JPH0812115A - 給紙装置及び画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成やシーケンスを複雑化することなく、複
数の種類のシートに対して給紙性能を高く保つことので
きる給紙装置を提供する。 【構成】 記録用紙（シート）を収納するカセット２
を、ロック部３と用紙積載部４とから伸縮可能に構成す
る。そしてＯＨＰ用紙のような、普通紙よりも剛性が高
く、摩耗係数が低い用紙Ｐ２を給紙する場合には、カセ
ット長を縮めて、その収納用紙Ｐ２の、給紙ローラ１３
に対する給紙方向Ａにおける位置を、給紙方向下流側に
変更する。すると、給紙ローラ１３と分離爪６との間の
距離Ｌ１が拡大されて爪分離の負荷が下がり、また給紙
パス長Ｌ２が短縮されて、スリップによる給紙量の減少
分が補われる。これにより、剛性が高く、摩耗係数が低
いシートＰ２に対しても、普通紙の場合と同レベルの高
い給紙性能を保つことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シート収納部材内に積
載収納した複数のシートを、回転給送体と分離爪とによ
り、１枚ずつ分離して給紙する給紙装置、およびそれを
備えた複写機、プリンタ等の画像形成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】複写機、プリンタ等の画像形成装置の画
像形成部へ記録用紙（シート）を自動給紙するための給
紙装置として、上方へ付勢した積載板上に複数枚の用紙
を積載収納可能なカセット（シート収納部材内）を、画
像形成装置本体内に装着し、そのカセット内の用紙を、
給紙ローラ（回転給送体）と分離爪とを用いて、１枚ず
つ分離して順次画像形成部へ給紙する構成のものが、従
来より広く用いられている。

【０００３】また。この種の給紙装置におけるカセット
としては、装置本体の小型化、構成の簡略化のために、
１台で複数の用紙サイズ、種類に対応可能なユニバーサ
ルカセットが広く利用されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多様な
種類の記録用紙を同一の給紙装置で給紙しようとしたと
き、用紙の持つ、剛性や摩耗係数等の諸特性の違いによ
り、爪離れタイミングや給紙ローラのスリップ状態がそ
れぞれ異なるため、用紙によっては、給紙量不足でジャ
ムしたり、給紙量過多で紙折れしたりすることがあっ
た。

【０００５】また、最下部付近の用紙（ラスト紙）の重
送を防止するために、カセットの積載板上に、給紙ロー
ラに対向させて分離シートが設けられた場合に、用紙の
種類によっては、その分離シートとの摩擦係数の違いに
より、ラスト紙が重送されることもあった。

【０００６】従来は、こうした給紙不良を防ぐために、
用紙の種類を判別して給紙駆動量を切り換える構成や、
用紙先端位置を検出して、給紙駆動量を調節する構成、
さらにラスト紙に関しては、用紙の種類に応じて積載板
上の分離シートをユーザー切換する等の構成が考えられ
たが、いずれも、構成やシーケンスの複雑化を招くもの
であった。

【０００７】本発明は、このような問題を解決するため
に提案されたもので、構成やシーケンスを複雑化するこ
となく、複数の種類のシートに対して給紙性能を高く保
つことのできる給紙装置、およびそれを備えた画像形成
装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係る給紙装置で
は、シート収納部材（２）の分離爪（６）と積載板（１
１）との、回転給送体（１３）に対する給紙方向におけ
る位置を一体的に変更することにより、上記積載板（１
１）上に積載されたシート（Ｐ）の、上記回転給送体
（１３）に対する給紙方向における位置を変更するシー
ト位置変更手段（３、４）を設けた。

【０００９】また、他の構成として、上記積載板（１
１）の上面に、その積載板上に積載された最下部付近の
シートの重送を防止する分離シート（９、１０）を、シ
ート（Ｐ）の種類に対応して複数種類設けるとともに、
その複数種類の分離シート（９、１０）を、上記収納シ
ート（Ｐ）の位置が上記シート位置変更手段（３、４）
により変更された際に、その収納シート（Ｐ）の種類に
応じた種類の分離シートが上記回転給送体（１３）に対
向するように配置した。

