JPH0812376A - 光学部品の製造方法 - Google Patents
光学部品の製造方法Info
- Publication number
- JPH0812376A JPH0812376A JP6149037A JP14903794A JPH0812376A JP H0812376 A JPH0812376 A JP H0812376A JP 6149037 A JP6149037 A JP 6149037A JP 14903794 A JP14903794 A JP 14903794A JP H0812376 A JPH0812376 A JP H0812376A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- moisture
- protective film
- lens
- cyanoacrylate
- optical component
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- Paints Or Removers (AREA)
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
- Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、光学部品の加工面以外の面に、湿
気硬化型樹脂を含む塗料を塗布又は成膜することによっ
て保護膜を形成し、空気中又は水中の水分による光学部
品表面のヤケやくもりなどの腐食を防止しながら光学部
品を製造する方法を提供する。 【構成】 光学部品を製造する工程において、光学部品
の加工面以外の面を、湿気硬化型樹脂を5〜40vol %
含む塗料の塗布又は成膜により保護することを特徴とす
る光学部品の製造方法。また、前記塗料を構成する前記
湿気硬化型樹脂以外の樹脂は、前記湿気硬化型樹脂と反
応性が無く、かつ相溶性がある。また、前記塗料に含ま
れる前記湿気硬化型樹脂は、光学部品表面に吸着してい
る水分と硬化反応し、かつ、硬化後外部からの水分の浸
透を防止する。また、前記湿気硬化型樹脂がシアノアク
リレートからなることを特徴とする光学部品の製造方
法。
気硬化型樹脂を含む塗料を塗布又は成膜することによっ
て保護膜を形成し、空気中又は水中の水分による光学部
品表面のヤケやくもりなどの腐食を防止しながら光学部
品を製造する方法を提供する。 【構成】 光学部品を製造する工程において、光学部品
の加工面以外の面を、湿気硬化型樹脂を5〜40vol %
含む塗料の塗布又は成膜により保護することを特徴とす
る光学部品の製造方法。また、前記塗料を構成する前記
湿気硬化型樹脂以外の樹脂は、前記湿気硬化型樹脂と反
応性が無く、かつ相溶性がある。また、前記塗料に含ま
れる前記湿気硬化型樹脂は、光学部品表面に吸着してい
る水分と硬化反応し、かつ、硬化後外部からの水分の浸
透を防止する。また、前記湿気硬化型樹脂がシアノアク
リレートからなることを特徴とする光学部品の製造方
法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学部品の加工面以外
の面に湿気硬化型樹脂を含む塗料を塗布又は成膜するこ
とによって保護膜を形成し、光学部品の表面を保護しな
がら光学部品を製造する方法に関する。
の面に湿気硬化型樹脂を含む塗料を塗布又は成膜するこ
とによって保護膜を形成し、光学部品の表面を保護しな
がら光学部品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レンズやプリズムのような、複数
の研磨加工面を持つ光学部品を製造する工程で、先に研
磨加工を完了した面を、次の面の加工を行う際に研磨剤
や研磨液による汚染、腐食から保護するために、事前
に、加工面以外の面及び研磨加工の終了した面に保護膜
を塗布することが通常行われている。図5に光学レンズ
の製造工程をしめす。
の研磨加工面を持つ光学部品を製造する工程で、先に研
磨加工を完了した面を、次の面の加工を行う際に研磨剤
や研磨液による汚染、腐食から保護するために、事前
に、加工面以外の面及び研磨加工の終了した面に保護膜
を塗布することが通常行われている。図5に光学レンズ
の製造工程をしめす。
【0003】準備した硝材は、粗研削、精研削の後、水
洗い、拭き上げられてから第一面の加工にはいる。先
ず、加工面以外の面に保護膜を塗布する。つぎに、保護
