JPH0665375B2 - 反応性乳化剤およびその製造法 - Google Patents

反応性乳化剤およびその製造法

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JPH0665375B2
JPH0665375B2 JP2416747A JP41674790A JPH0665375B2 JP H0665375 B2 JPH0665375 B2 JP H0665375B2 JP 2416747 A JP2416747 A JP 2416747A JP 41674790 A JP41674790 A JP 41674790A JP H0665375 B2 JPH0665375 B2 JP H0665375B2
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rosin
reactive emulsifier
emulsion
ester
emulsifier
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圭三 松本
基秀 亀石
知夏 藤江
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な反応性乳化剤お
よびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】反応性乳化剤とは、反応性の官能基を分
子中に有している乳化剤のことをいい、乳化重合の過程
でミセル内のポリマ−と化学的に結合して、得られるポ
リマ−の機械的安定性等を改良しうるため最近使用され
始めている。しかし、従来より知られている反応性乳化
剤は、反応性の官能基がアリル基のためポリマ−中への
共重合性が悪かったり、また親水性部分がスルホン酸、
ポリエチレングリコ−ル、リン酸エステル等であるため
親水性が強過ぎるといった欠点があった。そのため、得
られるエマルジョンの乳化安定性が悪く、またエマルジ
ョンを塗料等の被膜形成物として使用した場合には耐水
性、接着性、光沢等が劣っいた。
【0003】ところで、光硬化性樹脂を水中に分散もし
くは溶解させ、水性の光硬化性樹脂組成物となしうる乳
化剤についても種々検討がなされている。しかし、従来
の乳化剤では、光硬化性樹脂を十分に分散溶解できなか
ったり、光硬化性が低下したり、また光硬化させた塗膜
から経時的に乳化剤が移行して安定な塗膜が得られない
等の欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、得られるポ
リマ−が機械的安定性に優れるという反応性乳化剤の特
徴を有するのは勿論のこと、得られるエマルジョンに乳
化安定性、耐水性、接着性、光沢等の諸性能を付与する
ことができ、しかも光硬化性樹脂を水中に分散もしくは
溶解させた場合にも光硬化性を低下させることなく、安
定な塗膜を形成しうる新規な反応性乳化剤、およびその
製造法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、従来より乳化重合用乳化剤や粘着付与剤
等に賞用されているロジン誘導体、特にその基本骨格に
着目して、鋭意検討を重ねた結果、安定化ロジン残基を
分子内に有する特定の反応性乳化剤が、前記課題を悉く
解決しうることを見出し本発明を解決するに到った。
【0006】すなわち、本発明は、
【化1】で表される反応性乳化剤およびその製造法に関
する。
【0007】上記一般式(1)で表される反応性乳化剤
は、たとえば、次に示す方法により製造することができ
る。
【0008】まず、原料である安定化ロジングリシジル
エステルと不飽和一塩基酸を反応させ、安定化ロジンエ
ポキシ(メタ)アクリレ−トを製造する。安定化ロジン
グリシジリエステルと不飽和一塩基酸との仕込モル比
は、通常1:0.8〜1.2程度であり、反応温度は通
常80〜130℃程度、反応時間は2〜10時間程度と
するのがよい。また、触媒としてはベンジルトリメチル
アンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、トリ
エチルアミン、ジエチレントリアミン等の3級アミン、
イミダゾ−ル誘導体やトリフェニルフォスフィン等があ
げられ、通常は、原料の仕込合計量の100〜1000
0ppm程度を使用する。その他、キノン、メトキシフ
ェノ−ル、フェノチアジン等の重合禁止剤を使用するこ
とも任意であり、その使用量は原料の仕込合計量の50
0〜10000ppm程度とするのがよい。
【0009】上記原料である安定化ロジングリシジリル
エステルは、安定化したロジン誘導体とエピハロヒドリ
ンを、アミン塩の存在下に反応させ、次いでアルカリに
より脱ハロゲン化することにより得られる。ここに、本
