JPH08144060A - プラズマcvd装置 - Google Patents

プラズマcvd装置

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JPH08144060A
JPH08144060A JP6291393A JP29139394A JPH08144060A JP H08144060 A JPH08144060 A JP H08144060A JP 6291393 A JP6291393 A JP 6291393A JP 29139394 A JP29139394 A JP 29139394A JP H08144060 A JPH08144060 A JP H08144060A
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film
shower plate
plasma
substrate
cathode
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JP6291393A
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English (en)
Inventor
Michio Ishikawa
道夫 石川
Kazuyuki Ito
一幸 伊東
Yukinori Hashimoto
征典 橋本
Atsushi Togawa
淳 戸川
Takeshi Yonezaki
武 米▲崎▼
Noriaki Tani
典明 谷
Kyuzo Nakamura
久三 中村
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Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 a−Si、SiNx、SiO2の成膜と、プラ
ズマクリーニングを繰り返し行うことが出来て、十分に
耐久性を備えたプラズマCVD装置を提供する。 【構成】 排気系を有する真空槽内に少なくとも2個以
上の対向した電極を有し、その1方の電極に高周波電力
を印加して、真空槽内に導入したSiH4、NH3、N2
O等の反応性ガスをプラズマ分解して、基板上にa−S
i、SiNx、SiO2等の成膜を行うプラズマCVD装
置において、高周波電力を印加する電極を熱膨張係数/
耐力が1.0(10-6/K)/(kg/mm2)以下の
材料で構成し、その表面にアルミニウム膜またはアルミ
ナ膜を形成したプラズマCVD装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラズマCVD装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より平行平板型のプラズマCVD(C
hemical Vapor Deposition)装置としては、図4に示す
装置が知られている。図4示の平行平板型のプラズマC
VD装置について説明する。図中、aはガスボンベ等の
反応性ガス源に接続された反応性ガスのガス導入系b
と、真空ポンプ等に接続された真空排気系cを有する真
空槽を示す。
【0003】該真空槽a内には2個の平板状の電極d、
eが対向して設けられ、その一方の電極(陰極、以下カ
ソードという)dに外部の高周波電源fを接続し、他方
の電極(陽極、以下アノードという)eの上に成膜が形
成される基板gを取り付ける。
【0004】また、カソードdは、その前面にシャワー
プレートhを備えた中空の電極で構成され、その中空部
に前記ガス導入系bを接続して該シャワープレートhに
設けた多数のガス噴出口iから均一に反応性ガスを噴出
させる。また、アノードdは成膜中はアース電位に維持
される。
【0005】図中、jは基板gを加熱するために電極e
の背後に設けたヒーター、kはアースシールド、mはチ
ムニー、nは電極dに供給する高周波電力をパルス変調
させる変調機、oは粉の発生を測定するためのサブスト
レートを示す。
【0006】そして、前記プラズマCVD装置を用いて
基板g上にa−Si、SiNx、SiO2等の成膜を行う
には、カソードdに高周波電源fから高周波電力を印加
してプラズマ放電を発生させながら、シャワープレート
hのガス噴出口iより反応性ガスを噴出させ、真空槽a
内に導入した反応性ガスをCVD法によりa−Si、S
iNx、SiO2等の薄膜を成膜する。
【0007】成膜する際の反応性ガスは基板上に成膜さ
れる物質によって異なるが、代表的な成膜物質と反応性
ガスを示すと下記表1の通りである。
【0008】
【表1】
【0009】図4示の装置では成膜を行う基板gをアノ
