JPH08134303A - 塩化ビニル系樹脂エマルジョン - Google Patents

塩化ビニル系樹脂エマルジョン

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JPH08134303A
JPH08134303A JP28209294A JP28209294A JPH08134303A JP H08134303 A JPH08134303 A JP H08134303A JP 28209294 A JP28209294 A JP 28209294A JP 28209294 A JP28209294 A JP 28209294A JP H08134303 A JPH08134303 A JP H08134303A
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JP
Japan
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weight
vinyl chloride
parts
resin emulsion
chloride resin
Prior art date
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Pending
Application number
JP28209294A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Ochiai
幸雄 落合
Hideaki Yoshitomi
英明 吉富
Masayuki Imamura
雅之 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP28209294A priority Critical patent/JPH08134303A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする低
粘度の光重合性組成物を塗布する場合等に適した塗布液
液溜部の液面を常に一定のレベルに保ち、安定した塗布
作業と一定した塗布品質を与える光重合性組成物の塗布
方法の提供。 【構成】塗布液が常時供給され、塗布部に対応して設け
られた水平な溢流口より余剰の塗布液が溢流し、塗布液
液溜部の液面が一定レベルに維持されているロール式コ
ーターに、離型性を有するシートを供給し、シートの離
型性を有する面と塗布ロールの間隙にある塗布液を離型
性を有するシートに供給し、塗布するかもしくは離型性
を有するシート2枚を、2本の塗布ロール表面に沿って
供給し、シートの離型性を有する表面間に塗布液を供給
し、挟持させる光重合性組成物の塗布方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂エマ
ルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セメント、モルタル等を原料とす
る無機系建材用塗料、セメント/木材複合系建材用塗
料、各種塗装の下塗塗料は、耐エフロレッセンス性、耐
水性、耐薬品性及び機械的強度に優れるという理由で、
塩化ビニル系樹脂をメチルエチルケトン、酢酸エチル、
トルエン等の有機溶剤に溶解した溶液型塗料が用いられ
てきた。しかし、上記有機溶剤を使用する溶液型塗料
は、塗装作業中もしくは保管時に火災や爆発の危険性が
あり、更に塗装作業中の作業者の労働衛生問題や環境破
壊につながる環境汚染の問題があり、脱溶剤化が強く要
望されている。
【0003】叙上の状況にあって、各種溶液型塗料を水
性の合成樹脂エマルジョン型の塗料に転換する試みがな
されており、前記する用途に供されている、例えば、酢
酸ビニル系、酢酸ビニル−エチレン系、アクリル酸エス
テル系の合成樹脂エマルジョンは、耐エフロレッセンス
性、耐水性、耐薬品性に加えて耐候性も十分なものでは
なく、又、塩化ビニル系の合成樹脂エマルジョンは、耐
水性、耐薬品性等の性能はよいが、ガラス転移温度が高
いことから柔軟性に乏しく、成膜性に難点があり、いず
れも塗料用に用いることは不適である。
【0004】特公昭51−35434号公報には、塩化
ビニル系単量体に酢酸ビニル系単量体、アクリル酸エス
テル系単量体を共重合させた合成樹脂エマルジョンが前
記合成樹脂エマルジョンの欠点を改善するものとして開
示されているが、この合成樹脂エマルジョンも耐エフロ
レッセンス性、耐水性、耐薬品性のバランスを欠き、且
つ、耐候性も十分なものではない。
【0005】又、従来よりこれらの合成樹脂エマルジョ
ンに紫外線吸収剤やヒンダードアミン系等の光安定剤を
