JPH0812651A - 5H−ジベンズ/b,f/アゼピン−5−カルボキサミドの製造方法 - Google Patents

5H−ジベンズ/b,f/アゼピン−5−カルボキサミドの製造方法

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JPH0812651A
JPH0812651A JP14635894A JP14635894A JPH0812651A JP H0812651 A JPH0812651 A JP H0812651A JP 14635894 A JP14635894 A JP 14635894A JP 14635894 A JP14635894 A JP 14635894A JP H0812651 A JPH0812651 A JP H0812651A
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acetic acid
iminostilbene
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Eckardt Rudolf
ルドルフ、エッカルト
Hans-Joachim Jaensch
ハンス‐ヨアヒム、イエンシュ
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ARUTSUNAIMITSUTERUBERUKU DORESUDEN GmbH
AWD Pharma GmbH and Co KG
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ARUTSUNAIMITSUTERUBERUKU DORESUDEN GmbH
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】5H−ジベンズ/b,f/アゼピン−5−カル
ボキサミド(カルバマゼピン)の新規な製造方法。カル
バマゼピンは、酢酸、酢酸−水または酢酸−アルコール
混合物中でイミノスチルベンをアルカリシアン酸塩で変
換することにより効果的に製造することができる。 【効果】上記のカルバマゼピンは中枢神経系統の多くの
病気の治療に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、5H−ジベンズ/b,
f/アゼピン−5−カルボキサミドの製造方法に関す
る。この物質はカルバマゼピンの一般名で治療に使用さ
れる。カルバマゼピンは有用な生理学的特性を有する。
カルバマゼピンは、中枢神経系統の多くの病気の治療に
役立つ。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】カルバ
マゼピンの合成には多くの方法が公知である。カルバマ
ゼピンは、 − イミノスチルベンをホスゲンで5H−ジベンズ/
b,f/アゼピン−5−カルボン酸塩化物に変換し、続
いてアンモニアを加えて遊離化合物にするか、あるいは
反応混合物を得る(US−PS 2948718、DD
−PS 297962および298508ならびにEP
423679)か、あるいは − 10,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ/b,f/
アゼピンをホスゲン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメ
チルヒダントイン、炭酸カリウムおよびアンモニアで順
次変換する(GB−PS 1245606)か、あるい
は − イミノスチルベンをアシルイソシアナートで5H−
ジベンズ/b,f/アゼピン−5−(N−アシル)−カ
ルボキサミドに変換し、続いて加水分解する(DE−O
S 2307174)か、あるいは − 5−(メチルイソチオカルバモイル)−5H−ジベ
ンズ/b,f/アゼピン −ヨウ化水素酸塩をアルカリで変換する(DE−OS
2637666)か、あるいは − 5−シアノ−5H−ジベンズ/b,f/アゼピンを
酸またはアルカリで加水分解する(EP 02940
9) ことにより製造することができる。
【0003】これらの公知の方法は一連の欠点を有す
る。例えば、上記方法の多くの場合、毒性の高いホスゲ
ンないしハロゲンシアンの使用が必要である。DE−O
S 2307174による合成では、入手困難なアシル
イソシアナートを必要としている。DE−OA 263
7666による製造では副生成物として毒性のメチルメ
ルカプタンが生じる。
【0004】カルバマゼピンはさらに、 − イミノスチルベンを、有機溶剤または溶剤混合物
中、酸性媒体の存在下で、シアン酸で変換することによ
り製造できる(EP 277095)。酸性媒体は反応
に触媒としてのみ関与し、イミノスチルベンとシアン酸
