JPH0812944A - カルボキシル化ロジンエステルおよびその製造方法 - Google Patents

カルボキシル化ロジンエステルおよびその製造方法

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JPH0812944A
JPH0812944A JP15237094A JP15237094A JPH0812944A JP H0812944 A JPH0812944 A JP H0812944A JP 15237094 A JP15237094 A JP 15237094A JP 15237094 A JP15237094 A JP 15237094A JP H0812944 A JPH0812944 A JP H0812944A
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JP
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rosin
rosin ester
ester
acid
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JP15237094A
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English (en)
Inventor
Masaharu Okido
正治 大城戸
Takayuki Nakamura
高之 中村
Yasushi Ishihama
靖 石濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Nakamura Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Nakamura Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 〔式中、Rはロジン誘導体残基を、R1 は3価の脂肪族
飽和炭化水素基を、R2は−CO−または−CH2
を、R3 は水素原子、アルキル基または-CH2COOHを、R
4 は水素またはカルボキシル基を、R5 はアルキレン
基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、シクロアル
ケニレン基またはアリーレン基を示す。〕で表されるカ
ルボキシル化ロジンエステルまたはその塩、およびその
製造方法。 【効果】 本発明のカルボキシル化ロジンエステルおよ
びその塩は、側鎖にカルボキシル基を有しており親水性
であり、水溶性およびアルカリ現像性が向上するという
効果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘着付与剤、紫外線ま
たは電子線硬化型粘着剤、ドライフィルム用紫外線硬化
型樹脂等の原材料として有用な化合物、およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来技術・発明が解決しようとする課題】ロジン骨格
に、付加反応またはエステル化反応によりアクリロイル
基を結合させたロジンエステルが、特開昭59−597
60号公報等に記載されている。しかし、このようなロ
ジンエステルを水溶性粘着剤等の原材料に使用した場合
には、水溶性が不十分であり、また、ドライフィルム用
樹脂等の原材料に使用した場合には、アルカリ現像性が
不十分であった。
【0003】本発明の目的は、上記問題点が解決された
新規なロジンエステル、およびその製造方法を提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、側鎖にカルボキシル基
が導入されたカルボキシル化ロジンエステルは親水性で
あり、水溶性およびアルカリ現像性が向上することを見
出し、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は、一般式(I)
【0006】
【化4】
【0007】〔式中、Rはロジン誘導体残基を、R1
3価の脂肪族飽和炭化水素基を、R2は−CO−または
−CH2 −を、R3 は水素原子、アルキル基または-CH
2 COOHを、R4 は水素またはカルボキシル基を、R5
アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、
シクロアルケニレン基またはアリーレン基を示す。〕で
表されるカルボキシル化ロジンエステルまたはその塩に
関する。
【0008】また、本発明は、一般式(II)
【0009】
【化5】
【0010】〔式中、Rはロジン誘導体残基を、R1
3価の脂肪族飽和炭化水素基を、R2は−CO−または
−CH2 −を、R3 は水素原子、アルキル基または-CH
2 COOHを、R4 は水素またはカルボキシル基を示す。〕
で表される水酸基含有ロジンエステルと、一般式(III)
【0011】
【化6】
【0012】〔式中、R5 はアルキレン基、アルケニレ
ン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基また
はアリーレン基を示す。〕で表される酸無水物とを付加
反応させることを特徴とする上記カルボキシル化ロジン
エステルまたはその塩の製造方法に関する。
【0013】本明細書中で用いられている各記号につい
