JP2991395B2 - 5−アミノレブリン酸生産微生物および5−アミノレブリン酸の製造方法 - Google Patents
5−アミノレブリン酸生産微生物および5−アミノレブリン酸の製造方法Info
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Description
を高濃度で蓄積することのできる微生物と、この微生物
を培養して5−アミノレブリン酸を高収率で製造する方
法とに関する。
アミノレブリン酸は、テトラピロール化合物の前駆体と
して広く生物圏に存在し、生体中で重要な役割を果たし
ている化合物である。5−アミノレブリン酸は、除草
剤、殺虫剤、植物成長調節剤、植物の光合成増強剤とし
て優れた効果を示し、しかも人畜に対して毒性を示さ
ず、分解性が高いため環境への残留性もないなどの優れ
た性質を示す天然化合物である(特開昭61−5028
14号、特開平2−138201号公報など参照)。
ストが高く、除草剤、殺虫剤、植物成長調節剤、植物の
光合成増強剤として使用するには実用性に欠ける(Ch
emical Week/October,29,19
84)。このような現状において、多くの化学合成法が
検討されている(例えば、特開平2−111747号公
報参照)が、未だ十分な方法が開発されていない。
−アミノレブリン酸の製造方法も検討されている(特開
平2−92293号、同3−172191号公報など参
照)が、これまでの方法では、生産量が低く、必ずしも
満足できるものではない。
産させる際に良く用いられる方法として、(微生物によ
り生産される5−アミノレブリン酸が、生体系中におい
て5−アミノレブリン酸デヒドラターゼにより代謝され
るのを防ぐべく、)5−アミノレブリンデヒドラターゼ
阻害剤(例えば、レブリン酸など)を添加する方法があ
る。しかし、これまで用いられてきた方法では、生産さ
れる5−アミノレブリン酸の10〜100倍以上の阻害
剤の添加が必要である。このような5−アミノレブリン
酸デヒドラターゼ阻害剤の大量使用は、微生物の生育や
機能をも著しく阻害する他に、生産コストの高騰や、精
製分離の困難などの多くの問題を招来する。
リン酸を生産させるためには、通常、嫌気条件下におい
て培養時に十分に光を照射する必要がある。これは、5
−アミノレブリン酸合成酵素が光によって誘導されるか
らであるが、同時に5−アミノレブリン酸デヒドラター
ゼも強く誘導されてしまうため、上記のように5−アミ
ノレブリン酸デヒドラターゼ阻害剤を大量に添加する必
要が生じるのみならず、光照射による大量培養は、培養
工学上、実用化にはなお多くの困難な問題を招来するこ
とが予想される。
5−アミノレブリン酸阻害剤を添加するのみで、実用的
な濃度で5−アミノレブリン酸を生産することのできる
5−アミノレブリン酸生産微生物と、この微生物の培養
期間中の一部または全部を好気的に行うことで、光照射
時間を大幅に減少させることのできる5−アミノレブリ
ン酸の製造方法とを提案することを目的とする。
的を達成するために研究を重ねた結果、(1)光合成細
菌またはその変異株を変異処理させたものの中に、5−
アミノレブリン酸に対するミカエリス定数の増加した5
−アミノレブリン酸デヒドラターゼ変異酵素を有する菌
株が存在すること、(2)この菌株を使用すれば、5−
アミノレブリン酸の製造に要する5−アミノレブリン酸
デヒドラターゼ阻害剤(例えば、レブリン酸など)を、
大幅に減少させることができること、(3)しかも、こ
の菌株を使用する場合、5−アミノレブリン酸デヒドラ
ターゼを、特異的、かつ十分に抑制することができるた
め、好気培養においても、これまで達成することのでき
なかった著量の5−アミノレブリン酸を蓄積することが
できること、を確認して、本発明を完成するに至った。
ter sphaeroides)に属し、5−アミノ
レブリン酸に対するミカエリス定数が野生株を1とした
とき、1.2〜100に増大した5−アミノレブリン酸
デヒドラターゼ変異酵素を有し、かつ (2)工業技術院微生物工業研究所に微工研菌寄第13
159号として寄託されていることを特徴とする5−ア
ミノレブリン酸生産微生物と、 (3)上記の微生物を用いることを特徴とする5−アミ
ノレブリン酸の製造方法とに関する。
微生物および5−アミノレブリン酸の製造方法の詳細を
説明する。先ず、本発明の5−アミノレブリン酸生産微
生物は、光合成細菌であるロドバクターセファロイデス
(Rhodobacter sphaeroides)
あるいはその変異株を親株とし、これを変異処理して得
られるものであって、5−アミノレブリン酸に対するミ
カエリス定数が増大した5−アミノレブリン酸デヒドラ
