JPH0814497A - ガス充填装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ＬＰガスなどのガス充填装置において、充填
容器のバルブの位置と方向を充填ノズルの位置に合わせ
る作業を容易に行わせ、自動化を容易にする。 【構成】 ガス充填機６の受けローラー６３の中央部に
隙間６８を設け、この隙間に、充填容器１の底面を支持
して上下動するとともに、支持した充填容器を水平方向
および回転方向に軽く移動させる容器受け台７をそな
え、充填容器１の胴部を挟んで中心位置をそろえる心出
し装置５と、バルブ１０のハンドル１１に上面から嵌合
しハンドルを開閉方向に回転させるキャップ８と、前記
バルブの充填口１３を検出するセンサー１００とを設
け、前記キャップ８の回転によって容器受け台７に支持
した充填容器１を回動させ、充填口１３を充填ノズル９
と接続できる位置に合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＬＰガス、プロパンガ
スなどを充填容器に充填するガス充填装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のガス充填装置は、供給コンベヤで
送られてくる空の充填容器を、充填位置に設置されたガ
ス充填機や回転台に設けたガス充填機に移す作業、この
充填容器のバルブ位置が、ガス充填機のノズルの方向に
合うように、充填容器をずらせたり回したりして位置決
めする作業およびノズルを接続し、バルブを開いて充填
を行わせ、充填が終わるとノズルを外して充填容器を排
出コンベヤに移して排出する作業をすべて人手で行って
おり、大きな労力と手間を要している。

【０００３】このような充填作業を省力化させるため、
バルブの充填口とノズルとの接続および接続したバルブ
の開閉作業を自動化させた装置が、たとえば特開昭４９
−６７２１４号や特公平３−７１４９８号などに示され
ている。

【０００４】しかし、このように充填容器の充填口とガ
ス充填機のノズルとの接続作業を自動化しても、充填容
器のバルブを、ガス充填機のノズルに接続できる位置や
方向に調整する作業は、依然として作業員の手作業で行
っており、これは供給コンベヤから大きさの異なる充填
容器が混じりあって送られ、充填容器によってはバルブ
の形状が異なっていたり、小形の充填容器にはバルブ周
囲に保護カバーがあるなど、条件が一定でないため、バ
ルブをノズルとの接続位置に正しく調整移動させる位置
決め作業が面倒で、自動化の装置が経済的にできないだ
けでなく、充填作業の現場には、監視のために作業員を
配置しているので、前記充填容器の位置決めやバルブの
調整作業は、自動化されることなく監視を兼ねて作業員
の人手により行っているのが現状である。

【発明が解決しようとする課題】

【０００５】このように充填容器をガス充填機に人手で
供給し位置決め調整を行う作業は、労力が大きいだけで
なく、大きな充填容器は倒れやすく危険であり、また、
人手による作業は、ノズルの着脱時にバルブや充填機の
ノズルから漏れるガスを作業員が吸い込むおそれがあ
り、衛生上の問題も大きかった。本発明は、充填容器の
バルブの位置と方向を充填ノズルの位置に合わせる作業
を容易に行えるようにし、ガス充填装置を自動化するこ
とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、充填
容器の底面を支持し、上下動するとともに、容器を水平
方向および回転方向に軽く移動させることができる容器
受け台をそなえ、充填容器の胴部を挟んで中心位置をそ
ろえる心出し装置と、バルブのハンドルに上面から嵌合
して充填容器の上部を保持するキャップと、充填口の方
向を検出するセンサーとをそなえ、前記容器受け台が軽
く移動することにより、キャップをバルブに嵌合させる
ときの充填容器の移動や、バルブの方向を充填ノズルに
合わせるときの充填容器の回動を容易にし、バルブに嵌
合したキャップの回転によって前記充填容器を回動させ
て充填口を充填ノズルの接続位置に合わせるようにして
いる。

【０００７】

【作用】したがって、ガス充填機の容器受け台に支持さ
れた充填容器を、バルブに嵌合させたキャップによって
水平方向および回転方向に軽く移動させることができ、
キャップで充填容器の上部を保持するとともに、キャッ
プの回転でバルブに無理な力を加えずに充填容器を回動
させ、充填口の方向をそろえ、充填ノズルの接続を行わ
せる。

【０００８】

【実施例】これを図に示す実施例について説明する。１
は充填容器、２は供給コンベヤ、３は排出コンベヤ、４
は供給コンベヤ２から供給コンベヤ３の片側に設けた走
行路、５は前記走行路４上を走行モータ４１で移動する
ようにした心出し装置で、走行モータ４１で移動するベ
ース５１にブラケット５２をそなえ、両側のブラケット
５２に挿通しサーボモータ５３で回動される支持軸５４
に１対の心出しアーム５５、５５を摺動可能に支持さ
せ、支持板５６を固着させている。この支持板５６にサ
ーボモータ５７で回転するターンバックル軸５８を設
け、左ねじと右ねじにそれぞれ前記心出しアーム５５、
５５を螺合させ、ターンバックル軸５８の回転で心出し
アーム相互の間隔を開閉させる。５９は心出しアーム５
５相互の対向面に設けた心出しローラーである。