膜を塗った面を貼り付け皿に向けてピッチ等で貼る。そ
の後、砂かけ加工である程度面精度を出し、研磨加工を
行ってから、面精度、外観のキズ、砂目の有無のチェッ
クをする。合格したレンズは、研磨面に保護膜が塗布さ
れ、冷凍剥離機により、貼り付け皿から剥がされ、洗浄
機により洗浄される。この洗浄により保護膜も溶解され
る。ここで、第一面の加工が終了する。
洗い、拭き上げられてから第一面の加工にはいる。先
ず、加工面以外の面に保護膜を塗布する。つぎに、保護
膜を塗った面を貼り付け皿に向けてピッチ等で貼る。そ
の後、砂かけ加工である程度面精度を出し、研磨加工を
行ってから、面精度、外観のキズ、砂目の有無のチェッ
クをする。合格したレンズは、研磨面に保護膜が塗布さ
れ、冷凍剥離機により、貼り付け皿から剥がされ、洗浄
機により洗浄される。この洗浄により保護膜も溶解され
る。ここで、第一面の加工が終了する。
【0004】次に、第二面の加工に入る。先ず、研磨が
終了している第一面側に保護膜を塗布する。ついで、保
護膜を塗った面を貼り付け皿に向け、ピッチ等で貼る。
その後、第一面と同様に、砂かけ、研磨、面精度のチェ
ックを行い、保護膜を塗布し、冷凍剥離機で皿から剥が
し、洗浄する。その後、中心厚をチェックして、心取り
加工を行い、洗浄してから、反射防止膜等をコートし、
最後に検査工程を経て出荷される。
終了している第一面側に保護膜を塗布する。ついで、保
護膜を塗った面を貼り付け皿に向け、ピッチ等で貼る。
その後、第一面と同様に、砂かけ、研磨、面精度のチェ
ックを行い、保護膜を塗布し、冷凍剥離機で皿から剥が
し、洗浄する。その後、中心厚をチェックして、心取り
加工を行い、洗浄してから、反射防止膜等をコートし、
最後に検査工程を経て出荷される。
【0005】全工程中で保護膜塗布の工程が4回ある。
最初は精研削後、2度目は第一面研磨終了後、3度目は
第二面加工前、4度目は第二面研磨終了後に、その都度
保護膜を塗布する。また、製造工程上、長期保管が必要
になった場合、外気特に湿気の影響を受けないように、
保護膜を全面に塗布してから保管する場合もある。図4
は、レンズを治具に貼り付けた状態を示す断面図であ
る。レンズ1に保護膜2を塗布した後、球状ピッチ5で
治具6に接着する。この保護膜には、従来ピッチや塩化
ビニル系樹脂といった溶剤性樹脂が使用されてきた。こ
れらの溶剤性樹脂には、次に述べる長所があり、製造工
程で使用されてきた。ピッチには、硝材とのなじみが
よい、他の保護膜(塗料)と比べて安価、取扱が簡
単、着色の必要がない(保護膜の有無を見分けるた
め)等の長所がある。
最初は精研削後、2度目は第一面研磨終了後、3度目は
第二面加工前、4度目は第二面研磨終了後に、その都度
保護膜を塗布する。また、製造工程上、長期保管が必要
になった場合、外気特に湿気の影響を受けないように、
保護膜を全面に塗布してから保管する場合もある。図4
は、レンズを治具に貼り付けた状態を示す断面図であ
る。レンズ1に保護膜2を塗布した後、球状ピッチ5で
治具6に接着する。この保護膜には、従来ピッチや塩化
ビニル系樹脂といった溶剤性樹脂が使用されてきた。こ
れらの溶剤性樹脂には、次に述べる長所があり、製造工
程で使用されてきた。ピッチには、硝材とのなじみが
よい、他の保護膜(塗料)と比べて安価、取扱が簡
単、着色の必要がない(保護膜の有無を見分けるた
め)等の長所がある。
【0006】また、塩化ビニル系樹脂には、硝材との
密着力が大きい、膜の強度が大きい、一般的な保護
膜と比べ、耐水性が大きい、ヤニとの接着性がそこそ
こあり、かつ、剥離も比較的簡単、等の長所がある。
密着力が大きい、膜の強度が大きい、一般的な保護
膜と比べ、耐水性が大きい、ヤニとの接着性がそこそ
こあり、かつ、剥離も比較的簡単、等の長所がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、レンズの保護
膜として使われるピッチや塩化ビニル系樹脂は、僅かだ
が透湿性を有しているため、高湿度環境下や水中に長時
間放置すると、水分が保護膜に浸透し、光学部品表面に
到達して、光学部品表面のヤケやくもり等の腐食につな
がることがある。また、図4の場合、保護膜に球状ピッ
チが接着している場所は、接着していない場所とは光学
部品表面に対する環境条件(耐水性)が異なり、保護膜
中に外部からの水分が浸透しにくいため、その部分だけ
ヤケが発生しない状態(以下「球状ヤケ」と呼ぶ)が生
じるという問題があった。
膜として使われるピッチや塩化ビニル系樹脂は、僅かだ