ターゼ変異酵素を有するものである。このような性質を
有する本発明の5−アミノレブリン酸生産微生物の分離
方法の詳細を、以下に例示する。
体培地を試験管に調製し、滅菌した後、親株を接種し、
光照射下において静置培養する。増殖した菌体を緩衝液
で洗浄した後、変異操作を行う。この変異操作として
は、通常の変異手法を用いることができる。例えば、紫
外線,電離放射線などの物理的変異原を寒天培地上の親
株に照射したり、エチルメタンスルフォネート(EM
S)、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニ
ジン(NTG)、エチルニトロソ尿素(ENU)などの
アルキル化剤やブロモデオキシウリジン(BrdUr
d)などの塩基アナログなどの化学的変異原を添加した
緩衝液中で親株を培養する方法を用いることができる。
を、さらに緩衝液で洗浄し、寒天培地などに撒き、培養
する。なお、この培養により生育した変異株の中から、
上記の性質を示す菌株を選択するには、以下のような工
程にて行う。 1.これらの変異株を、実施例で使用した培地2のよう
な培地で増殖させ、菌体を集菌後、適当な緩衝液で洗浄
して、緩衝液中で細胞を破砕し、遠心分離して未破砕の
細胞を取り除く。 2.上記の1の工程で得られた無細胞抽出液を用いて、
5−アミノレブリン酸デヒドラターゼ反応液(後述の実
施例1参照)を用いて酵素反応を行う。 3.上記の2の反応を、基質である5−アミノレブリン
酸濃度を適当に変化させた条件で行い、各濃度おにける
反応速度を求める。 この反応速度の測定方法は、反応速度が求められれば、
どのような方法でもよいが、例えば、エイリッヒの比色
定量法(J.Biol,Chem.,219,435,
(1956)参照)でポルフォビリノーゲン生成量、S
ATTOの方法(J.Nutr.Sci.Vitami
nol.,27,439,(1981)参照)により総
ポリフィリン量を求め、数1に示す式により反応速度を
算出すればよい。
−アミノレブリン酸濃度とからミカエリス定数を求め
る。その方法は、幾つも知られているが、例えば、酵素
反応速度の逆数と5−アミノレブリン酸濃度の逆数をプ
ロットする、いわゆるリンネバー−バークプロット
(「酵素反応機構」:田伏岩夫訳、東京大学出版会、な
ど参照)により求められる回帰直線と基質濃度軸の交点
からミカエリス定数を求める。この方法は、リンネバー
−バークの方法(上記の「酵素反応機構」など参照)と
して一般的に用いられるミカエリス定数の算出法であ
り、求められたミカエリス定数(Km値)は、酵素の基
本的性質のうち酵素と基質(本発明では、5−アミノレ
ブリン酸)との親和性を評価するのに用いることがで
き、一般に、Kmの増加は、親和性の減少とみなすこと
ができる。
株の5−アミノレブリン酸デヒドラターゼのミカエリス
定数と比較し、増大しているものを選択すればよい。具
体的には、測定条件にもよるが、野性株のミカエリス定
数を1としたとき、約1.2〜100とする。ただし、
この酵素のミカエリス定数が余りに大きくなった菌株
は、この酵素反応により得られるポルフォビリノーゲン
などが生成しないか、あるいは不足するなどの理由で、
生育が悪くなることがあるため、約1.5〜10のミカ
エリス定数をもつ菌株が好ましいと推測される。なお、
ミカエリス定数が大きくなったために生育阻害がかかっ
てしまう場合でも、ポルフォビリノーゲンなどの栄養源
を培地中に添加することでその阻害が解除されるよう場
合は、この限りでない。
株の例であるCR−386は、親株であるロドバクター
・セファロイデスとほぼ同じ菌学的性質を有し、かつ5
−アミノレブリン酸に対するミカエリス定数が増大した
5−アミノレブリン酸デヒドラターゼ変異酵素を有す
る。また、本菌株は、好気条件で培養することにより、
光照射の必要がなくなるため、培養工学上有利である。
このCR−386は、工業技術院微生物工業研究所に、
微工研菌寄第13159号(FERM P−1315
9)として寄託されている。
物としては、光合成細菌であるロドバクターセファロイ
デスの野生株あるいはその変異株を親株として得られる
変異株のうち、5−アミノレブリン酸に対するミカエリ
ス定数が増大した5−アミノレブリン酸デヒドラターゼ
変異酵素を有する菌株であればいかなる菌株でもよい。
行う場合に用いる菌株には、変異に用いる親株として5
−アミノレブリン酸合成酵素の酸素分圧や複合培地成分
による抑制が外れた菌株を用い、これを変異処理し、上
記の1〜4の工程により選択したものを用いることが好
ましい。このような性質を示す親株としては、工業技術
院微生物工業研究所に、微工研菌寄第12542号とし
