JPH08142279A - アクリル樹脂−ポリエステル積層シート - Google Patents

アクリル樹脂−ポリエステル積層シート

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JPH08142279A
JPH08142279A JP29154294A JP29154294A JPH08142279A JP H08142279 A JPH08142279 A JP H08142279A JP 29154294 A JP29154294 A JP 29154294A JP 29154294 A JP29154294 A JP 29154294A JP H08142279 A JPH08142279 A JP H08142279A
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polyester
sheet
laminated sheet
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acrylic resin
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JP29154294A
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Satoyuki Kotani
智行 小谷
Satoyuki Itagaki
智行 板垣
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエステルとアクリル樹脂の積層シートで
あって、該積層シートの厚み(t)が0.1〜20m
m、高速衝撃強度(FI)の厚み依存性値(FI /t)
が1000N/mm以上、及びアクリル樹脂からなる外
層の厚みが層全体の1〜30%であることを特徴とする
アクリル樹脂−ポリエステル積層シート。 【効果】 本発明の積層シートは、極めて優れた耐擦傷
性、耐衝撃性、剛性等を有し、コスト面においても優れ
ており、窓板、仕切板及び鞄などに利用することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に耐擦傷性、耐衝撃
性などに優れたポリエステルを含む積層シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは、機械的強度、剛性、耐
熱性、耐薬品性、耐油性及びコスト面等に極めて優れて
おり、食品、薬品、化粧品等の保存容器、あるいは磁気
テープなどのフィルム等への利用が近年急増している。
これらの用途のうち、厚みが通常0.5mm以下のポリ
エステルシートを成形加工して包装容器などに使用され
ている例がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、他の樹
脂、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びA
BS樹脂と比較すると、ポリエステルシートの用途は比
較的狭い範囲に限定されているのが現状である。その原
因の一つとして、ポリエステルシートの耐擦傷性が劣る
という点が考えられる。シート表面の耐擦傷性が劣る場
合、その製品の商品価値を著しく損ねる結果となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエス
テルの用途につき長年検討を重ねてきた結果、ポリエス
テル原料を用いても特定の要件を具備したシートとすれ
ば、ポリエステルを含む耐擦傷性等に優れたシートが得
られることを見いだし本発明に到達した。すなわち、本
発明の要旨は、ポリエステルとアクリル樹脂の積層シー
トであって、該積層シートの厚み(t)が0.1〜20
mm、高速衝撃強度(FI)の厚み依存性値(FI /
t)が1000N/mm以上、及びアクリル樹脂からな
る外層の厚みが層全体の1〜30%であることを特徴と
するアクリル樹脂−ポリエステル積層シートに存する。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸成分とグリ
