JPH08143880A - 炭素質微粉体の水スラリー用添加剤および炭素質微粉体の水スラリー - Google Patents

炭素質微粉体の水スラリー用添加剤および炭素質微粉体の水スラリー

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JPH08143880A
JPH08143880A JP31558194A JP31558194A JPH08143880A JP H08143880 A JPH08143880 A JP H08143880A JP 31558194 A JP31558194 A JP 31558194A JP 31558194 A JP31558194 A JP 31558194A JP H08143880 A JPH08143880 A JP H08143880A
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JP
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coal
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sulfonic acid
polymer
polymerizable
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Application number
JP31558194A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Sakurai
竜也 桜井
Hitomi Akiike
ひとみ 秋池
Hidekazu Yoshida
英一 吉田
Hiroyasu Nakada
裕康 中田
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NIPPON COM KK
Lion Corp
Original Assignee
NIPPON COM KK
Lion Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スルホン酸基含有芳香族炭化水素系重合体あ
るいはその塩(ポリスチレンスルホン酸等)と、分子内
に活性水素を一個以上有する化合物(ノニルフェノール
等)に、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド
を付加して得られる分子量500未満のポリエーテル化
合物とを含む炭素質微粉体の水スラリー用添加剤。酸素
と炭素の原子数比が0.1以上の石炭に好適である。 【効果】 炭素質微粉体水スラリーの粘度上昇を抑え、
静置安定性を改善することができる。特に、炭素質微粉
体が、亜瀝青炭のようにO/Cが高い石炭の場合におい
て効果は顕著であるので、広範な石炭に応用でき、汎用
性が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭や石油コークスに
代表されるような炭素質微粉体の水スラリーに用いられ
る添加剤、およびこれを用いた炭素質微粉体の水スラリ
ー(以下、CWM(Coal and Water M
ixture)と略称することもある)に関する。
【0002】
【従来の技術】石油価格の高騰やエネルギー資源の多様
化の観点から、近年石炭の利用が注目されている。石炭
は固体燃料でありハンドリングの点で難点があるので、
これを微粉砕して水スラリーとすることが提案されてき
た。石炭や石油コークスのような固体燃料を水スラリー
とすることにより、パイプ輸送が可能となり液体燃料と
同様に取り扱うことができるが、輸送効率を向上するた
めに、高濃度化することが必要となる。しかし、石炭や
石油コークスなどの炭素質微粉体をそのまま水中に分散
しただけでは50%以上の高濃度化スラリーを得ること
は困難であり、また静置しておくと炭素質微粉体が沈降
して不均一になり貯蔵安定性の点でも問題がある。
【0003】そこで、スラリー中にポリスチレンスルホ
ン酸塩(特開昭62−590号公報)を添加して高濃度
化および分散安定性を改善することが提案されたが、高
濃度化性に対して効果が見受けられるものの、静置安定
性に若干問題が残っていた。
【0004】次に、静置安定性を改善する分子量が50
