JPH08133745A - 粒状マグネタイト粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

粒状マグネタイト粒子粉末及びその製造法

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JPH08133745A
JPH08133745A JP6293893A JP29389394A JPH08133745A JP H08133745 A JPH08133745 A JP H08133745A JP 6293893 A JP6293893 A JP 6293893A JP 29389394 A JP29389394 A JP 29389394A JP H08133745 A JPH08133745 A JP H08133745A
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Minoru Yoshizawa
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
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    • H01F1/0036Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties showing low dimensional magnetism, i.e. spin rearrangements due to a restriction of dimensions, e.g. showing giant magnetoresistivity
    • H01F1/0045Zero dimensional, e.g. nanoparticles, soft nanoparticles for medical/biological use
    • H01F1/0054Coated nanoparticles, e.g. nanoparticles coated with organic surfactant

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】保磁力30〜150Oeを有し、耐熱性と高い
着色力を有する粒状マグネタイト粒子粉末及びその製造
法を提供する。 【構成】粒状マグネタイト粒子を含む水分散液中に、非
酸化性雰囲気下において粒状マグネタイト粒子中の全F
eに対しFe2+換算で1〜26mol%の第一鉄塩水溶
液とZn換算で0.5〜4.0mol%の亜鉛塩水溶液
と水酸化アルカリ水溶液とを添加・混合して分散液中の
OH基濃度が0.3〜1.0mol/lになるように調
整した後、50℃以上の温度において酸素含有ガスを通
気して、粒子表面がZnx Fe2+y z (但し、0.4
≦x≦1.0、x+y=1、4.0≦z≦4.3)で被
覆されている粒状マグネタイト粒子を生成後Si化合
物、Al化合物及びTi化合物から選ばれた少なくとも
一種の化合物を添加した後pHを5〜9に調整して少な
くとも一種の元素の添加化合物で被覆することにより、
粒状マグネタイト粒子粉末を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保磁力30〜150O
eを有しており、しかも、優れた耐熱性と高い着色力を
有すると共に電荷及び帯電量が制御された粒状マグネタ
イト粒子粉末及びその製造法に関するものである。
【0002】本発明に係る粒状マグネタイト粒子粉末の
主な用途は、塗料用・印刷インキ用・樹脂用着色顔料粉
末や磁性トナー用・磁性キャリア用材料粉末である。
【0003】
【従来の技術】粒状マグネタイト粒子粉末は、黒色を呈
している為、ビヒクル中に分散させたり、樹脂と混練し
て黒色着色顔料として広く使用されている。
【0004】粒状マグネタイト粒子粉末は、黒色を呈す
る強磁性粒子であることから、樹脂中に混合分散させて
複合粒子とすることにより静電複写の為の磁性トナー用
材料粒子粉末及び磁性キャリア用材料粒子粉末としても
広く使用されている。
【0005】粒状マグネタイト粒子粉末を黒色着色顔料
として使用する場合、あまりに保磁力が高すぎると粒子
相互間で磁気的な再凝集が生じてビヒクルや樹脂への分
散が困難になるので、分散性を考慮すると、保磁力はで
きるだけ低いことが要求される。
【0006】粒状マグネタイト粒子粉末を磁性トナー用
材料粒子粉末として使用する場合、連続コピーにおける
画像の濃度低下、画像欠損現象等の改良を考慮すれば保
磁力ができるだけ低く、殊に、150Oe以下であるこ
とが要求される。この事実は、特開昭57−46254
号公報の「‥‥保磁力170エルステッドの磁性粉を使
用したトナーにおいては画像欠損現象が著しく、連続コ
ピー安定性が悪かった。また、保磁力300エルステッ
ドの場合は、非磁性円筒体上で磁気的に磁化し、凝集し
てしまい流動性が損なわれ。穂立ちが生じなくなり、画
像出しが行なえなかった。‥‥」、「‥‥保磁力が15
0エルステッド以上であると画像欠損現象が著しく、連
続コピー安定性が悪くなるからである。‥‥」なる記載
の通りである。
【0007】粒状マグネタイト粒子粉末は、前述した通