コール成分とからなるものである。芳香族ジカルボン酸
成分としては、テレフタル酸がその代表例として挙げら
れ、その他にイソフタル酸、2,6ーナフタレンジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、pーオキシエトキシ
安息香酸等がある。グリコール成分としては、エチレン
グリコールがその代表例として挙げられ、その他にジエ
チレングリコール、1,4ー及び1,3ーシクロヘキサ
ンジメタノール、プロピレングリコール、1,4ーブタ
ンジオール、1,2ーネオペンチルグリコール、ビスフ
ェノールA等がある。
【0006】ポリエステルとしては、原料が安価である
点、成形が容易である点、及び最終的に得られる成形品
の物性が優れている点などにより、通常においては、繰
り返し構造単位としてエチレンテレフタレート単位を7
5%以上、好ましくは80〜99%、特に好ましくは9
0〜98%有するものが用いられる。また、本発明の目
的を達成する好ましいポリエステルの組成としては、グ
リコール主成分をエチレングリコールとし、ほかにジエ
チレングリコールあるいはシクロヘキサンジメタノール
を含有したものが挙げられる。その含有量としては、全
グリコ−ル成分に対し、ジエチレングリコールでは通常
1.0〜5.0モル%、好ましくは1.5〜4.0モル
%、シクロヘキサンジメタノールでは通常1.0〜1
0.0モル%、好ましくは1.5〜5.0モル%であ
る。かかる範囲では、シートの物性を損なわずに、シー
トの耐衝撃性を向上させることが可能である。
【0007】なお、本発明のシートの効果を損なわない
範囲内であれば、ポリカーボネート、ポリオレフィン、
ポリアミド等をポリエステルに配合してもよい。その配
合量としては最大で30重量%、好ましくは10重量%
以下である。ポリエステルの極限粘度は、通常0.5〜
1.2dl/g、好ましくは0.6〜1.0dl/g、
特に好ましくは0.7〜1.0dl/gである。極限粘
度が0.5dl/g未満では、シートの機械的性質、特
に耐衝撃性等が劣るだけでなく、シート外観が劣るため
不適である。一方、極限粘度が1.2dl/gを越える
場合においては、溶融流動性が劣るためにシートの加工
が困難となったりするような弊害が生じるために不適で
ある。
【0008】また、ポリエステルのオリゴマー含有量
は、その主成分である環状三量体の含有量として、通常
1.0重量%以下、好ましくは0.7重量%以下、特に
好ましくは0.5重量%以下である。。環状三量体の含
有量が1.0重量%を越える場合、例えばシート化加工
時にダイスやロール等に付着し、汚染し、得られるシー
トの表面性が損なわれたり、外観が不良となり、実用に
耐えないものとなり好ましくない。
【0009】更に、ポリエステルの末端カルボキシル基
の濃度は、通常30当量/トン以下、好ましくは20当
量/トン以下である。末端カルボキシル基の濃度が30
当量/トンを越える場合、前記説明したオリゴマーの低
減効果が少なく、シートの耐湿性や熱安定性等も低下す
るために好ましくない。一方、ポリエステルの熱的性質
もシートにした場合に影響がある。即ち、原料ポリエス
テルを、一旦溶融急冷処理をした後、昇温速度20℃/
分で測定したときのガラス転移温度(Tg)が、通常5
0〜110℃、好ましくは60〜100℃であり、昇温
結晶化温度(TCC)が、通常110〜200℃、好まし
くは150〜200℃である。ガラス転移温度(Tg
及び昇温結晶化温度(TCC)が低すぎると、結晶化速度
が速すぎるために成形体としたときの耐衝撃性の低下が
著しくなり好ましくない。一方、ガラス転移温度
(Tg)及び昇温結晶化温度(TC C)が高すぎる場合は
結晶化速度が遅すぎるために、乾燥時または固相重合時
に融着等が生じるようになり、取扱い性が悪化するので
好ましくない。
【0010】原料ポリエステルについて上述した極限粘
度、オリゴマー含有量、末端カルボキシル基濃度、ガラ
ス転移温度(Tg)及び昇温結晶化温度(TCC)の値
は、通常、これをシートとしたときの物性値と概ね同様
の範囲の値となる。以上の本発明の成形品の原料となる
ポリエステルは、公知の方法に準じて、溶融重合及び、
所望の物性を有するポリエステルを得るために、好まし