添加して耐候性を向上する手段が採られてきたが、これ
らの紫外線吸収剤や光安定剤を合成樹脂エマルジョンに
単に添加しただけのものでは、その性能を十分に発揮さ
せることはかなり難しい。即ち、これらの紫外線吸収剤
や光安定剤を、そのまま、もしくは予め水に乳化分散さ
せた形で合成樹脂エマルジョンに添加し、混合しただけ
では、塗膜から経時的にこれらの紫外線吸収剤や光安定
剤がブリードアウトして短時間の内にその効果を消失し
てしまう。
【0006】本発明は、叙上の事実に鑑みなされたもの
であって、その目的とするところは、セメント、モルタ
ル等を原料とする無機系建材用塗料、セメント/木材複
合系建材用塗料、各種塗装の下塗塗料等に適した耐候
性、耐エフロレッセンス性、耐水性、耐薬品性、柔軟性
及び機械的強度に優れた塩化ビニル系樹脂エマルジョン
を提供するにある。
【0007】請求項1記載の本発明は、(イ)塩化ビニ
ル単量体30〜80重量%、(ロ)(メタ)アクリル酸
アルキルエステルの1種または2種以上20〜70重量
%からなる重合性単量体100重量部、(ハ)上記重合
性単量体2者と共重合可能な反応性界面活性剤の1種ま
たは2種以上0.01〜10重量部及び(ニ)上記重合
性単量体2者と共重合可能な下記一般式で示されるヒン
ダードアミン系光安定剤の1種または2種以上0.01
〜5.0重量部が乳化重合されていることを特徴とする
塩化ビニル系樹脂エマルジョンをその要旨とするもので
ある。
【化3】
【0008】請求項2記載の本発明は、(イ)塩化ビニ
ル単量体30〜80重量%、(ロ)(メタ)アクリル酸
アルキルエステルの1種または2種以上10〜60重量
%、(ハ)カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ
基の群から選ばれる官能基の1種または2種以上を有す
る重合性単量体の1種または2種以上1〜20重量%か
らなる重合性単量体100重量部、(ニ)上記重合性単
量体3者と共重合可能な反応性界面活性剤の1種または
2種以上0.01〜10重量部及び(ホ)上記重合性単
量体3者と共重合可能な下記一般式で示されるヒンダー
ドアミン系光安定剤の1種または2種以上0.01〜
5.0重量部が乳化重合されていることを特徴とする塩
化ビニル系樹脂エマルジョンをその要旨とするものであ
る。
【化4】
【0009】請求項1及び2記載の本発明において使用
される塩化ビニル単量体(イ)は、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルの1種または2種以上(ロ)とからな
る重合性単量体混合物において30〜80重量%の割合
で配合されるが、30重量%未満では、塩化ビニル系樹
脂エマルジョンから得られる塗膜の耐水性や耐薬品性等
の優れた特性が発揮されず、又、80重量%を超える
と、成膜性が低下して緻密な塗膜が得られず、その塗膜
も硬く、塗料として好ましいものでなくなる。
【0010】請求項1及び2記載の本発明において使用
される(メタ)アクリル酸アルキルエステル(ロ)とし
ては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、iso−ブチルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、n−オ
クチルアクリレート、iso−オクチルアクリレート、
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレー
ト、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレー
ト、ラウリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルア
クリレート等の単官能アクリレート及びそれらのメタア
クリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等の
2官能アクリレート及びそれらのメタアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート等の3官能アクリレート及び
それらのメタアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート等の多官能アクリレート及びそれらのメタアクリ
レート等が挙げられる。
【0011】請求項1記載の本発明において使用される
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(ロ)は1種
のみで使用されてもよいが2種以上が使用されてもよ
