JPH08130080A - 圧着装置 - Google Patents

圧着装置

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JPH08130080A
JPH08130080A JP32470994A JP32470994A JPH08130080A JP H08130080 A JPH08130080 A JP H08130080A JP 32470994 A JP32470994 A JP 32470994A JP 32470994 A JP32470994 A JP 32470994A JP H08130080 A JPH08130080 A JP H08130080A
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JP
Japan
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wire
arm
crimping device
crimping
core wire
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Application number
JP32470994A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Yamamoto
山本  清
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Hokuto Seigyo KK
Original Assignee
Hokuto Seigyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧着装置において、多種類の手動圧着工具が
取替え可能であって、両手でアームを把持したままでも
アーム閉動作を機械力で自動化すること。 【構成】 手動圧着工具10の一方のアーム2aには第
1のワイヤ連係用アダプタを以て外皮チューブ付きワイ
ヤ40の芯線ワイヤ41の一端部が連結されている。他
方のアーム2bには第2のワイヤ連係用アダプタを以て
外皮チューブ42の一端部の口金41bが連結してい
る。芯線ワイヤ41の他端部は抜け止め状態でエアシリ
ンダ30のピストンロッド31のスライダ37に連結さ
れている。外皮チューブ42の他端部の口金41bは固
定されている。フットスイッチ20の踏み込みでピスト
ンロッド31が往動すると芯線ワイヤ42が引き寄せら
れ、アーム閉動作が自動的に行われ、圧着端子が圧着す
る。この後フットスイッチ20の踏み下げを解除すると
ピストンロッド31が復動すると共に、工具10の内蔵
スプリングの付勢力でアーム開動作が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リード線と圧着端子を
かしめて固定するための圧着装置に関し、特に、従来型
の2叉型手動圧着工具をアクチュエータ駆動により外皮
チューブ付きワイヤを介して機械的に閉動作させる省力
型の圧着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図13に示す如く、一般に手動圧着工具
10は、支軸1を中心に開閉動作(回転動作)可能の一
対の2叉型アーム2a,2bと、アームの閉動作に伴い
固定ダイス(一方のダイス)3aに対し接近して圧着端
子(図示せず)を圧迫してかしめる可動ダイズ(他方の
ダイス)3bと、アーム2a,2bの閉動作行程ではア
ームを開き止めし、クランプ点に到達したとき開き止め
が解除されて閉じ止め状態となる内蔵ラチエット機構
(図示せず)と、アームを常時開動方向に付勢する内蔵
スプリング部材(図示せず)とから大略構成されてい
る。全開状態からアーム2a,2aを閉動方向に力を加
えると、チャッキング行程からクランプ行程に移りクラ
ンプ点(工具のリンク倍力機構の死点)を越える迄は内
蔵ラチエット機構により閉動作方向のみ可動し開き止め
されているが、クランプ点を越えるとラチエット機構が
閉じ止め状態となりスプリング部材の弾発力が作用して
緩み方向(開動方向)のみ可動し、全開状態になると前
述の閉動作行程に戻るようになっている。
【0003】手動圧着工具は一般に重量のあるスチール
製で、1Kgを越えるものもあり、圧着端子をかしめる
作業者は、そのアーム2a,2bを両手で握り締めなが
ら支え上げアームを閉動作から相当の力を要するクリン
プ点に達する操作を行う必要があるため、女性のみなら
ず男性の作業者にとっても相当の腕力を必要とし、苦労
の多い仕事となっている。
【0004】このような圧着作業の苦労を軽減するた
め、エアーアクチュエータ等を内蔵した専用の自動圧着
工具が市販されている。可動ダイスのチャッキング動作
をエアー圧で駆動するものであるが、圧着端子の種類や
大きさに応じて異なるダイスの交換や異なる専用自動圧
着工具の使用を余儀無くされる。この自動圧着工具自体
が専用品で高価であるため、必要な個数及び種類の自動
圧着工具を準備するには設備投資の負担が大きい。
【0005】他方、従来から工場内に装備されている多
種類の手動圧着工具を取替え可能にアクチュエータに取
付けた自動圧着装置も知られている。この自動圧着装置
においては、受け部に手動圧着工具を設置してアームの
一方を固定し、他方のアームに対してエアシリンダのピ
ストンロッドを押し当てるようになっており、ピストン
ロッドの駆動力が直接又はリンク機構を介して間接的に
他方のアームに伝達されることで、アームの閉動作を行
うものである。このような手動圧着工具によれば、多種
類の手動圧着工具の取替えができるので、設備費の低廉
化の下で圧着作業の省力化を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
手動圧着工具の取替え式の圧着装置にあっては次のよう
な問題点がある。
【0007】即ち、手動圧着工具を取り付ける受け部自
