JPH08137222A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH08137222A
JPH08137222A JP6301636A JP30163694A JPH08137222A JP H08137222 A JPH08137222 A JP H08137222A JP 6301636 A JP6301636 A JP 6301636A JP 30163694 A JP30163694 A JP 30163694A JP H08137222 A JPH08137222 A JP H08137222A
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Yoshihito Mizoguchi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本出願に係る第1の発明の目的は、低トリボ
トナーを現像する場合においても濃度とハーフトーンの
均一性を両立させ、良好な画質を得ることを可能とする
画像形成装置を提供することにある。 【構成】 現像バイアスはa点から電位的に立ち下が
り、b点に移行し、ダーク電位VD もしくはハーフトー
ン電位VH を現像するためにVD-slope 、VH-slope
る電位差を与え、スリーブ上のトナーを鏡像力に打ち勝
って飛び出させる。次に、b点から交流成分の最小値V
minを全周期の35%とした区間cの間継続し、d点か
ら立ち上がる。そしてVHまで立ち上がったe点以降、
緩やかに立ち上がりf点でVDと同電位となるが、ここ
までの時間が一周期の50%以上となるよう設定する。
そしてg点で最大値Vmax をとり、区間hの間継続して
再びa点と同様に立ち下がる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式を利用
し、静電潜像担持体上に形成した静電潜像を現像して可
視化する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を利用した画像形成装置に
おいては、静電潜像担持体上に形成した静電潜像を現像
装置により現像してトナー像として可視化することを行
っている。従来の現像装置を備えた画像形成装置の一例
の要部を図8に示す。
【0003】本画像形成装置は、図8に示す様に、静電
潜像担持体としてα−Si感光層を塗布された感光ドラ
ム1を備え、本例では感光ドラム1は直径80mmを有
し、図中矢印方向に毎秒320mmの速度で回転して、
その周囲に配設された一次帯電器(図示せず)により4
00Vに一様に一次帯電される。次いで感光ドラム1は
光学系を通した像露光、又はレーザ、LED等の発光素
子(図示せず)による画像情報に基づいた露光がされ、
感光ドラム1上に静電潜像が形成される。この感光ドラ
ム1に形成された静電潜像は、感光ドラム1の周囲に配
設された現像装置によって現像される。
【0004】本現像装置は、現像剤として磁性トナーを
収容した現像容器5内に現像剤担持体としての現像スリ
ーブ2、マグネットローラ3及び磁性ブレード4が設け
られている。現像スリーブ2は直径25mmを有し、感
光ドラム1と対向した開口部内に矢印方向に回転自在に
配設され、この現像スリーブ2内にはマグネットローラ
3が固定して配設されている。
【0005】現像スリーブ2は、トナーを担持して感光
ドラム1と対向した現像部へと搬送し、その搬送途上で
トナーが磁性ブレード4により層厚を規制されて、現像
スリーブ2上に一定厚の薄層のトナー層が塗布形成され
る。
【0006】以上のようにして現像スリーブ2上に薄層
のトナー層に塗布されたトナーは、それまでの過程にお
いて磁性ブレード4及び現像スリーブ2により摺擦さ
れ、−10μC/gの帯電電荷が付与される。
【0007】前記の感光ドラム1と現像スリーブ2とは
現像部において、50〜500μmの間隙を開けて非接
触に配置され、この現像部の現像スリーブ2、感光ドラ
ム1間(SD間)の間隙にバイアス電源により、周波
数:1KHz〜8KHz、振幅:400〜3000V、
波形の積分平均値VDC:50〜300Vからなる直流電
圧と交流電圧とを重畳した現像バイアスが印加されてお
り、現像電界が生じている。前記の交流電圧としては、
サイン波、三角波、ノコギリ波、矩形波、更には波形の
ピーク・トゥ・ピーク電圧の1/2値と積分平均VDC
が異なった値となるようなバイアス(以下、このバイア
スをデューティーバイアス(Dutyバイアス)と呼
ぶ)等が、従来公知である。
【0008】現像スリーブ2上の電荷を帯びたトナー
は、現像部においてこれらの現像電界から受ける力によ
って、現像スリーブ2の表面から感光ドラム1の表面へ
転移し、感光ドラム1上の静電潜像の正規現像が行われ
る。
【0009】上述したバイアスに関しては、サイン波や
三角波等に変えて矩形波とすることで濃度が向上するこ
とが知られている。これは同じピーク・トゥ・ピーク電
圧(以下VPPと記す)の場合には、矩形波の方が実効値
が大きいためである。
【0010】更に、矩形波に変えて、Dutyバイアス
とすることで、特にハーフトーンの画質の均一性が、向
上することが知られている。
【0011】これを図9で説明する。図9は、感光体上
の電位を示す図で、縦軸に電位をとってある。VDは感
光体上のダーク電位であり、ベタ黒に現像される。VL
はライト電位で、現像されない。中間のVHがハーフト
ーン電位で、現像バイアスVDC(図中200Vとする)
との差に応じて、ハーフトーンのグレイに現像される。
【0012】なおこの様なハーフトーンの電位関係を実
現するための光学系は、アナログの光学系のみならず、
ディジタルの光学系も含む。
【0013】なぜならば、完全な面積階調において、ハ
ーフトーンを形成する場合を除いては、ディジタルの光
学系であっても2値的な電位関係を達成するのは難し
く、ハーフトーンは強度変調的な露光量の違いを用いて
実現するからである。これは近年の解像度の向上(レー
ザー等のスポット径の小径化)に伴って一層顕著となっ
ている。
【0014】この様なハーフトーン電位を現像する場合