て寄託されているCR−286株を例示することができ
る。
説明する。先ず、培地としては、上記の分離・変異操作
に用いる培地に、酵母エキス,乾燥酵母,ペプトン,肉
エキス,麦芽エキス,コーンスティープリカー,カザミ
ノ酸などの天然成分を添加した複合培地を使用する。培
養条件は、前述の分離・変異操作の条件と同様である。
ただし、この場合、約0.5〜50kluxの光照射嫌
気条件が望ましい。また、培養液のpHは、5〜10の
範囲内で、HCl水溶液またはNaOH水溶液を用いて
一定のpH値に保つことにより、より高濃度の5−アミ
ノレブリン酸を生成することができる。
プレカーサであるグリシンとコハク酸を添加すると、よ
り高濃度の5−アミノレブリン酸を生成することができ
るが、培養と同時にグリシンとコハク酸を添加すると、
菌株の増殖速度が遅くなるため、ある程度増殖した時点
で添加することが好ましい。菌の生育が対数増殖期中期
を過ぎた後に、添加するとなおよい。添加量は、グリシ
ンとコハク酸のいずれの場合も、余り少なすぎると添加
効果がなく、逆に余り多すぎても菌体の生育が阻害され
るため、培地全体に対し、約10〜80mmol/l、
特に約15〜45mmol/lの範囲内とすることが好
ましい。添加方法は、一度に全量添加してもよいが、連
続的にまたは断続的に添加してもよい。
ヒドラターゼの阻害物質を添加することもできる。例え
ば、この阻害物質としてレブリン酸を使用する場合、レ
ブリン酸の添加方法は、菌株の培養開始時(あるいはグ
リシンとコハク酸の添加時)から一定の間隔で少量(同
量)ずつ添加してもよいし、培養開始時(あるいはグリ
シンとコハク酸の添加時)に全量添加しておいてもよ
い。菌の生育が対数増殖期中期を過ぎた後に、添加する
となおよい。
応液中の5−アミノレブリン酸は、常法により精製する
ことができる。例えば、溶剤抽出などの方法によって回
収することができ、このときカラムクロマトグラフィな
どの公知の精製方法を適宜併用することもできる。
するミカエリス定数の増加した5−アミノレブリン酸デ
ヒドラターゼ変異酵素を有する光合成細菌は、該菌が生
産する5−アミノレブリン酸を、その2分子を縮合させ
てポルフォビリノーゲンに転化する活性が著しく低下し
ている。このため、本発明の製造方法によれば、5−ア
ミノレブリン酸デヒドラターゼ阻害剤を、細菌自身の生
育、活性を抑制しない範囲内で添加するのみでよい。こ
の結果、5−アミノレブリン酸生産微生物の生育が良好
となり、5−アミノレブリン酸の生産量も非常に大きい
ものとなる。
・マレート培地(培地1)の培地成分に2gの酵母エキ
スを加え、蒸留水1リットル(以下、「L」と記し、m
lを「mL」と記す)に溶かして培地2を調製した。
験管に分注して、121℃で15分間滅菌し、冷却し
た。これにCR−286株の一白金耳を植菌後、5kl
uxの光照射下の嫌気条件下で48時間静置培養した。
別の21mmφの試験管に培地2を10mL分注し、上
記と同様にして滅菌した。これに、上記の培養液0.5
mLを植え継ぎ、好気条件下、30℃,250rpmで
8時間往復振とう培養した。この培養液を、洗浄のた
め、15000rpmにて30秒間遠心分離し、その上
清を捨て、遠心分離前と同量のトリス・マレイン酸緩衝
液(pH6.0)に懸濁させた。この洗浄操作を、さら
に2度繰り返した。
秒間遠心分離し、その上清を捨て、100μg/mLの
NTGを含むトリス・マレイン酸緩衝液(pH6.0)
に懸濁させ、好気条件下、30℃で80分間静置培養し
た。このようにして変異処理した菌を、上記と同様の方
法で3回洗浄した後、滅菌した培地2の試験管に植え継
ぎ、好気条件下、30℃,250rpmで2日間往復振
とう培養した。培地2に寒天15g/Lを添加し、12
1℃で15分間滅菌して調製した寒天プレートに、上記
の培養液を希釈して塗布し、好気条件下、30℃で4日
間培養した。これにより、約10,000株のコロニー
を得た。
これを121℃で15分間滅菌し、冷却した。上記のよ
うにCR−286株をNTGで変異処理して得られた菌
株を、10mLの培地2を分注し上記と同様にして滅菌
した21mmφの試験管にて、5kluxの光照射下の
嫌気条件下で、48時間静置培養した。培養後のものを
上記のル式瓶に植菌し、5kluxの光照射下の嫌気条
件下、30℃で静置培養した。48時間後、遠心分離に
より集菌して、トリス−塩酸緩衝液(40mM,pH
8.1)で洗浄後、超音波破砕装置にて破砕し、10,
000rpmで遠心分離して得られた上清を、5−アミ
ノレブリン酸デヒドラターゼ粗酵素液とした。
1)の1mL中に、KCl33mMと、MgCl26.
