JPH08143303A - 不純過酸化水素水溶液の精製法 - Google Patents

不純過酸化水素水溶液の精製法

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Abstract

(57)【要約】 電子出願以前の出願であるので 要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は不純過酸化水素水溶液を精製して、 金属カチオン、アニオン及び有機不純物のいず れも極めて微量しか含有しない高度に精製され た過酸化水素水溶液を得る方法に関する。
(従来の技術) 過酸化水素水溶液は、反応試剤としてのみな らず漂白、化学研摩などの多くの分野で広く利 用されている。近年半導体製造の分野において、 ウエハーの洗浄、エッチングなどの分野への過 酸化水素水の利用が増大し、これに伴って、極 めて高純度の過酸化水素水溶液が要求される様 になった。
すなわち、半導体の製造、殊に超LSIの製 造において、最近その記憶容量と素子数が増加 し大集積化すると共に、それにつれて最小パタ ーン寸法は極めて微細化されて来ている。この ような超LSIの洗浄に使用するための過酸化 水素水溶液中に不純物や微粒子が存在すると、 それらが膜上に付着し、酸化膜厚が薄くなった り、SiO2膜の耐圧性が劣化する原因となる。
更に不純物や微粒子がSi基板上拡散するとリー ク電流が増加したり、また担体の寿命が短くな り、製品としてのLSIの歩留りの低下や特性 の劣化を招くことになる。
従って、半導体の製造において、微粒子のみ ならずイオンを極めて僅かしか含有しない高純 度の過酸化水素水溶液の開発が要求されている。
このように半導体製造の分野では、使用する 薬剤中の不純物が製品の品質に重要な影響を与 えるので可能な限り不純物の少ないものが望ま れており、殊に洗浄に使用される過酸化水素水 溶液は、如何なる種類の金属カチオンも5ppb (μg/Kg)以下であり、また如何なる種類の アニオンも10ppb以下であり且つ有機不純 物は全有機炭素量として5ppm(mg/Kg)以下の 極めて高純度のものが要求されている。
一方、現在過酸化水素は、工業的にはアンス ラキノンの自動酸化により主として製造されて いる(以下この方法を“アンスラキノン法”と いう)。このアンスラキノン法により製造され た過酸化水素水溶液中には、微量の有機不純物 が含まれており、その量は普通全有機炭素量と して約10mg〜500mg/l程度である。
さらに、製造装置や貯蔵装置からの溶出、安 定剤の添加などによって約5ppb〜約10ppm 程度の種々の金属カチオン及び約10ppb〜 約10ppm程度の種々のアニオンを不純物と して通常含有している。
前述した不純物を除去して精製された過酸化 水素水溶液を得る方法は、従来下記に示すいく つかの方法が知られており、その一部は実際に 実施されている。
(a)日本特許公告28−3816号公報 この公報には過酸化水素水溶液をスルホン 化芳香族炭化水素系カチオン交換樹脂に接触 せしめ、主として金属カチオンを除去する方 法が記載されている。
(b)米国特許第3297404号明細書 この米国特許には、第4級アンモニウム基 を有するアニオン交換樹脂を使用して過酸化 水素水溶液中のアニオン不純物を除去する方 法が記載され、上記第4級アンモニウム基は 炭酸塩及び/又は重炭酸塩の形で使用するこ とが記載されている。
(c)日本特許公告46−26095号公報 この公報には、スチレンを重合し、ジビニ ルベンゼンで架橋させて得た網目状分子構造 を有し且つイオン交換基を有しない樹脂を使 用して過酸化水素水溶液中の有機不純物を吸 着除去する方法が記載されている。
(d)日本特許公開63−156004号公報 この公報には、真比重が1.1〜1.3の ハロゲン含有多孔性樹脂を使用して過酸化水 素水溶液中の有機不純物を吸着除去する方法 が記載されている。
しかしながら、前記した公知の精製法を用い ても、半導体、殊にLSIの製造に使用しうる 高品質の過酸化水素水溶液を得ることはできな い。すなわち、いずれの金属カチオンも5ppb 以下、いずれのアニオンも10ppb以下で、 且つ有機不純物は5ppm以下を満足する高品 質の過酸化水素水溶液は、上記公知の方法を使 用しても達成されない。
