JP3366002B2 - エッチング液及びそれを使用したエッチング方法 - Google Patents

エッチング液及びそれを使用したエッチング方法

Info

Publication number
JP3366002B2
JP3366002B2 JP01902490A JP1902490A JP3366002B2 JP 3366002 B2 JP3366002 B2 JP 3366002B2 JP 01902490 A JP01902490 A JP 01902490A JP 1902490 A JP1902490 A JP 1902490A JP 3366002 B2 JP3366002 B2 JP 3366002B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
thin film
chromium
metal thin
etching solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP01902490A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03226587A (ja
Inventor
隆好 渡部
隆史 井上
齊 岡
慎一郎 今林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP01902490A priority Critical patent/JP3366002B2/ja
Publication of JPH03226587A publication Critical patent/JPH03226587A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3366002B2 publication Critical patent/JP3366002B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)
  • Weting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、Crのエッチング液組成物に係り、特に、Cr
/Cu,Cr/Ni−Cu等の多層金属薄膜をエッチング加工する
にあたり、Crのエッチングの際に上層金属であるCuやNi
−Cu合金が侵されることなく、かつCrのサイドエッチ量
が極めて小さいエッチングプロセスを提供するものであ
って、しかも上記多層金属薄膜が、ポリイミドの様な有
機膜の上に形成された場合においても、Crのエッチ残り
が発生することなく、高精度の加工を達成するエッチン
グ液に関する。
〔従来の技術〕
集積回路素子のパッケ−ジ技術においては、集積度の
著しい増大のため、I/Oピン数の増大が余儀なくされ、
大巾な接続点数の増加が必須となってきた。この傾向は
単体のLSIのみの課題ではなく、大形計算機やス−パ−
コンピュ−タの開発において特に切実な問題となってい
る。さてこの様な、膨大な数の接続を能率良くかつ信頼
性高く実現する方法の一つとしてCCB(Controlled Coll
dpse Bonding)が多用されている。この接続法において
は、まずLSI表面およびこれと向かい合って接続される
マイクロチップキャリヤ−やマルチチップモジュ−ル基
板の表面の両面に、半田ボ−ルの受け皿となる凹形状の
パッド電極を等ピッチで設ける。次に、LSI表面あるい
は、チップキャリヤ表面のいずれかのパッドに、一定量
の半田を供給し、これに相手側表面のパッド電極をアラ
イメントして対向密着させ、半田を熱溶融させて、双方
の電極パッドを電気的に接続させる。ここで、このCCB
用電極パッドに要求される特性としては、半田濡れ性
にすぐれ、半田との間に重文の接合強度を持つこと、
必要以上の半田拡散を抑制するバリヤ性を持つこと、
下地基板(LSIチップ表面またはチップキャリヤ基板表
面)との間に十分の接着力を持つこと、垂直方向の伝
導率が十分に高いこと、下地配線材料とオ−ミックコ
ンタクトが確保できること、等が挙げられる。以上の観
点から、電極パッド形成材料としては、Cr/Cu,Cr/Cu/A
u,Cr/Ni−Cu,Cr/Ni−Cu/Au,Cr/Ni,Cr/Ni/Au等の多層金
属薄膜が使われている。ここで、特にCrは上記および
