JPH08125346A - 薄膜多層基板の製造方法 - Google Patents

薄膜多層基板の製造方法

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JPH08125346A
JPH08125346A JP26251094A JP26251094A JPH08125346A JP H08125346 A JPH08125346 A JP H08125346A JP 26251094 A JP26251094 A JP 26251094A JP 26251094 A JP26251094 A JP 26251094A JP H08125346 A JPH08125346 A JP H08125346A
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film
etching
plating
resist
etching solution
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JP26251094A
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English (en)
Inventor
Takayoshi Watabe
隆好 渡部
Setsuo Ando
節夫 安藤
Takashi Inoue
隆史 井上
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホトレジスト端部の酸化ダメージを抑制して
パターン精度を向上し、基板上に高密度に接続信頼性の
高い接続用端子を形成し、併せて環境に問題の無い薄膜
多層基板の製造方法の提供。 【構成】(1)基板上に有機絶縁膜を形成し、下層Cr
膜、Cu膜、上層Cr膜を順に成膜して、Cr/Cu/
Cr積層基板を形成し、(2)該積層基板上にポジ形レ
ジストにて所定パターンのレジストを形成し、上層Cr
膜を低温の過マンガン酸カリウム系エッチング液により
除去し、(3)該除去領域のCu膜表面にめっき銅膜を
形成してNiめっき膜を形成し、(4)前記レジストを
剥離し、前記上下層Cr膜をエッチング、Cu膜をソフ
トエッチングしてめっき下地膜のパターン分離を行い、
(5)前記Niめっき膜面にAuめっき膜を形成して接
続用の溶融はんだを溶着するプロセス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜多層基板の製造方
法に係り、特に、ホトレジスト端部の酸化ダメージを抑
制してパターン精度を向上するとともに、基板上に高密
度かつ強固に接続信頼性の高い接続用端子を形成し、併
せて環境保護にも好適な薄膜多層基板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子部品の小型化、軽量化、及び、高性
能化などの技術が著しい発展をしているなか、特に、装
置部品の高密度化はますます増大し、最近では大型計算
機やスーパーコンピュータにおいて実装される素子の高
速化が進み、素子自身の高速性能を最大限に発揮させる
ことが高速演算処理のために重要不可欠となってきてい
る。これに対応するため、回路配線を多層化の方法を用
いて小型化、低誘電率化を図り、高密度化された薄膜多
層基板が一般に用いられている。また、近年、電子機器
のダウンサイジングにともないLSIの高集積化が進ん
でおり、そのため、LSIを電子機器に搭載するための
多ピン薄膜実装が求められている。このような多ピン実
装には接続用端子である突起電極(以下、接続用端子と
いう)が必要になるが、その形成技術は多ピン実装のキ
ーテクノロジーといわれており、そのために接続用端子
が、ポリイミドのような誘伝率の低い有機絶縁材料との
組合せにより形成されるようになっている。
【0003】実際の素子上においては、電子機器の小型
化高集積化を満たすために大幅な接続点数の増加が必須
となり微細パターンを形成する必要がある。このため、
例えば銅を加工するのにウエットエッチング方法(サイ
ドエッチング方法ともいう)を用いる場合には、アンダ
ーカット量が大きいために設計通りのエッチングができ
ないことが一般的によく知られているから、このような
問題を考慮した製造方法にして対応する必要があり、ま
た、最近では環境問題の観点から使用されるエッチング
