JPH0814155A - 液体のスプレー用の手動式予圧縮ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で部品数が少ない予圧縮ポンプを有する
簡単なデザインの液体分配用ユニットを提供する。 【構成】 軸Ｘを有する円筒状のポンピングチャンバー
２を形成するとともに、操作部材６を設けた第１ピスト
ン７であって、該チャンバー２内に配設された第１弾性
復元手段９に当接するピストンが内部に収容された円筒
状の本体３と、軸Ｙを有し、第２弾性復元手段１１に当
接する第２ピストン１０が設けられるとともに、ポンピ
ングチャンバー２に連通する円筒状の予圧縮チャンバー
５とを具備してなる液体の定圧噴霧用の予圧縮ポンプ１
において、予圧縮チャンバー５がポンピングチャンバー
２の延長上にあり、操作手段の作動中、ポンピングチャ
ンバー２に含まれる液体が予圧縮チャンバー５に直接流
れる構成とされた予圧縮ポンプ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液体、特にヘアスプレ
ーのような化粧品を加圧噴霧するための予圧縮ポンプに
関する。本発明は、特に、液体用のディスペンサー（分
配器または施与器）のカバーキャップに収容できるよう
な小型であって手動で操作できる型式のポンプを提供す
ることを意図している。

【０００２】

【従来の技術】従来、ポンプ本体に収容された液体を予
め圧縮しておくことで、ポンプの駆動方式にかかわら
ず、良好なスプレー特性を確保できることが知られてお
り、このために、適切な予圧縮率を得る試みがなされて
いる。さらに、予圧縮における全ての効率を保持するた
め、ポンピングチャンバーからスプレーノズルに至る液
体流れにおける圧力損失をできる限り低減させることが
必要である。

【０００３】本出願人名義の欧州特許公開第０４３７１
３１号には、とりわけ、予圧縮ポンプチャンバーに連通
している液体ポンピングチャンバーと、分配ダクト（流
路）により予圧縮チャンバーに連結されたスプレーノズ
ルと、ポンピングチャンバーに通ずる逆止弁を備えたフ
ィーダとを具備してなる手動式の予圧縮ポンプが開示さ
れている。

【０００４】欧州特許公開第０４３７１３１号に記載さ
れた型式の予圧縮ポンプは、同時にスプレーノズルを具
備する押しボタンを押圧することで駆動するために、噴
霧精度に改良の余地がある。このため、スプレーを適用
する箇所に的を絞ることが困難になっている。

【０００５】さらに、その設計のために、この公知のポ
ンプは、組立が困難である。実際、このポンプを構成す
る全ての部品は同一の対称軸上に位置決めされるので、
軸方向の寸法が比較的大きくなり、カバーキャップを使
用する多数の実施態様において、用いることができなく
なる。

【０００６】またさらに、仏国特許公開第２６３４８２
５号から、 −回転軸を有する円筒状のポンピングチャンバーを形成
するとともに、操作部材を設けた第１ピストンすなわち
作動ピストンであって、該チャンバー内に配設された第
１弾性復元手段に当接するピストンが内部に収容された
円筒状の本体と； −回転軸を有し、第２弾性復元手段に当接している第２
ピストンすなわち予圧縮ピストンが設けられるととも
に、ポンピングチャンバーに連通する円筒状の予圧縮チ
ャンバーと； −ノンリターンバルブ（逆止弁）を備え、ポンピングチ
ャンバーに通ずるフィーダダクト（供給流路）と； −スプレーノズルと、ノズルを予圧縮チャンバーに連結
する分配ダクトを備えた分配部材を具備し、予圧縮チャ
ンバーが、上記分配ダクトの開閉を行う摺動手段を具備
し、ポンプの休止位置において接続が絶たれ、操作部材
の作用下で予圧縮の終了時に接続がなされ、開閉を行う
摺動手段が予圧縮チャンバーと分配ダクトの間の流路を
開放し、予圧縮チャンバーの軸がポンピングチャンバー
の軸に対して偏芯している、液体の加圧スプレー用の予
圧縮ポンプが知られている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題および課題を解決するた
めの手段】ところが、このポンプには、多くの部品を含
むという欠点がある。さらに、工業生産において組立が
難しい。このため、ポンプのコストが比較的高い。また
さらに、ポンピングチャンバーと予圧縮チャンバーとの
間の接続は、数カ所の角部を有する比較的長いダクトに
よって構成されている。このため、分配中に液体の圧力
損失が生じ、噴霧特性が劣るものとなる。そのうえ、こ
のダクトに一方向バルブが設けられているため、なおい
っそう圧力損失が増加し、このポンプを作動するため
に、使用者に、かなりの力を必要とさせる。