【００１０】本発明に係る画像形成装置では、上記構成
の給紙装置と、その給紙装置から給紙されたシートに画
像を形成する画像形成手段（５１）と、を設けた。

【００１１】

【作用】上記構成の給紙装置において、剛性が高く、摩
耗係数が低いシート（Ｐ２）を給紙する場合には、シー
ト位置変更手段（３、４）によってその収納シート（Ｐ
２）の、回転給送体（１３）に対する給紙方向における
位置を、給紙方向下流側に変更する。すると、回転給送
体（１３）と分離爪（６）との間の距離（Ｌ１）が拡大
して、爪分離の負荷が下がり、また、給紙パス長（Ｌ
２）が短縮されて、スリップによる給紙量の減少分が補
正される。これにより、剛性が高く、摩耗係数が低いシ
ート（Ｐ２）に対しても、給紙性能を高く保つことが可
能となる。

【００１２】また、上記積載板（１１）の上面に、シー
トの種類に対応した複数種類の分離シート（９、１０）
を設けておき、上記収納シート（Ｐ）の位置が上記シー
ト位置変更手段（３、４）により変更された際に、その
収納シート（Ｐ）の種類に応じた種類の分離シートが上
記回転給送体（１３）に対向するように構成すれば、自
動的に最適な分離シート（９、１０）が選択されること
になり、最下部付近のシートに対する給紙性能も向上す
る。

【００１３】上記構成の画像形成装置によれば、剛性や
摩耗係数の異なる複数の種類のシートを使用した場合に
も、常に確実に給紙が行われるようになり、よって信頼
性が向上する。

【００１４】なお、上記括弧内の符号は、図面と対照す
るためのものであり、何等本発明の構成を限定するもの
ではない。

【００１５】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。 〈実施例１〉図１は、本発明の実施例１における給紙装
置を備えたプリンタ（画像形成装置）の断面図、また図
２は、同じ給紙装置のカセット（シート収納部材）の斜
視図である。

【００１６】図のように、プリンタ本体（画像形成装置
本体）１の底部に給紙方向（矢印Ａ）下流側から着脱自
在に装着されるカセット２は、ロック部３と用紙積載部
４との２部分から成り、そのロック部３の両側面に設け
られた連結突起３ａと、用紙積載部４に設けられた横長
の連結孔４ａとがスライド自在に係合することにより、
給紙方向に対して伸縮可能な構成となっている。このカ
セット２のロック部３と用紙積載部４との伸縮構造は、
後述のように、このカセット２に積載収納された記録用
紙（シート）Ｐの位置を変更する手段（シート位置変更
手段）として設けられたものである。また、このカセッ
ト２は、１台で複数の用紙サイズ、種類に対応可能なユ
ニバーサルカセットとなっている。

【００１７】上記ロック部３には、カセット２と本体１
との位置決めおよびロックを行うロック爪５が設けられ
ている。また、上記用紙積載部４には、分離爪６を軸支
持サイドガイド７および後端ガイド８が、用紙サイズに
応じてスライド可能に設けられるとともに、ラスト紙重
送防止用の摩擦係数の異なる２種類の分離シート９、１
０が上面に接着された積載板１１が、カセットバネ１２
により上方へ付勢された状態で回動可能に支持されてい
る。

【００１８】そして、上記カセット２の積載板１１上に
積載収納された複数の用紙Ｐは、カセットバネ１２の付
勢力により半月状の給紙ローラ（回転給送体）１３に圧
接させられ、その給紙ローラ１３の回転により給紙され
るとともに、用紙Ｐの先端角部が分離爪６に当接して爪
分離ループが形成されることで１枚ずつ分離される。こ
のような、上方へ付勢された積載板１１と分離爪６とを
備えたカセット２および給紙ローラ１３より成る給紙装
置から給紙された用紙Ｐは、本体１の搬送ローラ対５０
により、印字ヘッド５１ａとプラテン５１ｂとを備えた
画像形成部（画像形成手段）５１へ搬送されて印刷さ
れ、その後、排紙ローラ対５２により排紙トレイ５３上
に排出される。

【００１９】次に、上記カセット２における、種類の異
なる記録用紙、例えば普通紙とＯＨＰ用紙とに対する用
紙位置変更機能について、図１および図３の同じプリン
タの断面図を用いて説明する。

