JPH0812405A - 火山灰利用の耐火、耐熱建材 - Google Patents

火山灰利用の耐火、耐熱建材

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JPH0812405A
JPH0812405A JP16264494A JP16264494A JPH0812405A JP H0812405 A JPH0812405 A JP H0812405A JP 16264494 A JP16264494 A JP 16264494A JP 16264494 A JP16264494 A JP 16264494A JP H0812405 A JPH0812405 A JP H0812405A
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glass fiber
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Shozo Takakura
昭蔵 高倉
Kazuaki Takakura
和昭 高倉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 未利用資源である火山灰を主たる形成素材と
して活用し、耐火、断熱性に富み、軽量で、耐衝撃性、
加工性に優れた耐火断熱性の建築材料とする。 【構成】 洗浄液3によってガラス繊維2を洗浄し、攪
拌してほぐす。ほぐしたガラス繊維2を、火山灰4、無
機軽量骨材9と共にポリアクリル酸ソーダ水溶液5中で
懸濁し、攪拌する一方、塩化カルシウム水溶液6を添加
し、ガラス繊維・火山灰−ポリアクリル酸カルシウムの
結合体7、ガラス繊維・骨材−ポリアクリル酸カルシウ
ムの結合体10を生成し、水洗、脱塩処理を行なう。次
いで、セメント11、無機質系硬化剤12、水13と混
練し、所定形状に成型し、必要があれば模様を付し、乾
燥機20にて乾燥固化した後、脱型し、成型品として形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有効利用の方法がな
く、邪魔な不要なものとしてそのまま廃棄されている火
山灰を主たる素材として利用し、これを有効な資源とし
て活用すると共に、耐火性、耐熱性に富み、軽量な建築
材料、例えば間仕切り形成材となし得る火山灰利用の耐
火、耐熱建材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火山灰は、これ自体が耐火性に富むもの
であっても、その多孔質の構造の故にその利用に難点が
あり、例えばこれをそのまま凝固化、成型しても脆弱
で、崩壊性があるから、建築用材料として利用するのは
ほとんど不可能であった。
【0003】こうした点があるにもかかわらず、火山
礫、火山灰等の未利用資源の有効利用を図るために、種
々な観点から試みられ、提供されている建築材料のもの
がある。その第一グループのものとして、火山礫、火山
灰等をその一部として利用するよう、セメントその他の
建築素材と混合し、適当な接着剤材料と共に混練し、凝
固化するものとした、例えば特公昭53−24097号
公報に係るプレキャストコンクリート板、特開昭57−
61660号公報に係る軽量骨材の製法、特開昭57−
140356号公報に係る軽量コンクリート製品、特開
昭63−156148号公報に係る建築用壁材等があ
る。更には、第二グループのものとして、これらの火山
灰を他の建築材料素材と共に混合し、焼結形成するもの
とした、例えば特開昭59−203751号公報に係る
軽量強化建材、特開昭61−53144号公報に係る不
燃耐火建材、特公昭62−10958号公報に係る軽量
建築材料等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されている上述の建築用材料において、適当な接着剤
材料と共に混練し、凝固化した第一グループのものは、
その接着剤材料として無機質系のものを使用するには素
材相互間の十分な接着一体化が得られず、また、有機質
系のものを使用する場合には、建築材料として使用中の
火災その他によって燃焼されると、有毒ガスを発生し、
二次災害を招来するものであった。
【0005】また、混合後、焼結形成する第二グループ
のものは、その製造工程において必然的に熱加工を経る
ために、例えば1,000℃前後で加熱するための熱加
工設備を設けておく必要があり、製造が面倒であるばか
