JPH08141053A - 横型蒸気滅菌器とその運転方法 - Google Patents

横型蒸気滅菌器とその運転方法

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JPH08141053A
JPH08141053A JP6291570A JP29157094A JPH08141053A JP H08141053 A JPH08141053 A JP H08141053A JP 6291570 A JP6291570 A JP 6291570A JP 29157094 A JP29157094 A JP 29157094A JP H08141053 A JPH08141053 A JP H08141053A
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JP
Japan
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water
sterilization container
water supply
valve
sterilization
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JP6291570A
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English (en)
Inventor
Shoichi Watari
昇一 亘
Kenji Takahashi
堅治 高橋
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Chiyoda Manufacturing Corp
Original Assignee
Chiyoda Manufacturing Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 滅菌処理作業中に滅菌行程が途中で中断した
際にも、作業者の安全を図る構造を得る。 【構成】 滅菌容器1の排気管8の途中で、滅菌容器1
の側から順に制御弁37と蒸気トラップ9とを設ける。
滅菌容器1底部の水をヒータ4により加熱した後に滅菌
行程が中断した場合に、制御器38は上記制御弁37を
閉じると共に戻し弁11を開放する。滅菌容器1内の熱
湯が給水タンク5に戻され、滅菌容器1内の圧力が大気
圧になるまでセルフロック装置3の作動により開閉蓋2
の開放を阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る横型蒸気滅菌器と
その運転方法は、病院や各種研究所に於いて、患者用衣
服、或は使用済の手術用具や実験器具等を滅菌処理する
場合に利用する。
【0002】
【従来の技術】病院や各種研究所で使用する患者用衣服
や手術用具、実験器具等は、使用後に付着した細菌やウ
イルスによる感染を防止する為、再使用するのに先立っ
て滅菌処理しなければならない。この為従来から、滅菌
容器内に高温、高圧の水蒸気を充満させ、この滅菌容器
内に収納した被滅菌物を加熱滅菌する蒸気滅菌器が使用
されている。
【0003】図3は、従来から知られた比較的小型の横
型蒸気滅菌器の一例を示している。内部に被滅菌物(図
示せず)を収納する滅菌容器1は、有底筒状で、水平方
向一端(図3の左端)に開口を有する。この開口は開閉
蓋2により密閉自在である。この開閉蓋2には、後述す
るセルフロック装置3を付設している。滅菌容器1の底
部よりも上方位置に設けた給水タンク5の底部には、給
排水管6の一端を接続しており、この給排水管6の他端
を上記滅菌容器1の底部に開口させている。尚、上記給
水タンク5を設ける位置は、上述した様な、滅菌容器1
の底部よりも上方位置には限らない。上記給水タンク5
の底部を上記滅菌容器1の底部より下方に設ける事もで
