JPH08121361A - スクリュウロータ及びスクリュウ式圧縮機並びにその製法 - Google Patents
スクリュウロータ及びスクリュウ式圧縮機並びにその製法Info
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- JPH08121361A JPH08121361A JP6266537A JP26653794A JPH08121361A JP H08121361 A JPH08121361 A JP H08121361A JP 6266537 A JP6266537 A JP 6266537A JP 26653794 A JP26653794 A JP 26653794A JP H08121361 A JPH08121361 A JP H08121361A
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Abstract
トとしてMoS2、Sb2O3、Cを用いた固体潤滑材
を、高温加熱処理することにより、耐熱性と、耐摩耗性
に優れたコーティング被膜を得た。ドライ圧縮機のオス
ロータ1及びメスロータ2の表面に上記固体潤滑材から
なるコーティング被膜10を被覆する。また、一方のロ
ータにコーティング被膜10を被覆し、他方に高硬度層
12を設けると両ロータの接触部において、コーティン
グ被膜10は高硬度層12により研削仕上げされる。 【効果】運転中の実条件に合わせたロータ間の隙間が得
られ、かつ極小隙間によりロータが焼付く心配が無い。
従って圧縮機の高性能化とメンテナンスフリー化が可能
となる。
Description
真空ポンプなどに使用されるスクリュウ式回転機械およ
びこの回転機械のロータ表面処理方法に係り、とくにメ
ンテナンスフリー、高性能を可能とし、かつドライ方式
に好適なスクリュウ式圧縮機およびこの圧縮機に用いる
ロータの表面処理方法に関する。
おいては、摩擦摩耗現象が発生する。従って摺動面に、
何らかの潤滑剤を介在させる対応策が通常なされてい
る。◆この潤滑材を大別すると油、水などの液体潤滑材
と、四フッ化エチレン樹脂(以下PTFEと称する),
2硫化モリブデン(以下MoS2と称する),グラファ
イト(以下Cと称する)などの固体潤滑材(以下コーテ
ィング材と称する)があげられる。
が油の飛散などによる製品の汚染、環境に与える影響な
ど、近年無視できない問題点も露呈されつつある。◆後
者については、比較的歴史も新しく、種々の技術的難点
も存在するが、そのクリーン性が歓迎され、近年特にド
ライな固体潤滑方式への適用が進められている。
本願発明に係るスクリュウ式圧縮機を採りあげ以下に説
明する。◆スクリュウ式流体機械においては、ケーシン
グ内でオスロータとメスロータとが互いに噛み合いなが
ら回転して、ケーシングと両ロータとによって形成され
る空間を軸方向に移動しつつ縮小して上記空間内の流体
を圧縮している。
摺動部分の潤滑方式として、流体とともに油をケーシン
グ内に供給して両ロータ間およびこの両ロータとケーシ
ングとの間を油冷するいわゆる油冷式と、ケーシング内
に油を供給しないいわゆるドライ方式とがある。
メスロータとが油膜を介して接触しているので、オスロ
ータが駆動ギヤを介して接続するモータによって回転し
たとき、オスロータの回転によってメスロータも回転す
る。そのため、メスロータには回転駆動機構を設置する
必要がなく構成を簡単にすることができる。
する摩擦熱を油で冷却することができるので、両ロータ
が焼付くのを防ぐことができる。◆その反面、油冷式は
流体が油滴,油の蒸気によって汚染されるので、食品産
業,ハイテク産業などのクリーンな流体を必要とする分
野に適用することができないという問題がある。
入しないため、クリーン流体となる特長を有する。◆そ
の反面ドライ式は両ロータを非接触にした状態で回転さ
せるため、両ロータが同期して回転できず、両ロータの
軸端部に同期歯車を設置する必要があり、油冷式に比較
して構造が複雑となる。◆また両ロータが非接触である
ため、流体の漏洩が発生しやすく圧縮効率が低下すると
いう問題がある。
長所,短所を有しているが、ドライ方式は流体漏洩を極
限的に少なくすることにより、メリットの大きい方式と
なる。
吐出側において300〜350℃もの高温にさらされ
る。また、運転停止の際、ロータ周囲の高温空気の温度
が低下する為、空気中の水分が凝縮しロータ表面に付着
し、これがロータ材の腐食を促進するなどの問題があ
る。
には良好な潤滑性の他に、更に耐熱性と耐食性が要求さ
れる。従来のコーティング材は、潤滑性は良好である
が、高温(たとえば250〜350℃)下で使用される
ことを前提としている場合は少なく、従って耐熱性、耐
食性の良好なものについての開発は必ずしも十分とは言
えなかった。その理由はスクリュウ式圧縮機のような使
用条件の対象が殆んど無かったことが原因と思われる。
