JPH08128380A - ガソリン機関の二次電圧検出器及びその製造方法 - Google Patents

ガソリン機関の二次電圧検出器及びその製造方法

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JPH08128380A
JPH08128380A JP6268749A JP26874994A JPH08128380A JP H08128380 A JPH08128380 A JP H08128380A JP 6268749 A JP6268749 A JP 6268749A JP 26874994 A JP26874994 A JP 26874994A JP H08128380 A JPH08128380 A JP H08128380A
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insulating member
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detection electrode
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Toshiaki Kondo
稔明 近藤
Masaru Kondo
勝 近藤
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製作工数が少なく、しかも作業性に優れたガ
ソリン機関の二次電圧検出器及びその製造方法を提供す
ること。 【構成】 二次電圧検出器9は、ハイテンションコード
1のコード本体3にゴム製の第1絶縁部材23及び第2
絶縁部材25が外嵌されて筒状部27が形成されるとと
もに、筒状部27に金属製の第1シールド部材29及び
第2シールド部材31が外嵌されてシールドケース33
が形成されたものである。この第1絶縁部材23及び第
2絶縁部材25は、各々筒状体が軸方向に2つに分割さ
れたほぼ同一形状をしており、第1絶縁部材23には略
U字状の検出電極35が埋設されている。この検出電極
35は、その左右両端が第1絶縁部材23の接合端面2
3bから露出しており、検出電極35の露出部分にリー
ド線13aが接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパークプラグに二次
電圧を供給するハイテンションコードに装着され、その
ハイテンションコードとの間に静電容量を形成して二次
電圧波形を検出するガソリン機関の二次電圧検出器及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車エンジンの排気ガスの
浄化および燃費向上の要求から、内燃機関(エンジン)
の各気筒毎に着火状態を検出し、全ての気筒の失火防止
対策ができる装置として、スパークプラグに印加される
二次電圧波形を検出して失火を判定する装置が提案され
ている。
【0003】例えばこの種の装置として、本願出願人
は、既に特願平3−80107号、特願平3−1186
31号により、二次回路の間に静電容量を形成して二次
電圧を検出するための独特な構成を備えた二次電圧検出
器を提案している。具体的には、電極となる金属筒を内
嵌めしたゴム又は樹脂製のカラーを、ハイテンションコ
ードやDLI(ディストリビュータ・レス・イグニッシ
ョン)のプラグキャップにかぶせ、金属筒にリード線を
接続して二次電圧波形を検出する装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の装置では、下記及びの問題があり、一層の改善が
望まれていた。 つまり、上述した従来技術では、電極の全体をゴムモ
ールドする際に、電極の表側と裏側との2回モールドす
る必要があるため、製作工数がかかるという問題があっ
た。具体的には、電極の一端を金型に固定して他の箇所
をモールドする第1工程と、その固定箇所を埋設する第
2工程とが必要であった。
【0005】また、ハイテンションコード1本毎に電
極を取り付けるタイプの二次電圧検出器では、電極が円
筒形をしているので、電極をゴムモールドした円筒形の
ゴム成形体をハイテンションコードに装着するにして
も、又は電極をハイテンションコードに装着した後にハ
イテンションコードごとゴムモールドするにしても、ハ
イテンションコードの両端に装着する接続端子(キャッ
プ)を取り付ける前に、その円筒の(電極又はゴム成形
体の)貫通孔にハイテンションコードを挿入しなければ
ならず、結果として、ハイテンションコードを製造する
工程に二次電圧検出器を製造する工程を設置する必要が
生じるので、作業性が悪いという問題があった。
