JP3230200B2 - 改質蛋白質繊維又はその繊維製品の製造法 - Google Patents

改質蛋白質繊維又はその繊維製品の製造法

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JP3230200B2 JP18054095A JP18054095A JP3230200B2 JP 3230200 B2 JP3230200 B2 JP 3230200B2 JP 18054095 A JP18054095 A JP 18054095A JP 18054095 A JP18054095 A JP 18054095A JP 3230200 B2 JP3230200 B2 JP 3230200B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改質された蛋白質繊維
又はその繊維製品及びそれらの製造法に係わり、更に詳
しくは特定のフルオロアルキル(メタ)アクリレートを
蛋白質繊維又はその繊維製品にグラフト重合することに
よって蛋白質繊維又はその繊維製品の撥水性或いは撥油
性、防汚性、柔軟性、耐薬品性、形態安定性、耐熱安定
性等の諸特性が改善され、かつ、グラフト重合時におけ
る蛋白質繊維が有する微細構造の劣化程度の低下が抑制
された改質蛋白質繊維又はその繊維製品及びそれらの製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】動物性蛋白質繊維は、染色性、力学的性
質及び吸放湿性等に優れ、衣料繊維として優れた特性を
有する。しかしながら、防皺性、耐洗濯性、耐摩擦性、
耐候性並びにウオッシュ・アンド・ウエア性能等の実用
的な機能特性が劣るため、特定のモノマ−をグラフト重
合したり、加工対象の蛋白質分子に化学反応性に富むエ
ポキシ化合物や2塩基酸無水物等で化学修飾することに
より問題となる蛋白質繊維の実用性能を改善させる必要
がある。
【0003】動物性蛋白質繊維の蛋白質分子には、C=
O基、NH基或いは極性が強い分子側鎖等の分子間水素
結合を形成する基が多く存在し、これらにより分子間相
互作用が強められている。
【0004】昆虫由来の生体高分子である絹繊維や動物
繊維である羊毛繊維は、18種類のアミノ酸から構成さ
れている。これらの天然繊維はArg、Lys、His
等の化学反応性に富んだ塩基性アミノ酸残基のほか、分
子側鎖が長く、かつ分子側鎖に極性基を有するグルタミ
ン酸、アルギン酸等の酸性アミノ酸残基を多く含んでい
る。こうした反応性に富んだ極性基は、蛋白質繊維の結
晶部分でなく、非結晶部分に特異的に多く含まれてお
り、このため動物性蛋白質繊維は極めて特殊な機能性を
発現する原因となっている。
【0005】蛋白質の吸湿能、染色能は、主として非結
晶部分に含まれている上記のアミノ酸残基の物理化学的
性能と密接に関連している。そのため非結晶部分に含ま
れる特徴あるアミノ酸の1次構造により発現する蛋白質
繊維は、その吸湿性が化学合成繊維に比べて著しく良好
となり、又、合成や天然の多様な染料で鮮やかに染色で
きる特徴を有する。こうした特徴は、ポリアミド繊維、
ポリエステル繊維、アクリル繊維等のいわゆる合成繊維
には見られない、天然繊維の優れた機能特性に基づく特
徴である。更に絹繊維や羊毛繊維等の天然繊維は、分子
側鎖が大きく極性基を多く含み親水性であるため、吸湿
性に優れ、肌着素材に使用された場合には肌との感触が
良好で快適であるという特徴を有する。
【0006】絹繊維のような天然素材である蛋白質繊維
を紳士服用生地、婦人服用生地等カジュアル用に用いた
場合には、跳ねた泥水で繊維製品の表面が汚れやすい等
の問題があり、繊維表面を改質することにより撥水性或
いは撥油性等の防汚特性を付与した繊維製品がこれまで
望まれていた。
【0007】従来、絹繊維素材は、伝統的に和装用に用
いられてきたが、生活様式の変化に伴い、また、絹繊維
素材の需要を拡大するためには、従来の用途の他に、シ
ャツ、ブラウス製品の素材として、或いは上衣、帽子等
カジュアル分野で積極的に展開させる必要がある。その
ためには天然の絹繊維の優れた実用機能特性に加え、天
然の蛋白質繊維には無い形態安定性、耐熱性、撥水性或
いは撥油性を付与した蛋白質繊維及びその繊維製品を得
ることが強く望まれている。
【0008】通常、絹繊維や羊毛繊維の表面は、強い親
水性を有するため、撥水性或いは撥油性等の特性は発現
し難い。従って、絹繊維や羊毛繊維のような本来優れた
親水性を有する蛋白質繊維表面に撥水性或いは撥油性等
を発現させる技術が確立できれば、衣料分野や医療分野
等の非衣料分野における産業材料として種々の応用展開
が期待できる。
【0009】絹繊維単独、及び絹繊維/ポリエステル繊
