JPH08134095A - 新規ステロイド及びその製造方法、並びに前記ステロイドを含有する化粧料及び医薬組成物 - Google Patents

新規ステロイド及びその製造方法、並びに前記ステロイドを含有する化粧料及び医薬組成物

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JPH08134095A
JPH08134095A JP27151594A JP27151594A JPH08134095A JP H08134095 A JPH08134095 A JP H08134095A JP 27151594 A JP27151594 A JP 27151594A JP 27151594 A JP27151594 A JP 27151594A JP H08134095 A JPH08134095 A JP H08134095A
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JP27151594A
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Junichi Shibatani
順一 柴谷
Masanori Okada
正紀 岡田
Yasunori Inaoka
靖規 稲岡
Kunio Tsuji
邦郎 辻
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Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造過程において立体構造を制御して収率良
く生理活性の高い新規なステロイドを提供し、且つこの
ステロイドの角化酵素促進作用及び抗癌作用を利用して
安全性の高い化粧料及び医薬組成物を提供する。 【構成】 新規ステロイドは(+)−2β,3β,20
β,(22R)−ペンタヒドロキシ−(24S)−メチ
ル−5β−コレスト−7−エン−6−オンであり、化粧
料、特に頭髪用化粧料、及び医薬組成物、特に抗癌剤
は、このステロイドを有効成分として含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規ステロイド、それを
含有する化粧料及び医薬組成物、並びに前記新規ステロ
イドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポナステロンやイノコステロン等のよう
に、エクジソン類似ステロイドは、昆虫の変態促進作用
や発毛促進作用等、様々な生理活性を有していることが
知られている。これらのステロイドは薬用植物等に含有
されているが、その含有量は極めて少ないため、様々な
生理活性作用を有しているにも拘らず、利用され難いの
が現状である。
【0003】一方、これらを化学的に合成する試みも数
多くなされてきたが、多くの不斉炭素の存在のため、立
体構造を制御し、且つ収率良く合成を行うことは困難で
あり、工業レベルで成功したものは、エクジソン、20
−ヒドロキシエクジソン等、二、三のステロイドに限ら
れていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況を踏まえて行われたものであり、製造過程において
立体構造を制御して収率良く生理活性の高い新規なステ
ロイドを提供すると共に、この新規ステロイドの生理活
性、詳しくは角化酵素促進作用及び抗癌作用を利用して
安全性の高い化粧料及び医薬組成物を提供することを課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】以上のような状
況に鑑み、本発明者らは、製造過程において立体構造の
制御が可能であり、且つ高い生理活性を有するステロイ
ドを求めて、鋭意、合成研究及び薬理作用探索研究に励
んだ。その結果、既に市販されているステロイドである
20−ヒドロキシエクジソンを出発物質として、環外の
アルキル基を立体制御しつつ変換することにより、構造
式(I)で示される生理活性の高い新規ステロイドを得