【0006】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、製作工数が少なく、作業性に優れたガ
ソリン機関の二次電圧検出器及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に請求項1の発明は、スパークプラグに二次電圧を供給
するハイテンションコードに装着され、該ハイテンショ
ンコードとの間に静電容量を形成して二次電圧波形を検
出するガソリン機関の二次電圧検出器において、複数の
絶縁部材が前記1本のハイテンションコードを挟む様に
配置されて接合一体化された筒状部と、前記複数の絶縁
部材のうち少なくとも1つの絶縁部材に埋設された前記
検出電極と、前記筒状部の周囲に配置されて電気的なシ
ールドを行なうシールド部材と、を備えたことを特徴と
するガソリン機関の二次電圧検出器を要旨とする。
【0008】ここで、前記二次電圧検出器が装着される
位置としては、ハイテンションコードのコード本体が、
二次電圧波形の検出の容易さ及び取り付け易さの点から
好適であるが、ハイテンションコードの両端に取り付け
られるプラグキャップやコイルキャップにも取り付け可
能である。
【0009】前記絶縁部材としては、ゴム材料、プラス
チック等の各種の絶縁材料を採用できる。前記絶縁材料
の接合一体化には、例えばゴム糊やエポキシ樹脂等の各
種の接着剤を使用することができる。
【0010】前記検出電極としては、所定の静電容量
(例えば1PF以上)が確保できればよく、その大き
さ、形状、材料、コードとの距離等を適宜選択すればよ
い。前記シールド部材としては、二次電圧波形の検出を
容易にするために電気的なシールドを行なうものであれ
ばよく、金属板、金属箔、塗料、メッシュ等を採用でき
る。尚、このシール部材にアース線を取り付ける場合に
は、シールド性能を向上させるために、アース線の長さ
は30cm以下のものが好ましい。
【0011】請求項2の発明は、前記絶縁部材の材料と
して、ゴム等の弾力のある材料を使用することを特徴と
する前記請求項1記載のガソリン機関の二次電圧検出器
を要旨とする。特に、絶縁部材の材料としてゴム材料を
使用すると、弾力だけでなく、絶縁性、耐久性、加工性
等の点で好適である。
【0012】請求項3の発明は、前記複数の絶縁部材同
士が、ゴム糊にて接合一体化されたことを特徴とする前
記請求項1又は2記載のガソリン機関の二次電圧検出器
を要旨とする。尚、前記絶縁部材の材料として、ゴム材
料を採用する時にゴム糊を使用すると、ゴム材料との相
性がよく接合性に優れているので、一層好適である。
【0013】請求項4の発明は、前記絶縁部材に埋設さ
れた検出電極の端部が、該絶縁部材の接合端面より露出
していることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれか
記載のガソリン機関の二次電圧検出器を要旨とする。
【0014】請求項5の発明は、前記絶縁部材の接合端
面より露出した検出電極の端部にリード線が接続される
とともに、該検出電極の端部及びリード線を覆う様に他
の絶縁部材が接合されたことを特徴とする前記請求項1
〜4のいずれか記載のガソリン機関の二次電圧検出器を
要旨とする。
【0015】請求項6の発明は、前記検出電極の端部及
びリード線の周囲にゴム糊が塗布されて接合一体化され
たことを特徴とする前記請求項5記載のガソリン機関の
二次電圧検出器を要旨とする。
【0016】請求項7の発明は、前記検出電極が、前記
ハイテンションコードの軸方向に沿ってその周囲の一部
を覆う様に、板状部材を断面略U字状に曲げた形状であ
ることを特徴とする前記請求項1〜6のいずれか記載の
ガソリン機関の二次電圧検出器を要旨とする。
【0017】請求項8の発明は、前記絶縁部材が、筒状
体を軸方向に2分割した形状の第1絶縁部材と第2絶縁
部材とからなることを特徴とする前記請求項1〜7のい
ずれか記載のガソリン機関の二次電圧検出器を要旨とす
る。
【0018】請求項9の発明は、前記シールド部材が、
金属製の略筒状体を軸方向に2分割した形状の第1シー
ルド部材と第2シールド部材とからなるとともに、該第
1シールド部材と第2シールド部材とが筒状に接続され
たシールドケースであることを特徴とする前記請求項1
〜8のいずれか記載のガソリン機関の二次電圧検出器を
要旨とする。
【0019】請求項10の発明は、前記請求項1〜9の
いずれか記載のガソリン機関の二次電圧検出器の製造方
法であって、検出電極を一部露出した状態で埋設して一
方の絶縁部材を形成した後に、前記検出電極の露出部分
にリード線を接続し、次いでハイテンションコードに前
