて補助ピストン１０をバイアスつまり偏らせている。

【００１５】前述したように、この構造によれば、オイ
ルが主シリンダ、すなわち、チャンバ９に入っていく
と、そのオイルはそのチャンバに満ちて、通路１３に沿
って補助シリンダに進んで、補助ピストン１０を制限ボ
ルト１４の頭１５まで移動させる。それら制限ボルトは
主ピストン６にロックされているので、その補助ピスト
ンの動きを阻止する。このとき、補助ピストン１０とク
ラッチディスク８との間のクリアランス“h”は、同時
に制動と接続を行うのを避けるために、０よりも大きい
けれど最も小さい値である。上記オイルは主チャンバ９
に流入し続けて、主ピストン６を動かして、ブレーキを
解放させ、クラッチ板すなわちディスク８に最終的に負
荷されるようにする。当初この負荷は作動圧“p”を持
つ断面積“s”の補助ピストンが与える力によって始ま
り、この力“f”は下記の式で示される。 f＝s・p これは始動トルク値である。

【００１６】この力は、主ピストン６と補助ピストン１
０とが互いに接近している間、持続する。一旦それらが
お互いに接触すると、最終トルクは次に示す“Ｆ”にな
る。 Ｆ＝Ｓ・Ｐ ここで“Ｓ”は主ピストン６の表面積１２であり、
“Ｐ”は以前に述べたように作動圧である。

【００１７】始動力が持続している間、補助シリンダす
なわち補助チャンバ内のオイルは主シリンダに戻る。こ
の時間は随意に外部から調節できる。というのは、流体
の入力速度を調整するためには、アキュムレータから電
磁弁に至るまでの通路をより大きい範囲からより小さな
範囲まで絞れば十分であるからである。

【００１８】このようにして、期間を調整しながら、低
始動トルクが得られる。

【００１９】上記補助ピストン１０とクラッチディスク
８との間のクリアランス“ｈ”に戻ると、アッセンブリ
が静止状態の時、すなわち、ブレーキがオンである時、
制動と接続の効果が同時に生じるために、前述の距離
“h”は補助ピストン１０と主ピストン６との間の距離
よりも大きくなければならない。というのは、そうでな
ければ、すなわち、クリアランス“h”が補助ピストン
１０と主ピストン６との間の距離よりも小さければ、制
動ディスク７から主ピストン６が引込んでしまって、そ
の結果、ブレーキが解放される以前に、接続段階がこの
ような補助ピストン１０を介して始まることになるから
である。

【００２０】前述のように、本発明のもう一つの改良に
よると、主ピストン６に直接作用するのではなく、上記
主スプリング５は各ネジ１７に装着される。図１に示す
ように、そのネジの頭１８は実際主ピストン６にあり、
そのネジはクラッチ本体３を自由に横切り、かつ軸方向
に自由に移動する。上記ネジは、たとえブレーキクラッ
チがマシーンシャフトに装着されていたとしても、外部
から直接アクセスできる各ナット１９を外側に受けてい
る。従って、スプリングの作用が打ち消されるときに
は、そのスプリングが十分に圧縮されるまで各ナットを
締め付けることだけが必要である。

【００２１】従って、非常に速くかつ簡単な作動でもっ
て、はまっていると考えられる多くのスプリングの効果
が除去されて、ブレーキクラッチの制動トルクを変化さ
せ、すなわち調整することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の改良に従って作られた油圧ブレーキ
クラッチの直径方向の半断面である。

【図２】 補助ピストンの上部に焦点を当てた上記改良
のひとつの上記図１のの部分拡大図である。

【符号の説明】

１…マシンシャフト、 ２…固定コッタ、 ３…クラッ
チ、 ４…ブレーキ、 ５…スプリング、 ６…主ピストン、 ７…制動ディス
ク、８…クラッチディスク、 ９…チャンバ、 １０…
補助ピストン、１１…押し面、 １２…押し面、 １３
…通路、 １４…制限ボルト、１５…頭、 １６…スプ
リング、 １７…ネジ、 １８…ネジ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 マシーンシャフトと結合するように設計
   されると共に、クラッチ(３)とブレーキ(４)を有し、か
   つ、そのクラッチとブレーキとの間にはピストン(６)が
   取り付けられると共に、ブレーキディスクパケット(７)
   に抗して上記クラッチ(３)の本体に設けられた複数のス
   プリング(５)によって永続的にバイアスされる種類の油
   圧ブレーキクラッチであって、ブレーキディスクパケッ
   ト(８)に向かって上記のスプリングに抗して油圧によっ
   て移動することができる油圧ブレーキクラッチにおい
   て、 上記ピストンは順次作動する主ピストン(６)と補助ピス
   トン(１０)に分割され、後者は上記主ピストンに装着さ
   れると共に、軸方向運動をするが角度方向の移動はな
   く、上記補助ピストン(１０)は、油圧が及ぼされると共
   に、上記主ピストン(６)の作動面(１２)よりもむしろ小
   さい作動面(１１)を形成し、かつ、加圧流体が上記主ピ
   ストン(６)内に設けられた通路(１３)を通って上記補助
   ピストンのチャンバに流入するようになっていることを
   特徴とする油圧ブレーキクラッチ。
2. 【請求項２】 上記補助ピストン(１０)は、頭(１５)を
   持った複数の制限ボルトの助けにより上記主ピストン
   (６)に結合されており、上記主ピストン(６)に向けて補
   助ピストン(１０)をバイアスする各スプリング(１６)が
   上記制限ボルトに設けられており、従って、接続作動に
   おいて、流体圧力はまず主ピストン(６)の通路(１３)に
   沿って補助ピストン(１０)の作用面(１１)に到達し、上
   記補助ピストンを実際には接触させないけれどもクラッ
   チディスク(８)に接近させ、その接触は主ピストン(６)
   が動き始めた後にだけ生じ、これがブレーキの解放を伴
   い、それ故、上記主ピストン(６)が動き始めたとき、最
   初の接続段階が確立され、その段階では補助ピストン
   (１９)のみが、それと共に動作するスプリング(１６)に
   よって生じる引っ張り力でクラッチディスク(８)に作用
   し、かつ、上記主ピストン(６)と補助ピストン(１０)の
   両方が互いに軸方向で接触するまで加圧流体が主チャン
   バ(９)に向かって戻り、このとき上記主ピストン(６)が
   受けるすべての圧力はクラッチディスク(８)に伝えられ
   るようになっていることを特徴とする請求項１に記載の
   油圧ブレーキクラッチ。
3. 【請求項３】 上記主ピストン(６)に作用するスプリン
   グ(５)はネジ(１８)に装着され、そのネジの頭は上記主
   ピストン(６)の方向を指し、かつ、上記ネジはクラッチ
   (３)を貫通して自由に横切ると共に、外部から直接アク
   セスできるナット(１９)が外側に取り付けられており、
   それ故に、これらのナットはクラッチ(３)の中へいくつ
   かのネジを後退させるために使用されて、複数の上記ス
   プリング(５)の中のいくつかを作動させないようにし
   て、制動トルクを変化すなわち調整するようにしたこと
   を特徴とする上記請求項１または２に記載の油圧ブレー
   キクラッチ。