きる。但し、この給水タンク5内に貯溜する水の水面
は、上記滅菌容器1の底部よりも必ず上方に位置させ
る。又、給排水管6の一端は、図示の様に給水タンク5
の底部に接続する他、この給水タンク5の側面下部(但
し、上記水面よりも下方)に設ける事も可能である。こ
の給排水管6の途中には給水弁7を設けている。給排水
管6の途中で給水弁7と滅菌容器1との間部分には戻し
管10の一端を接続し、この戻し管10の他端を給水タ
ンク5の上部で、この給水タンク5内の水の水面よりも
上方に開口させている。この戻し管10の途中には戻し
弁11を設けている。そして、上記給水弁7を開放する
事により、上記給水タンク5内の水を滅菌容器1に、重
力落下により供給自在としている。又、上記滅菌容器1
内の底部には通電に基づいて発熱するヒータ4を設け、
このヒータ4により、上記給水タンク5から滅菌容器1
内に供給された水を加熱蒸発自在としている。
【0004】又、この滅菌容器1には排気管8の一端を
開口させ、この排気管8の他端(図3の右端)を上記給
水タンク5の上部で、この給水タンク5内の水の水面よ
りも上方に開口している。この排気管8の途中には蒸気
トラップ9を設けている。この蒸気トラップ9は、通過
気体の温度が所定温度である100℃近くに達しない場
合には流路を開いてこの気体の通過を許容し、この気体
の温度が所定温度である100℃近くに達した以後は流
路を閉じて、この気体の通過を阻止する。
【0005】上述の様に構成される横型蒸気滅菌器によ
り滅菌処理を行なう場合、先ず、上記滅菌容器1内に被
滅菌物を収納した後、戻し弁11を閉じた状態で給水弁
7を開放し、上記給水タンク5の水を滅菌容器1の底部
に所定量送り込む。所定量の送り込みは、図示しない水
位計により検出する。そして、戻し弁11を閉じたまま
この給水弁7を閉じた後、上記ヒータ4に通電して、上
記滅菌容器1底部の水を加熱し、滅菌用の水蒸気を発生
させる。
【0006】水蒸気1モルの重量は18g、空気1モル
の重量は29gであり水蒸気の比重は空気より小さい。
従って、発生した水蒸気は滅菌容器1の上部に溜り、下
部には空気が押し下げられる。この為、上記蒸気トラッ
プ9により滅菌容器1内に存在する空気が、排気管8を
通じて排出される。従って、水蒸気発生を継続させる
と、滅菌容器1内には高温の水蒸気のみが残る。上記蒸
気トラップ9を通じての気体(空気)排出は、滅菌容器
1内の温度上昇後、言い換えれば排気管8を通じて排出
される気体の殆ど総てが水蒸気になって、この気体の温
度が100℃近くに達した時点で停止される。水蒸気発
生はその後も継続するので、上記滅菌容器1内の温度及
び圧力は、100℃、1気圧を越えて上昇する。滅菌容
器1内に収納された被滅菌物は、この高温、高圧の水蒸
気により所定時間滅菌される。
【0007】この様な滅菌処理を行なった後に滅菌容器
1内に残溜している水は、給水弁7を閉じた状態で、上
記戻し弁11を開放する事により、滅菌容器1内の圧力
に基づいて、給水タンク5に回収する。この結果、滅菌
容器1内の温度並びに圧力が低下するので、開閉蓋2を
開放し、被滅菌物を取り出す。
【0008】この様な横型蒸気滅菌器は、作業者の安全
を図る為のセルフロック装置を備えている。即ち、滅菌
処理作業中に作業者が過って滅菌容器1の開閉蓋2を開
くと、滅菌用の高温の水蒸気の吹き出しにより、作業者
が火傷を負う危険がある。この為、滅菌処理中にはセル
フロック装置の作動により開閉蓋2を開放できなくす
る。図4〜5は、主に上述した様な小型の横型蒸気滅菌
器に備えられているセルフロック装置を示している。以
下、この従来の第1例のセルフロック装置の構造及び作
用に就いて説明する。滅菌容器1の外周面左右反対位置
に1対の支持ブラケット15a、15bを固定し、一方
(図4〜5の左方)の支持ブラケット15aに腕体16