の現像バイアスに関して矩形波とDuty波を比較す
る。図9中矩形波を波線で、35%のDuty波を一点
波線で示す。なお、35%のDuty波とはVDCよりも
現像促進側に電位が変位している時間が、一周期の35
%である矩形波とする。
【0015】図から明らかな様に、VHを現像するため
の、現像電界と現像時間は矩形波の場合、電位VH-sqr
で時間tH-sqr であるのに対し、Duty波の場合はV
H-DutyとtH-Dutyである。
【0016】ここでVH-sqr <VH-Dutyであり、かつt
H-sqr >tH-Dutyとなる様なDuty波とすることで、
特にハーフトーンの均一な現像ができることが知られて
いる。
【0017】この理由は現像スリーブ上のトナートリボ
が十分には均一ではなく分布を持ってしまうことに関係
している。
【0018】そして、前述したDuty波とすると矩形
波と比較してより高電界で、かつ、より短い時間でハー
フトーンを現像するために、ハーフトーンに現像される
トナーが、比較的高トリボのトナーとなる。そのためド
ラムへの付着力も増すので、現像されたトナー像が乱さ
れにくく、均一なハーフトーンの現像が可能となるので
ある。
【0019】なお、VDを現像する現像電界、及び現像
時間は矩形波に関してVD-sqr,tD-sqr とし、Duty
バイアスに関してVD-Duty,tD-Dutyとする。
【0020】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、前
記従来例のDutyバイアスを用いた場合、現像スリー
ブ上のトナートリボが低いときには、十分な画像濃度が
得られず、また、ハーフトーンの均一性が不十分である
という欠点があった。これは特に、トナーとしてマグネ
タイト等のリークサイトを持つ磁性トナーを用いた場合
や、高温での使用時や、あるいは画像形成装置を未使用
の状態で放置した後に、使用し始めた時の様にトナート
リボが減衰していて一層低い状況においてより顕著とな
る。
【0021】濃度が出ない理由としては、従来例図9で
説明したVDを現像するためのDutyバイアスの現像
時間tD-Dutyが短いために低トリボのトナーがドラムに
到達できにくくなってしまうためと考えられる。
【0022】ここで、tD-Dutyを長くするために、バイ
アスを矩形波に近づけていくと、濃度は出る方向だが、
前記したようにハーフトーンの均一性が一層低下するこ
とになる。
【0023】また、Dutyバイアスを用いても、低ト
リボトナーを現像する場合にはハーフトーンの均一性が
不十分となってしまう理由は以下のようである。
【0024】図10は、図9からVD,VH,VL の電位関
係とDuty バイアスのみを取り出したもので同じであ
る。
【0025】まずVHに対してVH-Dutyなる電界によ
り、現像スリーブ上のトナーはスリーブとの鏡像力に打
ち勝って飛び出し、かつ、ドラム方向への電界を受けt
H-Dutyの間にドラム上のVHに到達する。
【0026】そして交流バイアスが変化してトナーをド
ラムから引き剥そうとするが、VHとドラムとの電界が
ある程度以上強くなった場合に、一旦付着したトナーは
ドラムとの鏡像力を相殺して、スリーブ上に逆飛翔しよ
うとする。
【0027】ここでトナートリボが高い場合は、仮にV
Hと200V以上の差となったときに、再びトナーがド
ラム上から飛び出すとすると図10中スレッシュホール
ドバイアスとしてVth1よりも強いバイアスがかかって
いるときトナーはスリーブへと逆飛翔するので図中散点
模様で示した領域Iで、この面積分の力を受けてスリー
ブに戻ることになる。
【0028】一方トナートリボが低い場合はこのスレッ
シュホールドが低くなるので、仮に125Vの差となっ
たときドラムから飛び出すとすると、Vth2で示した電
位より高い領域(斜線で示した領域)IIの力を受けてス
リーブへ戻ることになる。図中明らかに面積的に散点模
様で示した領域Iよりも斜線のみで示した領域IIが大と
なる。そのため低トリボの場合はVHを現像したはずの
トナーが再びドラムから引き戻され易く、従ってDut
yバイアスを用いてもハーフトーンの均一性を十分とす
ることができないでいた。
【0029】ここでハーフトーンの均一性を向上させる
ために、より一層Dutyをかけて、図10の波線のよ
うなバイアスとすれば点線で示した斜線領域III の面積
を小さくできるのでハーフトーンの均一性は改善する
が、前述した理由でさらに濃度は出にくくなってしま
う。
【0030】この様に低トリボのトナーを用いた場合、
Dutyバイアスを使用しても濃度やハーフトーンの均
一性が不十分であり、このとき濃度のためには、矩形波
の方が有利であるが、ハーフトーンの均一性がより一層
劣ることになり、逆にハーフトーンの均一性のために
は、より顕著なDutyバイアスとすると良いが、濃度
が出にくくなるという問題があった。
【0031】そこで、本出願に係る第1の発明の目的
は、低トリボトナーを現像する場合においても濃度とハ
ーフトーンの均一性を両立させ、良好な画質を得ること
を可能とする画像形成装置を提供することにある。
【0032】また、本出願に係る第2の発明の目的は、
特に濃度と均一性に優れた画像を得ることのできる画像
形成装置を提供することにある。
【0033】さらに、本出願に係る第3の発明の目的
は、ハーフトーンの現像時間の短縮による均一性の確
保、ダーク電位部の現像時間の増加による濃度の上昇、
及び引き戻し時間の短縮による濃度の均一性の維持を全
て実現することのできる画像形成装置を提供することに
ある。
【0034】また、本出願に係る第4の発明の目的は、
簡易な回路構成により、ダーク電位部の濃度確保とハー
フトーン部の均一性維持を図ることのできる画像形成装
置を提供することにある。
【0035】さらに、本出願に係る第5の発明の目的
は、より一層簡易な回路構成により、ダーク電位部の濃
度確保とハーフトーン部の均一性維持を図ることのでき
る画像形成装置を提供することにある。
【0036】また、本出願に係る第6の発明の目的は、
ハーフトーン画像のうち、比較的多少のムラでも見苦し
