JPS6251150B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、化粧水あるいは薬剤のような液体を
手動で噴霧する噴霧装置に関する。

従来の手動式噴霧器には、液体を吸入して加圧
する加圧室の内部圧力に応じて、ノズルに通じる
通孔を開放し、この開放により噴霧するものがあ
つた。この場合の構成は、加圧室に連通する操作
室を通孔の開閉操作用のシリンダとピストンとに
より形成し、操作室内の圧力が高くなると操作用
のピストンが押下がり、操作用のピストンに取付
けた弁体がノズルに通じる通孔を開放するもので
あつた。このような構成においては、操作用のピ
ストンが操作室の圧力により大きく下降すること
もあり、そのような場合、操作室内容積が急激に
大きくなり、操作室が加圧室と連通していること
から実質的な加圧室内容積の増大となり、そのた
めに加圧室内の圧力が降下して好ましい噴霧がで
きないことがあつた。

またこの場合、操作室を加圧室の上方に突出形
成しているので、加圧室のポンプ作用をするため
に噴霧ヘツドを押下げるが、その押下げは下部の
一個所のピストンとシリンダ間の摺動で押下げが
案内されるのみであり、ポンプ作用が安定かつス
ムーズに行えないこともあつた。さらに操作室を
形成するシリンダとピストンの摺動面を介して加
圧した液体が洩れるという欠点があつた。

本発明は、上記欠点を解消したものであり、ノ
ズルに通じる通孔を開放する弁体の押下げ量を規
制し、実質的な加圧室内容積が急激に増大しない
ようにして良好な噴霧をできるようにすることを
目的とする。

また操作用のシリンダと加圧室を形成するシリ
ンダとの間を縦方向に連通する筒体を別個に設
け、該筒体下部が加圧室を形成するシリンダ内を
摺動してポンプ作用を円滑かつ安定に行えるよう
にし、該筒体により操作室から洩れた液を噴霧手
段の内部に導けるようにしたことを目的とする。

次に図面により本発明の噴霧装置を説明する。
噴霧装置の加圧室１をシリンダ２とピストン３と
により形成し、シリンダ２の下部を逆止弁４を介
して吸入管５に連結する。シリンダ２の上部はそ
の下部より大きな大径部２ａに形成する。なお、
ポンプストロークの関係からピストン３は大径部
２ａの位置まで上昇することはない。大径部２ａ
の上端は、折曲げられて液体容器６の口頚部６ａ
に取付ける受け口７に形成する。

加圧室１を形成するピストン３は、少し小さな
直径で上方にのびる筒状体８に連結し、該筒状体
８の上端にピストン３より大径の第２のピストン
９を形成する。第２のピストン９は、第２のシリ
ンダ１０内に摺動可能に挿入して操作室１１を形
成し該シリンダ１０は噴霧ヘツド１２の下部に形
成する。

筒状体８内に弁体１３を環状の保持部材１４を
介して取付け、筒状体８と弁体１３と保持部材１
４とが一体に結合した状態とする。なお保持部材
１４は、弁体１３と一体に形成しても、別体に形
成してもよい。弁体１３の上部１３ａは第２ピス
トン９より上方に突出し、その先端部は噴霧ヘツ
ド１２内に形成した通孔１５を開閉する。通孔１
５は噴霧ヘツド１２の前部に設けたノズル１６に
通路を介して連通する。保持部材１４は軸線方向
に貫通した通路孔１７を数個有し、筒状体８と弁
体１３との開隔および通路孔１７を介して操作室
１１と加圧室１と通孔１５とを互いに連通する。
また保持部材１４とシリンダ２の下部間にスプリ
ング１８を設け、２つのピストン３，９および筒
状体８を上方に押動する。

操作室１１を形成するシリンダ１０の下端部に
ピストン９の下降量を規制する環状のストツパ１
９を形成し、該ストツパ１９はその取付部を噴霧
ヘツド１２におけるシリンダ１０の外側位置に形
成した取付溝２０に嵌合して固定する。ストツパ
１９は下方に延びる筒体２１が設けられ、該筒体
２１の下端部がシリンダ２の大径部２ａ内を摺動
できるようにして、噴霧ヘツドの押下げ時に噴霧
ヘツドをスムーズにかつ安定に案内して昇降でき
るようにしている。