体は工場の床や場合によってはテーブル上に設置される
ものであるから、圧着作業のポジションはその設置場所
に限定されている。例えば、ある装置の組み立て作業工
程において、装置背面カバーを取り外して装置内の配線
端に対して圧着端子取付け作業を施すときには、圧着作
業のポジションは装置内でなければならない。しかし、
上記の手動圧着工具の取替え式の圧着装置では受け部が
床等に設置されるため装置内での圧着作業を行うことが
できない。
【0008】そこで上記問題点に鑑み、本発明の課題
は、多種類の手動圧着工具が取替え可能であって、両腕
でアームを把持したままでもアーム閉動作の機械的自動
化を実現した圧着装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る圧着装置は、手動圧着工具の一方のア
ームに外皮チューブ付きワイヤの芯線ワイヤの一端部側
を連係する第1のワイヤ連係用アダプタと、上記手動圧
着工具の他方のアームに上記外皮チューブ付きワイヤの
外皮チューブの一端部側を連係する第2のワイヤ連係用
アダプタとを有しており、上記芯線ワイヤの他端部側は
抜け止め状態でワイヤ駆動手段の可動部に連係されてお
り、上記外皮チューブの他端部側は固定部に固定されて
成ることを特徴とする。かかる構成において、上記外皮
チューブ付きワイヤは第1のワイヤと第2のワイヤとの
2本から成り、第1のワイヤは上記アームの上面側に架
け渡されていると共に、第2のワイアは上記アームの下
面側に架け渡されて成ることが望ましい。ここで、上記
外皮チューブ付きワイヤの芯線ワイヤの一端部側は抜け
止めストッパ部を有しており、第1のワイヤ連係用アダ
プタのワイヤ貫通孔に遊び状態で挿通されて成る構成を
採用しても良いし、また、第1のワイヤ連係用アダプタ
は上記芯線ワイヤの一端部を回動可能に支承する回り対
偶部を有して成る構成を採用しても良い。他方、第2の
ワイヤ連係用アダプタは上記芯線ワイヤを通過可能で上
記外皮チューブの一端部を回動可能に連結する首振りこ
まを有して成ることが望ましい。ここで、上記可動部と
してはエアシリンダの円筒状のピストンロッドであっ
て、このピストンロッドの開口端に上記芯線ワイヤの他
端部側が抜け止めされて成ることが好ましい。そして、
上記ピストンロッドのストロークに亘りその周りを囲む
ワイア覆い体を設けることが好ましい。そしてまた、手
動圧着工具のアーム閉動作行程のクランプ点以前の近傍
位置を検出するクランプ行程検出手段と、その検出信号
を基に上記ワイヤ駆動手段の駆動力を増強する駆動力切
換手段とを有することが望ましい。
【0010】
【作用】手動圧着工具のアームの全開状態からワイヤ駆
動手段を駆動すると、芯線ワイヤが可動部に引っ掛けら
れて外皮チューブの他端から芯線ワイアが引き抜かれる
ため、芯線ワイヤの一端部側が他方のアームに引き寄せ
られる。従って、アーム閉動作が行われ、クランプ点で
圧着端子が圧着される。クランプ点を越えた時点でワイ
ヤ駆動手段を往動させると、手動圧着工具の内蔵スプリ
ングの付勢力でアーム開動作が行われる。
【0011】外皮チューブ付きワイヤを介してワイヤ駆
動手段から駆動力を手動圧着工具の両アームに伝達し、
手動圧着工具のチャッキング行程及びクランプ行程を行
わせるようにした圧着装置においては、駆動力が弾力的
可撓性に富む外皮チューブ付きワイヤで伝達されるた
め、ワイヤ駆動手段の設置位置に対して手動圧着工具を
移動させてその圧着ポジションを自由に選定することが
可能である。即ち、アームを把持したままでも圧着動作
を機械的に行うことができる。手動圧着工具を手で把持
した状態では、手動圧着工具を支える力だけで足りるの
で、手動圧着工具だけの作業と同様の操作性を得ること
ができる。リンク機構ではなく、ワイヤが伝達機構とし
て用いられているため、工具を把持した手がワイヤに触
れていても挟み込まれることがないので、頗る安全であ
る。従って、組み立て装置内での圧着作業にも使用でき
る。勿論、万力等でアームの一方を固定しておいても良
い。
【0012】手動圧着工具を交換して使用する場合は、
連係用アダプタを外した後、新たな手動圧着工具のアー
ム全開状態時において連係用アダプタを適当な位置で取
付け固定すれば良い。従って、交換作業が非常に容易で
ある。この際、可動部側の抜け止め状態の始端にワイヤ
の遊び長さがあっても構わない。これが却って多種多様
な手動圧着工具の交換自由度を高めている。
【0013】2本のワイヤを用いた場合には、手動圧着
工具の支軸の中立面上に駆動力が作用するので、手動圧
着工具のアームが上面又は下面のいずれかに力点がずれ
て閉動作することがなく、工具故障を防止でき工具寿命
を延ばすことができると共に、圧着端子の均等的かしめ
が達成できる。
【0014】また、芯線ワイヤの一端部側は抜け止めス
トッパ部を有しており、第1のワイヤ連係用アダプタの
ワイヤ貫通孔に遊び状態で挿通されて成る構成では、手
動圧着工具のアームを手動で閉動作する場合、芯線ワイ
ヤの一端部は自由にワイヤ貫通孔から外側に突き出され
るので、芯線ワイヤが屈曲することなく、ワイヤの劣
化、損傷を防止できる。
【0015】他方、芯線ワイヤの他端部が回転可能であ
ると共に、外皮チューブの他端部が回転可能となってい
る場合、両点間のワイヤは常時真直状態で擦れることが
なく、アーム開閉動作過程においてワイヤに沿う方向と
張力方向とが一致しており、伝達力の損失を極力抑制す
ることができる。このため、比較的低出力のワイヤ駆動
手段を使用することができる。
【0016】ワイヤ駆動手段としてはエアシリンダを用
いるのが一般的であるが、そのピストンロッドを円筒状
に形成し、その開口端に芯線ワイヤの他端部側を抜け止
めすることが好ましい。かかる場合、ピルトンロッドの
ストローク線(中心線)と芯線ワイヤの引っ張りストロ
ーク線とが一致する。このため、センタずれがないの
で、機構構造が簡素化し、長寿命化を図ることができ
る。
【0017】例えば復動速度が速いときには、芯線ワイ