イル式のものが殆んどであり、これについてはオイルが
潤滑材であるから、コーティング材使用の必要性は皆無
であった。ところが、近年、食品、製薬及び半導体製造
などのハイテク産業が特にクリーンな圧縮空気を必要と
するようになった為、ドライ式のスクリュウ式圧縮機の
需要が急速に増大しており、この傾向は今後とも続く情
勢にある。
機において、その体積効率などの性能を向上させるため
には、オスロータとメスロータ間の隙間および各ロータ
とケーシング間の隙間をできるだけ少なくする必要があ
る。◆しかし、これらの隙間を小さくする為には、オス
・メス両ロータ及びケーシングについて研削などの機械
加工精度を極端に上げる必要がある。また加工精度を上
げて隙間を極限に近く小さくした場合、ロータの熱歪、
タイミングギアのバックラッシュおよびロータ軸受など
の隙間に起因するオス・メスロータ同士の接触、若しく
はロータとケーシングの接触などに起因する焼着、破損
などの故障が発生する。
小化する目的で各種の提案がなされている。例えば、
歯形形状の最適化、ロータ表面に合成樹脂を被覆し共
ずりにより不要なコーティング膜を初期のなじみ運転で
除去して隙間を小さくする。
号公報や特開昭61−197794号公報には、ロータ
の表面にPTFEなどを塗布することが開示されてい
る。◆また、特開平2−201072号公報には、オス
ロータとメスメータの表面に対して、バインダーとして
高分子プラスチックを主体に用い、MoS2等を混合し
た非金属物質を被覆し、その皮膜厚さを0.1〜2mmに
形成するものが開示されている。
例においては、オス・メス両ロータを接触させると、P
TFE被膜は溶着、剥離又は摩耗などが発生しやすく故
障原因につながり易い。
が、従来の配合組成では高温下で長期的には徐々に酸化
し、その潤滑性は漸減してしまう傾向がある。また、そ
の被膜厚さが0.1〜2mmもあるため例えば前記の共ず
り現象を起こさせるために、オスロータとメスロータを
接触させるにはコーティング層は厚すぎ、皮膜は剥離し
やすい。また皮膜が厚いため隙間の増加に伴い性能が低
下すると共に吐出空気温度の過度な上昇を招き易いとい
う問題がある。
来より用いられているMoS2の酸化温度は400℃以
上といわれている。しかしながら、この温度は酸化が加
速促進される温度と考えられており、表1(固体潤滑ハ
ンドブック、93頁、幸書房)に示すように300℃以
下の温度でも、速度は遅いものの酸化は起こることを示
しており、温度条件の厳しいロータ表面に被覆したMo
S2にとって非常に厳しい条件となっている。
ティング層内のMoS2が三酸化モリブデン(MoO3)
に変質し、硫黄分は酸化してガス化し腐食の原因となる
と考えられる。これと共に、MoO3はバインダーとの
結合力が弱くなって脱落し、膜厚の減少、剥離が発生
し、コーティング本来の目的を発揮できなくなるものと
考えられる。
ースクリュウ式圧縮機の運転中のロータ表面の温度は、
ロータの吸入側で50〜100℃、中間部で120〜1
50℃、吐出側で220〜300℃程度である。さらに
吐出温度保護リレーが作動する寸前においては最高32
0〜350℃程度まで上昇すると考えられる。◆したが
ってスクリュウ式圧縮機では耐熱性の向上と共にMoS
2の酸化を防止することがコーティング技術の最も重要
な課題である。
や耐久性を失わない耐熱性良好なコーティング材を被覆
したスクリュウロータおよびそのスクリュウロータを適
用した信頼性の高いスクリュウ式圧縮機並びにスクリュ
ウロータの製法を提供することにある。
ータに関しては、以下の手段を備えることにより達成さ
れる。
成してなるスクリュウロータにおいて、スクリュウロー
タはその表面に三酸化アンチモン(以下Sb2O3と称す
る)を分散させた固体潤滑材被膜を備える。
成してなるスクリュウロータにおいて、スクリュウロー
タはバインダーをポリアミドイミド樹脂(以下PAIと
称する)とし、ピグメントとしてMoS2、Sb2O3及
びCを分散させた固体潤滑材被膜を備える。
成してなるスクリュウロータにおいて、スクリュウロー
タは表面にPAIからなる層を備え、その層の上にSb
2O3を分散させた固体潤滑材被膜を備える。
成してなるスクリュウロータにおいて、スクリュウロー
タは表面にPAIからなる層を備え、その層の上にバイ
ンダーをPAIとし、ピグメントとしてMoS2、Sb2
O3及びCを分散させた固体潤滑材被膜を備える。
Sb2O3は粒子として固体潤滑材被膜に備える。
Sb2O3、MoS2及びCは粒子として固体潤滑材被膜
に備える。
固体潤滑材被膜は、PAIが12乃至18重量部、Mo
S2が5乃至7重量部、Sb2O3が3乃至5重量部、C
が0.7乃至0.9重量部の範囲から選択した配合から
なる。
しては、以下の手段を備えることにより達成される。
ロータとメスロータを少なくとも一対備えるスクリュウ
式圧縮機において、ロータの両方若しくはいずれか一方