が透湿性を有しているため、高湿度環境下や水中に長時
間放置すると、水分が保護膜に浸透し、光学部品表面に
到達して、光学部品表面のヤケやくもり等の腐食につな
がることがある。また、図4の場合、保護膜に球状ピッ
チが接着している場所は、接着していない場所とは光学
部品表面に対する環境条件(耐水性)が異なり、保護膜
中に外部からの水分が浸透しにくいため、その部分だけ
ヤケが発生しない状態(以下「球状ヤケ」と呼ぶ)が生
じるという問題があった。
【0008】本発明の目的は、この問題点の解決にあ
る。
る。
【0009】
【課題を解決する為の手段】上記問題の解決のために、
本発明では、光学部品を製造する工程に於いて、光学部
品の加工面以外の面を、湿気硬化型樹脂を5〜40vol
%含む塗料の塗布又は成膜により保護することを特徴と
する光学部品の製造方法を提供する(請求項1)。
本発明では、光学部品を製造する工程に於いて、光学部
品の加工面以外の面を、湿気硬化型樹脂を5〜40vol
%含む塗料の塗布又は成膜により保護することを特徴と
する光学部品の製造方法を提供する(請求項1)。
【0010】また、前記塗料を構成する前記湿気硬化型
樹脂以外の樹脂は、前記湿気硬化型樹脂と反応性が無
く、かつ相溶性があることを特徴とする請求項1記載の
光学部品の製造方法を提供する(請求項2)。さらに、
前記塗料に含まれる前記湿気硬化型樹脂は、光学部品表
面に吸着している水分と硬化反応し、かつ、硬化後外部
からの水分の浸透を防止することを特徴とする請求項1
又は2記載の光学部品の製造方法を提供する(請求項
3)。
樹脂以外の樹脂は、前記湿気硬化型樹脂と反応性が無
く、かつ相溶性があることを特徴とする請求項1記載の
光学部品の製造方法を提供する(請求項2)。さらに、
前記塗料に含まれる前記湿気硬化型樹脂は、光学部品表
面に吸着している水分と硬化反応し、かつ、硬化後外部
からの水分の浸透を防止することを特徴とする請求項1
又は2記載の光学部品の製造方法を提供する(請求項
3)。
【0011】前記湿気硬化型樹脂がシアノアクリレート
からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の光
学部品の製造方法を提供する(請求項4)。
からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の光
学部品の製造方法を提供する(請求項4)。
【0012】
【作用】即ち、本発明では、湿気硬化型樹脂と反応性が
無く相溶性がある樹脂に、湿気硬化型樹脂を5〜40vo
l %混合した塗料を光学部品表面に塗布することによっ
て、光学部品表面に吸着した水分が塗料の硬化反応に利
用され、かつ硬化後外部からの水分の浸透を防止する保
護膜として作用する。このため、光学部品表面がヤケや
くもり等の腐食を生じなくなり、さらに「球状ヤケ」の
発生も防止することが出来る。
無く相溶性がある樹脂に、湿気硬化型樹脂を5〜40vo
l %混合した塗料を光学部品表面に塗布することによっ
て、光学部品表面に吸着した水分が塗料の硬化反応に利
用され、かつ硬化後外部からの水分の浸透を防止する保
護膜として作用する。このため、光学部品表面がヤケや
くもり等の腐食を生じなくなり、さらに「球状ヤケ」の
発生も防止することが出来る。
【0013】湿気硬化型樹脂の混合比は、5vol %以下
では表面に付着している水分が充分に取り切れず、ま
た、40vol %以上では硬化がしにくくなるという不都
合を生じる。湿気硬化型樹脂にはシアノアクリレート、
ウレタン樹脂等が使用できるが、特にシアノアクリレー
トが優れた効果をしめした。シアノアクリレートは、C
H2=C(CN)CO2 Rで示され、代表的なものにメ
チルシアノアクリレートやエチルシアノアクリレートが
ある。これらは空気中や物質表面の僅かな水分の存在に
より、速やかに重合し、あらゆる物質との間で高い接着
性を示す。
では表面に付着している水分が充分に取り切れず、ま
た、40vol %以上では硬化がしにくくなるという不都
合を生じる。湿気硬化型樹脂にはシアノアクリレート、
ウレタン樹脂等が使用できるが、特にシアノアクリレー
トが優れた効果をしめした。シアノアクリレートは、C
H2=C(CN)CO2 Rで示され、代表的なものにメ
チルシアノアクリレートやエチルシアノアクリレートが
ある。これらは空気中や物質表面の僅かな水分の存在に
より、速やかに重合し、あらゆる物質との間で高い接着