【００２０】まず、用紙の特性として、ＯＨＰ用紙は普
通紙に比べて剛性が高く、摩耗係数が低い。そこで、普
通紙に対する最適条件で、ＯＨＰ用紙を給紙すると、剛
性により爪分離ループ形成時の負荷が増大して爪分離不
良が生じ易くなり、また、給紙ローラ１３がスリップし
易く、給紙量不足になるおそれがある。よって、給紙ロ
ーラ条件、つまり、本体１内における給紙ローラ１３の
位置、および給紙駆動シーケンスを変えずにＯＨＰ用紙
の給紙性能を普通紙と同レベルまで向上させるために
は、給紙ローラ１３と分離爪６との間の距離Ｌ１を広げ
て爪分離の負荷を下げ、さらに、分離爪６から搬送ロー
ラ対５０までの給紙パス長Ｌ２を短くして、スリップに
よる給紙量の減少分を補う必要がある。

【００２１】そこでこの給紙装置では、上記給紙量減少
分の補正を行うために、カセット２を伸縮させて、その
カセット２の分離爪６と積載板１１との、給紙ローラ１
３に対する給紙方向における位置を一体的に変更するこ
とにより、積載板１１上に積載された用紙Ｐの、給紙ロ
ーラ１３に対する給紙方向における位置を変更する。

【００２２】すなわち、カセット２は、図１に示す普通
紙Ｐ１の給紙時の状態に対し、図３に示すＯＨＰ用紙Ｐ
２の給紙時には、カセット長を縮めた状態で本体１に装
着される。このため、給紙ローラ１３に対する用紙位置
が、給紙方向下流側に変更され、その結果、給紙ローラ
１３と分離爪６間の距離Ｌ１は拡大され、給紙パス長Ｌ
２は短縮される。これにより、ＯＨＰ用紙Ｐ２に対する
給紙性能を、普通紙Ｐ１と同レベルに高く保つことがで
きる。

【００２３】またこのとき、給紙ローラ１３に対する積
載板１１上面の分離シート９、１０の位置も同様に変更
されるので、予め各紙種に適した摩擦係数を有する分離
シート９、１０をそれぞれ、カセット長切換を行った際
に、給紙ローラ１３に対向する位置に移動するように配
置しておけば、カセット２の伸縮に応じて、自動的に最
適な分離シート９、１０が選択されることになり、ラス
ト紙に対する給紙性能も向上する。

【００２４】そして、このような給紙装置を備えたプリ
ンタにおいては、普通紙とＯＨＰ用紙とのいずれの用紙
を使用した場合にも、常に確実に給紙が行われるため、
信頼性が向上する。

【００２５】なお、本実施例の給紙装置では、普通紙と
ＯＨＰ用紙の２種類について言及したが、用紙の種類は
これに限定するものではなく、また、２種類以上の用紙
に対しても、同様な構成で対応可能である。例えば、普
通紙とＯＨＰ用紙との中間の特性を有する普通紙厚紙を
追加するような場合であれば、カセット２の伸縮を３段
切換にすればよい。 〈実施例２〉図４は、本発明の実施例２における給紙装
置を備えたプリンタの断面図である。

【００２６】図のように、この実施例では、カセット２
は伸縮せず、その代わりに、このカセット２のロック爪
５を係合させる本体１側のロック溝１４が複数設けられ
ている。そして、そのロック溝１４の位置を、収納した
用紙の種類に応じて選択して、カセット２を本体１に装
着することにより、カセット２内の用紙Ｐの、給紙ロー
ラ１３に対する位置を変更することができ、よって上記
実施例１と同様の効果が得られる。 〈実施例３〉図５は、本発明の実施例３における給紙装
置のカセットの斜視図で、プリンタ本体に装着される前
の状態を示している。

【００２７】図のようにこの実施例では、カセット２
は、本体１の正面側から装着するフロントローディング
タイプとなっており、そのカセット２自体は、上記実施
例１と同様にロック部３と用紙積載部４とから給紙方向
Ａに対して伸縮可能に構成されている。すなわち、この
カセット２では、ロック部３の下面に設けられた位置決
めレール１５が、本体１側に設けられたレール溝１６に
係合することにより、位置決めされた状態で本体１に装
着される。