に、上記(1)乃至(7)のいずれかのスクリュウロー
タを備える。
ロータとメスロータを少なくとも一対備えるスクリュウ
式圧縮機において、ロータのいずれか一方に上記(1)
乃至(7)のいずれかのスクリュウロータを備え、他方
のロータの表面にニッケル−リンめっき被膜を備える。
スロータとメスロータを少なくとも一対備えるスクリュ
ウ式圧縮機において、ロータのいずれか一方に上記
(1)乃至(7)のいずれかのスクリュウロータを備
え、他方のロータの表面に被膜内にPTFEを分散させ
たニッケル−リンめっき被膜を備える (11)ケーシング内に互いに噛み合うオスロータとメ
スロータを少なくとも一対備えるスクリュウ式圧縮機に
おいて、ケーシングのオスロータとメスロータが相対す
る表面にSb2O3を分散させた固体潤滑材被膜を備え
る。
スロータとメスロータを少なくとも一対備えるスクリュ
ウ式圧縮機において、ケーシングのオスロータとメスロ
ータが相対する表面にバインダーをPAIとし、ピグメ
ントとしてMoS2、Sb2O3及びCを分散させた固体
潤滑材被膜を備える。
材被膜は、PAIが12乃至18重量部、MoS2が5
乃至7重量部、Sb2O3が3乃至5重量部、Cが0.7
乃至0.9重量部の範囲から選択した配合からなる。
法に関しては、以下の手段を備えることにより達成され
る。
形成してなるスクリュウロータの製法において、螺旋状
の歯形を形成したスクリュウロータの表面に、Sb2O3
を分散させた固体潤滑材を塗布し、加熱することにより
固体潤滑材被膜を形成する。
形成してなるスクリュウロータの製法において、螺旋状
の歯形を形成したスクリュウロータの表面に、バインダ
ーをPAIとし、ピグメントとしてMoS2、Sb2O3
及びCを分散させた固体潤滑材を塗布し、加熱すること
により固体潤滑材被膜を形成する。
形成してなるスクリュウロータの製法において、螺旋状
の歯形を形成したスクリュウロータの表面に、PAIを
塗布した後、その表面にSb2O3を分散させた固体潤滑
材を塗布し、加熱することにより固体潤滑材被膜を形成
する。
形成してなるスクリュウロータの製法において、螺旋状
の歯形を形成したスクリュウロータの表面に、PAIを
塗布し、加熱した後、その表面にバインダーをPAIと
し、ピグメントにMoS2、Sb2O3及びCを分散させ
た固体潤滑材を塗布し、加熱することにより固体潤滑材
被膜を形成する。
を添加すると、コーティング被膜中のMoS2,Cなど
の潤滑性粒子の酸化を防ぐ作用をする。すなわち被膜中
にSb2O3が存在することにより、被膜内に侵入してき
た空気中の酸素を選択的に捕捉し、Sb2O3自身が先に
酸化することにより、MoS2やCの酸化を防止する。
従ってコーティング材の潤滑性は長期間維持される。
ではないが若干の潤滑性をもっており、また展伸性も良
いので、Sb2O3の存在自体もコーティング材皮膜の潤
滑性維持に寄与する。◆バインダーとして、耐熱性の高
いPAIを用い、その割合を12ないし18%とするこ
とによって、空気中の酸素や水分、及び停止時の凝縮水
がコーティング膜中に侵入することを阻止する。従っ
て、ロータ表面の腐食を防止すると共にピグメント中の
MoS2およびCを効果的に被覆することにより、その
酸化、劣化を防いで潤滑性を長期間維持する。
が、イミド基を含むため熱硬化性の機能も併せ持つ樹脂
である。したがって、塗布後の焼き付き温度と時間を適
宜選択することにより、アミド酸がイミド環に変化する
ため熱硬化特性が顕著になり熱変形温度が上昇し、塗膜
の耐熱性が向上する。また、PAIは溶剤により容易に
液状化するため、塗布に際して潤滑剤粒子及び添加粒子
との混合分散が確実に行える。なお溶剤は、ジメチルア
セトアミドなどを用いると良い。
ちらか一方のロータの表面にPAIを粘結剤としたMo
S2,Sb2O3及びCを潤滑粒子としたコーティング材
(以下コーティング材 No.5 と称する)を塗布した表
面層を形成し、他方のロータを金属で形成するか、若し
くは両ロータの表面をコーティング材 No.5 で被覆す
る。上記いずれの場合においても、両ロータはタイミン
グギヤで同期回転させる構造とするか、前記に加えロー
タの歯形そのものに転がり接触点の存在しない歯形を使
用することにより、コーティング膜としてのコーティン
グ材の相互すり合わせ(共ずり)によって、オス・メス
両ロータのクリアランスを可能な限りゼロに近づけ、圧
縮性能の飛躍的向上を図ることができる。具体的方法と
しては、オスロータにコーティング材 No.5 を塗布し
メスロータには、この種の潤滑コーティング膜を施さず
硬質表面のままとする。ここで硬質表面とは、金属ロー
タをコーティング膜なしか、或いは硬質金属メッキを施
した、いわゆる硬質表面を指す。
験(以下アムスラ試験と略す)によれば、MoS2など
を主成分とするコーティング膜同士の組合せでは、長時
間(例えば6時間)の試験において試験片に塗布したコ