ることに成功し、本発明を完成した。
【0006】
【化2】
【0007】即ち本発明のステロイドは、前記構造式
(I)で示される新規化合物である。また本発明は、構
造式(I)で示される新規ステロイドの薬理作用を利用
して、この新規ステロイドを各々含有する化粧料及び医
薬組成物である。
【0008】更にまた本発明は、2−メチルイソバレリ
ルブロマイドをマグネシウムでグリニャール試薬とし、
これを20−ホルミル−6−オキソ−2,3,14,2
0−テトラヒドロキシプレグン−7−エンとグリニャー
ル反応させることを特徴とする構造式(I)で示される
新規ステロイドの製造方法である。
【0009】以下本発明について詳細に説明する。 <新規ステロイド化合物及びその製造方法>本発明の新
規ステロイドは、前記構造式(I)で示される(+)−
2β,3β,20β,(22R)−ペンタヒドロキシ−
(24S)−メチル−5β−コレスト−7−エン−6−
オンである。このステロイドは20−ヒドロキシエクジ
ソンの25位をデオキシ化し、24位をメチル化した誘
導体であり、24位のメチル基はSの立体配置を採る。
【0010】この新規ステロイドは、例えば次に示す手
順に従って製造できる。即ち、光学活性体の合成試薬と
して知られるSAMP[(S)−(−)−1−アミノ−
2−(メトキシメチル)ピロリジン]と、イソバレルア
ルデヒドとを反応させてシッフ塩基とし、これとリチウ
ムジイソプロピルアミンとジメチル硫酸とを反応させて
SMAPヒドラジンとし、その二重結合をカテコールボ
ランを用いて水素化し、次いでこれから、ラネーニッケ
ルを用いた接触還元により1−アミノ−(2R)−メチ
ル−3−メチルブタンを得る。これに、まず亜硝酸ナト
リウム及び酢酸を、次いで臭化水素及び硫酸を作用させ
てアミノ基をブロモ基に変換し、1−ブロモ−(2R)
−メチル−3−メチルブタンを得る。このものは更に金
属マグネシウムと反応させてグリニャール試薬とする。
【0011】一方、市販の20−ヒドロキシエクジソン
を無水酢酸−ピリジンを用いて、緩やかな条件でアセチ
ル化し、2位の水酸基のアセチル化物を得る。これを過
沃素酸酸化により20位と22位との間の炭素−炭素結
合を切断してケトン体とする。これを脱アセチル化
これにグリニャール反応によりエチレン基を導入してア
リルアルコール体とし、これをオゾン酸化して、22位
と23位との間の炭素−炭素二重結合をアルデヒド基に
変換してアルデヒド体(20−ホルミル−6−オキソ−
2,3,14,20−テトラヒドロキシプレグン−7−
エン)とする。更にこれに前述の1−ブロモ−(2R)
−メチル−3−メチルブタンより誘導したグリニャール
試薬を反応させれば、目的の(+)−2β,3β,20
β,(22R)−ペンタヒドロキシ−(24S)−メチ
ル−5β−コレスト−7−エン−6−オンが得られる。
この反応では、24位のメチル基が常にSの配座を採る
ように反応が立体選択的に行える。 <新規ステロイドの薬理作用>本発明の新規ステロイド
が有する薬理作用は、本発明者らが行ったスクリーニン
グの結果から角化酵素促進作用及び抗癌作用があること
が明らかになった。以下、この2つの作用について、試
験例と共に詳しく説明する。 角化酵素促進作用 5匹づつ3群のC3Hマウス(雄性、体重20〜30
g)の背部を除毛後、1群には本発明の新規ステロイド
の0.0001重量%エタノール溶液を、また1群には
本発明の新規ステロイドの0.01重量%エタノール溶
液を、残る1群にはコントロール群としてエタノールを
40μL/日/匹の用量で5日/週の割合で2週間投与
した。最終投与の6時間後、各群のマウスから上記処理
を行った部位の皮膚を採取し、これをそれぞれ9倍量の
1ミリモルのEDTA含有50mM燐酸2水素ナトリウ
ム水溶液に加えてホモゲナイズした。このホモジネート
をそれぞれ27000Gで遠心分離し、得られた上清液
を用いて以下の方法で角化酵素活性値を求めた。
【0012】上記の上清液0.4mlに2mMのDTT
(ジチオスレイトール)水溶液0.1mlと1mMのE
DTAを含有する50mM燐酸バッファー(pH7.