例えば、前記したカチオン交換樹脂を使用す る方法によれば、金属カチオン不純物は除去で きるが、該樹脂の交換基であるSO3H基の一部 が過酸化水素の作用により劣化されSO4イオン となって溶出するため、アニオン不純物はむし ろ増加することになる。
また前記ハロゲン含有多孔性樹脂を使用する 方法は、有機不純物を除去する方法としては好 適であるが、該樹脂に起因するハロゲンの一部 が溶出し、アニオン不純物は却って増加するこ とになる。
一方いくつかの種類のイオン交換樹脂を組合 せる過酸化水素水溶液の精製法も提案されてい る。例えばポーランド特許第55,378号明 細書には、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹 脂及びカチオン/アニオン混床樹脂にこの順序 で過酸化水素水溶液を接触処理する方法が記載 されているが、この方法によれば有機不純物の 除去はできない。
以上、従来知られた方法では、金属カチオン、 アニオン及び有機不純物の全てを前記した如き 一定量以下含有する高品質の過酸化水素水溶液 を得ることは不可能であった。
(発明の目的) そこで本発明の第1の目的は、不純過酸化水 素水溶液を精製して極めて高品質の水溶液を提 供することにある。
本発明の第2の目的は、半導体、殊にLSI の製造に使用しうる高品質の過酸化水素水溶液 を得る精製法を提供することにある。
本発明の他の目的は、不純過酸化水素水溶液 から、いずれの金属カチオンも5ppb以下、い ずれのアニオンも10ppb以下且つ有機不純物 は全有機炭素量として5ppm以下である高純度 の過酸化水素水溶液を得る精製法を提供するこ とにある。
本発明のさらに他の目的は、前記した高品質 の過酸化水素水溶液を工業的に有利な手段で得 る方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から 一層明らかとなるであろう。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らの研究によれば、前記本発明の目 的及び利点は、不純過酸化水素水溶液を、 (1)カチオン交換樹脂層、ハロゲン含有多孔性 樹脂層及びアニオン交換樹脂層にこの順序で、 または (2)ハロゲン含有多孔性樹脂層、カチオン交換 樹脂層及びアニオン交換樹脂層にこの順序で、 または (3)ハロゲン含有多孔性樹脂層及びカチオン/ アニオン混床樹脂層にこの順序で 通過せしめ、該水溶液を各樹脂と接触処理せし めることを特徴とする、過酸化水素水溶液の精 製法により達成されることがわかった。
本発明の精製法の対象となる不純過酸化水素 水溶液は、如何なる製造方法によって得られた ものであってもよいが、通常好ましいのはアン トラキノン法によって製造されたものである。
アントラキノン法は、一般に2−アルキルアン トラキノンを水不溶性の溶媒中で水素化触媒の 存在下水素化して対応するアントラヒドロキノ ンとし、触媒を濾別した後、酸素又は空気によ り酸化することによって元のアントラキノンを 再生すると共に、過酸化水素を得、これを水で 抽出することによって粗過酸化水素水溶液が得 られる。
かくして製造された粗過酸化水素水溶液は、 減圧蒸発、精留によって精製乃至濃縮され、一 般には約10〜約70重量%、特に約20〜約 60重量%の水溶液とされる。
このようにして得られた過酸化水素水溶液は、 かなり精製されたものではあるが、製造過程で 発生した有機不純物の他に、安定剤や反応装置、 配管、貯蔵タンクなどからの溶出に起因する各 種カチオン及びアニオンを含んでおり、このま ゝでは半導体の製造における洗浄用途に使用す ることはできない。
すなわち、工業的に製造された過酸化水素水 溶液中には、有機不純物の他に、例えばAl、Na、 K、Ca、FeまたはCrの如き金属カチオン、 ニオンを含んでいる。これら金属カチオン及び アニオンは代表例であって、これら以外のもの もより少量であるが含まれる。しかし本発明に よればいずれの金属カチオン及びアニオンも目 標値以下に除去することができる。