発明でいう安定化ロジン誘導体とはロジン骨格の共役二
重結合を安定化したロジン誘導体をいい、たとえば、不
均化ロジン、水素化ロジンや、ガムロジン、ウッドロジ
ン、トール油ロジン等の原料ロジンに不均化、水素化、
精製等の各工程を任意の順序で経由させて得られるロジ
ン誘導体等があげられる。なかでも、不均化ロジンを精
製して得られる精製物を、更に水素化反応させて得られ
る安定化ロジン誘導体は無色を呈し、好ましい。
【0010】なお、こうした安定化ロジン誘導体でな
い、共役二重結合を有する原料ロジンから得られるロジ
ングリシジリルエステルを用いた場合には、ラジカル重
合や光硬化する際に発生するフリ−ラジカルが該共役二
重結合によりトラップされて重合率や重合度が低下した
り、また着色の原因になるため好ましくない。
【0011】また、不飽和一塩基酸としては各種公知の
ものが使用でき、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸
等があげられる。
【0012】次いで上記安定化ロジンエポキシ(メタ)
アクリレ−トに炭素数3〜9の酸無水物を反応せしめ、
安定化ロジンエポキシ(メタ)アクリレ−トのハ−フエ
ステルを製造する。安定化ロジンエポキシ(メタ)アク
リレ−トと炭素数3〜9の酸無水物との仕込モル比は、
通常1:0.2〜1.0程度であり、また反応温度は通
常60〜130℃程度、反応時間は1〜8時間程度とす
るのがよい。また、触媒は必ずしも必要とされないが、
エステル化を促進するためにトリエチルアミン、ジエチ
レントリアミン等の3級アミンを仕込合計量の500〜
10000ppm程度使用してもよい。
【0013】炭素数3〜9の酸無水物としては、特に制
限はなく、各種公知の酸無水物基を有する飽和もしくは
不飽和の脂肪族及び脂環族、並びに芳香族系化合物があ
げられる。たとえば、無水コハク酸、無水マレイン酸、
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸等があげられ、これらの1種又は2種以
上を組み合わせて使用する。
【0014】更に、得られた安定化ロジンエポキシ(メ
タ)アクリレ−トのハ−フエステルのカルボキシル基を
アルカリ金属塩、アンモニウム塩又は3級アミン塩に中
和して、上記一般式(1)で表される本発明の反応性乳
化剤とする。中和方法としては安定化ロジンエポキシ
(メタ)アクリレ−トのハ−フエステル1モルに対し、
水酸化アルカリ、アンモニア、3級アミンの少なくとも
一種0.5〜1.2モル程度を、温度10〜80℃程度
で、1〜5時間程度反応させるのがよい。
【0015】水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等があげられ、3級アミンとしては
トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエ
タノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン等があげられ
る。
【0016】
【発明の効果】(1)本発明の反応性乳化剤を、乳化重
合用の乳化剤として使用した場合には、得られるポリマ
−中にロジン骨格が導入され、乳化安定性にすぐれたエ
マルジョンが得られる。また、かかるエマルジョンを接
着剤、塗料、インキ等の用途に供した場合は、耐水性、
接着性、光沢等の諸性能に優れた被膜が提供できる。
【0017】(2)また、本発明の反応性乳化剤によれ
ば、光硬化性を阻害することなく電子線硬化性樹脂組成
物や紫外線硬化性樹脂組成物を、水に分散もしくは溶解
して、水性の電子線硬化性樹脂組成物や紫外線硬化性樹
脂組成物となすことができ、溶剤で希釈したり、PII
の高い低粘度モノマ−で希釈して使用する必要がなくな
る。しかも、得られた水性の樹脂組成物により形成した
塗膜は、反応性乳化剤が硬化膜中に反応固定化されるた
め経時的に乳化剤の移行がなく安定した塗膜が得られ
る。
【0018】(3)また、水現像可能な感光性樹脂を提
供できる等の、様々な分野での用途が期待できる。
【0019】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0020】実施例1 撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた四
ツ口フラスコに不均化ロジングリシジルエステル129
8g、アクリル酸202g、メトキシフェノ−ル0.7
5g、フェノチアジン1.5g、トリフェニルフォスフ
ィン6.0gを仕込み、窒素気流下に115〜120℃
に昇温した。そのまま8時間保温撹拌し、酸価が5以下
になったことを確認した後、冷却した。70℃になった
ところで窒素の導入を止め、さらにメトキシフェノ−ル