ードe側に取り付けるようにしているため、カソードd
側から反応性ガスを導入するようにしているが、成膜を
行う基板gをカソードd側に取り付ける場合には反応性
ガスはアノードe側から導入する。
【0010】一方、最近メンテナンスの簡易化を目的と
して、反応性ガスの代わりにCF4、NF3等のエッチン
グガスを真空槽a内に導入してプラズマを発生させ、基
板以外の防着板、カソード等に付着した不要な膜を除去
するプラズマクリーニングがプラズマCVD装置に導入
され始めた。
【0011】また、液晶ディスプレイに使用させる薄膜
トランジスタ(TFT)用のプラズマCVD装置に代表
される電子部品の分野では成膜装置の大型化が進み、有
効成膜面積において400mm×500mm以上のものも標準的に
なってきた。
【0012】従来の図4示のプラズマCVD装置におけ
るカソードd表面となるシャワープレートhの電極材料
はアルミニウムまたはステンレスが用いられていた。ア
ルミニウムは加工性に優れ、かつ軽量であるため広範囲
に亘って使用されている。また、ステンレス材料は温度
が高い場合に使用されている場合が多い。
【0013】以下に、従来のプラズマCVD装置と、最
近一般電子部品の製造分野で使用されているプラズマC
VD装置の特徴を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】即ち、電極材料に要求される特性としては
高温でありながら、大面積の基板上に均一に成膜するこ
とが出来、CF4、NF3等のフッ素系ガスを用いたプラ
ズマクリーニングに耐えることが必要となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来から使用されてい
るアルミニウム、またはステンレスでシャワープレート
を作製した場合の問題について調べたところ、次のよう
になる。
【0017】先ず、350℃程度で大面積の基板上にa−
Si、SiNx、SiO2等の薄膜を均一に成膜を行うた
めには、高温時においてもシャワープレート(電極表面
板)が±0.5mm以下の平面度を保っている必要がある。
そのためには熱膨張係数が小さく、耐力が大きい材料を
用いることが望ましい。
【0018】アルミニウムは300℃以上で軟化するため
に使用は好ましくない。一方、ステンレスは熱膨張係数
が小さく、耐力が大きいので、大面積の基板上への均一
な成膜には使用可能である。
【0019】次に、プラズマクリーニングの影響につい
てみると、成膜物質としては先にも述べたように、a−
Si、SiNx、SiO2が主である。従って、プラズマ
クリーニングにはNF3、CF4、CHF3等のフッ素系
のエッチングガスが用いられる。
【0020】ステンレスでカソードを作製し、NF3で3
00℃でプラズマクリーニングを行うと、ステンレスがF
ラジカルで腐食されることが分かる。
【0021】従って、従来の材料(アルミニウムまたは
ステンレス)でカソード、特にシャワープレートを作製
したのでは、高温(<400℃)で大面積の基板上にa−
Si、SiNx、SiO2等の薄膜を均一に成膜し、かつ
プラズマクリーニング可能な装置は出来ないことが分か
る。
【0022】本発明は前記問題点を解消し、プラズマク
リーニング可能な、高温、大面積の基板に対応するプラ
ズマCVD装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明はカソード表面の
シャワープレートの材料として熱変形を防止するため
に、熱膨張係数/耐力が1.0(10-6/K)/(kg
/mm2)より小さい材料を用い、その表面にアルミニ
ウム、またはアルミナを被覆してプラズマクリーニング
に対しての耐腐食性を向上させたプラズマCVD装置で
ある。
【0024】熱膨張係数/耐力が1.0(10-6/K)
/(kg/mm2)より小さい材料としては熱膨張係数
が20×10-6/K以下、耐力が10kg/mm2以上の材料であ
り、具体的にはハステロイ、インコルネ等のニッケル合
金が挙げられる。SUS304、SUS316、SUS430等のステンレ
スもニッケル合金に比べると寿命は短くなるが、使用は
可能である。ただし、アルミニウム合金は全て使用は不
可である。
【0025】ニッケル合金はSiNx膜の成膜には使用
は可能であるが、a−Si膜の成膜に用いるとシャワー
プレートの表面にニッケルシリサイドを形成し、プラズ
マクリーニングを行った後にも、ニッケルシリサイドが
シャワープレートの表面に残留して、次の成膜を行った
際、a−Si膜の密着性が低下してパーティクル発生の
原因となる。
【0026】従って、ニッケル合金自体はNF3プラズ
