JPH08142624A - 四輪車両用懸架装置 - Google Patents

四輪車両用懸架装置

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JPH08142624A
JPH08142624A JP28018794A JP28018794A JPH08142624A JP H08142624 A JPH08142624 A JP H08142624A JP 28018794 A JP28018794 A JP 28018794A JP 28018794 A JP28018794 A JP 28018794A JP H08142624 A JPH08142624 A JP H08142624A
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piston
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oil
vehicle
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の乗心地性向上を図ることができる組立
性及びメンテナンス性に優れた四輪車両用懸架装置を提
供すること。 【構成】 四輪車両の各車輪を懸架する減衰力可変ショ
ックアブソーバ1FL,1FR,1RL,1RRに速度
センサ30FL,30FR,30RL,30RRを各々
設け、各速度センサ30FL,30FR,30RL,3
0RRによって検出されるショックアブソーバ1FL,
1FR,1RL,1RRのピストンスピードVFL
FR,VRL,VRRと車速Sによって決定されるベース減
衰力に対して、左右のショックアブソーバ1FLと1F
R及び1RLと1RRのピストンスピード差ΔVF ,Δ
R に応じた減衰力を付加し、前側左右のショックアブ
ソーバ1FL,1FRのピストンスピード差ΔVF と後
側左右のショックアブソーバ1RL,1RRのピストン
スピード差ΔVR との差の絶対値ΔVに応じた減衰力を
減ずるコントローラ(制御手段)50を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減衰力可変型ショック
アブソーバによって車輪を懸架する四輪車両用懸架装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】四輪車両の車体のローリングを制御する
懸架装置として図7に示すものが提案されている(特開
平6−72127号公報参照)。
【0003】即ち、図7は従来の四輪車両用懸架装置の
構成図であり、同図中、101(101FL,101F
R,101RL,101RR)は不図示の各車輪を車体
100側に懸架するショックアブソーバであって、各シ
ョックアブソーバ101はシリンダ102と、該シリン
ダ102内に下方から挿入されたピストンロッド103
及び該ピストンロッド103の上端に結着されてシリン
ダ102内を上下に摺動するピストン105を含んで構
成されている。そして、各シリンダ102内にはピスト
ン105によって油室S1 とS2 が画成され、ピストン
105に穿設された油孔126には絞り127が設けら
れている。
【0004】又、左右のショックアブソーバ101FL
と101FR及び101RLと101RRの間には調圧
装置160が設けられており、該調圧装置160のシリ
ンダ本体161の上部には二股状に分岐する左右一対の
シリンダ161L,161Rが形成されている。そし
て、各シリンダ161L,161Rにはフリーピストン
162L,162Rが摺動自在に嵌装されており、シリ
ンダ本体161内にはフリーピストン162L,162
Rによって油室SA とガス室SG が画成されている。
尚、左右のフリーピストン162L,162Rは連結部
材163によって互いに連結されている。
【0005】更に、左側のショックアブソーバ101F
L,101RLの油室S1 と調圧装置160の左側のシ
リンダ161L内に形成された油室SA とは油路164
によって連通され、同様に右側のショックアブソーバ1
01FR,101RRの油室S1 と調圧装置160の右
側のシリンダ161Rに形成された油室SA とは油路1
65によって連通されている。そして、両油路164,