維、絹繊維/羊毛繊維等の絹繊維複合素材の表面は、汚
れが付き易く、洗濯時の汚れが落ち難い等の問題点があ
るため、シャツやブラウス等のカジュアル用途にこれら
の絹繊維複合素材を用いることにはイ−ジ−ケア面での
多くの制約があった。
【0010】絹繊維については、その実用機能性の欠点
を補い、衣料性能を改善する技術が種々提案されてい
る。例えば特開平3−213572号公報には、水溶性
エポキシ化合物で先ず絹繊維を処理し、更にパ−フルオ
ロアルキル基とポリオキシエチレン基を同一分子に有す
る撥水或いは撥油加工剤若しくは帯電防止剤を含んだ処
理液で処理し、しかる後熱処理することにより絹繊維に
防汚機能を付与することが提案されている。
【0011】しかしながら、絹繊維に撥水或いは撥油性
を付与するため、エポキシ加工、更にそれに引き続く防
汚加工、並びに熱処理等の複数の処理を施す等、絹繊維
に熱水、温度、乾燥等の物理的変化を繰り返し与えると
繊維の微細構造劣化や破壊の危険性がある。更に、上記
公報での撥水或いは撥油加工溶液には帯電防止用の加工
剤として20g/l程度の高濃度の非イオン化合物が含
まれているので、仕上げ加工後の絹繊維の表面は、若干
親水性が付与されてしまい、目的とする防汚加工の効果
が表れ難いという問題がある。又、撥水或いは撥油加工
剤は、絹繊維の内部に浸透することなく、繊維表面で3
次元的に架橋結合を取って樹脂化するため、加工素材の
付着量が多いと絹繊維が固くなり絹繊維本来の風合い特
性が失われるという問題がある。
【0012】更に、絹繊維のような蛋白質繊維の表面に
撥水性を付与する方法としては、高重合エポキシ変性シ
リコ−ンとベ−スポリマ−とからなるエマルジョン型繊
維処理剤による樹脂加工でシリコ−ンを繊維試料表面に
導入する技術が知られている。即ち、濃度3〜30g/
lのこれらのエマルジョン型繊維処理剤溶液を被加工繊
維試料に浸漬・パッデイングし、搾液し、乾燥してファ
イナルセットを行う方法である。
【0013】かかる方法による場合には、繊維製品に柔
軟仕上げを行うことができ、柔軟、平滑性、風合い等に
優れた製品とすることができるものの、加工効果を上げ
るために加工剤濃度を高めると繊維表面での被覆樹脂量
が増加し、風合い、柔軟性、光沢等が劣悪となり、その
結果繊維製品が固くなる。さらには蛋白質繊維が本来有
するしなやかで吸湿性に富んだ特性が損なわれ、衣料材
料としての価値が半減するという問題を有する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定のモノ
マ−を動物性の蛋白質繊維又はその繊維製品にグラフト
重合させることによって、蛋白質繊維の構造破壊が軽減
されると共に、撥水或いは撥油性が付与され、柔軟性、
耐熱性、耐アルカリ性等が改善された改質蛋白質繊維又
はその繊維製品を提供すること、及びグラフト重合時に
おける蛋白質繊維が有する微細構造の劣化を抑制して改
質蛋白質繊維又はその繊維製品を得ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、界面活性剤を
用いて下記一般式で表されるフルオロアルキル(メタ)
アクリレート単独、または該フルオロアルキル(メタ)
アクリレートと2−ヒドロキシメチルメタクリレート及
び/又はメタクリルアミドの混合物のみをモノマーとし
水に分散乳化させた加工液を用いて、蛋白質繊維又は
その繊維製品に前記モノマーをグラフト重合反応させる
ことを特徴とする改質蛋白質繊維又はその繊維製品の製
造法、にある。 CH=C(R)COO(CH)m(CF)nX (但し、式中RはH又はCH、XはH又はF、mは0
〜4の整数、nは1〜12の整数を示す。)
【0016】
【0017】本発明における蛋白質繊維としては、動物
性の蛋白質繊維であれば種類を問わず適用され、好まし
くは絹糸並びに羊毛等である。絹糸は、家蚕(Bomb
yxmori)幼虫から得られる家蚕絹糸の他に、野蚕
に属する柞蚕、天蚕、エリ蚕、ムガ蚕、シンジュ蚕等の
幼虫から得られる野蚕絹糸のいずれであってもよい。な
お、蛋白質繊維の繊維製品としては、これら蛋白質繊維
からなる糸、織物、編物、不織布等が挙げられ、任意の
形態のものであってよい。
【0018】本発明の改質蛋白質繊維又はその繊維製品
においては、蛋白質繊維又はその繊維製品に上記一般式
で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレート
((メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレ
ートの意)が繊維内に充填しグラフト重合されており、
蛋白質繊維又はその繊維製品は、かかる特定モノマーの