くは固相重合を行うことにより製造される。
【0011】なお、ポリエステル原料としては、上記の
ような物性範囲の物であれば、工程内等で生じた再生ポ
リエステルを配合してもよく、コスト面だけでなく、廃
棄物の減量化という点からも好ましいことである。その
配合量は、本発明のシートにおけるポリエステル全体に
対して、通常5〜50重量%、好ましくは10〜40重
量%である。
【0012】本発明の積層シートの特徴は、外層にアク
リル樹脂層を積層化している点にあり、これにより、ポ
リエステルシートの優れた物性を損なわずに、従来のポ
リエステルシートの欠点である耐擦傷性の改良を非常に
高いレベルで達成することができる。この積層シートの
層構成としては、通常、アクリル/ポリエステルの2
層、あるいはアクリル/ポリエステル/アクリルの3層
であるが、場合によってはアクリル樹脂とポリエステル
との間に接着性樹脂を介在させてもよい。
【0013】本発明におけるアクリル樹脂とは、アクリ
ル酸及びその誘導体を重合して得られる通常のアクリル
樹脂であれば特に制限はなくいが、シートの耐擦傷性な
どの物性面、あるいはコスト面から見て、好ましくはメ
タクリル樹脂であり、特に好ましくはポリメタクリル酸
メチル樹脂である。本発明の積層シートの厚み(t)
は、平均値として0.1〜20mm、好ましくは0.5
〜10mm、特に好ましくは1.5〜5.0mmであ
る。厚み(t)が0.1mm未満の場合、シートの耐衝
撃性や剛性が劣るようになり好ましくない。逆に厚み
(t)が20mmを越える場合、コスト的に不利である
ばかりでなく、例えば成形加工性、軽量性が劣るように
なるために好ましくない。
【0014】本発明の積層シートにおけるアクリル樹脂
層の厚みは、積層シートの層全体の1〜30%以下、好
ましくは5〜30%、特に好ましくは10〜25%であ
る。厚み割合が30%を越える場合には、ポリエステル
の優れた物性の一つである耐衝撃性が著しく低下するこ
とになるので不適である。また、アクリル樹脂層の厚み
は絶対値として好ましくは0.01mm以上であり、特
に好ましくは0.05mm以上である。。
【0015】一方、本発明の積層シートの高速衝撃強度
(FI)は、通常500N以上、好ましくは1000N
以上であるが、この高速衝撃強度(FI)とシートの耐
衝撃性とにははっきりとした相関関係があり、高速衝撃
強度(FI)の厚み依存性値(FI /t)として100
0N/mm以上、好ましくは1500N/mm以上、特
に好ましくは2000N/mm以上である必要がある。
かかる厚み依存性値(FI /t)が1000N/mm未
満である場合、耐衝撃性の改良効果が不十分であるため
好ましくない。
【0016】なお、以上の本発明の積層シートは耐擦傷
性に優れており、積層シートのアクリル樹脂層面につい
てのロックウエル硬度(Mスケール)が通常50以上、
好ましくは70以上である。かかるロックウエル硬度
(Mスケール)が50未満では耐擦傷性が充分でなく実
用に供することが困難であり不適である。次に、以上の
本発明のアクリル樹脂をポリエステルに積層した積層シ
ートの製造方法について説明する。シート化の加工方法
は特に限定されないが、例えば、ポリエステル原料を常
法により乾燥した後、押出機により、通常200〜32
0℃の範囲の樹脂温度で押し出して、キャスティングド
ラム上で冷却固化し、シートを形成する方法が例示され
る。なお、該押出機にベントを装備することにより、乾
燥工程を省いたり、乾燥時間を短縮化することができ
る。
【0017】次いで、かかるポリエステル原料と、別途
準備したアクリル樹脂を、それぞれ別々に常法にて乾燥
した後、別々の押出機により好ましくは200〜320
℃で溶融押出し、共押出法により、少なくとも片面にお
いて該アクリル樹脂層が表層となるように複合化し、キ
ャスティングドラム上で冷却固化し、2層以上の層から
なる目的の積層シートを形成する。なお、該押出機にベ
ントを具備し、乾燥工程を省いたり、乾燥時間を短縮化
することも好ましい製造工程のひとつである。
【0018】該シート加工の際、シートの厚み均一性、
深絞り成形性や成形品の耐衝撃性を向上させる方法とし
て、次の条件が望ましい。冷却固化時のキャスティング