165は連通路166によって接続されおり、該連通路
166の途中には絞り167が設けられている。尚、油
室S1 ,S2 ,SA 、油路164,165及び連通路1
66にはオイルが充填され、ガス室SG には高圧ガスが
封入されている。
【0006】而して、左右のショックアブソーバ101
FLと101FR及び101RLと101RRのピスト
ンロッド103が例えば同スピードで収縮(上動)した
場合には、各油室S1 のオイルの一部はピストン105
の油孔126及び絞り127を通って油室S2 内に流入
し、他の一部は油路164,165をそれぞれ通って調
圧装置160側へ流れる。このとき、油路164と油路
165の油圧は略等しいため、油路164,165をそ
れぞれ流れるオイルの大部分は調圧装置160の油室S
A 内に流入し、フリーピストン162L,162Rをシ
リンダ161L,161R内で押し下げる。従って、オ
イルは絞り167を殆ど通過せず、ピストン105の絞
り127をオイルが通過するときの流動抵抗によっての
み減衰力が発生する。
【0007】他方、車体100が例えば右旋回したため
に左側のショックアブソーバ101FL,101FRが
収縮し、右側のショックアブソーバ101FR,101
RRが伸長(下動)した場合には、左側のショックアブ
ソーバ101FL,101RLについては前述のように
油室S1 内のオイルがピストン105の絞り127を通
って油室S2 に流入するとともに、油路164を通って
調圧装置160側へ流れる。これに対して、右側のショ
ックアブソーバ101FR,101RRにおいては、油
室S2 内のオイルがピストン105の絞り127を通っ
て油室S1 内に流入するとともに、油室SA 内のオイル
が油路165を通って油室S1 に流入する。このとき、
油路164の油圧の方が油路165のそれより高いた
め、油路164を流れるオイルの一部は連通路166及
び絞り167を通って右側のシリンダ161Rの油室S
A 内に流入するとともに、前述のように油路165を通
って右側のショックアブソーバ101FR,101RR
の油室S1 内に流入する。従って、このときには絞り1
27,167の双方をオイルが通過するとき流動抵抗に
よって懸架装置には高い減衰力が発生し、これによって
旋回時の車体101のローリングが抑制される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
懸架装置にあっては、左右のショックアブソーバ101
FLと101FR及び101RLと101RRと調圧装
置160とを油路164,165でそれぞれ連結するた
めの配管が必要であるため、組立性及びメンテナンス性
が悪いという問題がある。
【0009】又、片輪のみが路面の凸部を乗り越えた場
合には、その乗り越えた車輪(例えば、左の前輪)側の
ショックアブソーバ(101FL)からのオイルが絞り
167を通過して流動するため、高い減衰力が発生し、
車両の乗り心地が悪くなるという問題もあった。
【0010】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、車両の乗り心地性向上を図る
ことができる組立性及びメンテナンス性に優れた四輪車
両用懸架装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、四輪車両の各車輪を懸架する減衰力可変
型ショックアブソーバに速度センサを各々設け、各速度
センサによって検出されるショックアブソーバのピスト
ンスピードと車速によって決定されるベース減衰力に対
して、左右のショックアブソーバのピストンスピード差
に応じた減衰力を付加し、前側左右のショックアブソー
バのピストンスピード差と後側左右のショックアブソー
バのピストンスピード差との差の絶対値に応じた減衰力
を減ずる制御手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明によれば、左右のショックアブソーバを
接続するために従来要していた配管が不要となるため、
当該懸架装置の組立性及びメンテナンス性が高められ
る。
【0013】又、例えば、前輪の左右何れか一方が路面
凸部又は凹部を通過した場合には、前側左右のショック
アブソーバのピストンスピードVFL,VFR間には差ΔV
F (=VFL−VFR)が発生する反面、後側左右のショッ