性を示す。
【0014】また、湿気硬化型樹脂と反応性が無く、か
つ相溶性がある樹脂としては、ポリウレタンやポリ塩化
ビニル等がある。それらの樹脂を有機溶剤によって30
〜50vol%に希釈してあるものを用いると塗布時のハン
ドリング性も良い。この場合、30〜50vol%に希釈し
た樹脂に対し、シアノアクリレートを5〜40vol%混合
させ、塗料として用いる。
つ相溶性がある樹脂としては、ポリウレタンやポリ塩化
ビニル等がある。それらの樹脂を有機溶剤によって30
〜50vol%に希釈してあるものを用いると塗布時のハン
ドリング性も良い。この場合、30〜50vol%に希釈し
た樹脂に対し、シアノアクリレートを5〜40vol%混合
させ、塗料として用いる。
【0015】混合し作成した塗料は、水分に対し反応性
が高いので、使用時以外は外気から遮断し、1日以内に
使いきる必要がある。光学部品へ塗布後、塗料中のシア
ノアクリレートと反応性が無く相溶性のある樹脂が有機
溶剤の揮発により硬化するのに伴い、シアノアクリレー
トは、光学部品表面や気中もしくは上記の樹脂中に含ま
れる僅かな水分と反応し重合する。このため、光学部品
表面に吸着し残留している水分がこの反応によって消費
されて無くなり、水分が浸透せず、耐水性の高い相互侵
入型の保護膜を形成する。
が高いので、使用時以外は外気から遮断し、1日以内に
使いきる必要がある。光学部品へ塗布後、塗料中のシア
ノアクリレートと反応性が無く相溶性のある樹脂が有機
溶剤の揮発により硬化するのに伴い、シアノアクリレー
トは、光学部品表面や気中もしくは上記の樹脂中に含ま
れる僅かな水分と反応し重合する。このため、光学部品
表面に吸着し残留している水分がこの反応によって消費
されて無くなり、水分が浸透せず、耐水性の高い相互侵
入型の保護膜を形成する。
【0016】なお、本発明による保護膜はアセトンやメ
チルエチルケトン等の溶剤で溶解可能であり、光学部品
表面からの除去も容易である。以下、図面を引用して、
実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明
は、これに限られるものではない。
チルエチルケトン等の溶剤で溶解可能であり、光学部品
表面からの除去も容易である。以下、図面を引用して、
実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明
は、これに限られるものではない。
【0017】
【実施例】本発明の塗料として、表1に示す組成のもの
を用意した。
を用意した。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示した、AからDまで4種類の塗料
の特性、用途を示す。 A:シアノアクリレートの含有量が多いので、硝材表面
の水分を充分吸収できる。特に耐水性の乏しい硝材に適
している。 B:シアノアクリレートの含有量が少ないので、保護膜
の硬化収縮が小さく、弾性の大きいものになる。大きな
保護膜強度が必要な場合に適している。
の特性、用途を示す。 A:シアノアクリレートの含有量が多いので、硝材表面
の水分を充分吸収できる。特に耐水性の乏しい硝材に適
している。 B:シアノアクリレートの含有量が少ないので、保護膜
の硬化収縮が小さく、弾性の大きいものになる。大きな
保護膜強度が必要な場合に適している。
【0020】C:シアノアクリレートの含有量が少な
く、塩ビ及びアクリル樹脂の含有量が多いので、保護膜
の硬化収縮が極めて小さく、粘弾性も大きい。比較的耐
水性の高い硝材で、かつ、大きな保護膜強度が必要な場
合に適している。 D:溶剤が多く入っているので、塗布する際のびがよ
く、一度に広い面積に塗布する場合に適している。
く、塩ビ及びアクリル樹脂の含有量が多いので、保護膜
の硬化収縮が極めて小さく、粘弾性も大きい。比較的耐
水性の高い硝材で、かつ、大きな保護膜強度が必要な場
合に適している。 D:溶剤が多く入っているので、塗布する際のびがよ
く、一度に広い面積に塗布する場合に適している。
【0021】つぎに、本発明の塗料の製法を述べる。表
1に記載された樹脂と溶剤を所定量容器に加え、攪拌を
充分行ったのち、シアノアクリレートを所定量加え、さ
らに攪拌して均一になれば出来上がりである。 (第1実施例) 図1は、レンズを治具に貼り付けた状
態を示す図である。湿気硬化型樹脂としてシアノアクリ
レートは5〜40vol%混合させた塗料をレンズ1に塗布
し乾燥させると保護膜3となる。これを治具6に球状ピ