ーティング膜はほとんど剥落する。◆しかしながら片方
のロータ、例えばオスロータの表面が硬質の場合、メス
ロータに塗布されたコーティング膜の被覆が摩耗し始め
る時間は、両ロータ表面がコーティング材で塗布されて
いる場合に比べて2倍もの長時間を要する。また摩耗開
始後においてもその減少率は徐々の変化をみせるのみな
らず摩耗し始めて部分的に剥げ落ちて金属素地がみられ
ても、すぐに剥落部にその近傍の健全部のコーティング
膜が徐々に移動してその欠陥部を埋める。
組合せによれば、コーティング膜が自己修復性を有する
という被膜の長寿命化に好適な現象が認められた。◆さ
らには自分修復が完了したあとのコーティング膜は、そ
の後の長時間試験に於いても摩耗減少は殆ど見られなく
なり今回の実験条件においては当初のコーティング膜の
約20〜30%の厚さはそのまま極めて長時間維持され
る。
ーティング被膜の検討結果について述べる。◆検討は表
2に示す耐熱性を向上できると思われる各種のコーティ
ング材について行った。
ィング材としてNo.1のMoS2を検討した。No.2のC
は、No.1のMoS2に対し耐熱性の向上を期待したもの
である。
(Sb2O3)とを混合したものであり、Sb2O3による
MoS2の酸化防止効果による耐熱性向上を期待したも
のである。No.4は、No.3の固形分を増量したもの、N
o.5はNo.4に更にCを添加し耐熱性の改良を図ったも
のである。なお、No.1からNo.5まではバインダとして
PAIを用いた。
コーティング材を窒化ほう素(BN)として400℃以
上の高温耐熱性を目的としたものである。◆No.7は2
層からなり、下層にPAIを約3μm、上層にNo.5を
配置したものである。◆以上7種類のコーティング材に
ついて耐熱性、耐食性等のスクリーニングテストを行っ
た。検討した各試料の被膜厚さは約20μmとした。表
3に、以下に示す結果をまとめて示す。表中の評価は、
▲印が実用上問題あり、△印が若干問題あり、○印が問
題なし、二重丸印が全く問題なしとした。
ス鋼(SUS420)を用い、サンドブラスト処理の後、所定
のコーティング材を約20μmの厚さに塗布して200
℃で1時間焼き付けたものを用いた。
判定した。◆上記のテストピースを、380℃で20時
間加熱した後、加熱のみによる被膜の剥離すなわちピー
リングの発生の有無を調べた。次にテストピース中央部
に粘着テープを貼付し1kgf/cm2で加圧した後、
ゆっくりテープをはがし、被膜の剥離状態を観察し耐熱
性を判定した。
耐熱性の優れたCが主成分であるにもかかわらず剥離程
度はNo.1より大でありピーリングも発生した。◆Mo
S2にSb2O3を加えたNo.3とNo.4は、No.1に比べて
程度の差はあるものの、剥離の度合いが小さかった。ま
た、No.5とNo.7は剥離がほとんどなく良好であり、N
o.6は剥離が全くなく最も良好であった。
を、360℃で20時間加熱後、温度60℃、湿度90
%RHの恒温恒湿槽中に100時間保持の後表面の発銹
状況を観察した。◆その結果、No.2には全く腐食が見
られず、MoS2+Sb2O3を基本にしたNo.3、No.
4、No.5はMoS2のみのNo.1に比べて、同等もしく
はやや良好であった。しかし、No.6は他のものに比べ
銹の発生が多く認められた。
℃で20時間加熱し、その後上述の湿潤試験(60℃×
90%RH×100時間)を行った後、回転円盤に球形
ボールを押し付けるピンオンディスク試験により、摩擦
係数が0.3になるまでの総回転数を試料No.1の値を
基準に相対回転数比により比較し潤滑耐久性を評価し
た。試験結果を図2に示す。
滑耐久性は良くない。◆これに対し、No.4、No.3、N
o.7、No.2、No.5の順に潤滑性が向上している。特に
No.5はNo.1の約9倍の結果となり耐久性の高いことが
判明した。
なように、それぞれに一長一短があるが、No.1と比較
して、耐食性や潤滑性を低下させること無く、耐熱性を
大幅向上させるという観点からは、PAIをバインダー
としMoS2を主成分としてこれにSb2O3、Cを加え
たNo.5が最も良好であることが判明した。
を検討した。◆コーティング材は、溶剤と、バインダー
としての樹脂、および潤滑材粉末(以下ピグメントと称
する)より成る。◆溶剤の量は、使用条件によって適宜
設定するが、乾燥時に蒸発するため乾燥後のコーテング
膜中には通常溶剤は存在しないため、一定値(75重量
部)とし、またバインダーも15重量部とし、ピグメン
トについて以下の配合の検討を行うことした。配合の割
合は表4に示す。
ドライ下での潤滑作用は、このMoS2の存在が大き
い。しかし、前述したように、高温下においては空気中
の酸素との間に酸化が促進され、2MoS2+3O2→2
MoO3+2S2(ガス)の反応が進行し、その結果生成
されたMoO3は、剥離しやすい。また、かりに皮膜内
に残留したとしても、潤滑性が低いため固体潤滑材の機
能を全体として低下させる。