クアブソーバのピストンスピードVFL,VFR間には差が
生じない。従って、前側左右のショックアブソーバのピ
ストンスピード差ΔVF と後側左右のショックアブソー
バのピストンスピード差ΔVR (=0)との差の絶対値
ΔV(=|ΔVF −ΔVR |)はΔVF に等しく(ΔV
=ΔVF )なる。このため、前側左右のショックアブソ
ーバにおいて発生する減衰力については、ΔVF に応じ
た減衰力とΔV(=ΔVF )に応じた減衰力とが相殺し
合い、結局、前側左右のショックアブソーバにはベース
減衰力に近い減衰力が発生し、片輪が路面凸部又は凹部
を通過した場合であっても高い減衰力が発生せず、車両
の乗心地性が害されることがない。
【0014】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0015】図1は本発明に係る四輪車両用懸架装置の
基本構成図、図2はコントローラの構成を示すブロック
図、図3はピストンスピード及び車速に対して決定され
たベース電流マップを示す図、図4は減衰力可変型ショ
ックアブソーバの破断側面図、図5及び図6は同ショッ
クアブソーバ要部の拡大断面図である。
【0016】本発明に係る懸架装置は、図1に示すよう
に、不図示の四輪車両の各車輪(左右一対ずつの前輪と
後輪)をそれぞれ懸架する減衰力可変型ショックアブソ
ーバ1(1FL,1FR,1RL,1RR)と、各ショ
ックアブソーバ1のピストンスピードを検出するための
速度センサ30(30FL,30FR,30RL,30
RR)と、該速度センサ30によって検出された各ショ
ックアブソーバ1FL,1FR,1RL,1RRのピス
トンスピードVFL,VFR,VRL,VRR及び図1及び図2
に示す車速センサ40によって検出された車速Sによっ
て各ショックアブソーバ1によって発生する減衰力を制
御する制御手段としてのコントローラ50によって構成
されており、各ショックアブソーバ1と各速度センサ3
0はコントローラ50に電気的に接続されている。
【0017】ここで、減衰力可変型ショックアブソーバ
1の構成の詳細を図4乃至図6に基づいて説明する。
【0018】ショックアブソーバ1は、図4に示すよう
に、車体側に連結されるシリンダ2と、該シリンダ2内
に下方から挿入されたピストンロッド3を有しており、
ピストンロッド3のシリンダ2外へ延出する下端は車輪
側のに連結されている。尚、上記とは逆にシリンダ2を
車輪側に連結し、ピストンロッド3を車体側に連結して
も良い。
【0019】又、前記シリンダ2内には、該シリンダ2
内をガス室SG と油室SO とに区画するフリーピストン
4が摺動自在に嵌装されており、油室SO は、前記ピス
トンロッド3の上端側に結着されたピストン5によって
上部室SO1と下部室SO2とに区画されている。尚、ガス
室SG には高圧ガスが封入され、油室SO にはオイルが
充填されている。
【0020】ところで、図5及び図6に示すように、前
記ピストンロッド3の上端部にはソレノイドケース6が
結着されており、該ソレノイドケース6の上部には前記
ピストン5を支持するピストン支持軸7が螺着されてい
る。そして、ソレノイドケース6内には電磁制御弁8が
収納されており、該電磁制御弁8は、筒状ケース9内に
収納されたリング状のソレノイド10と上下動可能なプ
ランジャ11及び調整部材12を含んで構成され、プラ
ンジャ11は筒状ケース9と調整部材12によってその
上下部を移動自在に保持されるとともに、スプリング1
3によって上方へ付勢されている。尚、ソレノイド10
はリード線14を介して前記コントローラ50(図1参
照)に電気的に接続されている。
【0021】又、前記ピストン支持軸7の軸心部には円
孔15が貫設されており、該円孔15内には弁体16が
上下動自在に嵌装されており、該弁体16の外周には凹
溝16aが全周に亘って形成されている。そして、この
弁体16はスプリング17によって下方に付勢されてそ
の下端面が前記プランジャ11の上端面に当接されてい
る。
【0022】一方、前記ピストン5には、複数の油孔1
8,19が貫設されており、一方の油孔18はバルブ2
0によってその下端開口部が閉塞され、他方の油孔19
はバルブ21によってその上端開口部が閉塞されてい
る。又、ピストン5の内周部にはリング状凹溝22が形