1.78g及び無水コハク酸280gを仕込み、80〜
90℃に昇温した。そのまま3時間保温撹拌し、酸価が
殆ど下がらないこと(90mgKOH/g)を確認した
後、冷却した。50℃になったところで、温度が50℃
を越えないようにN−メチルジエタノ−ルアミン352
gを滴下ロ−トから徐々に滴下した。滴下後、メトキシ
フェノ−ル0.90gを加えさらに30分間撹拌して、
取り出し、中和ロジンエステルアクリレ−ト(一般式1
においてR1 =水素原子、R2 =エチレン基、A=不均
化ロジンに起因する残基、M=N−メチルジエタノ−ル
アミン)2146gを得た。(収率100%)
【0021】実施例2 実施例1において、無水コハク酸280gを無水フタル
酸415g、N−メチルジエタノ−ルアミン352gを
334gに代え、メトキシフェノ−ルの添加量1.78
g、0.9gをそれぞれ1.90g、0.96gに代え
た他は実施例1と同様に行い、中和ロジンエステルアク
リレ−ト(一般式1においてR1=水素原子、R2 =フ
マル酸に起因する残基、不均化ロジンに起因する残基、
M=N−メチルジエタノ−ルアミン)2262gを得
た。(収率100%)
【0022】実施例3 実施例1において、不均化ロジングリシジルエステル1
298gを水素化ロジングリシジルエステル1298
g、無水コハク酸280gをヘキサヒドロ無水フタル酸
437g、N−メチルジエタノ−ルアミン352gを3
0%アンモニア水167.7gに代え、メトキシフェノ
−ルの添加量1.78g、0.9gをそれぞれ1.94
g、0.98gに代えた他は実施例1と同様に行い、中
和ロジンエステルアクリレ−ト(一般式1においてR1
=水素原子、R2 =ヘキサヒドロ無水フタル酸に起因す
る残基、A=不均化ロジンに起因する残基、M=アンモ
ニウム基)2113gを得た。(収率100%)
【0023】実施例4 実施例1において、不均化ロジングリシジルエステル1
298gを無色ロジングリシジルエステル(不均化ロジ
ンを精製して得られる精製物を、更に水素化して得られ
る無色ロジンのグリシジルエステル)1291g、無水
コハク酸280gをテトラヒドロ無水フタル酸431
g、N−メチルジエタノ−ルアミン352gを48%水
酸化カリウム水溶液345.2gに代え、メトキシフェ
ノ−ルの添加量1.78g、0.9gをそれぞれ1.9
2g、0.97gに代えた他は実施例1と同様に行い、
中和ロジンエステルアクリレ−ト(一般式1においてR
1=水素原子、R2 =テトラヒドロ無水フタル酸に起因
する残基、A=無色ロジンに起因する残基、M=カリウ
ム基)2278gを得た。(収率100%)
【0024】参考例1 メチルメタクリレート200g、ブチルメタクリレート
100g、スチレン100g、アゾビスイソブチロニト
リル8g、、脱イオン水820g及び実施例1で合成し
た反応性乳化剤409gを2リットル容のビーカー中で
ホモミキサーにより乳化分散し、モノマーの乳化液を調
製した。次いで、撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素
導入管並びに撹拌機を装着した1リットル容の滴下ロー
トを備えた2リットル容の五ツ口フラスコに前記乳化液
300gを仕込み、一方、残りの乳化液は滴下ロートに
仕込んだ。窒素シール下に2リットル容のフラスコを8
0℃まで加熱し重合を開始し、1時間同温度で重合した
後、滴下ロートの乳化液を1時間かけて滴下し、同温度
で3時間保温した。さらにアゾビスイソブチロニトリル
4gを追加し1時間反応させて重合を完結し不揮発分3
5%のエマルジョンを得た。該エマルジョンは1ケ月以
上経過後もその外観は変化しなかった。
【0025】参考例2 実施例4で得られた乳化剤100g、ノナエチレングリ
コールジアクリレート50g、ペンタエリスリトールト
リアクリレート100g、イルガキュア184(チバ.
ガイギ社製)5g及び脱イオン水30gを混合し、透明
な光硬化性ワニスを得た。このものを紫外線照射(10
0mj)して得た硬化膜は経日的に乳化剤がブリードす
ることもなく、又水中へ24時間浸漬した後も白化等の
変化はみられなかった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 で表される反応性乳化剤。
  2. 【請求項2】 安定化ロジングリシジルエステルと不飽
    和一塩基酸を反応させ、次いで炭素数3〜9の酸無水物
    と反応させた後、残カルボキシル基をアルカリ金属塩、
    アンモニウム塩及び3級アミン塩の少なくとも一種のカ
    ルボキシル基塩に中和することを特徴とする請求項1記
    載の反応性乳化剤の製造法。
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