JPH08144241A - 護岸ブロック間のシール材及びその施工方法 - Google Patents

護岸ブロック間のシール材及びその施工方法

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JPH08144241A
JPH08144241A JP6285345A JP28534594A JPH08144241A JP H08144241 A JPH08144241 A JP H08144241A JP 6285345 A JP6285345 A JP 6285345A JP 28534594 A JP28534594 A JP 28534594A JP H08144241 A JPH08144241 A JP H08144241A
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hollow bodies
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外洋のような水深が深くかつ波浪条件の厳し
い箇所での護岸工事にさいして、隣り合う護岸ブロック
間の隙間のシールを簡単かつ確実に行なうことのできる
護岸ブロック間のシール材及びその施工方法を提供す
る。 【構成】 護岸ブロック間のシール材(1) は、I形鋼よ
りなる垂直部材(2) と、垂直部材(2) のウェブ部(3) の
両面にそれぞれ取り付けられた一対の縦長の弾性中空体
(9) とで構成される。両弾性中空体(9) の一側部がそれ
ぞれ隣り合う護岸ブロック(K) の対向側壁(K2)への圧着
部となされる。垂直部材(2) の一方のフランジ部(4a)が
波圧の受け部、他方のフランジ部(4b)が埋立て土砂の土
圧の受け部となされる。護岸ブロック間のシール材(1)
の施工方法は、一対の弾性中空体(9) の内部を真空にし
て偏平状態としたシール材(1) を隣り合う護岸ブロック
(K)間の隙間に挿入した後、両弾性中空体(9) に空気を
導入して膨出せしめることよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海洋等の埋立てに際し
て護岸を形成するために並列状に沈設されたケーソンや
L型扶壁等の護岸ブロックにおいて、隣り合う護岸ブロ
ック間の隙間からの埋立て土砂等の流出を防止するのに
用いられる、護岸ブロック間のシール材及びその施工方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、海洋において埋立て工事を行な
う場合、まず、複数のケーソン等の護岸ブロックを並列
状に海中に沈設して護岸を形成し、この護岸で囲まれた
区域に土砂等を投入する工法が採られている。しかし、
隣り合うブロック間には隙間が生じるため、これらの隙
間を通じて埋立て土砂等が海水に洗われ、流出するおそ
れがある。
【0003】このような護岸ブロック間の隙間をシール
するものとしては、従来、ゴム等の弾性中空体よりなる
シール材(41)があった(図11および図12参照)。
【0004】そして、このシール材(41)の施工方法とし
ては、シール材の内部を真空にして偏平状態とするとと
もに、これを沈設前のケーソン等の護岸ブロック(K) の
側壁に予め取り付けておき、護岸ブロック(K) を所定の
海中に沈設した後、シール材(41)に空気を導入して膨出
せしめるものがあった(図11参照)。また、その他の
施工方法として、シール材(41)の内部を真空にして偏平
状態とし、これを既に沈設された隣り合うブロック(K)
間の隙間に挿入し、その後、シール材(41)に空気を導入
して膨出せしめるものがあった(図12参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におけ
る海洋の埋立て工事は、港湾内に止まらず、沖合や外洋
のような水深が深くしかも波浪条件の厳しい箇所でも行
なわれるようになっている。従って、ケーソン等の護岸
ブロックも、その高さが約20m〜30mとなる大型の
ものが用いられるようになり、また、護岸ブロックの沈
設精度が悪化し、これに伴い、隣り合う護岸ブロック間
