JPH0687650A - アルミナ系焼結体及びその製造方法 - Google Patents

アルミナ系焼結体及びその製造方法

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JPH0687650A
JPH0687650A JP4176780A JP17678092A JPH0687650A JP H0687650 A JPH0687650 A JP H0687650A JP 4176780 A JP4176780 A JP 4176780A JP 17678092 A JP17678092 A JP 17678092A JP H0687650 A JPH0687650 A JP H0687650A
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JP
Japan
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alumina
zirconia
sintered body
mullite
based sintered
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JP4176780A
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English (en)
Inventor
Yuji Sato
裕二 佐藤
Yuji Katsumura
祐次 勝村
Toshiyuki Mori
利之 森
Hiroshi Yamamura
博 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tungaloy Corp
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Toshiba Tungaloy Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ジルコニア18〜38重量%、ムライト1〜
20重量%及びアルミナ又はアルミナとスピネルを含む
マトリックス残部からなることを特徴とするアルミナ系
焼結体;ならびにジルコニアと、アルミナ又はマグネシ
アを含有するアルミナと、二酸化ケイ素及び/又はケイ
酸ジルコニウムとからなる出発物質より、焼結及び熱間
静水圧処理することを特徴とするアルミナ系焼結体の製
造方法。 【効果】 高温における曲げ強さ、耐熱衝撃性、工具と
しての耐摩耗性及び耐欠損性に優れた焼結体が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミナを主成分と
し、他にジルコニアとムライトを含むアルミナ系焼結体
及びその製造方法に関し、具体的には、たとえば切削工
具、また耐摩耗性及び耐食性の必要な工具に適し、とく
に鋼の高速切削用工具として最適なアルミナ系焼結体及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミナは、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品
性などの優れた特性を有しているが、強度及び靭性に劣
るという問題がある。この問題を解決するためのひとつ
の技術的動向として、アルミナに各種の他物質を添加し
たアルミナ系焼結体が多数提案されている。アルミナ系
焼結体のうち、アルミナ、ジルコニア及びムライトを含
む焼結体として、次のようなものが提案されている。
【0003】まず、特開昭61−247659号公報に
は、ムライトとして存在するSiO2 2.5〜8.5重
量%、ZrO2 3.0〜8.0重量%、及び残部がα−
Al23 からなる焼結体が記載されている。このよう
なアルミナ系焼結体は、耐摩耗性を改善し、信頼性及び
安定性を高めることにより、従来のAl23 −MgO
系焼結体及びAl23 −SiO2 系焼結体の問題点を
解決したものであるが、さらに厳しい用途に対しては、
強度及び靭性が満足できるものではない。たとえば切削
工具のような苛酷な条件が働く用途では、初期欠損又は
チッピングを生じ、寿命が短いとなるという問題があ
る。
【0004】また、特開昭62−12662号公報に
は、安定化剤を含む部分安定化ジルコニアに、0.5〜
60内部重量%の範囲でムライト又はアルミナ及びムラ
イトを含む焼結体が記載されている。この焼結体は、体
積変化が大きいというジルコニアの欠点を抑制し、強度
及び靭性を高めたものであるが、耐熱衝撃性及び高温に
おける耐摩耗性の低下が著しいので、高速切削用工具の
ような用途には適さない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のアルミナ系焼結体に存在する問題点を解決して、アル
ミナの長所である耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性を最大限
に発揮するとともに、その短所である強度と靭性を補
い、高温における耐摩耗性及び耐欠損性、ならびに耐熱
衝撃性及び耐塑性変形性に優れ、とくに工具用素材に適
するアルミナ系焼結体を提供することである。
【0006】本発明のもうひとつの目的は、このような
アルミナ系焼結体の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アルミナ