い。又、塩化ビニル単量体(イ)とからなる重合性単量
体混合物において70〜20重量%の割合で配合される
が、20重量%未満では、成膜性が低下して緻密な塗膜
が得られず、又、70重量%を超えると、塩化ビニル系
樹脂エマルジョンから得られる塗膜の耐水性や耐薬品性
等の優れた特性が発揮されないので塗料として好ましい
ものでなくなる。
【0012】請求項2記載の本発明において使用される
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(ロ)は1種
のみで使用されてもよいが2種以上が使用されてもよ
い。又、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(ロ)は、塩化ビニル単量体(イ)及びカルボキシル
基、ヒドロキシル基、エポキシ基の群から選ばれる官能
基の1種または2種以上を有する重合性単量体の1種ま
たは2種以上(ハ)1〜20重量%との3者からなる重
合性単量体混合物において10〜60重量%の割合で配
合されるが、10重量%未満では、成膜性が低下して緻
密な塗膜が得られず、又、60重量%を超えると、塩化
ビニル系樹脂エマルジョンから得られる塗膜の耐水性や
耐薬品性等の優れた特性が発揮されないので塗料として
好ましいものでなくなる。
【0013】請求項2記載の本発明において使用される
上記カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基の群
から選ばれる官能基の1種または2種以上を有する重合
性単量体(ハ)としては、例えば、アクリル酸、メタア
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラ
コン酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルコ
ハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−
アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカ
ルボキシル基を有する重合性単量体は1種のみで使用さ
れてもよいが2種以上が使用されてもよい。
【0014】又、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エ
ポキシ基の群から選ばれる官能基の1種または2種以上
を有する重合性単量体の1種または2種以上(ハ)は、
塩化ビニル単量体(イ)及び(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルの1種または2種以上(ロ)との3者からな
る重合性単量体混合物において1〜20重量%の割合で
配合されるが、1重量%未満では、前記する無機系建材
やセメント/木材複合系建材等の表面に対する密着性が
低下し、20重量%を超えると、得られる塗膜の耐水性
や耐薬品性等の優れた特性が発揮されないので塗料とし
て好ましいものでなくなる。
【0015】請求項1及び2記載の本発明において使用
される上記重合性単量体(イ)、(ロ)ないしは(イ)
〜(ハ)と共重合可能な反応性界面活性剤は、分子中に
ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有する界面活性
剤であり、例えば、以下の一般式(5)〜(11)で示
される化合物が挙げられる。猶、一般式(5)〜(1
1)において、Mは、Na、NH4 。Zは、H、SO 3
NH4 。Rは、炭素数9〜18のアルキル基である。
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】又、上記重合性単量体と共重合可能な反応
性界面活性剤(ハ)ないしは(ニ)に加えて、通常乳化
重合において使用される界面活性剤も、本発明の精神を
逸脱せざる範囲において使用することができる。
【0024】これらの界面活性剤としては、例えば、ジ
アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスル
ホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニル
エーテル等のスルホン酸塩類、アルキル硫酸エステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル
塩等の硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩等の