0以上のノニオン系添加剤が報告されたが、この添加剤
を用いると、静置安定性は若干改善されるもののスラリ
ーの粘度が上昇する傾向が見られた。
【0005】さらに、スルホン酸基含有芳香族系炭化水
素重合体とアルキレンオキシド付加型ノニオン系添加剤
とを組み合わせて用いるCWM用添加剤としては、以下
のものが報告されている。
【0006】(1)特開昭60−250097号公報:
ヒドロキシル基等を有する化合物にアルキレンオキシド
を付加したポリエーテル系化合物と、ポリスチレンスル
ホン酸塩とを併用したCWM用添加剤。 (2)特開昭62−96593号公報:アミノ基以外の
活性水素を有する化合物にアルキレンオキシドを付加さ
せた分子量1500〜30000の非イオン界面活性剤
と、ポリスチレンスルホン酸塩とを併用したCWM用添
加剤。 (3)特開昭63−35688号公報:スルホン酸基含
有芳香族炭化水素系重合体と、分子内に芳香族環と活性
水素を有する化合物にアルキレンオキシドを付加したポ
リエーテル化合物を併用したCWM用添加剤。
【0007】近年CWMの商業化に伴い、製造プラント
の規模が拡大され、大量にCWMを製造するようになっ
た。そのため拡大に伴って製造場所が遠方になり、大量
のCWMの輸送手段がローリーからパイプライン、船舶
等に変わり、今よりも更に安定性の向上が求められてい
る。かかる背景からスラリーの粘度上昇を抑えかつ静置
安定性を改善する必要が生じてきたが、この要請に上記
のCWM用添加剤は、必ずしも十分に応えることができ
ない。
【0008】また、石炭資源の有効活用の観点から、従
来主として用いられてきた瀝青炭と比較してO/Cが大
きい亜瀝青炭などの、いわゆる”若い石炭”の有効利用
が望まれている。しかしながら、従来のCWM用添加剤
は、このようにO/Cが大きい石炭を用いたCWMに添
加しても、十分な粘度上昇防止効果および静置安定性が
得られないのが現状であった。そこで、酸素分が多い石
炭も含めて広範な石炭に利用可能なCWM用添加剤が望
まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭素質微粉
体の水スラリーに添加したとき、高濃度化性を阻害せず
に、CWMの静置安定性が改善できる添加剤を提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の炭素質微粉体の
水スラリー用添加剤は、以下の(A)成分および(B)
成分を含有することを特徴とする。 (A):次の(A1 )及び(A2 )の重合体の中から選
ばれる一種または二種以上のスルホン酸基含有芳香族炭
化水素系重合体あるいはそのアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩、または有機アミン塩。
【0011】(A1 ):(a)重合性芳香族スルホン酸
系モノマー群および(b)重合性炭化水素系モノマー群
の中から選ばれた一種または二種以上のモノマーを重合
して得られる重合体であって、前記(a)群モノマーを
必須成分として含む重合体。 (A2 ):重合性炭化水素系モノマー群の中から選ばれ
た一種または二種以上のモノマーを重合して得られるポ
リマーであって、重合性芳香族系モノマーを少なくとも
一種必須成分として含むポリマーをスルホン化して得ら
れる重合体。
【0012】(B)分子内に活性水素を一個以上有する
化合物に、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシ
ドを付加して得られる分子量500未満のポリエーテル
化合物。また、本発明の炭素質微粉体の水スラリーは、
O/Cが0.1以上の石炭、水、および上記の(A)お
よび(B)成分を含む添加剤を混合、分散してなること
を特徴とする。
【0013】
【発明の実施態様】本発明の(A)成分の重合体は、分
子内にスルホン酸基を含む芳香族炭化水素を構成単位と
して含むものである。そして、このスルホン酸基がモノ
マーに由来するもの、即ち、スルホン酸基を含む芳香族
炭化水素モノマーを単独であるいは他のモノマーととも
に重合せしめたものが、(A1 )の重合体である。一
方、モノマーを重合して重合体を得たのちに、重合体中
の芳香族基にスルホン酸基を導入したものが、(A2
の重合体である。
【0014】(A1 )の重合体は、以下の(a)群およ
び(b)群の中から選ばれた一種以上のモノマーからな