の役割を分担しており、Auは半田濡れ性と酸化防止膜
の役割を果す。またCu,Ni−Cu,Niは、半田との接合強度
および上記の役割を担っている。
さて、実素子上においては、個々のCCB電極パッドが
独立パタ−ンとなる様にホトリソ工程によるエッチング
加工を施す必要がある。この時、工程簡略化の観点か
ら、一回だけのホトリソ工程により上記金属積層膜を、
異なるエッチング液の連続使用により一挙に加工できる
ことが望ましい。このためには、特にCrのエッチング液
が上層金属であるCu,Ni−Cu合金、Ni等に対して十分の
選択性を持つことが必須である。
一方、特に大形計算機やス−パ−コンピュ−タにおい
ては、実装遅延時間短縮の目的でマイクロチップキャリ
ヤやマルチチップモジュ−ル基板の表面に、ポリイミド
の様な誘電率の低い有機絶縁材料を用いた薄膜多層配線
が用いられる傾向にある。そこで、上記のCCB電極をポ
リイミドの様な有機膜の上に形成する必要がある。ここ
で、ポリイミドとその上に蒸着されたCrとの間である程
度の化学反応が起こることが知られており、これが両者
の接着力の起源ともなると考えられている。(例えば、
P.N.Sand,J.W.Bartha,J.G.Clabes,J.L.Jordan,C.Feger,
B.D.Silverman and P.S.Ho,J.Vac.Sci.Technol,A4
(3),1035−1038(1986))従って、Crエッチング液
としては、この様な結合状態のCrでも十分にエッチング
除去できると同時に、下地ポリイミドにダメ−ジを与え
るものであってはならない。
さらに、Crのサイドエッチ量が十分に小さいことも重
要な条件である。もし、Crサイドエッチ量が大きい場合
には、上層金属膜のパタ−ン端部がひさしとなり、これ
が脱落して形状不良となるからである。
さて、従来Cr膜のエッチング液としては、大別して以
下の2系統の組成物が知られている。その第1は、酸性
エッチング液であり、代表例としては、(a)硝酸第2
セリウムアンモニウムを主成分とするもの(例えば、特
開昭53−112237),(b)塩酸を主成分とするもの(例
えば、特開昭60−114580)が挙げられる。第2は、アル
カリ性エッチング液であり、代表例としては、(c)水
酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムとフェリシアン化
カリウムの混合液(例えば、特開昭60−181280)が挙げ
られる。ここで、(a)の硝酸第2セリウムアンモニウ
ムを主成分とするものでは、後述する比較例1(表1)
に示したように、Cu,Ni−Cu合金に対する選択性が不十
分である。このため、Crエッチングの際中に、上層金属
であるCu,Ni−Cu等を同時に侵し、配線パタ−ン形状に
異常をきたす問題がある。またエッチング力が強いた
め、ポリイミド等の有機膜表面においてもCrエッチング
残りが発生しない反面、Crのサイドエッチング量が大き
いという欠点がある。(b)の塩酸を主成分とするもの
では、やはり後述するように(表1の比較例2)、Ni−
CuやCuに対する選択性は十分であるが、特にポリイミド
の様な有機膜上に成膜されたCrに対してエッチング力が
不足であり、エッチ残りを発生し易い問題がある。さら
に、(c)のアルカリ性フェリシアン化カリウムの溶液
においても、Ni−CuやCuに対する選択性は十分である
が、やはりポリイミドの様な有機膜上に成膜されたCrに
対してエッチング力が不十分であり、エッチ残りを発生
し易い。(表1の比較例3参照)。
以上の様に従来のCrエッチング液では、Cr/CuやCr/
Ni−Cu等の多層金属薄膜の加工において、上層金属であ
るCuやNi−Cu合金も同時に侵す問題がある、エッチン
グ力が不十分なためにエッチ残りが発生し易く、特に下
地がポリイミド等の有機膜である場合に、その傾向が著
しい、等の欠点があった。このため、例えば、CCB接合
用の電極パッド形成に用いてLSIとの半田付けを行なっ
た場合、半田濡れ不十分等が原因となって、十分に高い
接続信頼性を得ることは困難であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決して、Cr
膜のエッチングの際中にCr膜の上層の金属膜を侵すこと
なく、かつCr膜のサイドエッチを最小限に抑えて精度良
く加工することが可能で、しかも下地表面にエッチ残り
