JPH0813701B2 - 耐摩耗性アルミナージルコニア焼結体およびその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性アルミナージルコニア焼結体およびその製造方法

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JPH0813701B2
JPH0813701B2 JP2285436A JP28543690A JPH0813701B2 JP H0813701 B2 JPH0813701 B2 JP H0813701B2 JP 2285436 A JP2285436 A JP 2285436A JP 28543690 A JP28543690 A JP 28543690A JP H0813701 B2 JPH0813701 B2 JP H0813701B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高強度、高靱性のアルミナ−ジルコニア焼
結体およびその製造方法に関するもので、特に耐摩耗性
が要求されるセラミック部品に利用されるアルミナ−ジ
ルコニア焼結体およびその製造方法に関する。
(従来の技術) 従来より、セラミック材料は脆性材料であるものの耐
熱性、耐摩耗性、耐食性に優れていることから、エンジ
ン部品、ポンプ部品、切削工具、軸受、薬品反応槽等の
広い分野で利用されている。
特に、押出機のスクリューやブラストノズルのような
耐摩耗性が要求されるセラミック部品には、ジルコニア
セラミックスやアルミナセラミックスが用いられてい
る。
しかし、ジルコニアセラミックスは高強度、高靱性で
あるものの、価格がアルミナの約10倍と非常に高く、ま
た使用温度が200℃を超えると正方晶の単斜相の相変態
を起こしやすく、強度低下の原因となるなど、工業的に
使用するには未解決の問題が多い。
また、工業的に使用されているアルミナセラミックス
は純度が92〜98%程度でジルコニアセラミックスに比べ
安価であるものの、強度、靱性の特性が低く、耐摩耗材
としては満足できるものではなかった。
そこでセラミック材料に異種のセラミック材料を添加
することにより、各々のもつ特性が加味されて全体的な
特性を向上させる複合材料の研究も進められている。
例えば、特開平1-157461号公報には、切削工具あるい
は高温用材料として有用なアルミナにジルコニアを添加
することにより、破壊靱性値(KiC)が4.2〜5.0MN/
m3/2、抗折強度90〜145kg/mm2の高アルミナ質焼結体と
その製造方法が開示されている。
特開平1-157461号公報に示す高アルミナ質焼結体は、
アルミナ粉末と安定化剤が添加されていないZrO2とを微
粉砕し、活性化させた後、1500℃以下の温度で予備焼結
し、等方静水圧プレス(HIP)処理することにより0.1〜
1.0μmのアルミナ結晶と0.1〜0.5μmの立方晶と正方
晶の中間的結晶相のZrO2が構成されるものである。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、この特開平1-157461号公報による高ア
ルミナ質焼結体によると、高強度、高靱性のセラミック
体であるが、耐摩耗性が充分に高くなく、微細に粉砕し
たり予備焼結後HIP処理が必要となるため製造コストが
高いことやHIP処理を必要とするので製品形状が限定さ
れること等から、押出機のスクリューやブラストノズ
ル、粉砕機、混合機のように耐摩耗性が要求されるセラ
ミック部品に用い、工業的な利用を図ることが困難であ
るという問題があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされ
たもので、高硬度、高強度、高靱性でありかつ安価に製
造可能な耐摩耗性アルミナ−ジルコニア焼結体およびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) そのために、本発明の第1の発明による耐摩耗性アル
ミナ−ジルコニア焼結体は、組成として、Al2O3:50〜95
wt%、準安定化ZrO2:5〜50wt%、および前記Al2O3と前
記準安定化ZrO2の総量100重量部に対しTiO2:0.05〜1.0
重量部を含み、焼結体の結晶の平均粒径が1.0〜4.0μm
であることを特徴とする。
本発明の第2の発明による耐摩耗性アルミナ−ジルコ
