JPH08127707A - エポキシ系複合樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ系複合樹脂組成物

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JPH08127707A
JPH08127707A JP6269088A JP26908894A JPH08127707A JP H08127707 A JPH08127707 A JP H08127707A JP 6269088 A JP6269088 A JP 6269088A JP 26908894 A JP26908894 A JP 26908894A JP H08127707 A JPH08127707 A JP H08127707A
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resin
epoxy
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epoxy resin
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JP6269088A
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Masatoshi Yoshida
雅年 吉田
Masahiko Maeda
雅彦 前田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 複合樹脂組成物全量中に占める重量比率で、
ゴム微粒子:1.0〜10重量%、エポキシ樹脂:10
〜50重量%、金属粉末:50〜80重量%を含有す
る、樹脂型の成形原料等として有用なエポキシ系複合樹
脂組成物を開示する。 【効果】 エポキシ樹脂と金属粉末を複合した樹脂組成
物中に適量のゴム微粒子を分散させることによって、成
形体内に生じる内部応力を可及的に抑えることができ、
例えば樹脂型の成形材料として使用することによって、
内部応力に起因するクラックや破損等を著しく低減し耐
久性を大幅に高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ系複合樹脂組成
物に関し、特に接着剤や成形材料、とりわけ樹脂型成形
用の材料として優れた耐クラック性能を示すエポキシ樹
脂−ゴム−金属複合タイプの複合樹脂組成物に関するも
のである。以下本明細書では、最も有用な用途である樹
脂型成形用材料への適用を主体にして説明を進めるが、
本発明はもとよりこれらの用途に限定されるものではな
く、後述する特徴を生かして他の様々の用途に適用する
ことが可能である。
【0002】
【従来の技術】従来、同一の金型を用いて多数のプラス
チック製品等を成形する手段としては鋳型が汎用されて
きたが、近年各種成形品の品質・形状等が多岐化し多品
種少量生産の傾向が高まるにつれて、注型成形等によっ
て安価且つ容易に製造することのできる樹脂型の使用頻
度が増大してきている。即ち樹脂型とは、エポキシ樹脂
等の耐熱性樹脂をマトリックスとし、これに機械的強度
や耐熱性、更には熱伝導性等を高めるため、50〜80
重量%程度の金属粉末(アルミニウム粉末、鉄粉、亜鉛
合金粉末等)を均一に分散させたものであり、最近で
は、マトリックス樹脂や金属粉末等の種類や配合率など
を工夫することによって、数百乃至数千個のプラスチッ
ク製品の成形にも耐え得る様な高性能の樹脂型も開発さ
れている。
【0003】ところが従来の樹脂型は、旧来の鋳型に比
べると強度が格段に劣っており、鋳型に比べると少ない
成形回数で使用不能になる。その大きな理由は、素材そ
のものの耐熱強度の違いよるものと思われ、特にマトリ
ックス樹脂の耐熱性不足が樹脂型の寿命に大きく影響を
及ぼしているものと考えられるが、樹脂型はもともとそ
れ程の金型寿命が要求されない多品種少量生産用の簡易
金型として開発されたものであり、こうした状況の下で
は、マトリックス樹脂としてエポキシ系樹脂を使用する
ことによって、ある程度の要求を満足している。
【0004】しかしながら従来の樹脂型には、注型成形
時に生じる内部応力がコーナー部に集中してクラックが
生じて金型自体の歩留を低下させるという問題に加え
て、該型製造時に生じる内部応力の影響によって繰り返
し成形加工時に樹脂型のコーナー部等にクラックが生じ
たり欠落を生じることがあり、樹脂型の耐久性を一層短