る重合体であって、少なくとも(a)群モノマーに由来
する構成単位を含むものである。 (a)重合性芳香族スルホン酸系モノマー。 (b)重合性炭化水素系モノマー。
【0015】(A1 )の重合体中における(a)群の芳
香族スルホン酸系モノマーの占める割合は、40〜10
0モル%が好ましく、より好ましくは50〜100モル
%である。このように(b)群のモノマーを用いること
なく、(a)群の芳香族スルホン酸系モノマーだけで、
(A1 )の重合体を構成することもできる。
【0016】(a)群モノマーの具体例としてはスチレ
ンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、ビニル
トルエンスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸が挙
げられる。 (b)群モノマーの具体例としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、エチレン、ブテン、ブ
タジエン、ジイソブチレン、シクロペンタジエン、ジシ
クロペンタジエンが挙げられる。
【0017】(a)群モノマーと(b)群モノマーとの
共重合体としては、スチレンスルホン酸・スチレン共重
合体、スチレンスルホン酸・ブタジエン共重合体、スチ
レンスルホン酸・ブテン共重合体、αーメチルスチレン
スルホン酸・エチレン共重合体、αーメチルスチレンス
ルホン酸・ジイソブチレン共重合体が例示される。
【0018】(A2 )の重合体は、炭化水素系モノマー
の少なくとも一種のポリマーであって、芳香族系モノマ
ーを少なくとも一種を必須成分として含むポリマーのス
ルホン化物、またはその塩である。
【0019】この芳香族系モノマーとしては、スチレ
ン、αーメチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフ
タレン、インデンなどが挙げられ、また、芳香族系以外
の炭化水素系モノマーとしてはエチレン、ブテン、ブタ
ジエン、ジイソブチレン、シクロペンタジエン、ジシク
ロペンタジエンが挙げられる。これらモノマーの重合体
中に占める芳香族系モノマーの割合は30〜100モル
%が適当であり、好ましくは50%〜100モル%であ
る。この重合体の具体例としては、ポリスチレン、スチ
レン・エチレン共重合体、スチレン・ジイソブチレン共
重合体、スチレン・ジシクロペンタジエン共重合体、ス
チレン・ビニルトルエン・αーメチルスチレン・インデ
ン共重合体のような石油樹脂が挙げられる。このような
重合体をスルホン化し、またはさらに塩とすることによ
り(A2 )の重合体が得られる。スルホン化は、無水硫
酸、クロルスルホン酸、無水硫酸・ルイス塩基錯体など
のスルホン化剤を用い、任意のスルホン化方法を適用す
ることにより行うことができる。重合体のスルホン化率
は75%以上が好ましく、より好ましいのは80%〜1
00%である。(A)成分のスルホン酸基含有芳香族炭
化水素系重合体の分子量は、重量平均分子量で1000
〜20万が好ましい。
【0020】本発明の(A1 )または(A2 )の重合体
は、その重合時に架橋剤を用いることができ、架橋剤と
しては、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミ
ド、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ンジメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリ
レート、ジアリルフタレートなどが例示できる。
(A1 )または(A2 )重合体のいずれの場合であって
も、架橋剤は0〜5モル%用いるのが適当であり、好ま
しくは0.01〜3モル%である。架橋剤の配合量が多
くなりすぎると水溶性が低下し、好ましくない。本発明
の添加剤では、これらのスルホン酸基含有芳香族炭化水
素系重合体が遊離の酸、または塩の形で用いられる。
【0021】(A)成分における塩としては、1価の塩
としてリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属塩、アンモニウム塩、あるいはモノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モル