6、以下単にバッファーと呼ぶ)0.7mlを加え検体
1とした。また、2mMのDTT水溶液0.1mlにバ
ッファー1.1mlを加え検体2とした。
【0013】検体1を調製後、直ちに0.3mlをサン
プリングし、予め0.17mMのDTNB(5,5’−
ジチオビス−2−ニトロ安息香酸)を含有するバッファ
ー3mlを入れたチューブに移し、412nmでの吸光
度A1を測定した。検体2も同様に処理し、吸光度A2
を測定した。
【0014】検体1の残りを、37℃で30分間インキ
ュベートした後、その0.3mlをサンプリングし、予
め0.17mMのDTNBを含有するバッファー3ml
を入れたチューブに移し、412nmでの吸光度A3を
測定した。また、検体2の残りを、37℃で30分間イ
ンキュベートした後、同様に処理して吸光度A4を測定
した。
【0015】このように測定された吸光度A1〜4の値
より、下記式を用いてA5を算出した。更に、このA5
より、DNTBのモル吸光係数(13000/モル・c
m)を用いて酸化されたDTT量を求め、これを角化酵
素活性値(Ac)とした。
【0016】A5=A1−A3−(A2−A4) また、上記で得られた上清液について、別途、ヘキスト
社製のDNA量測定試薬ヘキスト33258を用いて、
子牛胸腺DNAをスタンダードとして、常法に従って各
上清液のDNA量を測定した。
【0017】こうして得られたAcをDNA量で除し、
DNA当たりの角化酵素活性値を求めた。投与群のDN
A当たりの角化酵素活性値をコントロール群のDNA当
たりの角化酵素活性値で除し、100を乗じた値を角化
酵素活性促進値(%)とした。結果は136%であっ
た。。この結果から本発明の新規ステロイドは、角化酵
素活性促進作用に優れていることが判る。 抗癌作用 エーリッヒの腹水癌を1×105個背部に移植したIC
Rマウス(雄性、5週齢、体重25〜30g)に移植後
1週間より本発明の新規ステロイドを50mg/Kg・
日の割合で、0.1%CMC生理食塩水溶液に溶かした
1重量%溶液として5日間投与した。コントロール群に
は0.1%CMC生理食塩水溶液を投与した。投与終了
後2週間に動物を屠殺し癌を取り出し、重量を測定し
た。投与群の癌の総量をコントロール群の癌の総量で除
し、100を乗じ、抗癌作用の指標(%)とした。結果
は、68%であった。また通常の抗癌剤の場合、投与量
は、その毒性のため50mg/Kg・日未満に抑えられ
ていることを考えると、本発明の新規ステロイドが上記
のように50mg/Kg・日の割合で5日間も異常なく
投与できることは、抗癌剤として安全性が高いといえ
る。 <化粧料、医薬組成物>本発明の新規ステロイドは、上
記のように角化酵素活性促進作用及び抗癌作用を有する
ので、化粧料及び医薬組成物の有効成分として利用でき
る。以下、これらについて詳細に説明する。 化粧料 本発明の化粧料としては、毛質を改善する頭髪用の化粧
料及び肌を整える美肌用の化粧料が例示できる。前者の
化粧料は、新規ステロイドの角化酵素活性促進作用によ
り毛における角化を促進して、強い、しっかりした毛を
形成することを利用したものであり、後者の化粧料は、
新規ステロイドが肌での角化を促進して、きれいな肌を
形成することを利用したものである。
【0018】本発明の化粧料における新規ステロイドの
好ましい配合量は、0.00001〜10重量%であ
る。これは、少なすぎると角化酵素活性促進作用が期待
できない場合があり、多すぎてもこの作用が頭打ちにな
る場合が多いからである。更に好ましい配合量は、この
作用がいっそう明確に現れる0.001〜1重量%であ
る。
【0019】本発明の化粧料には、前記新規ステロイド
以外に、化粧料で通常用いられている任意成分を含有さ
せることができる。任意成分としては、流動パラフィ
ン、ワセリン等の炭化水素類;ミリスチン酸イソプロピ
ル、合成ゲイロウ、ホホバ油、カルナウバワックス等の
エステル類;オリーブ油、牛脂、ひまし油等のトリグリ
セライド類、セタノール、ステアリルアルコール等の高
級アルコール類;ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂
肪酸類;各種界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウ
ム、ステアリン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、
脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル等のノニオン界面活性剤、4級アルキルアミン
塩酸塩等のカチオン界面活性剤、アルキルベタイン等の
両性界面活性剤;グリセリン、1,3−ブタンジオール
等の多価アルコール類;エタノール、イソプロパノール
等の低級アルコール類;水;パラベン類、ヒビテングル
クロネート等の防腐剤;パラアミノ安息香酸誘導体、ベ
ンゾフェノン等の紫外線吸収剤;ビタミンE、BHT等
の抗酸化剤;アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー
等の増粘剤;ポリエチレングリコール等の保湿剤;タル
ク、セリサイト等の粉体類;色素、顔料等の着色料;香
料;ビタミンC及びその誘導体、生薬抽出物等の薬効成
分等が例示できる。更に、これら以外に角化酵素活性を
促進させる物質や美肌に好ましい作用を有する物質、育
毛作用を有する物質を含有させることができる。
【0020】本発明の新規ステロイドは、これらの任意
成分と共に通常の方法に従って化粧水、乳液、クリー
ム、軟膏、水性ゲル、オイルゲル、アンダーメークアッ
プ、ファンデーション、パウダー、プレストパウダー、
口紅、アイライナー、マスカラ、頬紅、ヘアトニック、
シャンプー、リンス、等に剤型化できる。本発明の化粧
料においては、剤型は限定されない。 抗癌用医薬組成物 本発明の抗癌用医薬組成物は、前記新規ステロイドと、
通常医薬品で用いられている製剤用(剤型化用)任意成
分とからなる。医薬品の製剤用任意成分としては、賦形
剤、結合剤、崩壊剤、増量剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、着
色剤、被覆剤、糖衣剤、安定剤、等張剤等が例示でき
る。
【0021】本発明の医薬組成物は、前記新規ステロイ
ドと上記医薬製剤用の任意成分とを通常の方法で製剤化
することにより調製できる。医薬組成物の剤型は、特に
限定されず、例えば顆粒剤、散剤、カプセル剤、糖衣
剤、錠剤等の経口又は舌下投与用の製剤;点滴剤、注射
剤等の静脈、動脈、門脈、腹腔、皮下、筋肉、病巣内投
与用の製剤等が挙げられる。
【0022】上記医薬製剤として、本発明の新規ステロ
イドを抗癌用に用いる場合、好ましい投与量は、患者の
症状、年齢、体型等により異なるが、おおよそ1人1日
当たり、経口投与で10〜1000mg、注射では1〜
200mgである。投与方法としては、一度に投与する
ことも可能であるが、数回に分けて投与するのが好まし
い。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明がこれら実施例に限定を受けないこと
は言うまでもない。
【0024】
【実施例1】 <新規ステロイドの製造例>イソバレルアルデヒド35
ミリモルをSAMP30ミリモルのジエチルエーテル溶
液に氷冷下で滴下した後、12時間室温で撹拌して反応
させ、反応液を塩化メチレン−水混合液(容量比4:
1、200ml)に注ぎ、塩化メチレン層を取り出し濃
縮後、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグ
ラフィーで精製した。精製用の溶出溶媒としては、初め
n−ヘキサン:ジエチルエーテル=9:1混合溶媒、そ
の後ジエチルエーテル:メタノール=1:1混合溶媒を
用いた。
【0025】溶出液を減圧濃縮後、50mlのジエチル
エーテルを加え、更に18.8mlの1.6Mのn−ブ
チルリチウムのn−ヘキサン溶液と4.5mlのジイソ
プロピルアミンより誘導したLDA(リチウムジイソプ
ロピルアミド)とを加え、ドライアイス−アセトン冷却
下で8時間反応させた。これに30ミリモルのカテコー
ルボランを20mlのジエチルエーテルに溶かしてアル
ゴン気流下に加えて反応させた。これを水洗した後、濃
縮し、上記と同条件のフラッシュクロマトグラフィーで
精製した。溶出液を減圧濃縮後、これを100mlのメ
タノールに溶解し、ラネーニッケルを触媒として接触還
元した。反応液を濾過して不溶物を取り除き減圧濃縮し