の基端部を枢支している。上記腕体16はその中間部内
側面(図5の上面)に開閉蓋2を支持している。この開
閉蓋2は、上記滅菌容器1の開口を塞ぐ大きさを有し、
この開口の周縁部に対向する位置に環状のパッキング3
9を設けている。従って、滅菌容器1はこのパッキング
39を設けた開閉蓋2により上記開口を密閉自在であ
る。
【0009】又、上記腕体16の片半部内側には、この
腕体16の先端面(図4〜5の右端面)に開口するシリ
ンダ孔18を設けると共に、このシリンダ孔18内にロ
ックピン20を挿入している。このロックピン20には
圧縮ばね19により、その先端部20aがシリンダ孔1
8から突出する方向の弾力を付与している。このロック
ピン20の中間部には上記腕体16の通孔40から前面
(図5の下面)に突出する把手24を設けている。又、
このロックピン20の先端部20aは鉤形に形成してい
る。
【0010】又、他方(図4〜5の右方)の支持ブラケ
ット15bには、係止具21を固定している。この係止
具21は、上記ロックピン20を挿入自在な通孔22を
有する。そしてこの通孔22の中間部に、上記ロックピ
ン20の先端部20aと係合自在な段部23を形成して
いる。
【0011】上述の様に構成される横型蒸気滅菌器のセ
ルフロック装置は、次の様に機能する。図5で示す様に
開閉蓋2が閉じられている状態では、ロックピン20の
先端部20aと係止具21の段部23とが係合する。こ
の為、開閉蓋2を開ける際には、上記把手24を滅菌容
器1の開口部側(図5の上側)に押す事により、ロック
ピン20の先端部20aと係止具21の段部23との係
合を外しつつ、圧縮ばね19の弾力に抗して上記ロック
ピン20を上記シリンダ孔18内に引き込む(図5で左
行させる)。これにより、開閉蓋2を固定した腕体16
が回動可能となり、この開閉蓋2を開ける事ができる。
尚、把手24を開口部側に押す際に開閉蓋2は、上記パ
ッキング39の弾性変形分だけ押される。
【0012】滅菌処理中には、滅菌容器1内の圧力は大
気圧よりも上昇している。従って、滅菌処理中に開閉蓋
2を開けるべく上記把手24を押す事ができず、上記ロ
ックピン20と係止具21との係合を外す事ができな
い。この結果、滅菌処理中に作業者が過って開閉蓋2を
開ける事を防止し、火傷等の危険を回避できる。
【0013】尚、セルフロック装置としては、上述した
従来の第1例の構造とは異なる構造のものも存在する。
例えば、図6〜8は、比較的大型の横型蒸気滅菌器とこ
れに付設されたセルフロック装置とを示している。25
は被滅菌物を収納した状態で高温、高圧の水蒸気を充満
自在な、高耐圧性の滅菌容器で、この滅菌容器25の開
口部には開閉蓋であるドア26を設けている。このドア
26は、ハンドル27の操作により開閉自在である。即
ち、上記ドア26を閉鎖する際には、滅菌容器25の開
口部を塞ぐ様にドア26を回動させ、更に軸28の先端
部に係合したハンドル27によりハブ29を回転させ
る。そして、このハブ29の外周部分に支持されている
ロッド30、30の先端部を上記滅菌容器25の開口周
辺部に、その全周に亙って設けた係止溝31、31に係
合させる。これにより、ドア26は滅菌容器25の前面
に押し付けられ、滅菌容器25内外の気密を保持した状
態で上記開口部を閉鎖する。
【0014】又、ドア26を開放する際には、上記閉鎖
時とは逆方向にハンドル27を回し、上記ロッド30、
30を係止溝31、31から抜き出す。この様な大型の
滅菌容器25に備えている従来の第2例のセルフロック
装置は、図7〜8に示す様に、ハンドル27と同心に固
定されたラチェット歯32と、このラチェット歯32と
の係合時に上記ハンドル27の開放方向への回転を阻止
するラチェット爪33と、ソケット34とから構成され
ている。このソケット34の内部にはベローズ(図示せ
ず)を設けている。35は伝達ロッドで、滅菌容器25