ホリン、エチルアミン、ブチルアミン、ヤシ油アミン、
牛脂アミン等の有機アミン塩;2価の塩としてカルシウ
ム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属塩、
エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の有機ア
ミン塩;3価の塩としてアルミニウム塩、ジエチレント
リアミンなどの有機アミン塩;あるいはポリエチレンイ
ミンなどの多価有機アミン塩が挙げられる。
【0022】(B)成分のポリエーテル化合物は分子内
に活性水素を一個以上有する化合物にエチレンオキシド
あるいはプロピレンオキシドを付加して得られたものが
用いられる。ここで、分子内に活性水素を一個以上有す
る化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
【0023】(1)フェノール、クレゾール、ターシャ
リーブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフ
ェノール、ジノニルフェノール、ドデシルフェノール、
キシレノール、ナフトール、メチルナフトール、ブチル
ナフトール、パラクミルフェノール等のフェノール類。 (2)ベンジルアルコールなどの芳香族1価アルコール
類。 (3)ラウリルアルコール、オクチルアルコール、ステ
アリルアルコール等の脂肪族直鎖または2−エチルヘキ
サノール、イソブチルアルコール等の分岐一級アルコー
ルあるいはイソプロピルアルコール等の二級アルコール
などの脂肪族1価アルコール類。
【0024】(4)エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソル
ビトール等の多価アルコール類。 (5)カテコール、レゾルシン、ピロガロール、ビスフ
ェノールA、フェノールホルマリン縮合物などの芳香族
多価アルコール。
【0025】(6)安息香酸、フェニル酢酸、フェノキ
シ酢酸、トルイル酸等の1塩基カルボン酸。 (7)フタル酸、トリメリット酸等の多塩基カルボン
酸。 (8)サリチル酸、クレソチン酸、オキシナフトエ酸、
D,L−マンデル酸、ベンジル酸等のヒドロキシカルボ
ン酸。 (9)チオフェノール、チオサリチル酸、ベンジルメル
カプタン等のメルカプタン。中でも(1)のフェノール
類、(3)の脂肪族1価アルコール類が好ましい。
【0026】(B)成分のポリエーテル化合物は重量平
均分子量で500未満が好適であり、好ましくは100
〜490であり、より好ましくは180〜490であ
る。この値が500以上になると、CWMの大量生産・
輸送に伴い求められる安定性、あるいはO/Cが大きい
石炭を用いたCWMへの適用時に求められる粘度低減効
果および安定性の点で、不十分となる。
【0027】本発明の添加剤においては、上記(A)成
分と(B)成分とを、重量比で95/5〜30/70の
範囲で用いることが望ましく、より好ましくは90/1
0〜50/50である。本発明の添加剤は、炭素質微粉
体の水スラリー中に0.1〜2重量%、好ましくは0.
3〜1.0重量%の範囲で含まれるように添加するのが
適当である。
【0028】炭素質微粉体としては、無煙炭、瀝青炭、
亜瀝青炭、褐炭などの石炭;石油コークス、化学プラン
トから副生するカーボンブラック、有機物を炭化して得
られるカーボンブラック、木炭などエネルギー源として
用いられるものが使用される。特に、本発明の添加剤
は、亜瀝青炭のようにO/Cが0.1以上の石炭を用い
た場合にも優れたCWMを製造することができる。
【0029】また、石炭のように灰分を多く含むもの
は、浮選法、水中造粒法(Oil Agglomera
tion法)などを適用して脱灰ならびに脱硫処理を施
し、クリーン化することが好ましい。これらの炭素質
は、実質上1mm以上のものが含まれないように微粉化
されるが、燃料としての燃焼性を考慮して74μm以下
の含有量が50重量%以上とすることが好ましく、さら
に好ましくは60〜100重量%である。
【0030】炭素質微粉体の水スラリーは、乾式粉砕法
または湿式粉砕法により炭素質を粉砕して水スラリー化
することで得ることができ、添加剤は最終水スラリーに
含まれるように適宜の工程で添加することができる。た
とえば乾式粉砕法で炭素質微粉体を得た場合は、添加剤
