JPH08141393A - 触媒部材の製造方法 - Google Patents
触媒部材の製造方法Info
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Abstract
層2を製膜することができうる触媒部材の製造方法を提
供する。 【構成】 金属基材1の表面に触媒層2をディップ法に
より製膜して触媒体3を形成し、一対の合成樹脂製歯車
4により波型形状に成形して加熱する。
Description
媒層を形成した触媒部材の製造方法の改良に関するもの
である。
空気と混合し触媒燃焼させる燃焼装置、あるいは自動車
のエンジンなどの燃焼機器から発生した排気ガスを浄化
する触媒コンバータなどの触媒反応を利用した装置に用
いられている。この種の触媒部材として、圧力損失を低
減するためフェライト系ステンレス鋼などの金属基材に
触媒被覆層を形成した波型形状のものが使用されるよう
になった。
の触媒部材の製造方法について以下に図7を用いて説明
する。図7の(a)は、従来の触媒部材をディップ法に
より作ったものの平面図であり、図7の(b)は同じ触
媒部材の側面図である。従来のディップ法では、波型形
状の成形触媒体3’は、図7の(b)に示すように、予
め断面が波型形状に作られた金属基材1と金属基材1の
両面に形成された触媒層2とで構成される。一般的には
金属基材1は、アルミニウムを添加したフェライト系ス
テンレス鋼などからなる厚さ50μmから100μmの
金属薄体である。触媒層2は、例えば触媒担体粉末とし
てセラミック粉末BaO・Al2O3・CeOと、触媒と
しての白金を含む。
説明する。従来の製造方法では、まず、金属薄体を金属
製歯車により所定の波型形状に加工する。すなわち、こ
の加工工程では、所定の大きさの矩形状の金属基材1、
例えば厚さ50μm、30×300mmのFe−Cr−
Al系ステンレス鋼が、金属製歯車により所定の波型形
状に加工される。続いて、金属基材1の両面に触媒層2
を形成する。すなわち、この形成工程では触媒層2を形
成するためのスラリーとして、触媒担体粉末のBaO・
Al2O3・CeO、1000g(比表面積120m2
/g)に触媒金属塩のジニトロソアミン白金の水溶液を
白金換算で4g加えて、さらに結合剤として100gの
ポリエチレングリコールを添加したものを用いる。なお
、この有機結合剤は、スラリーに適当な粘性を与えて触
媒層2の金属基材1の表面に製膜する工程で、上記スラ
リーが金属基材1への付着力を維持させるためのもので
あり、BaO・Al 2O3・CeOの触媒担体粉末の重量
に対して5wt%から10wt%用いられる。上記のよ
うに調整したスラリーをディップ液とし、また金属基材
1を電磁石(図示せず)などにより吊り下げて、例えば
図7の(a)の紙面に向って上から下に金属基材1をス
ラリーの中に所定の時間浸して、触媒層2を金属基材1
の両面に製膜する。続いて、触媒層2を所定の温度で加
熱する。すなわち、この加熱工程では触媒層2に含まれ
る有機結合剤をとばすこと、触媒金属塩を熱分解して活
性触媒金属を担体表面に生成させること、及び触媒層2
の強度の向上のために、例えば電気炉を用いて、金属基
材1と触媒層2とを500℃に加熱する。従来の触媒部
材は、以上のように製造される。
媒部材の製造方法では、金属基材1を波型形状に加工し
た後で、触媒担体粉末を含んだスラリーをディップ液と
したディップ法により触媒層2を金属基材1の両面に製
膜しているので、例えば図7の(a)に示すように、部
分的に所定の厚さより過剰に付着した触媒層11(以
下、過剰付着層11と略称する)が、スラリーの表面張
力により成形触媒体3’の波型形状の谷部のところに生
じる。すなわち、従来の触媒部材の製造方法では、金属
