JPH08123235A - 離型剤塗布装置 - Google Patents

離型剤塗布装置

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Publication number
JPH08123235A
JPH08123235A JP25253294A JP25253294A JPH08123235A JP H08123235 A JPH08123235 A JP H08123235A JP 25253294 A JP25253294 A JP 25253294A JP 25253294 A JP25253294 A JP 25253294A JP H08123235 A JPH08123235 A JP H08123235A
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JP
Japan
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release agent
roller
viscosity
heating roller
releasing agent
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Application number
JP25253294A
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English (en)
Inventor
Kazumi Inaba
一美 稲葉
Masaki Nakamura
正樹 中村
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で記録シートの剥離性を向上させ
るとともに、オフセットの発生と離型剤の滴下を防止す
ることができる離型剤塗布装置を提供する。 【構成】 熱ローラ型定着装置に設けられた加熱ローラ
14および圧力ローラ18の少なくともいずれか一方に
離型剤を供給する離型剤塗布装置であって、常温におけ
る粘度が100cs以上5,000cs未満の低粘度離
型剤20〜80重量部と、常温における粘度が5,00
0cs以上1,000,000cs以下の高粘度離型剤
80〜20重量部とを含有する混合離型剤を含浸した離
型剤供給ローラ40を具備している。 【効果】 上記混合離型剤は、離型剤供給ローラに圧力
が加わったときは低粘度離型剤並に流れ易くなり、離型
剤供給ローラに圧力が加わらない状態で高粘度離型剤並
に流れにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真熱定着プロセス
における離型剤塗布装置に係り、特に、簡単な構成で剥
離性を向上させることができる離型剤塗布装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真プロセスを利用した
複写機等においては、記録シート上に形成された未定着
トナー像を定着させて永久画像にする必要がある。特
に、フルカラー複写機においては、高光沢画像、および
透明転写材上での高透過画像を得るように定着させる必
要があり、その定着法としては、溶剤定着法、圧力定着
法、及び加熱定着法が知られている。
【0003】しかしながら、溶剤定着法は、溶剤蒸気が
発散し、臭気や衛生上の問題が多いという欠点を有して
おり、一方、圧力定着法についても他の定着法と較べて
定着性が悪くかつ圧力感応性トナーが高価であるという
欠点を有しており、共に広く実用化されていないのが現
状である。
【0004】このため、未定着トナー像の定着には、加
熱によってトナーを溶融させ、記録シート上に融着させ
る加熱定着法が広く採用されている。図3は、そのよう
な加熱定着装置の概略を示すもので、この図に示す熱定
着装置は、円筒状をなす加熱ローラコア1の内部にヒー
タ2を配置するとともに、その外周面に耐熱性樹脂被膜
層3を形成した加熱ローラ4と、円筒状をなす加圧ロー
ラコア5の外周部に耐熱弾性体層6を形成した加圧ロー
ラ7とから概略構成されている。
【0005】このような熱定着装置では、加熱ローラ4