シリンダ２の大径部２ａの下部に小孔２２が設
けられ、該小孔２２を介してシリンダ２の大径部
２ａと筒体２１と筒状体８とで形成した室２３を
液体容器６内と連通し、噴霧ヘツド１２の昇降に
応じて室２３内の空気の出入を可能にし、しかも
加圧液が操作室１１を形成するシリンダ１０とピ
ストン９との間隙を介して洩れ、室２３内に入つ
ても小孔２２を介して液体容器６内に戻すことが
できる。

さらにシリンダ２の下部に切溝２４と突出片２
５を設け、ピストン３が下限位置に近づいたと
き、ピストン３の下端部がその弾性力に抗して突
出片２５に乗上げ、加圧室１を切溝２４を介して
大気圧に連通し、加圧室１内の圧力を急激に下げ
て噴霧切れを確実にする。なお、シリンダ２の大
径部における中央高さ位置に切溝２６を有する
が、これは液体容器の負圧化防止用のものであ
る。

本発明の噴霧装置は、上記の通り構成され、噴
霧ヘツドをスプリング１８の力に抗して押下げる
と、ノズル１６に通じる通孔１５と弁体１３との
当接により２つのピストン３，９は同時に押下げ
られ、加圧室１内の液体を加圧する。その押下げ
により加圧室１および操作室１１内の圧力が一定
以上になると大径のピストン９に作用する圧力に
より２つのピストン３，９はスプリング１８の力
にさらに抗して押下がり、その押下げに応じて弁
体１３が下降するので通孔１５を開放する。

この開放により加圧室１内の加圧液は、通孔１
５を介してノズル１６から噴霧される。この場
合、操作室１１を形成するピストン９の下降量は
ストツパ１９に制限されるので、ピストン９が下
降し過ぎることはない。従つて、加圧室１内が急
激に大きな容積になりすぎることはなく、急激に
加圧室１内の圧力が下降することはないので、常
に噴霧状態を良好に保つことができる。

この後、加圧室１内の圧力が下がればスプリン
グ１８の力により２つのピストン３，９を押上
げ、弁体１３が通孔１５を閉塞する。次に噴霧ヘ
ツド１２の押下げを中止すればスプリング１８の
力により噴霧ヘツド１２は２つのピストン３，９
と共に上昇し、加圧室１内を負圧にするので逆止
弁４を介して液体容器６から加圧室１内に液体が
流入し、次の噴霧を可能にする。

以上の通り本願発明においては、加圧室内の圧
力に応じてノズルに通じる通孔を開閉するように
操作室を設けた形式の噴霧装置であるが、噴霧作
動中に、加圧室内容積が急激に増大することはな
く、常に噴霧状態を良好に保つことができる。ま
た、操作室の下方にのびる筒体は加圧室を形成す
るシリンダの上方大径部内を摺動するので、その
ポンプ作用が安定かつスムーズにおこなえ、さら
に操作室から洩れた液は外部に洩れることはな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願発明の噴霧装置の側断面図、第２
図は第１図の−線断面図である。 １……加圧室、２……シリンダ、２ａ……大径
部、３……ピストン、８……筒状体、９……ピス
トン、１０……シリンダ、１１……操作室、１３
……弁体、２１……筒体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１のシリンダと第１のピストンとから形成
   され液体容器内から逆止弁を介して液体を加圧室
   に吸入して加圧する加圧手段と、第１のピストン
   の上方に位置して互いに筒状体を介して連結され
   かつ第１のピストンより大径に形成した第２ピス
   トンと、第２ピストンを摺動させかつ前記加圧室
   と連通した操作室を形成する第２シリンダと、前
   記２つのピストンに連結した弁体と、該弁体に開
   閉される通孔と該通孔に連通するノズルとを有し
   かつ２つのピストンを弁体との当接を介して押下
   げる噴霧ヘツドと、該加圧室を拡大するように２
   つのピストンを上方に押動するスプリングとから
   なり、ポンプ作用により該加圧室内が高圧になる
   と第２ピストンがスプリングの力に抗して下がり
   通孔を開放してノズルから噴霧する噴霧装置にお
   いて、第２シリンダの下方端部に環状のストツパ
   を設けて第２ピストンが操作室を拡大する方向に
   移動する量を規制できるようにし、第１シリンダ
   の上部をその下部より大径部に形成し、ストツパ
   の下部に連続して筒体を設け、該筒体下部がシリ
   ンダの該大径部内を摺動できるようにした噴霧装
   置。 ２ 第１シリンダにおける第１ピストンの上限位
   置より上方に小孔を設け、第１シリンダの大径部
   と筒体と第１と第２のピストンを連結する筒状体
   とにより形成される室の空気を逃がせられるよう
   にした特許請求の範囲第１項に記載した噴霧装
   置。