りでなく、製品自体も高価なものとならざるを得なかっ
た。
【0006】そこで、本発明者らは、叙上のような従来
存した諸欠点を解消すべく、種々な試作、実験を経るこ
とで本発明を完成させたもので、ガラス繊維を密着させ
た火山灰、無機軽量骨材に、それ自身が吸水性に富む吸
水性高分子材料を、あるいは吸水性高分子材料と無機塩
類との置換反応を経た脱塩処理後における残滓反応物で
ある不溶性高分子酸塩をコーティングし、水分を封入し
た状態で火山灰同士を凝集し、また、セメント、無機質
系硬化剤によって混合一体化し、成型することで、分子
内保水性が高く、火山灰自体の脆弱性を克服することが
でき、例えば間仕切り形成材等の多用途に利用できる各
種の耐火、耐熱建材を創出するに至ったものである。
【0007】すなわち、本発明は、従来、その利用に適
切な方法がなくそのまま廃棄されていた火山灰を主たる
材料として積極的に利用し、水分を封入保有させた状態
でガラス繊維が密着された火山灰、無機軽量骨材等を凝
集し、また、セメント、無機質系硬化剤によって混合一
体化し、成型するものとしたことにより、焼結加工を要
せずに簡単に製造でき、しかも、軽量にして、耐衝撃
性、耐火性、加工性、耐水性、防音性に富み、また、建
築材料として使用されるときの外装材、天井材、床材、
内装材、化粧材、間仕切り形成材、屋根材、防火ブロッ
ク・レンガ材、車止め材その他としても汎用性がある火
山灰利用の耐火、耐熱建材を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明にあっては、ガラス繊維2を水中で攪拌し
てほぐし、吸水性高分子材料水溶液(5)中で前記ガラ
ス繊維2、火山灰4、無機軽量骨材9を懸濁、攪拌し
て、火山灰4、無機軽量骨材9表面にガラス繊維2、吸
水性高分子材料(5)を密着し、密着処理後にセメント
11、無機質系硬化剤12、水13と混練し、所定形状
に成型、硬化、養生し、脱型して形成したことを特徴と
する。
【0009】また、ガラス繊維2を水中で攪拌してほぐ
し、吸水性高分子材料水溶液(5)中で前記ガラス繊維
2、火山灰4、無機軽量骨材9を懸濁、攪拌し、無機塩
類水溶液を添加して吸水性高分子材料水溶液(5)との
置換反応によって生成した不溶性高分子酸塩を火山灰
4、無機軽量骨材9表面にガラス繊維2と共に密着し、
脱塩処理後にセメント11、無機質系硬化剤12、水1
3と混練し、同様に成型、形成したことを特徴とする。
【0010】更に、ガラス繊維2は洗浄液3によって洗
浄し、その後、洗浄液3を除去するものとして、また、
火山灰4、無機軽量骨材9は、夫々が各別に密着処理さ
れるものとして構成することができる。
【0011】火山灰4は、約20〜40%の比率で含有
されているものとして、また、吸水性高分子材料(5)
は、ポリアクリル酸ソーダ、カルボメトキシルセルロー
ズのソーダ塩、デンプン−アクリル酸ソーダ塩から選択
されたいずれかの少なくとも一つであるものとして、無
機軽量骨材9は、パーライト、バーミキュライト、ケイ
ソー土、軽量シャモット、バブルアルミナ、合成ゼオラ
イトから選択されたいずれかの少なくとも一つであるも
のとして、更に、無機塩類は、水溶性ハロゲン塩、硝酸
塩、硫酸塩、有機酸塩から選択されたいずれかの少なく
とも一つであるものとして構成することができる。
【0012】
【作用】本発明に係る火山灰利用の耐火、耐熱建材にあ
って、含有された火山灰4は、それ自身が耐火性に富
み、水分を保有する吸水性高分子材料(5)との共存に
よって建材自体の耐火性を十分に発揮させる。この吸水
性高分子材料(5)は、加熱されることによって徐々に
水分を放出し、高温、高熱例えば800〜900℃の温
度に耐え、火山灰4、ガラス繊維2等との相乗作用によ
って耐火性を増大させる。
【0013】また、ガラス繊維2は、成型品自体の膨
脹、縮小を防止して保形性を維持させ、洗浄剤3によっ
て洗浄され、ほぐされたガラス繊維2は、成型品中で他
の形成素材との結合作用を増大させて絡みを強固にし、
強度を増大し、断熱性、吸音性を一層向上させる。
【0014】火山灰4、無機軽量骨材9表面にガラス繊
維2と共に密着させた吸水性高分子材料(5)は、分子
内に水分を保有し、また、火山灰4、無機軽量骨材9相
互間の結合作用を強くさせ、しかも、この結合作用と相
俟ち、水分の保有量も増大させる。
【0015】混練する際のセメント11、無機質系硬化
剤12は、火山灰4、無機軽量骨材9その他を結合させ