いと認識される濃度領域において、均一性を十分に保つ
ことのできる画像形成装置を提供することにある。
【0037】さらに、本出願に係る第7の発明の目的
は、現像剤の帯電量の異なる様々な使用環境において
も、濃度と均一性を十分に得ることのできる画像形成装
置を提供することにある。
【0038】また、本出願に係る第8の発明の目的は、
小さなピーク・トゥ・ピーク電圧を用いる場合でも、濃
度と均一性を十分に得ることのできる画像形成装置を提
供することにある。
【0039】さらに、本出願に係る第9の発明によれ
ば、低トリボのトナーであっても濃度と均一性を十分に
得ることができ、カブリのない良好な画像を得ることの
できる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0040】
【課題を解決するための手段】本出願に係る第1の発明
によれば、前記目的は、静電潜像が形成される静電潜像
担持体と、現像剤を担持する現像剤担持体とを有し、該
現像剤担持体に所定の現像バイアスを印加することによ
り前記現像剤担持体に担持された現像剤を前記静電潜像
担持体上の静電潜像に付着させ可視画像化する画像形成
装置において、前記現像剤担持体に印加する前記現像バ
イアスは交互電圧であり、該交互電圧の一周期内に前記
現像剤担持体から前記潜像担持体に向かう方向に現像剤
を移動させる方向の飛ばし電圧のピークから、前記潜像
担持体から前記現像剤担持体に向かう方向に現像剤を移
動させる方向の戻し電圧のピークまでの移行に要する期
間が、前記戻し電圧のピークから前記飛ばし電圧のピー
クまでの移行に要する期間よりも長く、前記飛ばし電圧
が、形成される画像の低濃度部及び高濃度部の双方の現
像に寄与し得る値をとる期間は交互電圧一周期の50%
未満であり、高濃度部の現像に寄与し得る値をとる全体
の期間は交互電圧一周期の50%以上である様に設定し
た現像バイアス波形を用いることにより達成される。
【0041】また、本出願に係る第2の発明によれば、
前記目的は、前記第1の発明において、飛ばし電圧が、
形成される画像の低濃度部及び高濃度部の双方の現像に
寄与しうる値をとる期間は交互電圧一周期の45%未満
であり、高濃度部の現像に寄与し得る値をとる全体の期
間は交互電圧一周期の55%以上である様に設定した現
像バイアス波形を用いることにより達成される。
【0042】さらに、本出願に係る第3の発明によれ
ば、前記目的は、前記第1の発明または第2の発明にお
いて、交互電圧の一周期内に現像剤担持体から潜像担持
体に向かう方向に現像剤を移動させる方向の飛ばし電圧
のピークから、潜像担持体から現像剤担持体に向かう方
向に現像剤を移動させる方向の戻し電圧のピークまでの
単位時間当たりのバイアスの変位は、初期は急峻であっ
て、順次緩やかになることにより達成される。
【0043】また、本出願に係る第4の発明によれば、
前記目的は、前記第1の発明または第2の発明におい
て、交互電圧の一周期内に潜像担持体から現像剤担持体
に向かう方向に現像剤を移動させる方向の戻し電圧のピ
ークから、現像剤担持体から潜像担持体に向かう方向に
現像剤を移動させる方向の飛ばし電圧のピークまでの単
位時間当たりのバイアスの変位は、ほぼ一定であること
により達成される。
【0044】さらに、本出願に係る第5の発明によれ
ば、前記目的は、前記第1の発明ないし第3の発明のい
ずれかにおいて、交互電圧の一周期内に現像剤担持体か
ら潜像担持体に向かう方向に現像剤を移動させる方向の
飛ばし電圧のピークから、潜像担持体から現像剤担持体
に向かう方向に現像剤を移動させる方向の戻し電圧のピ
ークまでの単位時間当たりのバイアスの変位は、ほぼ指
数関数的に変化することにより達成される。
【0045】また、本出願に係る第6の発明によれば、
前記目的は、前記第1の発明ないし第5の発明のいずれ
かにおいて、低濃度部とは、形成される画像濃度が0.
8以下であることにより達成される。
【0046】さらに、本出願に係る第7の発明によれ
ば、前記目的は、前記第1の発明ないし第6の発明のい
ずれかにおいて、現像剤担持体に担持され画像形成を行
う現像剤の現像剤担持体上の平均帯電量が−15μC/
g〜15μC/gであることにより達成される。
【0047】また、本出願に係る第8の発明によれば、
前記目的は、前記第1の発明ないし第7の発明のいずれ
かにおいて、現像剤が一成分現像剤であることにより達
成される。
【0048】さらに、本出願に係る第9の発明によれ
ば、前記目的は、前記第1の発明ないし第8の発明のい
ずれかにおいて、現像剤が磁性現像剤であることにより
達成される。
【0049】
【作用】本出願に係る第1の発明によれば、飛ばし電圧
が高濃度部と低濃度部の双方の現像に寄与し得る値をと
る期間tH-slopeは、交互電圧一周期の50%未満と短
くなっているため、現像剤の帯電量が全体的に低い場合
でも、低濃度部は高目の帯電量の現像剤により現像さ
れ、現像剤の潜像担持体への付着力が増加して現像され
た現像剤像が乱されにくく、低濃度部の濃度の十分な均
一性が保たれる。これに対し、高濃度部においては、低
帯電量の現像剤の付着量が低下して画像濃度が低くなる
傾向にあるが、交互電圧の一周期内に潜像担持体へ現像
剤を付着させる飛ばし電圧のピークから、現像剤担持体
に現像剤を戻す戻し電圧のピークまでの移行期間が、前
記戻し電圧のピークから前記飛ばし電圧のピークまでの
移行期間よりも長く、前記期間tH-slopeよりも高濃度
部の現像に寄与し得る値をとる全体の期間tD-slope
方が長くなっているため、バイアス電圧が低濃度部と同
電位に達してから高濃度部と同電位に達するまでの期間
が従来よりも長くなり、この期間においては弱い電界で
はあるが高濃度部の現像に寄与し得る電圧が印加される
ことになる。従って、逆バイアスが印加されない限り、
現像剤はそのスピードを維持して飛翔を続けるので、低
帯電量の現像剤の様に一定時間で飛翔できる距離の短い
現像剤も潜像担持体に到達させることができ、濃度を向
上させると考えられる。さらに、上述のように飛ばし電
圧のピークから戻し電圧のピークまでの移行期間が、戻