内の圧力を導入して伸長する上記ベローズの動きを上記
ラチェット爪33に伝える。
【0015】被滅菌物の滅菌処理中で滅菌容器25内に
高圧の水蒸気が充満している状態に於いては、滅菌容器
25内の圧力は、管36を通じてソケット34内に導入
される。従って、上記ソケット34内のベローズが伸長
し、このベローズの先端部に固定の伝達ロッド35が上
昇する。この結果、上記ラチェット爪33も上方に回動
し、このラチェット爪33の先端とラチェット歯32と
が係合する。この為、ラチェット歯32を固定している
ハンドル27を開放方向に回転させられなくなり、ドア
26が開けられなくなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前述の様なセルフロッ
ク装置を備えた横型蒸気滅菌器による滅菌処理作業中
に、例えば停電や何らかのエラーにより滅菌行程が中断
した場合、次の様な問題を生じる。即ち、従来の第1例
の構造に於いては、滅菌容器1内に供給した水を加熱し
た状態で滅菌行程が中断した場合、滅菌容器1内に未だ
ヒータ4により加熱された水(以下、『熱湯』とす
る。)が残溜する。そして、熱湯の温度が例えば80〜
90℃の場合にはセルフロック装置は作動しない為、滅
菌容器1の開閉蓋2は開放可能である。即ち、前述した
様に、蒸気トラップ9(図3)は、滅菌容器1内の温度
が100℃近くに達し、この滅菌容器1内が水蒸気で満
たされた(空気が排出された)場合に初めて閉じられ
る。従って、熱湯の温度が80〜90℃程度の場合、滅
菌容器1内は未だ排気管8を通じて大気に開放されてい
る。この結果、滅菌容器1内の圧力はほぼ大気圧のまま
で、セルフロック装置は機能しない。従って、この状態
で作業者が不用意に滅菌容器1の開閉蓋2を開けると、
この作業者が熱湯により火傷を負う恐れがある。
【0017】又、滅菌容器1中に熱湯が残溜している状
態で、不用意に開閉蓋2を開けない場合でも、熱湯の温
度が低下するまで待たなければならない為、待機時間が
長くなり時間の無駄である。即ち、一度滅菌作業が中断
した場合には、最初から作業をやり直さなければならな
い。この場合に停電等の中断要因が解消した後も、滅菌
容器1内に残溜した熱湯の温度が十分に低下するのを待
つ必要がある為、上述の様な時間の無駄が発生する。こ
の様な不都合は、上述した第2例のセルフロック装置に
もあてはまる。
【0018】本発明の横型蒸気滅菌器は上述の様な不都
合を何れも解消すべく発明したものである。
【0019】
【課題を解決する為の手段】本発明の横型蒸気滅菌器
は、前述した従来装置と同様に、有底筒状で水平方向一
端に開口を有する滅菌容器と、この滅菌容器の開口を密
閉自在な開閉蓋と、上記滅菌容器内に給排する水を、少
なくともその水面を滅菌容器の底部よりも上方に位置さ
せた状態で貯溜する給水タンクと、この給水タンクの下
部にその一端を、上記滅菌容器の底部にその他端を、そ
れぞれ連通させた給排水管と、この給排水管の途中に設
けられた給水弁と、上記給排水管の途中でこの給水弁と
上記滅菌容器との間部分にその一端を、上記給水タンク
内で上記水面よりも上方位置にその他端を、それぞれ通
じさせた戻し管と、この戻し管の途中に設けられた戻し
弁と、上記滅菌容器の底部に設けられ、上記給水タンク
から給排水管を通じて供給された水を加熱蒸発させるヒ
ータと、上記滅菌容器の一部で、この滅菌容器内に供給
された水の水面よりも少しだけ上方位置にその一端を接
続し、その他端を大気に開放した排気管と、この排気管
の途中に直列に接続された蒸気トラップと、上記給水弁
及びヒータを制御する制御器と、上記滅菌容器内の圧力
上昇に基づいて上記開閉蓋の開放を不能にするセルフロ
ック装置とを備えている。
【0020】特に、本発明の横型蒸気滅菌器に於いて
は、上記排気管の途中に上記蒸気トラップと直列に設け
られた制御弁を備えている。そして、上記ヒータへの通