ヤが充分に引き戻されないままの状態でピストンロッド
が往動すると、芯線ワイヤが外方向に膨らむように屈曲
し、丸い輪ができてキンクしてしまい場合があるが、ピ
ストンロッドのストロークに亘りその周りを囲むワイア
覆い体が設けられていると、ワイヤ屈曲部がこのワイヤ
覆いパイプに当接してその屈曲が抑制される。このた
め、丸い輪ができてキンクするまでには到らず、芯線ワ
イヤの長寿命化を図ることができる。
【0018】また、クランプ行程検出手段及び駆動力切
換手段を有する場合には、開動作のチャッキング行程途
中でアームを無理に閉動作に移行した場合でも、過度に
アームに力が作用せず、工具の内蔵ラチエット機構等を
破損させてしまうことがない。また指等を挟んだときで
も閉動作が停止し、安全性を確保できる。そしてクラン
プ点に至る前に増強した力がアームに作用するようにな
っているので、クランプ行程を支障なく実行できる。
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0020】〔第1実施例〕図1は本発明の第1実施例
に係る圧着装置において手動圧着工具のアーム全開状態
を示す全体構成図、図2は同圧着装置において手動圧着
工具のアームのクランプ点状態を示す全体構成図であ
る。
【0021】本例の圧着装置100は、図13に示す如
くの従来型の2叉状手動圧着工具10と、フットスイッ
チ20のオン・オフで往復動作を行うピルトンロッド3
1を持つエアーシリンダ30と、ピルトンロッド31の
往動又は復動のいずれかを手動圧着工具10のアーム2
a,2bの閉動作に伝達する外皮チューブ付きワイヤ4
0とから大略構成されている。外皮チューブ付きワイヤ
40は、一般に、長尺状の稠密巻回状態のコイルスプリ
ングに合成樹脂外皮をコートした外皮チューブ41内に
金属製撚線の芯線ワイヤ42を通したもので、外皮チュ
ーブ41の両端には口金(開口補強金具)41a,41
bがかしめられて成る。手動圧着工具10の一方のアー
ム2aには芯線ワイヤ42の終端(一端)に固着した軸
ピン42aを回動可能に支承する第1のワイヤ連係用ア
ダプタ50が取付けられており、他方のアーム2bには
芯線ワイヤ42を通し口金41aを固定して回動可能に
支承された首振りこま65を有する第2のワイヤ連係用
アダプタ60が取付けられている。エアーシリンダ30
は、床又はテーブル上に設置される金属製プレート32
に支持金具33a,33bを介して支持されており、そ
の端部にはエアーチューブ34からのエアーをフットス
イッチ20のオン・オフで左右シリンダ室(図示せず)
へ切り換えて供給するための電磁切換弁35が連結され
ている。外皮チューブ41の他端の口金41bは金属製
プレート32に位置決め調整可能に固定された口金止め
部材36の貫通孔36aに挿し込み固着されている。そ
の貫通孔36aからは芯線ワイヤ42の始端側(他端
側)が引き出されており、そのままピルトンロッド31
の先端に固定されたスライダ37の掛止孔37aを貫通
している。芯線ワイヤ42の始端42bには抜け止め部
材(ストッパ部材)としての圧着端子43がかしめられ
ている。
【0022】第1のワイヤ連係用アダプタ50は、図3
に示す如く、手動圧着工具10の一方のアーム2aにそ
の外側から被せるようにして嵌まる断面コ字状の連結金
具51と、その連結金具51のネジ孔51aに螺入して
アーム2aと連結金具51とを締め付ける取付けネジ5
2と、肉薄部53aにおいて連結金具51の軸孔51b
に合致し軸ピン42aの下側が遊嵌する軸孔53bを有
する下ホルダ53と、肉薄部54aにおいて下ホルダ5
3の軸孔53bに合致し軸ピン42aの上側が遊嵌する
軸孔54bを有する上ホルダ54と、上ホルダ54のネ
ジ孔54c,下ホルダ53のネジ孔53c及び連結金具
51のネジ孔51cに螺入してそれらを締着する組み付
けネジ55とから構成されている。芯線ワイヤ42の終
端の軸ピン42aは軸受けとしての軸孔51b,53
b,54b内で回動自在に支承されており、下ホルダ5
3の肉薄部53aと上ホルダ54の肉薄部54aで挟ま
れた間は芯線ワイヤ42の太さ以上の隙間となってお
り、軸ピン42aを中心とする芯線ワイヤ42の自由な
広角揺動域が確保されている。
【0023】第2のワイヤ連係用アダプタ60は、図4
に示す如く、手動圧着工具10の他方のアーム2bにそ
の外側から被せるようにして嵌まる断面コ字状の連結金
具61と、その連結金具61のネジ孔61aに螺入して
アーム2bと連結金具61とを締め付ける取付けネジ6
2と、溝部63aを画成する肉薄部63bに軸孔63c
が形成されたホルダ63と、ホルダ63のネジ孔63
d,連結金具61のネジ孔61bに螺入してそれらを締
着する組み付けネジ64と、円周面を貫通して芯線ワイ
ヤ42を余裕を以て通すワイヤ通し孔65aを有し、連
結金具61の軸孔61cに遊嵌する下軸部65b及びホ
ルダ63の軸孔63cに遊嵌する上軸部65cが一体的
に形成された首振りこま65とから構成されている。こ
の首振りこま65は上下の軸部65b,65cを中心に
して回動可能である。
【0024】次に本例の使用態様を説明する。まず、手
動圧着工具10のアーム2a,2bを把持しながら圧着
端子(図示せず)の圧着ポジションに手動圧着工具10
のダイス3a,3bをかざして圧着端子と配線とをかし
めて圧着する場合においては、図1に示す如く、アーム
2a,2bの全開状態から閉動作を行わしめる。即ち、
フットスイッチ20を踏み続けると、エアーシリンダ3
0のピストンロッド31が図示矢印方向に往動し、抜け
止め部材の圧着端子43をスライダ37が引っ掛けて金
属製プレート32上を摺動するので、芯線ワイヤ42が
口金41bから図示左方向に引き出され、芯線ワイヤ4
2の終端の軸ピン42a即ち一方のアーム2aは他方の
アーム2bに引き寄せられる。このようなアーム2a,
2bの閉動作行程(チャキング行程)では、一方のアー
ム2a側の軸ピン42aと他方のアーム2b側の口金4