マに対して耐腐食性を有するが、パーティクル対策とし
てはシャワープレート表面にアルミニウムまたはアルミ
ナの形成が必要である。
【0027】本発明はかかる検討結果に基づいてなされ
たものであり、プラズマCVD装置は、排気系を有する
真空槽内に少なくとも2個以上の対向した電極を有し、
その1方の電極に高周波電力を印加して、真空槽内に導
入したSiH4、NH3、N2O等の反応性ガスをプラズ
マ分解して、基板上にa−Si、SiNx、SiO2等の
成膜を行うプラズマCVD装置において、高周波電力を
印加する電極はその表面にアルミニウム膜またはアルミ
ナ膜を形成したことを特徴とする。
【0028】また、前記高周波電力を印加する電極を反
応性ガスを真空槽内に噴出する噴出口を備えたシャワー
プレートとしてもよい。
【0029】また、前記高周波電力を印加するアルミニ
ウム膜またはアルミナ膜が表面に形成された電極を熱膨
張係数/耐力が1.0(10-6/K)/(kg/m
2)以下の材料で構成してもよい。
【0030】また、前記熱膨張係数/耐力が1.0(1
-6/K)/(kg/mm2)以下の電極材料を鉄合金
またはニッケル合金としてもよい。
【0031】
【作用】本発明のプラズマCVD装置は、高周波電力を
印加する電極の表面にアルミニウム膜またはアルミナ膜
を形成したので、プラズマクリーニング耐久性を向上さ
せて、プラズマクリーニングの繰り返しが可能となる。
【0032】また、電極に熱膨張係数/耐力が1.0
(10-6/K)/(kg/mm2)以下の材料を用いる
ことにより高温時の変形に対して強く、大面積の基板上
に均一成膜が可能となる。
【0033】
【実施例】本発明において、高周波電力を印加する電極
材料を熱膨張係数/耐力を1.0(10-6/K)/(k
g/mm2)以下の材料としたのは、熱膨張係数/耐力
が1.0(10-6/K)/(kg/mm2)を超えた場
合は、放電の際の温度上昇によりシャワープレートが熱
変形をおこし、プラズマの不均一性をひきおこし、均一
な成膜が不可能となるからである。尚、電極材料の熱膨
張係数/耐力の下限値は加工性と入手の可能性を考慮す
れば0.15(10-6/K)/(kg/mm2)程度と
する。
【0034】図1は本発明のプラズマCVD装置の1実
施例を示す。
【0035】図示例は平行平板型プラズマCVD装置で
あり、図中、1はガスボンベ等の反応性ガス源2に接続
されたガス導入系3と、真空ポンプ等に接続された真空
排気系4を有する真空槽を示す。
【0036】該真空槽1内には2個の平板状の電極5、
6が対向して設けられ、その一方の電極(陰極:以下カ
ソードという)5に外部の高周波電源7を接続し、他方
の電極(陽極:以下アノードという)6の上に成膜され
る基板8を取り付けた。
【0037】また、カソード5はその前面にシャワープ
レート9を備えた中空の電極に構成し、その中空部に前
記ガス導入系3を接続して、シャワープレート9に設け
た多数のガス噴出口10から均一に反応性ガスを真空槽
1内に噴出させるようにした。
【0038】また、アノード6は基板8を加熱するヒー
ターを兼ね、アース電位に保たれるようにした。
【0039】前記装置構成は従来のプラズマCVD装置
と特に変わりはないが、本発明の特徴に従って、シャワ
ープレート9の表面にアルミニウム(Al)膜、または
アルミナ(Al23)膜11を形成した。
【0040】尚、図中12は絶縁板、13はマッチング
回路、14は高周波のシールドを示す。
【0041】以下に本発明の具体的実施例について説明
する。
【0042】実施例1 本実施例はシャワープレートに用いる材料の特性を調べ
るものである。
【0043】シャワープレートに用いる材料の特性を表
3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】シャワープレート9を表3に示すような各
種材料で構成し、各シャワープレート9の表面に夫々溶
射法により厚さ200μmのアルミナ(Al23)膜11を
形成した。
【0046】以下に基板上への成膜条件並びにプラズマ
クリーニング条件を示す。 I.基板上への成膜条件は 1. 反応性ガスとその流量:SiH4、1000sccm 2. RFパワー:0.17W/cm2 3. 成膜時の圧力:93Pa(0.7Torr) 4. 放電時間:1分12秒 5. 膜厚:0.3μm(3000Å) 6. 基板温度:300℃ とし、 II.真空槽内のプラズマクリーニング条件は 1. クリーニングガスとその流量:NF3、500sccm 2. RFパワー:1W/cm2 3. クリーニング時の圧力:53Pa(0.4Torr) 4. 放電時間:2時間 5. 基板温度:300℃ とした。