グラフト重合により改質されている。
【0019】本発明において、グラフト重合される前記
一般式で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレー
トとしては、一般式におけるmが0〜4、nは1〜12
のモノマーであり、具体的には、2,2,2−トリフル
オロエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエ
チルメタクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオ
ロプロピルアクリレート、1H,1H,3H−テトラフ
ルオロプロピルメタクリレート、1H,1H−ペンタフ
ルオロプロピルアクリレート、1H,1H−ペンタフル
オロプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オク
タフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,5H−
オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,
2H,2H−トリデカフルオロオクチルアクリレート、
1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロオクチルメ
タクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフ
ルオロデシルアクリレート、1H,1H,2H,2H−
ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート等が挙げられ
る。これらフルオロアルキル(メタ)アクリレートは、
一つ又は二つ以上の組み合わせであってもよく、また、
フルオロアルキルアクリレートであるよりフルオロアル
キルメタクリレートであることが好ましい。
【0020】又、本発明においては、前記フルオロアル
キル(メタ)アクリレートは、水に対して不溶性を示す
疎水性モノマーであるが、水溶性モノマーであり、加工
剤として広く用いられている2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート或いはメタクリルアミドと一緒に共グラフト
重合されていてもよい。
【0021】本発明の改質蛋白質繊維又はその繊維製品
は、以下のような方法で製造することができる。即ち、
絹糸並びに羊毛等の蛋白質繊維又はその繊維製品に前記
一般式で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレー
トを用いてグラフト重合反応させることにより本発明の
改質蛋白質繊維又はその繊維製品が製造されるが、より
詳しく説明すると、前記一般式で表されるフルオロアル
キル(メタ)アクリレートを界面活性剤を用いて水に分
散させて加工液とし、この加工液に蛋白質繊維又はその
繊維製品を浸漬し、重合開始剤の存在下でグラフト重合
反応させる。
【0022】本発明の製造法において、グラフト重合反
応に用いる前記一般式で表されるフルオロアルキル(メ
タ)アクリレートとしては、具体的には、前述したよう
なモノマー、即ち、2,2,2−トリフルオロエチルア
クリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリ
レート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピルア
クリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピ
ルメタクリレート、1H,1H−ペンタフルオロプロピ
ルアクリレート、1H,1H−ペンタフルオロプロピル
メタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペ
ンチルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオ
ロペンチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−
トリデカフルオロオクチルアクリレート、1H,1H,
2H,2H−トリデカフルオロオクチルメタクリレー
ト、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシ
ルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカ
フルオロデシルメタクリレート等が挙げられる。これら
フルオロアルキル(メタ)アクリレートは、一つ又は二