記一方の絶縁部材と他方の絶縁部材とを外嵌するととも
に、前記検出電極の露出部分及びリード線の接続部分を
覆う様に前記両絶縁部材を接着剤で接合して筒状部を形
成し、更に該筒状部にシールド部材を外嵌することを特
徴とするガソリン機関の二次電圧検出器の製造方法を要
旨とする。
【0020】
【作用及び発明の効果】請求項1の発明のガソリン機関
の二次電圧検出器は、複数の絶縁部材からなる筒状部
と、絶縁部材に埋設された検出電極と、筒状部の周囲に
配置されたシールド部材とからなるものであり、個々の
ハイテンションコードに対して装着され、ハイテンショ
ンコードと検出電極との間に静電容量を形成して、正確
に二次電圧波形を検出する。
【0021】つまり、本発明の二次電圧検出器は、検出
電極を埋設した絶縁部材と他の絶縁部材とを、ハイテン
ションコードを挟む様に筒状に配置して接合一体化する
ことによって形成するものであるので、ハイテンション
コードの製造工程と二次電圧検出器の製造工程とを別工
程とすることができ、作業性が大きく向上するという顕
著な効果を奏する。
【0022】請求項2の発明では、絶縁部材の材料とし
て、ゴム等の弾力のある材料を使用するので、ハイテン
ションコードに対する密着性が優れ、ハイテンションコ
ードに損傷を与えないので好適である。請求項3の発明
では、絶縁部材の接合一体化に、ゴム糊を使用するの
で、接合された筒状部は曲げられた場合でも剥離しにく
く、接着性及び防水性等に優れている。
【0023】請求項4の発明では、絶縁部材に埋設され
た検出電極の端部が、絶縁部材の接合端面より露出して
いるので、検出電極を有する絶縁部材の製造が簡易化さ
れる。つまり、本発明では、検出電極の(露出部分とな
る)端部を金型に固定し、それ以外を絶縁部材で覆う様
にモールドすることによって、1回のモールドで検出電
極を有する絶縁部材を製造できるので、その製造が簡易
化されるという効果がある。また、1回のモールドで済
むのであるから、そのモールドに対応した単一の形状の
金型だけで済み、金型自体の構造も簡易化される。
【0024】請求項5の発明では、検出電極の端部及び
リード線を覆う様に他の絶縁部材が接合されるので、検
出電極の端部及びリード線の絶縁作業と二次電圧検出器
の形成作業とを同時に行なうことができ、作業性が向上
する。また、単に検出電極のモールドを行なうだけでよ
いので、モールド用の金型の構造が簡易化されるという
利点がある。
【0025】請求項6の発明では、検出電極の端部及び
リード線の周囲にゴム糊が塗布されて接合一体化される
ので、接合強度及び密着性(防水性)に優れている。つ
まり、本発明の様に、ゴム糊を用いる場合には、その素
材は密着性を優先に考えて採用できるため、金属や樹脂
等との接合の強固なものが選べ、それによって、接合強
度及び密着性(防水性)が向上するという効果がある。
【0026】請求項7の発明では、検出電極として、ハ
イテンションコードの軸方向に沿ってその周囲の一部を
覆う様に、板状部材を断面略U字状に曲げた形状の検出
電極を採用するので、略円筒状の検出電極と同じ程度の
結合容量が得られ、よって、精密な二次電圧波形の検出
を行なうことができる。
【0027】請求項8の発明では、絶縁部材として、筒
状体を軸方向に2分割した形状の第1絶縁部材と第2絶
縁部材とを採用できるので、この両絶縁部材でハイテン
ショーンコードを両側から挟む様にして接合一体化して
筒状部を形成すればよく、二次電圧検出器の製造及びそ
の配置が極めて簡易化される。
【0028】請求項9の発明では、シールド部材とし
て、略筒状体を軸方向に2分割した形状の金属製の第1
シールド部材と第2シールド部材とが筒状に接続された
シールドケースを採用できるので、シールド性、作業
性、耐久性等の点で好適である。請求項10の発明で
は、検出電極を埋設した絶縁部材と他の絶縁部材とをハ
イテンションコードに外嵌するとともに、検出電極の露
出部分及びリード線の接続部分を覆う様に両絶縁部材を
接着剤で接合して筒状部を形成し、更にこの筒状部にシ
ールド部材を外嵌してガソリン機関の二次電圧検出器を
製造するので、上述した様に、製造工程や金型が簡易化
されるだけでなく、製造される製品の防水性も向上する
ことになる。
【0029】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。尚、図1は本実施例の二次電圧検出器がハイテ
ンションコードに装着された状態を示し、図2は二次電
圧検出器の断面を示し、図3は二次電圧検出器を分解し
て示している。
【0030】図1に示す様に、ガソリン機関に用いられ
るハイテンションコード1は、コード本体3の両端にプ