基材1の表面に均一な厚さを有する触媒層2を製膜でき
ないという問題点があった。その結果、触媒燃焼を行な
った場合に、過剰付着層11を含む触媒層2と他の部分
の触媒層2との触媒燃焼の大きさが異なり、触媒層2が
金属基材1より剥離する恐れがあった。さらに、従来の
触媒部材の製造方法では、金属基材1を金属製歯車を用
いて波型形状に加工する。従って、その次のディップ法
による触媒層を形成する工程において、波型形状の1個
の金属基材1毎に電磁石を用いてスラリーに浸す必要が
あり、大量の触媒部材を製造する際に、触媒層を形成す
る工程に多くの時間を要し、大量の触媒部材を短時間で
製造できないという問題点があった。
るためになされたものであり、触媒部材の製造工程を煩
雑なものにすることなく、金属基材の表面に均一な膜厚
の触媒層を有する触媒部材の製造方法を提供することを
目的とする。また、この発明は、金属基材の表面に均一
な膜厚の触媒層を容易に製膜できて、大量の触媒部材を
短時間で製造できる触媒部材の製造方法を提供すること
を目的とする。
媒部材の製造方法は、少なくとも触媒金属塩と触媒担体
粉末とを含んだスラリーをディップ液に用いたディップ
法により実質的に平坦な金属基材の表面に実質的に平坦
な触媒層を製膜する工程と、前記触媒層を有する金属基
材を一対の合成樹脂製歯車のかみ合う歯の間を通して波
型形状に成形する工程と、前記波型形状に成形した金属
基材を所定の温度で加熱する工程と、を具備することを
特徴とする。
造方法は、少なくとも触媒金属塩と触媒担体粉末とを含
んだスラリーをディップ液に用いたディップ法により実
質的に平坦な金属基材の表面に実質的に平坦な触媒層を
製膜する工程と、前記触媒層を有する金属基材を所定の
厚さの柔軟な板状部材で挟んだ後、一対の合成樹脂製歯
車のかみ合う歯の間を通して波型形状に成形する工程
と、前記波型形状に成形した金属基材を所定の温度で加
熱する工程と、を具備することを特徴とする。
造方法は、少なくとも触媒担体粉末を含んだスラリーを
ディップ液に用いたディップ法により実質的に平坦な金
属基材の表面に実質的に平坦な触媒担体層を製膜する工
程と、前記触媒担体層を有する金属基材を一対の合成樹
脂製歯車のかみ合う歯の間を通して波型形状に成形する
工程と、前記波型形状に成形した金属基材を所定の温度
で加熱する工程と、少なくとも触媒金属塩を含んだ水溶
液を前記金属基材の触媒担体層に含浸する工程と、前記
金属基材を所定の温度で加熱する工程と、を具備するこ
とを特徴とする。
造方法は、少なくとも触媒担体粉末を含んだスラリーを
ディップ液に用いたディップ法により実質的に平坦な金
属基材の表面に実質的に平坦な触媒担体層を製膜する工
程と、前記触媒担体層を有する金属基材を所定の厚さの
柔軟な板状部材で挟んだ後、一対の合成樹脂製歯車のか
み合う歯の間を通して波型形状に成形する工程と、前記
波型形状に成形した金属基材を所定の温度で加熱する工
程と、少なくとも触媒金属塩を含んだ水溶液を前記金属
基材の触媒担体層に含浸する工程と、前記金属基材を所
定の温度で加熱する工程と、を具備することを特徴とす
る。
媒部材の製造方法は、前記スラリーが、前記触媒担体粉
末の重量に対して20%以上30%以下の量の有機結合
剤を含むことを特徴とする。
触媒担体粉末とを含んだスラリーをディップ液に用いた
ディップ法により実質的に平坦な金属基材の表面に実質
的に平坦な触媒層を製膜し、触媒層を有する金属基材を
合成樹脂製歯車により波型形状に加工する。このため金
属基材の表面に膜厚の均一な触媒層を有する触媒部材の
製造工程が簡単となる。また、触媒層を実質的に平坦な
金属基材の表面に製膜するので、大きい寸法の金属基材
に一度のディップ法で触媒層を形成することができ、従
