JPH08131179A - 油脂の製造方法 - Google Patents

油脂の製造方法

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JPH08131179A
JPH08131179A JP6307998A JP30799894A JPH08131179A JP H08131179 A JPH08131179 A JP H08131179A JP 6307998 A JP6307998 A JP 6307998A JP 30799894 A JP30799894 A JP 30799894A JP H08131179 A JPH08131179 A JP H08131179A
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JP
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oils
fats
oil
fat
strain
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JP6307998A
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Kimihiko Ogiwara
公彦 荻原
Masamichi Satou
将道 佐藤
Kazunori Ishigami
和則 石上
Koki Sakashita
幸喜 坂下
Yoshihiro Takayama
義博 高山
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Kashima Oil Co Ltd
Original Assignee
Kashima Oil Co Ltd
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Publication date
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/64Fats; Fatty oils; Ester-type waxes; Higher fatty acids, i.e. having at least seven carbon atoms in an unbroken chain bound to a carboxyl group; Oxidised oils or fats
    • C12P7/6436Fatty acid esters
    • C12P7/6445Glycerides
    • C12P7/6463Glycerides obtained from glyceride producing microorganisms, e.g. single cell oil
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 鎖状炭化水素の資化性を有し油脂を蓄積する
能力のある細菌を鎖状炭化水素を含有する培地に培養す
ることにより菌体内に油脂を蓄積せしめ、該菌体から油
脂を採取することを特徴とする油脂の製造方法。 【効果】 天然動植物由来の原料を使用することなく安
定的に油脂を製造することができるばかりでなく、例え
ば奇数炭素数の脂肪酸残基を含む非天然型の油脂も製造
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細菌を用いて鎖状炭化
水素より油脂を製造する方法に関するものである。本発
明によって得られる油脂は、界面活性剤、食品添加物、
脂肪酸の原料等として、油化学、石油化学をはじめ、医
薬、農薬、化粧品、食品分野等において広く利用される
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、油脂は牛脂、パーム油等の動植物
原料から製造されているが、これらの天然原料は、天候
その他の要因により供給量や価格が大きく変動するとい
った問題点がある。また、石油系及び/又は石油化学系
の原料から有機合成により製造する方法も知られてはい
るが、広く工業的に実施されるには至っていない。また
近年、微生物のうちカビの機能を利用して、例えば月見
草オイルの代替としてγ−リノレン酸を含有する油脂の
製造が工業的に行われているが、それらは炭素源として
やはり天然物であるグルコース等の糖質を使用してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、細菌を