と加圧ローラ7とを互いに圧接させた状態で、両者の間
に未定着トナー像Tが付着した記録シート8を挿通させ
ることにより、加熱ローラ4内部のヒータ2からの熱に
よりトナーを溶融するとともに、加圧ローラ2から加え
られる圧力により、溶融したトナーを記録シート8に圧
接してトナー像を定着させる。この加熱ローラ方式は、
熱風定着方式やオーブン定着方式と比べて熱効率が高い
ため、低電力で済み、高速性に優れ、しかも紙詰まりに
よる火炎の危険性も少ないことなどから現在最も広く利
用されている。
【0006】しかしながら、上記のような加熱ローラ方
式では、溶融したトナーが加熱ローラ4の表面に付着
し、記録シート8と加熱ローラ4との剥離性が悪いとい
う欠点がある。特にカラー複写機においては、発色させ
るためにトナーを充分溶融させることが必要なため、よ
り剥離が困難となる。
【0007】溶融したトナーにより付着した記録シート
を加熱ローラから剥離する方法としては、図3に示すよ
うに、加熱ローラ4の外周面に剥離爪9の先端縁を圧接
する方法が安価な方法として知られている。しかしなが
ら、この剥離爪方式では、剥離爪9で耐熱ローラ4の耐
熱性樹脂被膜層3を傷つけるという問題を有している。
【0008】この他に、加熱ローラ弾性層のひずみを利
用する方式(特開平1−312574号公報、特開平2
−156281号公報、特開平2−156283号公
報)、および加熱ローラの曲率を小さくする方式(特開
昭60−207170号公報)が知られている。しかし
ながら、加熱ローラの曲率を小さくする方式では、加熱
ローラの直径を15mm以下という小径にせざるを得
ず、高速化に適さないという問題があった。
【0009】したがって、加熱ローラから記録シートを
剥離するには、加熱ローラの耐熱弾性層のひずみを利用
する方式が最も適していると考えられる。このひずみを
利用する方式では、剥離効果をより向上させるために離
型剤を用いることが望ましいとされている。特に、カラ
ー複写機においては、記録シートから離脱したトナーが
加熱ローラに付着するオフセットが発生し易いため、離
型剤を併用するのが一般的である。この場合、離型剤と
しては例えばアミン変性シリコーンオイルが用いられ、
加熱ローラの表面をフッ素ゴムでコーティングして強化
する技術も提案され(特開平4ー230784号)、実
用化されている。
【0010】加熱ローラのひずみを利用した方式に離型
剤を併用した定着装置の概略を図4に示す。図4に示す
定着装置は、円筒状をなす加熱ローラコア10の内部に
ヒータ11を配置するとともに、その外周に耐熱弾性体
層12を形成し、この耐熱弾性体層12の外周面をフッ
素ゴムからなる離型層13で被覆した加熱ローラ14
と、円筒状をなす加圧ローラコア15の内部にヒータ1
6を配置するとともに、その外周に耐熱弾性体層17を
形成した加圧ローラ18とを備えている。この定着装置
では、加熱ローラ14と加圧ローラ18とを互いに圧接
することにより加熱ローラ14の耐熱弾性体層12に変
形を与え、これにより、両者の間に挿通される記録シー
ト8の搬送速度と加熱ローラ14のニップ部Nにおける
周速とに差を設け、記録シート8を加熱ローラ14から
剥離する。
【0011】また、上記定着装置では、加熱ローラ14
からの記録シート8の剥離を確実にするために、離型剤
塗布装置30を備えている。離型剤塗布装置30は、離
型剤タンク31内に貯溜された離型剤32を第1ローラ
33に付着させ、その付着量を離型剤制御ブレード34
により制御しながら、第2ローラ35および第3ローラ
36を介して加熱ローラ14の表面に離型剤32を塗布
するようになっている。この加熱ローラ14のひずみと
離型剤32とを併用した方法は、剥離爪を使用しないこ
とから加熱ローラ14を傷付けることが無く、かつ加熱
ローラ14を小径にする必要がないという利点を有して
いる。
【0012】しかしながら、上記のような離型剤塗布装
置30では、離型剤タンク31〜第3ローラ36からな
る大がかりな装置であるため、定着装置の大型化、複雑
化を招き、しかも製造コストが割高になるという欠点が
あり、また、装置を移動させる際などに離型剤32が離
型剤タンク31からこぼれたりする恐れもあった。