ドラムの温度は、通常0〜80℃、好ましくは10〜5
0℃である。また、かかるキャスティングドラムの付近
に、1個以上のニップロールを装備し、シートの加工製
造時に、該ニップロールを押さえロールとして用いるこ
とも好ましい方法の一つである。
【0019】なお、アクリル樹脂層の積層化方法とし
て、上記の共押出方法以外の方法も考えられる。例え
ば、冷却固化した後のポリエステルシートに、溶融状態
のアクリル樹脂層を積層化したり、接着剤を用いてアク
リル樹脂層を貼り合わせたりする方法が例示される。し
かしながら、かかる方法では加工工程が煩雑であるだけ
でなく、ポリエステルシートの熱結晶化または溶媒結晶
化による耐衝撃性の低下、得られる積層シートの平面性
の悪化等の弊害があるためあまり好ましくない。
【0020】また、本発明の積層シートは、シート自体
あるいシートをさらに成形した成形品としての美観、装
飾効果を得るために、シートを様々な色彩に着色化を行
ってもよい。かかる方法としては特に限定されるもので
はないが、染料または顔料等の色材を固体分散剤を用い
て樹脂中に分散させたドライカラー、色材を液体分散剤
を用いて樹脂中に分散させたペーストカラー、色材を高
沸点液状分散剤を用いて樹脂中に分散させたリキッドカ
ラー、及び色材を樹脂中に最終濃度の数10倍の高濃度
に分散させたマスターバッチが知られている。これらの
中では、樹脂中への分散性が良好であり、また配合時の
取扱いが容易であることから、マスターバッチを用いる
着色化が好ましい。色材については特に限定はなく、各
種の染料、有機顔料または無機顔料等の中から任意に選
択でき、樹脂中の分散性、着色材自身の分配性、耐候
性、熱安定性、衛生性及びコスト等を勘案して適宜選択
すればよい。
【0021】なお、色材以外にも、必要に応じて隠蔽
材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃化剤及び易滑剤等
の各種の添加剤を適宜配合される。さらには、表面の傷
入り防止や、帯電防止等を目的とした各種の表面処理、
及び保護シートの被覆等を行っても構わない。本発明の
積層シートの用途は特に限定されるものではないが、そ
の特性を最大限に発揮できる用途として、ガラス成形品
の代替として窓板や仕切板などが挙げられる。窓板用途
には耐擦傷性が重要な必要特性とされるが、本発明の積
層シートは、ガラスとは異なり破砕時においても安全で
あり、透明グレードの材料を用いれば透明性においても
ガラスと遜色ないものが得られる。また、仕切板とは、
例えば百貨店やスーパーマーケットにおける商品棚の仕
切り用に用いたりするものである。この用途について
は、上記の窓板と同様に耐擦傷性、耐衝撃性、安全性又
は透明性が要求される、さらに、持ち運びを頻繁に行う
ため、軽量性が要求される。本発明の積層シートはこれ
らの要求特性を高いレベルで実現することができる。
【0022】更に、当然のことながら本発明の積層シー
トは、公知の真空成形法又は圧空成形法により加工を行
った成形品としても用いられる。かかる成形品としては
特に限定されるものではないが、その特性を発揮できる
用途としてスーツケースやアタッシュケースのような鞄
が例示される。該用途は前記の窓板と同様に耐擦傷性、
耐衝撃性、安全性が要求されるだけでなく、成形品の外
観が良好であるという成形性も必要となる。本発明の積
層シートはこれらの要求特性を高いレベルで満足するも
のであり、本用途は、本発明のシートの特性を最大限に
発揮させることが可能である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて、更に詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例により限定されるものではない。なお、実施例に
おける種々の物性及び特性の測定方法、定義は下記の通
りである。また、実施例及び比較例中で「部」とあるの
は「重量部」を示す。
【0024】(1)極限粘度 積層シート中のポリエステル層部分より任意に採取した
ポリエステル1gを、フェノール/テトラクロロエタン
=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解