【０００８】本発明は、これらの事情に鑑みてなされた
ものであって、分配頭が固定され、小型で部品数が少な
い予圧縮ポンプを有し、よって工業的見地から組立が容
易であるという、簡単なデザインの液体分配用ユニット
を使用者に提供することによって、従来技術の欠点を改
善することを意図したものである。さらに、欧州特許公
開第０４３７１３１号および仏国特許公開第２６３４８
２５号に係るポンプ類に比べて、圧力損失が最小にな
り、スプレー特性が改善される。その結果、ノズルから
放出される液体の粒寸法が低減する。

【０００９】さらに厳密には、本発明は、ポンピングチ
ャンバーと予圧縮チャンバーとの間にバルブがなんら設
けられていない、仏国特許公開第２６３４８２５号に記
載された種の、液体の定圧噴霧用予圧縮ポンプに関す
る。該ポンプは、予圧縮チャンバーがポンピングチャン
バーの延長上にあり、操作手段の作動の間に、ポンピン
グチャンバーに含まれる液体が予圧縮チャンバーに直接
通じることを特徴とするものである。

【００１０】最初の使用前のポンプのプライミングを容
易にするために、ポンプ本体の内部の空気の排出を行う
手段が用意され、第１および第２ピストンの間に配置さ
れる。この手段は、有利には、ポンピングチャンバー方
向を向き、第２ピストンの上面に配置された中心スタッ
ドであり、このスタッドは、操作部材が操作されると、
すなわち、ポンピングチャンバーの容量が最小になる
と、第１ピストンに当接することができる。この操作
中、２つのピストンの間の機械的連結がなされ、ポンプ
本体中の圧縮空気が分配ダクトを通って排出されるよう
な位置に、第１のピストンが第２のピストンを押し込
む。

【００１１】本発明の他の利点としては、ノズルがポン
プ本体に固定されていることが挙げられる。このスプレ
ーノズルには、予圧縮チャンバーを画成する、対称軸に
ほぼ直交する軸に沿った方向を向いたスプレー穴（オリ
フィス）が設けられている。

【００１２】有利には、第１の実施態様に係る、このポ
ンプの開閉をするための摺動手段は、第２ピストンに接
合された第１の環状の唇部によって構成されている。ポ
ンプの休止位置において、この唇部は予圧縮チャンバー
と分配ダクトとの間の連通を閉塞している。ポンプの作
動中、操作部材が第１弾性復元手段に抗して押し込まれ
ると、ポンプ本体の内部にある液体の圧力が所定の値ま
で上昇し、第２弾性復元手段に抗して圧縮部材を押圧す
ることによって、この連通を行う。所定の予圧縮値は、
前記第２弾性復元手段によってかけられた力に依存する
ことは明らかである。

【００１３】さらに、ポンプ本体の壁を貫通させて形成
され、収容体中の圧力を外圧とバランスさせるように、
例えば、予圧縮チャンバーの低部、つまり、第２弾性復
元手段が配置された部位に通じる空気取入口をよって構
成された、大気圧にするための手段が設けられている。
有利には、ポンプが休止している場合、大気圧にする手
段は作動しない。このために、封止手段が空気取入口
と、貯蔵中に前記取入口を密封する収容体との間に配置
されており、所定量の液体の分配の間、収容体に空気を
所定量送り込むことができる。

【００１４】有利には、圧設定を容易にするため、予圧
縮チャンバーと収容体との間に穴（オリフィス）が設け
られている。好ましくは、この中央の穴は、毛管ダクト
と交差する円筒状の伸長部に広がっている。

【００１５】毛管ダクトの機能は、収容体中の液体が第
２復元手段側の予圧縮チャンバーの低部に浸入すること
を防止することにある。分配される液体が、例えば、ヘ
アスプレーや塗料のような、予圧縮ピストンを詰まらせ
たり完全に乾いたりする組成物である場合、この配置は
全ての点で有用である。

【００１６】第１の実施例では、前記封止手段は、予圧
縮チャンバー中に配置された、予圧縮ピストンに担持さ
れている第２の環状の唇部である。この第２唇部は、第
１唇部と収容体との間に位置する高さに配されている。

【００１７】第１の実施例の特徴として、予圧縮チャン
バーに、休止位置にある場合の第２封止唇部と、予圧縮
チャンバーを収容体から分離する底部との間の区域に位
置する、少なくとも１つの縦長リブが設けられているこ
とが挙げられる。よって、ポンプ作動中、予圧縮ピスト
ンの第２封止唇部は、予圧縮チャンバーの内部から離間
するように移動し、空気取込口から流入してきた空気
が、取入口を経由して、予圧縮チャンバーの底部と収容
体との間を通過し、分配された液体の適用量に相当する
量を空気に置換する。