【0013】そのため最近では、離型剤を含浸させた離
型剤供給ローラを加熱ローラへ圧接する技術が提案され
ている(特開昭60−151680号公報、特開昭61
−240266号公報)。図1は、そのような離型剤供
給ローラを有する定着装置を示すものである。図1に示
すように、離型剤供給ローラ40は、芯材41の表面
に、例えばシリコーンゴムなどのゴム状弾性体42を設
け、ゴム状弾性体42の表面を多孔質フィルム43で被
覆して構成されている。そして、ゴム状弾性体42は離
型剤を含浸しており、ゴム状弾性体42が加熱ローラ1
4に圧接されることにより、離型剤が多孔質フィルム4
3を浸透してその表面に浸出し、かつ、離型剤供給ロー
ラ40が加熱ローラ14に連れ回りするように回転する
ことにより、表面に浸出した離型剤が加熱ローラ14の
表面に塗布されるようになっている。なお、図1におい
て符号17aはフッ素ゴムからなる離型層である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような定着装置においては、離型剤供給ローラ40が高
温化に置かれた場合、その内部に含浸させた離型剤が徐
々に浸出して滴り落ちるという不都合が生じていた。こ
の離型剤の滴下を防止するには、粘度の高い離型剤を使
わざるを得なかったが、粘度の高い離型剤を使用する
と、離型剤供給ローラ40の表面に離型剤が浸出し難く
なり、加熱ローラ14への離型剤の供給量が不足してし
まうという問題を生じる。これは、特に、高いレベルの
離型性能が要求されるカラートナーを使用する場合にお
いては大きな障害となっていた。
【0015】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、離型剤の滴下を防止しつつその供給量
を充分に確保することができ、しかも、構成を簡略化し
て製造コストを低減するとともに、塗布量を精密に制御
しかつその制御を簡略化することができる離型剤塗布装
置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱ローラ型定
着装置に設けられた加熱ローラまたは圧力ローラに離型
剤を供給する離型剤塗布装置であって、常温における粘
度が100cs以上5,000cs未満の低粘度離型剤
20〜80重量部と、常温における粘度が5,000以
上1,000,000cs以下の高粘度離型剤80〜2
0重量部とを含有する混合離型剤を含浸させた離型剤供
給ローラを具備したことを特徴としている。
【0017】
【作用】以下、上記数値限定の根拠を本発明の作用とと
もに説明する。本発明者等は、種々の実験を行った結
果、上記した混合離型剤を離型剤供給ローラに含浸させ
ると、離型剤供給ローラに圧力が加わったときは低粘度
離型剤並みに流れやすくなり、静置され圧力が加わらな
い状態では高粘度離型剤並みに流れにくくなるという知
見を得た。これは粘弾性という性質によるものと考えら
れるが、上記数値限定は、この粘弾性を利用して離型剤
の滴下防止と供給量の確保を同時に満足させるための条
件であって、本発明者等の種々の実験により得られたも
のである。
【0018】すなわち、上記した粘度範囲の高粘度離型
剤の混合比が20重量部より少ないと離型剤の滴下が発
生する一方、80重量部より多いと離型剤供給ローラ表
面への離型剤の浸出が不十分となる。また、1,00
0,000csを上回る高粘度離型剤を混合させると、
離型剤供給ローラ内にその高粘度離型剤が選択的に残存
してしまい、分離された低粘度離型剤のみが滴下すると
いう減少が生じる。さらに、高粘度離型剤として使用す
るには、常温で粘度が5,000cs以上でないと滴下
を防止する効果が得られない。よって、高粘度離型剤
は、常温における粘度が5,000cs以上1,00
0,000cs以下のもので、混合離型剤中の割合を8
0〜20重量部とした。
【0019】一方、本発明者等の実験によれば、100
csより低い粘度を有する低粘度離型剤は耐熱性に乏し
く、揮発してコピー機内を汚染してしまうことが判っ
た。また、低粘度離型剤の粘度が5,000cs以上で
あると、浸出を促進する効果が乏しく、必要な離型剤塗
布量を得ることができないことも判った。よって、低粘