して、30℃で測定した。 (2)共重合成分:ジエチレングリコール(DEG)及
びシクロヘキサンジメタノール(1,4−CHDM)の
定量 積層シート中のポリエステル層部分より任意に採取した
ポリエステルを常法により加水分解し、生成したジオー
ル成分をガスクロマトグラフ法で定量した。
【0025】(3)ガラス転移温度(Tg)、昇温結晶
化温度(TCC) 積層シート中のポリエステル層部分より任意に採取した
ポリエステル10mgを、窒素中にて300℃で3分間
溶融し、次いで、該溶融物をドライアイスで急冷した。
該急冷物を、セイコー電子製I&EのDSC20型に
て、昇温速度20℃/minの条件下で20℃から測定
し、TgとTccを求めた。 (4)厚み(t ) 積層シートにつき、10mm毎に厚みを測定し、その平
均値とした。
【0026】(5)耐擦傷性:ロックウエル硬度 JISK7202に準拠して、積層シートのアクリル樹
脂層側の耐擦傷性の評価を行った。なお、アクリル樹脂
が積層されていないシートの場合は、ポリエステルシー
トの表面にて評価した。 (6)高速衝撃強度(FI) 積層シートより任意に100mm×100mm大に切り
出し、レオメトリックス社製の高速衝撃試験機を用い
て、打ち抜きロッドの先端球5/8インチ、打ち抜き速
度1.0m/secの条件で、シートを打ち抜き、その
衝撃強度を測定した。この評価を12回繰り返し、最大
値と最小値を除いた10回の測定値の平均値をシートの
高速衝撃強度(FI)とした。
【0027】(7)成形品外観 積層シートより得た成形品50個の外観を目視にて、下
記の判断基準にて成形性及び色合い等の外観の評価を行
った。 ○:外観、色合いが良好であり、製品として問題なし。 ×:絞りの一部が不十分またはシワや破れ等があり、あ
るいは色合いが不良である。 (8)成形品耐衝撃性 得られた実用物性評価用のスーツケースに5.0kgの
砂を入れ、任意の方向に、1.0mの高さより自然落下
させた。この操作を製品50個に対して行った。該操作
後の成形品の外観を目視にて、下記の判断基準にて耐衝
撃性の評価を行った。 ○:製品として問題なし。 ×:成形品にクラック等の外観不良が生じている。
【0028】実施例1 テレフタル酸100部、エチレングリコール44.2部
及び1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル(シス/トラ
ンス3/7)3.31部のスラリ−を調整し、予め2.
31部のビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレ−トを
添加し、250℃に保持したエステル化槽に4時間かけ
て順次供給した。該供給終了後、1時間エステル化を進
行させた後、半量を重縮合槽に移し、所定量のジエチレ
ングリコール、リン酸0.00885部(対ポリマー1
50ppm)及び二酸化ゲルマニウム0.00708部
(対ポリマー120ppm)を仕込み、250℃から2
80℃まで漸次昇温すると共に、常圧から漸次減圧し、
0.5トールに保持した。反応を3時間行った後、極限
粘度0.55dl/gのポリエステルチップを得た。次
に、かかるチップをBepex社製攪拌結晶化機にて1
50℃で予備結晶化させた後、静置式固相重合塔に移
し、200/kg−hrの窒素流通下、140℃で3時
間乾燥後、210℃24時間固相重合し、極限粘度が
0.82dl/gであるポリエステル原料(A)を得
た。
【0029】上記ポリエステル原料(A)とポリメタク
リル酸メチル(三菱レーヨン〓製アクリペットV)を別
々に常法にて乾燥し、別個の溶融押出機により、ポリエ
ステル原料(A)とポリメチルメタクリル酸とを共押出
法により2層複合化し、幅1.1m、厚み2.0mmの
アクリル樹脂積層ポリエステルシートを得た。なお、厚
み構成は表−1のように1.5:0.5に設定し、実測
値もその値と一致した。その際、溶融押出したシート
は、40℃一定にしたステンレス製の鏡面ロール上にキ
ャストし、ニップロールを用い引き取り、更に耳部を裁
断し1.0m幅の積層シートを得た。得られた積層シー
トの評価結果を表−1に示す。
【0030】実施例2 実施例1において、シートの厚み(t)を3.0mmに