1aとの間の芯線ワイヤ42の繰り出し長さがピストン
ロッド31の往動につれ徐々に減少する。ここで、軸ピ
ン42a及び首振りこま65は共に回動可能であるの
で、その間の芯線ワイヤ42は角部等で折り曲げられて
擦れることなく、常に2点間が真直状態になっている。
即ち、芯線ワイヤ42の繰り出し長さが減少すると、一
方のアーム2aと芯線ワイヤ42の成す角度αは増大し
て軸ピン42aは時計方向に回転すると共に、他方のア
ーム2bと芯線ワイヤ42の成す角度βは増大して首振
りこま65は反時計方向に回転する。このため、ワイヤ
の擦れ等を防止できることは勿論、どの部分でもワイヤ
に沿う方向と張力方向との食い違いがなく一致している
ので伝達力の損失を極力抑制することが可能で、比較的
低出力のエアーシリンダ30の使用で足りる。
【0025】本例では、フットスイッチ20を踏み続け
てピストンロッド31が往動ストロークの終端に至る
と、芯線ワイヤ42の繰り出し長さは最短になり、手動
圧着工具10のクランプ点に到達するようになってい
る。これによって圧着端子と配線のかしめが完了する。
ここで、手動圧着工具10のワイヤ最大繰り出し長さは
ピストンロッド31のストローク以下とし、ピストンロ
ッド31のストローク到達点と手動圧着工具10のクラ
ンプ点が一致するようにしておく。アーム2a,2bの
ワイヤ連係用アダプタ50,60の取付け位置を調整す
るか、口金止め部材36の固定位置を調整することによ
り合わせ込むことが可能である。後者の方が調整し易
い。
【0026】次に、ピストンロッド31が往動終端に至
った時点でフットスイッチ20の踏み込みを解除する
と、ピストンロッド31は図2の矢印方向に復動し始め
る。ピストンロッド31は芯線ワイヤ42をワンウェイ
クラッチで往動するのみであるから、その復動過程では
芯線ワイヤ42に対し無作用である。しかしながら、手
動圧着工具10においてはクランプ点に達すると、内蔵
ラチエット機構が解除され、復帰用スプリングが作用す
るため自ずとアーム2a,2bが開動方向に復帰するの
で、芯線ワイヤ42の繰り出し長さが増加し、ピストン
ロッド31の復動に随伴して抜け止め部材の圧着端子4
3も図2の矢印方向に移動する。アーム2a,2bが全
開状態になると芯線ワイヤ42の繰り出し動作は止み、
圧着端子43の移動は停止するが、ピストンロッド31
のストロークが芯線ワイヤ42の最大繰り出し長さより
も長いときには、なおもピストンロッド31は右方向に
移動するので、図1に示す如く、最終的には圧着端子4
3とスライダ37との間には遊び長さが存在することに
なる。このような遊び長さは前述したように多種多様な
手動圧着工具10によっても異なり、またワイヤ連係用
アダプタ50,60の取付け位置如何でも異なるが、遊
び長さは存在していても構わず、むしろこの遊び長さの
存在は種々の手動圧着工具の取付け自由度を高めてい
る。ただ、大きな遊び長さである場合は、フットスイッ
チ20を踏み込むとすぐにアーム閉動作が開始するので
はなく、タイムラグが生じる。これを除去するには前述
したように口金止め部材36の固定位置を図1の右方向
にずして調整する。最後に、ピストンロッド31が復動
の右端に至ると自動的に移動停止し、図1の初期状態に
戻る。
【0027】外皮チューブ付きワイヤ40を介してエア
ーシリンダ30からの 駆動力を手動圧着工具10のア
ーム2a,2bに伝達し、手動圧着工具10のチャッキ
ング行程及びクランプ行程を行わせるようにした圧着装
置100においては、駆動力が弾力的可撓性に富む外皮
チューブ付きワイヤ40で伝達されるため、エアーシリ
ンダ30の設置位置に対して手動圧着工具10を移動さ
せてその圧着ポジションを自由に選定することが可能で
ある。即ち、アーム2a,2bを把持したままで圧着動
作を機械的に行うことができる。手動圧着工具10を手
で把持した状態では、アクチュエータを持ち上げている
状態ではなく、また外皮チューブ付きワイヤ40の重さ
は殆ど問題とならないため、手動圧着工具10だけの作
業と同様の操作性を得ることができる。リンク機構では
なく、ワイヤが伝達機構として用いられているため、工
具を把持した手がワイヤに触れていても挟み込まれるこ
とがないので、頗る安全である。従って、組み立て装置
内での圧着作業にも使用できる。切り離されたリード線
と圧着端子との圧着作業のような場合には、手動圧着工
具10を手で把持する代わりに一方のアームを万力等で
固定しておいても良い。
【0028】本例においては、手動圧着工具10を交換
して使用する場合は、ワイヤ取付けネジ52,62を緩
めて連係用アダプタ50,60の外した後、新たな手動
圧着工具10が図1に示す如くのアーム全開状態時にお
いて連係用アダプタ50,60を適当な位置で取付けネ
ジ52,62を締め付けて固定する。この際、スライダ
37側でのワイヤ42の遊び長さが長くなっているとき
には、口金止め部材36を右方向にずれして調整固定す
れば良い。このように本例の圧着装置は手動圧着工具1
0の交換作業も非常に容易であるという利点がある。ま
た適度の遊び長さがあっても構わないので、これが却っ
て多種多様な手動圧着工具の交換自由度を高めている。
【0029】前述したように、軸ピン42a及び首振り
こま65の存在により、芯線ワイヤ42の終端側のアー
ム連結部が回転可能であると共に、外皮チューブ41の
終端のアーム連結部が回転可能となっているため、両点
間のワイヤは常時真直状態で擦れることがなく、アーム
開閉動作過程においてワイヤに沿う方向と張力方向とが
一致しており、伝達力の損失を極力抑制することができ
る。このため、比較的低出力のエアーシリンダ30を使
用することができる。
【0030】上記実施例におけるアーム閉動作行程で
は、エアーチュープ34から供給される所定エアー圧で
ピストンロッド31が往動するようになっている。アー
ム閉動作行程の大部分は比較的弱い力でアームを閉じる
長い行程長のチャッキング行程とその後強い力が必要な
短い行程長のクランプ行程とから成る。このため、アー