度離型剤は、常温における粘度が100cs以上5,0
00未満のものとし、かつ、その混合離型剤中の割合
は、上記高粘度離型剤の割合との関係から20〜80重
量部とした。
【0020】さらに、本発明の離型剤塗布装置では、高
粘度離型剤と低粘度離型剤との混合比、あるいはそれぞ
れの粘度を上記範囲内で変えることにより、ローラ表面
に染み出す離型剤量を調整することができる。これによ
り、コピースピードの仕様、離型剤塗布装置が圧接する
非離型剤供給体の材質、非離型剤供給体の使用温度等の
種々の条件に柔軟に対応することができる。
【0021】
【実施例】
A.第1実施例 以下、本発明の離型剤塗布装置の一実施例を図1を参照
して説明する。本実施例では、図1に示した離型剤供給
ローラ40を離型剤塗布装置として使用した。ここで、
加熱ローラ14の外径は35mmとし、加熱ローラコア
10は肉厚1.5mmの炭素鋼製の円筒で構成した。ま
た、耐熱弾性体層12は、肉厚2mm、ゴム硬度60゜
のシリコーンゴムで構成し、離型層13は、肉厚0.0
3mm、ゴム硬度70゜のフッ素ゴムで構成した。ま
た、ヒータ11は600Wのハロゲンランプであり、加
熱ローラ14を160℃に加熱することができる。
【0022】一方、加圧ローラ18の外径は35mmと
し、加圧ローラ18の加熱のためのヒータ16は、加熱
ローラ14のヒータ11と同等の性能とした。加圧ロー
ラコア15は、肉厚が1.5mmの炭素鋼製の円筒で構
成し、耐熱弾性体層17は肉厚0.5mm、ゴム硬度6
0°のシリコーンゴムで構成し、離型層17aは、肉厚
0.03mm、ゴム硬度70゜のフッ素ゴムで構成し
た。加熱ローラ14および加圧ローラ18は、加重6k
g/cm2 で互いに圧接させられ、これにより、ニップ
幅Wは4mmとされる。
【0023】離型剤供給ローラ40は、ステンレス鋼製
の外径が6mmである芯金41の外周部にシリコーンゴ
ムからなる外径20mmのゴム状弾性体42を形成し、
このゴム状弾性体42の外周を、気孔率が30〜95
%、厚さ3〜50μmの延伸ポリテトラフルオロエチレ
ンの多孔質フィルム43で被覆して構成されている。ゴ
ム状弾性体42の材料としては、本実施例ではシリコー
ンゴムを例示したが、その他に各種発泡体や、多孔質体
から形成することもできる。
【0024】加熱ローラ14は図1中矢印方向に110
mm/secのスピードで回転させられ、加圧ローラ1
8も加熱ローラ14に従動して矢印方向に回転させられ
るようになっている。また、離型剤供給ローラ40は加
熱ローラ14に対し1Kgfの荷重で圧接させられてお
り、加熱ローラ14との間には幅が約2mmのニップ部
Nが形成される。離型剤供給ローラ40のゴム状弾性体
42は、このニップ部Nで圧縮される。この時受ける圧
力により、その内部に含浸しているシリコーンオイル
は、多孔質フィルム43の薄膜層を透過してその表面に
浸出する。浸出したシリコーンオイルは、離型剤供給ロ
ーラ40の回転により加熱ローラ14の全表面に塗布さ
れる。
【0025】次に、常温における粘度が500,000
csの高粘度シリコーンオイルと、常温における粘度が
300csの低粘度シリコーンオイルとを下記表1に示
す割合で混合して得た混合離型剤を用意し、この混合離
型剤をゴム状弾性体42に約20g含浸させて、剥離性
およびオフセット防止性能の良否、そしてシリコーンオ
イルが滴下するか否かを調べた。
【0026】まず、未定着トナー像Tを有する記録シー
ト8を移送して加熱ローラ14と加圧ローラ18との間
に挿通し、トナー像を定着した。この定着においては、
加熱ローラ14から与えられる熱でトナーが溶融し、溶
融したトナーは記録シート8の繊維内に染み込む。その
後、記録シート8が冷却されることによりトナー像が記
録シート8に定着する。この場合において、加熱ローラ
14にトナーが移るオフセットが発生した場合にはN
G、発生しなかった場合にはGoodとした。また、記
録シート8を加熱ローラ14および加圧ローラ18の間
に挿通した際に、記録シート8が加熱ローラ14に付着
することなく送り出された場合をGood、記録シート
8が加熱ローラ14に付着して加熱ローラ18に巻き付