のように、Sb2O3とCを一定としMoS2の割合を変
え、また配合6乃至配合10のように、MoS2とCを
一定としSb2O3の割合を変えて検討を行った。
防止効果は、Sb2O3の増加につれて向上するが、Mo
S2に比べてSb2O3の比率が大きすぎると、潤滑性が
低下してしまうことがわかった。その理由は相対的にバ
インダーとしてのPAIの量が不足するためと考えられ
る。◆従って、適正なMoS2/Sb2O3の比は1.2
〜2.0であり、さらに1.5が最適値であることが判
明した。
定とし、バインダーとしてのPAIの割合を5乃至30
重量部の範囲内で変えて検討した。その結果、耐熱性、
潤滑性および耐摩耗性のいずれもPAIの割合によって
影響を受けることが判明し、耐熱性はPAIの割合が多
い方が良好である傾向が明らかとなった。
近にピークが認められ、また、耐摩耗性は、ピークがや
や高い方に移り、約16重量部付近であり、総合的には
PAIの配合は12乃至18重量部の範囲が適正である
ことが判明した。
4の配合11乃至配合15に示すように他の因子を固定
し、Cのみ0.6乃至1.0重量部の範囲で変化させ
た。この結果、Cは0.7〜0.9重量部の範囲が良好で
あり、0.8重量部が最適値であることがわかった。◆
以上の検討結果から、コーティング材の構成は表5に示
す割合が良好であることが明らかとなった。
いて検討した。上述した検討には200℃で1時間焼き
付け処理した試料を用いたが、温度のみを200乃至4
40℃の間で20℃ごとに変えた試料を用い、ピンオン
ディスク試験により潤滑性、耐摩耗性の評価を行った。
検討した試料は表5の配合割合のものであり、表2のN
o.5のものを用いた。なお溶剤は、ジメチルアセトアミ
ドなどを用いると良い。
料の摩擦係数が0.3になるまでの回転数を、表2に示
す従来品No.1の値を基準として求めたNo.5の相対回転
数比を示す。図に明らかなように従来品の結果に対し、
200℃において、すでに寿命が約10倍ある結果が示
されているが、焼き付け温度の上昇に従って徐々に寿命
が延び320℃を越えると急激に寿命が増加し、360
℃から440℃の範囲では従来のものに比べ60乃至8
0倍の寿命増加を示した。また、焼き付け処理後に60
℃×90%R/H×100時間の湿潤条件下においた試料
のピンオンディスク試験結果でもほぼ同様の潤滑性の向
上がみられた。
る。◆耐摩耗性の評価は、アムスラ試験機を用いて行っ
た。試験は40mm径で長さ10mmのリング状試料2
ケを10kgfで押し付け、190rpmで、相対滑り
を10%発生させて摺動する方法により行う。試料の内
の一方はステンレス鋼SUS420材を用いた。
き付け温度とアムスラ試験による摩耗粉が発生し始める
までの時間の関係を求めた。図4にその結果を示す。図
から明らかなように205℃以下では、従来のコーティ
ング膜No.1の方が良好な結果となった。しかしこの温
度を境として高温側ではNo.5が良好な耐摩耗性を示す
ようになり、300℃で焼き付けたものでは摩耗粉の発
生し始める時間はNo.1の約180倍となった。また温
度が上昇すると摩耗粉発生までの時間が短くなるNo.1
に対してNo.5は加熱温度の上昇とともに摩耗粉発生ま
での時間が長くなり、さきに述べた潤滑性能試験の結果
と合わせ、従来の有機系バインダーとMoS2を用いた
固体潤滑剤に比べ高温特性が格段に向上した。
なった耐熱性が最も良好だった上記No.5のコーティン
グ材を実際の装置に適用した。◆本発明の一実施例を図
5により説明する。図5は、本実施例に関するスクリュ
ウ式圧縮機の構造を示す断面図である。オスロータ1
は、一方の軸端に配設したピニオンギヤ3で駆動され、
他方の軸端に配設されたタイミングギヤ4でメスロータ
2を同期回転させる。オス・メスロータ間には冷却用の
油は噴射されず、ロータの噛み合いによって吸入口Aか
ら吸入された空気は、高圧、高温となって吐出口Bから
吐出される。オスロータとメスロータは、ステンレス鋼
(SUS420)を用いた。
れ、ケーシング6内で回転する。軸受と各ロータ歯部の
間には軸封部8が配設され、軸受5を浸した油が、圧縮
室C内へ侵入するのを防止している。◆図6は、オスロ
ータとメスロータの噛み合わせ状態を示す図5のK−K
部分の断面図、図7はオスロータとメスロータへの被膜
の被覆状態を説明する概略断面図である。オスロータと
メスロータは、互いに接触する摺動面に上記No.5のコ
ーティング材を被覆し250℃で1.5hr焼き付け処
理を施し、20μmの被膜を形成した。被膜の具体的配
合は、溶剤75:重量部、バインダー:15重量部、M
oS2:6重量部、Sb2O3:4重量部、C:0.8重
量部とした。
の端面部にも被覆した。◆圧縮機の運転条件は、回転数
24000rpm、吐出圧力7kgf/cm2とし、起
動後5分間運転して停止し、再起動する行程を3000
0回繰り返した後、被膜を目視及び顕微鏡観察した。ま