ッチ5を用いて接着する。それにより、レンズ加工中に
研磨液や気中の水分が、治具6と保護膜の隙間に侵入し
ても、保護膜3が水分を浸透しないため、レンズ1の表
面のヤケやくもり等の腐食を防止し、さらに「球状ヤ
ケ」の発生も防止できる。
1に記載された樹脂と溶剤を所定量容器に加え、攪拌を
充分行ったのち、シアノアクリレートを所定量加え、さ
らに攪拌して均一になれば出来上がりである。 (第1実施例) 図1は、レンズを治具に貼り付けた状
態を示す図である。湿気硬化型樹脂としてシアノアクリ
レートは5〜40vol%混合させた塗料をレンズ1に塗布
し乾燥させると保護膜3となる。これを治具6に球状ピ
ッチ5を用いて接着する。それにより、レンズ加工中に
研磨液や気中の水分が、治具6と保護膜の隙間に侵入し
ても、保護膜3が水分を浸透しないため、レンズ1の表
面のヤケやくもり等の腐食を防止し、さらに「球状ヤ
ケ」の発生も防止できる。
【0022】(第2実施例) 図2は、図1に示す保護
膜の構成を2層にした例である。レンズ1に湿気硬化型
樹脂としてシアノアクリレートを5〜40vol%混合させ
た塗料を塗布し乾燥さた保護膜3と、さらにその上に保
護膜3と相溶性の無い耐水性の樹脂4を塗布し、治具6
に球状ピッチ5で接着したものである。本実施例の樹脂
4としては、酢酸ビニル系樹脂をアルコールに分散させ
たものがそれである。また、エマルジョン型樹脂(不飽
和ポリエステル、アルキド樹脂等)や水性樹脂(アルキ
ド樹脂、ポリビニルアルコール等)も使用できる。
膜の構成を2層にした例である。レンズ1に湿気硬化型
樹脂としてシアノアクリレートを5〜40vol%混合させ
た塗料を塗布し乾燥さた保護膜3と、さらにその上に保
護膜3と相溶性の無い耐水性の樹脂4を塗布し、治具6
に球状ピッチ5で接着したものである。本実施例の樹脂
4としては、酢酸ビニル系樹脂をアルコールに分散させ
たものがそれである。また、エマルジョン型樹脂(不飽
和ポリエステル、アルキド樹脂等)や水性樹脂(アルキ
ド樹脂、ポリビニルアルコール等)も使用できる。
【0023】本実施例では、第1実施例と同様の効果の
他に、保護膜自体の機械的強度が大きくなるという効果
がある。 (第3実施例) 図3は、加工したレンズの保管時に於
ける保護膜の使用方法を示したものである。レンズ1
に、湿気硬化型樹脂としてシアノアクリレートを5〜4
0vol%を混合させた塗料を両面に塗布し乾燥させたもの
を保護膜3として用いる。保管中の外気の影響を防止し
たり、取り扱い時のレンズ面への汚れの付着を防止で
き、レンズ1表面のヤケやくもり等の腐食を防止でき
る。
他に、保護膜自体の機械的強度が大きくなるという効果
がある。 (第3実施例) 図3は、加工したレンズの保管時に於
ける保護膜の使用方法を示したものである。レンズ1
に、湿気硬化型樹脂としてシアノアクリレートを5〜4
0vol%を混合させた塗料を両面に塗布し乾燥させたもの
を保護膜3として用いる。保管中の外気の影響を防止し
たり、取り扱い時のレンズ面への汚れの付着を防止で
き、レンズ1表面のヤケやくもり等の腐食を防止でき
る。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、シアノ
アクリレートを含む保護膜を用いることによって、加工
中及び保管時に気中もしくは水中の水分が光学部品表面
まで浸透するのを防ぎ、光学部品表面のヤケやくもり等
の腐食を防止でき、「球状ヤケ」も防止できる。これに
より、ヤケ取り工程や再研磨工程等に代表される再加工
等の工程が無くなり、工数が減少してコストダウンが可
能になる。
アクリレートを含む保護膜を用いることによって、加工
中及び保管時に気中もしくは水中の水分が光学部品表面
まで浸透するのを防ぎ、光学部品表面のヤケやくもり等
の腐食を防止でき、「球状ヤケ」も防止できる。これに
より、ヤケ取り工程や再研磨工程等に代表される再加工
等の工程が無くなり、工数が減少してコストダウンが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明に係る一実施例の保護膜を塗布した
レンズを治具に貼り付けた図である。
レンズを治具に貼り付けた図である。
【図2】は、本発明に係る一実施例の保護膜の構成を2
層にした図である。
層にした図である。
【図3】は、本発明に係る一実施例の保護膜を、加工後
のレンズの保管のために塗布する方法を示す図である。
のレンズの保管のために塗布する方法を示す図である。