燐酸エステル塩類等からなるアニオン性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリ
スチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコール等のエーテル系界面活性剤、
グリセリン脂肪酸部分エステル、ソルビタン脂肪酸部分
エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル等
のエステル系界面活性剤等からなる非イオン性が挙げら
れる。
【0025】請求項1及び2記載の本発明において使用
される上記重合性単量体(イ)、(ロ)ないしは(イ)
〜(ハ)と共重合可能な下記一般式(1)ないしは
(2)で示されるヒンダードアミン系光安定剤は、分子
中には、分子中にラジカル重合性の炭素−炭素二重結合
を有する光安定剤である。上記ヒンダードアミン系光安
定剤は適宜使用目的に合わせてその1種のみが使用され
てもよいが、2種以上が使用されてもよい。
【0026】
【化12】
【0027】本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジョン
は、上記組成からなる重合性単量体混合物を通常用いら
れる重合開始剤等の存在下に乳化重合せしめて得られる
が、その重合方法は特に限定されるものではなく、例え
ば、水を分散媒として、上記(イ)〜(ニ)ないしは
(イ)〜(ホ)の重合性単量体混合物、必要に応じて界
面活性剤その他の添加物の所定量を、攪拌翼を装備した
反応器に仕込み、攪拌下に水溶性重合開始剤を添加して
重合させることができる。
【0028】上記(イ)〜(ニ)ないしは(イ)〜
(ホ)の重合性単量体混合物は、重合前に一括してその
全量を仕込んでもよいが、上記重合性単量体毎に逐次も
しくは連続的に添加し重合してもよい。
【0029】上記重合開始剤は特に限定されるものでは
なく、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム等の過酸化物、或いはこれらと還元剤の組み
合わせたレドックス系重合開始剤が使用できる。更に、
通常乳化重合において用いられる連鎖移動剤、高分子保
護コロイド、緩衝剤等を必要に応じ添加してもよい。
【0030】本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジョン
は、必要に応じ、溶剤、可塑剤、増粘剤、pH調節剤、
分散剤、湿潤剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
凍結防止剤、レベリング剤等を本発明の精神を逸脱せざ
る範囲において添加されてもよい。又、上記各種添加剤
は、上記重合反応を阻害しない範囲であれば、重合反応
前もしくは重合反応中に添加してもよく、又、重合反応
完了後添加されてもよい。
【0031】
【作用】請求項1記載の本発明の塩化ビニル系樹脂エマ
ルジョンは、(イ)塩化ビニル単量体30〜80重量
%、(ロ)(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種
または2種以上20〜70重量%からなる重合性単量体
100重量部、(ハ)上記重合性単量体2者と共重合可
能な反応性界面活性剤の1種または2種以上0.01〜
10重量部及び(ニ)上記重合性単量体2者と共重合可
能な下記一般式(1)で示されるヒンダードアミン系光
安定剤の1種または2種以上0.01〜5.0重量部が
乳化重合されているので、塩化ビニル系樹脂の優れた耐
水性、耐薬品性を保持し、これと共重合可能な(メタ)
アクリル酸アルキルエステルと特定の割合で共重合する
ことにより得られるエマルジョンの塗布性、柔軟性及び
機械的強度が改善され、且つ、上記(ハ)重合性単量体
2者と共重合可能な反応性界面活性剤及び上記(ニ)重
合性単量体2者と共重合可能な前記一般式(1)で示さ
れるヒンダードアミン系光安定剤が上記塩化ビニル単量
体及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルと特定の割
合で共1合しているので、従来の界面活性剤及びヒンダ
ードアミン系光安定剤を単に塩化ビニル系樹脂に混合し
たエマルジョンでは得られない耐水性と耐候性を有する
ものである。
【0032】請求項1記載の本発明の塩化ビニル系樹脂
エマルジョンは、就中、セメント、モルタル等を原料と
する無機系建材、セメント/木材複合系建材に対し耐エ
フロレッセンス性を含む密着性、耐水性等の上記する優
れた性能を発揮するものである。
【0033】請求項2記載の本発明の塩化ビニル系樹脂
エマルジョンは、(イ)塩化ビニル単量体30〜80重