り、黒色着色顔料として汎用されているが、その使用に
際して150℃以上、殊に200℃以上の高温にさらさ
れることが多く、150℃以上、殊に200℃以上の温
度においても色調が安定している(以下、耐熱性とい
う.)ことが要求される。
【0008】この事実は、特公昭54−7292号公報
の「‥‥該顔料をポリエチレン、ポリプロピレン、スチ
レン、ABSなどの熱可塑性樹脂の着色剤として使用す
る場合、殊に黄色酸化鉄顔料においてはこれら熱可塑性
樹脂が殆んど200℃以上の高温で成型加工されている
ので、その際該顔料の褪変色は決定的となりその使用範
囲は著しく限定されている。‥‥」なる記載や特開昭5
5−65406号公報の「一般に、このような一成分方
式における磁性トナー用の磁性粉には次のような諸特性
が要求される。‥‥iv)実用に耐える黒さをもつこ
と。磁性トナー中には、着色剤を含有させることもでき
るが、粉体自身が黒色を有し、着色剤は使用しない方が
好ましい。v)耐熱性が高いこと。色調、特に黒さおよ
び電磁気的特性が0〜150℃程度の温度範囲内で充分
安定であることが必要である。‥‥」なる記載の通りで
ある。
【0009】色調が黒色から茶褐色に変化する現象は、
周知の通り、粒状マグネタイト粒子の黒色度がFe2+
含有量に依存しておりFe2+含有量が多い程黒色度が優
れる傾向にあるが、150℃、殊に200℃程度の高温
にさらされるとマグネタイト粒子中のFe2+が酸化され
てFe3+となってマグヘマイトに変態することに起因す
るものである。
【0010】更に、粒状マグネタイト粒子粉末は、でき
るだけ少量で着色することができれば、取扱い等の作業
性の面からはもちろん省資源・省エネルギー化の面から
も有利であることから加熱前における黒色度をできるだ
け維持することにより着色力ができるだけ高いことが要
求される。
【0011】更に、粒状マグネタイト粒子の帯電性につ
いて、磁性トナー用として使用する場合、特開昭60−
117259号公報の「‥‥一方、トナーは、感光体の
種類に応じ正又は負に帯電するよう調整する必要があ
り、かかる観点からマグネタイト等の磁性体粒子を考え
た場合負に帯電する特性をを有する。かかる磁性体粒子
の特性は、正帯電性を付与した磁性トナーに用いた場
合、トナー表面に露出した磁性体粒子の存在によって一
つのトナー粒子表面に正帯電部分と負帯電部分が共存し
たり、トナー粒子毎に帯電特性を異にするといった現象
が推定され、磁性トナーを使用する一成分現像方式で
は、環境条件によって複写画像特性が著しく異常を生じ
ることの一つの原因と想定され、トナー中の磁性体粒子
を正帯電性にすることが望まれる。‥‥」なる記載の通
り、正帯電性トナーの場合は磁性粒子が正に帯電してお
り、負帯電性トナーの場合は磁性粒子が負に帯電するこ
とが好ましい。
【0012】そして、現像装置に適合するようにトナー
の帯電量を適切な範囲に調整することが好ましく、その
為には、磁性トナーに使用するマグネタイト粒子の帯電
性について、その正負のみならず、帯電量も調整できる
ことが強く要求される。
【0013】粒状マグネタイト粒子の帯電性について、
塗料用・印刷インキ用・樹脂用着色顔料粉末として使用
する場合、粉体工学会発行・粉体工学会誌第24巻(1
987年)第816頁の「‥‥最近、樹脂中に導入する
極性基の種類と量により酸性度または塩基性度を調節
し、顔料表面への吸着の安定化をはかって分散性を向上
させようとする試みがおこなわれるようになってきた。
しかし、顔料、樹脂ともに複雑な化学構造を持つものが
増えてきているので、これらの酸性、塩基性を見積もっ
て吸着特性を予想することは難しい。樹脂粉と顔料との
接触帯電量は吸着の強さについてより直接的な尺度を与
えてくれる点で有効と考えられる。‥‥」なる記載の通
り、着色顔料粉末の帯電特性がビヒクル中への分散、樹
脂中への混練に影響することから着色顔料粉末の電荷及
び帯電量の制御が要求される。
【0014】従来、粒状マグネタイト粒子粉末は、第一
鉄塩水溶液と水酸化アルカリや炭酸アルカリ等のアルカ
リ水溶液とを反応させて得られるFe(OH)2 コロイ
ドやFe含有沈澱物を含む懸濁液中に酸素含有ガスを通
気する、所謂、湿式法により得られている。
【0015】粒状マグネタイト粒子粉末の諸特性を改良
する為の試みは種々なされており、粒状マグネタイト粒
子を水酸化亜鉛、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、リン酸ア
ルミニウム、シリカ等の可溶性無機化合物で被覆する方
法(米国特許第4082905号公報)、粒状マグネタ
イト粒子をFe以外の二価金属を1.5〜13モル%有
するフェライトで被覆する方法(特開平3−67265
号公報)、粒状マグネタイト粒子粉末の生成反応時に、
Zn、Mn、Ni、Co、Mg、CuまたはCdの酸化
物を共沈させる方法(特公平3−48505号公報)等
がある。
【0016】ところで、マグネタイト粒子粉末等の磁性
粒子粉末の諸特性を改良する方法として磁気記録の分野
においては、針状磁性粒子粉末の粒子表面を亜鉛フェラ
イト等で被覆することが行われているが当該技術を顔料
分野で行うことはいまだ提案されていない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】保磁力ができるだけ低