って大量の触媒部材を短時間で製造することができる。
塩と触媒担体粉末とを含んだスラリーをディップ液に用
いたディップ法により実質的に平坦な金属基材の表面に
実質的に平坦な触媒層を製膜し、触媒層を柔軟な板状部
材で挟んで合成樹脂製歯車により波型形状に加工する。
このため金属基材の表面に膜厚の均一な触媒層を有する
触媒部材の製造工程が簡単となる。また、触媒層を実質
的に平坦な金属基材の表面に製膜するので、大きい寸法
の金属基材に一度のディップ法で触媒層を形成すること
ができ、従って大量の触媒部材を短時間で製造すること
ができる。
粉末を含んだスラリーをディップ液に用いたディップ法
により実質的に平坦な金属基材の表面に実質的に平坦な
触媒担体層を製膜し、触媒担体層を有する金属基材を合
成樹脂製歯車により波型形状に加工する。そして、少な
くとも触媒金属塩を含んだ水溶液を金属基材の触媒担体
層に含浸する。このため金属基材の表面に膜厚の均一な
触媒層を有する触媒部材の製造工程が簡単となる。
粉末を含んだスラリーをディップ液に用いたディップ法
により実質的に平坦な金属基材の表面に実質的に平坦な
触媒担体層を製膜し、触媒担体層を柔軟な板状部材で挟
んで合成樹脂製歯車により波型形状に加工する。そし
て、少なくとも触媒金属塩を含んだ水溶液を金属基材の
触媒担体層に含浸する。このため金属基材の表面に膜厚
の均一な触媒層を有する触媒部材の製造工程が簡単とな
る。
においては、スラリーが、触媒担体粉末の重量に対して
20%以上30%以下の量の有機結合剤を含むので、触
媒層に亀裂を生じることなく、波型形状に加工すること
ができ、金属基材の表面上に均一な膜厚の触媒層を有す
る触媒部材を製造することができる。
ば気体燃料と空気と混合させて触媒部材により燃焼させ
る燃焼装置の例について、図6を用いて以下に説明す
る。図6は、燃焼装置の一般的な構成を示す断面図であ
る。この燃焼装置は、例えばアイロンあるいは吸入器な
どに用いられるものであり、触媒燃焼で得た熱エネルギ
ーにより水蒸気を発生するものである。図6において、
燃焼装置10は、一端部がろう斗状に形成された直方体
の容器10a内の空間に設けた2つの成形触媒体3’、
3’、熱交換体6及び水気化室7で構成される。また、
燃焼装置10では、例えばイソブタンガスなどの気体燃
料と空気との混合ガス8を容器10aの一端に設けた吸
入口10bから供給し、成形触媒体3’上で混合ガス8
を触媒燃焼させ、その燃焼ガス9を排気口10cから排
出する。尚、混合ガス8は、波型形状に成形された成形
触媒体3’の山部の稜線及び谷部の谷線と平行に容器1
0a内を流れる。また、この燃焼装置10は、図6に示
すように2つの成形触媒体3’、3’がアルミニウムな
どの金属製の熱交換体6の一端の両面とそれぞれ接触し
て容器10a内に配置され、ボルトなどの取付け部材
(図示せず)により容器10aに固定される。そして、
触媒部材3’、3’は、上記触媒燃焼を行うことにより
加熱され、熱交換体6の一端をそこの表面が900℃〜
1000℃となるように加熱する。熱エネルギーは、加
熱された熱交換体6の一端から他端に伝導される。熱交
換体6の他端は、それに接触した水気化室7(加熱対象
物)の表面を100℃〜200℃になるように加熱す
る。その結果、水気化室7の中に満たされた水は水蒸気
となる。
いて以下に説明する。図1の(a)は、本発明の方法に
より製造された触媒部材の平面図であり、図1の(b)
は、同触媒部材の側面図である。図1の(b)におい
て、触媒体3は、金属基材1と、金属基材1の両面にそ
れぞれ所定の膜厚で製膜された触媒層2とで構成され
る。また、成形触媒体3’は、上記燃焼装置などに取付
けられるように触媒体3を波型形状に成形して製造され