の変換速度を高めるのに役立つ。変換に必要なシアン酸
は気体状で反応混合物中に導入されるが、シアン酸は、
シアン酸塩の酸処理によって得ることもできる。
【0005】シアン酸は、水、アルコールおよびアミン
と好ましくない副反応を起こすので、変換を非プロトン
性の高い条件下、すなわち水、アルコールおよびアミン
をできるだけ含まない有機溶剤中で、水蒸気を排除して
行う。
【0006】これらの条件により、全体的な反応操作が
難しくなり、追加の材料および技術的な手間がかかる。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の目的
は、上記の欠点が無い、技術的に簡単に操作できるカル
バマゼピンの製造方法を開発することである。
【0008】この目的は驚くべきことに、本発明によ
り、酢酸、酢酸−水または酢酸−アルコール混合物中で
イミノスチルベンをアルカリシアン酸塩で変換すること
により達成される。
【0009】シアン酸ナトリウムまたはカリウムの様な
アルカリシアン酸塩によるイミノスチルベンの変換は、
20〜約100℃の温度範囲で実行することができる。
本発明の方法の好ましい実施態様では、60℃で、イミ
ノスチルベンを酢酸混合物中に分散させた液に、攪拌し
ながら、アルカリシアン酸塩を徐々に加えるが、その
際、シアン酸塩はイミノスチルベンに対して約50モル
%過剰にする。
【0010】本発明の方法では、酢酸−水混合物は20
重量%までの水を含むことができる。本発明の変換を酢
酸−アルコール混合物中で行う場合、10重量%までの
アルコールを含むことができる。好ましくは、メタノー
ルやエタノールの様なアルコールを反応に使用する。
【0011】アルカリシアン酸塩を徐々に加える操作
は、その固体を少量ずつ加えることにより実行すること
もできる。しかし、特に水に溶解し易いシアン化カリウ
ムを使用する場合、アルカリシアン酸塩の水溶液を滴下
するのが有利である。アルカリシアン酸塩の水溶液を滴
下できるので、本発明の方法は技術的に特に簡単に実行
することができる。
【0012】アルカリシアン酸塩によるイミノスチルベ
ンの変換に使用した溶剤混合物は、反応混合物から留別
した後、本発明の変換にさらに使用することができる。
【0013】本発明の方法の成果は、多くの点で驚くべ
きことである。文献からは、ある種の芳香族第1アミン
は、酢酸水溶液中でアルカリシアン酸塩により、対応す
る尿素誘導体に変換され得ることが分かっている。その
際、例えばKurzer(Org. Synth. Coll. Vol. IV, 49頁)
は、1:10〜1:1の比率の酢酸−水混合物で処理し
ている。しかし、これらの反応条件下では、イミノスチ
ルベンの、つまり第2ジアリールアミンのアルカリシア
ン酸塩による変換は成功しない。一方では、イミノスチ
ルベンが上記の芳香族第1アミンと比較して塩基性が非
常に乏しく、他方、イミノスチルベンの酢酸中での溶解
性がこのアミンよりはるかに小さいためである。この僅
かな溶解性は、水およびアルコールの添加によりさらに
低下する。
【0014】EP 277095の説明により、当業者
は、空気中に含まれる様な微量の水分でも望ましい変換
に悪影響を与える、ないし変換を妨害することが分かる
筈である。
【0015】したがって、総溶剤量に対して20重量%
までの水を含む酢酸混合物中で、アルカリシアン酸塩に
よるイミノスチルベンの変換が容易に、非常に良好〜良
好な収率で行われることは予期せぬことであろう。同様
に、本発明により得られる、酢酸−アルコール混合物中
における変換の高収率も驚くべきことであった。本発明
の変換を酢酸混合物中で行い、その際、この混合物中に
5〜10%の水またはアルコールが存在する中で非常に
良好な収率が得られることは非常に有利である。
【0016】
【実施例】下記の実施例により本発明の方法をより詳細
に説明する。実施例1 イミノスチルベン100gを酢酸1000mlに分散さ
せ、攪拌しながら60℃に加熱する。次いで160分以
内に、90%シアン化ナトリウム54gを11回に分け
て加える。反応の過程で、カルバマゼピンの析出が開始
する前に、イミノスチルベンはほとんど完全に溶解す
る。シアン化ナトリウムの添加が終了した後、反応混合
物をさらに60℃で20分間攪拌する。続いて18〜2
0℃に冷却し、この温度で2時間攪拌する。沈殿したカ
ルバマゼピンを吸引分離し、無水酢酸60mlで洗浄し、
乾燥させる。 収量107.8g(理論値の87.9%)、融点193
〜194℃ 母液から水流ポンプ真空中で酢酸を留別する。残留物か
ら酢酸ナトリウムを水で溶解させ、カルバマゼピンを吸
引分離し、乾燥させ、トルエンから再結晶化させる。こ
れによって、さらに融点191〜193℃のカルバマゼ
ピン9.8g(8.0%)が得られる。総収量は95.