ず、目視観察では互いのロータの接触部分はコーティン
グ膜が薄く削りとられた痕跡が認められるが、膜の変色
はなく、前述した粘着テープによる剥離試験でも剥離は
生じなかった。
(ピグメントの主成分はMoS2)の表面は、高温とな
る吐出側に変色部が発生していた。◆次に、ロータを切
断しコーティング膜の断面観察を行なった。コーティン
グ膜の断面は、図8に示すようにバインダーであるPA
I51の中に粒状のピグメントが分散配置しており、X
線分析の結果、それらはMoS2粒子52、Sb2O3粒
子53及びC粒子54であることが分かった。比較に行
った従来のコーティング膜No.1(ピグメントはMoS2
のみ)を観察した結果では、Moは残留しているが顕在
化しておらず、Sが大幅に減少しMoは酸化が進行した
MoO3の形で、且つ形状も不明確な状態で残っている
ことが判明した。このMoO3は、潤滑性がなく摺動部
のコーティング膜としては不十分な状態に変質している
ことが判明した。
由は、Sb2O3が膜中に侵入した酸素と選択的に反応し
MoS2の酸化を防いでいると考えられる。◆以上の結
果から、PAIをバインダーとし、ピグメントとしてM
oS2、Sb2O3及びCの粒子を混合したコーティング
膜は、熱による変色が無く膜の性状も大きく変化してお
らずスクリュウ式圧縮機のロータの耐熱性潤滑被膜とし
て好適であることが判明した。
る。◆図9は、本実施例のロータの部分断面を示す概略
断面図である。◆オスロータ1は炭素鋼で製作し、その
表面に上記のNo.5のコーティング材によりMoS2:7
重量部、Sb2O3:5重量部、C:0.9重量部及びバ
インダーとしてのPAI:18重量部よりなるコーティ
ング膜10を設けた。被膜の焼き付け処理条件は300
℃×1hrで行った。一方、メスロータ2もオスロータ
と同種の素材で製作し、その表面に無電解Ni−Pメッ
キ被膜12を設けた。
っているため、表面部には相対すべりを生じる。これに
よってオスロータ1とメスロータ2の干渉する部分で
は、メスロータ2側のNi−Pメッキ被膜12が軟質層
であるオスロータ1のコーティング膜10を研削する。
すなわちメスロータ2表面上の高硬度層であるNi−P
メッキ被膜12によって、オスロータ1表面の軟質層が
研削され、オスロータ形状に相応したメスロータの表面
形状が創出される。研削された軟質層の粉末は、空気の
流れと共に機外へと排出される。
の温度分布を事前に想定し、ロータ歯形部の形状を室温
時の形状に置き換えて高精度に加工していたが、実際の
個々の圧縮機の各歯形部位置における膨張状態に相応し
て相手歯形が創出され、予め、運転状態に両ロータが干
渉する寸法、即ち研削代を残しておくことにより、極小
かつ最適のロータ間ギャップが確保できる。またメスロ
ータ2は、第5図に示すタイミングギヤ4によって駆動
されているためにオスロータ1の運転により、メスロー
タ2の歯形を回転創成仕上げを行った後には、接触は発
生しなくなり、それ以上メスロータ2の表面層を減肉さ
せることはなく、良好な接触状態を保持して運転させる
ことができる。◆なお本実施例では、メスロータに硬質
な表面被膜を設けたが、オスロータとメスロータの被膜
を換えても同様の結果が得られた。
より説明する。本実施例に用いたオスロータ1は、前記
実施例のものと同様のものを用いた。前述の実施例と
は、図9のメスロータ2の表面の無電解Ni−Pメッキ
被膜12中に、図10に示すようにPTFEの粒子9を
分散させた点が異なる。また、オスロータ及びメスロー
タを収納するケーシングを鋳鉄製とした。
たコーティング被膜No.5と接触し、コーティング被膜N
o.5の干渉部分を必要な部分だけ削り落す。また、鋳鉄
製のケーシングの内側との接触部において、ケーシング
内壁との干渉部分を削り取り、さらにPTFEが摺動面
に付着しロータとケーシングと摩擦係数を低減しかじり
や、焼付き等の現象の発生を防止する。なお本実施例に
おいても、前述の実施例同様メスロータに硬質な表面被
膜を設け、オスロータに上述のコーティング材No.5の
被膜を設けたが、オスロータとメスロータの被膜を換え
ても同様の結果が得られた。
る。◆本実施例のオスロータ1は、図11に示す断面構
造から明らかなようにその表面にPAIのみの層16を
形成し、その上に上述のコーティング材No.5の被膜を
設けた2層構造からなるコーティング膜を備えている。
メスロータ2は、その表面にNi−Pメッキ被膜12を
設けた。この組合せのスクリュウロータをスクリュウ式
圧縮機に組込んで長期連続運転した後に、その表面を観
察したところ上記実施例と同様にコーティング材No.5
の被膜は変色部も剥離部もなく良好であった。本実施例
によるとロータとコーティング材No.5の被膜は、コー
ティング材No.5のバインダPAIにより結合され、ロ
ータ側のPAIのみの層はピグメントが混合していない
ためロータとの接着強度が増すとともに、耐食性が増