る。一般的には金属基材1は、アルミニウムを添加した
フェライト系ステンレスなどからなる厚さ50μmから
100μmの金属薄体である。また、触媒層2は、例え
ば触媒体粉末としてセラミック粉末BaO・Al2O3・
CeOと、触媒としての白金を含む。
製造方法の第1の実施例を以下に説明する。図2の
(a)は、第1の実施例での触媒体を波型形状に成形す
る工程を示す説明図であり、図2の(b)は、上記成形
工程で用いた歯車の拡大図である。本実施例の触媒部材
の製造方法では、まず、金属基材1の両面にディップ法
により触媒層2をそれぞれ所定の膜厚に製膜し、触媒体
3を形成する。すなわち、この形成工程では、金属基材
1として、Cr含量20wt%、Al含量5wt%のF
e−Cr−Al系のステンレス鋼からなる厚さ50μ
m、大きさ30×300mmの矩形状の薄板を用いる。
また、触媒層2を形成するためのスラリーとして、触媒
体粉末のBaO・Al2O3・CeO、1000g(比表
面積120m2/g)に、触媒金属塩のジニトロソアミ
ン白金の水溶液を白金換算で4g加えて、結合剤として
100g、200g、及び300gのポリエチレングリ
コールをそれぞれ添加したものとポリエチレングリコー
ルを全く添加しないものとの4種類のスラリーを用い
た。尚、結合剤には、上記ポリエチレングリコールの代
りにエチレングリコール、あるいはグリセリンポリオレ
フィンなどを用いてもよい。また、本実施例において
は、この有機結合剤は触媒層2の亀裂を防止するための
ものであり、亀裂防止効果を検証するために、上記のよ
うに4種類のスラリーをそれぞれ触媒層2の形成に用い
た。そして、上記のように調整したスラリーをディップ
液とし、また金属基材1を電磁石(図示せず)などによ
り吊り下げて、金属基材1をスラリーの中に所定の時間
浸して、所定の膜厚の触媒層2を金属基材1の両面にデ
ィップ法によりそれぞれ製膜し、触媒体3を形成した。
尚、本実施例では、金属基材1をスラリーに浸した後、
ハンドドライヤーを用いて触媒層2の乾燥を行った。こ
の乾燥温度は60〜120℃が適当である。この形成工
程においては、従来例に示したものと異なり、波型形状
に加工されていない平坦な金属基材1に製膜されるの
で、触媒層2は均一な膜厚で金属基材1に製膜すること
ができる。続いて、触媒体3を一対の歯車4により所定
の波型形状に形成する。この成形工程では、図2の
(a)に示すように、触媒体3を一対の歯車4の間で図
2の(a)の紙面に向って左から右に通す。その結果、
触媒体3は所定の波型形状を有する成形触媒体3’に加
工される。尚、本実施例においては、口径75mmの歯
車4を用い、一対の歯車4の中心間の距離を70mmに
固定して図示しない駆動装置により一対の歯車4を同時
に回転した。
違いによる触媒層2への影響の違いを検証するために、
一対の歯車4には、66ーナイロンで形成された合成樹
脂製歯車と鉄で形成された金属製歯車とを用いて、それ
ぞれ上記成形工程を行なった。さらに、合成樹脂製歯車
と金属製歯車において、表1に示す3種類のモジュール
Mを有する歯車をそれぞれ用いた。尚、周知のように、
表1に示す全歯たけh、及び基準ピッチtは、図2の
(b)の図面にそれぞれ対応する符号h及びtで示され
る寸法であり、これらとモジュールMとの間には以下の
等式(1)の関係がある。
する。すなわち、この加熱工程では、触媒層2に含まれ
る有機結合剤をとばすとともに、触媒金属塩を熱分解し
て触媒担体粉末に活性触媒金属を生成させ、さらに触媒
担体粉末を凝集させて触媒層2の強度の向上するもので
ある。加熱温度は400〜900℃が適当である。この
例では、電気炉を用いて、成形触媒体3’を500℃に
加熱した。触媒部材は、以上の工程により製造される。