ニア焼結体の製造方法は、組成として、Al2O3:50〜95wt
%、準安定化ZrO2:5〜50wt%、および前記Al2O3と前記
準安定化ZrO2の総量100重量部に対しTiO2:0.05〜1.0重
量部からなる粉末原料を、混合、乾燥、成形後、温度15
50〜1650℃で焼成することを特徴とする。
ここで、ZrO2粉末は、例えばオキシ塩化ジルコニウム
にY2O3として2〜4mol%さらに好ましくは3mol%Y2O3
相当する塩化イットリウムを添加しNaOHにより共沈した
混合物を750〜850℃で仮焼し、70%以上の正方晶からな
るZrO2粉末を用いるのが好ましい。
上記組成のZrO2粉末を製造する際、仮焼温度を高くす
るとほとんど正方晶ジルコニアとなるが、仮焼温度が高
温すぎると、原料粒子の焼結が起こり結晶粒子が大きく
なり、アルミナ粉末中に均一分散ができなくなるため焼
結温度が750〜850℃とした。
TiO2を用いたのは、焼結助剤として作用し、ZrO2に固
溶することなく正方晶を保持することで、曲げ強度を高
められるためである。通常のアルミナ−ジルコニア焼結
体の焼結助剤としてMgO、Y2O3、CaO2等が知られている
が、これらの物質は、ZrO2に固溶し易く、焼結助剤の作
用が低下し、焼結温度の上昇や、助剤の増加等を必要と
したり、これらの助剤がZrO2に固溶すると部分安定化Zr
O2を形成し、強度靱性の低下の原因となるので不適であ
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を説明する。
本発明の実施例によるアルミナ−シルコニア焼結体の
製造方法は、母材としてのAl2O3、ZrO2、およびTiO2
成形助材としてポリアクリル酸NH4、エステル油脂エマ
ールジョンを添加し、この混合物を乾燥し、金型プレス
およびラバープレス処理を行った後、焼成するものであ
る。
まず、昭和電工製AL-160SG-3の平均粒径0.5μmのア
ルミナ原料粉末と、東洋ソーダ製の800℃で仮焼した正
方晶80%の3mol%Y2O3添加ジルコニア(以下、「3Y-ZrO
2」と記す。)と、石原産業製の平均粒径0.2μmのTiO2
粉末を第1表に示す割合に合計500gになるように混合し
た。
この合計500gの母材に対して、成形助剤としてポリア
クリル酸NH41.0wt%、エステル油脂エマールジョン0.5w
t%を添加し、500gポリポットで24時間混合した。得ら
れた混合物を乾燥後、デシンタで解砕した。次に200kg/
cm2の圧力で金型プレスを行ない60×60×7mmの角板を作
成した。この角板を、2.5ton/cm2でラバープレスした
後、大気雰囲気焼成炉中で1450〜1700℃の温度で焼成し
た。
ここにアルミナ−ジルコニア焼結体の製造に使用した
Al2O3、3Y-ZrO2、TiO2の混合割合ならびに焼成温度を第
1表に示す。
得られた焼結体について四点曲げ強度、破壊靱性値
(K1C)、耐摩耗深さ、焼結体粒径を測定した。ここ
に、四点曲げ強度は「ファインセラミックスの曲げ強度
試験法」(JIS規格R−1601)、破壊靱性値はシェブロ
ェノッチ法、耐摩耗深さはサンド・ブラストによる耐摩
耗試験、焼結体粒径は電子走査顕微鏡(SEM)に従って
測定した。結果は第1表に示す。
なお、サンド・ブラストによる耐摩耗試験の条件はブ
ラスト材:SiC#60、距離:1m、噴射角度:垂直、噴射圧
力:5kgf/cm2、噴射時間:3分であった。また摩耗量は輪
郭形状測定機により摩耗の最も激しい位置の深さを測定
した。
実施例1〜7においては、3Y-ZrO2の量を5〜50wt%
の範囲で変化させたものであり、3Y-ZrO2が増加するに
従い第1図および第2図に示すように曲げ強度は52〜90
Kgf/mm2、破壊靱性値(KIC)は4.5〜5.9MN/m3/2と上昇
する。しかし、耐摩耗性は第3図からも明らかである
が、実施例3および実施例4にあるように3Y-ZrO2が15
〜20wt%の場合が摩耗深さが小さく特に良好である。
実施例8〜13においては、3Y-ZrO2の含有量を一定に
し、焼結助剤として添加するTiO2を0.05〜1.0wt%の範
囲で変化させたものである。TiO2が0.05wt%未満では焼
結促進がされず、また1.0wt%を超えると曲げ強度が低
下する。第4図〜第6図に示されるように、実施例9〜
12のようにTiO2が0.2〜0.8wt%含有される場合、曲げ強
度、破壊靱性、耐摩耗性の優れたアルミナ−ジルコニア