量%、(ロ)(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1
種または2種以上10〜60重量%、(ハ)カルボキシ
ル基、ヒドロキシル基、エポキシ基の群から選ばれる官
能基の1種または2種以上を有する重合性単量体の1種
または2種以上1〜20重量%からなる重合性単量体1
00重量部、(ニ)上記重合性単量体3者と共重合可能
な反応性界面活性剤の1種または2種以上0.01〜1
0重量部及び(ホ)上記重合性単量体3者と共重合可能
な前記一般式(2)で示されるヒンダードアミン系光安
定剤の1種または2種以上0.01〜5.0重量部が乳
化重合されているので、実施例1で得られる塩化ビニル
系樹脂エマルジョンより更にセメント、モルタル等を原
料とする無機系建材、セメント/木材複合系建材に対し
良好な密着性が得られる。
【0034】〔実施例〕以下、本発明の実施例を説明す
る。猶、実施例において、成膜性、透水性、耐候性及び
密着性の各試験は以下に示した方法で測定、評価した。
【0035】1.成膜性:試験板として、セメントモル
タル木材複合板(三井木材社製、商品名:センチュリー
ボード)を使用し、刷毛塗りにて乾燥後の塗膜の厚さが
50μmとなる如く全面に塗布し、80℃、5分間で乾
燥した。得られた塗膜の状態を目視により観察し、◎:
外観良好、光沢高い、○:外観、光沢とも概ね良好、
△:塗膜若干不完全、×:塗膜不完全、塗膜割れあり、
の4段階で評価した。
【0036】2.透水性:JIS A 6910に準拠
して、20℃、60±2%RHにおいて測定した。試験
片は前項の成膜性で塗装された試験片を使用し、各実施
例で得られた塩化ビニル系樹脂エマルジョンの水平な塗
膜面に受け口75mmφのロートを逆さまに載置し、ロ
ート受け口の接触面をシリコーンシーラントで水密にシ
ールし、ロートの脚部より水を注ぎ、脚部を満たす。こ
の状態で24時間放置し、上記塩化ビニル系樹脂エマル
ジョンの塗膜に吸収された水の量を測定した。
【0037】3.耐候性:実施例の各々のエマルジョン
からキャスティング法により厚さ1mmのフィルムを作
製し、試験片として用いた。試験法は、JIS K 7
103に準拠し、サンシャイン・ウェザー・オ・メータ
ー(ブラックパネル温度63℃)を使用し、300時間
照射後の試験片の黄変度(Yellowness In
dex)ΔYIによって評価した。
【0038】4.密着性:JIS K 5400に準拠
し、4mm幅碁盤目試験を行い、◎:剥離なし、○:コ
ーナー部に若干の剥がれがある他、剥離なし、△:20
〜50%剥離、×:50%を超える剥離あり、の4段階
の評価を行った。猶、試験に使用した剥離用テープは、
セキスイセロハンテープC252(商品名)を用いた。
【0039】(実施例1)攪拌翼を装備したステンレス
スチール製反応器に、n−ブチルアクリレート35重量
部、一般式(3)で示される反応性界面活性剤(花王社
製、商品名:ラムテルS−180)2.5重量部、一般
式(1)で示されるヒンダードアミン系光安定剤(日立
社製、商品名:FA−712HM、式中、R1 =C
3 、R2 =H)0.3重量部及び水120重量部を仕
込んだ後、減圧下に反応器内部の空気を排除してから塩
化ビニル65重量部を仕込んだ。反応器内温度を60℃
に昇温した後、硫酸カリウム0.5重量部を水10重量
部に溶解して窒素ガスとともに圧入して重合反応を開始
した。
【0040】重合反応開始13時間後、ゲージ圧が0と
なり、更に1時間反応させて塩化ビニル系樹脂エマルジ
ョンを得た。得られた塩化ビニル系樹脂エマルジョン
は、固形分44重量%、pH2.5であった。
【0041】(実施例2)重合性単量体として、(イ)
塩化ビニル80重量部、(ロ)2−エチルヘキシルアク
リレート20重量部、(ハ)一般式(4)で示される反
応性界面活性剤(旭電化社製、試作品:SX−115
1)3.0重量部及びドデシル硫酸ナトリウム0.5重
量部、(ニ)一般式(1)で示されるヒンダードアミン
系光安定剤(実施例1で使用)0.3重量部及び水12
0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして塩化ビ
ニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0042】(実施例3)重合性単量体として、(イ)
塩化ビニル60重量部、(ロ)2−エチルヘキシルアク
リレート35重量部、(ハ)一般式(6)で示される反
応性界面活性剤(旭電化社製、試作品:SX−115
9)2.5重量部及びポリオキシエチレンノニルフェニ
ル硫酸ナトリウム(花王社製、商品名:ラムテルS−1