し電圧のピークから飛ばし電圧のピークまでの移行期間
よりも長く、前記期間tD-slopeが50%以上なので、
高濃度部における引き戻し時間は50%未満となり、現
像剤が引き戻され難くく十分な濃度が得られると考えら
れる。また、この様に高濃度部に影響を及ぼす戻し電圧
は、同時に低濃度部における現像剤の引き戻しにも寄与
するため、現像剤の帯電量が低い場合でも、引き戻し時
間が短く、現像剤が引き戻され難いので、上述した様に
期間tH-slopeが50%未満であることと相俟って、低
濃度部の濃度の均一性を十分に保つ。
【0050】また、本出願に係る第2の発明によれば、
前記第1の発明において、飛ばし電圧の前記期間t
H-slopeが交互電圧一周期の45%未満であり、前記期
間tD-slopeが交互電圧一周期の55%以上である様に
設定した現像バイアス波形を用いるので、バイアス電圧
が低濃度部と同電位に達してから高濃度部と同電位に達
するまでの期間を十分にとり、高濃度部の濃度を十分に
上昇させる。引き戻し時間も短くなり、低濃度部の濃度
の均一性を十分に保つ。
【0051】さらに、本出願に係る第3の発明によれ
ば、前記第1の発明または第2の発明において、前記飛
ばし電圧のピークから前記戻し電圧のピークまでの単位
時間当たりのバイアスの変位は、初期は急峻であって、
順次緩やかになっているので、急峻な期間において、高
帯電量の現像剤を選択的に飛翔させることにより低濃度
部の均一性の維持を図り、緩やかな期間において順方向
バイアスの維持により高濃度部の濃度を確保し、かつ引
き戻し時間の短縮により低濃度部の均一性を維持する。
【0052】また、本出願に係る第4の発明によれば、
前記第1の発明または第2の発明において、前記戻し電
圧のピークから前記飛ばし電圧のピークまでの単位時間
当たりのバイアスの変位を、ほぼ一定とするので、簡易
な回路構成により、高濃度部の濃度確保と低濃度部の均
一性維持を図る。
【0053】さらに、本出願に係る第5の発明によれ
ば、前記第1の発明ないし第3の発明のいずれかにおい
て、前記飛ばし電圧のピークから前記戻し電圧のピーク
までの単位時間当たりのバイアスの変位を、ほぼ指数関
数的に変化させるので、より簡易な回路構成により、前
記期間tH-slopeと前記期間tD-slope との差を十分に
確保して、高濃度部の濃度の上昇と低濃度部の濃度の均
一性を維持する。
【0054】また、本出願に係る第6の発明によれば、
前記第1の発明ないし第5の発明のいずれかにおいて、
低濃度部とは、形成される画像濃度が0.8以下であ
り、多少のムラでも非常に見苦しいと認識される濃度領
域であるが、上述のように均一性を保ち良好な画像を得
る。
【0055】さらに、本出願に係る第7の発明によれ
ば、前記第1の発明ないし第6の発明のいずれかにおい
て、現像剤担持体に担持され画像形成を行う現像剤の現
像剤担持体上の平均帯電量が−15μC/g〜15μC
/gと広範囲なので、様々な使用環境においても、高濃
度部の濃度の上昇と低濃度部の濃度の均一性を維持す
る。
【0056】また、本出願に係る第8の発明によれば、
前記目的は、前記第1の発明ないし第7の発明のいずれ
かにおいて、現像剤が一成分現像剤であるので、現像剤
担持体上の現像剤層が薄く形成され、潜像担持体と現像
剤担持体の間隙を小さくでき、小さなピーク・トゥ・ピ
ーク電圧により前記高濃度部の濃度確保と低濃度部の均
一性の維持を図る。
【0057】さらに、本出願に係る第9の発明によれ
ば、前記目的は、前記第1の発明ないし第8の発明のい
ずれかにおいて、現像剤が磁性現像剤であるので、現像
剤は現像剤担持体内部に配設した磁界発生手段によって
も現像剤担持体上に担持されるので、比較的低帯電量の
現像剤による現像が行われ、前記高濃度部の濃度確保と
低濃度部の均一性の維持を図りつつ、カブリのない良好
な画像を得る。
【0058】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0059】(第1の実施例)まず、本発明の第1の実
施例を図1ないし図5に基づいて説明する。図1は本発
明の特徴を最も良く表す図であり、低トリボトナーの現
像時にも画像濃度とハーフトーンの均一性を両立する現
像バイアス波形である。以降slopeバイアスとい
う。
【0060】図9と同様にVD,VH,VL の電位関係を示
してあるが、横軸は交流の現像バイアスの変化を説明す
るために時間でとってあり、以下に本バイアスを時系列
に説明する。
【0061】なお、本実施例では現像器としては、従来
例で説明したものを使用しておりスリーブ上のトナート
リボは通常平均トリボが−10μC/gであるが、特に
トリボの低い状況で説明するため本現像器を耐久使用し
て、ある程度剤が劣化しトリボが−8μC/g程度まで
低下したものをさらに2日間現像器を未使用のままで放
置した後に使用を開始したためトリボが減衰しており、
−6μC/g程度になっている状況として説明する。
【0062】まず、現像バイアスはa点から電位的に立
ち下がり、b点に移行する。ここでVDもしくはVHを現
像するためには電界として図1中VD-slopeまたは、V
H-slopeなる電位差が大きくスリーブ上のトナーを鏡像
力に打ち勝って飛び出させるように設定する必要があ
る。
【0063】次に、b点から現像バイアスは交流成分の
最小値Vminを区間cの間継続するが、区間cの長さは
従来例の図で示したDutyバイアスと同じで、全周期
の35%としている。
【0064】そして、現像バイアスがd点から立ち上が
る所まではDutyバイアスと同様である。ところがバ
イアスがVHまで立ち上がったe点にて現像バイアスは
その立ち上がりの速さを変えてゆっくり立ち上がる様に
制御されている。本実施例では、この様に、ゆっくりと
立ち上がる様子から本バイアスをslopeバイアスと
称している。
【0065】現像バイアスはe点以降、ゆるやかに立ち
上がりf点でVDと同電位となるが、ここまでの時間が
一周期の50%以上となるよう設定されている。ここで
は図1中tD-slopeを55%とした。そしてg点で最大
値Vmax をとり、区間hの間継続して再びa点と同様に