成されており、該凹溝22には、前記ピストン支持軸7
に径方向に形成された複数の油孔23が開口している。
そして、この凹溝22は、ピストン5に形成された複数
の油孔24を介して前記油孔18に連通している。尚、
ピストン支持軸7のピストン5よりも下方位置には、下
部室SO2に開口する複数の油孔25が径方向に形成され
ている。
【0023】次に、ショックアブソーバ1の作用を説明
する。
【0024】前記電磁制御弁8の非作動時、つまり、ソ
レノイド10に通電がなされないために該ソレノイド1
0が非励磁状態にあるときには、図5に示すようにプラ
ンジャ11は浮動状態を保って下限位置にあり、これと
調整部材12との間には所定の隙間が形成されている。
このとき、弁体16も下限に位置しており、油室SO
上部室SO1と下部室SO2とは油孔18,24、凹溝2
2、油孔23、凹溝16a及び油孔25で構成されるオ
イル通路を介して相連通されているが、このオイル通路
の開口面積(つまり、凹溝16aの油孔25への開口面
積)は最大に保たれている。
【0025】而して、ピストンロッド3が収縮してピス
トン5がシリンダ2に対して上動する圧縮行程において
は、油室Sの上部室SO1内のオイルはピストン5の油孔
18を通ってその圧力でバルブ20を押し開いて下部室
O2に流入するとともに、油孔18,24、凹溝22、
油孔23、凹溝16a及び油孔25で構成される前記オ
イル通路を通って下部室SO2に流入し、オイルがバルブ
20とオイル通路を通過するときの流動抵抗によって減
衰力が発生する。このとき、オイル通路の断面積は前述
のように最大に保たれているため、オイルはこのオイル
通路を殆ど抵抗なく流れ、従って、発生する減衰力は小
さく抑えられる。
【0026】次に、ソレノイド10に通電してこれを励
磁すると、プランジャ11はそのときのソレノイド10
への供給電流の大きさに比例する量だけ上動して弁体1
6をスプリング17の付勢力に抗して押し上げるため、
該弁体16の凹溝16aの油孔25への開口面積、つま
り、オイル通路の開口面積が次第に小さくなる。従っ
て、ピストン5の油孔18からバルブ20を通過するオ
イルの量が増えるとともに、オイル通路を流れるオイル
の流動抵抗が大きくなり、減衰力は次第に大きくなる。
尚、前述のように電磁制御弁8の非作動時にはプランジ
ャ11が調整部材12に当接しないで浮動状態を保って
いるため、該プランジャ11を移動させるための初期荷
重が0となり、ソレノイド10への通電と同時にプラン
ジャ11を移動させることができる。
【0027】そして、プランジャ11が図6に示すよう
に筒状ケース9に当接する上限位置まで上動すると、油
孔25が弁体16によって閉じられるため、減衰力は最
大となる。
【0028】以上のようにソレノイド10への供給電流
を制御することによって減衰力を可変とすることができ
る。
【0029】尚、ピストンロッド3が伸長してピストン
5がシリンダ2に対して下動する伸長行程においては、
油室SO の下部室SO2内のオイルの一部はピストン5の
油孔19を通ってその圧力でバルブ21を押し開いて上
部室SO1内に流入し、他は油孔25、凹溝16a、油孔
23、凹溝22及び油孔18,24で構成されるオイル
通路を通って上部室SO1内に流入するが、このときのオ
イルの流動抵抗によって所要の減衰力が発生する。
【0030】次に、前記コントローラ50の構成及び作
用を図2に基づいて説明する。
【0031】コントローラ50は演算処理部51及びメ
モリ部52を内蔵しており、演算処理部51はピストン
スピード演算部53と電流値演算部54とで構成されて
いる。
【0032】而して、前側左右の速度センサ30FL,
30FRによって検出された前側左右のショックアブソ
ーバ1FL,1FRのピストンスピードVFL,VFRと後
側左右の速度センサ30RL,30RRによって検出さ
れた後側左右のショックアブソーバ1RL,1RRのピ
ストンスピードVRL,VRRがインターフェイス(I/
F)を介してコントローラ50の前記ピストンスピード
演算部53に入力される。すると、ピストンスピード演
算部53では、前側左右のショックアブソーバ1FL,
1FRのピストンスピードVFL,VFRの差ΔVF 、後側
左右のショックアブソーバ1RL,1RRのピストンス
ピードVRL,VRRの差ΔVR 及び前側左右のピストンス