【図4】は、従来技術に係るレンズを治具に貼り付けた
状態を示す断面図である。
状態を示す断面図である。
【図5】は、光学レンズの製造工程を示す図である。
1・・・・レンズ 2・・・・従来の保護膜 3・・・・本発明の保護膜 4・・・・3の保護膜と相溶性のない耐水性の保護膜 5・・・・球状ピッチ 6・・・・レンズ取付け用治具 以上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 4/04 G02B 1/10
Claims (4)
- 【請求項1】 光学部品を製造する工程に於いて、光学
部品の加工面以外の面を、湿気硬化型樹脂を5〜40vo
l %含む塗料の塗布又は成膜により保護することを特徴
とする光学部品の製造方法。 - 【請求項2】 前記塗料を構成する前記湿気硬化型樹脂
以外の樹脂は、前記湿気硬化型樹脂と反応性が無く、か
つ相溶性があることを特徴とする請求項1記載の光学部
品の製造方法。 - 【請求項3】 前記塗料に含まれる前記湿気硬化型樹脂
は、光学部品表面に吸着している水分と硬化反応し、か
つ、硬化後外部からの水分の浸透を防止することを特徴
とする請求項1又は2記載の光学部品の製造方法。 - 【請求項4】 前記湿気硬化型樹脂がシアノアクリレー
トからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
光学部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6149037A JPH0812376A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 光学部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6149037A JPH0812376A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 光学部品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0812376A true JPH0812376A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15466283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6149037A Pending JPH0812376A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 光学部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0812376A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004078476A1 (ja) * | 2003-02-17 | 2004-09-16 | Tokuyama Corporation | 積層体、光学部品、これらの製造方法ならびにコーティング液 |
JP4526621B2 (ja) * | 1999-10-07 | 2010-08-18 | 株式会社イノアックコーポレーション | 電気的不導体への金属メッキ方法 |
-
1994
- 1994-06-30 JP JP6149037A patent/JPH0812376A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4526621B2 (ja) * | 1999-10-07 | 2010-08-18 | 株式会社イノアックコーポレーション | 電気的不導体への金属メッキ方法 |
WO2004078476A1 (ja) * | 2003-02-17 | 2004-09-16 | Tokuyama Corporation | 積層体、光学部品、これらの製造方法ならびにコーティング液 |
US8012588B2 (en) | 2003-02-17 | 2011-09-06 | Tokuyama Corporation | Layered product, optical part, processes for producing these, and coating fluid |
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