5mMとを含み、さらに上記の粗酵素液を蛋白量換算で
1.0mg/mLとなるような量で含む酵素反応液(5
−アミノレブリン酸デヒドラターゼ反応液)を調製し、
これに5−アミノレブリン酸を各種の濃度で含有するよ
うに加え、37℃でインキュベートした。60分後、5
vol%トリクロロ酢酸を2mL加えて反応を停止させ
た。これを、3500rpmで10分間遠心分離し、上
清を1mL採り、エイリッヒの比色定量法によりポルフ
ォビリノーゲンの生成量(a)を調べた。さらに、別の
上清1mLを採り、SATTOの方法により総ポルフィ
リンの量(b)を調べた。これらの量a,bから、前述
の数1の式によってポルフォビリノーゲン生成速度を求
めた。
−アミノレブリン酸濃度の逆数と、それぞれの反応速度
の逆数をプロットして回帰直線を求め、この回帰直線と
5−アミノレブリン酸濃度の逆数軸との交点よりミカエ
リス定数を求めた。求めたKm値を表2に示す。
6株とする以外は、実施例1と同様の処理を行い、求め
たKm値を表2に示す。
203株とする以外は、実施例1と同様の処理を行い、
求めたKm値を表2に示す。
を、実施例1と同様に培養し、粗酵素液を調製し、幾つ
かの一定の5−アミノレブリン酸濃度の酵素反応液に対
してレブリン酸を各種濃度で添加した。これ以外は、実
施例1と同様にして酵素反応を行い、酵素反応速度を求
めた。この酵素反応速度の逆数とレブリン酸濃度をプロ
ットし、各5−アミノレブリン酸濃度について回帰直線
を求めた。それぞれの回帰直線は、一点で交わり、交点
のレブリン酸濃度軸の値から阻害物質定数(Ki値)を
求めた。この方法は、ディクソンの方法(上記の「酵素
反応機構」など参照)として知られている阻害物質の効
果を調べる一般的な方法であり、求められたKi値は、
酵素と阻害物質の親和性を表している。一般的に、Ki
値がKm値に比べて小さいほど、阻害剤の効果は大きく
なる。求めたKi値は、表2に併せて示す。
6株とする以外は、実施例2と同様の処理を行い、Ki
値を求めた。求めたKi値は、表2に併せて示す。
203株とする以外は、実施例2と同様の処理を行い、
Ki値を求めた。求めたKi値は、表2に併せて示す。
変異株の中から、Km値が親株(CR−286(比較例
1))に比べて増大している株を発見することができた
(実施例1参照)。この新たな変異株を、CR−386
株と命名し(微工研菌寄第13159号)、以下の5−
アミノレブリン酸の製造例に供した。また、CR−38
6は、5−アミノレブリン酸デヒドラターゼのレブリン
酸に対するKi値が親株(CR−286(比較例3))
に比べて殆ど変化しておらず、5−アミノレブリン酸に
対する親和性のみが特異的に変化した株であることが判
り、この株のレブリン酸の阻害効果は、親株に比べて非
常に大きくなっていることがわかる(実施例2参照)。
を21mmφの試験管2本に、10mLづつを分注し、
121℃で15分間滅菌し、冷却した。これにCR−3
86株を−白金耳植菌し、30℃、5kluxの光照射
下の嫌気条件下で静置培養した。48時間後、グリシン
とコハク酸をそれぞれ30mMと、レブリン酸を上記の
試験管の1本には5mMを、別の1本には30mMをそ
れぞれ加え、さらに30℃、5kluxの光照射下の嫌
気条件下で静置培養し、レブリン酸添加後、24時間後
および48時間後に生成した5−アミノレブリン酸をエ
ーリッヒ法により比色定量した。結果を表3に示す。
と同様にして5−アミノレブリン酸を製造し、定量し
た。結果を表3に示す。
2203とする以外は、実施例3と同様にして5−アミ
ノレブリン酸を製造し、定量した。結果を表3に示す。
は、低濃度のレブリン酸の添加で、5−アミノレブリン
酸を著量に蓄積することがわかる。
製し、5L容坂口フラスコに1Lづつ分注し、121℃
で15分間滅菌し、室温に冷却した。培地2の10mL
を分注し、上記と同様にして滅菌した2本の21mmφ
の試験管にて、48時間、5kluxの光照射下で培養
したCR−386株を、上記坂口フラスコに植菌した。