の隙間が、従来では10cm程度であったものが約20
cm〜30cmにもなることがある。
【0006】しかしながら、このような沖合等での護岸
ブロック間の隙間をシールする場合、上述した従来のシ
ール材及びその施工方法では、次のような問題が生じ
る。即ち、隣り合う護岸ブロック間の隙間が広くなるの
に伴って、弾性中空体よりなるシール材も、外径の大き
なものが必要とされるので、シール材自体が受ける波圧
および埋立て土砂等の土圧も大きくなる。したがって、
このような波圧および土圧に耐えて十分なシール効果を
発揮でき、しかも従来より外径の大きな弾性中空体が必
要とされるが、上述した条件を備えた弾性中空体の製造
は非常に困難であり、また、可能であるとしても製造コ
ストが嵩むことになる。
【0007】また、上述した従来の護岸ブロック間のシ
ール材の施工方法のうち前者は、シール材をケーソン等
に予め取り付けておくものであるが、沈設精度が悪化す
る沖合等の護岸ブロックにおいては、隣り合う護岸ブロ
ック間の隙間が必ずしも計算どおりとはならないので、
護岸ブロック間の隙間に応じた適切なシール材の使用が
困難であり、十分なシール効果が得られないという問題
がある。
【0008】一方、従来の護岸ブロック間のシール材の
施工方法のうち後者は、沈設された隣り合う護岸ブロッ
ク間の隙間にシール材を挿入するものであるので、隣り
合う護岸ブロック間の隙間に応じた適切なシール材を使
用できるという利点があるが、隙間への挿入時に横から
大きな波圧を受けた場合にシール材が流され易く、その
ため護岸ブロック間の隙間に挿入するのが非常に困難で
あるという問題があった。
【0009】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであって、特に外洋のような水深が深くかつ波
浪条件の厳しい箇所での護岸工事にさいして、隣り合う
護岸ブロック間の隙間のシールを簡単かつ確実に行なう
ことのできる護岸ブロック間のシール材及びその施工方
法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、隣り合う護岸ブロック間の隙間に介在さ
れるシール材であって、I形鋼よりなる垂直部材と、垂
直部材のウェブ部の両面にそれぞれ取り付けられた一対
の縦長の弾性中空体とで構成されており、両弾性中空体
の一側部がそれぞれ隣り合う護岸ブロックの対向側壁へ
の圧着部となされ、垂直部材の両フランジ部のうち一方
が波圧の受け部、同他方が埋立て土砂の土圧の受け部と
なされているものである。上記において、垂直部材を構
成するI形鋼には、H形鋼も含まれる。弾性中空体の好
適な材料としては、ゴムが挙げられるが、その他、弾性
を有する合成樹脂等であってもよい。
【0011】また、本発明による上記護岸ブロック間の
シール材の施工方法は、一対の弾性中空体の内部を真空
にして偏平状態としたシール材を隣り合う護岸ブロック
間の隙間に挿入した後、両弾性中空体に空気を導入して
膨出せしめることよりなるものである。上記方法におい
て、一対の弾性中空体の内部を真空にして偏平状態とす
る工程は、両弾性中空体体を垂直部材のウェブ部の両面
に取り付ける工程の前後いずれでもよいが、通常は、両
弾性中空体の内部を真空にして偏平状態としてからこれ
らを垂直部材のウェブ部の両面に取り付ける。また、護
岸ブロックが配列される箇所の波浪条件が厳しい場合等
には、シール材を隣り合う護岸ブロック間の隙間に挿入
した後、垂直部材を護岸ブロックに固着しておくのが好
ましい。両弾性中空体に空気を導入して膨出せしめた
後、これらの内部には、好ましくは砂等の充填材が充填
される。
【0012】
【作用】本発明の護岸ブロック間のシール材によれば、
I形鋼よりなる垂直部材と、垂直部材のウェブ部の両面
にそれぞれ取り付けられた一対の縦長の弾性中空体とで
構成され、両弾性中空体の一側部がそれぞれ隣り合う護
岸ブロックの対向側壁への圧着部となされているので、
弾性中空体の外径または最大幅を単一の弾性中空体より
なるシール材を用いる場合の2分の1程度とすることが
できる。また、垂直部材の両フランジ部のうち一方が波
圧の受け部、同他方が埋立て土砂の土圧の受け部となさ
