JPH06247763A - 火山灰利用の耐火、耐熱建材 - Google Patents

火山灰利用の耐火、耐熱建材

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JPH06247763A
JPH06247763A JP5054994A JP5499493A JPH06247763A JP H06247763 A JPH06247763 A JP H06247763A JP 5054994 A JP5054994 A JP 5054994A JP 5499493 A JP5499493 A JP 5499493A JP H06247763 A JPH06247763 A JP H06247763A
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Shozo Takakura
昭蔵 高倉
Kazuaki Takakura
和昭 高倉
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    • C04B20/00Use of materials as fillers for mortars, concrete or artificial stone according to more than one of groups C04B14/00 - C04B18/00 and characterised by shape or grain distribution; Treatment of materials according to more than one of the groups C04B14/00 - C04B18/00 specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone; Expanding or defibrillating materials
    • C04B20/10Coating or impregnating
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 未利用資源である火山灰を主たる形成素材と
して活用し、耐火、断熱性に富み、軽量で、耐衝撃性、
加工性に優れた耐火断熱性の建築材料とする。 【構成】 火山灰2、無機軽量骨材7をポリアクリル酸
ソーダ水溶液3に懸濁し、攪拌する一方、塩化カルシウ
ム水溶液3を添加し、火山灰−ポリアクリル酸カルシウ
ムの結合体5、骨材−ポリアクリル酸カルシウムの結合
体8を生成し、水洗、脱塩処理を行なう。次いで、セメ
ント9、無機質系硬化剤10、水11と混練し、所定形
状に成型し、必要があれば模様を付し、乾燥機18にて
乾燥固化した後、脱型し、成型品として形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有効利用の方法がな
く、邪魔な不要なものとしてそのまま廃棄されている火
山灰を主たる素材として利用し、これを有効な資源とし
て活用すると共に、耐火性、耐熱性に富み、軽量な建築
材料となし得る火山灰利用の耐火、耐熱建材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】火山灰は、これ自体が耐火性に富むもの
であっても、その多孔質の構造の故にその利用に難点が
あり、例えばこれをそのまま凝固化、成型しても脆弱
で、崩壊性があるから、建築用材料として利用するのは
ほとんど不可能であった。
【0003】こうした点があるにもかかわらず、火山
礫、火山灰等の未利用資源の有効利用を図るために、種
々な観点から試みられ、提供されている建築材料のもの
がある。その第一グループのものとして、火山礫、火山
灰等をその一部として利用するよう、セメントその他の
建築素材と混合し、適当な接着剤材料と共に混練し、凝
固化するものとした、例えば特公昭53−24097号
公報に係るプレキャストコンクリート板、特開昭57−
61660号公報に係る軽量骨材の製法、特開昭57−
140356号公報に係る軽量コンクリート製品、特開
昭63−156148号公報に係る建築用壁材等があ
る。更には、第二グループのものとして、これらの火山
灰を他の建築材料素材と共に混合し、焼結形成するもの
とした、例えば特開昭59−203751号公報に係る
軽量強化建材、特開昭61−53144号公報に係る不
燃耐火建材、特公昭62−10958号公報に係る軽量
建築材料等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されている上述の建築用材料において、適当な接着剤
材料と共に混練し、凝固化した第一グループのものは、