次に、歯車の複数の材質と歯車の複数のモジュール及び
スラリー中の有機結合剤の触媒担体粉末に対する複数の
含有率を、種々組合せて、多数のサンプルの成形触媒体
3’を作った。これらのサンプルを目視によりそれぞれ
検証し、目視で触媒層2の剥離が認められないものにつ
いては、さらに走査線電子顕微鏡により触媒層2の表面
を観察した。その各触媒層2の検証結果を表2及び表3
に示す。尚、表2は、一対の歯車4に66ーナイロンで
形成された合成樹脂製歯車を用いた場合の検証結果を示
し、表3は、一対の歯車4に鉄で形成された金属製歯車
を用いた場合の検証結果を示す。
脂製歯車を用いて加工工程を行なった場合は、触媒層2
に亀裂、及び剥離がほとんど生じておらず、金属製歯車
を用いて成形工程を行なった場合に比べて優れているの
がわった。この理由は、触媒体3を加工する際に、金属
製歯車は加工により触媒層2に生じる力を分散すること
ができずに触媒層2に亀裂、あるいは剥離を生じている
のに対して、合成樹脂製歯車は触媒層2に亀裂、あるい
は剥離を生じことなく、加工により触媒層2に生じる力
を分散することができるためと考えられる。また、表2
から明らかなように、触媒体粉末の重量に対して20%
及び30%の量の有機結合剤をスラリーに加えたもの
は、触媒体3を波型形状に加工しても触媒層2に亀裂を
全く生じておらず、有機結合剤が触媒層2の亀裂に対し
て有効に機能していることがわかった。尚、スラリーの
触媒体粉末の重量に対して50%の量の有機結合剤をス
ラリーに添加した場合は、触媒体3の形成工程におい
て、触媒層2の表面を平滑に形成することができなかっ
た。また、亀裂や剥離のある、又は平滑でない表面に仕
上がった触媒層2では、触媒燃焼をした場合に不均一な
触媒燃焼を生じて、触媒層2が金属基材1から剥離する
恐れがある。
れば、実質的に平坦な金属基材1の表面に実質的に平坦
な触媒層2を製膜した触媒体3を形成し、触媒体3を合
成樹脂製歯車により波型形状に加工するので、金属基材
1の表面に均一な膜厚の触媒層2を有する成形触媒体
3’を容易に製造することができる。また、金属基材1
を波型形状に加工する前に、即ち平坦な形のままディッ
プ法により触媒層2を製膜するので、大きい寸法の金属
基材1に一度のディップ法で触媒層2を製膜することが
でき、従って大量の成形触媒体3’を短時間で製造する
ことができる。
部材の製造方法の第2の実施例を以下に説明する。図3
は、第2の実施例での触媒体を波型形状に成形する工程
を示す説明図である。実施例1と同一部分には同一符号
を付して説明を省略する。実施例1との違いは、上記成
形工程において、平坦な触媒体3を柔軟な板状部材5で
挟んで、一対の歯車4により波型形状に加工する点であ
る。すなわち、図3に示すように、実施例1と同様に形
成した平坦な触媒体3の両面を、例えば厚さ0.3mm
の上質紙、あるいは厚さ0.03mmのポリエチレン樹
脂などからなる板状部材5で挟んだまま、触媒体3を一
対の歯車4の間で図3の紙面に向って左から右に通す。
そして、所定の波型形状を有する成形触媒体3’に加工
する。
ル及びスラリー中の有機結合剤の触媒担体粉末に対する
複数の含有率を、実施例1の場合と同様に種々組合せ
て、多数のサンプルの成形触媒体3’を作った。これら
のサンプルを、実施例の場合と同様に、目視及び走査線
電子顕微鏡で検証した。表4は、一対の歯車4に66ー
ナイロンで形成された合成樹脂製歯車を用いた場合の検
証結果を示し、表5は、一対の歯車4に鉄で形成された
金属製歯車を用いた場合の検証結果を示す。尚、板状部
材5としては、厚さ0.3mmの上質紙を用いた。
例1のものに比べて、表4及び表5から明らかなよう