て、以下に説明する。
【0014】Rにおけるロジン誘導体残基とは、ロジン
誘導体からカルボキシル基が失われて生じる1価の基を
意味する。
【0015】ここで、ロジンとは、マツ科植物から得ら
れる樹脂油のうち、精油等の揮発性物質を留去した後の
残留樹脂のことであり、その約90%は樹脂酸で、約1
0%は中性成分である。樹脂酸の主成分は、アビエチン
酸であり、その他、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロア
ビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマ
ール酸、イソピマール酸等も含まれる。本発明において
は、ロジン中に含有されている上記樹脂酸すべてをロジ
ン誘導体という。
【0016】また、ロジンには天然ロジンと精製ロジン
とがある。天然ロジンとしては、ウッドロジン、ガムロ
ジン、トールロジン等が挙げられ、それぞれ単独でも、
混合物としても用いることができる。精製ロジンは、上
記天然ロジンを水素添加(水添ともいう)等により精製
したものである。精製方法については、特開平3−11
5480号公報等に記載されており、具体的には密閉容
器中で水素初圧50〜200kg/cm2にて200〜280
℃で加熱し、水素添加触媒(例えばパラジウムカーボ
ン)を加えて精製する。このように精製することによ
り、一般的に着色している天然ロジンの色数を改善(脱
色)することができる。本発明においては、天然ロジン
をそのまま用いてもよいし、精製ロジンとして用いても
よいが、好ましくは精製ロジンである。
【0017】R1 における3価の脂肪族飽和炭化水素基
において、脂肪族飽和炭化水素としては、好ましくは炭
素数1〜20であり、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例
えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、
ヘキサン、オクタン、ドデカン、イコサン等が挙げら
れ、特に好ましくはエタン、プロパンである。つまり、
3価の脂肪族飽和炭化水素基は、上記脂肪族飽和炭化水
素から水素3原子が失われて生じる3価の基を意味す
る。
【0018】R3 におけるアルキル基とは、好ましくは
炭素数1〜4であり、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙
げられ、特に好ましくはメチル基である。
【0019】R5 におけるアルキレン基とは、好ましく
は炭素数2〜12であり、直鎖状でも分岐鎖状でもよ
く、例えばエチレン基、トリメチレン基、プロピレン
基、テトラメチレン基、デシメチレン基等が挙げられ、
特に好ましくはエチレン基、プロピレン基、デシメチレ
ン基である。
【0020】R5 におけるアルケニレン基とは、好まし
くは炭素数2〜12であり、直鎖状でも分岐鎖状でもよ
く、例えばビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン
基、ヘキセニレン基、オクテニレン基等が挙げられ、特
に好ましくはビニレン基、プロペニレン基である。
【0021】R5 におけるシクロアルキレン基とは、好
ましくは炭素数3〜12であり、例えばシクロプロピレ
ン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シク
ロオクチレン基等が挙げられ、特に好ましくはシクロヘ
キシレン基である。
【0022】R5 におけるシクロアルケニレン基とは、
好ましくは炭素数3〜12であり、例えばシクロプロペ
ニレン基、シクロヘキセニレン基、シクロオクテニレン
基等が挙げられ、特に好ましくはシクロヘキセニレン基
である。
【0023】R5 におけるアリーレン基とは、例えばフ
ェニレン基、ナフチレン基、アントリーレン基等が挙げ
られ、好ましくはフェニレン基である。
【0024】カルボキシル化ロジンエステルの塩として
は、R5 に結合しているカルボキシル基と塩を形成しう
るものであれば特に限定されず、アルカリ金属塩(例え
ばナトリウム、カリウム等との塩)、アルカリ土類金属
塩(例えばカルシウム、マグネシウム等との塩)、有機
塩基との塩(例えばトリエチルアミン、エチレンジアミ
ン等との塩)、アンモニウム塩等が挙げられ、好ましく
はアンモニウム塩である。
【0025】本発明の一般式(I)で表されるカルボキ
シル化ロジンエステルまたはその塩は、各種異性体も包
含するものである。
【0026】本発明のカルボキシル化ロジンエステル
は、まずロジンを一般式(II)で表される水酸基含有ロ
ジンエステルとし、次いでこの水酸基含有ロジンエステ
ルを一般式(III) で表される酸無水物と反応させて得ら
れる。
【0027】原料化合物としての一般式(II)で表され
る水酸基含有ロジンエステルは、例えば、以下の2とお
りの方法により製造できる。
【0028】方法1 ロジンとエポキシ基含有化合物をアミン塩の存在下に反
応させた後、アルカリによりハロゲン化水素を脱離させ
て、エポキシ基含有ロジンエステルを得る。次いで、当
該エポキシ基含有ロジンエステルとα−オレフィンカル
ボン酸をアミン系触媒の存在下に反応させて、水酸基含
有ロジンエステルを得る。
【0029】エポキシ基含有ロジンエステルを製造する