液が限られてきており、このことも考慮した上でウエッ
トエッチング工程を行なう必要がある。
【0004】従来の多層配線回路基板の製造方法とし
て、基板上に配線導体と有機材絶縁膜とを有する多層配
線回路基板において、配線導体の上層にTi金属層を用
い、下層にクロムを設けることにより、有機材絶縁膜と
金属層との密着性を高めるとともに、ポジ型フォトレジ
ストの使用を可能にし、優れた微細配線パターンが得ら
れるとする技術がある(例えば、特開昭61−2718
99号公報)。そして、この場合に下層のクロムをエッ
チングするエッチング液の例として、赤血塩30g、水
酸化ナトリウム5g、水100ccからなるアルカリ性
処置液を使用することが記載されている。
【0005】また、フォトレジストに影響を与えずにフ
ォトレジスト、特にポジのフォトレジストを通して金属
フィルムを食刻することを第1の目的とし、除去される
べきフィルムの部分に対応した開孔部を有するアルカリ
現像ポジ・フォトレジスト・パターンを金属フィルム上
に形成し、該フィルムへ次の組成を有するpH値12な
いし13.5の混合物、すなわち、アルカリ溶液中で活
性を示す酸化剤の約2ないし32重量パーセントと、ナ
トリウム、カリウム、リチウムの珪酸塩および燐酸塩、
および第四アンモニウム珪酸塩および燐酸塩よりなる群
から選択された少なくとも1つの塩の15重量パーセン
トまでの水溶液を塗布することよりなる金属食刻方法
(例えば、特公昭49−15535号公報)があり、具
体例として過マンガン酸カリウム系エッチング液を使用
する例が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭61−27
1899号公報記載のCrエッチング液を用いて実験を
行なったところ、めっきを施す前の上層Cr膜エッチン
グで、Cu膜との選択性もあり、またレジストダメージ
もなくCuめっき、Niめっきも良好にでき満足の行く
ものであったが、このエッチング液は、アルカリ性フェ
リシアン化カリウム系のエッチング液であって、アルカ
リ性では、安定なシアン化合物を成分とするが、酸性で
は、シアンが遊離し、猛毒性となり排水処理等で環境問
題を発生するため、最近ではその有毒性が問題視されて
いる。従って、シアン系のエッチング液は、作業者の健
康上においても好ましくない問題点を有していた。
【0007】一方、特公昭49−15535号公報記載
の過マンガン酸カリウム系エッチング液は、上記環境や
健康上の問題が無く使用できるため、このエッチング液
にて多層回路基板の製造実験を行なったところ、下記第
1および第2の2つの問題点が発生した。
【0008】第1に、めっき下地のCuの酸化防止膜、
及びめっきガイドのホトレジストとの密着用として用い
ている上層Cr膜のエッチング液により、解像度の高い
ポジ型ホトレジストを使用して前記上層Cr膜を0.0
5μmだけエッチングする時間侵漬し、その結果を詳細
に調べたところ、エッチング終了前に既に開孔部周辺等
のホトレジスト端部にダメージが発生していることが判
明した。このようなホトレジストの酸化ダメージ現象が
起きてはパターン精度を維持することは不可能であり、
また、めっき膜の形状に大きく影響して問題であり、接
続用端子として満足の行くものを形成することはできな
い。
【0009】第2に、パターン分離で下層Cr膜エッチ
ング後、基板洗浄し、さらに乾燥ベークを行なったとこ
ろ、ポリイミド等からなる下地有機膜表面にクラックが
発生した。これは、後述するように過マンガン酸イオン
が下地有機膜を酸化し、その表面に二酸化マンガンを生
成することによる。即ち、この二酸化マンガンが付着し
たまま室温以上の熱にさらされると、前記下地有機膜の
酸化が進み割れが入る現象として表われもので、論外の
問題点となる。
【0010】このように従来のCr膜エッチング液を用
いて、例えばポリイミドのような有機膜上にCr/Cu
/Cr成膜後、解像度の高いポジ型レジストを用いて接
続用端子を形成する場合には、前記した各種の問題点を
有していた。
【0011】次にCuのエッチングとして、一般に知ら
れている酸性系のエッチングにてパターン分離を行なっ
たところ、最上面のNiめっき膜まで侵されてしまう問
題点が発生した。このような状態では、接続用端子とし
ては不適であり、接続の信頼性が得られない問題点を有
していた。