用いて油脂を製造する方法を開発すべく鋭意研究を重ね
た結果、鎖状炭化水素の資化性を有し油脂を蓄積する能
力のある細菌を鎖状炭化水素を含有する培地に培養する
ことにより油脂が菌体内に蓄積されることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の油脂の製造方法
は、鎖状炭化水素の資化性を有し油脂を蓄積する能力の
ある細菌を鎖状炭化水素を含有する培地に培養すること
により菌体内に油脂を蓄積せしめ、該菌体から油脂を採
取することを特徴とするものである。
【0005】本発明に用いる細菌は、鎖状炭化水素の資
化性を有し油脂を蓄積する能力のある細菌であれば特に
制限はなく、例えばミコバクテリウム属、アグロバクテ
リウム属、リゾビウム属、コリネバクテリウム属、ロー
ドコッカス属、アルスロバクター属又はブレビバクテリ
ウム属に属する細菌が挙げられ、より具体的にはミコバ
クテリウム・エスピー (Mycobacterium sp.) KO-201株
(FERM P-14532) 、アグロバクテリウム・エスピー (Agr
obacterium sp.) KO-202株 (FERM P-14693)、リゾビウ
ム・エスピー (Rhizobium sp.) KO-203株 (FERM P-1469
4) 、コリネバクテリウム・フジオケンス (Corynebacte
rium fujiokense) ATCC 21496、ロードコッカス・ロー
ドクラウス (Rhodococcus rhodochrous) ATCC 13808、
アルスロバクター・パラフィネウス (Arthrobacter par
affineus) ATCC 15591、ブレビバクテリウム・ケトグル
タミカム (Brevibacterium ketoglutamicum) ATCC 1558
8等が挙げられる。
【0006】前記細菌のうち、ミコバクテリウム・エス
ピー KO-201株は、本発明者らが土壌より新たに分離し
た細菌であり、以下に示す菌学的性質を有している。 (菌学的性質) 形態 多形性桿菌 グラム染色 陽性 胞子形成 なし 運動性の有無 なし 抗酸性 陽性 オキシダーゼ 陰性 カタラーゼ 陽性 アリールスルファターゼ 陽性 フラグメンテーションの有無 あり 気菌糸の形成 なし 細胞壁のジアミノ酸 meso−ジアミノピメリン酸 グリコリル試験 グリコリル型 ミコール酸の生成 あり 主要キノン系 MK-9(H2)
【0007】この菌学的性質をバージーの分類学書 (Be
rgey's Manual of Systematic Bacteriology) 等により
検索したところ、前記菌学的性質において、グラム陽性
の多形性の桿菌で、抗酸性陽性、運動性なし、胞子形成
なしで、細胞壁のジアミノ酸がmeso−ジアミノピメリン
酸であり、ミコール酸を生成し、アリールスルファター
ゼ陽性であることから、本菌株をミコバクテリウム属に
属する細菌と同定した。本菌株を更に詳細に検討したと
ころ、ミコバクテリウム・ケロナエ・サブスピーシス・
ケロナエ(Mycobacterium chelonae subsp. chelonae)に
類縁であるが、以下の表1に示すように、鉄の取り込
み、パラアミノサリチル酸ナトリウムの分解及びマンニ
トールの資化性において相違することから、本菌株を新
菌種と認め、ミコバクテリウム・エスピー KO-201株と
命名した。このミコバクテリウム・エスピー KO-201株
は、工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P-14532
として寄託されている。
【0008】
【表1】
【0009】また、アグロバクテリウム・エスピー KO-
202株及びリゾビウム・エスピー KO-203株も同様に本発
明者らが土壌より新たに分離した細菌であり、以下に示
す菌学的性質を有している。 (菌学的性質) アグロバクテリウム・エスピー KO-202株 形態 桿菌 グラム染色 陰性 胞子形成 なし 運動性の有無 あり 鞭毛の形態 周毛 酸素に対する態度 好気性 オキシダーゼ 陽性 カタラーゼ 陽性 OFテスト 酸化的 3−ケトラクトースの生成 あり 主要キノン系 Q-10
【0010】リゾビウム・エスピー KO-203 株 形態 桿菌 グラム染色 陰性 胞子形成 なし 運動性の有無 あり 鞭毛の形態 周毛 酸素に対する態度 好気性 オキシダーゼ 陽性 カタラーゼ 陽性 OFテスト 酸化的 3−ケトラクトースの生成 なし 主要キノン系 Q-10