た後、ジエチルエーテル100mlに溶解し、これに
1.5等量のp−ニトロベンズアルデヒドを添加し、室
温で12時間、撹拌下に反応させた。反応物に100m
lの1N塩酸を加え、更に2時間撹拌した。ジエチルエ
ーテル層を分取し、希KOH溶液及び飽和食塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、減圧濃縮し
た。生成したアミンを50mlの無水酢酸中、2時間加
熱還流し、反応物を氷水20mlに注入後、得られた析
出物を濾集し、氷酢酸(10ml)−無水酢酸(50m
l)混酸中に溶かし、これに7gの亜硝酸ナトリウムを
加え、作用させた。反応物を氷水に注入し、ベンゼン3
00mlで抽出し、ベンゼン層を取り出した後、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。生成したエステル
を50%KOH・メタノール中で5時間加熱還流して加
水分解し、2−メチルイソバレルアルコールを得た。こ
れに8.2gの48%臭化水素液と濃硫酸の混液を加
え、100℃で6時間加熱した後、反応物を氷水に注
ぎ、ベンゼンで抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製し、2−メチルイソバレリルブロマイドを
4.1g得た。
【0026】一方、20−ヒドロキシエクジソン25g
を氷冷した後、10mlの無水酢酸−ピリジン混合液
(1:1)を滴下して加え、室温に戻して1時間撹拌し
た。反応物を氷上に注ぎ、ジエチルエーテル100ml
で抽出し溶媒及び酢酸、無水酢酸を減圧溜去し、ジエチ
ルエーテル100mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム
溶液100mlで2回、飽和食塩水で2回洗浄し、溶媒
を減圧溜去した。これを50mlのジエチルエーテルと
100mlの水との混合液に溶解し、17gの過沃素酸
ナトリウムを加え、30分間室温で撹拌し、過沃素酸酸
化を行った。反応物を減圧濃縮し、残査をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出液は、初め塩化メチレ
ン:メタノール混合溶媒=100:0、その後、同混合
溶媒=95:5使用)で精製した。これを200mlの
ジエチルエーテルに溶かした後、氷冷しながら50ml
のビニルマグネシウムブロマイド(1Mテトラヒドロフ
ラン溶液)を滴下後、室温に戻し、更に30分撹拌し
た。デカンテーションにより不溶物を取り除き、溶媒を
おおよそ溜去した後、氷冷した5%塩酸水溶液を300
ml加え、濾過した後、200mlのジエチルエーテル
で2回抽出した。これを溶媒除去し、塩化メチレンとメ
タノールの等量混液200mlに溶かしオゾンを吹き込
みオゾン酸化し、溶媒を溜去し、アルデヒド体13.4
gを得た。マグネシウム片0.73gをジエチルエーテ
ル50mlに懸濁させ、前述のようにして合成した2−
メチルイソバレリルブロマイド4gを50mlのジエチ
ルエーテルに溶かした溶液を氷冷下に滴下して加えた
後、室温に戻し、30分間撹拌した。続いて、当量のア
ルデヒド体をジエチルエーテル50mlに溶解した溶液
を30分かけて滴下し、室温で更に30分間撹拌した。
デカンテーションにより不溶物を除去し、水150ml
を加えた後、氷冷しながら5%塩酸水溶液を、塩が析出
しなくなるまで徐々に加えた。沈澱を取り除いた後、エ
ーテル層を取り出し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液1
00mlで2回、次いで飽和食塩水100mlで2回洗
浄し、溶媒溜去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出液は、初めクロロホルム:メタノール混合溶媒
=100:0、その後これを水で飽和させた混合溶媒=
70:30使用)で精製し、更にメタノール溶液から再
結晶して、本発明のステロイドを柱状晶として8.7g
得た。
【0027】この物質の結晶データを示したX線解析の
結果を表1〜3に示す。前記結晶データは、C2846
6・H2O、Mr=528.36、Orthorhombic、a=1
7.968(2)、b=26.201(5)、c=6.