立ち下がる。なお、このような現像バイアスを発生する
トランスについて詳述はしないが、クロックを発生さ
せ、各クロック間の電圧の増加を制御すればよい。本発
明者は前記のバイアスを用いることで低トリボのトナー
を現像する場合でも画像濃度とハーフトーンの均一性が
向上することを見い出したが、以下にその理由を述べ
る。
【0066】まず、画像濃度については、VDを現像す
ることを考える。図10と比較すると、VDを現像する
時間tD-slopeがDutyバイアスの場合に比較して長
くなっていることがわかる。そのため、低トリボトナー
のように現像電界から受ける力の弱い、すなわち一定時
間で飛翔できる距離の短いトナーもドラムに到達させる
ことができ、濃度向上につながると考えられる。例えば
図2に概念図のみ示すが通常一定の電界下で飛翔するト
ナーの飛翔距離は時間の2次関数となり横軸を時間、縦
軸を距離として、図中実線の様になる。今、仮にA点で
電界が切れたとしても逆バイアスがかからない限りトナ
ーはそのスピードを維持して飛翔を続けるので(実際は
空気抵抗をうけスピードも落ちる。)図中一点波線の様
に飛翔距離を延ばす。
【0067】例えば、A点までの時間を仮にtD-Duty
する。tD-Dutyは一周期の35%であり、またt
D-slopeは一周期の55%なのでtD-slope はtD-Duty
より約1.5倍長い。A点より1.5倍長い時点をB点
とすると、このときのトナーの飛翔距離は、図よりA点
までの飛翔距離の約2倍となる。
【0068】もちろん、実際にはトナーの受ける空気抵
抗や飛翔しているトナー同士の衝突もあり、また本バイ
アスはe点からf点まで弱い電界ではあるがVDを現像
する側のバイアスがかかっており、これらを考慮してい
ないので極めて単純な前記の計算値が正しいとはいえな
い。しかし考え方としては、この様な理由でVD に到着
できるトナーが増えるためにVDの画像濃度が向上する
と推定される。
【0069】そして、本発明者の検討によれば、t
D-slope を一周期の50%以上としたときに、画像濃度
向上の効果が顕著であった。
【0070】この理由も十分わかってはいないが、特に
本発明にかかる低トリボトナーの現像においてトリボが
低く電界に対する応答性の低いトナーが現像されるかど
うかは現像時間の長さに大きく依存してしまうため、現
像時間が一周期の半分以下の場合は、その分引き戻し時
間が半分以上となり引き戻され易く十分な濃度が得られ
ないのではないかと考えられる。
【0071】以上の理由からtD-slopeを50%以上と
した本バイアスは十分な濃度向上の効果を有すると考え
られる。
【0072】次にハーフトーンの均一性の向上について
説明する。まず、ハーフトーン部VHに現像されるトナ
ーについて考えると、e点までは図10のDutyバイ
アスと同じなので、ほぼ同程度のトリボのトナーがVH
に到達して付着していると考えられる。これらのトナー
は本実施例では平均トリボが−6μC/gとなる様なト
リボ分布の中の比較的トリボの高いものと考えられる
が、それでも、−10μC/gに満たないものであろう
と考えられる。
【0073】この様なトリボが若干低めのトナーがVH
に現像された後に現像バイアスが引き戻し側に転じる
が、従来例で説明したようにVHとの電位差が125V
となったときにVHに付着したトナーが逆飛翔を始める
と仮定する。
【0074】このときの引き戻しの強さはDutyバイ
アスであれば図10中斜線で示した領域IIの面積の大き
さに従って、トナーは引き戻されるが、一方、slop
eバイアスの場合図1中斜線で示した領域IVの面積の大
きさに従って引き戻されることになる。明らかに図10
に斜線で示した領域IIよりも、図1に斜線で示した領域
IVが小さいのでslopeバイアスとした方がトナーの
引き戻しを弱めることができ、このためにハーフトーン
の均一性が改善されると考えられる。
【0075】元々、DutyバイアスはVHに対して平
均トリボよりも高めのトリボを持つトナーを現像するこ
とのできるバイアスであるが、特に平均トリボが低いよ
うな状況ではDutyバイアスを用いてもVH に現像で
きるトナーのトリボは低くならざるを得ない。この様な
状況においてもslopeバイアスを用いることで、平
均トリボよりは若干高めのトリボのトナーをVH に対し
て現像し、かつ十分には高いトリボのトナーではないこ
れらのトナーに対して現像バイアスにslopeを設け
ることでトナーの引き戻しを弱め、ハーフトーンの均一
性を向上することができるのである。
【0076】なお、本発明においてハーフトーン部とは
形成される画像濃度が0.8以下を意味する。
【0077】ハーフトーンの均一性を問題にする場合、
濃度が濃い方は多少均一性が悪くても気にならないが、
薄い領域では逆に多少のムラが非常に見ぐるしいものと
認識されるからである。
【0078】特には、0.2〜0.4の濃度のハイライ
ト部を均一に再現するために、この程度の濃度を再現す
るための電位をVH として現像バイアスを設計するのが
好ましいと考えられる。
【0079】このとき現像方式によっては若干ではある
がVHがVDC以下となることもあるが、基本的にはVH
DCより上である。この様な設計上の問題は各画像形成
装置ごとにVHを適当に定めてから本発明を適用すれば
よい。
【0080】以上説明してきた様に、ハーフトーンVH
を現像する時間tH-slope を一周期の50%未満としな
がら、VDを現像する時間tD-slopeが一周期の50%以
上となるように現像バイアスのトナーを引き戻す側に変
位する立ち上がり時にゆるやかな傾きを設けて制御する
ようにしたslopeバイアスを用いることで低トリボ
トナーを現像する場合においても十分な画像濃度とハー
フトーンの均一性を両立することができる。
【0081】なおここで従来の現像バイアスとの差異を
明確にしておくとサイン波、三角波、のこぎり波、矩形
波はそれぞれ図3(a),(b),(c),(d)に示
すように、いずれもハーフトーンVHを現像する時間tH
とVD を現像する時間tDが一周期の50%以上であ
り、一方Duty波は図3(e)に示すように、tH,t