その接着剤材料として無機質系のものを使用するには素
材相互間の十分な接着一体化が得られず、また、有機質
系のものを使用する場合には、建築材料として使用中の
火災その他によって燃焼されると、有毒ガスを発生し、
二次災害を招来するものであった。
【0005】また、混合後、焼結形成する第二グループ
のものは、その製造工程において必然的に熱加工を経る
ために、例えば1,000℃前後で加熱するための熱加
工設備を設けておく必要があり、製造が面倒であるばか
りでなく、製品自体も高価なものとならざるを得なかっ
た。
【0006】そこで、本発明者らは、叙上のような従来
存した諸欠点を解消すべく、種々な試作、実験を経るこ
とで本発明を完成させたもので、火山灰、無機軽量骨材
に、それ自身が吸水性に富む吸水性高分子材料を、ある
いは吸水性高分子材料と無機塩類との置換反応を経た脱
塩処理後における残滓反応物である不溶性高分子酸塩を
コーティングし、水分を封入した状態で火山灰同士を凝
集し、また、セメント、無機質系硬化剤によって混合一
体化し、成型することで、分子内保水性が高く、火山灰
自体の脆弱性を克服することができ、多用途に利用でき
る各種の耐火、耐熱建材を創出するに至ったものであ
る。
【0007】すなわち、本発明は、従来、その利用に適
切な方法がなくそのまま廃棄されていた火山灰を主たる
材料として積極的に利用し、水分を封入保有させた状態
で火山灰、無機軽量骨材等を凝集し、また、セメント、
無機質系硬化剤によって混合一体化し、成型するものと
したことにより、焼結加工を要せずに簡単に製造でき、
しかも、軽量にして、耐衝撃性、耐火性、加工性、耐水
性、防音性に富み、また、建築材料として使用されると
きの外装材、天井材、床材、内装材、屋根材、防火ブロ
ック・レンガ材その他としても汎用性がある火山灰利用
の耐火、耐熱建材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明にあっては、火山灰2、無機軽量骨材7を
吸水性高分子材料水溶液3中に懸濁、攪拌して、火山灰
2、無機軽量骨材7表面に吸水性高分子材料をコーティ
ングし、コーティング処理後にセメント9、無機質系硬
化剤10、水11と混練し、所定形状に成型、硬化、養
生し、脱型して形成したことを特徴とする。
【0009】また、火山灰2、無機軽量骨材7を吸水性
高分子材料水溶液3中に懸濁、攪拌し、無機塩類水溶液
4を添加して吸水性高分子材料水溶液3との置換反応に
よって生成した不溶性高分子酸塩を火山灰2、無機軽量
骨材7表面にコーティングし、脱塩処理後にセメント
9、無機質系硬化剤10、水11と混練し、同様に成
型、形成したことを特徴とする。
【0010】更に、火山灰2、無機軽量骨材7は、夫々
が各別にコーティング処理されるものとして構成するこ
とができる。
【0011】火山灰は、約20〜40%の比率で含有さ
れているものとして、また、吸水性高分子材料は、ポリ
アクリル酸ソーダ、カルボメトキシルセルローズのソー
ダ塩、デンプン−アクリル酸ソーダ塩から選択されたい
ずれかの少なくとも一つであるものとして、無機軽量骨
材は、パーライト、バーミキュライト、ケイソー土、軽
量シャモット、バブルアルミナ、合成ゼオライトから選
択されたいずれかの少なくとも一つであるものとして、
更に、無機塩類は、水溶性ハロゲン塩、硝酸塩、硫酸
塩、有機酸塩から選択されたいずれかの少なくとも一つ
であるものとして構成することができる。
【0012】
【作用】本発明に係る火山灰利用の耐火、耐熱建材にあ
って、含有された火山灰2は、それ自身が耐火性に富
み、水分を保有する吸水性高分子材料との共存によって
建材自体の耐火性を十分に発揮させる。この吸水性高分
子材料は、加熱されることによって徐々に水分を放出
し、高温、高熱例えば800〜900℃の温度に耐え、
火山灰との相乗作用によって耐火性を増大させる。
【0013】火山灰2、無機軽量骨材7表面にコーティ
ングさせた吸水性高分子材料は、分子内に水分を保有
し、また、火山灰2、無機軽量骨材7相互間の結合作用
を強くさせ、しかも、この結合作用と相俟ち、水分の保
有量も増大させる。
【0014】混練する際のセメント9、無機質系硬化剤
10は、火山灰2、無機軽量骨材7その他を結合させて
一体性を維持させる。
【0015】添加した無機塩類水溶液4と吸水性高分子
材料水溶液3との置換反応によって生成した不溶性高分
子酸塩は、火山灰2、無機軽量骨材7表面にコーティン
グする吸水性高分子材料の付着量を増大させ、また、火
山灰2、無機軽量骨材7夫々の結合一体性を強固にさ
せ、火山灰2による凝固状態の崩壊性、脆弱性を防止さ
せる。
【0016】置換反応によって生成される塩分は、脱塩