に、板状部材5が一対の歯車4から触媒層2へ加えられ
る圧力を低減しているのがわかる。次に、本実施例の表
4の有機結合剤を30%添加した成形触媒体3’と従来
例に示した成形触媒体3’との燃焼寿命について、図6
に示す燃焼装置を用いた燃焼寿命の検証結果を示す。ま
ず、本実施例による成形触媒体3’では、700時間の
触媒燃焼を続けても触媒層2の剥離は認められなかっ
た。これに対して、従来例に示した成形触媒体3’で
は、300時間の触媒燃焼により上述の過剰付着層11
(図7)の箇所を中心に触媒層2が金属基材1から剥離
していた。このように、本実施例の成形触媒体3’の製
造方法で製造された成形触媒体3’の燃焼寿命は、従来
例のものに比べて非常に優れていることがわかった。
部材の製造方法の第3の実施例を以下に説明する。図4
は、第3の実施例での製造方法の触媒担体を波型形状に
成形する工程を示す説明図である。実施例1と同一部分
には同一符号を付して説明を省略する。実施例1との違
いは、金属基材の表面に実質的に平坦な触媒担体層を製
膜し、合成樹脂製歯車により波型形状に成形した後で、
触媒金属塩の水溶液に浸すことにより触媒担体層に触媒
金属塩を塗着、担持して触媒層を形成したことである。
本実施例の触媒部材の製造方法では、まず、金属基材1
の両面にディップ法により触媒担体層12をそれぞれ所
定の膜厚に製膜し、触媒担体13を形成する。すなわ
ち、この形成工程で、ディップ液として、例えば触媒体
粉末のBaO・Al2O3・CeO、1000g(比表面
積120m2/g)に、ディップ液のpHが4程度にな
るまで硝酸アルミニウム粉末と水とを適宜添加し、さら
に結合剤として300gのポリエチレングリコールを混
合しスラリーを用いた。この形成工程においては、触媒
担体層12が波型形状に加工されていない平坦な金属基
材1に製膜されるので、触媒担体層12は均一な膜厚で
金属基材1に製膜することができる。尚、本実施例で
は、触媒担体層12の乾燥にはハンドドライヤーを用い
て行った。続いて、触媒担体13を一対の歯車4により
所定の波型形状に成形する工程を行なう。この触媒担体
13を波型形状に成形する工程では、図4に示すよう
に、触媒担体13を一対の歯車4の間で図4の紙面に向
って左から右に通す。その結果、触媒担体13は所定の
波型形状に成形される。尚、本実施例においては、一対
の歯車4として口径75mmの合成樹脂製歯車を用い、
一対の歯車4の中心間の距離を70mmに固定して図示
しない駆動装置により一対の歯車4を同時に回転した。
また、一対の歯車4のモジュールは、実施例1の表1に
示した歯車のモジュール、M=0.5のものを用いた。
次に、触媒担体13を所定の温度で加熱する。すなわ
ち、この加熱工程では、触媒担体層12に含まれる有機
結合剤の分解または蒸発させること、及び触媒担体層1
2の強度の向上のために、例えば電気炉を用いて、触媒
担体13を500℃に加熱する。次に、触媒金属塩の水
溶液、例えばジニトロソアミン白金の水溶液をディップ
液に用いて、ディップ法により波型形状の触媒担体13
の表面に含浸させる。その結果、実施例1に示した成形
触媒体3’と同一のものが形成される。続いて、活性触
媒金属を生成させるために、例えば電気炉を用いて、成
形触媒体3’を500℃に加熱する。以上の工程によ
り、成形触媒体3’は製造される。
くとも触媒担体粉末を含んだスラリーをディップ液とし
て用いたディップ法により実質的に平坦な金属基材の表
面に実質的に平坦な触媒担体層を製膜した触媒担体を形
成し、触媒担体を合成樹脂製歯車により波型形状に成形
する。このためスラリーが、触媒担体13の波型形状の
谷部に過剰に付着することがない。そして、少なくとも
触媒金属塩の水溶液をディップ液として用いたディップ