【0047】先ず、真空槽1内を前記クリーニング条件
により2時間プラズマ放電を行ってクリーニングし、そ
の後、30分間放置した。
【0048】次に、大きさ360mm×465mm×1.1mmのガラ
ス(コーニング社製、7059)から成る基板8上に前記成
膜条件でa−Si:H膜の成膜を5バッチ(1バッチ当
りの基板枚数1枚、〜3000Å)行い、続いて前記プラズ
マクリーニング条件で真空槽1内のプラズマクリーニン
グを行った。
【0049】そして、基板上へのa−Si:H膜の成膜
と、プラズマクリーニングとを交互に10回繰り返し行っ
た。尚、プラズマクリーニング後は30分間放置するよ
うにした。
【0050】成膜とプラズマクリーニングを工程順に表
わすと次のようになる。 工程1 基板上へのa−Si:H膜成膜 5バッチ 工程2 プラズマクリーニング 工程3 基板上へのa−Si:H膜成膜 5バッチ 工程4 プラズマクリーニング 工程5 基板上へのa−Si:H膜成膜 5バッチ 工程6 プラズマクリーニング 工程7 基板上へのa−Si:H膜成膜 5バッチ 工程8 プラズマクリーニング 工程9 基板上へのa−Si:H膜成膜 5バッチ 工程10 プラズマクリーニング 工程11 基板上へのa−Si:H膜成膜 5バッチ 工程12 プラズマクリーニング 工程13 基板上へのa−Si:H膜成膜 5バッチ 工程14 プラズマクリーニング 工程15 基板上へのa−Si:H膜成膜 5バッチ 工程16 プラズマクリーニング 工程17 基板上へのa−Si:H膜成膜 5バッチ 工程18 プラズマクリーニング 工程19 基板上へのa−Si:H膜成膜 5バッチ 工程20 プラズマクリーニング。
【0051】そして、工程1並びに工程11の成膜後、
各シャワープレート材料毎に基板上のa−Si:H膜の
膜厚分布を調べ、その結果を図2(工程1の膜厚分布と
熱膨張係数/耐力との関係は○で表わし、工程11の膜
厚分布と熱膨張係数/耐力との関係は●印で表わした)
に示した。
【0052】図2から明らかなように、基板上の膜厚分
布を±10%以下に維持するためには、高周波電力を印加
する電極となるシャワープレートは熱膨張係数/耐力が
1.0(10-6/K)/(kg/mm2)以下の材料で
構成しなければならないことが分かる。
【0053】実施例2 本実施例は、成膜後の基板上の成膜分布の変化を調べる
ものである。
【0054】シャワープレート材料をアルミニウム、ハ
ステロイC−22とし、夫々の表面に溶射法により膜厚
200μmのアルミナ膜を形成したものをシャワープレート
とした以外は、前記実施例1と同様に成膜とプラズマク
リーニングとを交互に10回繰り返し行った。
【0055】そして、各成膜工程後に基板上の膜厚分布
を調べ、その結果を図3(アルミニウムを用いた場合の
膜厚分布と工程との関係は○で表わし、ハステロイを用
いた場合の膜厚分布と工程との関係は●印で表わした)
に示した。
【0056】図3から明らかなように、シャワープレー
ト材料にアルミニウムを用いた場合は、初期の段階で膜
厚分布に変化が生じ、その後膜厚分布が20%に達した
後は膜厚分布が飽和状態を示した。
【0057】シャワープレート材料にハステロイC−2
2を用いた場合は、成膜とプラズマクリーニングを繰り
返し行っても膜厚分布に変化はみられなかった。
【0058】従って、高周波電力を印加する電極となる
シャワープレート材料に熱膨張係数/耐力が0.33のハス
テロイC−22を用いることによって、大面積の基板上
にa−Si:H膜を均一な膜厚で安定した状態に成膜出
来ることが分かる。
【0059】実施例3 本実施例はプラズマクリーニングのガスとしてNF3
用いた場合におけるシャワープレート表面に形成したア
ルミナ膜の剥離状態を調べ、耐腐食性の評価とするもの
である。
【0060】シャワープレート材料をアルミニウム、ス
テンレスSUS304、ニッケル、ハステロイC−22
とし、夫々の表面に溶射法により膜厚200μmのアルミナ
膜を形成したものをシャワープレートとした。
【0061】そして、図1示装置を用いて各シャワープ
レート毎に基板温度が300℃となるように維持し、クリ
ーニングガスとその流量をNF3、500sccmとし、RFパ
ワーを1W/cm2とし、クリーニング時の圧力を53Pa(0.4To
rr)としたプラズマクリーニング条件でプラズマ放電を2
時間行った後、真空槽1内を大気開放し、目視によりシ
ャワープレート表面に形成したアルミナ膜の剥離状態を
調べた。
【0062】また、このプラズマクリーニングを繰り返
し行ってシャワープレート表面に形成したアルミナ膜の
剥離が発生した時までの合計の放電時間を調べ、その結