電に基づき、容器底部の水を加熱した後に滅菌行程が中
断した場合に、上記制御器は、上記制御弁を閉じると共
に、上記戻し弁を上記滅菌容器の底部と上記給水タンク
とを連通させる状態に切り換える。
【0021】又、本発明の横型蒸気滅菌器の運転方法
は、有底筒状で水平方向一端に開口を有する滅菌容器
と、この滅菌容器の開口を密閉自在な開閉蓋と、上記滅
菌容器内に給排する水を、少なくともその水面を滅菌容
器の底部よりも上方に位置させた状態で貯溜する給水タ
ンクと、この給水タンクの下部にその一端を、上記滅菌
容器の底部にその他端を、それぞれ連通させた給排水管
と、この給排水管の途中に設けられた給水弁と、上記滅
菌容器の底部に設けられ、上記給水タンクから給排水管
を通じて供給された水を加熱蒸発させるヒータと、上記
滅菌容器の一部で、この滅菌容器内に供給された水の水
面よりも少しだけ上方位置にその一端を接続し、その他
端を大気に開放した排気管と、この排気管の途中に直列
に接続された、所定温度以上の気体の通過を阻止する蒸
気トラップ手段並びに制御弁と、上記給水弁及びヒータ
を制御する制御器と、上記滅菌容器内の圧力上昇に基づ
いて上記開閉蓋の開放を不能にするセルフロック装置
と、上記給排水管の途中で上記給水弁と上記滅菌容器と
の間部分にその一端を、上記給水タンク内で、貯溜され
た水の水面よりも上方位置にその他端を、それぞれ通じ
させた戻し管と、この戻し管の途中に設けられた戻し弁
とを備えた横型蒸気滅菌器の運転方法に関する。
【0022】この様な本発明の横型蒸気滅菌器の運転方
法の場合、ヒータへの通電に基づき滅菌容器底部の水を
加熱した後に滅菌行程が中断した場合に、制御器は、制
御弁を閉じると共に、戻し弁を滅菌容器の底部と給水タ
ンクとを連通させる状態に切り換える。そして、上記滅
菌容器内の圧力上昇によりこの滅菌容器底部の水を上記
給水タンクに押し戻し、この滅菌容器内の圧力を大気圧
とする事でセルフロック装置を非作動状態とする事によ
り、上記開閉蓋を開放可能にする。
【0023】
【作用】上述の様に構成される本発明の横型蒸気滅菌器
とその運転方法により、滅菌容器内に収納した被滅菌物
の滅菌処理を行なう際の作用自体は、前述した従来の横
型蒸気滅菌器の場合と同様である。特に、本発明の横型
蒸気滅菌器の場合、排気管の途中に制御弁を設け、滅菌
容器底部の水を加熱した後に滅菌行程が中断した場合に
制御器により、この制御弁を閉じる。又、給水弁を、滅
菌容器と給水タンクとを連通させる状態に切り換える。
そして、滅菌容器内に熱湯が存在している間は、この熱
湯による温度上昇とこの熱湯から発生する水蒸気により
滅菌容器内の圧力が上昇する。この為、滅菌行程の中断
により滅菌容器内に熱湯が残溜しても、戻し弁の開放に
よりこの熱湯は、給水タンクに回収される。又、滅菌容
器内の圧力上昇に伴ってセルフロック装置が作動し、作
業者が過って蓋を開ける事もなくなる。
【0024】
【実施例】図1は本発明の横型蒸気滅菌器の第一実施例
を示している。尚、本発明の横型蒸気滅菌器の基本的な
構成及び作用は、前述した従来構造(図3)と同様であ
る。従って、同等部分には同一符号を付して重複する説
明を省略若しくは簡略にし、以下本発明の特徴部分を中
心に説明する。
【0025】滅菌容器1の開口を塞ぐ開閉蓋2には、前
述したセルフロック装置3を設けている。排気管8の途
中には、滅菌容器1の側から順に、制御弁37と、蒸気
トラップ9とを、互いに直列に設けている。又、給水弁
7及びヒータ4を制御すべく制御器38を設けている。
更にこの制御器38は、ヒータ4への通電に基づき滅菌
容器1の底部の水を加熱した後に滅菌行程が中断した場
合に、上記制御弁37を閉じると共に、上記戻し弁11
を上記滅菌容器1の底部と上記給水タンク5とを連通さ
せる状態に切り換える。この様な構成を有する本発明の
横型蒸気滅菌器の作用は、以下の通りである。尚、以下