際に用いられるエポキシ基含有化合物としては、例え
ば、エピフルオロヒドリン、エピクロロヒドリン、エピ
ブロモヒドリン、エピヨードヒドリン等のエピハロヒド
リン等が挙げられ、好ましくはエピクロロヒドリンであ
る。
【0030】エポキシ基含有ロジンエステルを製造する
際に用いられるアミン塩としては、例えば、トリメチル
アミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、トリエチルベ
ンジルアンモニウム塩酸塩等が挙げられ、好ましくはト
リエチルアミン塩酸塩、トリエチルベンジルアンモニウ
ム塩酸塩である。
【0031】エポキシ基含有ロジンエステルを製造する
際に用いられるアルカリとしては、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア
等が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムである。
【0032】エポキシ基含有ロジンエステルを製造する
際に用いられる溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キ
シレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等の
エステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフ
ラン等のエーテル系溶媒等の有機溶媒が挙げられる。
【0033】エポキシ基含有ロジンエステルを製造する
場合の反応温度は、好ましくは50〜300℃、より好
ましくは80〜150℃である。
【0034】エポキシ基含有化合物は、ロジン1モル
(カルボキシル基1モル)に対して、通常1モル以上使
用され、好ましくは2〜10モルである。アミン塩(ア
ミン系触媒)の使用量は、ロジン100重量部に対し
て、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは
0.01〜5重量部である。アルカリの使用量は、ロジ
ン1モルに対して、好ましくは1.05〜1.2モル、
より好ましくは1.05〜1.1モルである。
【0035】水酸基含有ロジンエステルを製造する際に
用いられるα−オレフィンカルボン酸としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸等が一般に使用され、それ以外にマ
レイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸等、およびその
エステル化物等も使用されるが、反応性等の点から、ア
クリル酸、メタクリル酸が好ましい。
【0036】水酸基含有ロジンエステルを製造する際に
用いられるアミン系触媒としては、トリエチルアミン、
トリメチルアミン等の第3級アミン、トリエチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、トリメチルアミン塩酸塩等
の第4級アミン塩等が好ましい。
【0037】水酸基含有ロジンエステルを製造する際に
用いられる溶媒としても、前述と同様のものが挙げられ
る。
【0038】エポキシ基含有ロジンエステルとα−オレ
フィンカルボン酸との反応温度は、反応時間の長さやゲ
ル化等の点から、好ましくは50〜250℃、より好ま
しくは50〜120℃である。
【0039】エポキシ基含有ロジンエステルとα−オレ
フィンカルボン酸との反応では、エポキシ基含有ロジン
エステル1モル(エポキシ基1モル)に対して、α−オ
レフィンカルボン酸は、通常1モル用い、好ましくは未
反応のエポキシ基が存在しないように、1.0〜1.0
5モル用いる。
【0040】なお、α−オレフィンカルボン酸として、
1分子中にカルボキシル基を2つ有するもの(マレイン
酸、イタコン酸等)を用いる場合にも、上記量のα−オ
レフィンカルボン酸を用いればよいが、この場合には、
生成水酸基(水酸基含有ロジンエステル)と、α−オレ
フィンカルボン酸中の未反応カルボキシル基とがさらに
反応してゲル化等を起こさないように、反応条件につい
て十分注意が必要である。
【0041】アミン系触媒の使用量は、ロジン100重
量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好
ましくは0.5〜4.5重量部である。
【0042】方法2 ロジンとエポキシ基含有ビニル系化合物をアミン系触媒
の存在下に反応させる方法。
【0043】エポキシ基含有ビニル系化合物としては、
例えばグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルアリルエーテル等が挙げられ、好まし
くはグリシジルメタクリレートである。
【0044】アミン系触媒としては、例えばトリエチル
ベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリメチルアミン塩、トリエチルア
ミン塩等が挙げられ、好ましくはトリエチルベンジルア
ンモニウムクロライドである。溶媒としては、前述と同
様のものが挙げられる。
【0045】反応温度は、好ましくは50〜150℃、
より好ましくは50〜100℃である。
【0046】エポキシ基含有ビニル系化合物の配合量
は、ロジン1モルに対して、好ましくは1.0〜1.5