【０００９】６はガス充填機で、図２および図３に示す
ように、基台６１の下部に秤量器６２と、この秤量器の
受けローラー６３をそなえ、上部に縦方向のねじバー６
４とガイドバー６５を設け、サーボモータ６６によるね
じバー６４の回転で上下動される昇降板６７をそなえて
いる。６８は秤量器の受けローラー６３の中央部に設け
た隙間で、この隙間６８に容器受け台７を設置してお
り、容器受け７１を上昇させたときに受けローラー６３
の上面より僅かに高くなるようにしてある。

【００１０】容器受け台７は、図４および図５に示すよ
うに、ケーシング７２内の昇降アクチエータ７３により
昇降する支持板７４の上に、ボールベアリングと同じよ
うに多数個の支持ボール７５を介して設けた保持板７６
をそなえ、この保持板に容器受け７１を取り付けてい
る。支持板７４の周囲に保持板７６の外周縁の上へ折り
曲げたコ字状部を形成させ、このコ字状部内で、容器受
け７１と一体の保持板７６の外周上面を押し付けボール
７７で押さえ、容器受け７１の軸外周面をバネ７８で押
圧するガイドボール７９で保持させており、容器受け７
１は支持ボール７５により支持板７４上で水平方向およ
び回転方向に軽く移動できるようにしてある。

【００１１】８は昇降板６７に支持した回転軸８１の先
端に取り付けたキャップで、充填容器１のバルブ１０の
ハンドル１１に嵌合し、キャップ内面の縦溝８２にハン
ドル１１周囲の突起１２を係合させている。８３は回転
軸８１を駆動するサーボモータである。９は充填ノズル
で、支持アーム９１に取り付けられ、この実施例では軸
９２を中心にサーボモータ９３で昇降操作される。１０
０は昇降板６７に取り付け、キャップ８の充填ノズル側
に設けたセンサーで、バルブ１０の充填口１３を検出す
る。

【００１２】つぎにこの実施例の充填作業を説明する。
供給コンベヤ２の端部に送られた充填容器１は、心出し
装置５のサーボモータ５３が支持軸５４とともに支持板
５６を９０゜回動させ、心出しアーム５５、５５を図２
に点線で示す直立位置から充填容器１の両側に倒し、サ
ーボモータ５７でターンバックル軸５８を回転させて左
ねじと右ねじに螺合させた心出しアーム５５、５５を相
互に引き寄せて心出しローラー５９を充填容器１に接触
させ、充填容器１の中心を心出しローラー相互の中心に
合わせる。心出し装置５は心出しアームで充填容器１を
挟んだままの状態で走行モータ４１を駆動し、ベース５
１を走行路４に沿って、心出しアーム中心をガス充填機
６の容器受け７１の位置まで移動させる。

【００１３】この移動位置で、心出しアームを僅かに緩
めるとともに、容器受け台７の容器受け７１がアクチエ
ータ７３で上昇して充填容器１の底を支持し、受けロー
ラー６３から僅かに持ち上げる。また、充填ノズル９を
引き上げた状態の昇降板６７をサーボモータ６６により
下降させ、キャップ８をバルブ１０のハンドル１１の上
面から嵌合させる。このとき、充填容器１の中心は心出
し装置５で心出しされているが、バルブ取付位置の偏心
や充填容器の傾きで生じた若干のずれは、充填容器１を
支持している容器受け７１が水平方向に軽く移動するの
で、嵌合面の傾斜に沿って容器受けとともにバルブ１０
が移動して嵌合される。また、ハンドル１１の突起１２
はキャップ８をサーボモータ８３で回転させればキャッ
プの縦溝８２と合致して嵌合させることができる。

【００１４】バルブ１０に嵌合させたキャップ８を、サ
ーボモータ８３でバルブを閉じる方向に回転させると、
開いていたバルブが締め切り状態になり、さらに回転さ
せると、容器受け７１が回転方向に軽く移動するので充
填容器１を回動させ、バルブ１０の方向が回転する。セ
ンサー１００がバルブの充填口１３を検出した位置でキ
ャップの回転を止めると、充填口１３が充填ノズル９と
の接続位置に合致しており、サーボモータ９３で支持ア
ーム９１を降ろすと充填ノズル９がバルブの充填口１３
に連結され、サーボモータ８３でキャップ８を反対方向
に回転させる。このときは充填ノズル９が充填口１３に
接続されており、充填容器１は回動しないでバルブ１０
が開かれ、ガス充填が行われる。

【００１５】秤量器６２で充填量を計測し、所定の充填
が終わると、サーボモータ８３によりバルブ１０を閉じ
て充填ノズル９の接続を外して昇降板６７を上昇させ、
容器受け７１は下降して充填容器１を受けローラー６３
上に降ろす。充填を終わった充填容器１は心出し装置５
で挟み、走行路４に沿って移動させて排出コンベヤ３に
送られ、心出し装置５は排出コンベヤ上で心出しアーム
を立てて供給コンベヤ２の位置に戻る。