つ以上を組み合わせて用い、また、フルオロアルキルメ
タクリレートがフルオロアルキルアクリレートに比べて
グラフト率、グラフト効率が向上する点から好ましく用
いられる。
【0023】前記一般式で表されるフルオロアルキル
(メタ)アクリレートは、界面活性剤を用いて水に分散
させることで加工液が調整されるが、フルオロアルキル
(メタ)アクリレートの使用量は、蛋白質繊維及びその
繊維製品に導入するフッ素の量で、即ちグラフト率をど
のような値に設定するかにより調整することができ、又
フルオロアルキル(メタ)アクリレートの種類、所望さ
れる改質程度等により異なるが、通常、フルオロアルキ
ル(メタ)アクリレートは、20〜100%owf(対
繊維重量の略)であればグラフト効率が良好で経済的な
グラフト重合加工が可能である。
【0024】加工液を調整する際に用いられる界面活性
剤としては、本発明において用いるフルオロアルキル
(メタ)アクリレートが疎水性モノマーであるので、疎
水性モノマーを溶液中に分散乳化できる界面活性剤であ
ればいかなるものも用いることができ、例えばノイゲン
HC(第一工業製薬(株)製、商品名)のような非イオ
ン界面活性剤やニューカルゲン1515−2H(竹本油
脂(株)製、商品名)のような非イオン界面活性剤とア
ニオン界面活性剤の混合界面活性剤等が挙げられる。そ
の使用量としては、例えばグラフト加工液中に0.2m
l/lのノイゲンHCを添加するか、又は3〜15重量
%、好ましくは5〜15重量%のニューカルゲン151
5−2Hを含む加工液を用いることによりグラフト加工
の効果を向上させる。
【0025】又、グラフト重合反応に用いられる重合開
始剤としては、過硫酸塩であればいずれも用いることが
でき、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム等が挙げられ、特に過硫酸アンモニウム
が好ましく用いられ、重合開始剤は、加工液に添加され
る。
【0026】重合開始剤の使用量は、通常のビニルモノ
マーの重合においての使用量で十分であり、例えば前記
一般式のフルオロアルキル(メタ)アクリレートとして
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートを60
%owf用いた場合、重合開始剤として過硫酸アンモニ
ウムを用いるとき、過硫酸アンモニウムの使用量は、
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートと蛋白
質繊維又はその繊維製品との合計重量に対し1.2〜
3.0重量%であることが好ましい。
【0027】なお、過硫酸アンモニウム等の重合開始剤
の使用量が過剰となると蛋白質繊維は黄変着色し、物理
特性が劣化するので注意を要する。ケラチン繊維並びに
野蚕由来の絹糸には化学反応性に富む塩基性アミノ酸残
基が家蚕絹糸に比べて数倍も多く含まれ、重合開始剤の
一部は塩基性アミノ酸残基により消費されてしまうた
め、ケラチン繊維や野蚕絹糸のグラフト重合時の重合開
始剤量は、若干多目の2.0〜2.2重量%に設定する
ことが好ましい。家蚕絹糸のグラフト重合時では1.6
〜1.8重量%の重合開始剤量で良好な結果を与える。
【0028】加工液のpHを2〜4、好ましくはpH3
前後に調整することは、グラフト重合反応を安定して行
わせ、グラフト効果、特にグラフト効率を向上させるこ
とから好ましいことであり、pH調整は、硫酸、蟻酸、
塩酸等の酸、好ましくは蟻酸の添加により行う。
【0029】加工液は、グラフト効率を高めるため、
又、経済的な理由により、蛋白質繊維又はその繊維製品
重量に対しての加工液重量比、即ち浴比を、好ましくは
1:10〜1:20、より好ましくは1:15とする。
【0030】グラフト重合反応は、加工液に蛋白質繊維
又はその繊維製品を浸漬し、加工液を室温から30〜5
0分かけて75〜80℃に昇温し、75〜80℃で30
分〜1時間保持して行う。グラフト重合反応後、反応さ
せた蛋白質繊維又はその繊維製品を洗浄し、乾燥して本
発明の改質蛋白質繊維又はその繊維製品を得る。
【0031】本発明において用いるフルオロアルキル
(メタ)アクリレートは、グラフト効率に優れており、
従来の一般的なグラフト重合処方で蛋白質繊維内に浸透
し、繊維内部で重合化が進む。そのため従来のシリコー
ン樹脂加工で見られるような繊維表面付着タイプの被覆
加工剤とは根本的に異なるものである。
【0032】本発明において用いるフルオロアルキル
(メタ)アクリレートがグラフト重合反応により繊維内
で重合する際、繊維内での重合性がよく、表面でのホモ
ポリマー化が起こり難いので、蛋白質繊維本来の優れた
触感、吸湿性、光沢、風合いが損なわれることなく、絹