モル、より好ましくは1.0〜1.05モルである。ア
ミン系触媒の使用量は、ロジン100重量部に対して、
好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5
〜4.5重量部である。
【0047】本発明のカルボキシル化ロジンエステル
は、上記のようにして得られた一般式(II)で表される
水酸基含有ロジンエステルと、一般式(III) で表される
酸無水物を付加反応させることによって得られる。つま
り、水酸基含有ロジンエステルに下記酸無水物を作用さ
せることにより、水酸基含有ロジンエステルの水酸基部
分が、-OCO-R 5 -COOHで表される基に交換され、カルボ
キシル基が導入される。
【0048】酸無水物としては、一般式(III) で表され
る各種化合物が使用可能であり、具体的には無水コハク
酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、ドデシル無水コ
ハク酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸等の脂肪族酸
無水物;無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無
水cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸
等の脂環式酸無水物;無水フタル酸、無水1,8−ナフ
タル酸等の芳香族酸無水物等が挙げられる。反応性の点
から、非芳香族性の酸無水物が好ましく、特にR5 が炭
素数2〜12のアルキレン基であるものが好ましい。
【0049】当該水酸基含有ロジンエステルと酸無水物
との反応は、溶媒中で行うことが好ましいが、反応温
度、粘度をコントロールすれば、無溶媒でも可能であ
る。溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の
芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系
溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン等のエ
ーテル系溶媒等の有機溶媒等、前述と同様のものが挙げ
られる。沸点、ロジンの溶解性の点から、トルエン、メ
チルエチルケトンが好ましい。
【0050】上記カルボキシル基導入反応に際しては、
触媒を併用することが可能である。かかる触媒として
は、カルボン酸金属塩(例えば酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、酢酸鉛、ステアリン酸鉛等)、水酸化アルカリ
(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アル
カリ金属炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
等)、アルカリ金属アルコラート(例えばナトリウムメ
チラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラー
ト、カリウムエチラート等)、4級アンモニウム塩(例
えばトリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベ
ンジルアンモニウム塩等)、3級アミン(例えばピリジ
ン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等)等の
塩基性触媒が好ましく、特にトリエチルベンジルアンモ
ニウム塩(トリエチルベンジルアンモニウムクロライド
等)が好ましい。
【0051】また、硫酸やp−トルエンスルホン酸等の
酸触媒によっても、カルボキシル基導入反応が促進され
るが、この場合は、反応条件によっては生成カルボキシ
ル基と未反応水酸基との縮合反応も促進されることがあ
り、反応条件について十分注意が必要である。
【0052】上記カルボキシル基導入反応における反応
温度は、好ましくは70〜150℃、より好ましくは7
0〜100℃である。また、反応時間は、好ましくは2
〜15時間、より好ましくは6〜10時間である。
【0053】本発明において、水酸基含有ロジンエステ
ルと酸無水物との反応モル比は、カルボキシル変性によ
り期待される改質効果に応じて選定することが望ましい
が、水酸基含有ロジンエステル1モル(水酸基1モル)
に対して、酸無水物は好ましくは1〜200モル、より
好ましくは1〜100モルである。
【0054】溶媒の使用量は、ロジン100重量部に対
して、好ましくは10〜1000重量部、より好ましく
は20〜500重量部である。触媒の使用量は、ロジン
100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量
部、より好ましくは0.5〜4.5重量部である。
【0055】上記のようにして得られた、本発明のカル
ボキシル化ロジンエステルは、通常公知の方法(例え
ば、再結晶、クロマトグラフィー、蒸留等)により、精
製することができる。
【0056】また、カルボキシル化ロジンエステルの塩
は、通常の方法により製造することができる。
【0057】当該カルボキシル化ロジンエステルにおい
て、その分子量は好ましくは300〜3000、より好
ましくは300〜600であり、その粘度は好ましくは