を水に溶解または分散させ、これに微粉体を加えて適当
な混合装置により高濃度水スラリーを調製すればよい。
また、湿式粉砕法を採用する場合は、湿式粉砕に用いる
水中に添加剤を予め溶解又は分散するようにしてもよい
し、湿式粉砕中もしくは粉砕後に添加するようにしても
よい。
【0031】水スラリー中の炭素質微粉体の濃度は、微
粉体の種類、平均粒径、粒度分布などにもよるが、本発
明の添加剤を添加することにより十分に高めることがで
き、たとえば80重量%程度まで可能である。
【0032】亜瀝青炭のようにO/Cが0.1以上の石
炭を用いて本発明の炭素質微粉体の水スラリーを製造す
る場合も、石炭、水、および(A)、(B)両成分を含
む添加剤を均一に混合、分散することにより低粘度かつ
静置安定性に優れたスラリーを製造できる。この場合の
スラリー中の石炭濃度および添加剤濃度も上記と同様で
ある。すなわち、スラリー中の石炭濃度は30〜80重
量%が好適であり、より好ましくは50〜75重量%で
ある。また、スラリー中の添加剤濃度は、0.1〜2重
量%が好適であり、より好ましくは0.3〜1.0重量
%の範囲である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、スルホン酸基含有芳香
族炭化水素系重合体またはそのアルカリ金属塩、アルカ
リ土類金属塩、アンモニウム塩、あるいは有機アミン塩
と、特定のポリエーテルとを併用することにより、炭素
質微粉体水スラリーの粘度上昇を抑え、静置安定性を改
善することができる。特に、炭素質微粉体が、亜瀝青炭
のようにO/Cが高い石炭の場合において効果は顕著で
あるので、広範な石炭に応用でき、汎用性が高い。
【0034】本発明の添加剤を添加した炭素質微粉体水
スラリーは、電力や一般産業用のボイラー燃料としての
みならず、製鉄分野における高炉や冶金炉で使用される
コークスの節減のための助燃剤などとしても有用であ
る。
【0035】
【実施例】
実施例 以下で述べるで調製したスラリーをの方法で性能評
価し、その結果を表6、表7に示した。 調製 (1)準備 表1の性状を持つ石炭約1000gと、設定した濃度と
なるように水と表2、表3、表4、表5に示す添加剤を
所定量計量した。なお石炭の設定濃度は60重量%以上
とした。
【0036】(2)粉砕、撹拌 (1)で準備した石炭、水、添加剤をステンレス製ボー
ルミルに入れ石炭の粒度を74μm以下が83%となる
ように湿式粉砕を行った。得られたスラリーを、ホモミ
キサー(特殊機化工業製)にて4000rpmで10分
間撹拌した。
【0037】
【表1】 表1:石炭性状 石炭 分析項目 C−1 C−2 工業分析 水分(%) 3.4 11.0 灰分(%) 8.8 2.2 揮発分(%) 33.8 36.9 固定炭素(%) 54.0 49.9 元素分析 無水ベース C(%) 76.2 77.9 H(%) 4.69 5.2 O(%) 8.18 13.2 N(%) 1.48 1.1 S(%) 0.35 0.17 O/C 0.08 0.13 炭種 瀝青炭 亜瀝青炭
【0038】
【表2】 表2:(A)スルホン酸基含有芳香族炭化水素系重合体の性状(その1) 重合体No. A−1 A−2 A−3 A−4 (a)重合性芳香族 スルホン酸系 スチレン スチレン ビニルトルエン スチレン モノマー スルホン酸 スルホン酸 スルホン酸 スルホン酸 (b)重合性炭化水素 系モノマー (b)-1 芳香族系 − − − − (b)-2 脂肪族系 − − エチレン ブタジエン (b)-1,(b)-2の比*1 − − 0 0 (a),(b)成分比*2 100 100 70 80 架橋剤 種類 − − − − 添加量*3 − − − − 重合体のスルホン化 有無 無 無 無 無 スルホン化率(%) − − − − 生成物 平均分子量 15,000 50,000 10,000 100,000 対イオン Na NH4 Ca K *1)下記数1の式(i)の通り
【0039】
【数1】 *2)下記数2の式(ii)の通り
【0040】
【数2】 *3)単位はモル%対モノマ−
【0041】