糸や羊毛等に撥水性或いは撥油性を付与することができ
る。又、本発明において用いるフルオロアルキル(メ
タ)アクリレートは、絹糸のソフト感、ドレープ性に優
れた仕上げ加工剤としても利用できる。さらにはフルオ
ロアルキル(メタ)アクリレートが有する低表面張力特
性のために絹糸の表面を疎水性にして、さらに滑らかに
する効果が得られる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の測定値は、下記の方法により求め
た。
【0034】グラフト率及びグラフト効率: グラフト率(%)=[(B−A)/A]×100 グラフト効率(%)=[(B−A)/C]×100 但し、Aはグラフト重合前の試料の重量、Bはグラフト
重合後の試料の重量、Cはグラフト重合に使用のモノマ
−の重量、各試料重量は105℃で2時間乾燥後に測定
した。なお、以後グラフト率をG、グラフト効率をGE
と略記することがある。
【0035】繊維物性:(株)島津製作所製引張り試験
機(オ−トグラフ、型式AGS−5D)を用い、試料長
50mm、引張速度10mm/分、チャ−トフルスケ−
ル250gにより測定した。なお、繊度(d)、強度
(g)は、絹糸の繊度、切断強度を、強度(g/d)、
伸度(%)は、繊維のデニ−ル当たりの切断強度、切断
時における伸度をそれぞれ示す。
【0036】屈折率:オリンパス光学工業(株)製偏光
顕微鏡を用い、ベッケ法により試料の繊維方向の屈折率
(nI)と繊維軸に対して直角方向の屈折率(nII)
を測定し、両屈折率の差(nI−nII)を複屈折率
(Δn)とし、(nI+2nII)/3で算出される値
を平均屈折率(nA)とした。
【0037】試料重量残存率(耐熱性):理学電機
(株)製熱重量(TGA)測定装置を用い、試料重量
3.0mg、TGAフルスケ−ル5mg、昇温速度10
℃で行った。測定は200cc/分の窒素気流中で行っ
た。秤量した試料重量に対する300℃、320℃、3
40℃、及び360℃における試料重量の残存量を試料
重量残存率として表示した。
【0038】熱分解温度(吸熱ピ−ク温度):理学電機
(株)製示差走査熱量測定装置(DSC−10A)を用
い、試料重量2.2mg、DSCレンジ2.5mcal
/s、昇温速度10℃/分で、測定を200cc/分の
窒素気流中で行った。この測定において200℃以上に
現れる吸熱ピ−ク温度を試料の熱分解温度とした。
【0039】動的損失(E”)ピ−ク温度:(株)東洋
精機製作所製レオログラフ・ソリッドSタイプを用い、
昇温速度2℃/分、測定温度範囲−45〜260℃、測
定周波数10Hz、初期張力30gf、試料長10mm
で、動的粘弾性実験により評価した。
【0040】吸湿性:20℃、65%RHに調節した恒
温恒湿中に試料を1週間放置して吸湿量が平衡状態とな
ったものの重量を計測し、この試料の105℃で2時間
乾燥後の重量との差より吸湿率(%)を測定した。グラ
フト重合された試料のポリマ−を含む状態での見かけの
吸湿率、グラフト重合された試料よりポリマ−重量分を
除いて換算した繊維部分のみでの吸湿率を、それぞれ求
めた。
【0041】撥水性: 測定試料の調整;試料に残存する微量の油脂成分の影
響を排除するため、次の方法でアセトン抽出をまず行っ
た。即ちフルオロアルキルメタクリレ−トをグラフト重
合処理した絹糸の表面の油脂分を除去するため、ソック
スレ−抽出器にアセトンを溶媒としてかかるグラフト重
合処理した絹糸を投入し、冷却器を取り付け、アセトン
の沸点温度である56℃で30分間抽出処理した。アセ
トン抽出処理後、更に純水で水洗し、105℃で2時間
乾燥したものを試料とした。又、130℃で5分間乾熱
処理したものを熱処理試料とした。 測定法;接触角測定装置(協和界面科学(株)製 F
ACE型式CAS)を用い、試料絹糸のモノフイラメン
トに水をスプレ−し、数珠状に水玉が繊維表面に付着し
た部位を倍率36倍の光学顕微鏡で撮影し、水玉の付着
部位を拡大して印画紙に焼き付け作図的に接触角を評価
した。なお、比較用には簡易な撥水性付与剤としてスコ
ッチガ−ド(3M社製撥水加工剤)を噴霧した試料絹糸
を作製し、接触角を同様の方法により評価した。
【0042】ESCAによる元素の測定:(株)島津製
作所製750型のESCA(XPS法)装置により、M
g−Ka6KV×30mAのX線源を用い、0〜110
0eVの操作範囲でESCA測定を行った。X線照射範
囲は6mmφ、2回の測定を繰り返し、その平均値を実
測値として評価した。但し、原子数割合はF+C+O+
N=100とした時を基準にして評価した。
【0043】剛軟度:JIS L1079(1966)
カンチレバ−法により、2cm×15cmのサイズの試