す。
る。◆本実施例のスクリュウロータは、メスロータの表
面に上述のコーティング材No.5の被膜を設け、オスロ
ータの表面にNi−Pメッキ被膜を設けたものを用いて
いる。
創成仕上げをより円滑に行うために、歯形を図12に示
すようにオスロータ1の転がりピッチ円径dpmをオスロ
ータの歯底径dimより小さく、同時にメスロータ2の転
がりピッチ円径dpfをメスロータ2の歯先径dofより大き
く取る。これにより各々のロータのかみ合い回転時に、
転がり接触を行う歯形部分がなくなり、即ち相対すべり
速度が全ての部分に存在するため、オスロータ1表面に
設けた高硬度層がメスロータ表面へ接触した際、必ず相
手側のロータ表面が仕上げられる。
いて、圧縮効率を向上させるためにはロータ間のギャッ
プを小さくする必要があるが、実際の運転状態での熱膨
張状態の歯形を全ての断面で予測することは困難であり
ロータの接触を防止するために、ある程度の安全を見込
み、予測より大きめのギャップを設定しているが、本発
明によれば、接触により相手の歯形の干渉部を最終仕上
し、かつロータ間のかじり付きを起さぬため、圧縮機の
空気漏洩による損失を低減でき、信頼性を損なうことが
無い。
運転最高温度に少しづつ運転温度を上げながら接触部の
研削を徐々に行わせて行くのが良い。さらに、本実施例
のオスロータ及びメスロータのコーティング膜を逆にし
ても、またオスロータの表面に被膜を被覆しない場合に
も同様の結果が得られた。さらに、両ロータの表面に異
なる硬さのコーティング膜を塗布しても同様の結果が得
られた。
する。図13は、前述の図6に相当する両ロータの噛み
合わせ状況及びケーシングとの関係を示す概略断面図で
ある。
TFE10%入りの複合Ni−Pメッキ層を設けた。ま
たメスロータ2の表面にはMoS2:5重量部、Sb2O
3:3重量部、C:0.7重量部及びバインダとしての
PAI:12重量部よりなるコーティング膜12を約2
0μmの厚さに設けた。両ロータともに、夫々の被膜は
軸方向の端面部分にも被覆した。
ロータ2と相対する部分と両ロータの軸方向の端面と相
対する部分に上記メスロータ2の表面に施した被膜15
を約40μmの厚さに設けた。ケーシング3の被膜厚さ
がロータに比べて厚いのは、ロータは回転しているため
軸方向に直角な断面では温度分布がほぼ一様になるが、
ケーシングは回転せず吐出部付近が高温となり、吐出部
付近において不均一な膨張が生じるため、膨張による変
形を吸収するためである。
摺動面に形成してスクリュ圧縮機を連続運転した結果、
性能の大幅向上が実現でき、且つ従来の被膜に比べメン
テナンス期間を4倍まで延長させることができた。試験
後の内面を観察したところ、ロータ及びケーシングの各
摺動部分は共ずりの痕跡が認められ、それぞれの摺動部
分の隙間が圧縮空気の漏洩を最小限にすることができた
と考えられる。
被覆したがケーシング側のロータ端面との対応部に被膜
を被覆しているため、ロータ側の端面部分は除去しても
同様の効果が得られる。
ロータの被膜を逆に設けても同様の結果が得られた。
メスロータが一対のもについて説明したが、本発明はオ
スロータとメスロータが一対以上で構成されるスクリュ
ウ式圧縮機にも同様に適用できる。
ウ式圧縮機に用いるロータ及びケーシング表面に、ポリ
イミドアミド樹脂をバインダーとし、MoS2、Sb2O
3及びCをピグメントとしたコーティング材を塗布し、
高温度で焼き付けることにより、ロータの吐出側に生ず
る高温加熱化現象に対しても耐熱性があり、且つ耐摩耗
性の高いコーティング被膜を形成できる。
ータとケーシング間の隙間を極少化することにより圧縮
性能の大幅な向上ができるとともに、加工精度を高精度
にする必要がないため、加工工数の低減をすることがで
きる。
め、従来に比べメンテナンス期間を大幅に延長すること
ができる。
図である。
ある。
度と潤滑性との関係図である。
性との関係図である。
の断面図である。
ータとの噛み合い状態を示す概略断面図である。
す概略断面図である。
面図である。
状態を示す概略断面図である。
断面図である。
ロータとの噛み合い状態を示す概略断面図である。
タの噛み合わせ状況の説明図である。
ロータとの噛み合い状態を示す概略断面図である。
4…タイミングギヤ、5…軸受、6…ケーシング、8…
軸封部、10,12…コーティング被膜。
Claims (17)
- 【請求項1】軸方向の外表面に螺旋状の歯形を形成して
なるスクリュウロータにおいて、前記スクリュウロータ
はその表面に三酸化アンチモン(Sb2O3)を分散させ
た固体潤滑材被膜を備えてなることを特徴とするスクリ
ュウロータ。 - 【請求項2】軸方向の外表面に螺旋状の歯形を形成して
なるスクリュウロータにおいて、前記スクリュウロータ
はバインダーをポリアミドイミド樹脂(PAI)とし、
ピグメントとして二硫化モリブデン(MoS2)、Sb2
O3及びグラファイト(C)を分散させた固体潤滑材被