D が共に50%未満であり、本slopeバイアスとは
異るものである。(この関係はバイアスが若干なまって
いる様な時にも大きく変わるものではない。)また特願
平4−283816号に開示されるバイアスは本バイア
スと一見類似しているが、バイアスをゆるやかに立ち下
げるもので現像促進側へのバイアスの変化を規定したも
のであり、本件はトナーを引き戻す現像抑性側への変化
を規定しており、根本的に異なるものである。
【0082】以下にさらに詳細な実験条件を記す。現像
器は、従来例図8で説明したものを用いている。
【0083】トナーの平均トリボが−6μC/g程度で
実験を行っているが、トナーの摩擦帯電量は、トナーの
処方や粒径、荷電制御剤の添加、現像スリーブ2の表面
性、更には規制部材4と現像スリーブ2間の距離、トナ
ーのパッキングの強さ(トナー密度)等に依存する。本
実施例では、スチレンアクリル系の平均粒径8μmの磁
性トナーを用い、流動性付与のためにシリカを外添して
使用した。
【0084】現像スリーブ2は、非磁性ステンレスのス
リーブ基体表面に、400番程度のガラスビーズにより
ブラスト処理を施して用いた。規制部材4は磁性ステン
レス製で、厚さ1.2mmであった。規制部材4の現像
スリーブ2との間隙は200μmとした。このとき、初
期ではトナーの摩擦帯電量は約−10μC/g、塗布量
は約0.8〜1.2mg/cm2となった。
【0085】この現像器の耐久後のトリボが、−8μC
/g程度で、放置後の条件で使用して−6μC/g程度
である。
【0086】マグネットローラ3は4極に着磁されてお
り、現像領域に位置する現像極は感光ドラム1に対向
し、約800〜1200ガウスの磁力で現像スリーブ2
上の磁性トナーを穂立ちさせる。この状態で、前述した
交互電界の作用によりジャンピング現象が行われる。現
像スリーブ2と感光ドラム1との最近接位置の間隙は2
00μmとし、現像スリーブ2の回転は感光ドラム1と
同方向で、その周速は感光ドラム1の周速の約1.5倍
とした。
【0087】このとき現像バイアスは図1で説明したも
のを用いてVPP=1400V、周波数2.2KHzとし
た。(積分DC値は200Vではなく約100V〜15
0V程度である。) なお、実際の波形は図1のa点→b点、d点→e点への
移行に約20〜40μsec程度要するものを用いたの
で、実波形としては図4に示すものである。
【0088】このような条件で、画出しを行ったとこ
ろ、画像濃度は図のDutyバイアスに比較して約0.
10高い1.25を得た。またハーフトーンの均一性も
Dutyバイアスよりも良好であった。
【0089】また別の実験例として、潜像を図1と同様
な条件で形成し、図5に示す構成の現像器を用い、非磁
性トナー(1成分非磁性現像剤)を使用した例を以下に
記す。
【0090】図5に示す現像器5’は、中に非磁性トナ
ーを収容しており、撹拌羽根7によりトナーを撹拌して
塗布ローラ6に供給し、そのトナーを塗布ローラ6が現
像スリーブ2’に供給するように構成されている。トナ
ーは矢印方向に回転する現像スリーブ2’や弾性ブレー
ド4’との摩擦により帯電され、帯電されたトナーは鏡
映力により現像スリーブ2’に付着したまま弾性ブレー
ド4’を擦り抜け、現像領域へ搬送される。
【0091】現像領域で現像に使用されずに残ったトナ
ーは、現像スリーブ2’の回転により現像器5’内に戻
され、塗布ローラ6との摩擦によって掻き落とされる。
トナーの帯電極性は、第1の実施例のときと同様に負極
性である。
【0092】弾性ブレード4’はシリコーンゴム製と
し、弾性ブレード4’を現像スリーブ2’に線圧15〜
20g/cmでカウンター当接した。現像器5’のトナ
ーには、カーボンブラックで着色したスチレンアクリル
系の平均粒径8μmの非磁性トナーを用い、流動性付与
のためにシリカを外添して使用した。
【0093】この時、トナーの摩擦帯電量は初期の状態
で約−15μC/g、塗布量は約0.4〜0.8mg/
cm2であった。このトナー帯電量は、第1の実施例で
の磁性トナーの帯電量の−10μC/gに比べ高いが、
これは、磁性トナーは磁力によっても現像スリーブに引
きつけられるので問題ないが、本実施例の非磁性トナー
は鏡映力によってのみ現像スリーブに付着しているの
で、帯電量を大きくして鏡映力を強くしておかないと感
光ドラムに飛翔し易く、カブリを生じるからである。
【0094】このような現像器を高湿下で耐久した後、
放置した状況で用いるときのトリボは−10μC/g程
度か、若干それより低い程度であった。
【0095】前記の現像器を感光ドラムに対し、現像ス
リーブ2’と感光ドラム1間の間隙を約180μmで配
設し、感光ドラム1と同方向で約1.5倍の周速で現像
スリーブ2’を回転した。現像バイアスは図1のものを
用いている。
【0096】先の実験例に比べ、トリボが高いのでスリ
ーブへの鏡映力が大きく、現像スリーブから離れにくい
ので、S−D距離を小さくして実質的な電界強度を上げ
るようにした。同時に引き戻しも若干強まるので、非磁
性トナーであってもカブリを生じない。もちろんカブリ
のためにバイアスの周波数やVDCを調整してもより。
【0097】このような条件で画出しを行ったところ画
像濃度に関してはDutyバイアスに比較して約0.0
5高い1.30を得た。またハーフトーンの均一性も良
化した。但し、元々先の実験例よりもトリボが高いた
め、先の実験例よりも若干効果が小さかった。
【0098】以上は現像方式として一成分現像を用いて
説明したが、周知の2成分現像に交互バイアスを印加す
る場合も適用可能である。
【0099】このとき現像スリーブ上の現像剤のコーテ
ィングが厚くなるためS−Dギャップを500〜100
0μmとするのが好ましく、それに応じてピーク・トゥ
・ピーク電圧も大きくしなければならないのは周知の通
りである。
【0100】2成分現像を用いても、低トリボの状況で
の効果は、他の実験例と同様であった。
【0101】(第2の実施例)次に、本発明の第2の実
施例を図6に基づいて説明する。なお、第1の実施例と
の共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0102】本実施例においては現像方式は第1の実施