を発生させることのない、Crエッチング液を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、酸性およびアルカリ性
の2系統のエッチング液を開発した。
まず酸性エッチング液については、従来形の塩酸系エ
ッチング液のエッチング力を強化する方針で対処するこ
ととした。このために、Clイオン源となる塩類として、
1モル中に含まれるClイオン数の多い塩化アルミニウム
を添加した。さらに、Crエッチング力を維持したまま
で、Crのサイドエッチング量を低減するため、粘度の高
いリン酸を添加した。
次に、アルカリ性エッチング液については、従来のア
ルカリ性フェリシアン化カリウム水溶液のエッチング力
を強化する方針で対処することとした。このために、Cl
イオン源となる塩類として、塩化カリウムを添加した。
以上をまとめると、本発明のCrエッチング液は、まず
従来知られているエッチング液組成物のうちで、Crの上
層に用いる金属であるCuやNi−Cuを侵さない酸性及びア
ルカリ性エッチング液に着目したものである。次いで、
これら従来のエッチング液の欠点であるエッチング力不
足を強化する目的で、Crエッチングの駆動力となるClイ
オンを塩類として大量に添加した。さらに、酸性エッチ
ング液の場合には、エッチング強化の好ましくない副作
用として発生するCrサイドエッチングを抑えるため、粘
度の高いリン酸を添加したものである。
〔作用〕 以上の様な方針に基づく、本発明のエッチング液の作
用について、さらに詳しく説明する。
一般に、金属薄膜をスパッタリング、EB加熱蒸着、抵
抗加熱蒸着等の蒸着法により成膜した場合、その膜の膜
厚方向の組成は完全に均一にはならないことが多い。即
ち、金属膜の蒸着初期から成膜完了までの間、膜の全層
にわたって純金属の状態であることはむしろ稀である。
特に、蒸着初期においては、真空チャンバ内の残留ガス
が膜中に取り込まれ易い。残留ガスとしては、水分,酸
素の影響が最も大きい。従って、蒸着初期の金属膜は、
これらのガスを取り込んで多かれ少なかれ酸化物を含む
傾向にある。特に、金属を蒸着する基板の表面が、吸湿
性の高いポリイミドの様な有機膜から成る場合には、そ
の傾向が著しい。そこで、Crをポリイミドの様な有機膜
の上に蒸着した場合、金属−有機膜の界面付近にCr酸化
物が生成し易い。また、ポリイミドの様な有機膜そのも
のの構成元素として酸素が多く含まれていることも、蒸
着初期のCr膜中にCr酸化物を生成し易い傾向を助長す
る。何故なら、Cr蒸着の条件によっては、蒸着中に基板
表面に飛来するCr粒子の運動エネルギ−が、ポリイミド
の様な有機膜の構成分子中の結合を容易に切断し得るレ
ベルに達し、Cr原子が有機膜中の酸素原子を奪い取って
酸化物となる反応が進行し易くなるからである。
さらに、ポリイミドの様な有機膜とCr蒸着膜との接着
性を確保するために、有機膜表面に対して予め酸素プラ
ズマ処理やスパッタエッチ処理等を施した場合には、有
機膜表面の反応性が一層高まり、Cr酸化物の生成が促進
され易い。
さて、以上の様なメカニズムで生成するCr酸化物は、
不動態となって、エッチングの最終段階において強固に
残存し、エッチング残りの原因となる。このため、ポリ
イミドの様な有機膜上に形成されたCr薄膜に対して従来
のエッチング液を作用させた場合には、頑固なエッチン
グ残りが除去しきれないという問題が多発した。またエ
ッチング残りの完全除去を期するあまり、オ−バエッチ
ング時間が長くなり、必然的にCrのサイドエッチング量
が増えるという問題も併発した。
本発明のエッチング液組成物は、Crの上層金属である
CuやNi−Cu合金に対して十分な選択性を持つだけではな
く、上記のようなエッチング残りの発生し易い条件で形
成されたCr薄膜に対しても十分のエッチング力を持つも
のである。即ち、本発明のうちの酸性のエッチング液
は、Crエッチング残りを効率よく除去するためのClイオ
ン源として塩化アルミニウムを大量に含むものであり、
またCrのサイドエッチングを抑制するために、高粘度の
リン酸を含有するものである。また、本発明のうちのア
ルカリ性のエッチング液は、アルカリ性フェリシアン化
カリウム溶液に、上記の様なCrのエッチング残りを効率
よく除去するためのClイオン源として塩化カリウムを含
有するものである。
なお、本発明のCrエッチング液組成物は、ポリイミド