いものにしているのが実状である。
【0005】そこで、樹脂型の耐久性を高める手段とし
て、例えば特開平1−278567号公報には、金属粉
末として特殊なアルミニウム合金を用いた樹脂型製造用
の複合樹脂組成物が提案されており、また特開平1−1
96311号公報には、樹脂型の内面を金属膜で被覆す
ることによって強化する方法が提案されている。しかし
ながらこれらの方法でも、樹脂型成形時、あるいは使用
時における内部応力の集中に由来するクラックの発生は
防止できない。また、特開平3−259949号や同5
−112628号公報には、用いるエポキシ樹脂や金属
粉末を工夫することによって耐久性を高める方法も提案
されているが、これらの方法でも、同様に応力集中に由
来するクラックやコーナー部の脱落といった問題を回避
することはできず、内部応力の集中が樹脂型の寿命を短
縮させる大きな原因になっているものと思われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な従
来技術の問題点に着目してなされたものであって、その
目的は、樹脂型製造時あるいはその使用時(即ち繰り返
し成形加工時)の熱履歴に起因する内部応力の発生を緩
和し、それによりコーナー部のクラックや脱落等を可及
的に防止することによって、耐久性に優れた樹脂型を提
供し得る様な複合樹脂組成物を提供しようとするもので
あり、更にはこれを発展せしめ、樹脂型製造用原料に限
らず、接着剤や成形材料等として使用した場合でも、内
部応力に起因する破損や劣化を抑制し、優れた接着強度
や物性を持続し得る様な複合樹脂組成物を提供しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成すること
のできた本発明に係るエポキシ系複合樹脂組成物の構成
は、複合樹脂組成物全量中に占める重量比率で、ゴム微
粒子:1.0〜10重量%、エポキシ樹脂:10〜50
重量%、金属粉末:50〜80重量%を含有するところ
に要旨を有するものである。ここで使用されるゴム微粒
子としては、平均粒子径が0.1〜0.5μmの範囲の
ものが好ましく、また金属粒子としては、平均粒子径が
5〜100μmの範囲のものが好ましい。そしてこの複
合樹脂組成物は、接着剤、コーキング剤あるいは各種の
成形材料等として有効に活用できるが、その特徴が最も
効果的に発揮されるのは、樹脂型製造用の成形材料とし
て使用したときである。
【0008】
【作用】上記の様に本発明では、複合樹脂組成物全量中
に占める重量比率で、ゴム微粒子:1.0〜10重量
%、エポキシ樹脂:10〜50重量%、金属粉末:50
〜80重量%を含有するものであって、特にエポキシ樹
脂中に金属粉末が混入された従来タイプの複合樹脂組成
物に比べると、該組成物中に他の成分として重量比率で
1.0〜10重量%のゴム微粒子を含有せしめ、該ゴム
微粒子の共存によって、たとえば樹脂型等として成形し
た時あるいはその後の使用時における温度変化等に由来
する内部応力の発生を阻止し、該内部応力に起因するク
ラックや破損等を抑制することにより、従来材に比べて
格段に優れた耐久性を示す成形体等を与える複合樹脂組
成物を得ることに成功したものであり、以下、本発明に
係る組成物を構成する個々の成分について詳述する。
【0009】まずゴム微粒子は、複合樹脂組成物中に弾
性変形の可能なエラストマー微粒子として均一に分散
し、成形体内部に生じる内部応力を吸収する作用を発揮
するものであり、弾力性を有するものであればその種類
の如何は問わないが、一般的なのはアクリルゴム、SB
R、ブタジエンゴム、NBR等の合成ゴム、あるいは天
然ゴムであり、これらを単独で使用し得る他、必要に応
じて2種以上を適宜組み合わせて使用することができ
る。これらのゴム微粒子は、適度の架橋構造を有するも
のであっても構わない。
【0010】このゴム微粒子は、前述の如く樹脂硬化物
中に均一に分布して内部応力を吸収する作用を発揮する
ものであり、その効果を樹脂硬化物全体に渡って有効に
発揮させるには、その配合量を複合樹脂組成物全量中に
占める比率で1.0〜10重量%、より好ましくは2〜
6重量%の範囲とすることが必要であり、該ゴム微粒子
の配合量が1.0重量%未満では、内部応力吸収効果が
不十分となってクラックや破損抑制効果が有効に発揮さ
れず、一方10重量%を超えて多量に配合すると、樹脂
硬化物の物性、殊に強度や耐熱性等が低下し、樹脂型用