ピード差ΔVF と後側左右のピストンスピード差ΔVR
との差の絶対値ΔVを次式によって演算する。
【0033】
【数1】ΔVF =VFL−VFR … (1) ΔVR =VRL−VRR … (2) ΔV =|ΔVF −ΔVR | … (3) 而して、上記(1)〜(3)式によって算出されたΔV
F ,ΔVR ,ΔVは電流値演算部54に入力される。
又、この電流値演算部54には、車速センサ40によっ
て検出された車速Sが入力される。
【0034】すると、電流値演算部54においては、前
側左右のショックアブソーバ1FL,1FRのソレノイ
ド10FL,10FRに供給すべき電流値IFL,IFR
後側左右のショックアブソーバ1RL,1RRのソレノ
イド10RL,10RRに供給すべき電流値IRL,IRR
が次式によってそれぞれ演算される。
【0035】
【数2】 IFL=IBF(VFL,S)+AF (|ΔVF |)−BF (ΔV) … (4) IFR=IBF(VFR,S)+AF (|ΔVF |)−BF (ΔV) … (5) IRL=IBR(VRL,S)+AR (|ΔVR |)−BR (ΔV) … (6) IRR=IBR(VRR,S)+AR (|ΔVR |)−BR (ΔV) … (7) 上式において、IBF,IBRは各ショックアブソーバ1
(1FL,1FR,1RL,1RR)にベース減衰力を
発生させるベース電流値であって、これらは各ピストン
スピードVFL,VFR,VRL,VRRと車速Sの関数であっ
て、例えば、前例左右のショックアブソーバ1FL,1
FRに対するベース電流値IBFは圧縮側及び伸長側のピ
ストンスピードVFL(VFR)と車速Sに基づいて図3に
示すように求められる。
【0036】又、AF ,AR は各ショックアブソーバ1
(1FL,1FR,1RL,1RR)のベース減衰力に
付加される減衰力を発生させる電流値であって、これら
はそれぞれ左右のピストンスピード差ΔVF ,ΔVR
関数として与えられる。更に、BF ,BR は各ショック
アブソーバ1(1FL,1FR,1RL,1RR)のベ
ース減衰力から減じられる減衰力を発生させる電流値で
あって、これらはそれぞれ左右のピストンスピード差Δ
F とΔVR の差の絶対値ΔVの関数として与えられ
る。
【0037】尚、以上のIBF,IBR,AF ,AR ,B
F ,BR はマップ化されてコントローラ50のメモリ部
52に記憶されている。
【0038】而して、電流値演算部54において前記
(4)〜(7)式に基づいて算出された供給電流IFL
FR,IRL,IRRはインターフェイス(I/F)を介し
て各ショックアブソーバ1FL,1FR,1RL,1R
Rのソレノイド10(10FL,10FR,10RL,
10RR)に供給され、各ショックアブソーバ1FL,
1FR,1RL,1RRは供給電流IFL,IFR,IRL
RRに応じた大きさの減衰力を発生する。
【0039】従って、例えば、車両の走行中に全車輪が
同方向に同スピードで上下方向に変位した場合にはΔV
F =ΔVR =ΔV=0となるため、各ショックアブソー
バ1FL,1FR,1RL,1RRにはベース減衰力の
みが発生する。
【0040】又、例えば車両が右旋回したために、左側
の前後のショックアブソーバ1FL,1RLが収縮し、
右側前後のショックアブソーバ1FR,1RRが伸長し
た場合にはΔVF =ΔVR 、ΔV=0となるため、各シ
ョックアブソーバ1FL,1FR,1RL,1RRには
ベース減衰力に電流値AF ,AR に基づく減衰力(ΔV
F ,ΔVR に応じた減衰力)が付加された大きな減衰力
が生じ、これによって車体のローリングが小さく抑えら
れる。
【0041】ところで、本実施例においては、例えば前
輪の左右何れか一方が路面凸部又は凹部を通過した場合
には、前側左右のショックアブソーバ1FL,1FRの
ピストンスピードVFL,VFRの間には差ΔVF (≠0)
が発生する反面、後側左右のショックアブソーバ1R
L,1RRのピストンスピードVRL,VRRの間には差が
生じない(即ち、ΔVR =0)。
【0042】従って、前側のピストンスピード差ΔVF
と後側のピストンスピード差ΔVR(=0)の間には差
ΔVが生じ、このΔVの値はΔVF に等しい(ΔV=Δ
F)。このため、前記(4),(5)式によって演算