【００１８】本発明の第２の実施例では、大気圧にする
ための手段は、予圧縮ピストンに担持され、予圧縮ピス
トンを収容体の方向に延出し、予圧縮チャンバーの底部
の連通切欠部を交差するダクトによって構成されてい
る。好ましくは、収容体に延出するダクトの端部には、
連通部（連通切欠部）よりも直径が大きなフレア状の円
筒状リングが設けられている。休止位置にある予圧縮ピ
ストンに第２復元手段のスラストを作用させると、この
リングは、収容体と第２復元手段側にある予圧縮チャン
バーの低部との間の連通を閉塞することができる。ポン
プ作動中、予圧縮ピストンは、収容体の方向に転置し、
よって、連結部の壁からリングを離間させ、空気取入口
と収容体との間に流路ができる。

【００１９】本発明の第２の実施態様では、ポンプを開
閉するための摺動手段は、第１ピストンの反対側にある
第２ピストンの一端に形成されているスタッドにより構
成されている。このスタッドは、予圧縮チャンバーを画
成する軸に平行な分配ダクトの伸長部を密封することが
できる。

【００２０】有利には、ポンピングチャンバーに収容さ
れる第１弾性復元手段は、好ましくは金属で作製され
た、コイルバネによって構成されている。第２弾性復元
手段もまた金属性のコイルバネによって構成されてい
る。上述したように、より固いバネを選択するか、弱い
バネを選択するかによって、液体の分配開始に必要な力
を変えることができる。

【００２１】ポンピングチャンバーに蓄積された液体が
収容体中に再度降下するのを防止するノンリターンバル
ブは、好ましくは、フィーダダクトの切頭円錐形部に収
容される球形ボールによって構成される。このダクト
は、収容体に収容された液体にディップチューブ（浸液
チューブ）によって連通させる。

【００２２】ポンプは、例えば、化粧品組成物、特に、
ヘアスプレー、ボディ用消臭剤、スキンローションまた
は製薬用組成物のような多種の液体をスプレーするのに
使用することができる。

【００２３】また、本発明は、上述した特徴を有する予
圧縮ポンプを搭載する、分配する液体用の収容体を具備
する、液滴状の液体分配用ユニットに関する。

【００２４】噴霧される液体を含む収容体上にポンプを
固定する手段を設ける。この固定手段は、例えば、ポン
プ本体の半径方向に延び、収容体に設けられた首部上に
形成された対の環状溝と協同する係止ビード部を内部に
備えた円筒スカート部として形成された周縁部を持つ円
板状部材を有している。

【００２５】さらに、収容体は、その上に固定されたカ
バーキャップを有しており、このキャップは収容体上に
設けられたポンプを囲んでいる。

【００２６】本発明の好適な実施例にあっては、操作部
材は、カバーキャップの一側に関節連結されたレバーア
ームによって作動される。このような構造とすれば、使
用者は、従来のポンプに対して必要であった力よりさら
に小なる力を作動時に作用させながら、良好な条件の元
に正確に液体の噴霧を行うことができる。

【００２７】

【実施例】本発明の３種の実施態様を、添付した図面を
参照して例証するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。

【００２８】図面に於て、特に、図１ないし図３におい
て、予圧縮ポンプ１は、収容体２４に収容されるヘアス
プレーのような液体のスプレー用として示されており、
前記収容体２４には、その外側に保持係合ビード部２６
が設けられた円筒状の首部２５が搭載されている。

【００２９】ポンプ１は、収容体の首部２５に取付けら
れるものとされた略円筒状の本体３を有する。この取付
けは、その内部に、首部のビード部２６に係合する環状
リブ１６ｂが設けられた円筒状のスカート部材１６ａに
よって形成される保持係合リング１６でなされている。
スカート部材１６ａは、ポンプ本体３から半径方向に延
びるディスク状部材１６ｄの周部に接合されている。こ
のディスク状部材１６ｄは、収容体を向く側に、収容体
２４の首部２５の開口部に装入される封止スカート部材
１６ｃを備えている。

【００３０】収容体から離間した側の端部に、ポンプ本
体３は、中心回転軸Ｘを有する円筒状のポンピングチャ
ンバー２を有しており、このチャンバー内には、一般に
金属製の渦巻圧縮バネ９が収容されており、第１ピスト
ン７を付勢している。このピストン７は、ポンプを作動
させる突出端６ａを具備する円筒状の操作部材６に接合
されている。

【００３１】ピストン７の収容体側には、伸長部６ｂ
が、バネ９の巻回部内に挿入された状態で設けられてい
る。さらに、ピストン７には、本体３の内壁に当接され
る２つの環状の封止唇部が設けられ、第１の唇部７ａ
は、突出端６ａの方を向き、第２唇部７ｂは、その反対
側を向いている。

【００３２】ピストン７と操作部材６とで形成されるア
センブリは、内側に保持嵌合ビード部８ｃが形成された
固定キャップ８により、所定位置に保持されており、こ
のビード部８ｃは、本体３の自由端３ｂに設けられてい
る環状のバルジ部３ａと協同（係合）するものである。
収容体を向く側に、キャップ８は、操作部材６の摺動を
案内する円筒状のスカート部材８ａを有している。

