JPH08127967A - 改質蛋白質繊維又はその繊維製品及びそれらの製造方法 - Google Patents
改質蛋白質繊維又はその繊維製品及びそれらの製造方法Info
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- JPH08127967A JPH08127967A JP28611894A JP28611894A JPH08127967A JP H08127967 A JPH08127967 A JP H08127967A JP 28611894 A JP28611894 A JP 28611894A JP 28611894 A JP28611894 A JP 28611894A JP H08127967 A JPH08127967 A JP H08127967A
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Abstract
率、耐熱安定性等が改善され、かつグラフト重合時にお
ける蛋白質繊維が有する微細構造の劣化が抑制された改
質蛋白質繊維又はその繊維製品を提供する。 【構成】 蛋白質繊維又はその繊維製品に下記一般式で
表される(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合す
る。 CH2=C(R)COO(CH2)nOH (但し、式中、RはH又はCH3、nは4〜10の整数
を示す)
Description
又はその繊維製品及びそれらの製造方法に関する。
18種類にも及ぶアミノ酸から構成され、その一次並び
に高次構造は、複雑な様相を呈しており、単純なモノマ
ーの繰り返しで構成されている合成有機高分子とは、こ
の点で大きく異なるものである。更に天然蛋白質分子
は、結晶部分と非晶部分とがほどよく連なって配列した
構造をとっており、非晶部分には分子鎖が長く極性の強
いアミノ酸残基が多く含まれるため優れた風合い、感
触、吸湿性、染色性が発現するという天然蛋白質繊維特
有の特徴を有している。しかしながら、一方では、柔軟
性、耐摩耗性等の実用機能上の問題も有している。
ため、従来より蛋白質繊維にビニルモノマーをグラフト
重合して改質する方法が種々提案されている。例えば、
絹糸又はその製品に2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トをグラフト重合することにより、絹本来の特性を保持
させながら、絹糸又はその製品の機械的特性を向上させ
ることが特公昭46−28684号公報にて提案されて
いる。
ラフト重合する場合、グラフト率が低い領域では、絹糸
やその製品がしなやかになる等の柔軟効果を奏するもの
の、グラフト率が増すと、吸湿率の低下は起こり難い
が、グラフト率がおよそ35%以上になると、フリーの
2−ヒドロキシエチルメタクリレートポリマーが絹糸表
面に付着し始めるため、柔軟さが失われて硬くなり、風
合いが低下したり、微細構造が破壊されるという問題を
有している。
る方法も従来より知られているが、メタクリル酸アミド
を用いる場合、グラフト率が高くなると、絹フィブロイ
ンの分子配向が乱れる等の絹糸の微細構造の破壊が生じ
易くなるという問題を有する。
マーを蛋白質繊維又はその繊維製品にグラフト重合させ
ることにより、蛋白質繊維又はその繊維製品の柔軟度、
吸湿率、耐熱安定性等が改善され、かつグラフト重合時
における蛋白質繊維が有する微細構造の劣化が抑制され
た改質蛋白質繊維又はその繊維製品を提供することにあ
る。
はその繊維製品に下記一般式で表される(メタ)アクリ
ル酸エステルがグラフト重合された改質蛋白質繊維又は
その繊維製品、 CH2=C(R)COO(CH2)nOH (但し、式中、RはH又はCH3、nは4〜10の整数
を示す)
一般式で表される(メタ)アクリル酸エステルをグラフ
ト重合反応させることを特徴とする改質蛋白質繊維又は
その繊維製品の製造方法にある。 CH2=C(R)COO(CH2)nOH (但し、式中、RはH又はCH3、nは4〜10の整数
を示す)
絹糸、柞蚕、天蚕、エリ蚕、ムガ蚕等由来の野蚕絹糸、
羊毛繊維等が挙げられ、その繊維製品としては、これら
蛋白質繊維からなる織物、編物等任意の形態のものが挙
げられる。
においては、蛋白質繊維又はその繊維製品に上記一般式
で表される(メタ)アクリル酸エステルがグラフト重合
されており、蛋白質繊維又はその繊維製品は、かかる特
定モノマーのグラフト重合により改質されている。
一般式で表される(メタ)アクリル酸エステルとして
は、一般式の但し書に記載のとおり、nが4〜10のモ