膜を備えてなることを特徴とするスクリュウロータ。 - 【請求項3】軸方向の外表面に螺旋状の歯形を形成して
なるスクリュウロータにおいて、前記スクリュウロータ
は表面にPAIからなる層を備え、その層の上にSb2
O3を分散させた固体潤滑材被膜を備えてなることを特
徴とするスクリュウロータ。 - 【請求項4】軸方向の外表面に螺旋状の歯形を形成して
なるスクリュウロータにおいて、前記スクリュウロータ
は表面にPAIからなる層を備え、その層の上にバイン
ダーをPAIとし、ピグメントとしてMoS2、Sb2O
3及びCを分散させた固体潤滑材被膜を備えてなること
を特徴とするスクリュウロータ。 - 【請求項5】請求項1または3において、前記Sb2O3
は粒子として前記固体潤滑材被膜に備えてなることを特
徴とするスクリュウロータ。 - 【請求項6】請求項2または4において、前記Sb
2O3、MoS2及びCは粒子として前記固体潤滑材被膜
に備えてなることを特徴とするスクリュウロータ。 - 【請求項7】請求項2または4において、前記固体潤滑
材被膜は、前記PAIが12乃至18重量部、MoS2
が5乃至7重量部、Sb2O3が3乃至5重量部、Cが
0.7乃至0.9重量部の範囲から選択した配合からな
ることを特徴とするスクリュウロータ。 - 【請求項8】ケーシング内に互いに噛み合うオスロータ
とメスロータを少なくとも一対備えるスクリュウ圧縮機
において、前記ロータの両方若しくはいずれか一方に、
請求項1乃至7のいずれかのスクリュウロータを備えて
なることを特徴とするスクリュウ式圧縮機。 - 【請求項9】ケーシング内に互いに噛み合うオスロータ
とメスロータを少なくとも一対備えるスクリュウ圧縮機
において、前記ロータのいずれか一方に請求項1乃至7
のいずれかのスクリュウロータを備え、他方のロータの
表面にニッケル−リンめっき被膜を備えてなることを特
徴とするスクリュウ式圧縮機。 - 【請求項10】ケーシング内に互いに噛み合うオスロー
タとメスロータを少なくとも一対備えるスクリュウ圧縮
機において、前記ロータのいずれか一方に請求項1乃至
7のいずれかのスクリュウロータを備え、他方のロータ
の表面に被膜内に四フッ化エチレン樹脂(PTFE)を
分散させたニッケル−リンめっき被膜を備えてなること
を特徴とするスクリュウ式圧縮機。 - 【請求項11】ケーシング内に互いに噛み合うオスロー
タとメスロータを少なくとも一対備えるスクリュウ圧縮
機において、前記ケーシングの前記オスロータとメスロ
ータが相対する表面にSb2O3を分散させた固体潤滑材
被膜を備えてなることを特徴とするスクリュウ式圧縮
機。 - 【請求項12】ケーシング内に互いに噛み合うオスロー
タとメスロータを少なくとも一対備えるスクリュウ圧縮
機において、前記ケーシングの前記オスロータとメスロ
ータが相対する表面にバインダーをPAIとし、ピグメ
ントとしてMoS2、Sb2O3及びCを分散させた固体
潤滑材被膜を備えてなることを特徴とするスクリュウ式
圧縮機。 - 【請求項13】請求項12において、前記固体潤滑材被
膜は、前記PAIが12乃至18重量部、MoS2が5
乃至7重量部、Sb2O3が3乃至5重量部、Cが0.7
乃至0.9重量部の範囲から選択した配合からなること
を特徴とするスクリュウ式圧縮機。 - 【請求項14】軸方向の外表面に螺旋状の歯形を形成し
てなるスクリュウロータの製法において、前記螺旋状の
歯形を形成したスクリュウロータの表面に、Sb2O3を
分散させた固体潤滑材を塗布し、加熱することにより固
体潤滑材被膜を形成してなることを特徴とするスクリュ
ウロータの製法。 - 【請求項15】軸方向の外表面に螺旋状の歯形を形成し
てなるスクリュウロータの製法において、前記螺旋状の
歯形を形成したスクリュウロータの表面に、バインダー
をPAIとし、ピグメントとしてMoS2、Sb2O3及
びCを分散させた固体潤滑材を塗布し、加熱することに
より固体潤滑材被膜を形成してなることを特徴とするス
クリュウロータの製法。 - 【請求項16】軸方向の外表面に螺旋状の歯形を形成し
てなるスクリュウロータの製法において、前記螺旋状の
歯形を形成したスクリュウロータの表面に、PAIを塗
布した後、その表面にSb2O3を分散させた固体潤滑材
を塗布し、加熱することにより固体潤滑材被膜を形成し
てなることを特徴とするスクリュウロータの製法。 - 【請求項17】軸方向の外表面に螺旋状の歯形を形成し
てなるスクリュウロータの製法において、前記螺旋状の
歯形を形成したスクリュウロータの表面に、PAIを塗
布し、加熱した後、その表面にバインダーをPAIと
し、ピグメントとしてMoS2、Sb2O3及びCを分散
させた固体潤滑材を塗布し、加熱することにより固体潤
滑材被膜を形成してなることを特徴とするスクリュウロ
ータの製法。
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