【0011】アグロバクテリウム・エスピー KO-202株
の菌学的性質をバージーの分類学書等により検索したと
ころ、前記菌学的性質において、グラム陰性の桿菌で、
周鞭毛を有し、好気性、オキシダーゼ陽性、カタラーゼ
陽性で、糖を酸化的に分解し、3−ケトラクトースを生
成し、主要キノン系がQ-10であることから、本菌株をア
グロバクテリウム属に属する細菌と同定した。
【0012】また、リゾビウム・エスピー KO-203株の
菌学的性質を、同様にバージーの分類学書等により検索
したところ、前記菌学的性質において、グラム陰性の桿
菌で、周鞭毛を有し、好気性、オキシダーゼ陽性、カタ
ラーゼ陽性で、糖を酸化的に分解し、3−ケトラクトー
スを生成せず、主要キノン系がQ-10であることから、本
菌株をリゾビウム属に属する細菌と同定した。
【0013】本発明者らは、アグロバクテリウム・エス
ピー KO-202株及びリゾビウム・エスピー KO-203株が菌
体内に油脂を蓄積することを見出したが、アグロバクテ
リウム属及びリゾビウム属で菌体内に油脂を著量、蓄積
するとの報告はないことから、これらの菌株を新菌種と
認め、それぞれアグロバクテリウム・エスピー KO-202
株、リゾビウム・エスピー KO-203株と命名した。この
アグロバクテリウム・エスピー KO-202株及びリゾビウ
ム・エスピー KO-203株は、工業技術院生命工学工業技
術研究所に、それぞれFERM P-14693及びFERM P-14694と
して寄託されている。
【0014】本発明に用いる細菌には、前記細菌に紫外
線照射、N−メチル−N’−ニトロソグアニジン等の変
異剤による処理等を施したいわゆる変異株も包含され
る。本発明に用いる鎖状炭化水素は、炭素数が偶数又は
奇数のいずれでもよく、また飽和型又は不飽和型のいず
れでもよく、更に直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよ
い。通常炭素数5〜30、好ましくは炭素数8〜20の鎖状
炭化水素が使用され、該鎖状炭化水素は化学合成によっ
て製造されたもの及び/又は石油の分留によって製造さ
れたもののいずれでもよい。また、油脂の製造目的によ
り、単一のものを用いてもよいし、混合物を用いてもよ
い。
【0015】本発明により製造される油脂は、主成分と
してトリグリセリドを含有しており、その他ジグリセリ
ド、モノグリセリド、リン脂質等を含有している。奇数
炭素数の鎖状炭化水素を含んでいる鎖状炭化水素を用い
れば、奇数炭素数の脂肪酸残基が含まれている油脂が得
られる。
【0016】本発明においては、前記細菌を鎖状炭化水
素を含有する培地に培養することにより菌体内に油脂を
蓄積せしめ、該菌体から油脂を採取する。細菌の培養
は、炭素源として前記鎖状炭化水素及び必要に応じてグ
ルコース、フルクトース等の糖類や澱粉等を含み、更に
窒素源、無機塩類、ビタミン類、その他の栄養源を適宜
含有する培地に該細菌を接種し、好気的条件下で培養す
ることにより行うことができる。培地中に使用する窒素
源としては、例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機態
窒素源でも、例えば尿素、イーストエキス、ペプトン、
グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、コーンスチー
プリカー、カザミノ酸等の有機態窒素源でもよい。無機
塩類としては、例えばリン酸水素二カリウム、リン酸二
水素カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム七水
和物、硫酸亜鉛七水和物、MnSO4・nH2O、塩化カルシウ
ム、硫酸鉄(II)七水和物等が用いられる。その他、必要
に応じて微量元素、ビタミン類、その他の栄養源を使用
する。炭素源及びその他の培地成分は、培養開始時に全
量を培地に加えてもよく、あるいは培養中に追加して投
与することもできる。培地のpHは、通常4〜8、好ま
しくは4.5〜7.5、培養温度は通常20〜35℃、好ましくは
25〜32℃である。細菌の培養は、細菌の生育状況又は油
脂の製造目的等により適宜決定し得るが、好気的条件下
で通常2日〜14日間行う。培養は、回分培養、半回分培
養又は連続培養のいずれの方式によって行ってもよい。