くなど、記録シート8の搬送が不可能となったような場
合をNGとして表1に記載した。
【0027】
【表1】
【0028】表1から判るように、高粘度(500,0
00cs)のシリコーンオイル80〜20重量部と、低
粘度(300cs)のシリコーンオイル20〜80重量
部とからなる混合離型剤をゴム状弾性体42に含浸させ
た実施例の離型剤塗布装置においては、剥離性が良好で
加熱ローラ14へのオフセットおよび離型剤供給ローラ
40からの離型剤の滴下は見られなかった。一方、本発
明の範囲よりも高粘度シリコーンオイルの割合が多い比
較例(90/10)では、離型剤の滴下は見られなかっ
たものの、離型剤の塗布量が少なく(1mg)、記録シ
ート8が加熱ローラ14に付着して搬送不能となった。
また、加熱ローラ14に付着した記録シート8を強制的
に剥離したところ、加熱ローラ14に記録シート8から
分離したトナーが付着していた。また、本発明の範囲よ
りも低粘度シリコーンオイルの割合が多い比較例(10
/90)では、剥離性が良好でオフセットも生じなかっ
たが、離型剤供給ローラ40からシリコーンオイルが滴
下した。
【0029】次に、粘度の異なる複数のシリコーンオイ
ルを高粘度離型剤および低粘度離型剤として準備し、高
粘度離型剤/低粘度離型剤が60/40の割合となるよ
うに混合した混合離型剤を用いて上記と同様の試験を行
った。その結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2から判るように、オイル1(低粘度離
型剤)の粘度が5,000sc未満、オイル2(高粘度
離型剤)の粘度が1,000,000cs以下の混合離
型剤をゴム状弾性体42に含浸させた実施例の離型剤塗
布装置においては、剥離性が良好で加熱ローラ14への
オフセットおよび離型剤供給ローラ40からの離型剤の
滴下は見られなかった。一方、低粘度離型剤の粘度が本
発明の範囲を上回る比較例(5000cs以上)では、
離型剤の滴下は見られなかったものの、記録シート8が
加熱ローラ14に付着して搬送不能となった。また、加
熱ローラ14に付着した記録シート8を強制的に剥離し
たところ、加熱ローラ14に記録シート8から分離した
トナーが付着していた。また、高粘度離型剤の粘度が本
発明の範囲を逸脱する比較例では、剥離性が良好でオフ
セットも生じなかったが、離型剤供給ローラ40からシ
リコーンオイルが滴下した。
【0032】上記実験結果が示すように、上記構成の離
型剤塗布装置においては、本発明の粘度範囲を満足する
高粘度シリコーンオイルおよび低粘度シリコーンオイル
をそれぞれ20〜80重量部の範囲で混合して混合離型
剤として使用するから、加熱ローラ14と離型剤供給ロ
ーラ40とのニップ部Nにおいては、離型剤が低粘度離
型剤並みに離型剤供給ローラ40の表面に浸出するの
で、所望の量の離型剤を加熱ローラ14の表面に塗布す
ることができる。一方、離型剤供給ローラ40のニップ
部N以外の部分では、加熱ローラ14による変形を受け
ないために高粘度離型剤並みに流れ難く、したがって、
離型剤の滴下が発生しない。このように、本実施例の離
型剤塗布装置では、上記のような簡単な構成で剥離性を
向上させるとともに、オフセットの発生および離型剤の
滴下を防止することができる。
【0033】さらに、上記構成の離型剤塗布装置では、
高粘度離型剤と低粘度離型剤との混合比、あるいはそれ
ぞれの粘度を適宜変更することにより、離型剤供給ロー
ラ40の表面に浸出する離型剤の量を調整することがで
きる。これにより、コピースピード、加熱ローラ14の
離型層13の材質、加熱ローラ14の使用温度等、種々
の条件に柔軟に対応することができる。
【0034】B.第2実施例 本実施例の離型剤塗布装置は、図2に示すように、離型
剤供給ローラ40と加熱ローラとの間に離型剤搬送ロー
ラ50を介装した点において前記第1実施例と異なって
いる。そこで、以下の説明においては、前記第1実施例
と同等の構成要素には同符号を付しその説明を省略す
る。
【0035】離型剤搬送ローラ50は、芯金51の外周
部にシリコーンゴムからなるゴム状弾性体52を形成し
て外径を15mmとしたものである。この離型剤搬送ロ