【0012】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
ホトレジスト端部の酸化ダメージを抑制してパターン精
度を向上するとともに、基板上に高密度かつ強固に接続
信頼性の高い接続用端子を形成することができ、併せて
環境や健康上の問題の無い薄膜多層基板の製造方法を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の薄膜多層基板の製造方法は、(1)基板上
に有機絶縁膜を形成し、該有機絶縁膜上に下層Cr膜、
Cu膜、上層Cr膜を順に成膜して、Cr/Cu/Cr
積層基板を形成し、(2)該形成したCr/Cu/Cr
積層基板上にポジ形レジストにて所定のパターンのレジ
ストを形成し、前記上層Cr膜を低温の過マンガン酸カ
リウム系エッチング液により除去し、(3)前記上層C
r膜がエッチング除去された領域のCu膜表面にめっき
銅膜を形成した後、該めっき銅膜上にNiめっき膜を形
成し、(4)前記レジストを剥離した後、前記上層Cr
膜をエッチング、Cu膜をソフトエッチングおよび下層
Cr膜をエッチングしてそれぞれ除去し、該除去により
めっき下地膜のパターン分離を行い、(5)前記Niめ
っき膜面にAuめっき膜を形成した後、該Auめっき膜
面に接続用の溶融はんだを溶着する、プロセスを備えた
構成にしたものである。
【0014】また、本発明の他の薄膜多層基板の製造方
法は、(1)基板上に有機絶縁膜を形成し、該有機絶縁
膜上に下層Cr膜、Cu膜、上層Cr膜を順に成膜し
て、Cr/Cu/Cr積層基板を形成し、(2)該形成
したCr/Cu/Cr積層基板上にポジ形レジストにて
所定のパターンのレジストを形成し、前記上層Cr膜を
低温の過マンガン酸カリウム系エッチング液により除去
し、(3)前記上層Cr膜のエッチングにより前記レジ
スト表面に生成した二酸化マンガンを除去し、(4)前
記上層Cr膜がエッチング除去された領域のCu膜表面
にめっき銅膜を形成した後、該めっき銅膜上にNiめっ
き膜を形成し、(5)前記レジストを剥離した後、前記
上層Cr膜をエッチング、Cu膜をソフトエッチングお
よび下層Cr膜をエッチングしてそれぞれ除去し、該除
去によりめっき下地膜のパターン分離を行い、(6)前
記上層Cr膜および下層Cr膜のエッチングにより前記
有機絶縁膜表面に生成した二酸化マンガンを除去し、
(7)前記Niめっき膜面にAuめっき膜を形成した
後、該Auめっき膜面に接続用の溶融はんだを溶着す
る、プロセスを備えた構成にしたものである。
【0015】そして、前記上層Cr膜および下層Cr膜
をエッチングするエッチング液組成物を、過マンガン酸
カリウムとメタケイ酸ナトリウムを含むエッチング液組
成にすることが好ましい。
【0016】また、前記下層Cr膜、Cu膜、上層Cr
膜の成膜を、順に連続でスパッタ成膜することがよく、
さらに前記上層Cr膜をエッチングする低温の過マンガ
ン酸カリウム系エッチング液を、5℃ないし10℃の範
囲の液温に設定するとよい。
【0017】そして、前記Cu膜をエッチングするエッ
チング液組成物を、アンモニアアルカリ系のエッチング
液組成にすることが好ましい。
【0018】
【作用】上記構成としたことにより、Cr膜エッチング
液の過マンガン酸イオンは、有機物と反応して自らは二
酸化マンガンとなるとともに、ホトレジストの表面にも
類似の酸化作用を及ぼし、ホトレジストの表面に二酸化
マンガンを付着させるが、エッチング液の低温化によ
り、ホトレジストの表面に対する過マンガン酸イオンの
酸化作用を抑制することが可能になり、ホトレジスト酸
化ダメージを格段に低減させて、従来発生していた割れ
が入る減少を防止することができる。このため、絶縁膜
にポリイミドのような有機膜を用いても従来に比べてパ
ターン精度を向上させることが可能になる。そして、こ
の作用は、レジスト表面および有機絶縁膜表面に生成し
た二酸化マンガンを除去する工程を付加することによ
り、一層顕著になる。
【0019】そして、下層Cr膜のエッチング残りが無
くなることから、ホトレジストに対する上層Cr膜のア
ンダーカット量およびめっき銅膜に対する下層Cr膜の
アンダーカット量をほぼゼロにすることができ、また、
パターン分離時のCu膜のエッチングをソフトエッチン
グとすることにより、Niめっき膜を侵すことなくエッ
チングが行われるため、該Niめっき膜を介して銅導体