の説明は、滅菌容器1の底部に供給した水をヒータ4へ
の通電により、例えば80〜90℃程度に加熱した後、
滅菌行程が停電等により中断した場合を例に行なってい
る。
【0026】熱湯が滅菌容器1内に残溜した状態で滅菌
行程が中断すると、先ず制御器38の信号により(或は
停電に伴う信号の中断により)上記制御弁37を、それ
までの開放状態から閉鎖状態に切り換えると共に、戻し
弁11を、それまでの閉鎖状態から上記滅菌容器1の底
部と上記給水タンク5とを連通させる開放状態に切り換
える。この際、上記給水弁7は閉鎖状態にある。そし
て、上記滅菌容器1内の熱湯を戻し管10を通じて給水
タンク5に押し出す。即ち、前述した様に滅菌行程が途
中で中断し、滅菌容器1内に80〜90℃の熱湯が残溜
している場合、そのままでは上記セルフロック装置3は
作動しない。従って、この状態で作業者が不用意に開閉
蓋2を開けると、滅菌容器1の開口から溢れ出た熱湯に
より、作業者が火傷を負う恐れがある。この為、滅菌行
程の中断時には制御弁37を閉じる事で、滅菌容器1内
の空気を熱湯の水蒸気で暖めると共に、この空気及び熱
湯表面から発生した水蒸気が排出されるのを阻止する。
この結果、上記滅菌容器1内の圧力が上昇し、大気圧よ
りも十分に高くなり、セルフロック装置3が作動状態と
なる。この様な作動状態では、滅菌容器1の開閉蓋2を
開ける事ができない為、火傷を負う様な危険を防止でき
る。
【0027】又、上記滅菌容器1内の熱湯は、上記戻し
弁11の開放により、上記制御弁37の閉鎖に伴って上
昇した滅菌容器1内の圧力により、戻し管10を通じて
給水タンク5内に押し戻される。この様に滅菌容器1内
の熱湯が給水タンク5内に押し戻されるのに伴い、滅菌
容器1内及び戻し管10内が大気開放状態となる。この
為、上記セルフロック装置3は非作動状態(解除)とな
り、開閉蓋2が開放可能となって、滅菌容器1内に熱湯
が存在しない安全な状態で開閉蓋2を開ける事ができ
る。尚、セルフロック装置3としては、前記図4〜5に
示した構造及び図6〜8に示した構造の他、各種構造を
採用できる。
【0028】尚、請求項2に記載した様に制御弁37
に、所定温度(例えば100℃)以上の気体の通過を阻
止する蒸気トラップの機能を付加する事もできる。従っ
て、排気管8の途中に、上記制御弁37と蒸気トラップ
9とを直列に設ける代わりに、上述した様な、蒸気トラ
ップ9と同等の機能を持たせた制御弁を設けても良い。
何れにせよ、排気管8の途中には上記蒸気トラップ手
段、即ち、上記蒸気トラップ9或は制御弁に組み込んだ
蒸気トラップ9と同等の機能を有する構造が設けられ
る。
【0029】又、請求項3に記載した様に上記制御弁3
7を、通電時にのみ流路を開くノーマルクローズ型の開
閉弁とする事もできる。制御弁37をノーマルクローズ
型とすれば、停電により滅菌行程が途中で中断した場合
に通電停止に基づいて流路を閉じ、滅菌容器1内の圧力
を上昇させる事を確実に行なえる。
【0030】又、請求項4に記載した様に上記戻し弁1
1を、停電により滅菌行程が中断した場合に滅菌容器1
の底部と給水タンク5とを連通させるべく、通電停止に
基づいて流路を開く、ノーマルオープン型の弁とする事
もできる。勿論、この様なノーマルオープン型の戻し弁
11を設けると共に、排気管8には前記ノーマルクロー
ズ型の制御弁37を設ける様に構成する事もできる。
【0031】次に、図2は請求項5に対応する、本発明
の横型蒸気滅菌器の第二実施例を示している。本実施例
では、上述の第一実施例で説明した給水弁7と戻し弁1
1とを単一の三方弁41に置き換え、この三方弁41
を、給排水管6と戻し管10との分岐部に設けている。
この様に構成される横型蒸気滅菌器により被滅菌物の滅
菌処理を行なう場合、先ず、被滅菌物を収納した後、制
御弁37を閉じた状態で三方弁41の給水側を開放し、
