JPH081373U

JPH081373U - エアバッグシステムにおける警告装置

Info

Publication number: JPH081373U
Application number: JP137096U
Authority: JP
Inventors: 弘之齊藤
Original assignee: センサー・テクノロジー株式会社
Priority date: 1996-02-08
Filing date: 1996-02-08
Publication date: 1996-09-13

Abstract

(57)【要約】【課題】エアバッグシステムにおいて、助手席等の乗
員の姿勢や状態を検知して乗員に不安全な状態を警告
し、それによって乗員に安全な姿勢を保たせる様にした
警告装置を提供する。【解決手段】車両急減速時にシート（１）の前方に設
けられたエアバッグ収納部（３）から前記エアバッグを
膨出させるエアバッグシステムにおける警告装置（２
１）であって、該警告装置は、運転席以外のシート
（１）に対応するエアバッグ収納部（３）近傍における
エアバッグ展開時の危険範囲に位置する乗員の有無を検
知する乗員検知手段（６）と、前記シートに着座した乗
員（１１）の姿勢が左右いずれかに傾いたエアバッグに
対して不適正領域にあることを検知する姿勢検知手段
（７ａ，７ｂ）と、警告手段（８）とを有し、前記乗員
検知手段（６）により前記危険範囲に位置する乗員（１
０）の有を検知した場合或いは前記姿勢検知手段（７
ａ，７ｂ）により乗員（１１）の姿勢の傾きが不適正領
域にあることを検知した場合に前記警告手段（８）が警
告を発する様にした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、自動車の乗員を保護するエアバッグシステムに用いられる警告装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、自動車の衝突に対する安全装置としてエアバッグシステムが用いられている。このエアバッグシステムは、ハンドルやインストルメントパネルに取り付けられたエアバッグが車両急減速時（衝突時）にガス発生器から供給されるガスにより風船の様に膨らみながら飛びだし、ハンドル等と人間との間の緩衝材となって乗員を保護するものであり、当初は運転席側のみが対象とされていたが、その後助手席側も対象とされる様になってきている。しかし、助手席においてエアバッグシステムを使用する場合、エアバッグ設置位置から乗員まで距離があるため、その乗員の姿勢が左右に傾いて不適正領域にいるとエアバッグで乗員を適切に受け止めることができない場合があり、又、助手席の前に子供が立っていたり助手席乗員がインストルメントパネルにもたれ掛かっている場合等（以下単にスタンディングチャイルドと称する）のエアバッグ収納部近傍（危険領域）に乗員が位置する場合には、展開したエアバッグ自体が乗員に危害を与えるおそれがある。このために、例えば実開平２─１４７３５７号公報にはスタンディングチャイルド時にはエアバッグを不動作とするエアバッグ装置が開示されている。その他、助手席に乗員が不在の場合にはエアバッグの作動をキャンセルするシステムや、助手席の乗員の位置でエアバッグの展開位置を変える方式等が提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述の方法では、スタンディングチャイルド時等にはエアバッグを不動作とするための禁止回路が設けられている。しかし、このように禁止回路を設けることは、その禁止回路の破損、誤動作等により肝心の衝突時にエアバッグが不動作となる可能性を本来的に内包することとなる。又、乗員の姿勢が左右に傾いてエアバッグ展開に対して不適正な領域にいる場合には対処することができない。同時にスタンディングチャイルド時にはエアバッグが不作動状態にある旨を警告する手段もなかったので、乗員はエアバッグ装置が正常に作動するものと思い込んで不安全な状態を維持し続けることになる。

【０００４】本考案は、従来の技術の有するかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エアバッグシステムにおいて、助手席等の乗員の姿勢や状態を検知して乗員に不安全な状態を警告し、それによって乗員に安全な姿勢を保たせる様にした警告装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために本考案は、車両急減速時にシートの前方に設けられたエアバッグ収納部から前記エアバッグを膨出させるエアバッグシステムにおける警告装置であって、該警告装置は、運転席以外のシートに対応するエアバッグ収納部近傍におけるエアバッグ展開時の危険範囲に位置する乗員の有無を検知する乗員検知手段と、前記シートに着座した乗員の姿勢が左右いずれかに傾いたエアバッグに対して不適正領域にあることを検知する姿勢検知手段と、警告手段とを有し、前記乗員検知手段により前記危険範囲に位置する乗員の有を検知した場合或いは前記姿勢検知手段により乗員の姿勢の傾きが不適正領域にあることを検知した場合に、前記警告手段が警告を発する様にしたものである。