て一体性を維持させる。
【0016】添加した無機塩類水溶液(6)と吸水性高
分子材料水溶液(5)との置換反応によって生成した不
溶性高分子酸塩は、ガラス繊維2、火山灰4、無機軽量
骨材9表面に密着する吸水性高分子材料(5)の付着量
を増大させ、また、ガラス繊維2、火山灰4、無機軽量
骨材9夫々の結合一体性を強固にさせ、火山灰4による
凝固状態の崩壊性、脆弱性を防止させる。
【0017】置換反応によって生成される塩分は、脱塩
処理させることで、成型品中に残存されず、成型品の崩
壊性を未然に防止させる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明するに、本発明に係る耐火、耐熱建材は、吸水性高分
子材料(5)、無機塩類の水溶液に、洗浄、ほぐされた
ガラス繊維2、採集された火山灰4、所定形状に形成さ
れた無機軽量骨材9を懸濁させて攪拌し、このときの置
換反応による残滓反応物である不溶性高分子酸塩を水分
を封入した状態でガラス繊維2、火山灰4、無機軽量骨
材9に密着して凝集させる一方、置換反応によって得ら
れた塩類を除去し、セメント11、無機質系硬化剤12
等と共に所定量の水13と混練し、焼成加工を行なうこ
となく、成型硬化、形成したものである。
【0019】すなわち、具体的には、例えば図1に示す
ように、水道水等の水が収容されている所定の攪拌容器
1内で、ガラス繊維2、好ましくは短繊維のガラスウー
ルを洗剤が添加された洗浄液3によって洗浄し、所定の
攪拌機構によって攪拌してほぐす(図1参照)。次い
で、洗浄液3を排水し、ガラス繊維2を残置した攪拌容
器1内で、火山灰4をポリアクリル酸ソーダ水溶液5に
添加して懸濁させ、強く攪拌しながら塩化カルシウム水
溶液6を添加する(図1参照)。この添加された塩化
カルシウム水溶液6はポリアクリル酸ソーダ水溶液5と
反応し、不溶性のポリアクリル酸カルシウムと食塩とを
形成し、ポリアクリル酸カルシウムは、火山灰4にガラ
ス繊維2と共にからまり、火山灰4自体をコーティング
してガラス繊維2と共に火山灰4同士を凝集させ、ガラ
ス繊維・火山灰−ポリアクリル酸カルシウムの結合体7
を生成する(図1参照)。
【0020】次いで、遠心分離機8によって濾過して水
溶液を除去し、残滓であるガラス繊維・火山灰−ポリア
クリル酸カルシウムの結合体7から上記の食塩を除去す
るよう水洗することで脱塩処理を施す(図1参照)。
【0021】同様に、焼成パーライト、焼成バーミキュ
ライト等の無機軽量骨材9についても同様に処理し、ガ
ラス繊維・パーライト−ポリアクリル酸カルシウムの結
合体、ガラス繊維・バーミキュライト−ポリアクリル酸
カルシウムの結合体等のガラス繊維・骨材−ポリアクリ
ル酸カルシウムの結合体10を得ておく。なお、このガ
ラス繊維・骨材−ポリアクリル酸カルシウムの結合体1
0は、ガラス繊維・火山灰−ポリアクリル酸カルシウム
の結合体7の生成と同時に得るようにすることもでき
る。
【0022】その後、これらのガラス繊維・火山灰−ポ
リアクリル酸カルシウムの結合体7、ガラス繊維・骨材
−ポリアクリル酸カルシウムの結合体10、及びセメン
ト11、更にはプラスター、ベントナイト等の無機質系
硬化剤12を所定量の水13と共に混練した形成材料1
4を所定形状に成型する(図1参照)。例えば、搬送
装置15にて搬送されている所定形状の型枠16内に、
形成材料14の所定量を圧送機17によって投入し、押
えローラ18によって平滑にした後、必要があれば型付
ローラ19等にて模様を付す。そして、乾燥機20内を
経て、2〜3日間の自然乾燥によって硬化した後、型枠
16内から脱型することで形成されるものである。
【0023】なお、ガラス繊維2は、短繊維構造のガラ
スウール、長繊維構造のガラスファイバーのいずれであ
ってもよく、混練されることで構造的な強化を図り、断
熱性、吸音性を増大させるようになっている。また、予
めポリアクリル酸ソーダ水溶液5によって処理すること
で、ガラス繊維−ポリアクリル酸カルシウムの結合体を
生成しておいて、この結合体を火山灰4に結合させ、混
練するようにすることも可能である。
【0024】こうして形成された建材自体は、天井材、
内装材、化粧材、間仕切り形成材、外壁材、屋根材、防
火ブロック、レンガ材、耐火断熱被覆材、車止め材等と
して使用でき、特に、高温に対する耐火性に優れている
から、断熱作用によって延焼その他を防止するのに好適
であり、また、堅牢性、加工性に優れる。これらの各種