とはんだとの十分な接続が確保され、強固で接続信頼性
の高い接続用端子を形成することができ可能になる。
【0020】一方、エッチング液として過マンガン酸カ
リウム系エッチング液を使用することにより、環境や健
康上の問題を発生させることは無い。
【0021】
【実施例】まず、図1を参照して本発明の薄膜多層基板
の製造方法の第1の実施例を説明する。図1は薄膜多層
基板の製造方法の工程説明図である。
【0022】まず、本発明の実験に用いた試料について
説明する。基板はセラミック、または、ガラス板で、寸
法はいずれも10cm×10cmである。この基板にポ
リイミドをスピン塗布し、所定温度で段階的にベーク及
び硬化させてポリイミド膜4を形成した。ここで、ポリ
イミド膜4の最終膜厚は7μmである。これを次の条件
で酸素プラズマ処理を行なった。
【0023】酸素プラズマ処理 (i)装置 :バレル形アッシャ (ii)投入電力 :RF300±20W (iii)酸素圧力 :0.5±0.02Torr (iv)酸素流量 :130±20sccm (v)処理時間 :8.5分 (vi)ポリイミド膜減り量 :約0.1μm これをスパッタ装置に入れて真空加熱乾燥を行ない、引
き続き真空中でポリイミド膜4の表面にスパッタエッチ
処理を施し、十分な脱ガスを行なった後、図1(1)に
示すように下層Cr膜3、Cu膜2、上層Cr膜1の順
に連続スパッタ成膜を行い、Cr/Cu/Cr積層基板
を形成した。なお、本実施例においてはスパッタ成膜を
ポリイミド膜4上に行ったが、他の有機絶縁膜、例えば
ガラスエポキシ樹脂等に行ってもよい。
【0024】ここで膜厚は、下層Cr膜3を0.1〜0.
3μm、Cu膜2を0.5〜5.0μm、上層Cr膜1を
0.05〜0.1μmにそれぞれ形成した。なお、この場
合のスパッタ成膜条件は、 (i)スパッタエッチ …投入電力=0.25kw(4
分),0.5kw(2分)、Ar圧力=8×105Pa (ii)下層Crスパッタ…投入電力(RF)=2kw,
Ar圧力=0.2Pa (iii)Cuスパッタ …投入電力(DC)=3kw,
Ar圧力=0.6Pa (iv)上層Crスパッタ…投入電力(RF)=2kw,
Ar圧力=0.2Pa (v)下層Cr膜厚 …800Å,上層Cr膜厚…5
00Å (vi)Cu膜厚 …3000Å である。
【0025】以上のように成膜したCr/Cu/Cr薄
膜上に、解像度の高いポジ形レジストを用いて図1
(2)に示すようにホトレジスト5のパターンを膜厚2
0μm以上に形成する。次いで、図1(3)に示すよう
にホトレジスト5をマスクとして、レジストが無い部分
の上層Cr膜1のウエットエッチングを行なう。ここ
で、エッチング液の組成、温度およびエッチング時間
は、 過マンガン酸カリウム……40g/l、 液温:5℃ メタケイ酸ナトリウム……60g/l エッチング時間 ……ジャストエッチング時間+オ
ーバー時間5分 である。本実施例においては上記液温としたが、5℃な
いし10℃程度の低温の範囲であればよい。
【0026】つぎに図1(4)に示すように、上層Cr
膜1がエッチング除去された領域のCu膜2表面のみ
に、電気めっき、もしくは化学めっきにより5〜40μ
mの厚付けのめっき銅膜6を形成する。ついで図1
(5)に示すように、めっき銅膜6上に電気めっき、も
しくは化学めっきにより1〜5μmのNiめっき膜7を
形成する。そして、上記各工程を終えた基板を洗浄、乾
燥後、図1(6)に示すようにレジスト剥離液を用いて
ホトレジスト5を剥離する。次いで図1(7)に示すよ
うに、前記スパッタ成膜された、めっき下地膜の上層C
r膜1をウエットエッチングして除去する。このエッチ
ングを前記図1(3)にて使用したCrエッチング液で
行うと、工程を簡便にしコスト低減を図ることができ
る。同様に、Cu膜2をソフトエッチングし、続いて下
層Cr膜3をウエットエッチングして除去する。この場
合も上記図1(3)にて使用したCrエッチング液で行
うと、工程が簡便になりコスト低減が図られる。このめ
っき下地膜のパターン分離工程を終えた基板を、洗浄、
乾燥後、図1(8)に示すようにNiめっき膜7の表面
のみに、はんだ濡れ性の確保とNiめっき膜7の酸化防
止用としてAuめっき膜8を形成する。次に、図1
(9)に示すようにAuめっき膜8の面に接続用の溶融
はんだ9を溶着する。なお、各エッチング工程、めっき
工程が終了した後には、適宜水洗が行われる。