【００１６】なお、充填中はキャップ８と充填ノズル９
で充填容器１の上部を保持しているので、充填中に倒れ
ることはない。したがって、充填が終わった充填容器１
を別の送り装置で排出コンベヤに送り出すようにすれ
ば、心出し装置５は充填ノズルの接続が終わると充填容
器１から外し、供給コンベヤ２の位置に戻るようにして
もよい。

【００１７】別の装置として、たとえば排出コンベヤ３
側の心出しアーム５５に押し出しアームを取り付け、空
の充填容器をガス充填機６に送り込む移動により、ガス
充填機上の充填を終わった充填容器を押し出しアームで
排出コンベヤ３に押し出すようにすれば、ガス充填機６
への充填容器の供給と排出を同時に行わせることができ
るが、これに限られるものではない。

【００１８】また、前述の説明では、充填容器１を心出
し装置５で供給コンベヤ端に移動させ、充填容器１の心
出しを供給コンベヤ上で行っているが、ガス充填機６の
上で行うようにしてもよい。また、充填容器１を支持す
る容器受け７１が、水平方向に軽く移動できるようにし
てあるため、心出しアームで挟まれたときの充填容器１
の移動量が、容器受け台７における容器受け７１の移動
範囲内であれば、充填容器を容器受け７１で支持したま
まで心出しをすることができ、心出しと同時に、昇降板
６７を下降させてキャップ８をバルブ１０に嵌合させる
ことができる。この場合は心出し装置５を移動させる必
要がなく、ガス充填機６と対向する位置あるいはガス充
填機の基台６１に設けることができる。

【００１９】なお、充填容器が受けローラー６３の中心
から外れて供給され、心出しアームで挟むときの充填容
器１の移動量が大きい場合は、心出しアームで挟んで中
心位置がほぼ決まってから容器受け７１を上昇させ、充
填容器を支持させるようにすることが望ましい。

【００２０】

【発明の効果】本発明はこのように、ガス充填機の受け
ローラーの中央部に設けた隙間に、充填容器の底面を支
持して上下動するとともに、支持した充填容器を水平方
向および回転方向に軽く移動させるようにした容器受け
台をそなえ、充填容器の胴部を挟んで中心位置をそろえ
る心出し装置と、バルブのハンドルに上面から嵌合する
キャップと、バルブの充填口を検出するセンサーをそな
えており、キャップをバルブの上面から嵌合させるの
で、充填容器の大きさや保護カバーの有無などに関係な
く、確実にバルブを保持させることができる。

【００２１】また、容器受け台により充填容器が軽く移
動するので、キャップで充填容器の移動、回動を行わせ
ることができ、バルブ充填口の方向をそろえるための充
填容器の回動をキャップの回転で無理な力を加えずに行
なわせ、バルブを損なわないで充填ノズルとの接続を簡
単にし、大きな労力を必要とせず自動化するための問題
点を解決し、全自動化を容易に実施し得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す上面図で、ガス充填機の
上部を切り欠いである。

【図２】実施例における心出し装置とガス充填機の側面
図である。

【図３】ガス充填機の正面図で、充填ノズルを接続して
いない状態を示している。

【図４】容器受け台の実施例を示す側断面図である。

【図５】図４のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図６】キャップの横断面図である。

【図７】バルブの側面図である。

【符号の説明】

１ 充填容器 ２ 供給コンベヤ ３ 排出コンベヤ ４ 走行路 ５ 心出し装置 ６ ガス充填機 ７ 容器受け台 ８ キャップ ９ 充填ノズル １０ バルブ １１ ハンドル １２ 突起 １３ 充填口 ５１ ベース ５５ 心出しアーム ５８ ターンバッ
クル軸 ５９ 心出しローラー ６１ 基台 ６２ 秤量器 ６３ 受けローラ
ー ６７ 昇降板 ６８ 隙間 ７１ 容器受け ７３ 昇降アクチ
エータ ７５ 支持ボール ７７ 押し付けボ
ール ７９ ガイドボール ８２ 縦溝 １００ センサー

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガス充填機の受けローラーの中央部に隙
   間を設け、この隙間に、充填容器の底面を支持して上下
   動するとともに、支持した充填容器を水平方向および回
   転方向に軽く移動させる容器受け台をそなえ、充填容器
   の胴部を挟んで中心位置をそろえる心出し装置と、バル
   ブのハンドルに上面から嵌合しハンドルを開閉方向に回
   転させるキャップと、前記バルブの充填口を検出するセ
   ンサーとを設け、前記キャップの回転により容器受け台
   に支持した充填容器を回動させることを特徴とするガス
   充填装置。
2. 【請求項２】 前記容器受け台が、昇降する支持板と、
   この支持板上に複数個の支持ボールを介して水平方向に
   移動する容器受けと、容器受けの外周をバネを介して押
   圧するガイドボールをそなえている請求項１記載のガス
   充填装置。
3. 【請求項３】 前記キャップが、バルブのハンドル外周
   の突起と係合する縦溝をそなえている請求項１または２
   記載のガス充填装置。