ラグキャップ5とコイルキャップ7とが設けられたもの
であり、このコード本体3の1本1本に対し、各々の周
囲を覆う様に本実施例の二次電圧検出器9が装着されて
いる。
【0031】本実施例の二次電圧検出器9は、図2及び
図3に示す様に、ハイテンションコード1のコード本体
3に、ゴム製の第1絶縁部材23及び第2絶縁部材25
が外嵌されて筒状部27が形成され、この筒状部27
に、金属製の第1シールド部材29及び第2シールド部
材31が外嵌されてシールドケース33が形成されたも
のである。そして、前記第1絶縁部材23の検出電極3
5には、同軸のリード線13a,13bからなるシール
ド電線13が接続され、シールドケース33には、アー
ス線15が接続されている。
【0032】また、図1に示す様に、二次電圧検出器9
の周囲には、例えばエチレンプロピレンゴム(EPD
M)からなる発泡チューブ11が外嵌され、前記シール
ド電線13は、識別チューブ17を介して後述する二次
電圧波形検出回路等に接続されるコンタクト19に接続
され、前記アース線15は、アース端子21に接続され
ている。
【0033】以下、各構成について詳細に説明する。図
2及び図3に示す様に、前記第1絶縁部材23及び第2
絶縁部材25は、各々筒状体が軸方向に2つに分割され
たほぼ同一形状をしている。即ち、両絶縁部材23,2
5は、コード本体3に外嵌される中心溝23a,25a
を有する(軸方向と垂直の)断面が略U字状の部材であ
る。従って、この両絶縁部材23,24同士を、互いの
中心溝23a,25aを中心にして向かい合わせてコー
ド本体3に外嵌し、互いの平らな接合端面23b,25
b同士を合わせる様にして接合することにより、略円筒
形の筒状部27が形成される。尚、この各絶縁部材2
3,25の外表面には多段状の凸部が形成されているの
で、両絶縁部材23,25を一体に接合した場合には、
筒状部27の外径は場所によって異なる。
【0034】前記第1絶縁部材23には、(軸方向と垂
直の)断面が略U字状の検出電極35が埋設されてい
る。つまり、第1絶縁部材23のU字形状に合わせて、
その中心溝23aに沿って配置される様に、検出電極3
5となる金属板が略U字状に曲げられて埋設されてい
る。この検出電極35は、その左右両端が第1絶縁部材
23の接合端面23bから露出している。一方、第2絶
縁部材25には電極は埋設されておらず、第2絶縁部材
25の接合端面25b側には、前記検出電極35の露出
部分及び(内側の)リード線13aを収容して覆う様
に、僅かな内部空間37が設けられている。
【0035】前記第1シールド部材29及び第2シール
ド部材31は、各々前記第1絶縁部材23及び第2絶縁
部材25の外側形状に応じて、略筒状体をその軸方向に
2つに分割した様な形状に成形されるとともに、その左
右の端部から外側に略垂直に突出する板状部29a,3
1aが設けられており、更に板状部29a,31aから
内側に向かって垂直に接続用のつめ29b,31bが複
数突出して形成されている。従って、両シールド部材2
9,31を両絶縁部材23,25に外嵌し、つめ29
b,31bを板状部29a,31a側に折曲げることに
よって、シールドケース33が形成される。
【0036】前記シールド電線13のうち、内側のリー
ド線13aの先端には端子13a1が取り付けられてお
り、この端子13a1におけるスポット溶接により、リ
ード線13aは前記第1絶縁部材23に埋設された検出
電極35の露出部分に接続されている。一方、外側のリ
ード線13bの先端にも端子13b1が取り付けられて
おり、この端子13b1におけるスポット溶接により、
リード線13bは前記第2シールド部材31の板状部3
1aに接続されている。更に、前記アース線15の先端
にも端子15aが取り付けられており、この端子15a
におけるスポット溶接により、アース線15は前記第1
シールド部材29のつめ29aに接続されている。
【0037】そして、上述した構成の二次電圧検出器9
は、図4に示す様な周知の電気的構成を有する点火回路
に対する二次電圧検出装置のセンサ部分として使用され
る。つまり、ディストリビュータDと、点火コイルT
と、スパークプラグPとを備えた点火回路に対して、二
次電圧検出装置は、二次電圧検出器9と、アースとの間
に接続したコンデンサCと、コンデンサCと並列に配置
された抵抗Rと、二次電圧波形検出回路K1と、マイク
ロコンピュータなどの判別回路K2とを備え、この二次
電圧検出装置にて、点火における二次電圧波形を検出
し、失火の有無等の判定を行なう。
【0038】次に、本実施例の二次電圧検出器の製造方
法について、図5及び図6を参照して説明する。 まず、図5(a)に示す様に、ステンレスからなる金