く、殊に、150Oe以下を有しており、しかも、優れ
た耐熱性と高い着色力を有する共に、電荷及び帯電量が
制御された粒状マグネタイト粒子粉末は、現在最も要求
されているところであるが、前出公知の湿式法で得られ
た粒状マグネタイト粒子粉末は、保磁力が40〜130
Oe程度と低いものであるが、後出比較例に示す通り、
130℃程度の温度でマグヘマイトへの変態が生起しは
じめる為、黒色から茶褐色に変色し、その結果、着色力
も低いものであり、更に電荷及び帯電量の制御は困難で
あった。
【0018】前出米国特許第4082905号公報に記
載の粒子は、耐熱性を改良するものであるが未だ充分と
は言い難いものである。
【0019】前出特開平3−67265号公報に記載の
粒子は、帯電量を制御するものではあるが、耐熱性を改
良するものではなく、事実後出の比較例4に示す通り、
140℃付近の温度でマグヘマイトへの変態が生起しは
じめ耐熱性が悪いものである。
【0020】前出特公平3−48505号公報に記載の
粒状マグネタイト粒子は、耐熱性や着色力を改良するも
のではない。
【0021】前出磁気記録分野において行われている針
状磁性粒子粉末の亜鉛フェライトによる被覆は、高密度
記録化の要求に応えて、磁性粒子粉末の飽和磁化値を高
め、経時変化を改良するものであり、耐熱性や着色力に
ついては全く意図されておらず、事実、後出比較例に示
す通り、120〜145℃程度の温度でマグヘマイトへ
の変態が生起しはじめ耐熱性が悪いものであった。
【0022】そこで、本発明は、保磁力ができるだけ低
く、殊に、150Oe以下を有しており、しかも、優れ
た耐熱性と高い着色力を有すると共に、電荷及び帯電量
が制御された粒状マグネタイト粒子粉末を得ることを技
術的課題とする。
【0023】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。
【0024】即ち、本発明は、粒子表面に、下層がZn
x Fe2+y z 層(但し、0.4≦x≦1.0、x+y
=1、4.0≦z≦4.3)であって、上層がSi、A
l及びTiから選ばれた少なくとも一種の元素の水酸化
物、酸化水酸化物又はこれらの共沈物である被覆層が形
成されている粒状マグネタイト粒子であって、前記下層
中のZn量が芯粒子である粒状マグネタイト粒子中の全
Feに対し0.5〜4.0mol%、前記上層中のS
i、Al及びTiの各元素量が芯粒子である粒状マグネ
タイト粒子に対して0.1〜5wt%であることからな
る粒状マグネタイト粒子粉末である。
【0025】また、本発明は、粒状マグネタイト粒子を
含む水分散液中に、非酸化性雰囲気下において前記粒状
マグネタイト粒子中の全Feに対しFe2+換算で1.0
〜26mol%の第一鉄塩水溶液とZn換算で0.5〜
4.0mol%の亜鉛塩水溶液と水酸化アルカリ水溶液
とを添加・混合して分散液中のOH基濃度が0.3〜
1.0mol/lになるように調整した後、50℃以上
の温度において酸素含有ガスを通気して、粒子表面がZ
x Fe2+y z (但し、0.4≦x≦1.0、x+y
=1、4.0≦z≦4.3)で被覆されている粒状マグ
ネタイト粒子が生成されている懸濁液を得、次いで、該
懸濁液中にSi化合物、Al化合物及びTi化合物から
選ばれた少なくとも一種の化合物を添加した後、pHを
5〜9に調整して、Si、Al及びTiから選ばれた少
なくとも一種の元素の水酸化物、酸化水酸化物又はこれ
らの共沈物を前記Znx Fe2+y z 層上に被覆するこ
とからなる粒状マグネタイト粒子粉末の製造法である。
【0026】本発明の構成をより詳しく説明すれば、次
の通りである。
【0027】先ず、本発明に係る粒状マグネタイト粒子
粉末について述べる。
【0028】本発明に係る粒子表面に被覆層を有する粒
状マグネタイト粒子粉末は、芯粒子がFe2+を12〜2
4wt%含有する黒色を呈する粒状マグネタイト粒子で
あり、その形状は球状、立方状、八面体等いずれの形状
のものでもよい。
【0029】Fe2+を12〜24wt%含有する粒状マ
グネタイト粒子粉末は、通常、黒色を呈してはいるが、
より黒色度が優れており、より着色力が高い目的物粒子
を得ようとすれば、Fe2+を多量に含有する、殊に、F
2+を14wt%以上、より好ましくは、17wt%以
上含有していることが好ましい。
【0030】本発明に係る粒子表面に被覆層を有する粒
状マグネタイト粒子の粒子サイズは、分散性を考慮すれ
ば、BET比表面積で3〜15m2 /gの範囲、平均粒
子径が0.05〜0.35μmの範囲であることが好ま
しい。
【0031】本発明に係る粒子表面に被覆層を有する粒
状マグネタイト粒子の下層は、組成がZnx Fe2+y
z (但し、0.4≦x≦1.0、x+y=1、4.0≦
z≦4.3)である。xが0.4未満の場合には、耐熱
性の改良が十分ではなく、発熱開始温度が低下する。x
が1.0を越える場合には、被覆物の生成に寄与しない
ZnイオンがZn(OH)2 微粒子として単独で分離析
出する。
【0032】Znx Fe2+y z 中のZn量は、芯粒子
である粒状マグネタイト粒子中の全Feに対して0.5
〜4.0mol%である。0.5mol%未満の場合に
は、耐熱性の改良が十分ではなく、発熱開始温度が低下