れているので、これら両フランジ部がそれぞれ波圧およ
び土圧の大部分を受け、両弾性中空体が受ける波圧およ
び土圧は大幅に減殺される。
【0013】また、本発明による護岸ブロック間のシー
ル材の施工方法によれば、一対の弾性中空体の内部を真
空にして偏平状態としたシール材を隣り合う護岸ブロッ
ク間の隙間に挿入するので、護岸ブロック間の隙間に応
じた適切なシール材を使用できる。また、シール材は、
I形鋼よりなる垂直部材のウェブ部の両面に一対の弾性
中空体が取り付けられてなるものであるので、護岸ブロ
ック間の隙間への挿入時に横から大きな波圧を受けた場
合にも流されにくく、しかも、両弾性中空体が偏平状態
となされているので、隣り合う護岸ブロック間の隙間に
簡単かつ正確に挿入することができる。偏平状態となさ
れていた両弾性中空体は、空気が導入されることにより
その自己復元力で膨出し、これにより両弾性中空体の一
側部が隣り合う護岸ブロックの対向側壁にそれぞれ圧着
され、これにより隣り合う護岸ブロック間の隙間が強固
にシールされる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図1ないし図10
を参照して説明する。
【0015】実施例1 この実施例では、護岸ブロック間のシール材(1) は、I
形鋼よりなる垂直部材(2) と、垂直部材(2) のウェブ部
(3) の両面にそれぞれ取り付けられた一対の縦長の弾性
中空体(9) とで構成されている。
【0016】垂直部材(2) は、図3および図4に示すよ
うに、ウェブ部(3) と、ウェブ部(3) の両縁部分に設け
られた両フランジ部(4a)(4b)とを備えている。ただし、
垂直部材(2) の上端部の両フランジ部は、ウェブ部(2)
と面一になるように切り欠かれており、同部分には後述
するように弾性中空体(9) の筒状部(10)の上端開口を閉
塞するための一対の挟持片(24)が取り付けられる。ウェ
ブ部(3) の両縁部分には、長さ方向に所定間隔おきに弾
性中空体取り付け用のボルト挿通孔(図示略)があけら
れている。一方の側のフランジ部(4a)の外側面における
長さ方向の複数位置には、各一対のアイボルト取付用孔
あき垂直プレート(5) が固定されており、これら各一対
の垂直プレート(5) の間にアイボルト(6) の基端部がそ
れぞれ配置されるとともに、アイボルト(6) の基端部が
連結ピン(7) により一対の垂直プレート(5) に揺動自在
に取り付けられている。また、他方の側のフランジ部(4
b)の外側面における上下両端寄り部分には、それぞれア
イプレート(8) が取り付けられている。この垂直部材
(2) は、上下2つの部材が連結プレート(図示略)によ
り一体物となされたものであり、その全長は約18mで
ある。ウェブ部(2) の幅は約38cmである。フランジ
部(4a)(4b)の幅は、約15cmである。
【0017】図1および図2は、垂直部材(2) に取り付
けられる前の状態の弾性中空体(9)を示す。弾性中空体
(9) は、横断面円形の筒状部(10)と縦長の板状部(11)と
を備え、筒状部(10)の一側部と取付部(11)の幅の中央部
分とが連結されている。この弾性中空体(9) はゴムで形
成されているが、筒状部(10)の周壁および縦長の板状部
(11)の内部にはそれぞれ補強布(12)が介在されている。
筒状部(10)の内周面には、水膨脹ゴム製のシート(13)が
貼付されている。筒状部(10)の下端開口には、ゴム製の
半球状キャップ(14)が嵌め込まれ、キャップ(14)の開口
周縁部分の外面が筒状部(10)の下端部内面に接着されて
いる。板状部(11)の両縁部分には、垂直部材(2) のウェ
ブ部(3) のボルト挿通孔に対応するように複数のボルト
挿通孔(15)があけられている。この弾性中空体(9) は、
複数の部材がこれらの隣接する上下両端で継ぎ加工(図
示略)されることにより一体物となされたものであり、
その全長は約18mである。筒状部(10)の外径は約18
cm、板状部(11)の幅は35cmである。筒状部(10)
は、板状部(11)より約40cm長く、その上端部分が板
状部(11)の上端より上方へ約35cm突出するととも
に、その下端部分が板状部(11)の下端より下方へ約5c