【0017】かくして菌体内に油脂が蓄積されるので、
培養物より該菌体を分離し油脂を採取する。培養物から
の菌体の分離は、例えば遠心分離、ろ過等の方法により
行われる。菌体からの油脂の採取は、油脂を効率よく採
取できる方法であれば特に限定されないが、通常は例え
ばメタノール、エタノール、ブタノール、アセトン、ヘ
キサン、ジエチルエーテル、クロロホルム等を単独で又
は混合して使用し、常法によって溶剤抽出等によって行
われる。このように本発明によれば、界面活性剤、食品
添加物、脂肪酸の原料等として油化学、石油化学をはじ
め、医薬、農薬、化粧品、食品分野等において広く利用
可能な油脂を製造できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。但し、これらの実施例は本発明の技術的範囲を制限
するものではない。なお、生産物は、薄層クロマトグラ
フにより生産物中にトリグリセリド、ジグリセリド、モ
ノグリセリド、リン脂質等が含まれていることを分析す
ることにより、油脂であることを容易に確認できる。例
えば、シリカゲルを0.25mm厚でコーティングした薄層ク
ロマトグラフプレート(例えばMerck 社製シリカゲル60
Art.5721)を用い、展開溶媒としてヘキサン:エーテ
ル:酢酸(80:20:1v/v) を用いて展開し、リンモリ
ブデン酸溶液を噴霧することにより、トリグリセリド等
の各スポットを確認しうる。
【0019】また、油脂中の脂肪酸残基の分析は、油脂
をアルカリでケン化し、次いで脂肪酸を例えばヘキサン
等により抽出し、該脂肪酸を常法によりメチルエステル
化した後、ガスクロマトグラフで分析することにより容
易に行いうる。ガスクロマトグラフの分析条件として
は、油脂に含まれる脂肪酸残基の組成等により適宜選択
しうるが、例えば炭素数8〜18の脂肪酸のメチルエステ
ルの分析のためには、例えばカラムとしてメチルシアノ
プロピルシリコンを液相としたキャピラリーカラム(例
えば QUADREX社製 CPS-1)(0.25mm×25m)を用い、例え
ばカラム温度を150℃で15分間保持した後、毎分2℃の
割合で200℃まで昇温することにより分析しうる。
【0020】(実施例1)硫酸アンモニウム1g、リン
酸水素二カリウム4g、リン酸二水素カリウム2g、硫
酸マグネシウム七水和物0.5g 、硫酸鉄(II)七水和物0.0
1g、MnSO4・nH2O 0.01g、イーストエキス2g、蒸留水10
00mlよりなる培地50mlを500ml三角フラスコに入れ、121
℃で15分間オートクレーブ滅菌した。この培地に別に滅
菌したペンタデカンを培地1000ml当たり50mlの割合で加
え、ミコバクテリウム・エスピーKO-201株 (FERM P-145
32) を接種し、30℃で7日間振盪培養した。培養液から
遠心分離により菌体を分離し、分離菌体にクロロホルム
/メタノール(2/1v/v)溶媒を加え1晩抽出を行
った。遠心分離により菌体を除去した後、ホルチ法によ
り不純物を除去してから、脱溶剤を行ったところ、培養
液1L当たり油脂7.9 gの生産物が得られ、これを薄層
クロマトグラフにより分析したところ、トリグリセリド
を主成分とし、ジグリセリド、リン脂質等を含む油脂で
あることが確認できた。また、この油脂の脂肪酸組成を
測定したところ、主成分として奇数鎖脂肪酸であるペン
タデカン酸が検出された。
【0021】(実施例2)実施例1と同じ培地を同様に
して滅菌し、鎖状炭化水素としてオクタン(炭素数
8)、ノナン(炭素数9)、デカン(炭素数10)、トリ
デカン(炭素数13)、テトラデカン(炭素数14)、ヘプ
タデカン(炭素数17)又はオクタデカン(炭素数18)を
用いて、ミコバクテリウム・エスピー KO-201株 (FERM
P-14532) を接種し、30℃で7日間振盪培養したとこ
ろ、それぞれ油脂が得られた。結果をまとめて表2に示
す。
【0022】
【表2】
【0023】(実施例3)硫酸アンモニウム1g/L、
リン酸二水素カリウム2g/L、リン酸水素二カリウム
4g/L、硫酸マグネシウム七水和物0.5g/L、硫酸
鉄(II)七水和物 0.01g/L、MnSO4・nH2O 0.01g/L、
イーストエキス1g/L、ペプトン:1g/Lを含む培
地に鎖状炭化水素として培地1000ml当たりペンタデカン
50mlを加え、実施例1と同様にして、コリネバクテリウ
ム・フジオケンス (Corynebacterium fujiokense) ATCC