ノマーであり、具体的には、4−ヒドロキシブチルアク
リレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−
ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペン
チルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレ
ート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、7−ヒ
ドロキシヘプチルアクリレート、7−ヒドロキシヘプチ
ルメタクリレート、8−ヒドロキシオクチルアクリレー
ト、8−ヒドロキシオクチルメタクリレート、9−ヒド
ロキシノニルアクリレート、9−ヒドロキシノニルメタ
クリレート、10−ヒドロキシデシルアクリレート及び
10−ヒドロキシデシルメタクリレートが挙げられ、こ
れら(メタ)アクリル酸エステルは、一つ又は二つ以上
の組み合わせであってもよい。
リル酸エステルに2−ヒドロキシエチルメタクリレート
が併用されてグラフト重合されていてもよく、特に4−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートは、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレートにその分子構造が近似してい
るため、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートに
2−ヒドロキシエチルメタクリレートが併用されてグラ
フト重合されるときは、良好なグラフト率及びグラフト
効率が得られると共に、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レートが単独グラフト重合されたときの高グラフト領域
での改質絹糸の柔軟性消失による風合い低下が防止され
る。
トに2−ヒドロキシエチルメタクリレートを併用したグ
ラフト重合においては、特に、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートが、4−ヒドロキシブチルアクリレート及
び又は4−ヒドロキシブチルメタクリレート/2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート=20/80〜30/70
の組成比(重量)で、併用されてグラフト重合されるこ
とが、絹糸の風合い低下防止効果が最も発揮される上で
好ましい。
ステルの量は、グラフト率で示されるが、グラフト率
は、目的とする改質度合、繊維製品等繊維の形態により
異なるが、低グラフト率から高グラフト率に至るまで任
意に設定される。
は、以下のような方法で製造することができる。即ち、
蛋白質繊維又はその繊維製品に前記一般式で表される
(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合反応させる
ことにより本発明の改質蛋白質繊維又はその繊維製品が
製造されるが、より詳しく説明すると、前記一般式で表
される(メタ)アクリル酸エステルを界面活性剤を用い
て水に分散させて加工液(グラフト加工溶液)とし、こ
の加工液に蛋白質繊維又はその繊維製品を浸漬し、重合
開始剤の存在下でグラフト重合反応させる。
に用いる前記一般式で表される(メタ)アクリル酸エス
テルとしては、具体的には、4−ヒドロキシブチルアク
リレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−
ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペン
チルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレ
ート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、7−ヒ
ドロキシヘプチルアクリレート、7−ヒドロキシヘプチ
ルメタクリレート、8−ヒドロキシオクチルアクリレー
ト、8−ヒドロキシオクチルメタクリレート、9−ヒド
ロキシノニルアクリレート、9−ヒドロキシノニルメタ
クリレート、10−ヒドロキシデシルアクリレート及び
10−ヒドロキシデシルメタクリレートが挙げられ、こ
れら(メタ)アクリル酸エステルは、一つ又は二つ以上
を組み合わせて用いてもよい。
式で表される(メタ)アクリル酸エステルとして、4−
ヒドロキシブチルアクリレート及び又は4−ヒドロキシ