m突出している。
【0018】そして、上記構成よりなる一対の弾性中空
体(9) の板状部(11)が垂直部材(2)のウェブ部(3) 両面
にそれぞれ重ね合わされ、両弾性中空体(9) の板状部(1
1)の両縁部分に複数のボルト挿通孔を有する金属製垂直
押え板(16)がそれぞれ重ねられ、この状態で両面の押え
板(16)、両弾性中空体(9) の板状部(11)および垂直部材
(2) のウェブ部(3) の各ボルト挿通孔にボルト(17)が挿
通され、これらの先端にナット(18)がねじ嵌められ、こ
れにより垂直部材(2) と両弾性中空体(9) とが一体とな
されたシール材(1) となる(図3および図4参照)。
【0019】次に、上記構成よりなるシール材(1) の施
工方法を以下に説明する。この実施例では、シール材
(1) は、外洋の埋立て工事にさいして護岸を形成するた
めに並列状に海中に沈設されたケーソン(K) において、
隣り合うケーソン(K) 間の隙間をシールするのに使用さ
れている(図5〜図8参照)。ケーソン(K) の高さは約
17.5mであり、また、隣り合うケーソン(K) 間の隙
間(W) は約20cmである(図8参照)。
【0020】まず、図1および図2に示す弾性中空体
(9) の筒状部(10)の上端開口を、図示しない減圧装置に
接続し、この減圧装置を作動させて筒状部(10)内を真空
度約−660mmHgに減圧して、筒状部(10)を偏平状
態とする。そして、偏平状態となされた筒状部(10') の
上端部における対向する内面どうしを接着し、これによ
り筒状部(10') の上端開口を閉塞する。なお、この作業
は、通常は、弾性中空体(9) の製造工場等において行な
われる。
【0021】次に、一対の弾性中空体(9) を、上述のと
おり垂直部材(2) のウェブ部(3) の両面にそれぞれ取り
付け、これにより垂直部材(2) と一対の弾性中空体(9)
とが一体となされたシール材(1) を形成する(図5およ
び図6参照)。この作業は、運搬の便宜を考慮してケー
ソン(K) 上で行なうのが好ましいが、船上や陸上で行な
ってもよい。
【0022】そして、上記シール材(1) を、垂直部材
(2) のウェブ部(3) 上端の両縁部分にあけられた吊り上
げ用孔(19)にその一端が取り付けられたワイヤロープを
介して、ケーソン(K) 上に設置されたクレーン(図示
略)で吊り上げ、隣り合うケーソン(K) 間の隙間に上方
からゆっくりと挿入していく。この挿入時において、特
に波が大きい場合には、図5に示すように、垂直部材
(2) のアイプレート(8) にそれぞれワイヤロープ(R) の
一端を取り付け、これらワイヤロープ(R) の他端を内海
側に位置する船(S) に取り付けて牽引する。これによ
り、シール材(1) が引き波にさらわれるのが防止され
る。
【0023】シール材(1) の下端が隣り合うケーソン
(K) 間の隙間の海底に達したところで、次の方法により
シール材(1) の垂直部材(2) をケーソン(K) に固定す
る。即ち、隣り合うケーソン(K) の海側の壁(K1)におけ
る垂直部材(2) の複数のアイボルト(6) 取付位置に対応
する高さ位置に、アイボルト(6) の挿通孔を有する金属
製水平固定板(20)の両端部をそれぞれ固定するととも
に、アイボルト(6) をほぼ水平になるように揺動させて
これらの先端部を固定プレート(20)の孔に挿通し、アイ
ボルト(6) の先端部にスペーサ(21)を介してナット(22)
をねじ嵌める(図6〜図8参照)。なお、この実施例で
は、垂直部材(2) をケーソン(K) に固定しているが、ケ
ーソン(K) が配列された箇所における波浪条件がそれほ
ど厳しくない場合には、必ずしも垂直部材(2) を固定す
ることを要しない。その理由は、シール材(1) 自体が相
当の重量を有するので、両弾性中空体(9) を膨出させる
前でも、弱い波であればこれにさらわれる心配がないか
らであり、また、後述するように両弾性中空体(9) を膨
出させた後は、両弾性中空体(9) の一側部が隣り合うケ
ーソン(K) の対向側壁(K2)に圧着することによって、波
圧および埋め立て土砂の土圧に十分に耐えることができ
るからである。