【0027】ここで、めっき銅膜6を形成する前の状
態、すなわち、前記図1(3)に示す上層Cr膜1のエ
ッチング後の状態において、L1で示す寸法は、ホトレ
ジスト5に対する上層Cr膜1のアンダーカット量であ
る。一方、前記図1(7)に示す下層Cr膜3のエッチ
ング後の状態において、L2で示す寸法は、Cu膜2と
めっき銅膜6とが一体化した銅膜に対する下層Cr膜3
のアンダーカット量である。また、同じくL3で示す寸
法は、Niめっき膜7に対するCu膜2とめっき銅膜6
とが一体化した銅膜のアンダーカット量である。
【0028】上記アンダーカット量を示す寸法L1
2、L3は、前記図1(3)および図1(7)の工程に
おいて上層部分を剥がし、ホトレジスト5、Niめっき
膜7、上層Cr膜1、めっき銅膜6及び下層Cr膜3の
各寸法を比較することにより容易に求めることができ
る。そして、ホトレジストダメージは金属顕微鏡にて観
察し、微小なホトレジストダメージは走査型電子顕微鏡
にて観察した。その結果、ホトレジストダメージの発生
が抑制され格段に低減されていることを確認した。ま
た、下層Cr膜3のエッチング残りの有無は、エッチン
グ終了後のポリイミド膜4の表面をX線マイクロアナラ
イザにより分析して検査した。
【0029】前記Cr膜エッチング液の低温化によるホ
トレジスト酸化ダメージの抑制は、以下のメカニズムに
よる。即ち、過マンガン酸イオンは、下記に示す 2MnO4+3R2CHOH→3R2C=O+2MnO2
2H2O+2HO の反応機構により有機物と反応して自らは二酸化マンガ
ンとなる。このため、ホトレジスト5の表面にも類似の
酸化作用を及ぼし、ホトレジスト5の表面に二酸化マン
ガンを付着させるが、エッチング液の低温化により、ホ
トレジスト5の表面に対する過マンガン酸イオンの酸化
作用を抑制することが可能になり、ホトレジスト酸化ダ
メージの格段の低減を図ることができる。
【0030】以上のように従来の過マンガン酸カリウム
系エッチング液を低温化することによりホトレジストダ
メージを抑え、高密度に信頼性の高い接続用端子を形成
可能にした。
【0031】また、前記図1(7)に示すパターン分離
工程において、Cu膜2のエッチングを、下記表1に示
す6種類の組成のエッチング液および条件にて実験し
た。表1は、銅膜のエッチング液組成物および条件を示
す表である。
【0032】
【表1】
【0033】上記表1により行ったエッチングの結果を
表2に示す。該表2に示すように、No.3とNo.6
のアンモニアアルカリ系のエッチング液を使用した場合
は、最表面にあるNiめっき膜7を侵すことが無いため
ダメージを与えることがない。また、Niめっき膜7に
対するCu膜2とめっき銅膜6からなる銅膜のアンダー
カット量が、他の組成のエッチング液に比べて格段に小
さく、なんら問題無くエッチング加工が施されたことを
示している。
【0034】
【表2】
【0035】上記表2から分かるように、前記した従来
のCr膜エッチング液である過マンガン酸カリウム系の
問題点が解決されてホトレジストダメージをほぼ皆無に
することができ、めっき膜の形状を設計通りに形成する
ことが可能になった。
【0036】そして同時に、下層Cr膜3のエッチング
残りが無くなり、ホトレジスト5に対する上層Cr膜1
のアンダーカット量およびめっき銅膜6に対する下層C
r膜3のアンダーカット量をほぼゼロにした高精度のエ
ッチング加工を実現することができ、高密度に接続用端
子を形成することができた。
【0037】上記実験した方法を用いて具体的にポリイ
ミド膜4上に実際の接続用端子を形成してはんだ付けを
行ったところ、極めて強固かつ高い接続信頼を達成する
ことが出来た。
【0038】つぎに、図2を参照して本発明の第2の実
施例を説明する。図2は前記図1と同様に薄膜多層基板
の製造方法の工程説明図である。図中、図1と同符号の
ものは同じものを示す。図2において、10は二酸化マ
ンガンを示す。
【0039】前記図1に示すプロセスにおいても極めて
高密度に精度良く薄膜多層基板を製造することが出来た
が、下記第2の実施例に示す方法は、さらに広いプロセ
スマージンを確保した方法である。
【0040】すなわち本実施例は、前記第1の実施例に
おける銅めっき膜形成前の図1(3)に示す上層Cr膜
1のエッチング工程と、図1(7)に示すめっき下地パ
ターン分離時の上層Cr膜1、Cu膜2および下層Cr