法により触媒担体の表面に触媒を担持させた。このため
金属基材上の膜厚の均一な触媒層を有する触媒部材の製
造を簡単にできる。
部材の製造方法の第4の実施例を以下に説明する。図5
は、第4の実施例での触媒担体を波型形状に成形する工
程を示す説明図である。実施例3と同一部分には同一符
号を付して説明を省略する。実施例3との違いは、触媒
担体13を一対の合成樹脂製歯車により所定の波型形状
に成形する工程において、触媒担体13を柔軟な板状部
材5で挟んで、一対の合成樹脂製歯車により波型形状に
加工することである。すなわち、図5に示すように、実
施例3と同様に形成した触媒担体13の両面を、例えば
厚さ0.3mmの紙で挟んだ後、一対の歯車4の間で図
3の紙面に向って左から右に触媒担体13を通す。そし
て、触媒担体13を所定の波型形状に成形する。
属塩と触媒担体粉末とを含んだスラリーをディップ液に
用いたディップ法により実質的に平坦な金属基材の表面
に実質的に平坦な触媒層を製膜し、触媒層を有する金属
基材を合成樹脂製歯車により波型形状に加工する。この
ため金属基材の表面に膜厚の均一な触媒層を有する触媒
部材の製造工程が簡単となる。また、触媒層を実質的に
平坦な金属基材の表面に製膜するので、大きい寸法の金
属基材に一度のディップ法で触媒層を形成することがで
き、従って大量の触媒部材を短時間で製造することがで
きる。
塩と触媒担体粉末とを含んだスラリーをディップ液に用
いたディップ法により実質的に平坦な金属基材の表面に
実質的に平坦な触媒層を製膜し、触媒層を柔軟な板状部
材で挟んで合成樹脂製歯車により波型形状に加工する。
このため金属基材の表面に膜厚の均一な触媒層を有する
触媒部材の製造工程が簡単となる。また、触媒層を実質
的に平坦な金属基材の表面に製膜するので、大きい寸法
の金属基材に一度のディップ法で触媒層を形成すること
ができ、従って大量の触媒部材を短時間で製造すること
ができる。
粉末を含んだスラリーをディップ液に用いたディップ法
により実質的に平坦な金属基材の表面に実質的に平坦な
触媒担体層を製膜し、触媒担体層を有する金属基材を合
成樹脂製歯車により波型形状に加工する。そして、少な
くとも触媒金属塩を含んだ水溶液を金属基材の触媒担体
層に含浸する。このため金属基材の表面に膜厚の均一な
触媒層を有する触媒部材の製造工程が簡単となる。
粉末を含んだスラリーをディップ液に用いたディップ法
により実質的に平坦な金属基材の表面に実質的に平坦な
触媒担体層を製膜し、触媒担体層を柔軟な板状部材で挟
んで合成樹脂製歯車により波型形状に加工する。そし
て、少なくとも触媒金属塩を含んだ水溶液を金属基材の
触媒担体層に含浸する。このため金属基材の表面に膜厚
の均一な触媒層を有する触媒部材の製造工程が簡単とな
る。
においては、スラリーが、触媒担体粉末の重量に対して
20%以上30%以下の量の有機結合剤を含むので、触
媒層に亀裂を生じることなく、波型形状に加工すること
ができ、金属基材の表面上に均一な膜厚の触媒層を有す
る触媒部材を製造することができる。
面図、及び側面図。
での触媒体を波型形状に成形する工程を示す説明図、及
びこの成形工程で用いた歯車の拡大図。
での触媒体を波型形状に成形する工程を示す説明図。
での触媒担体を波型形状に成形する工程を示す説明図。
での触媒担体を波型形状に成形する工程を示す説明図。
の触媒部材の平面図、及び側面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも触媒金属塩と触媒担体粉末と
を含んだスラリーをディップ液に用いたディップ法によ
り実質的に平坦な金属基材の表面に実質的に平坦な触媒
層を製膜する工程と、 前記触媒層を有する金属基材を一対の合成樹脂製歯車の