の様な有機膜の上に形成された。特にエッチング残りを
発生し易いCr薄膜を考慮して開発されたものであるが、
それ以外の基板、例えば、ガラス、セラミックス、Si半
導体等の無機材料からなる基板の上に形成されたCr薄膜
のエッチングに対しても有効である。
〔実施例〕
本発明の実施例について以下に説明する。まず本発明
の実施に用いた試料について述べる。基板としては、ム
ライト系セラミックス基板(10cm×10cm)または青板ガ
ラス(10cm×10cm)を用いた。これらの基板上に感光性
ポリイミドをスピン塗布し、所定条件で段階的にベ−ク
および硬化させた。ポリイミドの最終膜厚は、約8μm
とした。これを次の様な条件で酸素プラズマ処理した。
酸素プラズマ処理条件: 1)装置:バレル型アッシャ 2)投入電力:RF300±20W 3)O2圧力:0.5±0.02Torr 4)O2流量:130±20sccm 処理時間:8.5分 5)ポリイミド膜減り量:約0.1μm これをスパッタ装置に入れ、所定条件で真空加熱乾燥を
行ない、引き続き真空中でポリイミド表面にスパッタエ
ッチ処理を施し、十分の脱ガスを行なった後、Cr,Ni−C
u合金(組成Ni:Cu=7:3)の順に連続スパッタ成膜を行
なった。スパッタ条件は概略以下の通りである。
スパッタ条件: 1)スパッタエッチ:Ar圧力=10m Torr 投入電力=0.25KW(処理時間4分) 0.5KW(処理時間2分) 2)Crスパッタ:Ar圧力=10m Torr 投入電力=0.5KW 成膜時間=12分 3)Ni−Cuスパッタ:Ar圧力=10m Torr 投入電力=3.5KW 成膜時間=4分 4)Cr膜厚:500Å 5)Ni−Cu膜厚:5,000Å 以上のように形成した。Cr/Ni−Cu薄膜の上にネガ形
レジストを用いて所定の条件によりレジストパタ−ンを
形成した。レジスト膜厚は3.2μmとした。次いで、こ
のレジストパタ−ンをマスクとして、Ni−Cu合金層のエ
ッチングを行なった。Ni−Cu合金層のエッチング条件は
以下の通りである。
Ni−Cu合金層エッチンク条件: 1)エッチング液組成:゜リン酸78部(体積分率5 ) ゜硝酸 2部( 〃 ) ゜酢酸 15部( 〃 ) ゜水 5部( 〃 ) 2)液温:40℃ 3)エッチング時間:ジャストエッチ時間+30秒 4)エッチング後水洗:10分 上記、Ni−Cu合金層エッチング液を調製し、1lポリ容器
に入れ、ウォ−タ−バス中、所定温度に加熱し、上記基
板をエッチング液中に浸漬静置し、Ni−Cu合金層をエッ
チングした。なお、ここまでは、すべてのサンプルにつ
いて同一条件でプロセスを進めた。
この後、第1表に示す、Crのエッチング液組成物を調
製し、1lポリ容器に入れ、加温する場合には、ウォ−タ
−バス中、所定温度に加熱し、上記作製したサンプル基
板を浸漬揺動しエッチングを行なった。また、Crのエッ
チンぐ液をシャワ−で基板に吹きつける方法を用いてエ
ッチングを行なっても良い。次に、エッチング後、レジ
スト剥離液を用いてレジストを剥離した。
以上のエッチング工程をサンプルの断面図で模式的に
示したのが第1図である。ここで、Crエッチング後の状
態を示すCにおいて、l1と表示した長さは、Ni−Cu端面
のレジスト端面からの後退量であり、Ni−Cuのサイドエ
ッチング量と称する。一方レジスト剥離後の状態を示す
Dにおいて、l2と表示した長さは、Crの端面のNi−Cu端
面からの後退量であり、Crのサイドエッチング量と称す
る。l1およびl2の量は、レジストパタ−ンの寸法と、レ
ジスト剥離後のNi−Cu合金層の寸法およびCr層の寸法か
ら求めた。また、Crエッチング残りの有無は、エッチン
グ終了後のポリイミド表面をX線マイクロアナライザに
より分析して判定した。
以上のように行なった実施例の結果を、従来のエッチ
ング液を同様の試料に対して用いた結果(比較例)とと
もに表1に示し、以下に詳しく説明する。
1.比較例 表1のNo.1−3に、比較例として従来のCrエッチング
液を用いた結果を示す。比較例1の硝酸第2セリウムア
ンモニウム溶液では、Crのエッチング残りは発生しない
が、Crのサイドエッチング量が大きく、またNi−Cu合金
膜のサイドエッチ量が20μmにも達する。比較例2の塩
酸−塩化アンモニウム系エッチング液では、Ni−Cu合金
膜,Cr膜のサイドエッチング量はともに皆無に等しく問