【００２８】そしてこのようなフロントローディングタ
イプのカセット２であっても、上記実施例１と同様に、
カセット長を伸縮させて、用紙Ｐの、給紙ローラ（図示
せず）に対する位置を変更することにより、同様の効果
を得ることができる。

【００２９】なお、この実施例３におけるカセット２の
構成を、上記実施例２と同じように伸縮しない構成と
し、本体１側に複数のレール溝１６を設けて、収納した
用紙Ｐの種類に応じてそのレール溝１６を選択してカセ
ット２を本体１に装着することにより、カセット２内の
用紙Ｐの、給紙ローラに対する位置を変更するようにし
てもよい。

【００３０】また、上記各実施例１〜３は、ユニバーサ
ルカセットの場合について説明したが、定形サイズのカ
セットの場合についても、同じように構成して、同様の
効果を得るようにすることができることは言うまでもな
い。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る給紙
装置によれば、シート位置変更手段を設けたことによ
り、構成やシーケンスを複雑化することなく、複数の種
類のシートに対して給紙性能を高く保つことができる。

【００３２】さらに、積載板の上面に、シートの種類に
対応した複数種類の分離シートを設けておき、シート位
置変更手段により収納シートの位置が変更された際に、
その収納シートの種類に応じた種類の分離シートが回転
給送体に対向するように構成すれば、自動的に最適な分
離シートが選択されることになり、最下部付近のシート
に対する給紙性能も向上する。

【００３３】そして、この本発明に係る給紙装置を備え
た画像形成装置では、複数の種類のシートを使用した場
合にも、常に確実に給紙が行われるようになるため、信
頼性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１における給紙装置を備えたプ
リンタ（画像形成装置）の断面図。

【図２】同じ給紙装置のカセット（シート収納部材）の
斜視図。

【図３】同じ給紙装置のカセットの他の状態を示す同じ
プリンタの断面図。

【図４】本発明の実施例２における給紙装置を備えたプ
リンタの断面図。

【図５】本発明の実施例３における給紙装置のカセット
の斜視図。

【符号の説明】

１ プリンタ本体（画像形成装置本体） ２ カセット（シート収納部材） ３ ロック部（シート位置変更手段） ４ 用紙積載部（同） ５ ロック爪（同） ６ 分離爪 ９、１０ 分離シート １１ 積載板 １３ 給紙ローラ（回転給送体） １４ ロック溝（シート位置変更手段） １５ 位置決めレール（同） １６ レール溝（同） ５１ 画像形成部（画像形成手段）

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方へ付勢した積載板上に複数枚のシー
   トを積載収納するシート収納部材と、該シート収納部材
   内のシートに圧接して回転することにより該シートを給
   紙する回転給送体と、前記シート収納部材に設けられ、
   該シート収納部材から前記回転給送体によって給紙され
   るシートの先端角部に当接して該シートを１枚ずつ分離
   する分離爪と、を有する給紙装置において、 前記シート収納部材の分離爪と積載板との、前記回転給
   送体に対する給紙方向における位置を一体的に変更する
   ことにより、前記積載板上に積載されたシートの、前記
   回転給送体に対する給紙方向における位置を変更するシ
   ート位置変更手段を備えたことを特徴とする給紙装置。
2. 【請求項２】 前記シート位置変更手段は、前記シート
   収納部材の積載板上に積載収納されたシートの位置を、
   該収納シートの種類に応じて変更するものであることを
   特徴とする請求項１記載の給紙装置。
3. 【請求項３】 前記積載板の上面に、該積載板上に積載
   された最下部付近のシートの重送を防止する分離シート
   が、シートの種類に対応して複数種類設けられるととも
   に、該複数種類の分離シートは、前記収納シートの位置
   が前記シート位置変更手段により変更された際に、該収
   納シートの種類に応じた種類の分離シートが前記回転給
   送体に対向するように配置されたことを特徴とする請求
   項２記載の給紙装置。
4. 【請求項４】 請求項１ないし３のいずれかに記載され
   た給紙装置と、 該給紙装置から給紙されたシートに画像を形成する画像
   形成手段と、 を備えた画像形成装置。