これを、好気条件下、30℃、100rpmで48時間
振とう培養し、無菌的に遠心分離して集菌した後、1L
の培地3を含む1L容ル式瓶に無菌的に移して懸濁させ
た。これに、グリシンとコハク酸をそれぞれ60mM
と、レブリン酸を30mM加え、30℃、5kluxの
光照射下の嫌気条件下で静置培養し、96時間後に生成
した5−アミノレブリン酸をエーリッヒ法により比色定
量した結果、1.6g/Lの5−アミノレブリン酸が生
産されていることが確認された。
入れ、121℃で15分間滅菌し、室温に冷却した。
入れた1L容の坂口フラスコで好気条件下で振とう培養
して増殖させたCR−386を植菌し、好気条件下、3
0℃、150rpm、0.1v/v/mで培養した。培
養期間中、1N水酸化ナトリウムおよび1N硫酸で、p
Hを6.5から7.0の間に保持した。48時間後、グ
リシンとコハク酸をそれぞれ30mMと、レブリン酸を
15mMを添加し、さらに酵母エキス10gを無菌的に
添加して、上記と同じ条件で培養を続けた。レブリン酸
を添加してから48時間後に生成した5−アミノレブリ
ン酸をエーリッヒ法により比色定量した結果、0.75
g/Lの5−アミノレブリン酸が生産されていることが
確認された。
に、培養期間の一部または全部を好気培養とした場合、
あるいは嫌気条件下でも光照射を行う場合、いずれの条
件においても、本発明の微生物CR−386株によれ
ば、5−アミノレブリン酸を高濃度で生産することがわ
かる。
ノレブリン酸に対するミカエリス定数の増加した5−ア
ミノレブリン酸デヒドラターゼ変異酵素を有する光合成
細菌を用いれば、5−アミノレブリン酸を高生産させる
ために添加する5−アミノレブリン酸デヒドラターゼ阻
害剤を、細菌の生育を妨げない範囲内のみの添加で充分
であることが、はじめて可能になった。したがって、本
発明によれば、5−アミノレブリン酸生産微生物の生育
が良好になり、この結果として5−アミノレブリン酸の
製造量も大幅に向上する。
Claims (3)
- 【請求項1】 ロドバクターセファロイデス(Rhod
obacter sphaeroides)に属し、5
−アミノレブリン酸に対するミカエリス定数が野生株を
1としたとき、1.2〜100に増大した5−アミノレ
ブリン酸デヒドラターゼ変異酵素を有することを特徴と
する5−アミノレブリン酸生産微生物。 - 【請求項2】 工業技術院微生物工業研究所に微工研菌
寄第13159号として寄託されていることを特徴とす
る請求項1記載の5−アミノレブリン酸生産微生物。 - 【請求項3】 請求項1,2に記載の微生物を用いるこ
とを特徴とする5−アミノレブリン酸の製造方法。
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---|---|---|---|
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DK2977459T3 (da) | 2013-03-22 | 2020-01-20 | Neo Ala Co Ltd | Fremgangsmåde til fremstilling af 5-aminolevulinsyre eller salt deraf |
-
1992
- 1992-11-18 JP JP4333521A patent/JP2991395B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Title |
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Biotechnology Letters,Vol.13,No.8(1991)p.589−594 |
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---|---|
JPH06153915A (ja) | 1994-06-03 |
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