ブチルメタクリレートを用いることが好ましく、又、
(メタ)アクリル酸エステルに2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートを併用してもよく、特に4−ヒドロキシブ
チルアクリレート及び又は4−ヒドロキシブチルメタク
リレートに2−ヒドロキシエチルメタクリレートを併用
する場合は、4−ヒドロキシブチルアクリレート及び又
は4−ヒドロキシブチルメタクリレート/2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート=20/80〜30/70の組
成比(重量)で併用することが好ましい。
エステルは、水に分散させて加工液が調整されるが、
(メタ)アクリル酸エステルの使用量は、(メタ)アク
リル酸エステルの種類、所望される改質度合等により異
なるが、15%owf(対繊維重量の略)以上とする。
剤としては、例えばノイゲンHC(第一工業製薬(株)
製、商品名)のような非イオン界面活性剤やニューカル
ゲン1515−2H(竹本油脂(株)製、商品名)のよ
うな非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤の混合界
面活性剤等が挙げられる。
としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム等が挙げられ、特に過硫酸アンモ
ニウムが好ましく用いられ、重合開始剤は、加工液に添
加される。
マーの重合における使用量で十分であり、例えば前記一
般式の(メタ)アクリル酸エステルとして4−ヒドロキ
シブチルアクリレートを40%owf用いた場合、重合
開始剤として過硫酸アンモニウムを用いるとき、過硫酸
アンモニウムの使用量は、4−ヒドロキシブチルアクリ
レートと蛋白質繊維又はその繊維製品との合計重量に対
し0.5〜3重量%程度であることが好ましい。
H3前後に調整することは、グラフト重合反応を安定し
て行わせ、グラフト効果、特にグラフト効率を向上させ
ることから好ましいことであり、pH調整は、硫酸、蟻
酸、塩酸等の酸、好ましくは蟻酸の添加により行う。
より、蛋白質繊維又はその繊維製品重量に対しての加工
液重量比、即ち浴比を、好ましくは1:10〜1:2
0、より好ましくは1:15とする。
又はその繊維製品を浸漬し、加工液を室温から10〜2
0分かけて75〜80℃に昇温し、75〜80℃で30
分〜1時間保持して行う。グラフト重合反応後、反応さ
せた蛋白質繊維又はその繊維製品を洗浄し、乾燥して本
発明の改質蛋白質繊維又はその繊維製品を得る。
る。なお、実施例中の測定値は、下記の方法により求め
た。 グラフト率及びグラフト効率:下式により求めた。 グラフト率(%)=(B−A)/A×100 グラフト効率(%)=(B−A)/C×100 但し、Aはグラフト重合前の試料の重量、Bはグラフト
重合後の試料の重量、Cはグラフト重合に使用のモノマ
ーの重量、各試料重量は105℃で2時間乾燥後に測定
機(オートグラフ、型式AGS−5D)を用い、試料長
50mm、引張速度10mm/分、チャートフルスケー
ル250gにより測定した。なお、繊度(d)、強度
(g)は、絹糸の繊度、切断強度を、強度(g/d)、
伸度(%)は、絹糸のデニール当たりの切断強度、伸度
をそれぞれ示す。
顕微鏡を用い、ベッケ法により試料の繊維方向の屈折率
(nI)と繊維軸に対して直角方向の屈折率(nII)
を測定し、両屈折率の差(nI−nII)を複屈折率
(Δn)とし、(nI+2nII)/3で算出される値
を平均屈折率(nA)とした。
(株)製示差走査熱量測定装置(DSC−10A)を用
い、試料重量2.2mg、DSC感度2.5mcal/
s、昇温速度10℃/分で行った。この測定において2
00℃以上に現れる吸熱ピーク温度を試料の熱分解温度
とした。
精機製作所製レオログラフ・ソリッドSタイプを用い、
昇温速度2℃/分、測定温度範囲−45〜260℃、初
期張力30g、試料長10mmで、動的粘弾性実験によ
り測定した。
に試料を1週間放置して吸湿量が平衡状態となったもの
の重量を計測し、この試料の105℃で2時間乾燥後の
重量との差より吸湿率(%)を測定した。グラフト重合
された試料のポリマーを含む状態での見かけ吸湿率、グ
ラフト重合された試料よりポリマー重量分を除いて換算
した繊維部分のみでの吸湿率を、それぞれ求めた。
カンチレバー法により、2cm×15cmのサイズの試
料片を水平に繰り出し45°の傾斜面に達するまでの繰
り出し長さを測定した。測定は、試料の織物より緯糸方