【００３３】ポンプ本体３の中間部には、中心軸Ｘに対
してほぼ直交する軸Ｚを持つ回転円筒状の伸長部１７が
接合されており、この伸長部１７が分配部材を形成して
いる。分配部材（伸長部）１７には、軸Ｚに平行な分配
ダクト（分配流路）１８に通ずる環状の切欠部１７ａが
設けられており、前記ダクトは回転軸Ｙを有する予圧縮
チャンバー５に連通している。上記軸Ｙは軸Ｘに平行
で、軸Ｚに直交する。

【００３４】切欠部１７ａにより中央スタッド１９が形
成されており、その端部１９ａには、中心穴（オリフィ
ス）２１が設けられたスプレーノズル２０が固定されて
いる。もちろん、使用方法に応じて、例えば、約４５度
から約１３５度の範囲内の角度から選択して、軸ＸとＺ
のなす角度を変えることができる。

【００３５】収容体側では、ポンピングチャンバー２
は、ポンピングチャンバー２の直径よりも小径の２つの
円筒状の穴部に至っており、その第１穴部がフィーダダ
クト（供給流路）４を形成し、第２穴部が、円筒状の壁
５ｂによって画成された予圧縮チャンバー５を形成して
いる。保持係合リング１６の上方位置において、分配ダ
クト１８が予圧縮チャンバー５に連通している。ダクト
１８と保持係合リングとの間に位置する区間において、
予圧縮チャンバーの壁５ｂには、その機能を、ポンプの
作用の記載において以下に説明するところの空気取入口
５ａが、設けられている。収容体２４側において、予圧
縮チャンバー５は、チャンバー５の円筒状の壁５ｂに直
角に接合されている底部５ｄで終結している。底部５ｂ
には、毛管ダクト（流路）２３ａが貫通する円筒状の伸
長部２３が設けられている。さらに、円筒状の壁５ｂに
は、チャンバー５の内部に、以下に説明する機能を有す
る一または数個の縦長リブが設けられている。

【００３６】予圧縮チャンバー５は、細長い、略円筒状
の予圧縮ピストン１０を具備するもので、該ピストン１
０は、チャンバー内を液密的に摺動可能で、２つの環状
の突起を有するものであり、そのうち、第１突起１０ｂ
は、封止唇部１０ａを具備し、第２突起１０ｇは、収容
体２４に対して唇部１０ａの下方に位置する封止唇部１
０ｅを具備するものである。さらに、２つの唇部は、ポ
ンピングチャンバー２の方向を同様に向いた自由端を有
するものである。唇部１０ａは、開閉用の摺動手段Ｆを
形成しており、休止位置において分配ダクト１８を閉塞
し、液体分配位置において、チャンバー５とダクト１８
とを連通させることができる。唇部１０ｅは外部と収容
体の間のシール手段を構成している。

【００３７】予圧縮ピストン１０の収容体側の下部１０
ｃは、第２弾性復元手段を形成する第２の渦巻バネ１１
の巻回部に係合しており、その機能は、封止唇部１０ａ
が分配ダクト１８に対向して位置する休止位置に、予圧
縮部材（ピストン）１０を付勢して分配ダクトを閉塞す
ることにある。この閉塞位置において、唇部１０ａは、
予圧縮チャンバー５とポンピングチャンバー２の接合部
の壁に設けられた環状ビード部２２に当接する。バネ１
１は、予圧縮ピストンに設けられた環状の突起１０ｇに
当接している。

【００３８】ポンピングチャンバー２側では、予圧縮部
材１０は、ポンピングチャンバー２内に延出する中央ス
タッド１０ｄが設けられた板部１０ｆを有しており、そ
の機能は以下に説明する。

【００３９】フィーダダクト４は対称軸Ｗを有するもの
で、ディップチューブ（浸液チューブ）１３を介して、
収容体２４に含有される液体の流路１４を形成する円錐
構造の区域４ａに、ポンピングチャンバー２の反対側
で、接合されている。

【００４０】軸Ｗは、軸ＸとＹに平行で、軸Ｚに直交し
ている。軸Ｗ、Ｘ、ＹとＺが同じ平面（図１の面）に位
置する点は、特筆すべきことである。

【００４１】フィーダダクト４の縮径した区域４ａに
は、フィーダダクトと縮径区域４ａとの間の直径を有す
るボール１５が収容されている。このボール１５は、ポ
ンプ本体に入り込んだ液体が再び収容体２４内に流下す
ることを防止しながら、液体の流入を許容するバルブと
なる。

【００４２】本発明に係る予圧縮ポンプ１の作用を次に
示す：休止状態では、ポンプは図１に示した位置にあ
り、本体３は空気を含有し、液体は収容体２４中にあ
る。

【００４３】まず、使用者が、ポンプに迎え水をする、
つまり、脱気しながら本体３を液体で満たす。このた
め、使用者は、操作部材６を１回または２回押圧しなけ
ればならない。この操作中に、本体３に含まれた空気が
圧縮される。低位置において、操作部材６の表面（伸長
部）６ｂが、第２ピストン（予圧縮ピストン）１０のス
タッド１０ｄを当接し、該第２ピストン１０をより低い
位置に移動させ、これによって、圧縮空気が逃げる流路
（分配ダクト）１８が開放される。