する。4.0mol%を越える場合にも、耐熱性の改良
はできるが必要以上に含有させる意味がない。
【0033】Znx Fe2+y z 中のZn量が多くなる
程、また、x値が1に近づく程、得られる粒状マグネタ
イト粒子の耐熱性が向上する傾向にある。
【0034】本発明におけるZnx Fe2+y z 中のF
2+は、Znx Fe2+y z を生成する為に必要な量で
あればよく、芯粒子である粒状マグネタイト粒子中の全
Feに対しFe2+換算で1.0〜26mol%が好まし
い。1.0mol%未満の場合、26mol%を越える
場合には、Znx Fe2+y z の組成の下層を生成させ
ることが困難となる。Znx Fe2+y z においてzが
4.0未満の場合、zが4.3を越える場合には、Zn
x Fe2+y z の組成の下層を生成させることが困難と
なる。
【0035】本発明に係る粒子表面に被覆層を有する粒
状マグネタイト粒子の上層は、Si、Al及びTiから
選ばれた少なくとも一種の元素の水酸化物、酸化水酸化
物又はこれらの共沈物である。
【0036】上層のSi、Al及びTiの各元素量は、
芯粒子である粒状マグネタイト粒子に対して、Si、A
l及びTi元素に換算して0.1〜5wt%、好ましく
は0.1〜4wt%である。0.1wt%未満の場合に
は、本発明の目的とする電荷と帯電量が制御された粒状
マグネタイト粒子を得ることができない。5wt%を越
える場合には、粒状マグネタイト粒子表面に析出しない
Si、Al、Tiの水酸化物、酸化水酸化物、これらの
共沈物が単独で生成し、本発明の目的とする電荷及び帯
電量が制御された粒状マグネタイト粒子を得ることがで
きない。
【0037】次に、前記の通りの本発明に係る粒子表面
に被覆層を有する粒状マグネタイト粒子粉末の製造法に
ついて述べる。
【0038】本発明に係る粒子表面に被覆層を有する粒
状マグネタイト粒子粉末は、粒状マグネタイト粒子粉末
を含む水分散液中に、非酸化性雰囲気下において前記粒
状マグネタイト粒子中の全Feに対しFe2+換算で1.
0〜26mol%の第一鉄塩水溶液とZn換算で0.5
〜4.0mol%の亜鉛塩水溶液と水酸化アルカリ水溶
液とを添加・混合して分散液中のOH基濃度が0.3〜
1.0mol/lになるように調整した後、50℃以上
の温度において酸素含有ガスを通気して、粒子表面をZ
x Fe2+y z (但し、0.4≦x≦1.0、x+y
=1、4.0≦z≦4.3)で被覆し、次いで、Si化
合物、Al化合物及びTi化合物から選ばれた少なくと
も一種の化合物を添加した後、pHを5〜9に調整し
て、Si、Al及びTiから選ばれた少なくとも一種の
元素の水酸化物、酸化水酸化物又はこれらの共沈物で被
覆することにより得ることができる。
【0039】本発明における粒状マグネタイト粒子粉末
を含む水分散後の濃度は、均一に被覆することを考慮す
れば、50〜500g/lの範囲が好ましく、より好ま
しくは50〜200g/lの範囲である。
【0040】本発明における添加・混合時の雰囲気は、
非酸化性雰囲気である。非酸化性雰囲気とする為には、
窒素ガス等を反応容器中に通気すればよい。非酸化性雰
囲気でない場合には、粒状マグネタイト粒子表面にZn
x Fe2+y z が十分成長せず、Znx Fe2+y z
粒子が単独で分離析出する。
【0041】本発明における第一鉄塩水溶液としては、
硫酸第一鉄、塩化第一鉄等を使用することができる。
【0042】第一鉄塩水溶液の量は、Znx Fe2+y
z を生成する為に必要な量であればよく、芯粒子である
粒状マグネタイト粒子中の全Feに対しFe2+換算で
1.0〜26mol%が好ましい。1.0mol%未満
の場合、26mol%を越える場合には、Znx Fe
2+y z の組成の下層を生成させることが困難となる。
【0043】本発明における亜鉛塩水溶液としては、硫
酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜鉛等を使用する
ことができる。
【0044】亜鉛塩水溶液中のZn量は、芯粒子である
粒状マグネタイト粒子中の全Feに対し0.5〜4.0
mol%である。0.5mol%未満の場合には、耐熱
性の改良が十分ではなく、発熱開始温度が低下する。
4.0mol%を越える場合には、耐熱性の改良はでき
るが必要以上に添加する意味がない。
【0045】本発明における水酸化アルカリ水溶液は、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用することが
できる。
【0046】水酸化アルカリ水溶液の量は、分散液中の
OH基濃度が0.3〜1.0mol/lになるように調
整すればよい。0.3mol/l未満の場合には、粒状
マグネタイト粒子表面にZnx Fe2+y z が十分成長
せず、Znx Fe2+y z 微粒子が単独で分離析出す
る。粒状マグネタイト粒子表面にZnx Fe2+y z
成長させる為には1.0mol/lで十分である。
【0047】本発明において使用される酸素含有ガスと
しては、空気が最適である。
【0048】本発明における酸化反応時の温度は50℃
以上である。50℃未満の場合には、粒状マグネタイト
粒子の生成とともに針状ゲータイト粒子や針状レピッド
クロサイト粒子が生成し、混在する。
【0049】本発明におけるSi化合物、Al化合物及