給排水管6を通じ給水タンク5から所定量の水を上記滅
菌容器1内に送り込む。次いで、ヒータ4への通電によ
りこの水を加熱し、水蒸気を発生させる。そして、上記
制御弁37を開放し三方弁41の全ての流路を閉じた状
態で、高温の水蒸気により被滅菌物の滅菌処理を所定時
間行なう。
【0032】そして、滅菌行程が途中で(滅菌容器1内
に熱湯が残溜する状態で)中断した場合には、上記制御
弁37を閉じると共に、上記三方弁41の排出側流路を
開放(滅菌容器1の底部と戻し管10とを連通)する。
これにより、滅菌容器1内に残溜している熱湯は、滅菌
容器1の圧力上昇により給排水管6及び戻し管10を通
じて、給水タンク5に押し戻される。その他の構成及び
作用は、上述の第一実施例の場合と同様である。
【0033】
【発明の効果】本発明の横型蒸気滅菌器とその運転方法
は、以上の様に構成され作用する為、被滅菌物の滅菌処
理の途中で滅菌行程が中断しても、残溜している熱湯が
回収されるまでセルフロック装置を作動させ、作業者が
不用意に滅菌容器の開閉蓋を開けて火傷を負う危険を回
避する事ができる。又、熱湯が冷めるまで待機する事も
ない。従って、中断の原因が解消した後、直ちに滅菌作
業を再開でき、滅菌作業の能率向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す略縦断面図。
【図2】同第二実施例を示す略縦断面図。
【図3】従来の横型蒸気滅菌器の一例を示す略縦断面
図。
【図4】第1例のセルフロック装置を備えた横型蒸気滅
菌器を示す正面図。
【図5】図4のA−A断面図。
【図6】第2例のセルフロック装置を備えた横型蒸気滅
菌器を示す斜視図。
【図7】図6のB−B断面図。
【図8】第2例のセルフロック装置を示す透視図。
【符号の説明】
1 滅菌容器 2 開閉蓋 3 セルフロック装置 4 ヒータ 5 給水タンク 6 給排水管 7 給水弁 8 排気管 9 蒸気トラップ 10 戻し管 11 戻し弁 15a、15b 支持ブラケット 16 腕体 18 シリンダ孔 19 圧縮ばね 20 ロックピン 20a 先端部 21 係止具 22 通孔 23 段部 24 把手 25 滅菌容器 26 ドア 27 ハンドル 28 軸 29 ハブ 30 ロッド 31 係止溝 32 ラチェット歯 33 ラチェット爪 34 ソケット 35 伝達ロッド 36 管 37 制御弁 38 制御器 39 パッキング 40 通孔 41 三方弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底筒状で水平方向一端に開口を有する
    滅菌容器と、この滅菌容器の開口を密閉自在な開閉蓋
    と、上記滅菌容器内に給排する水を、少なくともその水
    面を滅菌容器の底部よりも上方に位置させた状態で貯溜
    する給水タンクと、この給水タンクの下部にその一端
    を、上記滅菌容器の底部にその他端を、それぞれ連通さ
    せた給排水管と、この給排水管の途中に設けられた給水
    弁と、上記給排水管の途中でこの給水弁と上記滅菌容器
    との間部分にその一端を、上記給水タンク内で上記水面
    よりも上方位置にその他端を、それぞれ通じさせた戻し
    管と、この戻し管の途中に設けられた戻し弁と、上記滅
    菌容器の底部に設けられ、上記給水タンクから給排水管
    を通じて供給された水を加熱蒸発させるヒータと、上記
    滅菌容器の一部で、この滅菌容器内に供給された水の水
    面よりも少しだけ上方位置にその一端を接続し、その他
    端を大気に開放した排気管と、この排気管の途中に直列
    に接続された蒸気トラップと、上記給水弁及びヒータを
    制御する制御器と、上記滅菌容器内の圧力上昇に基づい
    て上記開閉蓋の開放を不能にするセルフロック装置とを
    備えた横型蒸気滅菌器に於いて、上記排気管の途中に上