果を表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】表4から明らかなように、材料自体がNF
3プラズマに対して腐食されるアルミニウム、ステンレ
スSUS304ではシャワープレート材料(母材)の腐
食によりその表面に形成したアルミナ膜の剥離が発生し
やすくなることが分かる。
【0065】実施例4 本実施例は、シャワープレート表面にアルミナ膜を溶射
した場合と、アルミナ膜を溶射しない場合におけるプラ
ズマクリーニング後のシャワープレート表面状態を調べ
るものである。
【0066】シャワープレート材料をアルミニウム、ス
テンレスSUS304、ニッケル、ハステロイC−22
とし、夫々の表面に溶射法により膜厚200μmのアルミナ
膜を形成したものをシャワープレートとして用意し、こ
れとは別に、アルミニウム、ステンレスSUS304、
ニッケル、ハステロイC−22のみで構成(表面にはア
ルミナの形成なし)したシャワープレートを用意した。
【0067】そして、図1示装置を用い、各シャワープ
レート毎に基板温度が300℃となるように維持し、クリ
ーニングガスとその流量をNF3、500sccmとし、RFパ
ワーを1W/cm2とし、クリーニング時の圧力を53Pa(0.4To
rr)としたプラズマクリーニング条件でプラズマ放電を2
時間行った後、真空槽内を大気開放し、目視により各シ
ャワープレートの表面状態を調べ、その結果を表5に示
す。
【0068】
【表5】
【0069】表5から明らかなように、シャワープレー
ト表面にアルミナ膜が形成されていない場合は、変色ま
たは粉状不純物が付着していたが、シャワープレート表
面にアルミナを形成することにより繰り返しプラズマク
リーニングを行ってもクリーニング耐久性を有している
ことが分かる。
【0070】尚、ニッケルおよびハステロイの表面に見
られた粉状不純物を分析した結果、主としてニッケル、
酸素、シリコン、フッ素が検出された。これは成膜物質
であるシリコンと、シャワープレート材料であるニッケ
ルがプラズマクリーニング中にプラズマ中の高エネルギ
ーイオンにより反応を起していることが分かる。
【0071】従って、シャワープレート表面にアルミナ
膜を形成することにより、この表面反応が抑制されるこ
とが分かる。
【0072】前記実施例1、2、3、4、5の結果から
明らかなように、シャワープレート材料にステンレスS
US304を用いると、長時間使用することにより、そ
の表面に形成したアルミナ膜に剥離が発生するが、プラ
ズマクリーニング時の投入電力を低くする、クリーニン
グガスをCF4+O2に代える等クリーニング時の条件を
限定することにより、その表面にアルミナ膜を形成すれ
ばステンレスSUS304をシャワープレート材料とし
て用いることが可能であることが分かる。
【0073】実施例5 前記実施例1では表面にアルミナ膜を形成したシャワー
プレートを用いたが、本実施例は、表面にアルミニウム
膜を形成したシャワープレートを用いた場合の膜厚分布
変化を調べるものである。
【0074】ハステロイC−22の表面に溶射法により
膜厚150μmのアルミニウム(Al)膜を形成したシャワ
ープレートを用い、また、成膜時、並びにプラズマクリ
ーニング時の基板温度を250℃とした以外は、前記実施
例1と同様に成膜とプラズマクリーニングとを交互に1
0回繰り返し行った。
【0075】そして、工程1、工程5、工程11並びに
工程19の成膜後の膜厚分布を調べたところ、工程1の
膜厚分布は±3.5%、工程5の膜厚分布は±3.8%、工程
11の膜厚分布は±4%、工程19の膜厚分布は±3.9%
であった。
【0076】また、工程2、工程6、工程12並びに工
程20のプラズマクリーニング後のシャワープレート表
面を目視により観察したところ、いずれも変化は見られ
なかった。
【0077】ただ、成膜時、並びにクリーニング時の基
板温度を350℃以上にすると、2時間のプラズマ放電の
プラズマクリーニング後、シャワープレート表面に白濁
化が見られ、シャワープレート表面に形成したアルミニ
ウム膜が腐食していることが分かった。
【0078】従って、シャワープレート表面にアルミニ
ウム膜を形成することにより、基板温度を250℃以下と
すれば、成膜とクリーニングを繰り返し行っても、大面
積の基板上に成膜された膜厚分布はa−SiTFTの使
用において十分に実用可能な範囲(±10%)内であ
り、また、NF3ガスクリーニングに対して十分に耐久
性を有することが分かる。
【0079】実施例6 本実施例はクリーニングガスにCF4を用いた場合にお
けるシャワープレート表面に形成したアルミナ膜の剥離