びTi化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物の添
加は、Znx Fe2+y z 層形成後、即ち、50℃以上
の温度で酸素含有ガスを通気してZnx Fe2+y z
被覆されている粒状マグネタイト粒子を生成した後の懸
濁液に添加し、次いで、pHを5〜9、好ましくは6〜
8に調整することによって、形成される。
【0050】本発明で使用されるSi化合物としては、
3号水ガラス、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が
挙げられる。
【0051】本発明で使用されるAl化合物としては、
硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、アルミン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0052】本発明で使用されるTi化合物としては、
硫酸チタニル、塩化チタン等が挙げられる。
【0053】添加するSi化合物、Al化合物及びTi
化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物の溶液濃度
は、溶液状態で使用すればよく、溶解度を越えない濃度
であればよい。
【0054】本発明において、懸濁液に添加するSi化
合物、Al化合物及びTi化合物から選ばれる少なくと
も一種の化合物の添加量は、芯粒子である粒状マグネタ
イト粒子に対してSi、Al及びTiから選ばれる少な
くとも一種の元素の元素換算で0.1〜5.0wt%、
好ましくは0.1〜4.0wt%となるような量であ
る。0.1wt%未満の場合には、本発明の目的とする
電荷及び帯電量が制御された粒状マグネタイト粒子を得
ることができない。5.0wt%を越える場合には、粒
状マグネタイト粒子表面に析出しないSi、Al、Ti
の水酸化物、酸化水酸化物、これらの共沈物が単独で生
成する。
【0055】Si化合物、Al化合物及びTi化合物か
ら選択される少なくとも一種の化合物を添加した後の懸
濁液のpHを5〜9に調整するためには、必要に応じて
酸(硫酸、塩酸、硝酸)又は塩基(水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム)を加えて行う。
【0056】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、粒状マ
グネタイト粒子粉末を含む水分散液中に、非酸化性雰囲
気下において前記粒状マグネタイト粒子中の全Feに対
しFe2+換算で1.0〜26mol%の第一鉄塩水溶液
とZn換算で0.5〜4.0mol%の亜鉛塩水溶液と
水酸化アルカリ水溶液とを添加・混合して分散液中のO
H基濃度が0.3〜1.0mol/lになるように調整
した後、50℃以上の温度において酸素含有ガスを通気
し、次いで、Si化合物、Al化合物及びTi化合物か
ら選ばれる少なくとも一種の化合物を添加した後、pH
を5〜9に調整した場合には、粒子表面に、下層がZn
x Fe2+y z 層(但し、0.4≦x≦1.0、x+y
=1、4.0≦z≦4.3)であって、上層がSi、A
l及びTiから選ばれた少なくとも一種の元素の水酸化
物、酸化水酸化物又はこれらの共沈物である被覆層で被
覆されている粒状マグネタイト粒子であって、前記下層
中のZn量が芯粒子である粒状マグネタイト粒子中の全
Feに対し0.5〜4.0mol%、前記上層中のS
i、Al及びTiの各元素量が芯粒子であるマグネタイ
ト粒子に対して0.1〜5wt%である粒状マグネタイ
ト粒子粉末を得ることができ、当該粒子表面に被覆層が
形成されている粒状マグネタイト粒子粉末は、保磁力3
0〜150Oeを有しており、しかも、耐熱性と着色力
が優れていると共に、電荷及び帯電量が制御されたもの
であるという事実である。
【0057】本発明に係る粒状マグネタイト粒子粉末の
前記諸特性の改良機構についての理論的解明はいまだ行
っていないが、本発明者は、後出比較例に示す通り、添
加・混合時における雰囲気を酸化性雰囲気にした場合や
OH基濃度が0.3〜1.0mol/lの範囲外である
場合には、耐熱性と着色力が優れている粒状マグネタイ
ト粒子粉末を得ることができないことから、添加・混合
時における雰囲気を非酸化性にすることにより酸化反応
の生起を制御して系内における酸化反応を均一に行わせ
ることと、OH基濃度を特定範囲に調整することによ
り、水酸化物の溶解度を低下させて新たな核が単独で析
出分離することを制御することとの相乗効果により、粒
状マグネタイト粒子の粒子表面に均一、且つ、緻密なZ
x Fe2+y z 被膜が形成されていることによるもの
と考えている。
【0058】本発明に係る粒子表面に被覆層が形成され
ている粒状マグネタイト粒子粉末は、後出実施例に示す
通り、発熱開始温度が150℃以上、好ましくは170
℃以上、より好ましくは200℃以上であり、耐熱性が
極めて優れたものであった。そして、温度200℃とい
う高温においてさえも加熱前と1時間加熱後におけるF
2+の変化率が8%以下、殊に、6.0%以下であり、
加熱前におけるFe2+量を略維持していた。そして、そ
の結果、ΔEも0.8以下、殊に、0.6以下であり、