21496、ロードコッカス・ロードクラウス (Rhodococcu
s rhodochrous) ATCC 13808、アルスロバクター・パラ
フィネウス (Arthrobacter paraffineus) ATCC 15591、
又はブレビバクテリウム・ケトグルタミカム (Brevibac
terium ketoglutamicum) ATCC 15588をそれぞれ接種
し、30℃で7日間振盪培養したところ、いずれも油脂の
生産が確認された。結果をまとめて表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】(実施例4)硫酸アンモニウム3g、リン
酸水素二カリウム4g、リン酸二水素カリウム2g、硫
酸マグネシウム七水和物 0.5g、塩化カルシウム二水和
物 0.01g、硫酸鉄(II)七水和物 0.01g、MnSO4・nH2O 0.0
1g、硫酸亜鉛七水和物 0.01g、イーストエキス1g、ペ
ンタデカン50ml、蒸留水1000mlよりなる培地 2.5Lを5
L発酵槽に入れ、121℃で20分間オートクレーブ滅菌し
た。この培地に、アグロバクテリウム・エスピー KO-20
2株又はリゾビウム・エスピー KO-203株を接種し、30
℃、pH5.5で7日間培養した。培養液から遠心分離によ
り菌体を分離し、実施例1と同様に抽出、脱溶剤を行っ
たところ、それぞれ表4に示す量の油脂が得られた。
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、天然動植物由来の原料
を使用することなく安定的に油脂を製造することができ
るばかりでなく、例えば奇数炭素数の脂肪酸残基を含む
非天然型の油脂も製造できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】本発明に用いる細菌は、鎖状炭化水素の資
化性を有し油脂を蓄積する能力のある細菌であれば特に
制限はなく、例えばミコバクテリウム属、アグロバクテ
リウム属、リゾビウム属、コリネバクテリウム属、ロー
ドコッカス属、アルスロバクター属又はブレビバクテリ
ウム属に属する細菌が挙げられ、より具体的にはミコバ
クテリウム・エスピー(Mycobacterium
sp.)KO−201株(FERM BP−515
)、アグロバクテリウム・エスピー(Agrobac
terium sp.)KO−202株(FERM
P−5158)、リゾビウム・エスピー(Rhizob
ium sp.)KO−203株(FERMBP−51
59)、コリネバクテリウム・フジオケンス(Cory
nebacterium fujiokense)AT
CC 21496、ロードコッカス・ロードクラウス
(Rhodococcus rhodochrous)
ATCC 13808、アルスロバクター・パラフィネ
ウス(Arthrobacter paraffine
us)ATCC 15591、ブレビバクテリウム・ケ
トグルタミカム(Brevibacterium ke
toglutamicum)ATCC 15588等が
挙げられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】この菌学的性質をバージーの分類学書(B
ergey’s Manual of Systema
tic Bacteriology)等により検索した
ところ、前記菌学的性質において、グラム陽性の多形性
の桿菌で、抗酸性陽性、運動性なし、胞子形成なしで、
細胞壁のジアミノ酸がmeso−ジアミノピメリン酸で
あり、ミコール酸を生成し、アリールスルファターゼ陽
性であることから、本菌株をミコバクテリウム属に属す
る細菌と同定した。本菌株を更に詳細に検討したとこ
ろ、ミコバクテリウム・ケロナエ・サブスピーシス・ケ
ロナエ(Mycobacterium chelona
e subsp.chelonae)に類縁であるが、
以下の表1に示すように、鉄の取り込み、パラアミノサ
リチル酸ナトリウムの分解及びマンニトールの資化性に
おいて相違することから、本菌株を新菌種と認め、ミコ
バクテリウム・エスピーKO−201株と命名した。こ
のミコバクテリウム・エスピーKO−201株は、工業
技術院生命工学工業技術研究所にFERM BP−51
57として寄託されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本発明者らは、アグロバクテリウム・エス
ピーKO−202株及びリゾビウム・エスピーKO−2