【表3】 表3:(A)スルホン酸基含有芳香族炭化水素系重合体の性状(その2) 重合体No. A−5 A−6 A−7 (a)重合性芳香族 スルホン酸系 スチレン − − モノマー スルホン酸 (b)重合性炭化水素 系モノマー (b)-1 芳香族系 − スチレン スチレン,ビニルトルエン, α-メチルスチレン, インデン (b)-2 脂肪族系 − プロピレン ブタジエン (b)-1,(b)-2の比*1 − 90 60 (a),(b)成分比*2 100 0 0 架橋剤 種類 ジビニル − メチレンビスアクリルアミド ベンゼン 添加量*3 2.0 − 3.0 重合体のスルホン化 有無 無 有 有 スルホン化率(%) − 80 90 生成物 平均分子量 150,000 20,000 35,000 対イオン Na Mg NH4 *1)下記数3の式(i)の通り
【0042】
【数3】 *2)下記数4の式(ii)の通り
【0043】
【数4】 *3)単位はモル%対モノマ−
【0044】
【表4】 表4:(A)スルホン酸基含有芳香族炭化水素系重合体の性状(その3) 重合体No. A−8 A−9 A−10 (a)重合性芳香族 スルホン酸系 − − − モノマー (b)重合性炭化水素 系モノマー (b)-1 芳香族系 スチレン スチレン スチレン (b)-2 脂肪族系 ブタジエン − − (b)-1,(b)-2の比*1 70 100 100 (a),(b)成分比*2 0 0 0 架橋剤 種類 − − − 添加量*3 − − − 重合体のスルホン化 有無 有 有 有 スルホン化率(%) 95 90 90 生成物 平均分子量 70,000 15,000 60,000 対イオン Ca Na NH4 *1)下記数5の式(i)の通り
【0045】
【数5】 *2)下記数6の式(ii)の通り
【0046】
【数6】 *3)単位はモル%対モノマ−
【0047】
【表5】 表5:(B)ポリエーテルの性状 重 量 (%) No. エチレン プロピレン 重量平均 活性水素を有する化合物 オキシド オキシド 分 子 量 B−1 ノニルフェノール 100 0 310 B−2 2-エチルヘキサノール 0 100 420 B−3 ラウリルアルコール 40 60 460 B−4 フェノール 100 0 360
【0048】性能評価 (1)初期粘度 Rotovisco−RV20(HAAKE社製)によ
り、MV−IIPローターを用いて25℃でスラリーの粘
度を測定した。剪断速度を0s-1から150s-1まで3
分間で上昇させ、150s-1で3分間保持した後、3分
間で0s-1まで降下させ、降下時の剪断速度100s-1
における応力から求めたCWMの見かけ粘度を初期粘度
とした。得られた結果から以下のように初期粘度を評価
した。 ○:良好(1000mPa・s以下) △:不十分(1000〜1200mPa・s) ×:不良(1200mPa・s以上)
【0049】(2)流動性 スラリー400gを、直径8cm・高さ15cm・入り
口直径6cmのプラスチック製ポリボトルにいれ、30
℃で7日間静置保存した後、各サンプルのポリボトルを
開封して逆さにし、20分間で流出したスラリーの重量
%を測定した。得られた結果から、流動性を以下のよう
に評価した。 ○:良好(85重量%以上) △:不十分(75〜85重量%) ×:不良(75重量%以下)
【0050】
【表6】表6:測定結果(本発明実施例) 分散剤 石炭 初期粘度 流出重量 A/B 添加 スラリー No. A成分 B成分 重量比 量*1 種類 濃度(%) mPa・s 評価 評価 1 A-1 B-1 50/50 0.6 C-1 70.3 860 ○ 96 ○ 2 A-2 B-2 60/40 0.6 C-1 69.8 890 ○ 95 ○ 3 A-3 B-3 70/30 0.6 C-1 69.9 910 ○ 94 ○ 4 A-4 B-4 80/20 0.6 C-1 70.4 890 ○ 95 ○ 5 A-5 B-1 90/10 0.6 C-2 63.3 870 ○ 93 ○ 6 A-6 B-2 50/50 0.6 C-2 63.7 900 ○ 92 ○ 7 A-7 B-3 60/40 0.6 C-2 63.8 940 ○ 91 ○ 8 A-8 B-4 70/30 0.6 C-2 63.5 920 ○ 91 ○ 9 A-9 B-1 80/20 0.6 C-2 63.4 850 ○ 93 ○ 10 A-10 B-2 90/10 0.6 C-2 63.1 880 ○ 92 ○ 11 A-1 B-3 50/50 0.6 C-2 63.0 880 ○ 91 ○ 12 A-2 B-4 60/40 0.6 C-2 63.6 920 ○ 92 ○ 13 A-3 B-1 70/30 0.6 C-2 63.3 900 ○ 92 ○ 14 A-4 B-2 80/20 0.6 C-2 63.4 890 ○ 93 ○ *1)重量%対石炭