例で用いた種々の現像方式を用いて、現像バイアスは図
5に示すものを用い、VPPが1400Vで周波数2.3
KHz、VDC150Vとした。
【0103】本実施例は第1の実施例とは立ち上がり方
を略一定とした点が異るため、トランスの回路構成が容
易となる。
【0104】但し、tDが一周期の50%で、tHが45
%であるために両者の差が小さく、濃度及びハーフトー
ン均一性に対する効果は第1の実施例より若干劣る。ま
た現像促進側Vminの時間が45μsecと短いので濃
度が出にくく、例えば現像器〜ドラム間間隙を第1の実
施例よりも小さくする等で対応する必要がある。
【0105】そのときは、本実施例においても効果は第
1の実施例と同様であることを確認した。
【0106】(第3の実施例)次に、本発明の第3の実
施例を図7に基づいて説明する。なお、第1の実施例と
の共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0107】本実施例においては現像バイアスとして図
6に示すものを用い、VPP1400V、周波数2.2K
Hz、VDC150Vとした。
【0108】バイアスの立ち上がりをexp関数で立ち
上がるようにしたためトランスの回路構成をCR回路で
組むことができる。そのため先の実施例に比べてもより
構成が容易となる。
【0109】しかもtDを1周期の53%、tHを38%
とすることができ、ほぼ第1の実施例と同じ効果を期待
できる。
【0110】実際に第1の実施例において図4のバイア
スに変えて図7のバイアスを用いてもほぼ同様な効果を
得ることができた。
【0111】なおここまでトナーの極性を負極性として
正規現像で説明してきたが、反転現像でもよい。
【0112】また、正極性のトナーへの現像へも適用可
能であり、このときは図4、図6、図7のバイアス波形
を上下反転させたものを用いればよい。
【0113】さらに感光ドラムに関してもα−Siドラ
ムにて説明してきたが、もちろん、周知のOPCドラム
にも適用可能であり、このときはα−Siに比べ帯電電
位を比較的高くとることができるので、VDとVH の差
を本実施例よりも大きくとれる。
【0114】そのためバイアス波形の設定のラチチュー
ドが広がるというメリットがある。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、本出願に係る第1
の発明によれば、現像バイアスが現像剤を引き戻す側の
電圧に変位するにあたってバイアスに緩やかな傾きを持
たせ、低濃度部を現像する期間を一周期の50%未満と
しながら高濃度部を現像する期間を一周期の50%以上
となる様に設定したので、低濃度部に付着した現像剤へ
の引き戻しを弱めると共に、高濃度部への低帯電量の現
像剤の到着を促進することでき、十分な画像濃度と低濃
度部の均一性を両立させることができる。
【0116】また、本出願に係る第2の発明によれば、
前記第1の発明において、低濃度部を現像する期間が一
周期の45%未満であり、高濃度部を現像する期間が一
周期の55%以上である様に設定した現像バイアス波形
を用いるので、バイアス電圧が低濃度部と同電位に達し
てから高濃度部と同電位に達するまでの期間を十分にと
ることができ、高濃度部の濃度を十分に上昇させること
ができる。また、引き戻し時間も短くすることができ、
低濃度部の濃度の均一性を十分に保つことができる。
【0117】さらに、本出願に係る第3の発明によれ
ば、前記第1の発明または第2の発明において、飛ばし
電圧のピークから戻し電圧のピークまでの単位時間当た
りのバイアスの変位は、初期は急峻であって、順次緩や
かになっているので、急峻な期間において、高帯電量の
現像剤を選択的に飛翔させることにより低濃度部の均一
性の維持を図ることができ、緩やかな期間において順方
向バイアスの維持により高濃度部の濃度を確保すること
ができ、かつ引き戻し時間の短縮により低濃度部の均一
性を維持することができる。
【0118】また、本出願に係る第4の発明によれば、
前記第1の発明または第2の発明において、戻し電圧の
ピークから飛ばし電圧のピークまでの単位時間当たりの
バイアスの変位を、ほぼ一定とするので、簡易な回路構
成により、高濃度部の濃度確保と低濃度部の均一性維持
を図ることができる。
【0119】さらに、本出願に係る第5の発明によれ
ば、前記第1の発明ないし第3の発明のいずれかにおい
て、飛ばし電圧のピークから戻し電圧のピークまでの単
位時間当たりのバイアスの変位を、ほぼ指数関数的に変
化させるので、より簡易な回路構成により、低濃度部を
現像する期間と高濃度部を現像する期間との差を十分に
確保することができ、高濃度部の濃度の上昇と低濃度部
の濃度の均一性を維持することができる。
【0120】また、本出願に係る第6の発明によれば、
前記第1の発明ないし第5の発明のいずれかにおいて、
低濃度部とは、形成される画像濃度が0.8以下であ
り、多少のムラでも非常に見苦しいと認識される濃度領
域としたので、この様な領域で上述の様に均一性を保つ
ことにより、良好な画像を得ることができる。
【0121】さらに、本出願に係る第7の発明によれ
ば、前記第1の発明ないし第6の発明のいずれかにおい
て、現像剤担持体に担持され画像形成を行う現像剤の現
像剤担持体上の平均帯電量が−15μC/g〜15μC
/gと広範囲なので、様々な使用環境においても、高濃
度部の濃度の上昇と低濃度部の濃度の均一性を維持する
ことができる。
【0122】また、本出願に係る第8の発明によれば、
前記目的は、前記第1の発明ないし第7の発明のいずれ
かにおいて、現像剤が一成分現像剤であるので、現像剤
担持体上の現像剤層が薄く形成され、潜像担持体と現像
剤担持体の間隙を小さくでき、小さなピーク・トゥ・ピ
ーク電圧により前記高濃度部の濃度確保と低濃度部の均
一性の維持を図ることができる。
【0123】さらに、本出願に係る第9の発明によれ
ば、前記目的は、前記第1の発明ないし第8の発明のい
ずれかにおいて、現像剤が磁性現像剤であるので、現像
剤は現像剤担持体内部に配設した磁界発生手段によって