【００４４】使用者が操作部材６への圧力を緩めると、
バネ９がピストン７を押し上げる。その結果、本体３に
低圧がつくられ、ノンリターンバルブの開放、すなわ
ち、ボール１５の移動と本体３中への所定量の液体のポ
ンピングが生じる。本体３が液体で満たされると、ピス
トン７の降下によって、本体３中の圧力が急速に上昇す
る。その後、予圧縮部材（予圧縮ピストン）１０がず
れ、唇部１０ａが分配ダクト１８を開放する。このダク
トは、スプレー穴（中心穴）２１に連通する環状の切欠
部１７ａに液体を導くが、分配ダクト１８を横断する距
離が短いため、液体の良質な噴霧が生じる。

【００４５】液体の分配が進むにつれ、収容体２４内が
低圧になる。分配された量の液体を空気に置き換えるた
め、外部に通じる取入口５ａを予圧縮チャンバーおよび
毛管ダクト２３ａを介して収容体２４に連通させること
ができる。予圧縮ピストン１０の高い位置に相当する休
止位置においては、連通は不可能である。すなわち、唇
部１０ａの存在のため予圧縮チャンバー５が分配ダクト
１８に連通せず、唇部１０ｅが封止するため取入口５ｂ
は収容体２４に連通しない。操作部材６の作動に続いて
予圧縮ピストン１０が降下した場合、リブ５ｃが位置す
る区域に唇部１０ｅが摺動する。そして、これらのリブ
が、唇部１０ｅとチャンバー５の内壁を離間させて封止
を開放し、取入口５ａから入った空気が収容体２４中に
浸入し、内部が大気圧になる。

【００４６】図４には、本発明に係る予圧縮ポンプの第
２の実施態様が示されている。この図において、図１の
ものと同様の構成部品または同様の機能を果たす部品の
符号は、１００を加えて示す。図１のものと同一の構造
の説明は繰り返さない。

【００４７】図４のポンプ１０１では、開閉をなす摺動
手段Ｆが異なっているが、図１に記載されたものと同じ
役割を果たす。ポンプ本体１０３は、大気圧にするため
の手段を有していないが、図１、６および９に記載され
たものと同様の手段を使用することは可能である。

【００４８】しかして、予圧縮部材は、ポンピングチャ
ンバー１０２の方を向いた端部１１０ｂが密封スタッド
１１０ａを備えたピストン１１０を有しており、該スタ
ッドが、休止位置において、分配ダクト１１８の肘形の
伸長部１１８ｂに形成された開口部１１８ｃを閉塞す
る。ピストン１１０は、休止位置において、開閉手段Ｆ
を確実に閉塞するバネ１１１上に設けられている。バネ
１１１の位置決めは、予圧縮チャンバー１０５の底部に
係合するキャップ１２７によってなされる。

【００４９】図５の部分断面図は、本発明に係る分配ユ
ニット２００を示すものであり、図１の実施態様の予圧
縮ポンプ２０１を備えている。該ユニットの構成部品
は、図１のものと同様の場合には、２００を加えた番号
を付して示す。しかして、予圧縮ポンプ２０１は、収容
体２２４の首部に保持係合によって設けられている。収
容体の周縁突出部２３２上には、ポンプ２０１を囲むカ
バーキャップ２３３が、例えば、保持係合によって固定
されている。

【００５０】このカバーキャップ２３３の前面２３４に
は、液体の分配時に、液体の噴霧円錐状部が通過できる
穴２２９が設けられている。また、キャップ２３３の前
面２３４には、レバー腕部２３０に連結されている弾性
的に曲折する区域２３１、例えば、フィルムヒンジが設
けられている。このレバー腕部には、ポンプ２０１の操
作部材２０６に協同（係合）するようにされた、丸い形
状の当接区域２２８が設けられている。

【００５１】ユニット２００の使用方法を以下に示す：
使用者が、矢印Ａの方向にレバー（レバー腕部）２３０
を押すと、レバーの押し込みにより、操作部材２０６が
降下し、同時にピストン２１０が収容体２２４の方向に
降下する。ついで、分配ダクト２１８への接近が自由と
なり、使用者は最小限の力で、良質の噴霧を行うことが
できる。

【００５２】図６ないし８における部分拡大断面図は、
予圧縮ピストン３１０を設けた予圧縮チャンバー３０５
を示すもので、本発明の実施態様の第２実施例に係るも
のである。この実施態様の構成部品で、図１のものと同
様か、または類似した機能を行うものには、３００を加
えた番号が付されている。