03株が菌体内に油脂を蓄積することを見出したが、ア
グロバクテリウム属及びリゾビウム属で菌体内に油脂を
著量、蓄積するとの報告はないことから、これらの菌株
を新菌種と認め、それぞれアグロバクテリウム・エスピ
ーKO−202株、リゾビウム・エスピーKO−203
株と命名した。このアグロバクテリウム・エスピーKO
−202株及びリゾビウム・エスピーKO−203株
は、工業技術院生命工学工業技術研究所に、それぞれF
ERM BP−5158及びFERM BP−5159
として寄託されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】(実施例1)硫酸アンモニウム1g、リン
酸水素二カリウム4g、リン酸二水素カリウム2g、硫
酸マグネシウム七水和物0.5g、硫酸鉄(II)七水
和物0.01g、MnSO・nHO0.01g、イ
ーストエキス2g、蒸留水1000mlよりなる培地5
0mlを500ml三角フラスコに入れ、121℃で1
5分間オートクレーブ滅菌した。この培地に別に滅菌し
たペンタデカンを培地1000ml当たり50mlの割
合で加え、ミコバクテリウム・エスピーKO−201株
(FERM BP−5157)を接種し、30℃で7日
間振盪培養した。培養液から遠心分離により菌体を分離
し、分離菌体にクロロホルム/メタノール(2/1v/
v)溶媒を加え1晩抽出を行った。遠心分離により菌体
を除去した後、ホルチ法により不純物を除去してから、
脱溶剤を行ったところ、培養液1L当たり油脂7.9g
の生産物が得られ、これを薄層クロマトグラフにより分
析したところ、トリグリセリドを主成分とし、ジグリセ
リド、リン脂質等を含む油脂であることが確認できた。
また、この油脂の脂肪酸組成を測定したところ、主成分
として奇数鎖脂肪酸であるペンタデカン酸が検出され
た。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】(実施例2)実施例1と同じ培地を同様に
して滅菌し、鎖状炭化水素としてオクタン(炭素数
8)、ノナン(炭素数9)、デカン(炭素数10)、ト
リデカン(炭素数13)、テトラデカン(炭素数1
4)、ヘプタデカン(炭素数17)又はオクタデカン
(炭素数18)を用いて、ミコバクテリウム・エスピー
KO−201株(FERM BP−5157)を接種
し、30℃で7日間振盪培養したところ、それぞれ油脂
が得られた。結果をまとめて表2に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) (C12P 7/64 C12R 1:41) (C12P 7/64 C12R 1:15) (C12P 7/64 C12R 1:06) (C12P 7/64 C12R 1:13) (72)発明者 坂下 幸喜 東京都千代田区紀尾井町3番6号 鹿島石 油株式会社内 (72)発明者 高山 義博 東京都千代田区紀尾井町3番6号 鹿島石 油株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鎖状炭化水素の資化性を有し油脂を蓄積
    する能力のある細菌を鎖状炭化水素を含有する培地に培
    養することにより菌体内に油脂を蓄積せしめ、該菌体か
    ら油脂を採取することを特徴とする油脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 鎖状炭化水素の資化性を有し油脂を蓄積
    する能力のある細菌がミコバクテリウム属、アグロバク
    テリウム属、リゾビウム属、コリネバクテリウム属、ロ
    ードコッカス属、アルスロバクター属又はブレビバクテ
    リウム属に属する細菌である請求項1記載の油脂の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 油脂に含まれる脂肪酸残基に奇数炭素数
    の脂肪酸残基が含まれている請求項1又は請求項2記載
    の油脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 鎖状炭化水素が奇数炭素数の鎖状炭化水
    素を含んでいる請求項1又は請求項2記載の油脂の製造
    方法。
JP6307998A 1994-09-13 1994-12-12 油脂の製造方法 Pending JPH08131179A (ja)

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