建材として使用されるとき、一般的には、適当なベニヤ
板、化粧板その他が貼着される。
【0025】なお、本発明によって使用される火山灰
は、鹿児島県鹿児島市在の鹿児島道路サービス株式会社
から提供された鹿児島産のものを使用したが、もとよ
り、これに限定されるものではないことは勿論である。
【0026】また、吸水性高分子材料は、例えばポリア
クリル酸ソーダ、カルボメトキシルセルローズのソーダ
塩、デンプン−アクリル酸ソーダ塩等であり、特に、価
格が廉価で、保水性に優れ、高熱によって炭酸ガスと水
とに分解して一酸化炭素等の二次災害を発生させること
がないポリアクリル酸ソーダが好適なものである。
【0027】無機軽量骨材は、パーライト、バーミキュ
ライト、ケイソウ土、軽量シャモット、バブルアルミ
ナ、合成ゼオライト等であり、特に、価格が廉価で、市
販量も多いパーライト、バーミキュライトが好適なもの
である。
【0028】また、無機塩類は、水溶性ハロゲン塩、硝
酸塩、硫酸塩、有機酸塩等であり、カルシウム、マグネ
シウム、アルミニウム、鉄のハロゲン塩であり、更に詳
しくは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄
の硝酸塩であり、カルシウム、マグネシウム、アルミニ
ウム、鉄の硫酸塩であり、カルシウム、マグネシウム、
アルミニウム、鉄の酢酸塩等であり、価格が廉価で、市
販量も多く、水溶性があり、毒性も少なく、操作性に優
れた塩化カルシウム、塩化アルミニウムが好適である。
【0029】次に、これの具体例を、吸水性高分子材
料、無機軽量骨材、市販の各種セメント材料、無機質系
硬化剤その他と混練して、耐火、耐熱建材、例えば耐火
内装材、天井材、外壁材等として形成する場合夫々によ
って説明する。
【0030】[実施例1]耐火、耐熱内装材として形成
する場合には、例えば下記の配合例による形成材料とす
る。 ガラス繊維・火山灰−ポリアクリル酸カルシウム結合体 500部 ガラス繊維−ポリアクリル酸カルシウム結合体 300部 ガラス繊維・パーライト−ポリアクリル酸カルシウム結合体 300部 バーミキュライト−ポリアクリル酸カルシウム結合体 300部 白セメント 200部 プラスター 600部 ベントナイト 240部 水 2000部
【0031】なお、ポリアクリル酸ソーダは、和光純薬
株式会社製の重合度22,000〜70,000のもの
であり、パーライトは、日本セメント株式会社の商品名
「アサノパーライト」であり、その成分は真珠岩・黒曜
石を破砕、粒度調整し急速に加熱発泡して得られる多孔
質、純白色、超軽量のものであり、バーミキュライトは
恒和化学工業株式会社の商品名「バーミキュライト」で
あり、その成分はひる石を加熱膨脹せしめたやや褐色、
層状、超軽量のものである。
【0032】そして、前述のように、上記の各材料を混
練し、型枠等に投入し、成型後取り出し、自然乾燥させ
る成型工程によるものとする。
【0033】こうして形成された耐火、耐熱内装材とし
ての建材の耐火耐熱試験を実施した結果は、表1に示す
通りである。なお、この耐火耐熱試験に際しては、耐
火、耐熱内装材の肉厚が30mm、一辺長さが520m
mのもの(重量8.85Kg、含水率6.6%)を用意
し、小型防耐火試験炉(炉開口:450mm×450m
m)を用い、昭和44年建設省告示第2999号に規定
する外壁1時間耐火性能試験に準じて加熱試験を実施し
たものである。また、加熱1時間経過後は自然冷却し、
その表面温度の経時的変化も計測した。
【表1】
【0034】[実施例2]耐火、耐熱性の天井材として
形成する場合には、例えば下記の配合例による形成材料
とする。 ガラス繊維・火山灰−ポリアクリル酸カルシウム結合体 400部 ガラス繊維−ポリアクリル酸カルシウム結合体 300部 ガラス繊維・パーライト−ポリアクリル酸カルシウム結合体 500部 バーミキュライト 300部 白セメント 800部 ケイ酸ナトリウム 50部 ベントナイト 200部 水 2000部
【0035】この実施例2による形成材料のものも、実
施例1と同様の肉厚、大きさに形成されたもの(重量
7.65Kg、含水率9.5%)で、これに対して実施
した耐火耐熱試験の結果を表2に示す。
【表2】
【0036】[実施例3]耐火、耐熱性の外壁材として
形成する場合には、例えば下記の配合例による形成材料