本発明によれば、精製すべき不純過酸化水素 水溶液を下記(1)〜(3)のいずれかの順序に従って、 各樹脂層に通過させて、各々の樹脂中で各樹脂 と接触処理させることにより、高品質の過酸化 水素水溶液を得ることができる。
(1)カチオン交換樹脂層→ハロゲン含有多孔性 樹脂層→アニオン交換樹脂層 (2)ハロゲン含有多孔性樹脂層→カチオン交換 樹脂層→アニオン交換樹脂層 (3)ハロゲン含有多孔性樹脂層→カチオン/ア ニオン混床樹脂層 前記本発明における精製法は、過酸化水素水 溶液をカチオン樹脂、アニオン樹脂及びハロゲ ン含有多孔性樹脂の3種の樹脂の全てと接触さ せること、及びその接触の順序に特徴を有して いる。すなわち、最終的に接触される樹脂はア ニオン交換樹脂であるか或いはアニオン/カチ オン混床樹脂である。
かくして本発明の精製法は、前記(1)〜(3)のい ずれかの組合せに従って、過酸化水素水溶液を 各樹脂層に通過させればよい。従って、前記(1) 〜(3)のいずれかの組合せを維持する限り本発明 の目的を達成することができるが、さらに前記 (1)〜(3)の処理の前に他の精製法や付加的なイオ ン交換樹脂層を組合せても差支えがない。例え ば(2)または(3)の組合せの前にカチオン交換樹脂 接触処理を組合せることもできる。
本発明の精製法において、前記(1)、(2)または (3)の組合せ中、好ましいのは、有機物が多い場 合、カチオン交換樹脂の有機物による汚染を避 けるために(2)が好ましい。又カチオン及びアニ オンの濃度がそれぞれ100ppb以下の低濃度 の場合、(3)の方法がカラムが少なくてすむうえ 精製液の不純物も少なくて好ましい。
以下各樹脂層を形成する樹脂及び各樹脂層に おける過酸化水素水溶液と樹脂との接触条件に ついて詳細に説明する。カチオン交換樹脂層; この樹脂層を形成する樹脂は、イオン交換基 としてSO3H基を有するものが使用される。こ のカチオン交換樹脂は一般にはスチレン−ジビ ニルベンゼン架橋共重合体を硫酸でスルホン化 することによって得られたものである。このカ チオン交換樹脂として強酸性でありしかも架橋 性の高い樹脂であることが好ましい。例えば、 の200C、200CT、2 のPKシリーズ(例えば PK224、PK228)などが挙げられる。
これらの樹脂は一般にはNaイオン形で市販さ れており、樹脂層を形成するにあたっては、硫 酸又は塩酸などの強酸の水溶液を通液してHイ オン形に変換して使用する。H形への変換は樹 脂層に硫酸又は塩酸の水溶液を通液したのち、 純水を通水して充分に水洗する方法で行なわれ 200CHのよう にHイオン形として市販されているものについ ては、そのまま使用することができる。
カチオン交換樹脂層に過酸化水素水溶液(以 下単に水溶液と略すことがある。)を通過せし める温度は、約30℃以下、好ましくは−10 〜20℃の範囲が適当である。30℃を超える とイオン交換基(SO3H)が溶出する割合が増 加するので好ましくない。この樹脂層に通過さ せる水溶液の空間速度(Space Velocity)は 下記式で表わして約1〜約500、好ましくは 約20〜約300の範囲が適当である。
また、カチオン交換樹脂層において、樹脂( Vol)に対する通過接触させるべき水溶液の量 (Vol)は、水溶液中の金属カチオンの濃度に よって左右されるが、一般に約200〜約50, 000倍、好ましくは約500〜約20,00 0倍の範囲が望ましい。
またカチオン交換樹脂層中を通過する水溶液 の線速度LV(m/hr)は下記式で表わして約1 〜約100m/hrの範囲が好適である。
アニオン交換樹脂層; この樹脂層を形成する樹脂は、第4級アンモ ニウム基を有する強塩基性樹脂、第3級アンモ ニウム基を有する弱塩基性樹脂またはビニルピ リジン系樹脂であることができるが、好ましく は第4級アンモニウム基を有する強塩基性樹脂 であり、特に好ましいのは、第4級アンモニウ ム基の炭酸塩または重炭酸塩を有する樹脂であ る。