【0024】こうしておいて、両弾性中空体(9) におけ
る偏平状態となされた筒状部(10')の上端を、その貼り
合わせ部分よりもやや下方位置において水平方向に切断
する。そうすると、真空となされていた筒状部(10') 内
に空気が導入され、筒状部(10') がその弾発力により膨
出し、これにより両弾性中空体(9) の筒状部(10)の一側
部が隣り合うケーソン(K) の対向側壁(K2)に強く圧着さ
れる。なお、上述のように弾性中空体(9) の筒状部(10)
に空気を導入して膨出させるのみでもシール効果は十分
に得られるが、この実施例では、さらに、両弾性中空体
(9) の筒状部(10)内にその上端開口から真水および砂(2
3)を順次注入するようになされている。これにより、筒
状部(10)の内周面に貼付された水膨脹ゴム製シート(13)
が真水と反応して得られる膨脹圧および砂の圧力で、弾
性中空体(9) のシール性能がさらに高められる。
【0025】次に、シール材(1) の上端部分に、左右両
側から横断面コ字形の一対の金属製水平挟持片(24)を当
て、これらの両端をボルト(25)およびナット(26)でそれ
ぞれ連結し、これにより両弾性中空体(9) の筒状部(10)
の上端開口を閉塞する(図8および図9参照)。
【0026】その後、各ケーソン(K) の上部にはコンク
リートがうたれ、シール材(1) におけるケーソン(K) の
頂壁(K3)よりも上方部分は、コンクリートに埋設され
る。
【0027】ケーソン(K) でかこまれた区域には、ポン
プで海水が排出された後、土砂等が投入されて埋め立て
られる。そして、隣り合うケーソン(K) 間の隙間には、
海側から波、埋立て側から埋立て土砂等がそれぞれ侵入
することになるが、この状態においては、シール材(1)
における垂直部材(2) の海側のフランジ部(4a)が波圧の
大部分を受け、埋立て側のフランジ部(4b)が埋立て土砂
の土圧の大部分を受けるので、これにより両弾性中空体
(9) に及ぶ波圧および土圧は大幅に減殺されることにな
る。したがって、両弾性中空体(9) は、従来の単一の弾
性中空体よりなるシール材に用いられる弾性中空体とほ
ぼ同程度の弾発力を有するものであればよく、これによ
って十分なシール効果が期待できる。また、両フランジ
部(4a)(4b)の存在により、垂直部材(2) と両弾性中空体
(9) との連結部分には波圧および埋立て土砂の土圧はほ
とんど及ばないので、これらの部分が波圧や土圧によっ
て破損するおそれは全くない。
【0028】なお、この実施例では、隣り合うケーソン
(K) 間の隙間の海側のみに、本発明によるシール材(1)
を介在させてシールしているが、シール材(1) をケーソ
ン(K) 間の隙間の海側および埋立て側の2箇所に介在さ
せるようにしてもよい。
【0029】実施例2 図9および図10は、本発明の他の実施例を示すもので
あり、以下の点を除いて上記実施例1と同様の構成を有
し、上記実施例と同様の作用効果を奏する。即ち、この
実施例のシール材(31)では、垂直部材(2) の両フランジ
部(4a)(4b)には実施例1のシール材(1) のようにアイボ
ルトおよびアイプレートは設けられておらず、海側フラ
ンジ部(4a)の外側面に、横断面U形の複数の金属製水平
連結片(32)の中央部が長さ方向所定間隔おきに溶接さ
れ、埋立て側フランジ部(4b)の外側面における上端部分
に、横断面L形の金属製水平連結片(33)の中央部が溶接
されている。そして、各連結片(32)の両端部が隣り合う
ケーソン(K) の海側の壁(K1)にまたがるようにしてアン
カボルト(34)で取り付けられ、連結片(33)の両端が隣り
合うケーソン(K) の頂壁(K3)にまたがるようにしてアン
カボルト(34)で取り付けられている。また、一対の弾性
中空体(9) におけるケーソン(K) の頂壁(K3)よりも上方
部分は、各々の一側部が圧着されたケーソン(K) 側に折
り曲げられてその頂壁(K3)に重ねられるとともに、両弾
性中空体(9) の上端部にそれぞれ横断面略逆U形の金属
製水平押え片(35)が上から当てられ、各押え片(35)の両
端部がアンカボルト(36)でケーソン(K) の頂壁(K3)に固
定されることにより、両弾性中空体(9) の筒状部(10)の