料片を水平に送り出し45°の傾斜面に達するまでの送
り出し長さを測定した。測定は、試料の織物より緯糸方
向に5枚ずつサンプリングし、表側及び裏側より測定
し、平均値をmm単位で示した。数値は、大きい程硬
く、小さい程柔らかいことを表す。
【0044】防皺性試験:JIS L1059(198
5)で規定されているA法(針金法)により、10×4
0mmの試験片を縦方向、横方向に各10枚ずつ採取
し、布に直角に2つ折りにしてガラス板に挟んで500
gfを5分間加える。除重して針金にかけて5分間放置
して、開角度(防皺性)を測定し、防皺率(%)を次式
により算出する。 防皺率(%)=(α/180)×100 但し、αは開
角度(度)である。
【0045】熱機械分析(以後、TMAと略記す
る。):一定長(15mm)の繊維を理学電機(株)製
TMA測定装置にセットし、昇温速度10℃/分、試料
長15mm、TMAレンジ±500μm、チャ−トスピ
−ド10mm/分で測定した。TMA測定により、昇温
過程における試料の伸び、縮みを定量した。収縮量が最
大になる温度をTMAピ−ク温度とする。尚、測定雰囲
気は窒素雰囲気下(流速200ml/分)である。
【0046】耐熱形態安定性(以後、EP(%)と略記
する。):TMA測定の結果を基に評価した。羊毛繊維
を加熱すると220℃以上で急激に収縮し240℃近辺
で収縮量が最大となる。従って、収縮量の小さい程耐熱
形態安定性のよいことを示す。この最大収縮量をEP
(%)とし、耐熱形態安定性を評価する。
【0047】又、実施例中の略号は、下記のモノマ−を
意味する。 3FM :2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレ
−ト 4FM :1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル
メタクリレ−ト 5FM :1H,1H−ペンタフルオロプロピルメタク
リレ−ト 8FM :1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル
メタクリレ−ト 13FM :1H,1H,2H,2H−トリデカフルオ
ロオクチルメタクリレ−ト 17FM :1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフル
オロデシルメタクリレ−ト 3FA :2,2,2−トリフルオロエチルアクリレ−
ト 8FA :1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル
アクリレ−ト 17FA :1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフル
オロデシルアクリレ−ト HEMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト MAAm :メタクリルアミド
【0048】(実施例1、比較例1)炭酸ナトリウム
0.2重量%水溶液で家蚕繭糸を98℃で45分間煮沸
して家蚕繭糸表面の膠着物質セリシンを除去した。こう
して精練した家蚕絹フィブロイン繊維(家蚕絹糸)に次
の方法でグラフト重合反応を行った。即ち、ニュ−カル
ゲン1515−2H(竹本油脂(株)製非イオン/アニ
オン混合界面活性剤)を12重量%含む加工液に2g/
lの蟻酸を加えてpHを3.0に調整した後、表1に示
す各種フルオロアルキルメタクリレ−ト(FM)を家蚕
絹糸に対して60%owf或いは100%owf加え、
更に重合開始剤として過硫酸アンモニウムを絹糸重量と
モノマ−重量の合計重量に対して2.4重量%添加し
た。なお、浴比は1:15に設定した。
【0049】次に、上記家蚕絹糸を加工液に浸漬し、液
温を25℃から45分かけて80℃に昇温し、80℃の
温度にて60分間加熱処理してグラフト重合反応を行っ
た。グラフト重合反応が終了後、グラフト重合処理した
家蚕絹糸を取り出し、1g/l濃度のノイゲンHC(第
一工業製薬(株)製非イオン界面活性剤)水溶液で80
℃で20分洗浄し、湯洗い、水洗した。
【0050】得られたグラフト重合処理家蚕絹糸を10
5℃で2時間乾燥させた後、20℃、65RHの雰囲気
下で1週間放置し吸湿量を平衡状態として乾燥前後の重
量変化からグラフト率及びグラフト効率を測定した。
又、繊維物性、屈折率及び吸湿率を測定した。それぞれ
の測定の結果を表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】表1の結果から明らかなように、FMは、
家蚕絹糸にグラフト重合されていることがわかる。
【0053】又、本発明で用いる一連のFMを用いたグ
ラフト重合処理したもので、絹糸の分子配向度の指標と