題ないが、Crのエッチング残りが発生した。この時、液
温を上げることはある程度の効果を示すものの、Crのエ
ッチング残りを皆無にするには至らず、むしろ塩酸の蒸
発による液組成の不安定化を来たす結果となった。比較
例3のアルカリ性フェリシアン化カリウム溶液の場合
は、Ni−Cu合金膜、Cr膜のサイドエッチングの問題は無
いが、やはりCrエッチング残りが発生する。この場合に
も、液温を上げることでエッチング残りを皆無にするこ
とは出来なかった。このエッチング液は、アルカリ性で
あるため、特に昇温するとポリイミドの様な耐アルカリ
性の低い膜を侵す問題が発生し易い。
以上のように、従来の代表的なエッチング液では、い
ずれにおいても満足すべきエッチング特性を得ることが
出来なかった。
2.実施例及び参考例 そこで、従来のCrエッチング液の欠点を補う方針で新
しい液組成を探索し、表1のNo.4−21に示す新しいエッ
チング液組成を見出すことが出来た。
2.1酸性エッチング液組成物(第1表中、参考例1〜
5、実施例1〜4) これらは酸性エッチング液であり、比較例2の組成の
エッチング力を強化する方針で、Clイオンを含む種々の
塩類を検討の結果、1モル中に含まれるClイオン数の多
い塩化アルミニウムをClイオン源に用いた場合に、Crが
エッチング残りなく完璧にエッチングされることを発見
したことに基づく。
ここで、塩化アルミニウムが特に有効である原因とし
ては、3価の陽イオンであるAlイオン1個だけに対し
て、エッチング力の源であるClイオンが3個も結合した
構造であることが、効果を発揮していると推察される
が、その作用機構の実体については不明である。
表1の参考例3〜5は、Clイオン源として塩化アルミ
ニウムを用い、塩酸濃度を変化させた場合の事例であ
る。いずれにおいても、Crエッチ残りは皆無であり、か
つNi−Cu合金膜のサイドエッチの問題はない。ただし、
塩酸含量の増大とともにCrのサイドエッチング量が増加
する傾向が認められた。これは、塩酸含量の増大につ
れ、エッチング速度が速くなり、水洗工程へ移る間にも
エッチングが横方向へ進行してしまうためと考えられ
る。また、これら塩酸−塩化アルミニウム系は、十分使
用に耐えるレベルにあるが、少々エッチング速度が過大
であり、最適エッチング時間を制御しにくい傾向もあ
る。そこで、塩酸に比して酸性度が低くかつ粘度の高い
リン酸を用いた例が、実施例1および2である。その結
果表1に示したように、エッチング時間が適度に延長さ
れて制御性が良く、かつNi−Cu,Crのサイドエッチの問
題のないエッチング液組成および条件を見出した。
なおここで、本発明のエッチング液組成物は上記実施
例の組成のみに限定されるものではない。無機酸成分と
しては、リン酸が有効であるが、これらは単独で用いて
もよくまた適宜混合して用いてもよい。ただし、0.4mol
/lより大きく6.0mol/lより小さい濃度範囲で用いること
が望ましい。これよりも低い濃度領域(例えば、参考例
1)では、エッチング残りを発生する問題がある。また
高い濃度領域(例えば、実施例3)ではエッチング速度
が大きすぎて制御性が悪くなったり、Clイオン源となる
塩類が析出する場合があり、またCrのサイドエッチ量が
大きくなる。一方、Clイオン源となる塩類としては、塩
化アルミニウムが特に有効であり、その含有量は上記実
施例に限定されるものではないが、0.7mol/lより大きく
1.5mol/lより小さい濃度範囲で用いることが望ましい。
これ以下の濃度領域(例えば参考例2)では、エッチン
グ速度が著しく小さくなったり、エッチング残りが発生
する場合があり、またこれより高い濃度領域(例えば、
実施例4)では、エッチング速度が大きくなり、制御性
が悪く、またCrのサイドエッチ量が大きくなる。
2.2アルカリ性エッチング液組成物(第1表中、実施例
5〜13) これらは、アルカリ性フェリシアン化カリウム溶液
に、Clイオン源となる塩類として塩化カリウムを添加す
ることにより、比較例3のアルカリ性フェリシアン化カ
リウムの場合に発生したCrエッチング残りを皆無にでき
た事例である。
まず、実施例5において、比較例3の溶液に塩化カリ
ウムを0.67mol/l添加することにより、Ni−Cu、およびC
rのサイドエッチング量に何ら悪影響を与えることな
く、Crエッチ残りを皆無に出来ることを見出した。ここ
においても、酸性エッチング液の場合と同様にして、Cl