される供給電流値AF (ΔVF )とBF (ΔV)とは相
殺し合い、結局、ベース電流IBFのみが前側左右のショ
ックアブソーバ1FL,1FRに供給され、該ショック
アブソーバ1FL,1FRにベース減衰力のみが発生
し、片輪が路面凸部又は凹部を通過した場合であっても
高い減衰力が発生せず、車両の乗心地性が害されること
がない。
【0043】尚、後輪の左右何れか一方が路面凸部又は
凹部を通過した場合も同様にして後側左右のショックア
ブソーバ1RL,1RRにはベース減衰力のみが発生す
るため、車両の乗心地性が害されることがない。又、以
上は電流値AF とBF の特性が同一であると仮定した場
合に成立するが、AF ,BF の特性が異なる場合であっ
ても、定性的には前述のことが成り立つ。
【0044】又、前輪の左右何れか一方(例えば、左
側)が路面凸部又は凹部を通過し、同時に後輪の反対側
(右側)が同様に路面凸部又は凹部を通過した場合に
は、前記(1),(2)式よりΔVF =VFL、ΔVR
−VRRとなるため、(3)式よりΔV=|VFL+VRR
≒2VFLとなる。従って、前記(4)〜(7)式におけ
るBF とBR の値が大きくなり、各ショックアブソーバ
1FL,1FR,1RL,1RRのソレノイド10F
L,10FR,10RL,10RRに供給すべき電流値
FL,IFR,IRL,IRRが小さくなり、この結果、ショ
ックアブソーバ1FL,1FR,1RL,1RRに発生
する減衰力が小さくなって車輪の路面に対する追従性が
高められる。
【0045】その他、本実施例に係る懸架装置において
は、各ショックアブソーバ1FL,1FR,1RL,1
RRはコントローラ50によって独立に制御されるた
め、従来のようにこれらを互いに接続する必要がなく、
従って、従来要していた配管が不要となり、当該懸架装
置の組立性及びメンテナンス性が高められる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、四輪車両の各車輪を懸架する減衰力可変型ショ
ックアブソーバに速度センサを各々設け、各速度センサ
によって検出されるショックアブソーバのピストンスピ
ードと車速によって決定されるベース減衰力に対して、
左右のショックアブソーバのピストンスピード差に応じ
た減衰力を付加し、前側左右のショックアブソーバのピ
ストンスピード差と後側左右のショックアブソーバのピ
ストンスピード差との差の絶対値に応じた減衰力を減ず
る制御手段を設けたため、車両の乗り心地性向上を図る
ことができる組立性及びメンテナンス性に優れた四輪車
両用懸架装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る四輪車両用懸架装置の基本構成図
である。
【図2】コントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】ピストンスピード及び車速に対して決定された
ベース電流マップを示す図である。
【図4】減衰力可変型ショックアブソーバの破断側面図
である。
【図5】減衰力可変型ショックアブソーバ要部の拡大断
面図である。
【図6】減衰力可変型ショックアブソーバ要部の拡大断
面図である。
【図7】従来の四輪車両用懸架装置の基本構成図であ
る。
【符号の説明】
1 減衰力可変型ショックアブソーバ 30 速度センサ 40 車速センサ 50 コントローラ(制御手段) 51 演算処理部 52 メモリ部 53 ピストンスピード演算部 54 電流値演算部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四輪車両の各車輪を懸架する減衰力可変
    型ショックアブソーバに速度センサを各々設け、各速度
    センサによって検出されるショックアブソーバのピスト
    ンスピードと車速によって決定されるベース減衰力に対
    して、左右のショックアブソーバのピストンスピード差
    に応じた減衰力を付加し、前側左右のショックアブソー
    バのピストンスピード差と後側左右のショックアブソー
    バのピストンスピード差との差の絶対値に応じた減衰力
    を減ずる制御手段を設けたことを特徴とする四輪車両用
    懸架装置。
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