も現像剤担持体上に担持されるので、比較的低帯電量の
現像剤による現像が行われ、前記高濃度部の濃度確保と
低濃度部の均一性の維持を図りつつ、カブリのない良好
な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に用いた現像バイアスを
説明する図である。
【図2】現像バイアスの印加時間と、トナーの飛翔距離
を説明する図である。
【図3】本発明と従来例の差異を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施例に用いた現像バイアスの
実波形の図である。
【図5】本発明の第1の実施例に用いた画像形成装置の
主要部分の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例に用いた現像バイアスの
実波形の図である。
【図7】本発明の第3の実施例に用いた現像バイアスの
実波形の図である。
【図8】従来の画像形成装置の主要部分の図である。
【図9】従来例の現像バイアスを示す図である。
【図10】従来例を別の現像バイアスを示す図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(静電潜像担持体) 2 現像スリーブ(現像剤担持体) tD-slope 飛ばし電圧が高濃度部の現像に寄与し得る
値をとる全体の期間 tH-slope 飛ばし電圧が高濃度部と低濃度部の双方の
現像に寄与し得る値をとる期間 VD ダーク電位(高濃度部の電位) VH ハーフトーン電位(低濃度部の電位) Vmax 交互電圧の一周期内に潜像担持体から現像剤担
持体に向かう方向に現像剤を移動させる方向の戻し電圧
のピーク Vmin 交互電圧の一周期内に現像剤担持体から潜像担
持体に向かう方向に現像剤を移動させる方向の飛ばし電
圧のピーク

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像が形成される静電潜像担持体
    と、現像剤を担持する現像剤担持体とを有し、該現像剤
    担持体に所定の現像バイアスを印加することにより前記
    現像剤担持体に担持された現像剤を前記静電潜像担持体
    上の静電潜像に付着させ可視画像化する画像形成装置に
    おいて、前記現像剤担持体に印加する前記現像バイアス
    は交互電圧であり、該交互電圧の一周期内に前記現像剤
    担持体から前記潜像担持体に向かう方向に現像剤を移動
    させる方向の飛ばし電圧のピークから、前記潜像担持体
    から前記現像剤担持体に向かう方向に現像剤を移動させ
    る方向の戻し電圧のピークまでの移行に要する期間が、
    前記戻し電圧のピークから前記飛ばし電圧のピークまで
    の移行に要する期間よりも長く、前記飛ばし電圧が、形
    成される画像の低濃度部及び高濃度部の双方の現像に寄
    与し得る値をとる期間は交互電圧一周期の50%未満で
    あり、高濃度部の現像に寄与し得る値をとる全体の期間
    は交互電圧一周期の50%以上である様に設定した現像
    バイアス波形を用いることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 飛ばし電圧が、形成される画像の低濃度
    部及び高濃度部の双方の現像に寄与しうる値をとる期間
    は交互電圧一周期の45%未満であり、高濃度部の現像
    に寄与し得る値をとる全体の期間は交互電圧一周期の5
    5%以上である様に設定した現像バイアス波形を用いる
    こととする請求項1の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 交互電圧の一周期内に現像剤担持体から
    潜像担持体に向かう方向に現像剤を移動させる方向の飛
    ばし電圧のピークから、潜像担持体から現像剤担持体に
    向かう方向に現像剤を移動させる方向の戻し電圧のピー
    クまでの単位時間当たりの変位は、初期は急峻であっ
    て、順次緩やかになることとする請求項1または請求項
    2に画像形成装置。
  4. 【請求項4】 交互電圧の一周期内に潜像担持体から現
    像剤担持体に向かう方向に現像剤を移動させる方向の戻
    し電圧のピークから、現像剤担持体から潜像担持体に向
    かう方向に現像剤を移動させる方向の飛ばし電圧のピー
    クまでの単位時間当たりの変位は、ほぼ一定であること
    とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 交互電圧の一周期内に現像剤担持体から
    潜像担持体に向かう方向に現像剤を移動させる方向の飛
    ばし電圧のピークから、潜像担持体から現像剤担持体に
    向かう方向に現像剤を移動させる方向の戻し電圧のピー
    クまでの単位時間当たりの変位は、ほぼ指数関数的に変
    化することとする請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 低濃度部とは、形成される画像濃度が
    0.8以下であることとする請求項1ないし請求項5の
    いずれかに記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 現像剤担持体に担持され画像形成を行う
    現像剤の現像剤担持体上の平均帯電量は−15μC/g
    〜15μC/gであることとする請求項1ないし請求項
    6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 現像剤は一成分現像剤であることとする
    請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像形成装
    置。
  9. 【請求項9】 現像剤は磁性現像剤であることとする請
    求項1ないし請求項8のいずれかに記載の画像形成装
    置。
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