227(1)オングストローム、V=2931.4
(7)(オングストローム)3、D0=1.22g/cm
3、Dc=1.19g/cm3、Z=4、Space group
P2111、Crystal size 0.1×0.1×0.3
mmである。表1は、試料化合物の位置パラメーター
(×104)及び熱パラメーターを示し、表2は、試料
化合物の分子間結合距離(オングストローム)を示し、
また表3は、試料の分子間結合角度(度)を示す。各表
の括弧内は、いずれも標準偏差である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】この結果から決定された構造を図1及び2
に示す。なお図1は、試料化合物(+)−2β,3β,
20β,(22R)−ペンタヒドロキシ−(24S)−
メチル−5β−コレスト−7−エン−6−オンのORT
EP図(括弧内はこの実験で使用した原子の番号で、水
素は示さず)であり、図2は、試料化合物分子の結晶パ
ッキングの状態図(水素は示さず)である。この化合物
は新規のステロイドである。
【0032】
【実施例2】 <化粧水の配合例>下記表4の処方に従って化粧水を作
製した。即ち、下記成分を秤込み、80℃で加熱溶解し
冷却し化粧水を得た。
【0033】
【表4】
【0034】
【実施例3】 <化粧水の配合例>下記表5の処方に従って化粧水を作
製した。即ち、下記成分を秤込み、80℃で加熱溶解し
冷却し化粧水を得た。
【0035】
【表5】
【0036】
【実施例4】 <頭髪用化粧水の配合例>下記表6の処方に従って頭髪
用化粧水を作製した。即ち、下記成分を秤込み、80℃
で加熱溶解し冷却し頭髪用化粧水を得た。
【0037】
【表6】
【0038】
【実施例5】 <頭髪用化粧水の配合例>下記表7の処方に従って頭髪
用化粧水を作製した。即ち、下記成分を秤込み、80℃
で加熱溶解し冷却し頭髪用化粧水を得た。
【0039】
【表7】
【0040】
【実施例6】 <クリームの配合例>下記表8の処方に従ってクリーム
を作製した。即ち、A、Bをそれぞれ秤込み、80℃で
加熱溶解し、AにBを撹拌しながら徐々に加え乳化し
た。これを撹拌しながら冷却しクリームを得た。
【0041】
【表8】
【0042】
【実施例7】 <ヘアクリームの配合例>下記表9の処方に従ってヘア
クリームを作製した。即ち、A、Bをそれぞれ秤込み、
80℃で加熱溶解し、AにBを撹拌しながら徐々に加え
乳化した。これを撹拌しながら冷却しヘアクリームを得
た。
【0043】
【表9】
【0044】
【実施例8】 <ファンデーションの配合例>下記表10の処方に従っ
てファンデーションを作製した。即ち、Aを混練した後
Bを加え更に混練し、80℃に加熱した後、Cを分散さ
せ、80℃に加熱溶解したDを徐々に加え乳化し、撹拌
冷却しファンデーションを得た。
【0045】
【表10】
【0046】
【実施例9】 <顆粒剤の配合例>下記表11の処方に従って顆粒剤を
作製した。即ち、Aをグラッド造粒機に秤込み、Bを噴
霧しながら流動層造粒し、40℃で48時間送風乾燥
し、篩過して整粒し顆粒剤を得た。
【0047】
【表11】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、製造過程において立体
構造を制御して収率良く生理活性の高い新規なステロイ
ドが得られる。しかも、この新規ステロイドは、安全性
が高く、且つ生理活性、詳しくは角化酵素促進作用及び
抗癌作用が優れているので、化粧料及び医薬組成物とし
て極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ステロイドのORTEP図。
【図2】本発明ステロイド分子の結晶パッキング状態を
示す図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/575 AED C07J 75/00 7433−4C (72)発明者 稲岡 靖規 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560ポーラ化 成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 辻 邦郎 静岡県静岡市池田1375−11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式(I)で表される新規ステロイド
    である(+)−2β,3β,20β,(22R)−ペン
    タヒドロキシ−(24S)−メチル−5β−コレスト−
    7−エン−6−オン。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の新規ステロイドを含有す
    ることを特徴とする化粧料。
  3. 【請求項3】 化粧料が頭髪用化粧料である請求項2記
    載の化粧料。
  4. 【請求項4】 前記ステロイドの配合量が0.0000
    1〜10重量%である請求項2又は3記載の化粧料。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の新規ステロイドを含有す
    ることを特徴とする医薬組成物。
  6. 【請求項6】 2−メチルイソバレリルブロマイドをマ
    グネシウムでグリニャール試薬とし、これを20−ホル
    ミル−6−オキソ−2,3,14,20−テトラヒドロ
    キシプレグン−7−エンとグリニャール反応させること
    を特徴とする請求項1記載の新規ステロイドの製造方
    法。
JP27151594A 1994-11-04 1994-11-04 新規ステロイド及びその製造方法、並びに前記ステロイドを含有する化粧料及び医薬組成物 Withdrawn JPH08134095A (ja)

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