黒色を呈しており、耐熱性が極めて優れていることが確
認された。
【0059】本発明に係る粒子表面に被覆層が形成され
ている粒状マグネタイト粒子粉末は、後出実施例に示す
通り、優れた耐熱性と高い着色力を維持しながら、電荷
及び帯電量を制御することができる。即ち、前出粉体工
学会誌の第817頁の「図4」及び第818頁の「図
8」に示されている通り、Siの水酸化物、酸化水酸化
物又はこれらの共沈物の等電点は、2〜3程度であるか
ら負に帯電しやすく、Alの水酸化物、酸化水酸化物又
はこれらの共沈物の等電点は、9程度であるから正に帯
電しやすい。Tiの水酸化物、酸化水酸化物又はこれら
の共沈物の等電点は、4〜6程度であるから負に帯電す
る傾向にある。従って、Si、Al及びTiの水酸化
物、酸化水酸化物又はこれらの共沈物を種々組み合わせ
ることにより、電荷及び帯電量を制御することができ
る。
【0060】本発明に係る被覆層が形成されている粒状
マグネタイト粒子は、電荷及び帯電量が制御されたもの
であるから、これら粒子を用いて製造した磁性トナーも
また磁性トナー表面に露出した粒状マグネタイト粒子に
よって、電荷及び帯電量が制御できる。
【0061】本発明に係る被覆層が形成されている粒状
マグネタイト粒子は、帯電量が−50〜+15μC/g
の範囲のものが得られる。
【0062】
【実施例】次に、実施例及び比較例により、本発明を説
明する。
【0063】尚、以下の実施例及び比較例における粒子
の粒子径は、電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値
で示すと共に、BET法により測定した値で示した。
【0064】粒子粉末中のZn量及びFe量は、「高周
波プラズマ発光分光分析装置ICAP−575」(日本
ジャーレル・アッシュ(株)製)を用いて測定した値で
示した。
【0065】粒子の磁気特性は、「振動試料型磁力計
VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を用いて磁
場10kOe下で測定した値である。
【0066】粒子の耐熱性は、「示差走査熱量計DSC
−200」(セイコー電子工業(株)製)を用いて測定
した示差熱分析による発熱開始温度(℃)で示した。
【0067】そして、粒状マグネタイト粒子粉末を20
0℃で1時間加熱処理した場合における加熱前後におけ
るFe2+の変化率(%)を示すとともに加熱処理前のL
1 *、a1 * 及びb1 * と加熱処理後のL2 * 、a2 *
及びb2 * とをそれぞれ測定し、加熱処理前後における
色相の変化を数1で示した。
【0068】
【数1】
【0069】尚、色相は、L* 値(明度)、a* 値及び
* 値で示され、これらは、測色用試験片を光源分光測
色計MSC−IS−2D(スガ試験機(株)製)を用い
てHunterのLab空間によりL* 値、a* 値、b
* 値をそれぞれ測色し、国際証明委員会(Znmmis
sion Internationale de l’
Eclairage、CIE)1976(L* 、a*
* )均等知覚色空間に従って表示した値で示した。
【0070】色相の測定用試料片は、粒状マグネタイト
粒子粉末0.5gとヒマシ油0.5ccをフーバー式マ
ーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリヤ
ラッカー4.5gを加え混練し塗料化して、キャストコ
ート紙上に6milのアプリケータを用いて塗布するこ
とによって得た。
【0071】帯電量は、日本鉄粉社製TEFV−200
/300の鉄粉キャリアと30分間摩擦帯電させた後、
東芝ケミカル社製ブローオフ帯電量測定装置を用いて測
定した。
【0072】<Znx Fe2+y z 層の生成> 実施例1〜10、比較例1〜4;
【0073】実施例1 水溶液中から生成させた八面体状マグネタイト(平均粒
径0.26μm、BET比表面積5.5m2 /g、Fe
2+含有量20.1wt%、保磁力120Oe)1856
gを水に分散させた温度90℃の分散液に、N2 ガスを
20l/分の割合で通気しながら、0.24molのZ
nSO4 溶液と0.50molのFeSO4 溶液と3
7.0molのNaOH水溶液とを添加し、全容量を3
9.5lとした。この分散液中のZn2+量及びFe2+
はそれぞれ芯粒子である粒状マグネタイト粒子中の全F
eに対し1.00mol%及び2.09mol%であ
り、OH基濃度は0.94mol/lであった。
【0074】その後、N2 ガスを空気に切り換え、10
0l/分の割合で通気しながら温度90℃で20分間溶
液を攪拌して亜鉛フェライトによる被覆反応を行った。
得られた黒色沈澱物を濾過、水洗した後、60℃で乾燥
して、黒色粒子粉末を得た。
【0075】得られた黒色粒子粉末は下記の方法により
測定したZn及びFeの組成分析の結果、粒子表面の組
成が一般式Znx Fe2+y z においてx=0.97、
2+y=2.03(但し、被覆物中のZn量は芯粒子中
の全Feに対し1.0mol%、被覆物中の全Fe量は
芯粒子中の全Feに対し2.1mol%)であった。こ
の黒色粒子粉末は、BET比表面積が4.9m2 /gで
あって、Fe2+含有量が20.5wt%であり、磁気特
性は、保磁力Hcが124Oe、残留磁化σrが12.