【０００６】このような警告装置が作動すると、車両が所定速度以上で走行中に、助手席等のエアバッグ収納部近傍の危険位置に乗員が位置していると乗員検知手段でこれを検知し、或いは乗員の姿勢が左右に傾いてエアバッグに対して不適正領域にいると姿勢検知手段によりこれを検知し、ブザーや表示灯などの警告手段により乗員に警告を発する。この結果、乗員を常に安全な姿勢を保たせることができる。従って、エアバッグの展開時にスタンディングチャイルド状態となることを防止すると共に、エアバッグによる乗員保護の効果が十分に得られる様にすることができる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図１は本考案のエアバッグシステムにおける警告装置の助手席近傍の構成を示す側面図、図２は同正面図、図３は本考案のエアバッグシステムにおける警告装置のブロック図である。

【０００８】図１において、１２はフロントガラスであり、助手席のシート１の前方のインストルメントパネル２の背面にはエアバッグ収納部３が設けられ、内部にエアバッグ装置４が収納され蓋体５で覆われている。シート１とインストルメントパネル２との間には若干のスペースがあり子供乗員１０が立てる程度となっている。更にインストルメントパネル２の裏側には警告装置２１の制御回路９が設置されており、乗員検知手段である乗員検出センサ６はインストルメントパネル２の前記エアバッグ収納部３の下方部分に埋め込まれ、姿勢検知手段である左傾検出センサ７ａ及び右傾検出センサ７ｂは乗員検出センサ６と同様にインストルメントパネル２の前記エアバッグ収納部３の下方部分或いはシート１の内部に埋め込まれており、更にその下方には警告手段であるブザー８が取り付けられている。乗員検出センサ６、左傾検出センサ７ａ、右傾検出センサ７ｂは焦電型赤外線センサで構成され、センサを頂点とする円錐形の検出領域Ａ、Ｂを持っている。乗員検出センサ６、左傾検出センサ７ａ、右傾検出センサ７ｂはセラミックスの持つ焦電特性を利用してこの検出領域に存在する人体から発生する固有の熱エネルギーを検出する。又、焦電型赤外線センサに代えて他の熱型若しくは量子型赤外線センサ又は信号波センサ等を用いることができる。乗員検出センサ６、左傾検出センサ７ａ、右傾検出センサ７ｂの出力端はリード線により警告装置の制御回路９の入力端に接続されている。ここで乗員検出センサ６は検出領域が図１に示す検出領域Ａとなる様に設置されている。これにより乗員検出センサ６はエアバッグ収納部３近傍の子供乗員１０を検出することができる。図１及び図２において左傾検出センサ７ａ及び右傾検出センサ７ｂは各々の検出領域が図１及び図２に示す検出領域Ｂ₁及びＢ₂となる様に設置される。これにより左傾検出センサ７ａ及び右傾検出センサ７ｂはシート１に着座している乗員１１が左傾姿勢１１ａ或いは右傾姿勢１１ｂとなったときにこれらを検出することができ、又、子供乗員１０をも併せて検出することができる。検出領域Ｂ₁及びＢ₂は正常姿勢では検出せず、傾いたときのみ検出する様に検出領域を比較的狭く設定されている。又、車両速度検知手段である車速センサ２４は車両速度を検出して車速信号を出力する。車速センサ２４の出力端はリード線により警告装置の制御回路９の入力端に接続されている。

【０００９】次に、警告装置の回路構成について図３に基づき説明する。図３において、警告装置２１は検知手段である左傾検出センサ７ａ、右傾検出センサ７ｂ、車速センサ２４、及び乗員検出センサ６と、車速判定回路２６を含みＡＮＤ回路及びＯＲ回路から成る制御回路９と、警告手段であるブザー８とで構成されている。乗員検出センサ６、左傾検出センサ７ａ及び右傾検出センサ７ｂが人体を検出している場合にはＨＩＧＨレベル（以下ＨＩと略す）の信号を出力し、人体を検出していない場合にはＬＯＷレベル（以下ＬＯと略す）の信号を出力する。左傾検出センサ７ａ及び右傾検出センサ７ｂはＯＲ回路２７の入力端に接続されている。車速センサ２４は車速判定回路２６に接続されており、車速判定回路２６は車速が所定速度以上であるとＨＩの信号を出力し、所定速度以下であるとＬＯの信号を出力する。ここで所定速度はエアバッグが作動させるべき速度とされる。警告はエアバッグが作動すべき速度以上でのみなされればよく、それ以下の速度では不要だからであるが、例えば所定速度＝０ｋｍ／ｈ（停止）として、走行中は常時ＨＩの信号を出力する様にしても構わない。ＯＲ回路２７の出力端及び車速判定回路２６の出力端の一方はＡＮＤ回路２８の入力端に接続されており、又、乗員検出センサ６及び車速判定回路２６の出力端の他方はＡＮＤ回路２９の入力端に接続されており、両ＡＮＤ回路２８、２９の出力端はＯＲ回路３０の入力端に接続されている。そしてＯＲ回路３０の出力端はブザー８に接続されている。ここでブザー８に代えて表示灯等を用いることもできる。