の強度及び靭性を高める目的で、アルミナ−ジルコニア
系焼結体について研究を重ねた結果、アルミナとジルコ
ニアにケイ酸ジルコニウムを添加した出発原料を用い
て、ケイ酸ジルコニウムの分解及びムライトの生成反応
を起こさせると、緻密な焼結体が得られること、アルミ
ナとジルコニアに二酸化ケイ素を加えた系でも、同様に
ムライトを形成して緻密な焼結体が得られること、なら
びに得られる焼結体中に存在するアルミナ、ジルコニア
及びムライトの組成比の制御により、高温における焼結
体の特性を顕著に高めることができるという知見を得
て、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、 (1)ジルコニア18〜38重量%; (2)ムライト1〜20重量%;及び (3)アルミナ又はアルミナとスピネルとを含むマトリ
ックス残部 からなることを特徴とするアルミナ系焼結体に関する。
【0009】本発明の焼結体の成分であるジルコニア
は、結晶構造的には、正方晶系、単斜晶系及び立法晶系
のいずれでもよく、またこれらの混在した状態でもよ
い。これらのうち、正方晶系のジルコニアは、応力誘起
変態によって焼結体の強度、靭性を高める効果があるこ
とからとくに好ましく、さらに単斜晶系のジルコニア
も、マイクロクラック強化による靭性向上の効果がある
ことから好ましい。
【0010】ジルコニアの含有量は、焼結体の18〜3
8重量%の範囲である。18重量%未満では、所望の強
度、靭性が得られないので、工具として使用する際に欠
損を生じやすい。とくに、鋼を高速で切削した場合に
は、強度、靭性の不足によるAl23 粒子の脱落によ
ると思われる摩耗が進行しやすく、耐摩耗性に劣るた
め、使用に耐えない。逆に38重量%を越えると、耐熱
衝撃性の低下が著しく、耐欠損性に劣り、また硬度の著
しい低下により耐摩耗性が低下する。
【0011】本発明では、必要に応じて、ジルコニアに
対して5モル%以下の安定化剤を添加することができ
る。この場合、安定化剤を含めたジルコニアの量が、前
述の18〜38重量%の範囲である。安定化剤は、過度
の単斜晶ジルコニアの生成によるマイクロクラックの結
合に伴う強度低下を防止するものであり、焼結体の組
成、粒径などにより、好ましい添加量を選択すればよい
が、その添加量がジルコニアに対して5モル%を越える
と、応力誘起変態による強度、靭性向上の効果が低下
し、かつ耐摩耗性も低下するので好ましくない。
【0012】安定化剤としては、Sc、Yをはじめとし
て希土類元素の酸化物、酸化カルシウムなどが例示さ
れ、高強度の焼結体が得られる酸化イットリウムが好ま
しい。
【0013】本発明の焼結体において、ムライトは、高
温における強度、耐塑性変形性、耐熱衝撃性を向上させ
る効果がある。
【0014】ムライトの含有量は、焼結体の1〜20重
量%、好ましくは5〜15重量%である。1重量%未満
では上述の効果が不十分であり、20重量%を越えると
耐摩耗性及び室温強度の低下が著しいからである。
【0015】本発明の焼結体において、スピネルは、ア
ルミナ粒子の成長を抑制するとともに、焼結性を向上さ
せる作用がある。スピネルの含有量は、焼結体の形状及
び用途により選定すればよく、たとえば、鋼の高速切削
用工具として用いる場合は、耐摩耗性が低下しないよう
に、10重量%以下が好ましい。
【0016】本発明のアルミナ系焼結体の製造方法は、
ジルコニア又は安定化剤を含有するジルコニアと、アル
ミナ又はマグネシアを含有するアルミナと、二酸化ケイ
素及び/又はケイ酸ジルコニウムとからなる出発物質を
混合、成形及び加熱焼結した後、圧力1,000気圧以
上、温度1,300℃以上の条件で熱間静水圧処理する
ことを特徴とする。
【0017】ムライトは、出発原料としてムライト粉末
を使用してもよいが、二酸化ケイ素粉末やケイ酸ジルコ
ニウム粉末として添加し、焼結中、下記の反応により生
成させることが好ましい。これは、焼結性が向上すると
ともに、二酸化ケイ素粉末を用いたときはアルミナ−ム
ライト粒子間の結合が、またケイ酸ジルコニウム粉末を
用いたときはアルミナ−ムライト−ジルコニア粒子間の
結合が強固になり、緻密な焼結体を形成して、耐欠損性
がいっそう向上するためである。
【0018】
【化1】
【0019】また、アルミナとともにマトリックスを構
成するスピネルは、焼結中に、下記のようなアルミナと
マグネシアの反応によって生成させることができる。
【0020】
【化2】
【0021】本発明の製造方法において、用いられるジ
ルコニア、安定化剤、アルミナ、マグネシア、二酸化ケ
イ素及び/又はケイ酸ジルコニウムの量は、上記の化学
反応によって得られる焼結体に含有されるジルコニア、
安定化剤、ムライト及びアルミナの量からの計算量でよ
い。
【0022】本発明の焼結体は、従来の粉末冶金法によ
り製造することができるが、熱間静水圧(HIP)処理
を施すことにより、さらに高強度で信頼性に優れた焼結
体を得ることができる。すなわち、各種の出発原料を所
要量配合し、たとえばボールミルなどにより均一に混
合、粉砕する。上記の原料粉末混合物に、パラフィンな
どの成形助剤を添加し、造粒した後、所定の形状にプレ
ス成形する。ついで、成形体を、たとえば大気雰囲気
中、1,350〜1,650℃の温度で焼結することに
より、本発明の焼結体を得ることができる。さらに必要
に応じてHIP処理を施すことができる。HIP処理の