状態を調べ、耐腐食性の評価とするものである。
【0080】シャワープレート材料をステンレスSUS
304、ハステロイC−22とし、夫々の表面に溶射法
により膜厚200μmのアルミナ膜を形成したものをシャワ
ープレートとした。
【0081】そして、図1示の装置を用い、各シャワー
プレート毎に基板温度350℃ととなるように維持し、ク
リーニングガスとその流量をCF4、500sccm、酸素、5
0sccmとし、RFパワーを1W/cmとし、クリ
ーニング時の圧力を53Pa(0.4Torr)とし、プラズマ放電
を2時間としたプラズマクリーニングを繰り返し行って
シャワープレート表面に形成したアルミナの剥離が発生
した時までの合計の放電時間を調べたところ、シャワー
プレート材料にステンレスSUS304を用いた場合は
100時間以上であり、シャワープレート材料にハステロ
イC−22を用いた場合は100時間以上であり、剥離は
認められなかった。
【0082】従って、シャワープレート材料の表面にア
ルミナ膜を形成することにより繰り返しプラズマクリー
ニングを行っても十分に耐久性を有することが分かる。
【0083】実施例7 本実施例はクリーニングガスにCF4を用いた場合にお
けるシャワープレート表面に形成したアルミニウム膜の
剥離状態を調べ、耐腐食性の評価とするものである。
【0084】シャワープレート材料をステンレスSUS
304、ハステロイC−22とし、夫々の表面に溶射法
により膜厚200μmのアルミニウム膜を形成したものをシ
ャワープレートとした。
【0085】そして、図1示の装置を用い、各シャワー
プレート毎に基板温度250℃ととなるように維持し、ク
リーニングガスとその流量をCF4、500sccm、酸素、50
sccmとし、RFパワーを1W/cm2とし、クリーニング時の
圧力を53Pa(0.4Torr)とし、プラズマ放電を2時間とした
プラズマクリーニングを繰り返し行ってシャワープレー
ト表面に形成したアルミニウムの剥離が発生した時まで
の合計の放電時間を調べたところ、シャワープレート材
料にステンレスSUS304を用いた場合は100時間以
上であり、シャワープレート材料にハステロイC−22
を用いた場合は100時間以上であり、剥離は認められな
かった。
【0086】従って、シャワープレート材料の表面にア
ルミニウム膜を形成することにより繰り返しプラズマク
リーニングを行っても十分に耐久性を有することが分か
る。
【0087】実施例8 ハステロイC−22の表面に溶射法により膜厚200μmの
アルミナ膜を形成したものをシャワープレートとし、反
応性ガスとしてSiH4、NH3、N2を用い、基板上へ
の成膜物質をSiNxとした以外は、前記実施例1と同
様に基板上にSiNx膜の成膜と、プラズマクリーニン
グとを交互に10回繰り返し行った。
【0088】そして、工程1並びに工程11の成膜後の
膜厚分布を調べたところ、工程1の膜厚分布は±4.7%
であり、工程11の膜厚分布は±5.2%であった。
【0089】また、工程2並びに工程12のクリーニン
グ後のシャワープレートの表面を観察したところ、工程
2は白色であり、また、工程12は白色であった。
【0090】従って、シャワープレート材料の表面にア
ルミナ膜を形成することにより、成膜とクリーニングを
繰り返し行っても、基板上にSiNx膜を均一な膜厚で
成膜出来ることが分かる。
【0091】実施例9 ハステロイC−22の表面に溶射法により膜厚200μmの
アルミニウム膜を形成したものをシャワープレートと
し、反応性ガスとしてSiH4、N2O、Arを用い、基
板上への成膜物質をSiO2とした以外は、前記実施例
1と同様に基板上にSiO2膜の成膜と、プラズマクリ
ーニングとを交互に10回繰り返し行った。
【0092】そして、工程1並びに工程11の成膜後の
膜厚分布を調べたところ、工程1の膜厚分布は±6.3%
であり、工程11の膜厚分布は±6.5%であった。
【0093】また、工程2並びに工程12のクリーニン
グ後のシャワープレートの表面を観察したところ、工程
2は金属色であり、また、工程12は金属色であった。
【0094】従って、シャワープレート材料の表面にア
ルミニウム膜を形成することにより、成膜とクリーニン
グを繰り返し行っても、基板上にSiO2膜を均一な膜
厚で成膜出来ることが分かる。
【0095】
【発明の効果】本発明によるときは、高周波電力を印加
する電極の表面にアルミニウム膜またはアルミナ膜を形
成したので、プラズマクリーニング耐久性を向上させる
ことが出来るから、a−Si、SiNx、SiO2の成膜
と、プラズマクリーニングを繰り返し行うことが出来
て、十分に耐久性を備えたプラズマCVD装置を提供す