上端開口が閉塞されている。
【0030】
【発明の効果】本発明の護岸ブロック間のシール材によ
れば、一対の弾性中空体を備えており、各弾性中空体の
外径または最大幅を従来の単一の弾性中空体よりなるシ
ール材の場合の2分の1程度とすることができるので、
シールすべき護岸ブロック間の隙間が広い場合でも、弾
性中空体の弾発力が十分に確保できる。また、垂直部材
の両フランジ部が波圧および埋立て土砂等の土圧の大部
分を受け、両弾性中空体が受ける波圧および土圧は大幅
に減殺されるので、これによりシール効果を確実に維持
することができる。
【0031】また、本発明による護岸ブロック間のシー
ル材の施工方法によれば、一対の弾性中空体の内部を真
空にして偏平状態としたシール材を隣り合う護岸ブロッ
ク間の隙間に挿入するので、護岸ブロック間の隙間に応
じた適切なシール材を使用できる。しかも、シール材
は、I形鋼よりなる垂直部材を備えるので、護岸ブロッ
ク間の隙間への挿入時に横から波圧を受けた場合でも流
されにくく、さらに、挿入時には両弾性中空体が偏平状
態となされているので、隣り合う護岸ブロック間の隙間
の所定位置にスムーズかつ正確に挿入することができ
る。
【0032】したがって、本発明の護岸ブロック間のシ
ール材およびその施工方法によれば、外洋のように水深
が深くかつ波浪条件の厳しい箇所における護岸工事のさ
いにも、隣り合う護岸ブロック間の隙間のシールを簡単
かつ確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による護岸ブロック間のシール材におけ
る弾性中空体の上下両端部を切り欠いた状態を示す中間
部省略正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】本発明による護岸ブロック間のシール材の実施
例を示す中間部省略正面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】本発明による護岸ブロック間のシール材の施工
方法の実施例を示す概略図である。
【図6】本発明による護岸ブロック間のシール材の施工
後の状態を示す部分拡大正面図である。
【図7】本発明による護岸ブロック間のシール材の施工
後の状態を示す部分拡大側面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】本発明による護岸ブロック間のシール材および
その施工方法の他の実施例を示す部分拡大平面図であ
る。
【図10】本発明による護岸ブロック間のシール材およ
びその施工方法の他の実施例を示す部分拡大正面図であ
る。
【図11】護岸ブロック間のシール材およびその施工方
法の従来例を示す水平断面図である。
【図12】護岸ブロック間のシール材およびその施工方
法の従来例を示す水平断面図である。
【符号の説明】
(K) ……ケーソン(護岸ブロック) (K2) ……隣り合うケーソン(護岸ブロック)の対向
側壁 (1)(31) ……シール材 (2) ……垂直部材 (3) ……ウェブ部 (4a)(4b)……フランジ部 (9) ……弾性中空体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣り合う護岸ブロック間の隙間に介在さ
    れるシール材であって、I形鋼よりなる垂直部材と、垂
    直部材のウェブ部の両面にそれぞれ取り付けられた一対
    の縦長の弾性中空体とで構成されており、両弾性中空体
    の一側部がそれぞれ隣り合う護岸ブロックの対向側壁へ
    の圧着部となされ、垂直部材の両フランジ部のうち一方
    が波圧の受け部、同他方が埋立て土砂の土圧の受け部と
    なされている、護岸ブロック間のシール材。
  2. 【請求項2】 一対の弾性中空体の内部を真空にして偏
    平状態としたシール材を隣り合う護岸ブロック間の隙間
    に挿入した後、両弾性中空体に空気を導入して膨出せし
    めることよりなる、請求項1記載の護岸ブロック間のシ
    ール材の施工方法。
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