ム閉動作行程の最終のクランプ行程に通用する駆動力を
エアーシリンダ30が発生するために、エアー圧は比較
的高圧となっている。しかしながら、アーム開動作過程
の途中で何らかの原因で(例えば、アームに障害物が当
たっているとき)、アームの開き動作が阻止されたまま
の状態時に、フットスイッチ20を踏み込みピストンロ
ッド31が往動行程に入り、アーム閉動作モードになっ
た場合には、全開状態迄に到らず内蔵ラチエットが解除
されていないので、逆転阻止状態を逆転させる方向に駆
動されることになる。このような場合は工具の破損に結
び付くおそれがある。そこで本発明ではこのような事態
を解消するために、別の構成のワイヤ駆動系を採用す
る。
【0031】図5は別のワイヤ駆動系を示す空気圧回路
図である。このワイヤ駆動系においては、エアー源とし
て低圧エアー源71及び高圧エアー源72が設けられて
おり、ピストンロッド31の移動に感応してクランプ位
置を検出するリミットスイッチ73と、その検出信号に
より空気圧力切り換え用の方向切換弁74のポート切り
換えを駆動する駆動部74aとを有している。フットス
イッチ20が踏み込まれて閉成すると、駆動部35aが
往復動切り換え用の方向切換弁35を切り換えて入力ポ
ートをAポートに、Bポートを大気に連通させるため、
低圧エアー源71からのエアーがシリンダ室30bに送
り込まれると共にシリンダ室30aは大気に開放され
る。このため、低圧駆動によりピストンロッド31のゆ
っくりと図5中左方向に往動し、アーム2a,2bは弱
い力で閉動作する。このように、閉動作過程のチャッキ
ング行程では弱い力で動作するようになっているので、
開動作の途中でアーム2a,2bを無理に閉動作に移行
した場合でも、過度にアームに力が作用せず、ラチエッ
ト機構等を破損させてしまうことがない。また指が挟ま
れた場合には閉動が停止するので、安全である。
【0032】この後、フットスイッチ20の踏み下げを
解除すると、方向切換弁35の状態は復帰し、シリンダ
室30aに高圧エアーが供給される共に、シリンダ室3
0bは大気に開放されるため、ピストンロッド31が図
示右側方向に往動し始める。
【0033】そしてこの直後にリミットスイッチ73が
オフになるため、方向切換弁74の状態も復帰し、低圧
エアーがシリンダ室30aにされる。このため、ピスト
ンロッド31はゆっくりと往動するため、内蔵スプリン
グの付勢力によるアーム2a,2bの開動作速度も抑圧
されるので、アーム2a,2bがゆっくりと開くように
なっている。この点でも安全性が確保できている。
【0034】〔第2実施例〕図6は本発明の第2実施例
に係る圧着装置において第1のワイヤ連係用アダプタの
別の構成を示す分解斜視図である。
【0035】この第1のワイヤ連係用アダプタ150
は、手動圧着工具10の一方のアーム2aにその外側か
ら被せるようにして嵌まる断面コ字状の連結金具151
と、その連結金具151のネジ孔151aに螺入してア
ーム2aと連結金具151とを締め付ける取付けネジ5
2と、連結金具151の一方の壁部に貫通し芯線ワイア
42を遊び状態で通す長孔状の貫通孔152とを有して
いる。他方、芯線ワイア42の終端部には抜け止めのス
トッパ部材142が固着されている。
【0036】第1実施例では、芯線ワイア42の終端部
を第1のワイヤ連係用アダプタ150に対し回り対偶で
取付けてあるが、本例においては、芯線ワイヤ42の揺
動を許容する長孔状の貫通孔152が形成されていると
共に、芯線ワイヤ42の終端側はこの貫通孔152から
外方に突出自在になっている。
【0037】圧着端子をかしめる場合、工具10のアー
ム2a,2bを手動で図7に示すように閉じて圧着端子
をダイズ3a,3b間に正しい状態で捕捉した後、エア
ーシリンダによって芯線ワイヤ42を駆動させたいとこ
ろである。かかる場合、第1実施例では、芯線ワイヤ4
2の先端がアダプタ40に固定されているため、アーム
2a,2bを閉じると、これに伴ってこれらアーム2
a,2b間で芯線ワイヤ42が屈曲してはみ出し、ワイ
ヤ42の破断や損傷の原因になる。また、ワイヤ42の
屈曲によるバネ力が反作用してアーム2a,2bの閉動
作に余分な力を必要とする。しかしながら、本例では芯
線ワイヤ42の先端(終端側)が突出自在となっている
ので、反作用やワイヤの屈曲無しにアーム2a,2bの
手動の閉動作が可能である。
【0038】〔第3実施例〕図8は本発明の第3実施例
に係る圧着装置において第1のワイヤ連係用アダプタ及
び第2のワイヤ連係用アダプタのまた別の構成を示す分
解斜視図である。
【0039】第1のワイヤ連係用アダプタ250は、手
動圧着工具10の一方のアーム2aにその外側から被せ
るようにして嵌まる断面コ字状の連結金具251と、そ
の連結金具251のネジ孔251aに螺入してアーム2
aと連結金具251とを締め付ける取付けネジ52と、
連結金具251の対向壁部252,252に貫通し芯線
ワイヤ42−1,42−2を遊び状態で通す貫通孔25
3−1,253−2を有している。また、第2のワイヤ
連係用アダプタ260は、手動圧着工具10の他方のア
ーム2bにその外側から被せるようにして嵌まる断面コ
字状の連結金具261と、その連結金具261のネジ孔
261aに螺入してアーム2bと連結金具261とを締
め付ける取付けネジ62と、連結金具261の対向壁部
262,262に貫通し外皮チューブ41−1,41−
2の端部を収める段付き貫通孔(座ぐり孔)263−
1,263−2とを有している。他方、芯線ワイヤ42
−1,42−2の終端部には抜け止めのストッパ部材1
42−1,142−2が固着している。
【0040】従って、アーム2a,2bの片面(上面)
側2a−1,2b−2には一方の芯線ワイア42−1が
架け渡されていると共に、アーム2a,2bの他方の面
(下面)側2a−2,2b−2には他方の芯線ワイア4
2−2が架け渡されている。
【0041】第1実施例及び第2実施例の如く、アーム
2a,2bの片面(上面)側にのみ1本のワイヤ42が