    記蒸気トラップと直列に設けられた制御弁を備え、上記
    ヒータへの通電に基づき、滅菌容器底部の水を加熱した
    後に滅菌行程が中断した場合に、上記制御器は、上記制
    御弁を閉じると共に、上記戻し弁を上記滅菌容器の底部
    と上記給水タンクとを連通させる状態に切り換える事を
    特徴とする横型蒸気滅菌器。
  2. 【請求項2】 蒸気トラップを省略するのに代えて、制
    御弁を、所定温度以上の気体の通過を阻止する機能を有
    するものとした、請求項1に記載した横型蒸気滅菌器。
  3. 【請求項3】 制御弁が、通電時にのみ流路を開くノー
    マルクローズ型の開閉弁であり、滅菌行程が中断した場
    合にこの制御弁は、通電停止に基づいて流路を閉じる、
    請求項1に記載した横型蒸気滅菌器。
  4. 【請求項4】 戻し弁が、通電時にのみ滅菌容器の底部
    と給水タンクとを遮断するノーマルオープン型の弁であ
    り、滅菌行程が中断した場合にこの戻し弁は、通電停止
    に基づいて滅菌容器の底部と給水タンクとを連通させ
    る、請求項1〜3の何れかに記載した横型蒸気滅菌器。
  5. 【請求項5】 給水弁と戻し弁とが単一の三方弁に組み
    合わされており、この三方弁は非通電時に滅菌容器の底
    部と戻し管とを連通させる、請求項1〜3に記載した横
    型蒸気滅菌器。
  6. 【請求項6】 有底筒状で水平方向一端に開口を有する
    滅菌容器と、この滅菌容器の開口を密閉自在な開閉蓋
    と、上記滅菌容器内に給排する水を、少なくともその水
    面を滅菌容器の底部よりも上方に位置させた状態で貯溜
    する給水タンクと、この給水タンクの下部にその一端
    を、上記滅菌容器の底部にその他端を、それぞれ連通さ
    せた給排水管と、この給排水管の途中に設けられた給水
    弁と、上記滅菌容器の底部に設けられ、上記給水タンク
    から給排水管を通じて供給された水を加熱蒸発させるヒ
    ータと、上記滅菌容器の一部で、この滅菌容器内に供給
    された水の水面よりも少しだけ上方位置にその一端を接
    続し、その他端を大気に開放した排気管と、この排気管
    の途中に直列に接続された、所定温度以上の気体の通過
    を阻止する蒸気トラップ手段並びに制御弁と、上記給水
    弁及びヒータを制御する制御器と、上記滅菌容器内の圧
    力上昇に基づいて上記開閉蓋の開放を不能にするセルフ
    ロック装置と、上記給排水管の途中で上記給水弁と上記
    滅菌容器との間部分にその一端を、上記給水タンク内
    で、貯溜された水の水面よりも上方位置にその他端を、
    それぞれ通じさせた戻し管と、この戻し管の途中に設け
    られた戻し弁とを備えた横型蒸気滅菌器の運転方法であ
    って、上記ヒータへの通電に基づき滅菌容器底部の水を
    加熱した後に滅菌行程が中断した場合に、上記制御器
    は、上記制御弁を閉じると共に、上記戻し弁を上記滅菌
    容器の底部と上記給水タンクとを連通させる状態に切り
    換え、上記滅菌容器内の圧力上昇によりこの滅菌容器底
    部の水を上記給水タンクに押し戻し、この滅菌容器内の
    圧力を大気圧とする事で上記セルフロック装置を非作動
    状態とする事により、上記開閉蓋を開放可能にする、横
    型蒸気滅菌器の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012040183A (ja) * 2010-08-19 2012-03-01 Takazono Technology Inc 蒸気滅菌器および蒸気滅菌器の制御方法

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