焼結体が得られる。
実施例14〜16はAl2O3、3Y-ZrO2およびTiO2の含有量を
一定にし、焼成温度を1500〜1650℃の範囲で変化させた
ものである。実施例15、16にみられるように、1550〜16
50℃の場合が最も良好である。1500℃未満では焼結不十
分で曲げ強度は低い。1650℃を超えると、結晶粒が成長
し曲げ強度は低下する。
なお実施例1〜16においてX線回折の結果ZrO2は全て
正方晶であった。また250℃×50時間のオートクレーブ
試験(正方晶から単斜晶への加速度試験)後の曲げ強度
試験の低下率は50%以内であった。
これに対し、比較例1および比較例2は、曲げ強度、
破壊靱性値、耐摩耗深さが劣る。これは、3Y-ZrO2の添
加量が少ないためであると考えられる。
比較例3および比較例4は、曲げ強度、破壊靱性値、
耐摩耗深さについては比較的良好であるが、3Y-ZrO2
多量に必要とするため高コストとなる欠点がある。
比較例5および比較例6は、曲げ強度および破壊靱性
値が劣る。これは比較例5ではTiO2の添加量が過多であ
るものと考えられ、また比較例6では焼成温度が低過ぎ
ることが原因であると考えられる。
比較例7は耐摩耗深さが低い。これは焼成温度が高す
ぎたことが1つの要因であると考えられる。
比較例8は充分に高い曲げ強度が得られるが、耐摩耗
深さが低下する。また比較例9は曲げ強度および破壊靱
性値が相対的に劣る。これらの比較例8および比較例9
は、母材成分が1つの原因であるものと考えられる。
以上の試験結果により、3Y-ZrO2が5〜50wt%、Al2O3
が50〜95wt%、TiO2が0.05〜1.0wt%の割合で原料粉末
を混合し、1500〜1650℃で焼成した場合、焼結体の結晶
の平均粒径が1〜4μmの範囲の焼結体が得られると、
高強度、高靱性、かつ耐摩耗性に優れたアルミナ−ジル
コニア焼結体が得られることが解った。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の耐摩耗性アルミナ−ジ
ルコニア焼結体およびその製造方法によると、特別な粉
砕機やHIP焼成炉等を必要とせずに、安価に製造可能
な、高強度、高靱性でかつ耐摩耗性に優れたアルミナ−
ジルコニア焼結体を得ることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はZrO2添加量と曲げ強度の関係を示す特性図、第
2図はZrO2添加量と破壊靱性値の関係を示す特性図、第
3図はZrO2添加量と摩耗深さの関係を示す特性図、第4
図はTiO2添加量と曲げ強度との関係を示す特性図、第5
図はTiO2添加量と破壊靱性値の関係を示す特性図、第6
図はTiO2添加量と摩耗深さの関係を示す特性図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成として、 Al2O3:50〜95wt%、 準安定化ZrO2:5〜50wt%、および 前記Al2O3と前記準安定化ZrO2の総量100重量部に対し、 TiO2:0.05〜1.0重量部を含み、 焼結体の結晶粒の平均粒径が1.0〜4.0μmであることを
    特徴とする耐摩耗性アルミナ−ジルコニア焼結体。
  2. 【請求項2】組成として、 Al2O3:50〜95wt%、 準安定化ZrO2:5〜50wt%、および 前記Al2O3と前記準安定化ZrO2の総量100重量部に対し、 TiO2:0.05〜1.0重量部からなる粉末原料を、混合、乾
    燥、成形後、温度1550〜1650℃で焼結することを特徴と
    するアルミナ−ジルコニア焼結体の製造方法。
JP2285436A 1990-10-22 1990-10-22 耐摩耗性アルミナージルコニア焼結体およびその製造方法 Expired - Lifetime JPH0813701B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101322442B1 (ko) * 2006-02-17 2013-10-25 생-고뱅 생트레 드 레체르체 에 데투드 유로삐엔 알루미나 - 티타늄 옥사이드 - 지르코니아 용융 입자
WO2019194240A1 (ja) 2018-04-03 2019-10-10 日本製鉄株式会社 複合セラミックス積層体、及び製造方法

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