架け渡されている場合は、アーム2a,2bの閉動作過
程では、アーム2a,2bの片面側が強く引き寄せられ
るので、アーム2a,2bが捩じられる状態になる。こ
れは手動圧着工具の支軸を狂わせ、ダイスの噛み違いを
もたらし、圧着端子に対するかしめ力の不平等化を招い
てしまう。しかしながら、本例では2本の芯線ワイア4
2−1,42−2の間にアーム2a,2bが挟まれるよ
うにして、アーム2a,2bに捩力を加えることなく閉
動作できるようにしている。このため、上述のかしめ力
の不平等化を解消でき、圧着端子のかしめ仕上がりを良
くできると共に、手動圧着工具自体の工具寿命も長くす
ることができる。また、アダプタ250,260のアー
ム2a,2bへの取付けは、第1及び第2実施例に比し
て取付けネジ52,52を強固に締め付けなくても良
い。
【0042】閉動作過程の力点が偏っていないので、ア
ーム2a,2bがアダプタ250,260から逃げるこ
となく、取付けネジ52,52の締め付け力は脱落しな
い程度の弱い固定力で済む。従って、工具交換作業が極
めて容易になっている。更にまた、ワイアを2本使用す
ると張力が半減するため、ワイヤ寿命も延ばすことがで
きる。
【0043】なお、締め付け力を付与するには蝶ネジ等
を用いても良いが、スナップ式のいわゆる「パッチン
錠」等でも良い。また、上記各実施例ではワイヤ駆動手
段としてエアーシリンダを用いてあるが、電動モータを
使用することもできる。また、本実施例は、圧着端子を
かしめるための手動圧着工具に適用してあるが、これに
限らず、本発明は、手動ペンチ等のような支点1を中心
にアーム2a,2bの開閉動作を要する工具一般に適用
でるきることは言う迄もない。
【0044】〔第4実施例〕図9は本発明の第4実施例
に係る圧着装置に用いる外皮チューブ付きワイヤの組付
体を一部破断して示す正面図である。外皮チューブ付き
ワイヤ240は、前述したように、長尺状の稠密巻回状
態のコイルスプリング・チューブ241aに合成樹脂外
皮241bをコートした外皮チューブ241内に金属製
撚線の芯線ワイヤ242を通したもので、外皮チューブ
241の両端には口金41a,41bをかしめて端部ス
リーブ243,244が接続されている。この端部スリ
ーブ243(244)の雄ねじ部には挟み付けナット2
43a,243b(244a,244b)が螺合してい
る。一方の端部スリーブ243から引き出されたワイヤ
242の端には球状の抜け止め用のストッパ部材242
aが固着されている。また他方の端部スリーブ244か
ら引き出されたワイヤ242は孔付きボルト245の通
し孔に挿通されており、その端には球状の抜け止め用の
ストッパ部材242bが固着されている。
【0045】図10及び図11は第4実施例の圧着装置
おいて第1のワイヤ連係用アダプタ及び第2のワイヤ連
係用アダプタのまた別の構成をそれぞれ示す分解斜視図
及び正面図である。
【0046】本例における第1のワイヤ連係用アダプタ
350は、手動圧着工具10の一方のアーム2aの端が
挿し込まれてこれをクランプする断面コ字状の連結金具
351及び可動プレート352と、その可動プレート3
52を締め付けてアーム2aを挟み込む取付けネジ35
3と、連結金具351の幅の略中心に形成され、芯線ワ
イア242のストッパ242aの側を遊び状態で通す貫
通孔353aとを有している。他方、第2のワイヤ連係
用アダプタ360は、手動圧着工具10の他方のアーム
2bの端が挿し込まれてこれをクランプする断面コ字状
の連結金具361及び可動プレート362と、その可動
プレート362を締め付けてアーム2bを挟み込む取付
けネジ363と、連結金具361の幅の略中心に形成さ
れ、外皮チューブ付きワイヤ241の端部スリーブ24
3を通し、ナット243a,243bに挟み込んで端部
スリーブ243を連結金具361に固定するためのスリ
ット(図示せず)とを有している。
【0047】第3実施例では、長尺状のワイヤを2本用
いてあるため、作業者の周囲にワイアが邪魔になった
り、また装置自体の部品点数の増加を招いているが、本
例ではアーム2a,2bの端部に印籠式で挿し込んだ第
1及び第2のワイヤ連係用アダプタ350,360の中
央面上を1本のワイヤ242が通るようにしている。こ
のため、アーム2a,2bの支軸の中立面上に閉動作過
程の作用力があるため、一方面にアームを偏って傾かせ
ることがなくなる。また1本のワイヤ242で良いた
め、部品点数の増加を抑制できる。
【0048】図12は本例におけるエアーシリンダ側の
構成例を示す部分断面図である。本例におけるエアーシ
リンダ130は金属製ケース131内に収められてい
る。端面板132にコネクタ134aが取付けられたエ
アーチューブ134はエアーをフットスイッチ(図示せ
ず)のオン・オフで左右シリンダ室(図示せず)へ切り
換えて供給するための電磁切換弁(図示せず)に連結さ
れている。エアーシリンダ130内を往復運動するピル
トンロッド135は中空穴135aを有する円筒体で、
この先端開口部は孔付きボルト245がネジ込まれてい
る。そして、端面板132にナット244a,244b
を挟み込んで口金41bが固定されている。ピルトンロ
ッド135のストロークに亘って延びたワイヤ覆いパイ
プ136が支持金具136aを介して支持されている。
【0049】本例では、ピルトンロッド135を円筒体
としてその先端にワイヤ抜け止め用の孔付きボルト24
5をネジ固定した構造となっているので、ピルトンロッ
ド135のストローク線(中心線)と芯線ワイヤ242
の引っ張りストローク線とが一致している。このため、
センタずれがないので、機構構造が簡素化し、長寿命化
を図ることができる。
【0050】ここで、ピストンロッド135の往動過程
(図示右方向駆動過程)によって芯線ワイヤ242が端
部スリーブ244から数十cm引張出され、その後ピス
トンロッド135の復動過程(図示右方向戻過程)では
手動圧着工具10の復帰用バネの復元力で芯線ワイヤ2