属板を略U字状に曲げて、検出電極35を作成する。
尚、この検出電極35には、その形状の維持と強度のア
ップとモールド性の向上とのために、曲げ方向に凸部3
5aを形成しておく。
【0039】次に、図5(b)に示す様に、検出電極
35の一端を図示しないモールド金型に固定したた状態
で、モールドマシンにセットし、エチレンプロピレンゴ
ムからなるゴム原料を用いて、ゴムモールドを行なう。
これによって、一回のモールドによって、検出電極35
の両端のみ露出した状態で検出電極35の大部分が埋設
された第1絶縁部材23が形成される。
【0040】次に、図5(c)に示す様に、検出電極
35の一方の露出部分の外側に、内側のリード線13a
の端子13a1を、スポット溶接により接続する(図の
×印部分)。 次に、図5(d)に示す様に、第1絶縁部材23の中
心溝23aに、ゴム糊を塗布し、ハイテンションコード
1のコード本体3を嵌め込む。
【0041】次に、図6(a)に示す様に、コード本
体3の上面、第1絶縁部材23の接合端面23b及びリ
ード線13aの接続部分等に、ゴム糊を塗布し、コード
本体3を挟む様にして、第1絶縁部材23と(第1絶縁
部材23とほぼ同様な形状の)第2絶縁部材25とを接
合し、筒状部27を形成する。
【0042】次に、図6(b)に示す様に、筒状部2
7の両側から第1シールド部材29及び第2シールド部
材31を外嵌し、つめ29b,31bを相手の板状部2
9a,31a側に折って、第1シールド部材29と第2
シールド部材31とを接続してシールドケース33を作
成する。
【0043】次に、図6(c)に示す様に、図の左側
の(第2シールド部材31の)板状部31aの上面に、
外側のリード線13bの端子13b1をスポット溶接す
る。 次に、図6(d)に示す様に、図の右側の(第1シー
ルド部材29の)折曲げたつめ29bの上面に、アース
線15の端子15aをスポット溶接する。これによっ
て、二次電圧検出器9を完成する。
【0044】この様に、本実施例では、ゴムモールドの
段階では検出電極35の一部を露出した状態で残して第
1絶縁部材23を作成し、その後検出電極35の露出部
分にリード線15aを接合し、次いで第1絶縁部材23
と第2絶縁部材25とをハイテンションコード1に外嵌
する際に、ゴム糊によって露出部分が埋設される様に両
絶縁部材23,25を接合したので、モールドの工程は
1工程で済むという効果があり、しかも、モールド金型
の構造も簡単化されるという利点もある。
【0045】また、検出電極35の形状を略U字状と
し、その検出電極35を埋設した第1絶縁部材23と、
検出電極35を埋設しない第2絶縁部材25とを用い、
ハイテンションコード1を挟み込むことによって筒状部
27を形成するので、二次電圧検出器9を製造する工程
とハイテンションコード1を製造する工程とを別工程と
することができる。つまり、ハイテンションコード1を
製造する工程の中に、二次電圧検出器9を製造する工程
を含む新しいラインを新設することなく、独立のライン
で作業できるので、初期の設備投資が軽減される上に、
作業性が向上するという顕著な効果を奏する。
【0046】更に、ゴムモールドした後の検出電極35
の露出部分にリード線13aを接続し、両絶縁部材2
3,25の接合の際には、検出電極35の露出部分やリ
ード線13aの接続部分を覆うように常温で硬化するゴ
ム糊を塗布して接合したので、十分な気密性(防水性)
を確保できるという効果がある。
【0047】また、筒状部27の外周には凸状の部分が
形成されているので、各シールド部材29,31を外嵌
してつめ29b,31bを折り曲げるだけで、シールド
ケース33をずれることなく装着できるという効果があ
る。更に、二次電圧検出器9を覆って発泡チューブ11
が取り付けてあるので、振動によって周りの部材に傷が
つかないという利点や、二次電圧検出器9の周りからの
熱の遮断ができるという利点がある。
【0048】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる
態様で実施し得ることは勿論である。例えば、リード線
と絶縁部材との間の気密性を確保するにおいて、ゴム糊
を用いるほか、第2絶縁部材のリード線との接触部分に
コルゲーション加工を施すことも有用である。
【0049】また、リード線にOリングを嵌合させたも
のを用い、第2絶縁部材にOリング溝を形成しておいて
互いに嵌合する構成とすることで、一層気密性を向上で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例のガソリン機関の二次電圧検出器を