ーラ50は、離型剤供給ローラ40と加熱ローラ14と
に所定の圧力で接触させられており、それぞれに対して
幅約2mmのニップ部Nが形成されている。
【0036】離型剤供給ローラ40には、常温での粘度
が300csであるシリコーンオイルと、常温での粘度
が500,000csであるアミン変成シリコーンオイ
ルとからなる混合離型剤20gを含浸している。アミン
変性シリコーンオイルは、耐熱性に劣るため、一般に加
熱ローラ14の熱で劣化してゲル化する欠点を有するこ
とが知られている。
【0037】上記構成の離型剤塗布装置においては、離
型剤搬送ローラ50とのニップ部Nで離型剤供給ローラ
40のゴム状弾性体42が圧接されるため、内部に含浸
している混合離型剤が多孔質フィルム43を透過して表
面に浸出する。この浸出した混合離型剤は、離型剤搬送
ローラ50の表面から加熱ローラ14の表面に塗布され
る。なお、この実施例では、A4サイズの記録シート1
枚に対して、混合離型剤は約4mg供給されるようにな
っている。
【0038】上記構成の離型剤塗布装置においては、前
記第1実施例と同様に、剥離性を向上させることがで
き、オフセットの発生および離型剤の滴下を防止するこ
とができるのは勿論のこと、以下のような効果を奏す
る。すなわち、上記離型剤塗布装置では、離型剤供給ロ
ーラ40と加熱ローラ14との間に離型剤搬送ローラ5
0を介装しているので、加熱ローラ14表面の温度が約
160℃であるのに対して、離型剤搬送ローラ50の表
面温度が約130℃となり、離型剤供給ローラ40の表
面温度は100℃以下であった。このように、熱で劣化
し易いアミン変性シリコーンオイルを含有する混合離型
剤を含浸させている離型剤供給ローラ40が高温の加熱
ローラ14に接することがないので、離型剤供給ローラ
40に含浸させている混合離型剤のアミン変性シリコー
ンオイルが熱により劣化することがない。
【0039】上記のようにアミン変性シリコーンオイル
を使用することができることにより、次のような利点が
ある。すなわち、本実施例においても加熱ローラ13の
離型層13は、肉厚0.3mm、ゴム硬度70゜のフッ
素ゴムで構成されている。ところが、このように硬度の
高いフッ素ゴムに通常のシリコーンオイルを供給する
と、フッ素ゴムの表面にシリコーンオイルが均一に保持
されず、定着を行った際にシリコーンオイルが不十分な
箇所でオフセットが生じてしまうのである。一方、アミ
ン変性シリコーンオイルでは、フッ素ゴムの表面に均一
に保持されるため、そのような不都合が生じることがな
い。
【0040】C.変更例 本発明は前記実施例に限定されるものではなく種々の変
更が可能である。たとえば、前記各実施例では粘度が互
いに異なる2種類のシリコーンオイル(またはアミン変
性シリコーンオイル)を用いているが、粘度がそれぞれ
異なる3種類以上のシリコーンオイルを使用することも
できる。また、離型剤としてシリコーンオイルを使用し
ているが、シリコーンオイルと他の離型剤とを併用した
り、あるいは、シリコーンオイル以外の離型剤のみを使
用することもできる。
【0041】また、前記第1実施例においては、離型剤
供給ローラ40を加熱ローラ14に圧接しているが、離
型剤供給ローラ40を加圧ローラ18に圧接し、離型剤
を加圧ローラ18を介して加熱ローラ14に塗布するよ
うに構成することもできる。また、離型剤供給ローラ4
0を加熱ローラ14及び加圧ローラ18の両方にそれぞ
れ圧接する構造を採用しても良い。さらに、第2実施例
もそのように構成することができる。加えて、第2実施
例ではアミン変性シリコーンオイルを使用しているが、
これに代えて通常のシリコーンオイルを使用することも
できる。
【0042】前記各実施例において、離型剤供給ローラ
40に離型剤を補充する機構を設けることができる。例
えば図4に示す離型剤タンク31を離型剤供給ローラ4
0の下方に配置し、離型剤タンク31に浸したフェルト
等の浸透部材を離型剤供給ローラ40に接触させる。浸
透部材はフェルトや不織布などの布に限らず、例えば極
細のパイプを束ねて毛管現象で離型剤を吸い上げるよう
にしたものであっても良い。また、前記実施例は、本発
明を加熱ローラ14のひずみを用いて記録シート8を剥