る効果がある。
【0096】また、前記高周波電力を印加する電極を反
応性ガスを真空槽内に噴出する噴出口を備えるシャワー
プレートとすることにより、大面積に均一に反応ガスを
供給する効果がある。
【0097】また、前記高周波電力を印加するアルミニ
ウム膜またはアルミナ膜を形成された電極を熱膨張係数
/耐力が1.0(10-6/K)/(kg/mm2)以下
の材料を用いるときは、高温時の変形が小さくて、大面
積の基板上に均一な膜厚の成膜が出来る効果がある。
【0098】また、前記熱膨張係数/耐力が1.0(1
-6/K)/(kg/mm2)以下の電極材料を鉄合
金、ニッケル合金とすることにより実用上入手可能な安
価な材料を用いて大面積に均一に成膜出来る効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプラズマCVD装置の1例の説明線
図、
【図2】 シャワープレート材料の熱膨張係数/耐力と
膜厚分布との関係を示す特性線図、
【図3】 膜厚分布と膜厚分布の経時変化との関係を示
す特性線図、
【図4】 従来のプラズマCVD装置の説明線図。
【符号の説明】
1 真空槽、 2 反応性ガス源、 3
ガス導入系、4 真空排気系、 5 カソード、
6 アノード、7 高周波電源、 8 基
板、 9 シャワープレート、10 ガス
噴出口、 11 アルミニウム膜またはアルミナ膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/31 C (72)発明者 戸川 淳 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 米▲崎▼ 武 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 谷 典明 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 中村 久三 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉超材料研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気系を有する真空槽内に少なくとも2
    個以上の対向した電極を有し、その1方の電極に高周波
    電力を印加して、真空槽内に導入したSiH4、NH3
    2O等の反応性ガスをプラズマ分解して、基板上にa
    −Si、SiNx、SiO2等の成膜を行うプラズマCV
    D装置において、高周波電力を印加する電極はその表面
    にアルミニウム膜またはアルミナ膜を形成したことを特
    徴とするプラズマCVD装置。
  2. 【請求項2】 前記高周波電力を印加する電極は反応性
    ガスを真空槽内に噴出する噴出口を備えたシャワープレ
    ートであることを特徴とする請求項第1項に記載のプラ
    ズマCVD装置。
  3. 【請求項3】 前記高周波電力を印加するアルミニウム
    膜またはアルミナ膜が表面に形成された電極は熱膨張係
    数/耐力が1.0(10-6/K)/(kg/mm2)以
    下の材料であることを特徴とする請求項第1項または第
    2項に記載のプラズマCVD装置。
  4. 【請求項4】 前記熱膨張係数/耐力が1.0(10-6
    /K)/(kg/mm2)以下の電極材料は鉄合金また
    はニッケル合金であることを特徴とする請求項第3項に
    記載のプラズマCVD装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005167019A (ja) * 2003-12-03 2005-06-23 Sharp Corp トランジスタおよびそのゲート絶縁膜の成膜に用いるcvd装置
JP2010132950A (ja) * 2008-12-03 2010-06-17 Shimadzu Corp プラズマcvd装置のシャワー電極の製作方法
JP2013536590A (ja) * 2010-08-27 2013-09-19 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 高放射率表面を有するガス分配シャワーヘッド
JP2013204117A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Sharkgiken Corp 鉄合金からなる部材の洗浄方法および太陽電池素子の製造方法

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