膜3のエッチング工程との後に、該エッチング時に生成
する二酸化マンガン10を除去する工程として、図2
(4)および図2(9)に示す塩酸ヒドロキシルアミン
水溶液に浸漬する工程を追加した方法で、前記第1の実
施例に比べてさらに広いプロセスマージンを確保するこ
とが可能になる。その他の工程は前記第1の実施例と同
様である。本実施例の方法を使用し、ポリイミド膜4上
に実際に接続用端子を形成してはんだ付けを行ったとこ
ろ、前記第1の実施例と同様に極めて強固かつ高い接続
信頼を達成することが出来た。
【0041】本実施例の方法は、例えば、上下層Cr膜
1,3の膜厚が厚くなったとき、即ち、上下層Cr膜
1,3のエッチング時間が長くなった場合でも対処でき
る製造方法である。また、各めっき前にホトレジスト5
と上層Cr膜1との密着を目的とした熱処理や、乾燥す
るための熱処理を施す工程も付加できる工程である。こ
れは、ホトレジスト5に熱処理が加わっても、前記第1
の実施例で示したエッチング液の低温化によりホトレジ
スト5の表面に対する過マンガン酸イオンの酸化作用を
抑制する反応機構のために、もはやそのホトレジスト5
を酸化分解する原因が皆無となったからである。
【0042】なお、二酸化マンガン除去剤は各種ある
が、そのうち代表的な除去剤を下記に示す。 (a)MnO2+4HCl→MnCl+Cl2+2H2O (b)MnO2+H22+H2SO4→MnSO4+2H2O+O2 (c)MnO2+2HONH2・HCl→MnCl2+4H2O+N2 (d)MnO2+2HONH2・H2SO4→2MnSO4+6H2O+N2 これらのうち、どの除去剤を用いても二酸化マンガンは
除去されるが、処理液の安定性、酸化生成物の反応性の
低さなどの点から、実験は上記(c)の塩酸ヒドロキシ
ルアミンを用いて行なった。
【0043】つぎに、図3を参照して本発明の第3の実
施例を説明する。図3は前記図1、図2と同様に薄膜多
層基板の製造方法の工程説明図である。図中、図1、図
2と同符号のものは同じものを示す。
【0044】前記図1、図2に示すプロセスにおいても
極めて高密度に精度良く薄膜多層基板を製造することが
出来たが、下記第3の実施例に示す方法は、さらに広い
プロセスマージンを確保した方法である。
【0045】即ち、前記図2に示す工程(5)のパター
ン分離時の下層Cr膜3のエッチング条件を、下記に示
す条件 過マンガン酸カリウム……40g/l、 液温:30
℃ メタケイ酸ナトリウム……60g/l エッチング時間 ……ジャストエッチング時間+オ
ーバー時間2分 とし、その他の工程を前記第2の実施例と同様にした製
造方法である。ただし、めっき前の上層Cr膜1の温度
は、5℃に設定される。
【0046】本実施例の方法を使用し、ポリイミド膜4
上に実際に接続用端子を形成してはんだ付けを行ったと
ころ、前記第1、第2の実施例と同様に極めて強固かつ
高い接続信頼を達成することができ、十分のプロセスマ
ージンを確保することが可能になった。さらに、上記エ
ッチング液温の上昇により、短いエッチング時間の加工
プロセスが確立され、作業性を向上させる効果を有す
る。
【0047】なお、上記各実施例において、下層Cr膜
3が成膜される下地基板としてガラス板またはセラミッ
ク基板を使用したが、Siウエハー等他のものにも適用
可能であり、また、ホトレジスト5としてポジ型レジス
トを使用したが、ネガ型ホトレジストを使用することも
可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ホトレジ
スト端部の酸化ダメージを抑制してパターン精度を向上
することができるとともに、基板上に電気的特性、はん
だ濡れ性を十分に満足する高密度かつ接続信頼性の高い
接続用端子を形成することができ、併せて環境や健康上
の問題を発生させない効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の薄膜多層基板の製造方
法の工程説明図である。
【図2】本発明の第2の実施例の薄膜多層基板の製造方
法の工程説明図である。
【図3】本発明の第3の実施例の薄膜多層基板の製造方
法の工程説明図である。
【符号の説明】
1…上層Cr膜、2…Cu膜、3…下層Cr膜、4…ポ
リイミド膜、5…ホトレジスト、6…めっき銅膜、7…
Niめっき膜、8…Auめっき膜、9…溶融はんだ、1