かみ合う歯の間を通して波型形状に成形する工程と、 前記波型形状に成形した金属基材を所定の温度で加熱す
る工程と、 を具備する触媒部材の製造方法。 - 【請求項2】 少なくとも触媒金属塩と触媒担体粉末と
を含んだスラリーをディップ液に用いたディップ法によ
り実質的に平坦な金属基材の表面に実質的に平坦な触媒
層を製膜する工程と、 前記触媒層を有する金属基材を所定の厚さの柔軟な板状
部材で挟んだ後、一対の合成樹脂製歯車のかみ合う歯の
間を通して波型形状に成形する工程と、 前記波型形状に成形した金属基材を所定の温度で加熱す
る工程と、 を具備する触媒部材の製造方法。 - 【請求項3】 少なくとも触媒担体粉末を含んだスラリ
ーをディップ液に用いたディップ法により実質的に平坦
な金属基材の表面に実質的に平坦な触媒担体層を製膜す
る工程と、 前記触媒担体層を有する金属基材を一対の合成樹脂製歯
車のかみ合う歯の間を通して波型形状に成形する工程
と、 前記波型形状に成形した金属基材を所定の温度で加熱す
る工程と、 少なくとも触媒金属塩を含んだ水溶液を前記金属基材の
触媒担体層に含浸する工程と、 前記金属基材を所定の温度で加熱する工程と、 を具備する触媒部材の製造方法。 - 【請求項4】 少なくとも触媒担体粉末を含んだスラリ
ーをディップ液に用いたディップ法により実質的に平坦
な金属基材の表面に実質的に平坦な触媒担体層を製膜す
る工程と、 前記触媒担体層を有する金属基材を所定の厚さの柔軟な
板状部材で挟んだ後、一対の合成樹脂製歯車のかみ合う
歯の間を通して波型形状に成形する工程と、 前記波型形状に成形した金属基材を所定の温度で加熱す
る工程と、 少なくとも触媒金属塩を含んだ水溶液を前記金属基材の
触媒担体層に含浸する工程と、 前記金属基材を所定の温度で加熱する工程と、 を具備する触媒部材の製造方法。 - 【請求項5】 前記スラリーが、前記触媒担体粉末の重
量に対して20%以上30%以下の量の有機結合剤を含
む請求項1〜4のいずれかに記載の触媒部材の製造方
法。
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---|---|---|---|
JP28563794A JP3673537B2 (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 触媒部材の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009123363A1 (ja) | 2008-04-04 | 2009-10-08 | 花王株式会社 | フィルム状触媒の製造方法 |
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JPS63190649A (ja) * | 1987-01-30 | 1988-08-08 | Babcock Hitachi Kk | 波形板状触媒の製造装置 |
JPH05154381A (ja) * | 1991-04-26 | 1993-06-22 | Nippon Steel Corp | 排気ガス浄化触媒形成方法 |
-
1994
- 1994-11-18 JP JP28563794A patent/JP3673537B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US8501665B2 (en) | 2008-04-04 | 2013-08-06 | Kao Corporation | Method for manufacturing film catalyst |
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