イオンによるCrエッチング残渣除去効果が有効であるこ
とが判明した。ただし、エッチング時間が、酸性エッチ
ング液と比較して長く、作業性が劣る。そこで、エッチ
ング時間を短縮して作業性を改善する目的で、液組成、
液温を変えてみた事例が実施例6〜13である。ここで、
アルカリである水酸化カリウムを半減すると、たとえ塩
化カリウムを倍増してもエッチング速度が半減してしま
うことから、アルカリ濃度を下げることは不利であると
言える。そこで、アルカリ濃度を変えず、かつ塩化カリ
ウム濃度を倍増し、しかも液温を45℃とすることによ
り、実施例11に示すように、適切なエッチング時間に制
御でき、かつエッチング特性の良好な条件を見出すこと
が出来た。
ここで、本発明のエッチング液組成は、上記実施例の
組成のみに限定されるものではない。ただし、アルカリ
濃度としては0.09mol/lより大きく0.4mol/lより小さい
範囲で用いることが望ましい。これよりも低い濃度領域
(例えば表1中の実施例6)では、十分なエッチング速
度が出ない場合があり、またこれよりも高い濃度領域表
1中の実施例7では、エッチング速度が大きくなりすぎ
るばかりでなくポリイミドのような有機膜からなる下地
層表面にダメ−ジを与える。また、Crのサイドエッチ量
も大きくなる。一方、Clイオン源となる塩化カリウムの
濃度としては、0.3mol/lより大きく2.0mol/lより小さい
範囲で用いることが望ましい。これ以下の濃度領域(例
えば、表1中の実施例12)では、Crエッチング残りが完
全に除去しきれない場合があり、またこれ以上の濃度領
域(例えば表1中の実施例13)ではフェリシアン化カリ
ウムや塩化カリウム自体が析出することがある。またエ
ッチング速度が過大となり、Crのサイドエッチ量も大き
くなる。
以上述べてきたように、本発明により、酸性およびア
ルカリ性の二系統のCrエッチング液組成物が見出され、
これらを用いてエッチング残りなくかつ精度の高いCrの
エッチング加工が実現できることが示された。また、本
発明のエッチング液を用いて、ポリイミド薄膜上にCr/N
i−Cuの2層構造からなるCCB接続用電極パッドを形成
し、次いで半田を介してLSIチップを接続した所、極め
て強固かつ高い信頼性の接続が達成できた。
なお、本発明のエッチング液を適用するにあたって
は、Cr膜が形成される下地基板として上記実施例に限定
されるものではなく、種々ガラス板、Siウェハ、種々セ
ラミックス基板等にも適用できる。さらに、プロセスの
要求により、アルカリ耐性の低いポジ形レジストを用い
る場合でも、本発明においては、酸性エッチング液で対
応できる。即ち、プロセスの要求やホトレジストの種類
に応じて、酸性,アルカリ性のエッチング液を適宜選択
して使用できる。
〔発明の効果〕
本発明は、高性能のCrエッチング液を与えるものであ
り、特にCr/Cu,Cr/Ni−Cu等の多層金属薄膜をエッチン
グ加工するにあたり、Crのエッチングの際に上層金属で
あるCuやNi−Cu合金を侵すことなく、かつCrのサイドエ
ッチ量が極めて小さいエッチングプロセスを提供するも
のである。しかも上記多層金属薄膜が、ポリイミドの様
な有機膜上に形成された場合においても、Crのエッチン
グ残りが発生することなく、かつ高精度にCrのエッチン
グ加工を実施することが出来る。このため、本発明のエ
ッチング液を用いれば、単にCr膜の加工が精度良く出来
るばかりでなく、CCB法の半田バンプとして重要なCr/Ni
−CuやCr/Cu等の多層金属薄膜をCrのアンダ−カット無
しで設計形状通りに制御性良く加工できる。従って、集
積回路素子のマイクロチップキャリヤあるいはマルチチ
ップモジュ−ル基板への搭載のために、信頼性の高い接
続技術を提供するものである。
特に、本発明のエッチング液は、Crの上層に形成した
Ni−Cu合金膜やCu膜を侵さないので、Cr/Ni−CuやCr/Cu
の様な金属積層膜をエッチング加工するにあたり、1回
のホトレジスト工程の後に上層から順に各層のエッチン
グを、エッチング液を切替えながら連続して実行できる
ため、プロセスが大巾に簡略化できる。
また、エッチング力が強く、一般にエッチングされに
くいCr酸化膜不動態に対してもエッチング力を失わない
ため、プロセス変動による膜質変化に対してもある程度
対応できるものであり、Cr成膜プロセスに対するマ−ジ