離する方式に適用したものであるが、加熱ローラ14の
ひずみと図3に示す剥離爪9とを併用した装置、あるい
は、剥離爪9のみによる装置にも適用は可能である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明の離型剤塗布
装置によれば、簡単な構成で記録シートの剥離性を向上
させることができ、しかも、オフセットの発生と離型剤
の滴下を防止することができる。また、混合する離型剤
の粘度を適宜選定することにより、離型剤の塗布量の制
御を精密かつ簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の離型剤塗布装置を示す
概略断面図である。
【図2】 本発明の第2実施例の離型剤塗布装置を示す
概略断面図である。
【図3】 従来の離型剤塗布装置の概略断面図である。
【図4】 従来の離型剤塗布装置の他の例を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
8…記録シート、14…加熱ローラ、18…加圧ロー
ラ、40…離型剤供給ローラ、50…離型剤搬送ロー
ラ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱ローラ型定着装置に設けられた加熱ロ
    ーラおよび圧力ローラの少なくともいずれか一方に離型
    剤を供給する離型剤塗布装置であって、常温における粘
    度が100cs以上5,000cs未満の低粘度離型剤
    20〜80重量部と、常温における粘度が5,000c
    s以上1,000,000cs以下の高粘度離型剤80
    〜20重量部とを含有する混合離型剤を含浸した離型剤
    供給ローラを具備したことを特徴とする離型剤塗布装
    置。
  2. 【請求項2】 前記離型剤塗布装置は、加熱ローラまた
    は圧力ローラに接するよう配置されている離型剤搬送ロ
    ーラと、この離型剤搬送ローラに圧接するよう配置され
    ている離型剤供給ローラとから構成されており、上記離
    型剤供給ローラが前記高粘度離型剤としてアミン変性シ
    リコーンオイルを含浸していることを特徴とする請求項
    1に記載の離型剤塗布装置。
JP25253294A 1994-10-18 1994-10-18 離型剤塗布装置 Pending JPH08123235A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6091923A (en) * 1998-07-22 2000-07-18 Fuji Xerox Cop., Ltd. Fixing device with wax and release agents
US7131124B2 (en) 2000-12-07 2006-10-31 Ricoh Company, Ltd. System and apparatus for and method of downloading a program, image formation apparatus, and computer product

Cited By (3)

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US7131124B2 (en) 2000-12-07 2006-10-31 Ricoh Company, Ltd. System and apparatus for and method of downloading a program, image formation apparatus, and computer product
US8020159B2 (en) 2000-12-07 2011-09-13 Ricoh Company, Ltd. System and apparatus for and method of downloading a program, image formation apparatus, and computer product

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