8emu/g、飽和磁化σsが85.4emu/gであ
った。
【0076】示差熱分析による発熱開始温度は219℃
であり、耐熱性に優れたものであった。そして、200
℃で60分間加熱した後のFe2+含有量は19.6wt
%であって、加熱前のFe2+量20.5wt%に対する
変化率は4.4%であり、加熱前のFe2+含有量と比べ
大巾な変化はみられず、青みがかった黒色を呈してい
た。その結果、着色力も優れていることが認められた。
また、ΔEは0.42であった。
【0077】尚、組成分析は、上記黒色粒子粉末10g
を100mlの水に懸濁させ、該懸濁液を反応容器に入
れ60℃に加熱した後、攪拌しながら1−NのHCl溶
液200mlを加え、溶液中に溶解したZn量及びFe
量を測定することにより行った。即ち、測定試料を6点
用意しHClを加えた瞬間をt=0として1、5、1
0、30、60、120分の各時間を経過するごとに試
料を1点ずつとり出し、黒色粒子を濾別して得られた濾
液中のZn及びFe量をそれぞれ分析した。
【0078】実施例2〜10、比較例1〜4 芯粒子である粒状マグネタイト粒子粉末の種類、混合工
程におけるコバルト塩水溶液の種類及び量、第一鉄塩水
溶液の量及びNaOH水溶液の量並びに酸化反応工程に
おける温度を種々変化させた以外は、実施例1と同様に
して被覆処理済マグネタイト粒子粉末を得た。
【0079】この時の主要製造条件と被覆処理済マグネ
タイト粒子粉末の諸特性を表1乃至表3に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】実施例2〜10で得られた被覆処理済粒状
マグネタイト粒子粉末は、いずれも耐熱性が優れたもの
であった。
【0084】尚、比較例2は添加混合時における雰囲気
をN2 ガスを通気することなく空気中で実施した以外は
実施例1と同様に実施したものであり、被覆処理後に得
られた粒子は、電子顕微鏡観察の結果、八面体状マグネ
タイト粒子以外に亜鉛フェライト微粒子が単独で分離析
出していることが確認された。また、比較例3において
得られた粒子は、電子顕微鏡観察の結果、八面体状マグ
ネタイト粒子以外に亜鉛フェライト微粒子が単独で分離
析出していることが確認された。
【0085】<Si、Al、Tiの水酸化物、酸化水酸
化物又はこれらの共沈物の生成> 実施例11〜24、比較例5〜6;
【0086】実施例11 実施例1で得られた亜鉛フェライト被覆処理済マグネタ
イト粒子1kgを75℃の水に分散させた後、攪拌しな
がらNaOH水溶液を滴下してpHを11とした。次
に、該粒子に対してSi換算で0.2wt%の3号水ガ
ラス14.8gを含む水溶液を滴下して10分間攪拌し
た。その後、硫酸を滴下してpHを5.5に調節して1
5分間攪拌した。得られた黒色沈澱物を濾過、水洗した
後、60℃で乾燥して、黒色粒子を得た。
【0087】得られた黒色粒子は、Siを0.19wt
%含有しており、帯電量は−21μC/gであった。
【0088】実施例12、13及び比較例5 Si化合物の添加量及びpHを変化させた以外は実施例
11と同様にしてSi被覆処理済マグネタイト粒子を得
た。
【0089】この時の製造条件とSi被覆処理済マグネ
タイト粒子の諸特性を表4及び表5に示す。
【0090】実施例14 実施例2で得られた亜鉛フェライト被覆処理済マグネタ
イト粒子1kgを70℃の水に分散させた後、攪拌しな
がらNaOH水溶液を滴下してpHを11とした。次
に、該粒子に対してTi換算で0.40wt%のTiO
SO4 ・2H2 O16.4gを含む水溶液とNaOH水
溶液を、pH7.0に維持しながら同時に滴下した。1
5分間攪拌した後、得られた黒色沈澱物を濾過、水洗し
た後、60℃で乾燥して、黒色粒子を得た。
【0091】得られた黒色粒子は、Tiを0.37wt
%含有しており、帯電量は−16μC/gであった。
【0092】実施例17及び18 Ti化合物の種類及び添加量、pHを変化させた以外は
実施例14と同様にしてTi被覆処理済マグネタイト粒
子を得た。
【0093】この時の製造条件とTi被覆処理済マグネ
タイト粒子の諸特性を表4に示す。
【0094】実施例15 実施例3で得られた亜鉛フェライト被覆処理済マグネタ
イト粒子1kgを75℃の水に分散させた後、攪拌しな
がらNaOH水溶液を滴下してpHを11とした。次
に、該粒子に対してAl換算で0.25wt%のAl2
(SO4 3 15.85gとTi換算で0.45wt%
の塩化チタンTiCl4 17.81gとを含む水溶液を
滴下して10分間攪拌した。その後、硫酸を滴下してp
Hを8.5に調節して15分間攪拌した。得られた黒色
沈澱物を濾過、水洗した後、60℃で乾燥して、黒色粒