80)2.5重量部、0.5重量部、(ニ)一般式
(1)で示されるヒンダードアミン系光安定剤(実施例
1で使用)0.3重量部及び水120重量部を用いた以
外は、実施例1と同様にして塩化ビニル系樹脂エマルジ
ョンを得た。
【0043】(実施例4)重合性単量体として、(イ)
塩化ビニル32重量部、(ロ)2−エチルヘキシルアク
リレート65重量部、(ハ)一般式(3)で示される反
応性界面活性剤(実施例1で使用)2.0重量部、
(ニ)一般式(1)で示されるヒンダードアミン系光安
定剤(日立化成社製、商品名:FA−711MM、式
中、R1 =CH3、R2 =CH3 )0.5重量部及び水
120重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして塩
化ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0044】(比較例1)重合性単量体として、塩化ビ
ニル60重量部、n−ブチルアクリレート40重量部、
ドデシル硫酸ナトリウム0.5重量部及び水120重量
部を用いて、実施例1と同様にして塩化ビニル系樹脂エ
マルジョンを得た。
【0045】(比較例2)重合性単量体として、塩化ビ
ニル90重量部、n−ブチルアクリレート10重量部、
反応性界面活性剤(実施例2で使用)3重量部及び水1
20重量部を用いて、実施例1と同様にして塩化ビニル
系樹脂エマルジョンを得た。
【0046】(比較例3)重合性単量体として、塩化ビ
ニル25重量部、n−ブチルアクリレート75重量部、
反応性界面活性剤(実施例2で使用)3重量部及び水1
20重量部を用いて、実施例1と同様にして塩化ビニル
系樹脂エマルジョンを得た。
【0047】(比較例4)重合性単量体として、塩化ビ
ニル55重量部、n−ブチルアクリレート35重量部、
酢酸ビニル10重量部、反応性界面活性剤(実施例1で
使用)2.5重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(実
施例1で使用)0.3重量部及び水120重量部を用い
て、実施例1と同様にして塩化ビニル系樹脂エマルジョ
ンを得た。
【0048】(実施例5)重合性単量体として、(イ)
塩化ビニル64重量部、(ロ)n−ブチルアクリレート
35重量部、(ハ)アクリル酸1重量部、(ニ)一般式
(3)で示される反応性界面活性剤(実施例1で使用)
3.0重量部及びドデシル硫酸ナトリウム0.5重量
部、(ホ)一般式(2)で示されるヒンダードアミン系
光安定剤(実施例1で使用)0.3重量部及び水120
重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして塩化ビニ
ル系樹脂エマルジョンを得た。
【0049】(実施例6)重合性単量体として、(イ)
塩化ビニル75重量部、(ロ)2−エチルヘキシルアク
リレート15重量部、(ハ)2−アクリロイルオキシエ
チルコハク酸10重量部、(ニ)一般式(4)で示され
る反応性界面活性剤(実施例2で使用)3.0重量部及
びドデシル硫酸ナトリウム0.5重量部、(ホ)一般式
(2)で示されるヒンダードアミン系光安定剤(実施例
1で使用)0.3重量部及び水120重量部を用いた以
外は、実施例1と同様にして塩化ビニル系樹脂エマルジ
ョンを得た。
【0050】(実施例7)重合性単量体として、(イ)
塩化ビニル60重量部、(ロ)2−エチルヘキシルアク
リレート25重量部、1,6−ヘキサンジオールジアク
リレート5重量部、(ハ)2−ヒドロキシプロピルアク
リレート10重量部、(ニ)一般式(6)で示される反
応性界面活性剤(実施例3で使用)2.5重量部及びポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウ
ム(実施例3で使用)0.5重量部、(ホ)一般式
(2)で示されるヒンダードアミン系光安定剤(実施例
2で使用)0.5重量部及び水120重量部を用いた以
外は、実施例1と同様にして塩化ビニル系樹脂エマルジ
ョンを得た。
【0051】(実施例8)重合性単量体として、(イ)
塩化ビニル35重量部、(ロ)n−ブチルアクリレート
55重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート
3重量部、(ハ)2−アクリロイルオキシエチルコハク
酸7重量部、(ニ)一般式(3)で示される反応性界面
活性剤(実施例1で使用)2.0重量部、(ホ)一般式
(2)で示されるヒンダードアミン系光安定剤(実施例
2で使用)0.5重量部及び水120重量部を用いた以
外は、実施例1と同様にして塩化ビニル系樹脂エマルジ