なるΔnの値が低下し難いのは、3FM、13FM、1
7FMによる家蚕絹糸へのグラフト重合処理品である。
グラフト重合時における分子配向程度が特異的に小さく
構造破壊の起こりにくいモノマーのあることが認められ
た。
【0054】次にこれらの試料の内、試料No.2、8
及び未処理の試料No.13(比較例1)のそれぞれの
耐熱分解性について試料重量残存率を測定した。それら
の結果を表1に併せ示した。
【0055】各試料は、いずれも270℃以上で熱分解
反応が始まるため、試料重量は、次第に減少する。グラ
フト重合していない未処理の家蚕絹糸は、300〜37
0℃にかけて急激に試料重量が減少する。本発明のFM
をグラフト重合した絹糸では、360℃以下の温度範囲
では昇温過程での試料重量残存率の値は、試料No.1
3(比較例1)のグラフト重合していない未処理の絹糸
よりも常に大きな値となっており、耐熱分解性が優れて
いることがわかる、又、後述の比較例2、3で示したH
EMAをグラフト重合したものや、MAAmをグラフト
重合したものに比べFMをグラフト重合した絹糸は、そ
の試料重量残存率の減少が軽微であり、FMをグラフト
重合した家蚕絹糸の耐熱分解性は、HEMAやMAAm
をグラフト重合したものより優れていることがわかる。
【0056】又、これら試料の内、試料No.1、2、
3、4、8、12及び未処理の試料No.13(比較例
1)のそれぞれの熱分解温度(吸熱ピ−ク温度)及び動
的損失ピ−ク温度からのE”ピ−ク温度を測定した結果
を表1に併せて示した。
【0057】(比較例2〜3)実施例1で用いたと同じ
精練した家蚕絹糸を用い、グラフト重合用モノマ−とし
てFMに代えてHEMA及びMAAmをそれぞれ単独に
用いた以外は、実施例1と同様にして、グラフト重合反
応及び洗浄を行った。得られたグラフト重合処理家蚕絹
糸を調湿した後、グラフト重合処理家蚕絹糸のグラフト
率、各温度における試料重量残存率(%)、熱分解温度
(吸熱ピ−ク温度)及び動的損失ピ−ク温度からのE”
ピーク温度を測定した結果を表1に併せ示した。
【0058】(実施例2)実施例1における試料No.
11,12及び13の家蚕絹糸を用いて、撥水性の評価
を行った。これらの結果を表2に示した。又、グラフト
重合により家蚕絹糸に導入された17FMに基づくフッ
素の存在をESCAにより評価した。得られた結果を表
2に併せ示した。更に比較例として、実施例1で用いた
精練した家蚕絹糸にスコッチガード(3M社製撥水加工
剤)を噴霧した試料No.14の試料絹糸についてもそ
の接触角を測定した結果を表2に併せ示した。
【0059】
【表2】
【0060】表2において、例えば試料No.11’と
は、試料NO.11の絹糸を130℃で5分間乾熱処理
した試料のことを意味する。表2から明らかなように1
7FMをグラフト重合処理した絹糸表面のフッ素分析結
果によると17FMが絹糸に導入され重合することによ
り、絹糸表面でフッ素の存在量が増加することがわか
る。又、グラフト重合処理でフッ素含有のエステル基が
絹糸に導入されると、絹糸表面では絹蛋白質に基づく窒
素の存在量が急激に減少しており、絹糸の極浅表面層に
17FMが内部充填していることがわかる。
【0061】又、絹糸表面は17FMのグラフト重合に
より、グラフト率が増加すると次第に疎水性へと変化す
ることがわかる。更に、試料No.12のように17F
Mのグラフト率が20%以上の加工絹糸を130℃、5
分間乾熱処理することにより絹糸表面の撥水性は、顕著
に増加することが表2の結果からもわかる。又、絹糸表
面のフッ素含有量(原子%)と水との接触角(°)との
相互関係から、グラフト重合処理した絹糸の水との接触
角、即ち撥水性は、表面フッ素含有量が20原子%以上
で急激に増加していることがわかる。更に又、17FM
のグラフト率が23%である試料No.12を130℃
で5分間乾熱処理すると(試料No.12’)、絹糸表
面の撥水性が、スコッチガ−ド(3M社製撥水加工剤)
で噴霧処理した試料の撥水性を上回る性能が得られるこ
とがわかる。
【0062】(実施例3)JIS染色堅牢度試験(JI
S L0803準拠)用14目付けの絹織物を用い、グ
ラフト重合用モノマ−として3FM、4FM、5FM、
8FM、13FM及び17FMをそれぞれ単独に用い、
またモノマー濃度を20%owfとする以外は、実施例
1と同様にして、グラフト重合反応及び洗浄を行った。
得られたグラフト重合処理家蚕絹糸を調湿した後、グラ
フト重合処理家蚕絹糸のグラフト率、剛軟度及び防皺性
を測定した結果を表3に示した。
【0063】
【表3】
【0064】(実施例4)実施例1で用いたと同じ精練
済みの家蚕絹糸を用い、グラフト重合用モノマ−として