【0051】
【表7】表7:測定結果(比較例) 分散剤 石炭 初期粘度 流出重量 A/B 添加 スラリー No. A成分 B成分 重量比 量*1 種類 濃度(%) mPa・s 評価 評価 11 A-10 − 100/0 0.6 C-1 70.1 980 ○ 80 △ 12 A-10 − 100/0 0.6 C-2 62.0 990 ○ 60 × 13 A-9 B-11*2 70/30 0.6 C-2 61.8 1250 × 76 △ 14 A-8 B-12*3 80/20 0.6 C-2 60.9 1230 × 78 △ 15 − B-1 0/100 0.6 C-2 60 スラリー化できず *1)重量%対石炭 *2)B−11:ノニルフェノールEO付加物(平均分子量2400)(EO :エチレンオキシド) *3)B−12:ブタノールPO付加物(平均分子量2400)(PO:プロ ピレンオキシド)
フロントページの続き (72)発明者 吉田 英一 東京都港区西新橋1丁目14番2号 日本コ ム株式会社内 (72)発明者 中田 裕康 東京都港区西新橋1丁目14番2号 日本コ ム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A):次の(A1 )及び(A2 )の重
    合体の中から選ばれる一種または二種以上のスルホン酸
    基含有芳香族炭化水素系重合体あるいはそのアルカリ金
    属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、または有
    機アミン塩 (A1 ):(a)重合性芳香族スルホン酸系モノマー群
    および(b)重合性炭化水素系モノマー群の中から選ば
    れた一種または二種以上のモノマーを重合して得られる
    重合体であって、前記(a)群モノマーを必須成分とし
    て含む重合体 (A2 ):重合性炭化水素系モノマー群の中から選ばれ
    た一種または二種以上のモノマーを重合して得られるポ
    リマーであって、重合性芳香族系モノマーを少なくとも
    一種必須成分として含むポリマーをスルホン化して得ら
    れる重合体と、 (B):分子内に活性水素を一個以上有する化合物に、
    エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドを付加し
    て得られる分子量500未満のポリエーテル化合物とを
    含むことを特徴とする炭素質微粉体の水スラリー用添加
    剤。
  2. 【請求項2】 酸素と炭素の原子数比(以下、O/Cと
    略称する)が0.1以上の石炭、水、および以下の
    (A)および(B)成分を含む添加剤を混合、分散して
    なることを特徴とする炭素質微粉体の水スラリー。 (A):次の(A1 )及び(A2 )の重合体の中から選
    ばれる一種または二種以上のスルホン酸基含有芳香族炭
    化水素系重合体あるいはそのアルカリ金属塩、アルカリ
    土類金属塩、アンモニウム塩、または有機アミン塩 (A1 ):(a)重合性芳香族スルホン酸系モノマー群
    および(b)重合性炭化水素系モノマー群の中から選ば
    れた一種または二種以上のモノマーを重合して得られる
    重合体であって、前記(a)群モノマーを必須成分とし
    て含む重合体 (A2 ):重合性炭化水素系モノマー群の中から選ばれ
    た一種または二種以上のモノマーを重合して得られるポ
    リマーであって、重合性芳香族系モノマーを少なくとも
    一種必須成分として含むポリマーをスルホン化して得ら
    れる重合体。 (B):分子内に活性水素を一個以上有する化合物に、
    エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドを付加し
    て得られる分子量500未満のポリエーテル化合物。
  3. 【請求項3】 前記石炭が、亜瀝青炭である請求項2に
    記載の炭素質微粉体の水スラリー。
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