【００５３】しかして、実施態様の第２実施例では、大
気圧に開放するための手段は、予圧縮ピストン３１０に
備えられ、ピストン３１０を収容体の方向に延ばしたダ
クト３１０ｃによって構成され、該ダクトは、予圧縮チ
ャンバー３０５の底部３０５ｄに形成した円筒状の流路
（または接続部）３２３ａを通り抜ける。ダクト３１０
ｃは予圧縮ピストン３１０より小なる直径を有してお
り、これにより空気を取り込む円環状の空間が形成され
る。このダクトの直径はまた円筒状の流路３２３ａのそ
れよりも小さい。

【００５４】収容体中に延出するダクトの端部には、円
筒状の流路３２３ａの直径よりも大きな、フレア状の円
筒状リング３１０ｈが設けられている。流路３２３ａの
自由端には、リング３１０ｈに相補的で、リングに協同
することができる開口部３２３が設けられ；これらの２
つの部品はバルブを構成し；休止位置にある予圧縮ピス
トンを第２のバネ３１１が付勢し、該リングが収容体と
予圧縮チャンバー３０５との間の連通を閉塞する。

【００５５】ポンプの作動中、予圧縮ピストン３１０
は、収容体の方向に移動し、よって、円筒状の流路３２
３ａからリング３１０ｈが離れるため、空気取入口３０
５ａと収容体との間が連通する。連結部（流路）３２３
ａに空気を容易に通すため、縦長の切欠部３２３ｂが連
結部３２３の壁に設けられている。この装置の作用は、
図１を参照して記載したものと同様である。

【００５６】図９および１０の部分拡大断面図は、本発
明の実施態様の第３実施例に係る予圧縮ピストン４１０
を備えた予圧縮チャンバー４０５を示すものである。こ
の実施態様の構成部品には、図１のものと同一かまたは
類似の機能を行うものには、４００を加えた番号が付さ
れている。

【００５７】しかして、予圧縮チャンバー４０５は、円
筒状の壁部４０５ｂと底部４０５ｄとによって画成され
ており、底部には開口部４２３が設けられている。ポン
ピングチャンバー４０２側において、前記チャンバー４
０５中には、ピストン４１０と底部４０５ｄの間に設け
られた復元バネ４１１に付勢されて環状のビード部４２
２を押圧する予圧縮ピストンが配置されている。壁４０
５ｂには、分配ダクト４１８と、外部に通ずる空気取入
口４０５ａとが設けられている。予圧縮ピストンは、２
つの封止唇部を具備し、その第１唇部４１０ａは、ポン
ピングチャンバー４０２の方向を向き、休止位置におい
てダクト４１８を密封し、第２唇部４１０ｅは、収容体
の方を向き、ポンプが休止状態にある場合に空気取入口
４０５ａのストッパーとなる。底部４０５ｄと第２唇部
４１０ｅとの間の区域において、チャンバー４０５に
は、一もしくは数条の縦長のリブ４０５ｃが設けられて
いる。

【００５８】この装置は、図１を参照して記載した方法
と同様な方法で作用する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１実施態様の第１実施例に係る予
圧縮ポンプの作動時の縦断面図である。

【図２】 図１の縦断面図の拡大図であり、ポンプが休
止位置にある場合の、予圧縮チャンバーを示す。

【図３】 図２の１ｂ−１ｂ線に沿った部分断面図であ
る。

【図４】 本発明の第２実施態様に係る予圧縮ポンプの
縦断面図である。

【図５】 休止位置において、図１のポンプに装着され
た、本発明の分配ユニットの部分縦断面図を示す。

【図６】 本発明の第１実施態様の第２実施例を示す拡
大断面図である。

【図７】 図６のＩＶａ−ＩＶａ線に沿った断面図であ
る。

【図８】 図６のＡ部の拡大図である。

【図９】 本発明の第１実施態様の第３実施例の拡大断
面図を示す。

【図１０】 図９のＶａ−Ｖａ線に沿った断面図であ
る。

【符号の説明】

Ｘ、Ｙ、Ｚ…回転軸（軸） ２、１０２、２０２、３０２、４０２…ポンピングチャ
ンバー ３、１０３、２０３…ポンプ本体 ４、１０４、２０４…フィーダダクト（供給流路） ４ａ、１５；１０４ａ、１１５；２０４ａ、２１５、３
１５、４１５…ノンリターンバルブ（逆止弁） ５、１０５、２０５、３０５、４０５…予圧縮チャンバ
ー ６、１０６、２０６…操作部材 ７、１０７、２０７…第１ピストン ９、１０９、２０９…第１弾性復元手段 １１、１１１、２１１、３１１、４１１…第２弾性復元
手段 １０、１１０、２１０、３１０、４１０…第２ピストン １７、１１７、２１７…分配部材 １８、１１８、２１８、３１８、４１８…分配ダクト
（分配流路） ２０、１２０、２２０…スプレーノズル