ハイテンションコードに装着した状態を示す説明図であ
る。
【図2】 二次電圧検出器をハイテンションコードに装
着した状態を一部破断して示す平面図である。
【図3】 二次電圧検出器を分解して示す斜視図であ
る。
【図4】 ガソリン機関の点火回路及び二次電圧検出器
の回路の構成を示す回路図である。
【図5】 二次電圧検出器の製造方法を示す説明図であ
る。
【図6】 二次電圧検出器の製造方法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…ハイテンションコード 3…コード本体 13a,13b…リード線 23…第1絶縁部
材 25…第2絶縁部材 27…筒状部 29…第1シールド部材 31…第2シール
ド部材 33…シールドケース 35…検出電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02P 15/00 302 A G01M 15/00 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパークプラグに二次電圧を供給するハ
    イテンションコードに装着され、該ハイテンションコー
    ドとの間に静電容量を形成して二次電圧波形を検出する
    ガソリン機関の二次電圧検出器において、 複数の絶縁部材が前記1本のハイテンションコードを挟
    む様に配置されて接合一体化された筒状部と、 前記複数の絶縁部材のうち少なくとも1つの絶縁部材に
    埋設された前記検出電極と、 前記筒状部の周囲に配置されて電気的なシールドを行な
    うシールド部材と、 を備えたことを特徴とするガソリン機関の二次電圧検出
    器。
  2. 【請求項2】 前記絶縁部材の材料として、ゴム等の弾
    力のある材料を使用することを特徴とする前記請求項1
    記載のガソリン機関の二次電圧検出器。
  3. 【請求項3】 前記複数の絶縁部材同士が、ゴム糊にて
    接合一体化されたことを特徴とする前記請求項1又は2
    記載のガソリン機関の二次電圧検出器。
  4. 【請求項4】 前記絶縁部材に埋設された検出電極の端
    部が、該絶縁部材の接合端面より露出していることを特
    徴とする前記請求項1〜3のいずれか記載のガソリン機
    関の二次電圧検出器。
  5. 【請求項5】 前記絶縁部材の接合端面より露出した検
    出電極の端部にリード線が接続されるとともに、該検出
    電極の端部及びリード線を覆う様に他の絶縁部材が接合
    されたことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか記
    載のガソリン機関の二次電圧検出器。
  6. 【請求項6】 前記検出電極の端部及びリード線の周囲
    にゴム糊が塗布されて接合一体化されたことを特徴とす
    る前記請求項5記載のガソリン機関の二次電圧検出器。
  7. 【請求項7】 前記検出電極が、前記ハイテンションコ
    ードの軸方向に沿ってその周囲の一部を覆う様に、板状
    部材を断面略U字状に曲げた形状であることを特徴とす
    る前記請求項1〜6のいずれか記載のガソリン機関の二
    次電圧検出器。
  8. 【請求項8】 前記絶縁部材が、筒状体を軸方向に2分
    割した形状の第1絶縁部材と第2絶縁部材とからなるこ
    とを特徴とする前記請求項1〜7のいずれか記載のガソ
    リン機関の二次電圧検出器。
  9. 【請求項9】 前記シールド部材が、金属製の略筒状体
    を軸方向に2分割した形状の第1シールド部材と第2シ
    ールド部材とからなるとともに、該第1シールド部材と
    第2シールド部材とが筒状に接続されたシールドケース
    であることを特徴とする前記請求項1〜8のいずれか記
    載のガソリン機関の二次電圧検出器。
  10. 【請求項10】 前記請求項1〜9のいずれか記載のガ
    ソリン機関の二次電圧検出器の製造方法であって、 検出電極を一部露出した状態で埋設して一方の絶縁部材
    を形成した後に、前記検出電極の露出部分にリード線を
    接続し、次いでハイテンションコードに前記一方の絶縁
    部材と他方の絶縁部材とを外嵌するとともに、前記検出
    電極の露出部分及びリード線の接続部分を覆う様に前記
    両絶縁部材を接着剤で接合して筒状部を形成し、更に該
    筒状部にシールド部材を外嵌することを特徴とするガソ
    リン機関の二次電圧検出器の製造方法。
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