向に5枚ずつサンプリングし、表側及び裏側より測定
し、平均値をmm単位で示した。数値は、大きい程硬
く、小さい程柔らかいことを表す。
とで押さえ軽く力を加え往復摩擦して糸表面のしなやか
さ、滑らかさの表面状態の官能評価を行い、評価結果を
次の評価レベルで示した。 −− 精練絹糸より劣る − 精練絹糸よりやや劣る ± 精練絹糸と同じである + 精練絹糸よりやや優れる ++ 精練絹糸より優れる +++ 精練絹糸よりある程度優れる ++++ 精練絹糸よりかなり優れる
意味する。 4HBA :4−ヒドロキシブチルアクリレート 4HBMA :4−ヒドロキシブチルメタクリレート 6HHA :6−ヒドロキシヘキシルアクリレート 6HHMA :6−ヒドロキシヘキシルメタクリレー
ト 10HDMA :10−ヒドロキシデシルメタクリレー
ト HEMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレート MAAm :メタクリル酸アミド
蚕絹糸を用い、グラフト重合用モノマーとして4HBA
を用い、4HBAを表1に示すような濃度で、蟻酸2m
l/l、ノイゲンHC(第一工業製薬(株)製非イオン
界面活性剤、商品名)0.2ml/l、過硫酸アンモニ
ウム1.2重量%(対家蚕絹糸、4HBA合計重量)、
pH3.1、浴比1:15の加工液に浸漬し、液温を2
0℃から80℃に20分かけて昇温し、80℃で1時間
保持してグラフト重合反応を行った。
処理した家蚕絹糸を取り出し、1g/l濃度のノイゲン
HC水溶液で80℃で20分洗浄し、湯洗い、水洗し
た。処理した家蚕絹糸は、仕上がりが良好で、着色がな
く、ハイドロサルファイト等により還元洗浄する必要も
なかった。
℃、65%RHの雰囲気下で1週間放置し吸湿量を平衡
状態とした後、そのグラフト率及びグラフト効率を測定
し、又、繊維物性、屈折率、熱分解温度(吸熱ピーク温
度)及び吸湿率を測定し、それぞれの結果を表1に示し
た。
家蚕絹糸は、その強度及び伸度の低下が生ずるものの、
実用上なんら問題のないものであり、又、絹フィブロイ
ン分子の配向程度の尺度となる複屈折率Δnに大きな変
化がなく、構造破壊があまり生じていないことが判る。
は、グラフト率が増加するに従い高温側に移行し、熱分
解に対する耐熱性が向上することが判る。これは絹フィ
ブロイン分子と4HBAグラフトポリマーとの分子凝集
性が向上し耐熱性が増加することを意味する。グラフト
重合処理した家蚕絹糸のE″ピーク温度は、グラフト率
が増加するに従い低下するものの、その低下の度合いは
極めて少ないものであった。又、グラフト重合処理家蚕
絹糸の吸湿率は、未処理家蚕絹糸より低下はするが、満
足すべき吸湿性を維持していた。
用いたと同じ家蚕絹糸、柞蚕絹糸及び羊毛繊維を用い、
グラフト重合用モノマーとして4HBAを用い、4HB
A40%owf、蟻酸2ml/l、ニューカルゲン15
15−2H(竹本油脂(株)製非イオン界面活性剤/ア
ニオン界面活性剤の混合界面活性剤)12重量%、過硫
酸アンモニウム1.8重量%(対蛋白質繊維、4HBA
合計重量)、pH3.1、浴比1:15の加工液を用い
た以外は、実施例1と同様にして、グラフト重合反応及
び洗浄を行った。
施例1と同様に平衡状態に調湿した後、グラフト重合処
理蛋白質繊維のグラフト率及びグラフト効率を測定し、
それぞれの結果を表2に示した。
ナトリウム及び炭酸ナトリウムをそれぞれ3g/l、石
鹸2g/l、エチレンジアミン四酢酸、モノゲン78
(第一工業製薬(株)製アニオン界面活性剤及び二酸化
チオ尿素をそれぞれ0.5g/l含む水溶液で、浴比
1:50、温度98〜100℃、時間60分で処理し、
柞蚕繭糸を覆うセリシンを除去して得た。又、羊毛繊維
は、管状洗毛装置で洗浄したオーストラリア産メリノ種
繊維(48番手双糸)をベンゼン/エタノールの等量混
合溶液で9時間ソックスレー抽出したものを用いた。
された家蚕絹糸、柞蚕絹糸及び羊毛繊維は、81%、8
0%及び69%とそれぞれ高いグラフト効率でグラフト
重合されていた。
重合用モノマーとして4HBAに代えて4HBMAを用
い、表3に示すような濃度に変更した以外は、実施例2
と同様にして、各蛋白質繊維にグラフト重合処理及び洗
浄を行った。得られたグラフト重合処理蛋白質繊維を調
湿した後、グラフト重合処理蛋白質繊維のグラフト率及
びグラフト効率を測定し、それぞれの結果を表3に示し
た。
重合用モノマーとして4HBAに代えて6HHA、6H
HMA及び10HDMAを用い、それぞれ40%owf
及び60%owfの濃度とした以外は、実施例2と同様