とする。 ガラス繊維・火山灰−ポリアクリル酸カルシウム結合体 400部 ガラス繊維−ポリアクリル酸カルシウム結合体 300部 ガラス繊維・パーライト−ポリアクリル酸カルシウム結合体 500部 バーミキュライト−ポリアクリル酸カルシウム結合体 300部 普通ポルトランドセメント 1000部 ケイ酸ナトリウム 50部 水 2500部
【0037】この実施例2による形成材料のものも、実
施例1、2と同様の肉厚、大きさに形成し、耐火耐熱試
験直前に約100℃で約2時間で乾燥したもの(重量
7.50Kg、含水率4.0%)で、これに対して実施
した耐火耐熱試験の結果を表3に示す。
【表3】
【0038】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
火山灰、無機軽量骨材表面にガラス繊維と共に、水分を
封入した状態で吸水性高分子材料を、また、吸水性高分
子材料と無機塩類との置換反応後の脱塩処理によって残
滓された水溶性高分子酸塩を密着し、セメント、無機質
系硬化剤等によって水と共に混練し、成型することで得
られるから、焼結加工を要せずに簡単、安価に製造、提
供でき、特に、従来そのまま廃棄されていた未利用資源
である火山灰を極めて有効に利用できるものである。
【0039】しかも、本発明によって得られた建材は、
軽量にして、耐衝撃性、耐火性、加工性、耐水性、防音
性に富み、また、建築材料として使用されるときの耐火
内装材、防火ブロック・レンガ材、外装材、間仕切り形
成材、床材、屋根材、車止め材その他としても汎用性が
ある各種の建材として、その施工形態を問わずに利用で
き、混練されたガラス繊維が成型品中で他の形成素材と
の絡みを強固にし、強度を増大し、断熱性、吸音性が一
層向上するものである。
【0040】また、吸水性高分子材料と無機塩類との置
換反応によって得た残滓反応物である不溶性高分子酸塩
を火山灰、無機軽量骨材表面に密着状にコーティグする
から、火山灰表面への水分を封入した状態の吸水性高分
子材料の付着量を多くし、結合状態を一層強固にするこ
とができる。
【0041】特に、成型された成型品中には水分が封入
された状態であるから、高温に晒されるとき、これが次
第に蒸発し、高温、高熱に耐えさせるものとし、また、
水分の蒸散後でも、耐火性に富む火山灰自体が高温、高
熱を遮断し、裏面への熱伝導を阻止するのである。
【0042】また、耐火耐熱試験によっても、例えば肉
厚が30mm程度にして成型したものを電気炉中でその
全体が約800℃となるよう2〜3時間加熱したとこ
ろ、全く変化がなく、耐火性に極めて優れたものである
ことが確認された。しかも、混合された吸水性高分子材
料は、加熱によって水と二酸化炭素とに変わり、また、
全体量に比し僅かなものであるから、ガスクロマトグラ
フィーによる精密検査によっても煙、一酸化炭素等の有
害ガスは発見されず、悪臭の発生も認められなかった。
【0043】更に、肉厚が15mm程度にして成型した
ものを高さ約2mのところから落下する落下試験を複数
回実施したが、ひび割れその他が全く発生せず、耐衝撃
性も十分なものであった。しかも、試験片の四隅に釘を
打ち、番線材にて懸架した後、左右に振動させる横ゆれ
試験を1時間施したが、釘が抜けることもなく、釘穴の
拡大も認められなかった。
【0044】また、成型品は、鋸、カッター等によって
容易に切断でき、所定形状への加工も簡単であり、現場
における施工性にも優れたものでもある。そして、成型
品の建材として使用されるとき、含有されている火山灰
は、それ自身が耐火性に富むものであるため、建材自体
の耐火、断熱性も十分であり、構築物の各部に種々な形
態で利用でき、耐火断熱建材としての汎用性を備えるも
のである。
【0045】また、火山灰、無機軽量骨材等と共に含有
されたガラス繊維は、成型品自体の膨脹、縮小を防止し
て成型品の保形性を向上させるのであり、しかも、洗浄
液によって洗浄することでガラス繊維夫々を満遍なくほ
ぐした状態とし、成型品中で他の形成素材に対して分散
させたものとしてそれらとの結合作用を増大させて絡み
を強固にし、堅牢性、強度を増大することができる。
【0046】形成材料として混練する際のセメント、無
機質系硬化剤は、ガラス繊維、火山灰、無機軽量骨材そ
の他を一体的に結合するのであり、特に、吸水性高分子
材料をコーティングしたガラス繊維、火山灰、無機軽量
骨材夫々相互間のバインダー機能を発揮し、素材夫々を
結合凝固させ、火山灰による脆弱性、崩壊性を除去し、
全体の凝固状態を十分に維持させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明建材を製造する製造ラインの一例を示す