42が引き戻される。ただ、このピストンロッド135
の往動過程においては、手動圧着工具10の復帰用バネ
の復元力がさほど強力ではないので、殊に、往動速度が
速いときには、芯線ワイヤ242が充分に引き戻されな
いままの状態でピストンロッド135が往動すると、ロ
ッド135(孔付きボルト245)と芯線ワイヤ242
との摩擦により芯線ワイヤ242が孔付きボルト245
と端部スリーブ244との間に外方向に膨らむように屈
曲し、丸い輪ができてキンクしてしまい場合がある。ロ
ッドの戻り過程でこのような事態が幾度も繰返される
と、やがて芯線ワイヤ242の断線が生じる。しかしな
がら、本実施例では、芯線ワイヤ242が外方向に膨ん
で屈曲し過ぎるのを防止するための屈曲抑えとしてのワ
イヤ覆いパイプ136が設けられており、ワイヤ屈曲部
がこのワイヤ覆いパイプ136に当接してなおも屈曲し
ようとすると、その屈曲を解消する方向に芯線ワイヤ2
42が孔付きボルト245内を滑るので、丸い輪ができ
てキンクするまでには到らない。芯線ワイヤ242の長
寿命化を図ることができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、手動圧
着工具のアームを外皮チューブ付きワイヤを介してワイ
ヤ駆動手段から駆動力で閉動作させるために、第1及び
第2のワイヤ連係用アダプタを設けた点に特徴を有する
ものである。従って、次の効果を奏する。
【0052】 駆動力が弾力的可撓性に富む外皮チュ
ーブ付きワイヤで伝達されるため、ワイヤ駆動手段の設
置位置に対して手動圧着工具を移動させてその圧着ポジ
ションを自由に選定することが可能である。アームを把
持したままでも圧着動作を機械力で行うことができる。
手動圧着工具を手で把持した状態では、殆ど手動圧着工
具を支える力だけで足りるので、手動圧着工具だけの作
業と同様の操作性を得ることができる。更に、リンク機
構ではなく、ワイヤが伝達機構として用いられているた
め、工具を把持した手がワイヤに触れていてもゆっくり
と擦れるだけであるから、挟み込まれる心配もなく、頗
る安全である。
【0053】 手動圧着工具を交換して使用する場合
は、連係用アダプタを外した後、新たな手動圧着工具の
アーム全開状態時において連係用アダプタを適当な位置
で取付け固定すれば良いので、交換作業が非常に容易で
ある。この際、可動部側の抜け止め状態の始端にワイヤ
の遊び長さがあっても構わない。これが却って多種多様
な手動圧着工具の交換自由度を高めている。
【0054】 2本のワイヤを用いた場合には、手動
圧着工具のアームが上面又は下面のいずれかに力点がず
れて捩じり作用を伴って閉動作することがなく、工具寿
命を延ばすことができると共に、均等的かしめが達成で
きることから圧着端子のかしめ仕上がりを良好なものと
できる。更に、アダプタとアームとの締め付け力は脱落
しない程度の弱い固定力で済む。加えて、ワイアを2本
使用すると張力が半減するため、ワイヤ寿命も延ばすこ
とができる。
【0055】 芯線ワイヤの一端部側は抜け止めスト
ッパ部を有しており、第1のワイヤ連係用アダプタのワ
イヤ貫通孔に遊び状態で挿通されて成る構成では、手動
圧着工具のアームを手動で閉動作する場合、芯線ワイヤ
の一端部は自由にワイヤ貫通孔から外側に突き出される
ので、芯線ワイヤが屈曲することなく、ワイヤの破損や
損傷を防止できる。また、ワイヤの屈曲によるバネ力が
反作用することもないので、手動操作力も軽くなる。
【0056】 芯線ワイヤの一端部が回転可能である
と共に、外皮チューブの一端部が回転可能となっている
ため、両点間のワイヤは常時真直状態で擦れることがな
く、アーム開閉動作過程においてワイヤに沿う方向と張
力方向とが一致しており、伝達力の損失を極力抑制する
ことができる。このため、比較的低出力のワイヤ駆動手
段を使用することができる。
【0057】 可動部としてのエアリンダのピストン
ロッドを円筒状に形成し、その開口端に芯線ワイヤの他
端部側を抜け止めする構成においては、ピルトンロッド
のストローク線(中心線)と芯線ワイヤの引っ張りスト
ローク線とが一致する。このため、センタずれがないの
で、機構構造が簡素化し、長寿命化を図ることができ
る。
【0058】 例えば復動速度が速いときには、芯線
ワイヤが充分に引き戻されないままの状態でピストンロ
ッドが往動すると、芯線ワイヤが外方向に膨らむように
屈曲し、丸い輪ができてキンクしてしまい場合が起こる
が、ピストンロッドのストロークに亘りその周りを囲む
ワイア覆い体が設けられていると、ワイヤ屈曲部がこの
ワイヤ覆いパイプに当接してその屈曲が抑制される。こ
のため、丸い輪ができてキンクするまでには到らず、芯
線ワイヤの長寿命化を図ることができる。
【0059】 更に、クランプ行程検出手段及び駆動
力切換手段を有する場合には、開動作のチャッキング行
程途中でアームを無理に閉動作に移行した場合でも、過
度にアームに力が作用せず、工具の内蔵ラチエット機構
等を破損させてしまうことがない。また指等を挟んだと
きでも閉動作が停止し、安全性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る圧着装置において手
動圧着工具のアーム全開状態を示す全体構成図である。
【図2】同実施例に係る圧着装置において手動圧着工具
のアームのクランプ点状態を示す全体構成図である。
【図3】同実施例に係る圧着装置において第1のワイヤ
連結用アダプタを示す分解斜視図である。
【図4】同実施例に係る圧着装置において第2のワイヤ
連結用アダプタを示す分解斜視図である。
【図5】同実施例において別のワイヤ駆動系を示す空気
圧回路図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る圧着装置において第
1のワイヤ連係用アダプタの別の構成を示す分解斜視図
である。
【図7】同実施例に係る圧着装置の使用態様を示す正面
図である。
【図8】本発明の第3実施例に係る圧着装置において第