にして、各蛋白質繊維にグラフト重合処理及び洗浄を行
った。得られたグラフト重合処理蛋白質繊維を調湿した
後、グラフト重合処理蛋白質繊維のグラフト率及びグラ
フト効率を測定し、それぞれの結果を表4及び表5に示
した。
質繊維として実施例1で用いたと同じ家蚕絹糸を用い、
グラフト重合用モノマーとして4HBAに代えてHEM
A及びMAAmをそれぞれ単独に用いた以外は、実施例
2と同様にして、グラフト重合反応及び洗浄を行った。
得られたグラフト重合処理家蚕絹糸を調湿した後、グラ
フト重合処理家蚕絹糸のグラフト率及び屈折率を測定
し、それぞれの結果を表6に示した。
Amでグラフト重合処理した家蚕絹糸の複屈折率Δn
は、4HBAでグラフト重合処理したそれぞれほぼ同じ
グラフト率の家蚕絹糸より小さな値となり、HEMAや
MAAmのグラフト重合反応においては、構造破壊が、
4HBAのグラフト重合反応に比べ、より進行している
ことが明かである。
維として実施例2で用いたと同じ柞蚕絹糸及び羊毛繊維
を用い、グラフト重合用モノマーとして4HBAを用い
表7及び表8に示すようなグラフト率とした以外は、実
施例1と同様にして、グラフト重合反応及び洗浄を行っ
た。得られたグラフト重合処理蛋白質繊維を調湿した
後、グラフト重合処理蛋白質繊維のグラフト率及び吸湿
率を測定し、それぞれの結果を表7及び表8に示した。
ト重合処理した柞蚕絹糸は、グラフト率の増加と共に見
かけ吸湿率が低下する傾向を示すものの、その低下度は
穏やかであった。又、表8から明かなように、4HBA
でグラフト重合処理した羊毛繊維は、グラフト率の増加
と共に見かけ吸湿率が低下する傾向を示すが、その低下
度は極めて穏やかであった。
(日本規格協会製品、JIS L0803準拠)の14
目付の家蚕絹織物を用い、表9に示すようなグラフト重
合用モノマーを用い、モノマー濃度を変更した以外は、
実施例1と同様にして、グラフト重合反応及び洗浄を行
った。得られたグラフト重合処理家蚕絹織物を調湿した
後、グラフト重合処理家蚕絹織物のグラフト率、グラフ
ト効率並びに剛軟度を測定し、それぞれの結果を表9に
示した。
重合用モノマーとして4HBAに代えて4HBAとHE
MAを表10に示すような組成比(重量)で用い、モノ
マー濃度を60%owfとし、過硫酸アンモニウム量を
1.8重量%(対家蚕絹糸、モノマー合計重量)に変更
した以外は、実施例1と同様にして、家蚕絹糸にグラフ
ト重合処理及び洗浄を行った。得られたグラフト重合処
理家蚕絹糸を調湿した後、グラフト重合処理家蚕絹糸の
グラフト率及びグラフト効率を測定し、又、表面状態の
官能評価を行い、それぞれの結果を表10に示した。
重合用モノマーとして4HBAに代えて4HBMAとH
EMAを表11に示すような組成比(重量)で用い、モ
ノマー濃度を60%owfとし、過硫酸アンモニウム量
を1.8重量%(対家蚕絹糸、モノマー合計重量)に変
更した以外は、実施例1と同様にして、家蚕絹糸にグラ
フト重合処理及び洗浄を行った。得られたグラフト重合
処理家蚕絹糸を調湿した後、グラフト重合処理家蚕絹糸
のグラフト率及びグラフト効率を測定し、又、表面状態
の官能評価を行い、それぞれの結果を表11に示した。
重合用モノマーとして4HBAに代えて4HBMAとH
EMAを表12に示すような組成比(重量)で用い、モ
ノマー濃度を100%owfとし、過硫酸アンモニウム
量を1.8重量%(対家蚕絹糸、モノマー合計重量)に
変更した以外は、実施例1と同様にして、家蚕絹糸にグ
ラフト重合処理及び洗浄を行った。得られたグラフト重
合処理家蚕絹糸を調湿した後、グラフト重合処理家蚕絹
糸のグラフト率及びグラフト効率を測定し、又、表面状
態の官能評価を行い、それぞれの結果を表12に示し
た。
シブチルアクリレート又は4−ヒドロキシブチルメタク
リレートである改質蛋白質繊維又はその繊維製品。 (2) 2−ヒドロキシエチルメタクリレートが併用さ
れてグラフト重合された改質蛋白質繊維又はその繊維製
品。 (3) 2−ヒドロキシエチルメタクリレートが、4−
ヒドロキシブチルアクリレート及び又は4−ヒドロキシ
ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート=20/80〜30/70の組成比(重量)で、
併用されてグラフト重合された改質蛋白質繊維又はその
繊維製品。
て、4−ヒドロキシブチルアクリレート及び又は4−ヒ
ドロキシブチルメタクリレートを用いる改質蛋白質繊維
又はその繊維製品の製造方法。 (5) 2−ヒドロキシエチルメタクリレートを併用し
グラフト重合反応させる改質蛋白質繊維又はその繊維製