処理させることで、成型品中に残存されず、成型品の崩
壊性を未然に防止させる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明するに、本発明に係る耐火、耐熱建材は、吸水性高分
子材料、無機塩類の水溶液に火山灰2、無機軽量骨材7
を懸濁させて攪拌し、このときの置換反応による残滓反
応物である不溶性高分子酸塩を水分を封入した状態で火
山灰2、無機軽量骨材7にコーティングして凝集させる
一方、置換反応によって得られた塩類を除去し、セメン
ト9、無機質系硬化剤10等と共に所定量の水と混練
し、焼成加工を行なうことなく、成型硬化、形成したも
のである。
【0018】すなわち、具体的には、例えば図1に示す
ように、所定の攪拌容器1内で、火山灰2をポリアクリ
ル酸ソーダ水溶液3に添加して懸濁させ、強く攪拌しな
がら、塩化カルシウム水溶液4を添加する。この添加さ
れた塩化カルシウム水溶液4はポリアクリル酸ソーダ水
溶液3と反応し、不溶性のポリアクリル酸カルシウムと
食塩とを形成し、ポリアクリル酸カルシウムは、火山灰
2にからまり、火山灰2自体をコーティングして火山灰
2同士を凝集させ、火山灰−ポリアクリル酸カルシウム
の結合体5を生成する。
【0019】次いで、遠心分離機6によって濾過して水
溶液を除去し、残滓である火山灰−ポリアクリル酸カル
シウムの結合体5から上記の食塩を除去するよう水洗す
ることで脱塩処理を施す。
【0020】同様に、焼成パーライト、焼成バーミキュ
ライト等の無機軽量骨材7についても同様に処理し、パ
ーライト−ポリアクリル酸カルシウムの結合体、バーミ
キュライト−ポリアクリル酸カルシウムの結合体等の骨
材−ポリアクリル酸カルシウムの結合体8を得ておく。
なお、この骨材−ポリアクリル酸カルシウムの結合体8
は、火山灰−ポリアクリル酸カルシウムの結合体5の生
成と同時に得るようにすることもでき、この場合、攪拌
容器1内で同時に生成する。
【0021】その後、これらの火山灰−ポリアクリル酸
カルシウムの結合体5、骨材−ポリアクリル酸カルシウ
ムの結合体8、及びセメント9、プラスター、ベントナ
イト等の無機質系硬化剤10を所定量の水11と共に混
練した形成材料12を所定形状に成型する。例えば、搬
送装置13にて搬送されている所定形状の型枠14内
に、形成材料12の所定量を圧送機15によって投入
し、押えローラ16によって平滑にした後、必要があれ
ば型付ローラ17等にて模様を付す。そして、乾燥機1
8内を経て、2〜3日間の自然乾燥によって硬化した
後、型枠14内から脱型することで形成されるものであ
る。
【0022】こうして形成された建材自体は、天井材、
内装材、外壁材、屋根材、防火ブロック、レンガ材、耐
火断熱被覆材等として使用でき、特に、高温に対する耐
火性に優れているから、断熱作用によって延焼その他を
防止するのに好適であり、また、加工性に優れる。これ
らの各種建材として使用されるとき、一般的には、適当
なベニヤ板、化粧板その他が貼着される。
【0023】なお、本発明によって使用される火山灰
は、鹿児島県鹿児島市在の鹿児島道路サービス株式会社
から提供された鹿児島産のものを使用したが、もとよ
り、これに限定されるものではないことは勿論である。
【0024】また、吸水性高分子材料は、例えばポリア
クリル酸ソーダ、カルボメトキシルセルローズのソーダ
塩、デンプン−アクリル酸ソーダ塩等であり、特に、価
格が廉価で、保水性に優れ、高熱によって炭酸ガスと水
とに分解して一酸化炭素等の二次災害を発生させること
がないポリアクリル酸ソーダが好適なものである。
【0025】無機軽量骨材は、パーライト、バーミキュ
ライト、ケイソウ土、軽量シャモット、バブルアルミ
ナ、合成ゼオライト等であり、特に、価格が廉価で、市
販量も多いパーライト、バーミキュライトが好適なもの
である。
【0026】また、無機塩類は、水溶性ハロゲン塩、硝
酸塩、硫酸塩、有機酸塩等であり、カルシウム、マグネ
シウム、アルミニウム、鉄のハロゲン塩であり、更に詳
しくは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄
の硝酸塩であり、カルシウム、マグネシウム、アルミニ
ウム、鉄の硫酸塩であり、カルシウム、マグネシウム、
アルミニウム、鉄の酢酸塩等であり、価格が廉価で、市
販量も多く、水溶性があり、毒性も少なく、操作性に優
れた塩化カルシウム、塩化アルミニウムが好適である。
【0027】次に、これの具体例を、吸水性高分子材
料、無機軽量骨材、市販の各種セメント材料、無機質系
硬化剤その他と混練して、耐火、耐熱建材、例えば耐火
内装材、天井材、外壁材等として形成する場合夫々によ
って説明する。
【0028】[実施例1]耐火、耐熱内装材として形成