子を得た。
【0095】得られた黒色粒子は、Alを2.31wt
%,Tiを2.07wt%含有しており、帯電量は−1
4μC/gであった。
【0096】実施例19、20及び24 Si化合物、Al化合物、Ti化合物の種類と添加量、
pHを変化させた以外は実施例15と同様にしてSi、
Al被覆処理済マグネタイト粒子を得た。
【0097】この時の製造条件とSi、Al被覆処理済
マグネタイト粒子の諸特性を表4及び表5に示す。
【0098】実施例21 実施例9で得られた亜鉛フェライト被覆処理済マグネタ
イト粒子1kgを75℃の水に分散させた後、攪拌しな
がらNaOH水溶液を滴下してpHを11とした。次
に、該粒子に対してAl換算で0.2wt%のAl
2 (SO4 3 12.6gを含む水溶液を滴下して10
分間攪拌した。その後、硫酸を滴下してpHを7.0に
調節して15分間攪拌した。得られた黒色沈澱物を濾
過、水洗した後、60℃で乾燥して、黒色粒子を得た。
【0099】得られた黒色粒子は、Alを0.19wt
%含有しており、帯電量は−5μC/gであった。
【0100】実施例22、23及び比較例6 Al化合物の添加量、pHを変化させた以外は実施例2
1と同様にしてAl被覆処理済マグネタイト粒子を得
た。
【0101】この時の製造条件とAl被覆処理済マグネ
タイト粒子の諸特性を表4及び表5に示す。
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】
【発明の効果】本発明に係る粒状マグネタイト粒子粉末
は、前出実施例に示した通り、保磁力30〜150Oe
を有しており、しかも、優れた耐熱性と高い着色力を有
すると共に、電荷と帯電量が制御されているので、塗料
用・印刷インキ用・樹脂用着色顔料粉末、磁性トナー用
・磁性キャリア用材料として好適である。
フロントページの続き (72)発明者 青木 功荘 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号戸 田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 三澤 浩光 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号戸 田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 好澤 実 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号戸 田工業株式会社創造センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子表面に、下層がZnx Fe2+y z
    層(但し、0.4≦x≦1.0、x+y=1、4.0≦
    z≦4.3)であって、上層がSi、Al及びTiから
    選ばれた少なくとも一種の元素の水酸化物、酸化水酸化
    物又はこれらの共沈物である被覆層が形成されている粒
    状マグネタイト粒子であって、前記下層中のZn量が芯
    粒子である粒状マグネタイト粒子中の全Feに対し0.
    5〜4.0mol%、前記上層中のSi、Al及びTi
    の各元素量が芯粒子である粒状マグネタイト粒子に対し
    て0.1〜5wt%であることを特徴とする粒状マグネ
    タイト粒子粉末。
  2. 【請求項2】 粒状マグネタイト粒子を含む水分散液中
    に、非酸化性雰囲気下において前記粒状マグネタイト粒
    子中の全Feに対しFe2+換算で1.0〜26mol%
    の第一鉄塩水溶液とZn換算で0.5〜4.0mol%
    の亜鉛塩水溶液と水酸化アルカリ水溶液とを添加・混合
    して分散液中のOH基濃度が0.3〜1.0mol/l
    になるように調整した後、50℃以上の温度において酸
    素含有ガスを通気して、粒子表面がZnx Fe2+y z
    (但し、0.4≦x≦1.0、x+y=1、4.0≦z
    ≦4.3)で被覆されている粒状マグネタイト粒子が生
    成されている懸濁液を得、次いで、該懸濁液中にSi化
    合物、Al化合物及びTi化合物から選ばれた少なくと
    も一種の化合物を添加した後、pHを5〜9に調整し
    て、Si、Al及びTiから選ばれた少なくとも一種の
    元素の水酸化物、酸化水酸化物又はこれらの共沈物を前
    記Znx Fe2+y z 層上に被覆することを特徴とする
    粒状マグネタイト粒子粉末の製造法。
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