条件としては、雰囲気ガスとしてAr、N2などの不活
性ガスが使用されるが、酸素を含むガス雰囲気であれば
さらに好ましい。ガス圧力としては1,000気圧以上
が必要であり、処理温度は1,300℃以上であること
が好ましい。1,000気圧未満のガス圧力、又は1,
300℃未満の温度では、HIP処理による強度、信頼
性向上の効果が十分でない。
【0023】
【実施例】出発原料として、平均粒径0.1μm のアル
ミナ粉末、マグネシア粉末、ムライト粉末、平均粒径
0.2μm のケイ酸ジルコニウム粉末、及び一次粒子径
が300Åのジルコニア粉末を用いた。ジルコニア粉末
としては、酸化イットリウムを含まないもの、又は1〜
6モル%の酸化イットリウムを含むものを用い分けた。
これらを表1の配合組成となるように秤量し、メタノー
ル溶媒、アルミナボールを用い、ボールミルにより48
時間、混合と粉砕を行ってスラリーとした。得られたス
ラリーを乾燥後、5重量%のパラフィンワックスを添加
して、造粒した。このようにして得られた粒状物を1to
n/cm2 の圧力で金型プレスにより成形し、1,600℃
で1時間、大気中で焼結した。さらに1,500℃で1
時間、Ar1,500気圧の条件でHIP処理を行うこ
とにより、本発明による焼結体1〜7、及び比較品焼結
体1〜5を得た。
【0024】このようにして得られた焼結体について、
X線回折による組成分析を行うとともに、室温における
曲げ強さ、及び真空雰囲気中、1,200℃における高
温曲げ強さを測定した。これらの結果は表1に示すとお
りであった。
【0025】
【表1】
【0026】さらに、表2に示す条件(A)及び(B)
をそれぞれ用いて、連続及び断続の乾式による旋削試験
を行った。その結果も併せて表1に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明のアルミナ系焼結体は、従来のア
ルミナ系焼結体に比べて、高温における曲げ強さ、耐熱
衝撃性及び耐塑性変形性が優れている。さらに、切削工
具として使用した場合に、耐摩耗性が優れ、また耐欠損
性が顕著に優れている。
【0029】したがって、本発明のアルミナ系焼結体
は、鋼の高速切削用工具をはじめとして、耐摩耗性の必
要な各種工具の素材に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 利之 茨城県土浦市富士崎一丁目18−7 (72)発明者 山村 博 茨城県つくば市上広岡460−35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)ジルコニア18〜38重量%; (2)ムライト1〜20重量%;及び (3)アルミナ又はアルミナとスピネルとを含むマトリ
    ックス残部 からなることを特徴とするアルミナ系焼結体。
  2. 【請求項2】 (1)安定化剤を5モル%以下含有する
    ジルコニア18〜38重量%; (2)ムライト1〜20重量%;及び (3)アルミナ又はアルミナとスピネルとを含むマトリ
    ックス残部 からなることを特徴とするアルミナ系焼結体。
  3. 【請求項3】 上記安定化剤が酸化イットリウムである
    請求項2記載のアルミナ系焼結体。
  4. 【請求項4】 ジルコニア又は安定化剤を含有するジル
    コニアと、アルミナ又はマグネシアを含有するアルミナ
    と、二酸化ケイ素及び/又はケイ酸ジルコニウムとから
    なる出発物質を混合、成形及び加熱焼結した後、圧力
    1,000気圧以上、温度1,300℃以上の条件で熱
    間静水圧処理し、請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    アルミナ系焼結体を作製することを特徴とするアルミナ
    系焼結体の製造方法。
JP4176780A 1992-07-03 1992-07-03 アルミナ系焼結体及びその製造方法 Pending JPH0687650A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4854788A (en) * 1987-04-21 1989-08-08 Nikken Tool Co., Ltd. Drill
FR2801050A1 (fr) * 1999-11-16 2001-05-18 Japan Represented By Director Ceramiques superplastiques a base d'alumine
US8147980B2 (en) 2006-11-01 2012-04-03 Aia Engineering, Ltd. Wear-resistant metal matrix ceramic composite parts and methods of manufacturing thereof

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2801050A1 (fr) * 1999-11-16 2001-05-18 Japan Represented By Director Ceramiques superplastiques a base d'alumine
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Effective date: 20000912