する場合には、例えば下記の配合例による形成材料とす
る。 火山灰−ポリアクリル酸カルシウム結合体 500部 パーライト−ポリアクリル酸カルシウム結合体 300部 バーミキュライト−ポリアクリル酸カルシウム結合体 300部 白セメント 200部 プラスター 600部 ベントナイト 240部 水 2000部
【0029】なお、ポリアクリル酸ソーダは、和光純薬
株式会社製の重合度22,000〜70,000のもの
であり、パーライトは、日本セメント株式会社の商品名
「アサノパーライト」であり、その成分は真珠岩・黒曜
石を破砕、粒度調整し急速に加熱発泡して得られる多孔
質、純白色、超軽量のものであり、バーミキュライトは
恒和化学工業株式会社の商品名「バーミキュライト」で
あり、その成分はひる石を加熱膨脹せしめたやや褐色、
層状、超軽量のものである。
【0030】そして、前述のように、上記の各材料を混
練し、型枠等に投入し、成型後取り出し、自然乾燥させ
る成型工程によるものとする。
【0031】こうして形成された耐火、耐熱内装材とし
ての建材の耐火耐熱試験を実施した結果は、表1に示す
通りである。なお、この耐火耐熱試験に際し、耐火、耐
熱内装材の肉厚が20mmのものを2枚積層させ、バー
ナー火炎に晒される耐火、耐熱内装材本体表面側と、火
炎によって加熱される裏面側との夫々の温度を経時的に
測定した。また、この耐火耐熱試験に使用されたバーナ
ーの温度は、その火炎位置において、250mm位置で
1,772℃、300mm位置で1,292℃、350
mm位置で1,170℃であった。
【表1】
【0032】[実施例2]耐火、耐熱性の天井材として
形成する場合には、例えば下記の配合例による形成材料
とする。 火山灰−ポリアクリル酸カルシウム結合体 400部 パーライト−ポリアクリル酸カルシウム結合体 500部 バーミキュライト 300部 白セメント 800部 ベントナイト 200部 水 2000部
【0033】この実施例2による形成材料のものも、内
装材と同様な工程を経て形成されたもので、天井材本体
の肉厚を15mmとして形成したものの耐火耐熱試験は
表2に示す。
【表2】
【0034】[実施例3]耐火、耐熱性の外壁材として
形成する場合には、例えば下記の配合例による形成材料
とする。 火山灰−ポリアクリル酸カルシウム結合体 400部 パーライト−ポリアクリル酸カルシウム結合体 500部 バーミキュライト−ポリアクリル酸カルシウム結合体 300部 普通ポルトランドセメント 1000部 水 2500部
【0035】この実施例3により形成された外壁材も、
実施例1,2のものと同様に耐火耐熱性が十分に得られ
た。また、この外壁材の四隅に釘を打ち、番線材にて懸
架した後、左右に振動させる横ゆれ試験を1時間施した
が、釘が抜けることもなく、釘穴の拡大も認められなか
った。
【0036】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
火山灰、無機軽量骨材表面に、水分を封入した状態で水
溶性高分子材料を、また、水溶性高分子材料と無機塩類
との置換反応後の脱塩処理によって残滓された不溶性高
分子酸塩をコーティングし、セメント、無機質系硬化剤
等によって水と共に混練し、成型することで得られるか
ら、焼結加工を要せずに簡単、安価に製造、提供でき、
従来そのまま廃棄されていた未利用資源である火山灰を
極めて有効に利用できるものである。
【0037】しかも、本発明によって得られた建材は、
軽量にして、耐衝撃性、耐火性、加工性、耐水性、防音
性に富み、また、建築材料として使用されるときの耐火
内装材、防火ブロック・レンガ材、外装材、床材、屋根
材その他としても汎用性がある各種の建材として、その
施工形態を問わずに利用できるものである。
【0038】また、吸水性高分子材料と無機塩類との置
換反応によって得た残滓反応物である不溶性高分子酸塩
を火山灰、無機軽量骨材表面にコーティグするから、火
山灰表面への水分を封入した状態の吸水性高分子材料の
付着量を多くし、結合状態を一層強固にすることができ
る。
【0039】特に、成型された成型品中には水分が封入
された状態であるから、高温に晒されるとき、これが次
第に蒸発し、高温、高熱に耐えさせるものとし、また、
水分の蒸散後でも、耐火性に富む火山灰自体が高温、高
熱を遮断し、裏面への熱伝導を阻止するのである。
【0040】また、実施例1による耐火耐熱試験以外の
他の耐火耐熱試験によっても、例えば肉厚が40mm程
度にして成型したものを電気炉中でその全体が約800
℃となるよう2〜3時間加熱したところ、全く変化がな
く、また、肉厚が9mm程度にして成型したものに対す
る表面からの約1,800℃のバーナー燃焼にも十分に