し、厚み構成を2.5:0.5に変更する以外は実施例
1と同様にして積層シートを得た。該シートの評価結果
を表−1に示す。また、該積層シートを、450mm×
500mm大に裁断し、そのまま透明な仕切板、及び窓
板として用いた。実際にガラスの代替品として使用した
が、耐擦傷性、耐衝撃性、剛性及び透明性等の外観につ
き何ら問題なく使用できた。
【0031】比較例1 実施例1において、シート原料としてポリエステル原料
(A)のみを用い、単層構造とする以外は実施例1と同
様にしてポリエステルシートを得た。得られたシートの
評価結果を表−1に示す。 比較例2 実施例1において、シートの厚み構成を表1のように
1.0:1.0に変更する以外は実施例1と同様にして
積層シートを得た。該積層シートの評価結果を表−1に
示す。
【0032】実施例3 実施例1のポリエステル原料(A)を常法にて乾燥後、
二軸押出機を用い、色材(フタロシアニンブルー)及び
少量の固体分散剤を、色濃度が最終的に得ようとする成
形品の色濃度の20倍となるように、溶融混練りし、マ
スターバッチ(B)を得た。次いで、実施例1のマスタ
ーバッチとポリエステル原料(A)を重量比1:20の
割合で混合し、着色材入りポリエステル原料(C)を得
た。
【0033】実施例1の積層シート化加工におけるポリ
エステル原料(A)の代わりに、上記の着色材入りポリ
エステル原料(C)を用いる以外は実施例1と同様にし
て青色の積層ポリエステルシートを得た。得られた青色
の積層シートを0.50m×0.65mに裁断加工した
後に、アクリル樹脂層が外側に、ポリエステル原料
(C)が内側にくるようにしてシートを深さ100mm
の真空成形を行ない、鞄の片面を製造した。次いで得ら
れた青色の成形品2個に、開閉治具等の、各種の部品を
取り付けて実用物性評価用のスーツケース鞄を製造し
た。この鞄の評価結果を表−2に示す。
【0034】比較例3 実施例3において厚み構成を1.0:1.0に変更する
以外は同様にしてスーツケース鞄を製造した。評価結果
を表−2に示す。実用品として用いるには耐衝撃性が劣
るものであった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の積層シートは、極めて優れた耐
擦傷性、耐衝撃性、剛性等を有し、コスト面においても
優れており、窓板、仕切板及び鞄などに利用することが
できる。該積層シートはポリエステルの優れた物性を損
なわずに、従来のポリエステルシートの欠点であった耐
擦傷性を大幅に改良したものであり、その結果としてポ
リエステルを用いたシート及びその成形品の用途展開を
大きく広げることが可能となり、その工業的価値は極め
て高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルとアクリル樹脂の積層シー
    トであって、該積層シートの厚み(t)が0.1〜20
    mm、高速衝撃強度(FI)の厚み依存性値(FI /
    t)が1000N/mm以上、及びアクリル樹脂からな
    る外層の厚みが層全体の1〜30%であることを特徴と
    するアクリル樹脂−ポリエステル積層シート。
  2. 【請求項2】 請求項1の積層シートから成る窓板又は
    仕切板。
  3. 【請求項3】 請求項1の積層シートを真空成形又は圧
    空成形して成る鞄。
JP29154294A 1994-11-25 1994-11-25 アクリル樹脂−ポリエステル積層シート Pending JPH08142279A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012121144A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Sumitomo Chemical Co Ltd 表面プロテクトフィルム付きフィルム並びに偏光板及びその製造方法
JP2016075939A (ja) * 2015-12-11 2016-05-12 住友化学株式会社 偏光板の製造方法

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