品の製造方法。 (6) 2−ヒドロキシエチルメタクリレートを、4−
ヒドロキシブチルアクリレート及び又は4−ヒドロキシ
ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート=20/80〜30/70の組成比(重量)で、
併用しグラフト重合反応させる改質蛋白質繊維又はその
繊維製品の製造方法。
品は、化学的に活性な特定の(メタ)アクリル酸エステ
ルがグラフト重合されていることから、蛋白質繊維本来
の風合いを損なうことなく、柔軟性、吸湿性、耐熱安定
性等の性能が改善され、且つ、本発明によれば、グラフ
ト重合時における蛋白質繊維の微細構造の破壊による劣
化が抑制され、未改質の蛋白質繊維が有する機械的な繊
維物性の低下が少ない改質蛋白質繊維又はその繊維製品
を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 蛋白質繊維又はその繊維製品に下記一般
式で表される(メタ)アクリル酸エステルがグラフト重
合された改質蛋白質繊維又はその繊維製品。 CH2=C(R)COO(CH2)nOH (但し、式中、RはH又はCH3、nは4〜10の整数
を示す) - 【請求項2】 蛋白質繊維又はその繊維製品に下記一般
式で表される(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重
合反応させることを特徴とする改質蛋白質繊維又はその
繊維製品の製造方法。 CH2=C(R)COO(CH2)nOH (但し、式中、RはH又はCH3、nは4〜10の整数
を示す)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28611894A JP3167555B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 改質蛋白質繊維又はその繊維製品及びそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28611894A JP3167555B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 改質蛋白質繊維又はその繊維製品及びそれらの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08127967A true JPH08127967A (ja) | 1996-05-21 |
JP3167555B2 JP3167555B2 (ja) | 2001-05-21 |
Family
ID=17700172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28611894A Expired - Lifetime JP3167555B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 改質蛋白質繊維又はその繊維製品及びそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3167555B2 (ja) |
Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
CN104005113A (zh) * | 2014-05-04 | 2014-08-27 | 广东都市丽人实业有限公司 | 蚕蛹蛋白复合纤维的制备方法、蚕蛹蛋白复合纤维及应用 |
CN113514493A (zh) * | 2021-07-06 | 2021-10-19 | 绍兴文理学院 | 一种蚕丝接枝率的测定方法 |
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1994
- 1994-10-27 JP JP28611894A patent/JP3167555B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN113514493B (zh) * | 2021-07-06 | 2024-05-07 | 绍兴文理学院 | 一种蚕丝接枝率的测定方法 |
Also Published As
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JP3167555B2 (ja) | 2001-05-21 |
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