前記したアニオン交換樹脂は、一般にはスチ レン−ジビニルベンゼン架橋共重合体をクロロ メチル化後アミノ化することによって得ること ができ、殊にアミノ化をトリメチルアミンを用 いて行なうと第4級アンモニウム基を有する強 塩基性樹脂が得られる。アニオン交換樹脂とし ては、前述したように強塩基性であって且つ架 橋性の高い樹脂であることが好ましい。例えば のIRAシリーズ(例えば、 IRA−900、IRA−904)、ダイヤイ のPAシリーズ(例えばPA316、P A318)などが挙げられる。これらの樹脂は 一般にはClイオン形として市販されており樹 脂層を形成するにあたっては炭酸塩又は重炭酸 塩の水溶液を通液して炭酸イオン又は重炭酸イ オン形に変換して使用する。炭酸イオン又は重 炭酸イオン形への変換は樹脂層に炭酸ナトリウ ム又は重炭酸ナトリウムの水溶液を通液したの ち純水を通水して充分に水洗する方法によって 行なわれる。
アニオン交換樹脂層に過酸化水素水溶液を通 過せしめる温度は、約10℃以下、好ましくは −10℃〜5℃の範囲が適当である。10℃を 超えると過酸化水素が分解し易くなり、樹脂層 中に気泡がたまり精製度が低下するので好まし くない。このアニオン交換樹脂層に通過させる 水溶液の空間速度(SV)は約10〜約500 (1/hr)、好ましくは約20〜約300(1 /hr)の範囲が適当である。またアニオン交換 樹脂層において樹脂(Vol)に対する通過接触 させるべき水溶液の量(Vol)は水溶液中のア ニオンの濃度などによって一定ではないが、一 般に約200〜約50,000倍、好ましくは 約500〜約20,000倍の範囲が望ましい。
さらにアニオン交換樹脂層中を通過する水溶 液の線速度LV(m/hr)は約4〜約100m/ hrの範囲が好適である。カチオン/アニオン混床樹脂層; この樹脂層は、カチオン交換樹脂とアニオン 交換樹脂との混合樹脂層であって、前記カチオ ン交換樹脂と前記アニオン交換樹脂とを重量で 約1:3〜約3:1、好ましくは約1:2〜約 2:1の割合で均一に混合して層が形成される。
混床樹脂層に過酸化水素水溶液を通過せしめ る温度は約10℃以下、好ましくは−10〜5 ℃の範囲が適当である。10℃を超えると過酸 化水素が分解し易くなり、樹脂層中に気泡がた まり精製度が低下するので好ましくない。この 樹脂層に通過させる水溶液のSVは約5〜約3 00(1/hr)、好ましくは約10〜約200 (1/hr)が適当であり、LV(m/hr)は約4 〜約100m/hrが好適である。混床樹脂層の 全容積に対する水溶液量は、水溶液中のイオン の種類や濃度によって左右されるが一般に約1 00倍〜約30000倍、好ましくは約200 倍〜約10000倍の範囲が適当である。ハロゲン含有多孔性樹脂; ハロゲン含有多孔性樹脂としては、例えば(i) 芳香族モノビニルモノマーと芳香族ポリビニル モノマーとから得られた架橋重合体のハロゲン 化物;(ii)ハロゲン化芳香族モノビニルモノマー と芳香族ポリビニルモノマーとから得られた架 橋重合体;または(iii)ハロゲン化芳香族モノビニ ルモノマー、芳香族モノビニルモノマーおよび 芳香族ポリビニルモノマーから得られた架橋重 合体が好ましい例として挙げられる。
上記各モノマーの具体例について説明すると、 芳香族モノビニルモノマーとしては、例えばス チレン、ビニルトルエンがあり、芳香族ポリビ ニルモノマーとしては例えばジビニルベンゼン、 トリビニルベンゼンがあり、さらにハロゲン化 芳香族モノビニルモノマーとしては、例えばモ ノクロルスチレン、モノブロムスチレンが示さ れる。
上記した芳香族モノビニルモノマーと芳香族 ポリビニルモノマーとから得られた架橋重合体 のハロゲン化物としては、例えばスチレン−ジ ビニルベンゼン共重合体、スチレン−トリビニ ルベンゼン共重合体或いはビニルトルエン−ジ ビニルベンゼン共重合体のクロル化物またはブ ロム化物が好適である。かゝるクロル化または ブロム化は、上記モノマーの組合せで得られた 共重合体を、例えば塩化第2鉄またはフッ化ホ ウ素の如き触媒の存在下に分子状塩素または分 子状臭素を接触せしめることにより行なうこと ができる。上記の中で、スチレン−ジビニルベ ンゼン共重合体のハロゲン化物が最も本発明に 適している。