100〜200,000 mPa.s/25℃、より好ましくは1,000 〜
100,000 mPa.s/25℃である。
【0058】さらに、上記カルボキシル化ロジンエステ
ルを用いて、カルボキシル化ロジンエステルのホモポリ
マーを、通常公知の方法(例えば、溶液重合、乳化重
合、塊状重合、紫外線・電子線照射による重合等)によ
り製造することができる。
【0059】その際、光重合開始剤を用いることもで
き、例えば、通常使用されているベンゾフェノールベン
ゾインイソプロピルエーテル、ミヒラーズケトン等が好
ましく用いられる。また、重合防止剤を使用することも
でき、例えばフェノチアジン、ベンゾキノン、ハイドロ
キノン、フェノール等が挙げられる。
【0060】光重合開始剤の使用量は、カルボキシル化
ロジンエステル100重量部に対して、好ましくは1〜
10重量部、より好ましくは2〜5重量部であり、重合
防止剤の使用量は、カルボキシル化ロジンエステル10
0重量部に対して、好ましくは0.001 〜5重量部、より
好ましくは0.005 〜0.2重量部である。
【0061】溶媒としては、カルボキシル化ロジンエス
テル製造の際に例示したものと同様のものが用いられ
る。また、反応温度は、好ましくは70〜150℃、よ
り好ましくは70〜100℃である。反応時間は、好ま
しくは2〜15時間、より好ましくは6〜10時間であ
る。
【0062】このようにして得られたカルボキシル化ロ
ジンエステルのホモポリマーにおいて、その分子量は好
ましくは10,000〜1,000,000 、より好ましくは10,000〜
100,000 であり、その粘度は好ましくは1,000 〜100,00
0 mPa.s/25℃、より好ましくは1,000 〜10,000mPa.s/25
℃である。
【0063】カルボキシル化ロジンエステルは、モノマ
ーもホモポリマーも同様な用途(例えば粘着付与剤、紫
外線または電子線硬化型粘着剤、ドライフィルム用紫外
線硬化型樹脂等の原材料)に用いることができる。
【0064】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0065】以下の実施例において、酸価、軟化点、粘
度、分子量、色調ガードナーは、次のようにして測定し
た。 酸価 試料1gをアセトンで希釈後、1/10N−KOH液で滴定
して測定した。 軟化点 軟化点測定装置(環球法)にて、試料中に鋼球が一定距
離落下した時の温度を測定した。 粘度 BL型粘度計(25℃)で測定した。 分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した。 色調ガードナー 試料の色をガードナー色調標準液と比較して測定した。
【0066】実施例1 撹拌装置、滴下ロート、コンデンサおよび温度計を付し
た2000mlの4つ口フラスコに、中国産ガムロジン
(酸価168mgKOH/g 、軟化点78℃)334g、トル
エン300g、トリエチルベンジルアンモニウムクロラ
イド2g、ハイドロキノン0.5gを仕込み、グリシジ
ルメタクリレート142gを滴下ロートを用いて30分
間で滴下し、内温を80℃にして8〜10時間反応させ
た。酸価が0.5mgKOH/g になった時点で無水コハク酸
100gを仕込み、さらに80℃にて8〜10時間反応
を続けた。酸価が95mgKOH/g になった時点で反応を終
了させた後、減圧下でトルエンを除去し、カルボキシル
化ロジンエステル578g(粘度65,000mPa.s/25℃、分
子量590、色調ガードナー8)を得た。
【0067】実施例2 中国産ガムロジン334gの代わりに水添化ロジン(酸
価170mgKOH/g 、軟化点87℃)330gを用いた以
外は、実施例1と同様にしてカルボキシル化ロジンエス
テル(粘度28,000mPa.s/25℃、分子量575、色調ガー
ドナー4以下)を得た。
【0068】実施例3 無水コハク酸100gの代わりにドデシル無水コハク酸
269gを用いた以外は、実施例1と同様にして酸価7
5mgKOH/g になるまで反応を行い、カルボキシル化ロジ
ンエステル(粘度 125,000mPa.s/25℃、分子量720、
色調ガードナー7)を得た。
【0069】実施例4 無水コハク酸100gの代わりにテトラヒドロ無水フタ
ル酸155gを用いた以外は、実施例1と同様にしてカ
ルボキシル化ロジンエステル(粘度 158,000mPa.s/25
℃、分子量620、色調ガードナー8)を得た。
【0070】実施例5 精製ロジン(酸価176mgKOH/g 、軟化点86℃、色調
ガードナー1以下)300g、トリメチルアミン塩酸塩
0.6g、エピクロロヒドリン600gを加え、80℃
に加熱して3時間反応させた。未反応ロジンがなくなっ
たことをHPLCにより確認後、反応系内を120℃に
昇温し、水酸化ナトリウム40gを1時間で5分割して
加えた。生じた水をエピクロロヒドリンとの共沸により
除去した後、未反応のエピクロロヒドリンを減圧下で留
去し、さらに125℃、30mmHgの条件下でこれを30
分間保持した。残渣にトルエン400mlを加え、塩化ナ
トリウムの沈殿をろ過した後、減圧下でトルエンを除去
し、無色のエポキシ基含有ロジンエステル331g(収
率93%、純度86%、エポキシ当量414、粘度3,50
0mPa.s/25℃、色調ガードナー6)を得た。上記エポキ
シ基含有ロジンエステル207gに、アクリル酸37.