耐え、その裏面への熱伝導も極めて低く、耐火性に極め
て優れたものであることが確認された。しかも、混合さ
れた吸水性高分子材料は、加熱によって水と二酸化炭素
とに変わり、また、全体量に比し僅かなものであるか
ら、ガスクロマトグラフィーによる精密検査によっても
煙、一酸化炭素等の有害ガスは発見されず、悪臭の発生
も認められなかった。
【0041】更に、肉厚が15mm程度にして成型した
ものを高さ約2mのところから落下する落下試験を複数
回実施したが、ひび割れその他が全く発生せず、耐衝撃
性も十分なものであった。
【0042】また、成型品は、鋸、カッター等によって
容易に切断でき、所定形状への加工も簡単であり、現場
における施工性にも優れたものでもある。
【0043】そして、成型品の建材として使用されると
き、含有されている火山灰は、それ自身が耐火性に富む
ものであるため、建材自体の耐火、断熱性も十分であ
り、構築物の各部に種々な形態で利用でき、耐火断熱建
材としての汎用性を備えるものである。
【0044】形成材料として混練する際のセメント、無
機質系硬化剤は、火山灰、無機軽量骨材その他を一体的
に結合するのであり、特に、コーティングした火山灰、
無機軽量骨材夫々相互間のバインダー機能を発揮し、素
材夫々を結合凝固させ、火山灰による脆弱性、崩壊性を
除去し、全体の凝固状態を十分に維持させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明建材を製造する製造ラインの一例を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 攪拌容器 2 火山灰 3 ポリアクリル酸ソーダ水溶液 4 塩化カルシ
ウム水溶液 5 火山灰−ポリアクリル酸カルシウムの結合体 6 遠心分離機 7 無機軽量骨
材 8 骨材−ポリアクリル酸カルシウムの結合体 9 セメント 10 無機質系
硬化剤 11 水 12 形成材料 13 搬送装置 14 型枠 15 圧送機 16 押えロー
ラ 17 型付ローラ 18 乾燥機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04F 13/14 102 A 9127−2E

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火山灰、無機軽量骨材を吸水性高分子材
    料水溶液中に懸濁、攪拌して、火山灰、無機軽量骨材表
    面に吸水性高分子材料をコーティングし、コーティング
    処理後にセメント、無機質系硬化剤、水と混練し、所定
    形状に成型、硬化、養生し、脱型して形成したことを特
    徴とする火山灰利用の耐火、耐熱建材。
  2. 【請求項2】 火山灰、無機軽量骨材を吸水性高分子材
    料水溶液中に懸濁、攪拌し、無機塩類水溶液を添加して
    吸水性高分子材料水溶液との置換反応によって生成した
    不溶性高分子酸塩を火山灰、無機軽量骨材表面にコーテ
    ィングし、脱塩処理後にセメント、無機質系硬化剤、水
    と混練し、所定形状に成型、硬化、養生し、脱型して形
    成したことを特徴とする火山灰利用の耐火、耐熱建材。
  3. 【請求項3】 火山灰、無機軽量骨材は、夫々が各別に
    コーティング処理されるものとした請求項1または2記
    載の火山灰利用の耐火、耐熱建材。
  4. 【請求項4】 火山灰は、約20〜40%の比率で含有
    されている請求項1乃至3のいずれか記載の火山灰利用
    の耐火、耐熱建材。
  5. 【請求項5】 吸水性高分子材料は、ポリアクリル酸ソ
    ーダ、カルボメトキシルセルローズのソーダ塩、デンプ
    ン−アクリル酸ソーダ塩から選択されたいずれかの少な
    くとも一つである請求項1乃至3のいずれか記載の火山
    灰利用の耐火、耐熱建材。
  6. 【請求項6】 無機軽量骨材は、パーライト、バーミキ
    ュライト、ケイソー土、軽量シャモット、バブルアルミ
    ナ、合成ゼオライトから選択されたいずれかの少なくと
    も一つである請求項1乃至4のいずれか記載の火山灰利
    用の耐火、耐熱建材。
  7. 【請求項7】 無機塩類は、水溶性ハロゲン塩、硝酸
    塩、硫酸塩、有機酸塩から選択されたいずれかの少なく
    とも一つである請求項1乃至5のいずれか記載の火山灰
    利用の耐火、耐熱建材。
JP5054994A 1993-02-19 1993-02-19 火山灰利用の耐火、耐熱建材 Pending JPH06247763A (ja)

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