前記の如くして得られたハロゲン含有多孔性 樹脂は、乾燥樹脂を基準として、約10〜約4 0重量%、好ましくは約25〜約40重量%の ハロゲンを含有しているのが好適である。また 上記多孔性樹脂は、連続した多孔を有しており、 その多孔の度合は、比表面積で表わして、乾燥 樹脂を基準として約200〜約600m2/g、 より好ましくは約400〜約600m2/gであ るのが有利である。なお上記比表面積はBHT 法(N2)によって測定された値である。さらに 上記多孔性樹脂は、乾燥樹脂を基準として連続 した多孔が約0.3〜約1ml/gの細孔容積を 有しているものが有利である。この細孔容積は 水銀圧入法によって測定された値である。
上記多孔性樹脂は、平均粒径が約0.1〜約 0.5mmの粒子であることが望ましい。この平 均粒径とは樹脂全体の約10重量%を通し、約 90重量%を網目上に残す篩目の大きさを言う ものとする。
またハロゲン含有多孔性樹脂は、湿潤時の真 比重が1.1〜1.3、好ましくは1.1〜1. 2の範囲のものが有利に使用される。湿潤時の 真比重が1.3を超えると多孔性樹脂の吸着能 力が低下し且つ該樹脂からのハロゲンの溶出が 増加するので好ましくない。
前記ハロゲン含有多孔性樹脂層に過酸化水素 水溶液を通過せしめる温度は、約30℃以下、 好ましくは−10〜20℃の範囲が適当である。
約30℃を超える温度では、ハロゲンが溶出す る量が多くなるので好ましくない。この樹脂層 に通過させる水溶液の空間速度(SV)は、約 1〜約50、好ましくは約3〜約30の範囲が 有利である。
またハロゲン含有多孔性樹脂層において、該 樹脂(Vol)に対する通過接触させるべき水溶 液の量(Vol)は、水溶液中の有機不純物の濃 度などによって一定ではないが、一般に約10 0〜約10,000倍、好ましくは約200〜 約3,000倍の範囲が望ましい。
またハロゲン含有多孔性樹脂層中を通過する 水溶液の線速度LV(m/hr)は約1〜50の 範囲が適当である。
かくして本発明によれば、通常約10〜約7 0重量%、好ましくは約20〜約60重量%の 過酸化水素を含む水溶液を前記各樹脂層中に通 過せしめることによって、目的とする高純度の 過酸化水素水溶液を得ることができる。
前記各樹脂をそれぞれカラムに充填し、この カラム中に水溶液を供給して行うのが好ましく、 各カラムにおける水溶液の供給は連続で行って もよく、また不連続で行うこともできる。
本発明において、過酸化水素水溶液中の不純 物の測定は下記の方法によって行なわれる。
すなわち、カチオン不純物はフレームレス原 子吸光法によって測定され((株)島津製作所製 AA670G型分析計使用。)、またアニオン 不純物はイオンクロマト法によって測定され( DIONEX社製QIC型分析計使用。)、さらに 有機不純物は、全炭素分析計((株)島津製作所製 TOC500型)を用いて測定された。
(発明の効果) 以上本発明の精製法によれば、いずれの金属 カチオンの含有量は5ppb以下、いずれのアニ オンの含有量は10ppb以下且つ有機不純物の 含有量は5ppm以下である極めて高純度の過 酸化水素水溶液を得ることができ、得られたこ の水溶液は半導体、殊に超LSIの製造におけ る洗浄液としてそのまゝ、或いは他の試剤と混 合して使用することができる。
(実施例) 以下に実施例及び比較例によって本発明を更 に詳細に説明する。
実施例 1 カチオン交換樹脂としてSO3H型の交換基を 有するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体( 商品名;アンバーライト200CH、オルガノ (株)製)を使用し、アニオン交換樹脂として第4 級アンモニウム基を有する強塩基性樹脂(商品 名;アンバーライトIRA−900、オルガノ (株)製)を重炭酸塩型にしたものを使用した。ハ ロゲン含有多孔性樹脂にはブロム化スチレン− ジビニルベンゼン共重合体(商品名;セパビー ズSP207、三菱化成工業(株)製、表面積400 m2/g)を使用した。
これらの樹脂をそれぞれ10mlずつ内径10 mmφ、長さ30cmのカラムに充填し、それらを 直列にカチオン交換樹脂、ハロゲン含有多孔性 樹脂、アニオン交換樹脂の順に接続して31% 濃度(wt%)の原料過酸化水素水溶液を通液し た。通液速度は500ml/hrとし、液温は8 ℃とした。
精製結果は表1に示す如くであり、カチオン 不純物 5ppb以下、アニオン不純物 10ppb 以下、有機不純物 5ppm以下が達成された。