概略図である。
【符号の説明】
1…攪拌容器 2…ガラス繊維 3…洗浄液 4…火山灰 5…ポリアクリル酸ソーダ水溶液 6…塩化カルシ
ウム水溶液 7…ガラス繊維・火山灰−ポリアクリル酸カルシウムの
結合体 8…遠心分離機 9…無機軽量骨
材 10…ガラス繊維・骨材−ポリアクリル酸カルシウムの
結合体 11…セメント 12…無機質系
硬化剤 13…水 14…形成材料 15…搬送装置 16…型枠 17…圧送機 18…押えロー
ラ 19…型付ローラ 20…乾燥機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24/38 A E04C 2/04 F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス繊維を水中で攪拌してほぐし、吸
    水性高分子材料水溶液中で前記ガラス繊維、火山灰、無
    機軽量骨材を懸濁、攪拌して、火山灰、無機軽量骨材表
    面にガラス繊維、吸水性高分子材料を密着し、密着処理
    後にセメント、無機質系硬化剤、水と混練し、所定形状
    に成型、硬化、養生し、脱型して形成したことを特徴と
    する火山灰利用の耐火、耐熱建材。
  2. 【請求項2】 ガラス繊維を水中で攪拌してほぐし、吸
    水性高分子材料水溶液中で前記ガラス繊維、火山灰、無
    機軽量骨材を懸濁、攪拌し、無機塩類水溶液を添加して
    吸水性高分子材料水溶液との置換反応によって生成した
    不溶性高分子酸塩を火山灰、無機軽量骨材表面にガラス
    繊維と共に密着し、脱塩処理後にセメント、無機質系硬
    化剤、水と混練し、所定形状に成型、硬化、養生し、脱
    型して形成したことを特徴とする火山灰利用の耐火、耐
    熱建材。
  3. 【請求項3】 ガラス繊維は洗浄液によって洗浄し、そ
    の後、洗浄液を除去する請求項1または2記載の火山灰
    利用の耐火、耐熱建材。
  4. 【請求項4】 火山灰、無機軽量骨材は、夫々が各別に
    密着処理されるものとした請求項1乃至3のいずれか記
    載の火山灰利用の耐火、耐熱建材。
  5. 【請求項5】 火山灰は、約20〜40%の比率で含有
    されている請求項1乃至4のいずれか記載の火山灰利用
    の耐火、耐熱建材。
  6. 【請求項6】 吸水性高分子材料は、ポリアクリル酸ソ
    ーダ、カルボメトキシルセルローズのソーダ塩、デンプ
    ン−アクリル酸ソーダ塩から選択されたいずれかの少な
    くとも一つである請求項1乃至5のいずれか記載の火山
    灰利用の耐火、耐熱建材。
  7. 【請求項7】 無機軽量骨材は、パーライト、バーミキ
    ュライト、ケイソー土、軽量シャモット、バブルアルミ
    ナ、合成ゼオライトから選択されたいずれかの少なくと
    も一つである請求項1乃至6のいずれか記載の火山灰利
    用の耐火、耐熱建材。
  8. 【請求項8】 無機塩類は、水溶性ハロゲン塩、硝酸
    塩、硫酸塩、有機酸塩から選択されたいずれかの少なく
    とも一つである請求項2乃至7のいずれか記載の火山灰
    利用の耐火、耐熱建材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997030953A1 (fr) * 1996-02-20 1997-08-28 Eguchi, Koichiro Procede de fabrication d'un materiau de construction a l'aide de cendres volcaniques
KR100443060B1 (ko) * 2001-12-28 2004-08-04 주식회사 서한안타민 불연판넬 및 그 제조방법
KR101400860B1 (ko) * 2013-11-25 2014-05-29 주식회사 이노텍 화산재를 이용한 준불연 및 친환경 건축용 보드 제조방법
US8993462B2 (en) 2006-04-12 2015-03-31 James Hardie Technology Limited Surface sealed reinforced building element

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