8g、トリエチルアミン5gを加えて、内温を80℃に
上げて反応を行った。系中の酸価が10mgKOH/g 以下に
なった時点で反応を停止し、水酸基含有ロジンエステル
250g(純度90%、粘度56,000mPa.s/25℃、分子量
480、色調ガードナー6)を得た。
【0071】上記水酸基含有ロジンエステル240g、
無水コハク酸45g、トリエチルベンジルアンモニウム
クロライド5.7gを、1000mlの4つ口フラスコ
(撹拌機、コンデンサ、温度計付)に仕込み、内温を8
0℃に上げて、酸価が95mgKOH/g になるまで反応を続
け、カルボキシル化ロジンエステル(粘度78,000mPa.s/
25℃、分子量680、色調ガードナー6)を得た。
【0072】実施例6 無水コハク酸45gの代わりにドデシル無水コハク酸1
21gを用いた以外は、実施例5と同様にして酸価が7
5mgKOH/g になるまで反応を続け、カルボキシル化ロジ
ンエステル(粘度98,000mPa.s/25℃、分子量750、色
調ガードナー7)を得た。
【0073】参考例1 撹拌装置、滴下ロート、コンデンサおよび温度計を付し
た1000mlの4つ口フラスコに、メチルエチルケトン
150gを仕込み、滴下ロートよりカルボキシル化ロジ
ンエステル(実施例6)100g、アゾビスイソブチロ
ニトリル0.4g、メチルエチルケトン50gの混合物
を2時間で滴下し、温度78℃でさらに5時間反応を行
った。カルボキシル化ロジンエステルのホモポリマー
(固形分33%,粘度620mPa.s/25℃、分子量200,00
0)を得た。
【0074】
【発明の効果】本発明のカルボキシル化ロジンエステル
およびその塩は、側鎖にカルボキシル基を有しており親
水性であり、水溶性およびアルカリ現像性が向上すると
いう効果を有する。つまり、当該カルボキシル化ロジン
エステルおよびその塩は、粘着付与剤や水溶性粘着剤等
の原材料として用いた場合、水溶性が向上する。また、
ドライフィルム用材料や半導体基板材料(レジスト材
料)として有用な紫外線硬化型樹脂等の原材料として用
いた場合は、アルカリ現像性、銅板に対する密着性が向
上する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、Rはロジン誘導体残基を、R1 は3価の脂肪族
    飽和炭化水素基を、R2は−CO−または−CH2
    を、R3 は水素原子、アルキル基または-CH 2 COOHを、
    4 は水素またはカルボキシル基を、R5 はアルキレン
    基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、シクロアル
    ケニレン基またはアリーレン基を示す。〕で表されるカ
    ルボキシル化ロジンエステルまたはその塩。
  2. 【請求項2】 一般式(II) 【化2】 〔式中、Rはロジン誘導体残基を、R1 は3価の脂肪族
    飽和炭化水素基を、R2は−CO−または−CH2
    を、R3 は水素原子、アルキル基または-CH 2 COOHを、
    4 は水素またはカルボキシル基を示す。〕で表される
    水酸基含有ロジンエステルと、一般式(III) 【化3】 〔式中、R5 はアルキレン基、アルケニレン基、シクロ
    アルキレン基、シクロアルケニレン基またはアリーレン
    基を示す。〕で表される酸無水物とを付加反応させるこ
    とを特徴とする請求項1記載のカルボキシル化ロジンエ
    ステルまたはその塩の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014133867A (ja) * 2012-12-14 2014-07-24 Arakawa Chem Ind Co Ltd 重合ロジン系硬化性化合物、その製造方法および硬化性組成物
US8921295B2 (en) 2010-07-23 2014-12-30 American Sterilizer Company Biodegradable concentrated neutral detergent composition
WO2019120036A1 (zh) * 2017-12-22 2019-06-27 惠州市华泓新材料股份有限公司 一种改性松香树脂及其制备方法和应用

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