原料組成物等としての適性が確保できなくなるばかりで
なく、複合樹脂組成物としての粘性も高くなって成形性
等に悪影響が現われてくる。尚、該ゴム微粒子の粒子径
は特に制限されないが、粒子径が余りに小さ過ぎるもの
では、エポキシ樹脂等と混合する時の粘度が著しく上昇
して均一混合が困難になるばかりでなく、樹脂金型等へ
の成形も困難になる傾向が生じ、一方粒子径が大き過ぎ
るものでは、樹脂硬化物全体に渡って内部応力吸収効果
が均一に発揮されにくくなる傾向が現われてくるので、
好ましくは平均粒子径で0.1〜0.5μm程度、より
好ましくは0.2〜0.4μm程度のものを使用するこ
とが望まれる。
【0011】本発明に係る複合樹脂組成物に含まれるエ
ポキシ樹脂は、金属粉末のバインダーとして作用する
他、それ自身硬化して樹脂型の強度を高める作用を発揮
するものであり、好ましいものとしては、ビスフェノー
ルA型ジグリシジルエーテルやビスフェノールF型ジグ
リシジルエーテル、あるいはそれらの重合体、更には各
種多官能グリシジルエーテル、例えばクレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂、3官能あるいは4官能のエポキシ
樹脂等を例示することができ、これらのエポキシ樹脂も
単独で使用し得る他、必要により2種以上を適宜併用す
ることができる。上記エポキシ樹脂は、常温で固形状の
もので加熱軟化するものであっても使用可能であるが、
前記ゴム微粒子や金属粉末との混合を容易に行なう上で
好ましいのは液状エポキシ樹脂である。このときエポキ
シ樹脂と併用される硬化剤としては、例えば、アミン
類、変性アミン類、ポリアミド樹脂、酸無水物、イミダ
ゾール類等、一般に知られた硬化剤が挙げられ、これら
硬化剤も単独で使用し得る他、必要により2種以上を併
用することができる。
【0012】このエポキシ樹脂の配合量は、複合樹脂組
成物全量中に占める比率で10〜50重量%、より好ま
しくは20〜40重量%の範囲であり、該エポキシ樹脂
の配合量が不足する場合は、組成物としての粘度が高く
なり過ぎて取扱い性が悪くなるばかりでなくバインダー
としての作用も十分に発揮されなくなり、適量のゴム微
粒子を配合した場合であっても樹脂硬化物が脆弱なもの
となり、一方50重量%を超えて過多に配合すると、結
果的に金属粉末の配合量が不十分となって満足な強度が
得られなくなるばかりでなく、耐熱性も不十分になる傾
向が現われ、樹脂金型等として満足のいく耐久性が得ら
れなくなる。
【0013】次に金属粉末は、樹脂硬化物の強度や硬さ
を高めて樹脂型等としての強度特性を確保すると共に、
熱伝導性を高めてプラスチック成形時の冷却効率を高め
る上でも欠くことのできない成分であり、それらの効果
を有効に発揮させるには、複合樹脂組成物全量中に占め
る比率で少なくとも50重量%以上含有させなければな
らない。しかしながら80重量%を超えて過多に含有さ
せると、樹脂組成物が高粘性となって樹脂型等への加工
が困難になる他、バインダーとして機能するエポキシ樹
脂の絶対量が不足気味となって樹脂硬化物が脆弱なもの
となり、樹脂型成形用組成物としての適性を欠くものと
なる。金属粉末の備えた特徴をより効果的に発揮させる
上でより好ましい配合量は、55〜70重量%の範囲で
ある。
【0014】該金属粉末の種類には特に制限がなく、例
えば鉄、銅、アルミニウム、亜鉛あるいはそれらの各種
合金等の粉末(単繊維状のものを含む)を全て使用する
ことができ、これも単独で使用し得る他、必要により2
種以上を適宜併用しても構わない。また該金属粉末の粒
子径にも格別の制約はないが、一般的なのは平均粒子径
で5〜100μmのものであり、該粒子径が小さすぎる
と高粘度になりすぎて均一混練が困難となり、逆に大き
すぎる場合は、得られる樹脂型の表面性状が悪くなる。
【0015】本発明に係るエポキシ系複合樹脂組成物に
おける必須の構成成分は上記のゴム微粒子、エポキシ樹
脂および金属粉末の3種であるが、これら各成分の含有
比率を満足し得る範囲で、必要に応じて、消泡剤、分散
剤、レベリング剤、難燃剤、顔料、反応性希釈剤、増粘
剤、防錆剤、腐食防止剤、潤滑剤等を適量配合し、その
用途に応じた物性や成形性等の改質を図ることも勿論可
能である。
【0016】ところで、本発明に係る複合樹脂組成物の
製法は特に制限されないが、一般的な方法として例示す
るならば、 エポキシ樹脂に、金属粉末とゴム微粒子を同時もしく
は任意の順序で配合し、ニーダー等によって均一に混練