実施例 2 実施例1と同じ樹脂を用いたがカチオン交換 樹脂とアニオン交換樹脂は容量比1/1で混合 しカチオン/アニオン混床樹脂として使用した。
ハロゲン含有多孔性樹脂及びカチオン/アニオ ン混床樹脂は内径10mmφ、長さ30cmのカラ ムに充填しハロゲン含有多孔性樹脂、カチオン /アニオン混床樹脂の順に接続して使用した。
その他の条件は実施例1と同様である。
精製結果は表1に示す如くであり、カチオン 不純物 5ppb以下、アニオン不純物 10ppb 以下、有機不純物 5ppm以下が達成された。
比較例 1 実施例1においてカラムの接続順をカチオン 交換樹脂、アニオン交換樹脂、ハロゲン含有多 孔性樹脂の順に変えた以外は実施例1と同じ過 酸化水素水溶液を使用して実施例1と同様に処 理を行なった。
精製結果は表1に示す如くであり、カチオン 不純物 5ppb以下、有機不純物 5ppm以 下は達成されるもののBrイオンが増加した為、 アニオン不純物 10ppb以下に精製すること はできなかった。
比較例 2 実施例1においてカラムの接続順をハロゲン 含有多孔性樹脂、アニオン交換樹脂、カチオン 交換樹脂の順に変えた以外は実施例1と同じ過 酸化水素水溶液を使用して実施例1と同様に処 理を行なった。
精製結果は表1に示す如くであり、カチオン 不純物 5ppb以下、有機不純物 5ppm以 下は達成されるもののSO4イオンが増加した為、 アニオン不純物 10ppb以下に精製すること はできなかった。
実施例 3 ハロゲン含有多孔性樹脂、カチオン交換樹脂 及びアニオン交換樹脂は実施例1と同じ樹脂を 使用した。これらの樹脂をそれぞれ10mlずつ、 内径10mm、長さ30cmのカラムに充填し、そ れらを直列にハロゲン含有多孔性樹脂、カチオ ン交換樹脂及びアニオン交換樹脂の順に接続し て31%濃度(wt%)の原料過酸化水素水溶液 を通液した。
通液速度及び通液温度は実施例1と同じとし た。精製結果は表1に示したカチオン不純物は いずれも5ppb以下、又表1に示したアニオン 不純物はいずれも10ppb以下、有機不純物 (全炭素量)は5ppm以下であった。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純過酸化水素水溶液を (1)カチオン交換樹脂層、ハロゲン含有多孔 性樹脂層及びアニオン交換樹脂層にこの順 序で、または (2)ハロゲン含有多孔性樹脂層、カチオン交 換樹脂層及びアニオン交換樹脂層にこの順 序で、または (3)ハロゲン含有多孔性樹脂層及びカチオン /アニオン混床樹脂層にこの順序で 通過せしめ、該水溶液を各樹脂と接触処理せ しめることを特徴とする、過酸化水素水溶液 の精製法。
  2. 【請求項2】 該カチオン交換樹脂は交換基としてSO3H 基を有するカチオン交換樹脂である請求項1 記載の精製法。
  3. 【請求項3】 該アニオン交換樹脂は交換基として第4
    級 アンモニウム基であって且つ該基は炭酸塩ま たは重炭酸塩の形で有する請求項1記載の精 製法。
  4. 【請求項4】 該ハロゲン含有多孔性樹脂は、約10〜
    約 40重量%のハロゲンを含有しているハロゲ ン含有多孔性樹脂である請求項1記載の精製 法。
  5. 【請求項5】 該ハロゲン含有多孔性樹脂は、約200
    〜 約600m2/gの比表面積を有するハロゲン 含有多孔性樹脂である請求項1記載の精製法。
  6. 【請求項6】 該不純過酸化水素水溶液は、約10〜約
    7 0重量%の濃度の過酸化水素を含有している 請求項1記載の精製法。
  7. 【請求項7】 該不純過酸化水素水溶液は、有機不純物
    を 全有機炭素量として高々約500mg/lの濃 度で含有している請求項1記載の精製法。
  8. 【請求項8】 精製された過酸化水素水溶液は、いずれ
    の 金属カチオンも5ppb以下、いずれのアニオ ンも10ppb以下且つ有機不純物は全有機炭 素量として5ppm以下含有する請求項1記 載の精製法。
  9. 【請求項9】 該不純過酸化水素水溶液は、アントラキ
    ノ ン法によって製造されたものである請求項1 記載の精製法。
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