0…二酸化マンガン。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)基板上に有機絶縁膜を形成し、該有
    機絶縁膜上に下層Cr膜、Cu膜、上層Cr膜を順に成
    膜して、Cr/Cu/Cr積層基板を形成し、(2)該
    形成したCr/Cu/Cr積層基板上にポジ形レジスト
    にて所定のパターンのレジストを形成し、前記上層Cr
    膜を低温の過マンガン酸カリウム系エッチング液により
    除去し、(3)前記上層Cr膜がエッチング除去された
    領域のCu膜表面にめっき銅膜を形成した後、該めっき
    銅膜上にNiめっき膜を形成し、(4)前記レジストを
    剥離した後、前記上層Cr膜をエッチング、Cu膜をソ
    フトエッチングおよび下層Cr膜をエッチングしてそれ
    ぞれ除去し、該除去によりめっき下地膜のパターン分離
    を行い、(5)前記Niめっき膜面にAuめっき膜を形
    成した後、該Auめっき膜面に接続用の溶融はんだを溶
    着する、プロセスを備えたことを特徴とする薄膜多層基
    板の製造方法。
  2. 【請求項2】(1)基板上に有機絶縁膜を形成し、該有
    機絶縁膜上に下層Cr膜、Cu膜、上層Cr膜を順に成
    膜して、Cr/Cu/Cr積層基板を形成し、(2)該
    形成したCr/Cu/Cr積層基板上にポジ形レジスト
    にて所定のパターンのレジストを形成し、前記上層Cr
    膜を低温の過マンガン酸カリウム系エッチング液により
    除去し、(3)前記上層Cr膜のエッチングにより前記
    レジスト表面に生成した二酸化マンガンを除去し、
    (4)前記上層Cr膜がエッチング除去された領域のC
    u膜表面にめっき銅膜を形成した後、該めっき銅膜上に
    Niめっき膜を形成し、(5)前記レジストを剥離した
    後、前記上層Cr膜をエッチング、Cu膜をソフトエッ
    チングおよび下層Cr膜をエッチングしてそれぞれ除去
    し、該除去によりめっき下地膜のパターン分離を行い、
    (6)前記上層Cr膜および下層Cr膜のエッチングに
    より前記有機絶縁膜表面に生成した二酸化マンガンを除
    去し、(7)前記Niめっき膜面にAuめっき膜を形成
    した後、該Auめっき膜面に接続用の溶融はんだを溶着
    する、プロセスを備えたことを特徴とする薄膜多層基板
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記上層Cr膜および下層Cr膜をエッ
    チングするエッチング液組成物が、過マンガン酸カリウ
    ムとメタケイ酸ナトリウムを含むエッチング液組成であ
    る請求項1または2記載の薄膜多層基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記下層Cr膜、Cu膜、上層Cr膜の
    成膜が、順に連続でスパッタ成膜される請求項1または
    2記載の薄膜多層基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記上層Cr膜をエッチングする低温の
    過マンガン酸カリウム系エッチング液が、5℃ないし1
    0℃の範囲の液温に設定されてなる請求項1または2記
    載の薄膜多層基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記Cu膜をエッチングするエッチング
    液組成物が、アンモニアアルカリ系のエッチング液組成
    である請求項1または2記載の薄膜多層基板の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008066748A (ja) * 2003-12-05 2008-03-21 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd プリント配線基板および半導体装置
JP2020072166A (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 京セラ株式会社 印刷配線板および印刷配線板の製造方法

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