【００１０】次に、この警告装置２１の作動を説明する。図１及び図３において、子供乗員１０がエアバッグ収納部３近傍の危険領域に立っていると、乗員検出センサ６が人体を検出しＨＩの信号を出力する。ここで車速が所定速度以上であると車速判定回路２６はＨＩの信号を出力しているので、ＡＮＤ回路２９の出力はＨＩになり、ＯＲ回路３０の出力がＨＩになってブザー８が鳴る。

【００１１】次に、図２及び図３において、シート１に着座している乗員１１が左傾姿勢１１ａあるいは右傾姿勢１１ｂとなると、左傾検出センサ７ａ或いは右傾検出センサ７ｂが人体を検出しＨＩの信号を出力する。するとＯＲ回路２７の出力はＨＩになり、ここで車速が所定速度以上であると車速判定回路２６はＨＩの信号を出力しているので、ＡＮＤ回路２８の出力はＨＩになり、ＯＲ回路３０の出力がＨＩになってブザー８が鳴る。尚、前述の子供乗員がエアバッグ収納部３の近傍の危険領域に立っている場合において、子供乗員が左傾検出センサ７ａ或いは右傾検出センサ７ｂの検出領域にいる場合も同様に作動する。

【００１２】尚、本実施形態では警告装置２１を助手席に適用したが、運転席以外の席、例えば後席に適用してもよい。

【００１３】

【考案の効果】

本考案のエアバッグシステムにおける警告装置は、上述の様に車両が所定速度以上で走行中に、助手席等のエアバッグ収納部近傍に乗員が位置していたり乗員の姿勢が左右に傾いていたりすると検知手段によりこれを検知し、ブザー等の警告手段により乗員に警告を発するので、乗員を常に安全な姿勢を保たせることができる。これによってエアバッグの展開時にスタンディングチャイルド状態となることを防止すると共に、エアバッグによる乗員保護の効果が十分に得られる様にすることができる。又、従来の様に禁止回路を設けることに伴う衝突時のエアバッグ不動作の可能性を回避することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のエアバッグシステムにおける警告装置
の助手席近傍の構成を示す側面図である。

【図２】図１の正面図である。

【図３】本考案のエアバッグシステムにおける警告装置
のブロック図である。

【符号の説明】

１シート３エアバッグ収納部６乗員検出センサ（乗員検知手段）７ａ左傾検出センサ（姿勢検知手段）７ｂ右傾検出センサ（姿勢検知手段）８ブザー（警告手段）１０子供乗員１１乗員１１ａ左傾姿勢（姿勢の傾き）１１ｂ右傾姿勢（姿勢の傾き）２１警告装置２４車速検出センサ（車両速度検知手段）

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】車両急減速時にシート（１）の前方に設
けられたエアバッグ収納部（３）から前記エアバッグを
膨出させるエアバッグシステムにおける警告装置（２
１）であって、該警告装置は、運転席以外のシート
（１）に対応するエアバッグ収納部（３）近傍における
エアバッグ展開時の危険範囲に位置する乗員の有無を検
知する乗員検知手段（６）と、前記シートに着座した乗
員（１１）の姿勢が左右いずれかに傾いたエアバッグに
対して不適正領域にあることを検知する姿勢検知手段
（７ａ，７ｂ）と、警告手段（８）とを有し、前記乗員
検知手段（６）により前記危険範囲に位置する乗員（１
０）の有を検知した場合或いは前記姿勢検知手段（７
ａ，７ｂ）により乗員（１１）の姿勢の傾きが不適正領
域にあることを検知した場合に前記警告手段（８）が警
告を発する様にしたことを特徴とするエアバッグシステ
ムにおける警告装置。