ンが広く、かつ下地基板に依らず、完全なCrエッチング
除去が達成できる。
さらに、プロセスの要求により、アルカリ耐性の低い
ポジ形レジストを用いる場合でも、本発明においては酸
性エッチング液で対応できる。即ちプロセスの要求やホ
トレジストの種類に応じて、酸性,アルカリ性のエッチ
ング液を適宜選択して使用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に関し、Cr/Ni−CU積層薄膜
のエッチング工程を、試料の断面図により示した図であ
る。 1……レジストパタ−ン、2……Ni−Cu合金層 3……Cr層、4……ポリイミド層 5……ムライト基板または青板ガラス l1……Ni−Cuのサイドエッチング量 l2……Crのサイドエッチング量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 齊 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 今林 慎一郎 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−29674(JP,A) 特開 昭60−114580(JP,A) 特開 昭60−181280(JP,A) 特開 平2−285081(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部にクロム酸化物を有するク
    ロム薄膜のエッチング液であって、 水、無機酸がリン酸、および塩素イオン源となる塩類が
    塩化アルミニウムからなることを特徴とする酸性おクロ
    ムエッチング液。
  2. 【請求項2】少なくとも一部にクロム酸化物を有するク
    ロム薄膜のエッチング液であって、 水、無機アルカリが水酸化カリウム、塩素イオン源とな
    る塩類が塩化カリウム、 およびフェリシアン化カリウムからなることを特徴とす
    るアルカリ性のクロムエッチング液。
  3. 【請求項3】少なくとも一部にクロム酸化物を有するク
    ロム薄膜の上層に、銅、ニッケル、金、およびニッケル
    銅合金からなる群から選択された少なくとも一層からな
    る金属薄膜を蒸着する第一工程と、該蒸着した金属薄膜
    をエッチングする第二工程と、上記クロム薄膜をエッチ
    ングする第三工程を有する多層金属薄膜のエッチング方
    法であって、 上記第三工程で水、無機酸がリン酸、および塩素イオン
    源となる塩類が塩化アルミニウムからなる酸性のクロム
    エッチング液を使用したことを特徴とする多層金属薄膜
    のエッチング方法。
  4. 【請求項4】少なくとも一部にクロム酸化物を有するク
    ロム薄膜の上層に、銅、ニッケル、金、およびニッケル
    銅合金からなる群から選択された少なくとも一層からな
    る金属薄膜を蒸着する第一工程と、該蒸着した金属薄膜
    をエッチングする第二工程と、上記クロム薄膜をエッチ
    ングする第三工程を有する多層金属薄膜のエッチング方
    法であって、 上記第三工程で水、無機アルカリ、塩素イオン源となる
    塩類およびフェリシアン化カリウムからなるアルカリ性
    のクロムエッチング液を使用したことを特徴とする多層
    金属薄膜のエッチング方法。
  5. 【請求項5】請求項4において、上記無機アルカリが水
    酸化カリウムであり、塩素イオン源となる塩類が塩化カ
    リウムであることを特徴とする多層金属薄膜のエッチン
    グ方法。
  6. 【請求項6】請求項3乃至5のいずれかにおいて、上記
    クロム薄膜が有機薄膜上に形成されていることを特徴と
    する多層金属薄膜のエッチング方法。
  7. 【請求項7】請求項6において、上記有機薄膜がポリイ
    ミドであることを特徴とする多層金属薄膜のエッチング
    方法。