1のワイヤ連係用アダプタ及び第2のワイヤ連係用アダ
プタのまた別の構成を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の第4実施例に係る圧着装置に用いる外
皮チューブ付きワイヤの組付体を一部破断して示す正面
図である。
【図10】本発明の第4実施例に係る圧着装置おいて第
1のワイヤ連係用アダプタ及び第2のワイヤ連係用アダ
プタの構成を示す分解斜視図である。
【図11】本発明の第4実施例に係る圧着装置おいて第
1のワイヤ連係用アダプタ及び第2のワイヤ連係用アダ
プタの構成を示す正面図である。
【図12】本発明の第4実施例に係る圧着装置おいてエ
アーシリンダ側の構成例を示す部分断面図である。
【図13】一般的な手動圧着工具を示す平面図である。
【符号の説明】
1…支軸 2a,2b…アーム 2a−1,2b−1…片面(上面) 2a−2,2b−2…他面(下面) 3a…固定ダイス 3b…可動ダイス 10…手動圧着工具 20…フットスイッチ 30…エアーシリンダ 39a,30b…シリンダ室 31…ピストンロッド 32…金属製プレート 33a,33b…支持金具 34…エアーチューブ 35…往復動切り換え用の方向切換弁 35a,35…駆動部 36…口金止め部材 37…スライダ 37a…掛止孔 40…外皮チューブ付きワイヤ 41,41−1,41−2…外皮チューブ 42,42−1,42−2…芯線ワイヤ 43…抜け止め部材としての圧着端子 41a,41b…口金(開口補強金具) 42a…軸ピン 50,150,250,350…第1のワイヤ連係用ア
ダプタ 51,151,251…連結金具 51a,51c,53c,54c,151a,251a
…ネジ孔 51b,53b,54b…軸孔 52…取付けネジ 53…下ホルダ 53a,54a…肉薄部 54…上ホルダ 55…組み付けネジ 60,260,360…第2のワイヤ連係用アダプタ 61,261…連結金具 61a,61b,63d…ネジ孔 61c,63c…軸孔 62…取付けネジ 63…ホルダ 63a…溝部 63b…肉薄部 64…組み付けネジ 65…首振りこま 65a…ワイヤ通し孔 65b…下軸部 65c…上軸部 71…低圧エアー源 72…高圧エアー源 73…クランプ位置検出用のリミットスイッチ 74…空気圧力切り換え用の方向切換弁 100…圧着装置 135…エアシリンダの円筒状のピストンロッド 135a…中空穴 136…ワイヤ覆いパイプ 142,142−1,142−2…抜け止めストッパ 152…長孔状の貫通孔 252,262…対向壁部 253−1,253−2…貫通孔 263−1,263−2…段付き貫通孔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手動圧着工具の一方のアームに外皮チュ
    ーブ付きワイヤの芯線ワイヤの一端部側を連係する第1
    のワイヤ連係用アダプタと、前記手動圧着工具の他方の
    アームに前記外皮チューブ付きワイヤの外皮チューブの
    一端部側を連係する第2のワイヤ連係用アダプタとを有
    しており、前記芯線ワイヤの他端部側は抜け止め状態で
    ワイヤ駆動手段の可動部に連係されており、前記外皮チ
    ューブの他端部側は固定部に固定されて成ることを特徴
    とする圧着装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の圧着装置において、前
    記外皮チューブ付きワイヤは第1のワイヤと第2のワイ
    ヤとの2本から成り、第1のワイヤは前記アームの上面
    側に架け渡されていると共に、第2のワイアは前記アー
    ムの下面側に架け渡されて成ることを特徴とする圧着装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の圧着装置
    において、前記外皮チューブ付きワイヤの芯線ワイヤの
    一端部側は抜け止めストッパ部を有しており、前記第1
    のワイヤ連係用アダプタのワイヤ貫通孔に遊び状態で挿
    通されて成ることを特徴とする圧着装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の圧着装置
    において、前記第1のワイヤ連係用アダプタは前記芯線
    ワイヤの一端部を回動可能に支承する回り対偶部を有し
    て成ることを特徴とする圧着装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の圧着装置
    において、前記第2のワイヤ連係用アダプタは前記芯線
    ワイヤを通過可能で前記外皮チューブの一端部を回動可
    能に連結する首振りこまを有して成ることを特徴とする
    圧着装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のずれか一項に記
    載の圧着装置において、前記可動部はエアシリンダの円
    筒状のピストンロッドであって、このピストンロッドの
    開口端に前記芯線ワイヤの他端部側が抜け止めされて成
    ることを特徴とする圧着装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の圧着装置において、前
    記ピストンロッドのストロークに亘りその周りを囲むワ
    イア覆い体を備えて成ることを特徴とする圧着装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に
    記載の圧着装置において、前記手動圧着工具のアーム閉
    動作行程のクランプ点以前の近傍位置を検出するクラン
    プ行程検出手段と、その検出信号を基に前記ワイヤ駆動
    手段の駆動力を増強する駆動力切換手段とを有すること
    を特徴とする圧着装置。
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