Claims (20)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸（Ｘ）を有する円筒状のポンピングチ
   ャンバー（２、１０２、２０２、３０２、４０２）を形
   成するとともに、操作部材（６、１０６、２０６）を設
   けた第１ピストン（７、１０７、２０７）であって、該
   チャンバー（２、１０２、２０２、３０２、４０２）内
   に配設された第１弾性復元手段（９、１０９、２０９）
   に当接するピストンが内部に収容された円筒状の本体
   （３、１０３、２０３）と；軸（Ｙ）を有し、第２弾性
   復元手段（１１、１１１、２１１、３１１、４１１）に
   当接する第２ピストン（１０、１１０、２１０、３１
   ０、４１０）が設けられるとともに、ポンピングチャン
   バー（２、１０２、２０２）に連通する円筒状の予圧縮
   チャンバー（５、１０５、２０５、３０５、４０５）
   と；逆止弁（４ａ、１５；１０４ａ、１１５；２０４
   ａ、２１５、３１５、４１５）を備え、ポンピングチャ
   ンバー（２、１０２、２０２、３０２、４０２）に通ず
   る供給流路（４、１０４、２０４）と；スプレーノズル
   （２０、１２０、２２０）と、該ノズルを予圧縮チャン
   バーに連結する分配ダクトとを備えた分配部材（１７、
   １１７、２１７）を具備し、予圧縮チャンバーが、上記
   分配ダクト（１８、１１８、２１８、３１８、４１８）
   の開閉を行う摺動手段（Ｆ）を具備し、ポンプの休止位
   置において接続が絶たれ、操作部材の作用下で予圧縮の
   終了時に接続がなされ、開閉を行う摺動手段が予圧縮チ
   ャンバーと分配ダクト（１８、１１８、２１８、３１
   ８、４１８）の間の流路を開放し、予圧縮チャンバー
   （５、１０５、２０５、３０５、４０５）の軸（Ｙ）が
   ポンピングチャンバー（２、１０２、２０２、３０２、
   ４０２）の軸（Ｘ）に対して偏芯している、液体の定圧
   噴霧用の予圧縮ポンプ（１、１０１、２０１）におい
   て、予圧縮チャンバー（５、１０５、２０５、３０５、
   ４０５）がポンピングチャンバーの延長上にあり、操作
   手段の作動中、ポンピングチャンバー（２、１０２、２
   ０２、３０２、４０２）に含まれる液体が予圧縮チャン
   バー（５、１０５、２０５、３０５、４０５）に直接流
   れる構成とされたことを特徴とする予圧縮ポンプ（１、
   １０１、２０１）。
2. 【請求項２】 ノズル（２０、１２０、２２０）がポン
   プ本体（３、１０３、２０３）に取り付けられているこ
   とを特徴とする請求項１記載の予圧縮ポンプ。
3. 【請求項３】 ノズル（２０、１２０、２２０）には、
   軸（Ｘ）に直交する軸（Ｚ）に沿った方向を向いたスプ
   レー穴（２１、１２１、２２１）が設けられていること
   を特徴とする請求項１または２に記載の予圧縮ポンプ。
4. 【請求項４】 ポンプの開閉を行う摺動手段（Ｆ）は、
   第２ピストン（１０、２１０、３１０、４１０）に接合
   された第１の環状の唇部（１０ａ、２１０ａ、３１０
   ａ、４１０ａ）によって構成されていることを特徴とす
   る請求項１ないし３の何れか１項に記載の予圧縮ポン
   プ。
5. 【請求項５】 ポンプの開閉を行う摺動手段（Ｆ）は、
   第１ピストン（１０７）に対向する第２ピストン（１１
   ０）の部位（１１０ｂ）に形成されたスタッド（１１０
   ａ）により構成され、該スタッドは、軸（Ｙ）に平行な
   分配ダクト（１１８）の伸長部（１１８ａ）を密封可能
   とされたことを特徴とする請求項１ないし３の何れか１
   項に記載の予圧縮ポンプ。
6. 【請求項６】 軸（Ｘ）、（Ｙ）、（Ｚ）が同一平面上
   に位置することを特徴とする請求項１ないし５の何れか
   １項に記載の予圧縮ポンプ。
7. 【請求項７】 弾性復元手段（９、１０９、２０９）が
   コイルバネにより構成されていることを特徴とする請求
   項１ないし６の何れか１項に記載の予圧縮ポンプ。
8. 【請求項８】 第２の弾性復元手段（１１、１１１、２
   １１、３１１、４１１）がコイルバネにより構成されて
   いることを特徴とする請求項１ないし７の何れか１項に
   記載の予圧縮ポンプ。
9. 【請求項９】 逆止弁は、供給流路（４、１０４、２０
   ４）の切頭円錐形部（４ａ、１０４ａ、２０４ａ）に収
   容された球形ボール（１５、１１５；２１５、３１５、