する方法、 ゴム微粒子の生成原料となるモノマー成分を、エポキ
シ樹脂液中で重合させることによって、エポキシ樹脂中
にゴム微粒子が均一に分散した組成物を得、これに金属
粉末を加えて均一に分散させる方法、あるいは金属粉末
が分散したエポキシ樹脂液中でゴム微粒子生成モノマー
の重合を行なってゴム微粒子を生成・分散させる方法、 乳化重合等によって得たゴム微粒子のエマルジョンと
エポキシ樹脂液及び金属粉末を同時もしくは任意の順序
で混合し、脱水もしくは脱溶剤処理する方法 等が例示されるが、もとよりこれらの方法に限定される
ものではない。尚エポキシ樹脂の硬化剤を使用する場合
は、上記混合の任意の段階、もしくは混合後樹脂型等の
成形を行なう直前に硬化剤を加えて均一に混合すればよ
い。
【0017】かくして得られる本発明のエポキシ系複合
樹脂組成物は、液状物の状態で注型成形材料として使用
し得る他、接着剤やコーティング材等として使用し得る
他、ペレット状やシート状等に予備加工してから射出成
形あるいは加圧成形等によって任意の形状に成形すれば
よく得られる成形体は、硬化したエポキシ樹脂中に金属
粉末とゴム微粒子が均一に分布したものとなり、特に樹
脂硬化物中に均一に分布したゴム微粒子の弾性によって
内部応力の吸収が行なわれ、成形加工時あるいは使用時
における内部応力の蓄積や局部集中が抑えられ、ひいて
はクラックや破損等の問題を可及的に防止することが可
能となる。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の構成および作
用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下
記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記
の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施する
ことも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲
に含まれる。
【0019】実施例1 「エポセットBPA328」(アクリルゴム微粒子分散
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ゴム微粒子含
有量16.7重量%、ゴム微粒子の平均粒子径0.3μ
m:(株)日本触媒製)100部、アルミニウム粉(#
280:平均粒子径20μm)150部及び消泡剤0.
2部をニーダーで均一に混合し、エポキシ系複合樹脂組
成物を得た。この組成物100部に、硬化剤として変性
芳香族アミン(「エピキュア−Z」:油化シェル製)
6.6部を加え、減圧脱泡した後、200mmw ×30
0mml ×3〜6mmt の成形型に充填して60℃で6
時間、次いで120℃で12時間、更に150℃で12
時間加熱することによって硬化させ、得られた硬化成形
体について、下記の方法で線膨張係数、曲げ強度、曲げ
弾性率、圧縮強度および熱変形温度を測定した。
【0020】(試験方法) 線膨張係数:TMA法(40〜100℃)で測定した。 曲げ強度:ASTMD−790に準じて測定した。 曲げ弾性率:ASTMD−790に準じて測定した。 圧縮強度:ASTMD−695に準じて測定した。 熱変形温度:JISK7207に準じて測定した。 耐インサートクラック性:直径50mm×厚さ4mmの軟鋼
板を、片面が露出する様に円板の中心部に埋込んだ状態
で成形して得た直径60mm×厚さ10mmの円板状成形物
に、温度サイクル(100℃×1時間→25℃×1時
間)を繰り返し与え、クラックが発生するまでのサイク
ル回数を測定した。
【0021】実施例2 「エポセットBPA328」(同前)50部、「エピコ
ート828」(ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル:油化シェルエポキシ(株)製)50部、アルミニウ
ム粉(同前)200部及び消泡剤0.2部をニーダーで
均一に混合し、エポキシ系複合樹脂組成物を得た。この
組成物100部に、硬化剤として変性芳香族アミン
(「エピキュア−Z」:油化シェル製)6.0部を加え
て均一に混合し、減圧脱泡した後、前記実施例1と同様
の方法で成形を行ない、得られた硬化成形体の物性を測
定した。
【0022】実施例3 「エポセットBPA328」(同前)25部、「エピコ
ート828」(同前)75部、アルミニウム粉(同前)