9%になる。実施例2 イミノスチルベン100gを、無水酢酸900mlおよび
水100mlからなる混合物に分散させ、攪拌しながら6
0℃に加熱する。次いで2.75時間以内に、90%シ
アン化ナトリウム58.3gを16回に分けて加える。
2時間反応させた後、短時間80℃に加熱して少量の未
溶解イミノスチルベンを溶解させる。シアン化ナトリウ
ムの添加が終了した後、反応混合物を18〜20℃に冷
却し、この温度で0.5時間攪拌する。沈殿したカルバ
マゼピンを吸引分離し、酢酸63mlと水9mlの混合物7
0mlで洗浄し、乾燥させる。 収量110.1g(理論値の89.8%)、融点191
〜195℃ 母液から溶剤を留別する。残留物から酢酸ナトリウムを
水で溶解させ、カルバマゼピンを吸引分離し、乾燥さ
せ、トルエンから再結晶化させる。これによって、さら
に融点188〜190℃のカルバマゼピン5g(4.1
%)が得られる。総収量は93.9%になる。実施例3 イミノスチルベン30gを、酢酸225mlおよび水45
mlからなる混合物に分散させ、攪拌しながら60℃に加
熱する。次いで2.75時間以内に、90%シアン化ナ
トリウム17.5gを16回に分けて加える。1.5時
間反応させた後、短時間80℃に加熱して少量の未溶解
イミノスチルベンを溶解させる。シアン化ナトリウムの
添加が終了した後、反応混合物を60℃でさらに10分
間保持する。その後、18〜20℃に冷却し、この温度
で1時間攪拌する。沈殿したカルバマゼピンを吸引分離
し、酢酸−水混合物(6:1)20mlで洗浄し、乾燥さ
せる。収量32.9g(理論値の89.2%)、融点1
89〜191℃ 母液から溶剤をすべて留別する。残留物から酢酸ナトリ
ウムを水で溶解させ、カルバマゼピンを吸引分離し、乾
燥させ、トルエンから再結晶化させる。これによって、
さらに融点191〜193℃のカルバマゼピン1.8g
(4.8%)が得られる。総収量は94%になる。実施例4 イミノスチルベン60gを、酢酸600mlに分散させ、
攪拌しながら60℃に加熱する。次いで98%シアン化
カリウム40gおよび水66mlからなる溶液を調製し、
2時間かけて滴下する。この間に反応混合物を短時間8
0℃に加熱して未溶解イミノスチルベンを溶解させる。
シアン化カリウムの添加が終了した後、反応混合物を室
温に冷却し、沈殿したカルバマゼピンを吸引分離し、乾
燥させる。融点190〜193℃の生成物33g(理論
値の89.9%)が得られる。
【0017】母液から、実施例3と同様にして、さらに
3.3gが得られる。これによって総収量は93.2%
になる。実施例5 イミノスチルベン100gを、酢酸1000mlおよび水
150mlからなる混合物に分散させ、攪拌しながら60
℃に加熱する。次いで5時間以内に、98%シアン化カ
リウム60.8gを13回に分けて加える。シアン化カ
リウムの添加が終了した後、反応混合物をさらに30分
間攪拌し、次いで18〜20℃に冷却する。沈殿した結
晶を吸引分離し、酢酸60mlおよび水400mlで洗浄
し、乾燥させる。 収量11.2g(理論値の90.9%)、融点191〜
193℃ 母液から溶剤を留別し、残留物から酢酸カリウムを水で
溶解させる。カルバマゼピンを吸引分離し、水洗し、ト
ルエンから再結晶化させ、乾燥させる。この様にして、
さらに融点190〜192℃のカルバマゼピン7.5g
(理論値の6.1%)が得られる。総収量は97%にな
る。実施例6 イミノスチルベン3kgを、酢酸28.5リットルおよび
水1.5リットルからなる混合物に入れ、攪拌しながら
60℃に加熱する。2時間以内に、98%シアン化カリ
ウム1.66kgを加え、15℃に冷却し、この混合物を
20〜15℃でさらに2時間保持し、吸引分離し、酢酸
2リットルで洗浄し、乾燥させる。 収量3.39kg(理論値の92.5%)、融点190〜
192℃ 酢酸22リットルを留別し、残留物に水10リットルを
加え、短時間攪拌し、吸引分離し、水5リットルで洗浄
し、乾燥させることにより、さらに生成物0.28kgが
沈殿する。トルエンから再結晶化することにより、融点
191〜194℃の生成物0.23kg(理論値の6.3
%)が得られる。総収量は98.8%になる。実施例7 イミノスチルベン30gを、酢酸360mlおよびエタノ
ール50mlに入れ、攪拌しながら60℃に加熱し、この
温度で1.5時間以内に、98%シアン化ナトリウム2
0gを加える。短時間80℃に加熱し、60℃でさらに
1時間攪拌し、15℃に冷却し、吸引分離し、酢酸20
mlで洗浄し、乾燥させる。 収量29.4g(理論値の80.3%)、融点189〜
192℃ 母液にシアン化ナトリウム1gを加え、母液を蒸留し、
残留物に水を加え、乾燥生成物をトルエンから再結晶化
させることにより、融点190〜193℃のカルバマゼ
ピンがさらに4.9g(理論値の13.4%)得られ
る。総収量は93.7%になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルドルフ、エッカルト ドイツ連邦共和国ラーデボイル、シューマ ンシュトラーセ、3 (72)発明者 ハンス‐ヨアヒム、イエンシュ ドイツ連邦共和国ラーデボイル、マイスナ ー、シュトラーセ、292

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酢酸、酢酸−水混合物、または酢酸−アル
    コール混合物中においてイミノスチルベンをアルカリシ
    アン酸塩で変換することを特徴とする、5H−ジベンズ
    /b,f/アゼピン−5−カルボキサミドの製造方法。
  2. 【請求項2】酢酸−水混合物が20重量%までの水を含
    む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】酢酸−アルコール混合物が10重量%まで
    のアルコールを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】アルコールとしてメタノールまたはエタノ
    ールを使用する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】アルカリシアン酸塩を徐々に反応混合物に
    加える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】アルカリシアン酸塩を水溶液の形態で加え
    る、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】アルカリシアン酸塩として、シアン化ナト
    リウムまたはシアン化カリウムを使用する、請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の方法。
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