   ４１５）によって構成されていることを特徴とする請求
   項１ないし８の何れか１項に記載の予圧縮ポンプ。
10. 【請求項１０】 予圧縮チャンバー（５、２０５、３０
    ５、４０５）には、該予圧縮チャンバーと収容体（２
    ４）とを連通させる毛管ダクト（２３ａ）が設けられて
    いることを特徴とする請求項１ないし９の何れか１項に
    記載の予圧縮ポンプ。
11. 【請求項１１】 予圧縮チャンバー（５、２０５、３０
    ５、４０５）には、大気圧への開放手段（５ａ、２３；
    ３０５ａ、３１０ｃ、３１０ｈ、３２３ａ、３２３ｂ；
    ４０５ａ、４０５ｃ、４２３）が設けられていることを
    特徴とする請求項１ないし１０の何れか１項に記載の予
    圧縮ポンプ。
12. 【請求項１２】 大気圧への開放手段（５ａ、２３；３
    ０５ａ、３１０ｃ、３１０ｈ、３２３ａ、３２３ｂ；４
    ０５ａ、４０５ｃ、４２３）が、空気取入口（５ａ、３
    ０５ａ、４０５ａ）、予圧縮チャンバー（５、２０５、
    ３０５、４０５）と収容体（２４、２２４）との間の連
    通部（２３ａ、３２３ａ、４２３ａ）、および第２ピス
    トン（１０、２１０、３１０、４１０）に接続された封
    止手段（１０ｅ、３１０ｈ−３２３ａ、４１０ｅ）であ
    り、前記封止手段は、ポンプの休止位置において機能
    し、作動位置において機能しない構成とされていること
    を特徴とする請求項１１に記載の予圧縮ポンプ。
13. 【請求項１３】 封止手段（１０ｅ、４１０ｅ）が、予
    圧縮チャンバーの円筒状の壁に液密に接触している環状
    の唇部であり、前記壁には、ポンプ作動時に前記円筒状
    の壁から唇部を離間させるリブ（５ｃ、４０５ｃ）が設
    けられたことを特徴とする請求項１２に記載の予圧縮ポ
    ンプ。
14. 【請求項１４】 封止手段が、第２ピストン（３１０）
    に備えられたフレア状の円筒状リング（３１０ｈ）であ
    り、該リングは、ポンプの休止位置において、連通部
    （３２３ａ）の壁に液密に接触しており、ポンプの作動
    時に連通部の壁から離間する構成とされたことを特徴と
    する請求項１２に記載の予圧縮ポンプ。
15. 【請求項１５】 最初の使用におけるポンプのプライミ
    ングを容易にする手段が、第１ピストン（７、１０７、
    ２０７）と第２ピストン（１０、１１０、２１０、３１
    ０、４１０）との間に配置されていることを特徴とする
    請求項１ないし１４のいずれか１項に記載の予圧縮ポン
    プ。
16. 【請求項１６】 ポンプのプライミングを容易にする手
    段が、第２ピストン（１０、２１０）の上板（１０ｆ、
    ２１０ｆ）上に位置する中央スタッド（１０ｄ、３１０
    ｄ、４１０ｄ）であり、該スタッドが、第１ピストン
    （７、２０７）がポンピングチャンバー（２、２０２）
    の容積を最小とする位置にある場合に、第１ピストン
    （７、２０７）に当接するように構成されたことを特徴
    とする請求項１ないし１５のいずれか１項に記載の予圧
    縮ポンプ。
17. 【請求項１７】 請求項１ないし１６のいずれか１項に
    記載の予圧縮ポンプ（１、１０１、２０１）が設けられ
    た、分配する液体用の収容体（２４、１２４、２２４）
    を具備する、液滴状の液体の分配用ユニット。
18. 【請求項１８】 噴霧される液体を含む収容体上にポン
    プを取り付ける手段（１６、１６ａ、１６ｂ；１１６；
    １１６ａ、１１６ｂ；２１６、２１６ａ、２１６ｂ）が
    設けられたことを特徴とする請求項１７記載のユニッ
    ト。
19. 【請求項１９】 取り付け手段が、ポンプ本体（３、１
    ０３、２０３）から径方向に延びるとともに、収容体
    （２４、１２４、２２４）の首部（２５、１２５、２２
    ５）上に形成された対の環状部（２６、１２６、２２
    ６）と係合する係止ビード部（１６ｂ、１１６ｂ、２１
    ６ｂ）を内部に備えた円筒スカート部（１６ａ、１１６
    ａ、２１６ａ）として形成された周縁部を持つ円板状部
    材（１６、１１６、２１６）を具備することを特徴とす
    る請求項１７または１８に記載のユニット。
20. 【請求項２０】 操作部材（６、１０６、２０６）がレ
    バー腕部（２３０）によって作動される構成とされたこ
    とを特徴とする請求項１７ないし１９のいずれか１項に
    記載のユニット。