200部及び消泡剤0.2部をニーダーで均一に混合
し、エポキシ系複合樹脂組成物を得た。この組成物10
0部に、硬化剤として変性芳香族アミン(「エピキュア
−Z」:同前)6.3部を加えて均一に混合し、減圧脱
泡した後、前記実施例1と同様の方法で成形を行ない、
得られた硬化成形体の物性を測定した。
【0023】実施例4 「エポセットBPA328」(同前)50部、「エピコ
ート828」(同前)50部、アルミニウム粉(同前)
200部及び消泡剤0.2部をニーダーで均一に混合
し、エポキシ系複合樹脂組成物を得た。この組成物10
0部に、硬化剤として脂環式ポリアミン(「エピキュア
−113」:油化シェル製)9.7部を加えて均一に混
合し、減圧脱泡した後、前記実施例1と同様の方法で成
形を行ない、得られた硬化成形体の物性を測定した。
【0024】実施例5 「エポセットBPA328」(同前)50部、「エピコ
ート828」(同前)50部、アルミニウム粉(同前)
280部及び消泡剤0.2部をニーダーで均一に混合
し、エポキシ系複合樹脂組成物を得た。この組成物10
0部に、硬化剤として変性芳香族アミン(「エピキュア
−Z」:同前)4.8部を加えて均一に混合し、減圧脱
泡した後、実施例1と同様にして加熱成形および物性試
験を行なった。
【0025】実施例6 「エポセットBPF307」(アクリルゴム微粒子分散
ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ゴム微粒子含
有量16.7重量%、ゴム微粒子の平均粒子径0.3μ
m:(株)日本触媒製)50部、「エピコート807」
(同前)50部、アルミニウム粉(同前)280部及び
消泡剤0.2部をニーダーで均一に混合し、エポキシ系
複合樹脂組成物を得た。この組成物100部に、硬化剤
として変性芳香族アミン(「エピキュア−Z」:同前)
5.0部を加えて均一に混合し、減圧脱泡した後、実施
例1と同様にして加熱成形および物性試験を行なった。
【0026】実施例7 「エピコート828」(同前)100部、架橋NBRゴ
ム微粒子(平均粒径:0.5μm)10部、アルミニウ
ム粉(同前)280部及び消泡剤0.2部をニーダーで
均一に混合し、エポキシ系複合樹脂組成物を得た。この
組成物100部に、硬化剤として変性芳香族アミン
(「エピキュア−Z」:同前)5.1部を加えて均一に
混合し、減圧脱泡した後、実施例1と同様にして加熱成
形および物性試験を行なった。
【0027】実施例8 前記実施例5におけるアルミニウム粉に代えて鉄粉(平
均粒径30μm)を使用した以外は全く同様にしてエポ
キシ系複合樹脂組成物の製造、加熱成形及び物性試験を
行なった。
【0028】比較例1〜7 「エピコート828」(同前)または「エポセットBP
A328」(同前)100部とアルミニウム粉(同前)
を、表1に示す比率で使用し、また一部の比較例ではN
BRゴム(平均粒子径2μm)を併用し、これらと消泡
剤0.2部をニーダーで均一に混合して複合樹脂組成物
を得た。この組成物100部に、硬化剤として変性芳香
族アミン(「エピキュア−Z」:同前)を所定量加えて
均一に混合し、減圧脱泡した後、前記実施例1と同様に
して加熱成形および成形体の物性試験を行なった。
【0029】上記実施例1〜8及び比較例1〜7におけ
るエポキシ系複合樹脂組成物の配合組成を表1,2に、
また物性試験結果を表3,4に示す。尚、成形体の内部
応力抑制効果は、線膨張係数と曲げ弾性率の積に比例す
るといわれており、該積の値が小さいものほど樹脂金型
成形時あるいは使用時におけるクラックや破損が抑えら
れることを確認している。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】表1〜4からも明らかである様に、本発明
の規定要件を全て満足する実施例のエポキシ系複合樹脂
組成物を用いたものでは、曲げ強度や圧縮強度、熱変形
温度等を余り低下させることなく、線膨張係数×曲げ弾
性率の値を小さくすることができ、内部応力が抑制され
ることを確認できる。これに対しゴム微粒子を配合して
いない比較例1〜3では、エポキシ樹脂の種類や配合量
を適正に調節することによって、強度特性をある程度コ
ントロールすることが可能であるが、比較例2,3では
線膨張係数×曲げ弾性率の値が本発明の実施例に比べて
格段に大きく、耐クラック性も劣悪であり、また比較例
1では線膨張係数×曲げ弾性率の値は本発明の実施例に
比べて遜色のない値を示しているにもかかわらず、耐ク