ョンを得た。
【0052】(比較例5)重合性単量体として、塩化ビ
ニル50重量部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロ
ピルアクリレート50重量部、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル硫酸ナトリウム3重量部及び水12
0重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして塩化ビ
ニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0053】(比較例6)重合性単量体として、塩化ビ
ニル85重量部、n−ブチルアクリレート12重量部、
アクリル酸3重量部、反応性界面活性剤(実施例2で使
用)3.0重量部及び水120重量部を用いた以外は、
実施例1と同様にして塩化ビニル系樹脂エマルジョンを
得た。
【0054】上記実施例で得られた塩化ビニル系樹脂エ
マルジョンの性能の評価結果は、表1及び2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】請求項1記載の本発明の塩化ビニル系樹
脂エマルジョンは、叙上の如く構成されているので、就
中、セメント、モルタル等を原料とする無機系建材、セ
メント/木材複合系建材に対し耐エフロレッセンス性を
含む優れた密着性、柔軟性、機械的強度、耐水性、耐薬
品性、塗布性に加えて、従来の塩化ビニル系樹脂エマル
ジョンでは到底達成することのできなかった長期にわた
る耐候性、耐水性を発揮するものである。
【0058】請求項2記載の本発明の塩化ビニル系樹脂
エマルジョンは、叙上の如く構成されているので、請求
項1記載の本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジョンと同
様に、就中、セメント、モルタル等を原料とする無機系
建材、セメント/木材複合系建材に対し耐エフロレッセ
ンス性を含む優れた密着性、柔軟性、機械的強度、耐水
性、耐薬品性、塗布性に加えて、更に、上記無機系建
材、セメント/木材複合系建材に対する耐エフロレッセ
ンス性を含む密着性、耐水性が改善されたもので、従来
の塩化ビニル系樹脂エマルジョンでは到底達成すること
のできなかった長期にわたる耐候性、耐水性を発揮する
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/3435

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)塩化ビニル単量体30〜80重量
    %、(ロ)(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種
    または2種以上20〜70重量%からなる重合性単量体
    100重量部、(ハ)上記重合性単量体2者と共重合可
    能な反応性界面活性剤の1種または2種以上0.01〜
    10重量部及び(ニ)上記重合性単量体2者と共重合可
    能な下記一般式で示されるヒンダードアミン系光安定剤
    の1種または2種以上0.01〜5.0重量部が乳化重
    合されていることを特徴とする塩化ビニル系樹脂エマル
    ジョン。 【化1】
  2. 【請求項2】 (イ)塩化ビニル単量体30〜80重量
    %、(ロ)(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種
    または2種以上10〜60重量%、(ハ)カルボキシル
    基、ヒドロキシル基、エポキシ基の群から選ばれる官能
    基の1種または2種以上を有する重合性単量体の1種ま
    たは2種以上1〜20重量%からなる重合性単量体10
    0重量部、(ニ)上記重合性単量体3者と共重合可能な
    反応性界面活性剤の1種または2種以上0.01〜10
    重量部及び(ホ)上記重合性単量体3者と共重合可能な
    下記一般式で示されるヒンダードアミン系光安定剤の1
    種または2種以上0.01〜5.0重量部が乳化重合さ
    れていることを特徴とする塩化ビニル系樹脂エマルジョ
    ン。 【化2】
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011012216A (ja) * 2009-07-03 2011-01-20 Toagosei Co Ltd エマルション組成物

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