3FMとHEMAを表4に示す組成比で、且つ、3FM
とHEMAの合計量を絹糸に対し80%owf、過硫酸
アンモニウム1.8重量%、ニュ−カルゲン1515−
2H(竹本油脂(株)製非イオン/アニオン混合界面活
性剤)12重量%とする以外は、実施例1と同じ重合条
件及び後処理条件でグラフト重合処理及び後処理を行っ
た。得られたグラフト重合処理した各絹糸のグラフト
率、グラフト効率、熱分解温度(吸熱ピ−ク温度)及び
TMA測定から求められるピ−ク温度を表4に示した。
【0065】
【表4】
【0066】(実施例5)実施例1で用いたと同じ精練
した家蚕絹糸並びに新たに羊毛を用い、グラフト重合用
モノマ−として3FA、8FA及び17FAを用い、且
つ、これらのフルオロアルキルアクリレ−ト(FA)を
家蚕絹糸又は羊毛に対して20、35、45、55、1
00%owf、過硫酸アンモニウムを、家蚕絹糸につい
ては1.8重量%、羊毛については、2.4重量%、ニ
ュ−カルゲン1515−2H(竹本油脂(株)製非イオ
ン/アニオン混合界面活性剤)12重量%とする以外
は、実施例1と同じ重合条件及び後処理条件でグラフト
重合処理及び後処理を行った。得られたグラフト重合処
理した家蚕絹糸及び羊毛のグラフト率、グラフト効率を
測定した結果を、家蚕絹糸については表5に、羊毛につ
いては表6に、それぞれ示した。
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【0069】(実施例6)柞蚕絹糸及び羊毛を用い、実
施例1と同様の方法で3FM、4FM、5FM、8F
M、13FM及び17FMを用いてグラフト重合処理を
行った。但し、各FMは60%owfとし、それ以外の
重合条件及び後処理条件は、実施例1と同じ条件とし
た。得られたグラフト重合処理した各繊維のグラフト
率、グラフト効率を測定した結果を表7に示した。
【0070】
【表7】
【0071】(実施例7)羊毛繊維を用い、グラフト重
合用モノマ−として3FM、4FM、5FM及び8FM
をそれぞれ単独に用い、モノマー濃度を60%owf及
び100%owfとする以外は、実施例1と同様の方法
でグラフト重合反応及び洗浄を行った。得られたグラフ
ト重合処理羊毛繊維を調湿した。このグラフト重合処理
羊毛繊維の昇温過程における耐熱形態安定性の評価を熱
機械的測定により評価した。それらの結果を表8に示し
た。
【0072】
【表8】
【0073】グラフト効率の優れたグラフト重合処理
は、3FM、4FMで良好となり、フルオロアルキルエ
ステル基が長い5FM、8FMでは、グラフト効率が逆
に低下する傾向にある。TMA測定において240℃近
辺に見られる収縮量は、3FMがグラフト率74%、5
FMがグラフト率63%、8FMがグラフト率26%の
重合時には対照サンプルよりもそれぞれ低下しており、
昇温過程における羊毛ケラチン繊維の耐熱形態安定性が
向上していることがわかる。
【0074】
【発明の効果】本発明の改質蛋白質繊維又はその繊維製
品は、フルオロアルキル(メタ)アクリレートがグラフ
ト重合されていることから、撥水性或いは撥油性、防汚
性、柔軟性、耐熱安定性等の性能に優れたものであり、
又、本発明によれば、グラフト重合時における蛋白質繊
維の構造破壊が極めて少なく、微細構造の劣化が抑制さ
れ、撥水性或いは撥油性、防汚性、柔軟性、耐熱安定性
等の性能に優れた改質蛋白質繊維又はその繊維製品を製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−268721(JP,A) 特開 昭58−197378(JP,A) 特表 平4−506982(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 14/00 - 15/715

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤を用いて下記一般式で表され
    るフルオロアルキル(メタ)アクリレート単独、または
    該フルオロアルキル(メタ)アクリレートと2−ヒドロ
    キシメチルメタクリレート及び/又はメタクリルアミド
    の混合物のみをモノマーとして水に分散乳化させた加工
    液を用いて、蛋白質繊維又はその繊維製品に前記モノマ
    をグラフト重合反応させることを特徴とする改質蛋白
    質繊維又はその繊維製品の製造法。 CH=C(R)COO(CH)m(CF)nX (但し、式中RはH又はCH、XはH又はF、mは0
    〜4の整数、nは1〜12の整数を示す。)
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