ラック性は非常に悪い。これは、配合成分中にゴム粒子
が含まれておらず、衝撃吸収効果が発揮されないことに
よるものと思われる。
【0035】更に、ゴム微粒子が規定範囲未満の比較例
4では衝撃吸収作用が不充分であり、線膨張係数×曲げ
弾性率の値が大きく且つ耐クラック性向上効果も乏し
く、一方ゴム微粒子が規定範囲を超える比較例5では、
組成物としての粘度が高くなり過ぎて均一な混合が困難
になり、実用化し得ないものとなった。またエポキシ樹
脂の配合量が不足する比較例7では、結果的に金属粉末
の配合量が多くなり過ぎて全体が非常に高粘性となって
混練が困難となりり、均一な組成物が得られず、逆にエ
ポキシ樹脂が多過ぎる比較例6では、結果的に金属粉末
の配合量が不足気味となり、線膨張係数×曲げ弾性率の
値が大きくなると共に、曲げ弾性率や曲げ強度、耐クラ
ック性が全体的に不足気味であり、何れも本発明の目的
に合致しないことが分かる。
【0036】参考例1 前記実施例2において、アルミニウム粉末に代えて平均
粒子径が200μmの鉄粉を使用した以外は全く同様に
して成形体を得、同様にして物性試験を行なった。
【0037】参考例2 前記実施例7において、架橋NBRゴムとして平均粒子
径が2μmのものを用いた以外は全く同様にして成形体
を得、同様にして物性試験を行なった。結果は表5に示
す通りであり、平均粒子径の大きい金属粉末を用いた参
考例1では、線膨張係数×曲げ弾性率の値が大きくて耐
クラック性(サイクル数)が不足気味であり、また成形
体の表面状態も劣るものであり、また平均粒子径の大き
なゴム粒子を用いた参考例2も、前記実施例に比べて耐
クラック性(サイクル数)に劣るものであることが分か
る。
【0038】
【表5】
【0039】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、エ
ポキシ樹脂と金属粉末を複合した樹脂組成物中に適量の
ゴム微粒子を分散させることによって、成形体内に生じ
る内部応力を可及的に抑えることができ、例えば樹脂型
の成形材料として使用することによって、内部応力に起
因するクラックや破損等を著しく低減し耐久性を大幅に
高めることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複合樹脂組成物全量中に占める重量比率
    で、ゴム微粒子:1.0〜10重量%、エポキシ樹脂:
    10〜50重量%、金属粉末:50〜80重量%を含有
    することを特徴とするエポキシ系複合樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ゴム微粒子の平均粒子径が0.1〜0.
    5μmである請求項1に記載のエポキシ系複合樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 金属粉末の平均粒子径が5〜100μm
    である請求項1または2に記載のエポキシ系複合樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 樹脂型の成形原料として使用されるもの
    である請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ系複合
    樹脂組成物。
JP6269088A 1994-11-01 1994-11-01 エポキシ系複合樹脂組成物 Withdrawn JPH08127707A (ja)

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JP6269088A JPH08127707A (ja) 1994-11-01 1994-11-01 エポキシ系複合樹脂組成物

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001081438A (ja) * 1999-09-14 2001-03-27 Sony Chem Corp 接続材料
JP2004328000A (ja) * 2004-04-30 2004-11-18 Sony Chem Corp 接続材料
JP2008084545A (ja) * 2006-09-25 2008-04-10 Sumitomo Electric Ind Ltd 電極接続用接着剤

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