JP01902490A 1990-01-31 1990-01-31 エッチング液及びそれを使用したエッチング方法 Expired - Fee Related JP3366002B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01902490A JP3366002B2 (ja) 1990-01-31 1990-01-31 エッチング液及びそれを使用したエッチング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01902490A JP3366002B2 (ja) 1990-01-31 1990-01-31 エッチング液及びそれを使用したエッチング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03226587A JPH03226587A (ja) 1991-10-07
JP3366002B2 true JP3366002B2 (ja) 2003-01-14

Family

ID=11987902

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01902490A Expired - Fee Related JP3366002B2 (ja) 1990-01-31 1990-01-31 エッチング液及びそれを使用したエッチング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3366002B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4658100B2 (ja) * 2003-12-05 2011-03-23 三井金属鉱業株式会社 プリント配線基板および回路装置
WO2018221183A1 (ja) * 2017-05-29 2018-12-06 住友金属鉱山株式会社 透明導電性基板の製造方法、透明導電性基板

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03226587A (ja) 1991-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6232212B1 (en) Flip chip bump bonding
KR100278435B1 (ko) 전기도금된 제어된 붕괴 칩 접속부의 존재하에서 티탄-텅스텐을에칭시키는 개선된 방법
US6130141A (en) Flip chip metallization
US4652336A (en) Method of producing copper platforms for integrated circuits
US4430365A (en) Method for forming conductive lines and vias
EP0485582B1 (en) Method of producing microbump circuits for flip chip mounting
JP3366002B2 (ja) エッチング液及びそれを使用したエッチング方法
US8477474B2 (en) Thin film capacitor
US4411757A (en) Formation of electrodes for magnetoresistive sensor
JPS61214538A (ja) 配線構造体の製造方法
JP3077666B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2960536B2 (ja) 薄膜抵抗素子の形成方法
JPH0684907A (ja) 薄膜多層基板の製造方法
JPH1041308A (ja) ドライエッチング方法
JPS58145014A (ja) 電極板及びその製造方法
CN1630038A (zh) 蚀刻液及应用该蚀刻液选择性去除阻障层的导电凸块制造方法
JPH05121378A (ja) 半導体装置の製造方法
TW508779B (en) Manufacturing method of soldering bump
JP2900471B2 (ja) 半導体装置の銅配線形成方法
JPH08125346A (ja) 薄膜多層基板の製造方法
JP2004241458A (ja) 半導体装置の製造方法及び半導体装置
JP2003179329A (ja) 配線パターン形成方法
JP2969983B2 (ja) 転写金属バンプ形成用基板および該基板の製造方法
JPH01281757A (ja) ハンダバンプ製造方法
JPH05102098A (ja) 配線形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees