JPH08120290A - 電気粘性流体 - Google Patents
電気粘性流体Info
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- JPH08120290A JPH08120290A JP26288794A JP26288794A JPH08120290A JP H08120290 A JPH08120290 A JP H08120290A JP 26288794 A JP26288794 A JP 26288794A JP 26288794 A JP26288794 A JP 26288794A JP H08120290 A JPH08120290 A JP H08120290A
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- electrorheological fluid
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 吸着水を実質的に含まないゼオライトを分散
層として用いる電気粘性流体において、電圧印加で誘起
される剪断応力が格段に大きく、同時に電流値が小さい
非水系の電気粘性流体を提供する。 【構成】 電子伝導度が室温で10−10Scm−1以
上の電子伝導体と、イオン伝導度が室温で10−10S
cm−1以上のイオン伝導体を含む複合体微粒子を分散
質として分散媒中に含み、電子伝導体が有機物を加熱し
て炭素化した物質であり、イオン伝導体がゼオライトで
ある複合体微粒子を分散質として分散媒中に含む電気粘
性流体。
層として用いる電気粘性流体において、電圧印加で誘起
される剪断応力が格段に大きく、同時に電流値が小さい
非水系の電気粘性流体を提供する。 【構成】 電子伝導度が室温で10−10Scm−1以
上の電子伝導体と、イオン伝導度が室温で10−10S
cm−1以上のイオン伝導体を含む複合体微粒子を分散
質として分散媒中に含み、電子伝導体が有機物を加熱し
て炭素化した物質であり、イオン伝導体がゼオライトで
ある複合体微粒子を分散質として分散媒中に含む電気粘
性流体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧の印加によって粘
性を制御することができる電気粘性流体に関するもので
ある。
性を制御することができる電気粘性流体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電気粘性流体は、電気的に絶縁性の油状
分散媒中に分極性の微粒子を分散させた懸濁液であり、
印加する電圧の大きさに応じて流体の粘性が可逆的に変
化する性質を有しているものである。
分散媒中に分極性の微粒子を分散させた懸濁液であり、
印加する電圧の大きさに応じて流体の粘性が可逆的に変
化する性質を有しているものである。
【0003】この電気粘性流体における電圧印加による
粘度増加のメカニズムはまだ十分に解明されたとはいい
がたいが、媒質中にある分極性の分散微粒子が電圧印加
で分極を生じることにより、微粒子間に引力が働き、そ
の結果として粘度が増加すると考えられている。
粘度増加のメカニズムはまだ十分に解明されたとはいい
がたいが、媒質中にある分極性の分散微粒子が電圧印加
で分極を生じることにより、微粒子間に引力が働き、そ
の結果として粘度が増加すると考えられている。
【0004】そこで、このような印加電圧に応じた粘度
変化を利用して、電気粘性流体は、伝達トルクを制御で
きるクラッチ、伝達特性を制御できる防振部品、油圧回
路素子などへの応用が考えられている。
変化を利用して、電気粘性流体は、伝達トルクを制御で
きるクラッチ、伝達特性を制御できる防振部品、油圧回
路素子などへの応用が考えられている。
【0005】従来、電気粘性流体の媒質としては、シリ
コーン系オイル、塩化パラフィンなどのハロゲン化パラ
フィン、鉱油、塩化ジフェニル、セバチン酸ブチル、ト
ランスオイルなどが用いられている。
コーン系オイル、塩化パラフィンなどのハロゲン化パラ
フィン、鉱油、塩化ジフェニル、セバチン酸ブチル、ト
ランスオイルなどが用いられている。
【0006】また、電気粘性流体の分散微粒子として
は、少なくとも表面に水分を含む含水系微粒子と実質的
に水分を含まない非水系の微粒子が用いられている。こ
のうち、含水系の微粒子としては、シリカなどの無機微
粒子あるいはイオン交換樹脂(特開昭50−92278
号公報)、ポリアクリル酸の金属塩などの有機微粒子が
用いられている。
は、少なくとも表面に水分を含む含水系微粒子と実質的
に水分を含まない非水系の微粒子が用いられている。こ
のうち、含水系の微粒子としては、シリカなどの無機微
粒子あるいはイオン交換樹脂(特開昭50−92278
号公報)、ポリアクリル酸の金属塩などの有機微粒子が
用いられている。
【0007】このような含水系の微粒子を用いる電気粘
性流体は、その微粒子に吸着した水分が電圧の印加によ
って分極する現象、あるいは、水分がイオン分極を大幅
に促進する現象を利用する電気粘性流体であるため、水
分量の変化により電気粘性効果が大幅に変化する。
性流体は、その微粒子に吸着した水分が電圧の印加によ
って分極する現象、あるいは、水分がイオン分極を大幅
に促進する現象を利用する電気粘性流体であるため、水
分量の変化により電気粘性効果が大幅に変化する。
【0008】そして、微粒子に吸着した水分量は、長期
間の使用により、蒸発,分散媒への溶解、移動などによ
って変化し、電気粘性流体の特性の変化を引き起こす。
さらに、電極の腐食、温度上昇による水分のイオン化の
増大等による高温状態での電流の急増など、水分を含む
ことによる問題は大きく、この含水系の微粒子を利用す
る電気粘性流体は実用化が困難と考えられる。
間の使用により、蒸発,分散媒への溶解、移動などによ
って変化し、電気粘性流体の特性の変化を引き起こす。
さらに、電極の腐食、温度上昇による水分のイオン化の
増大等による高温状態での電流の急増など、水分を含む
ことによる問題は大きく、この含水系の微粒子を利用す
る電気粘性流体は実用化が困難と考えられる。
【0009】これに対して、実質的に水分を含まない非
水系の分散微粒子としては、ポリアニリン、ポリ(アセ
ン−キノン)などの有機半導体微粒子(特開昭61−2
16202号公報)、炭素質微粒子(特開平3−478
96号公報)が知られているが、これらはおそらく粒子
内での電子の移動による分極を利用するものである。
水系の分散微粒子としては、ポリアニリン、ポリ(アセ
ン−キノン)などの有機半導体微粒子(特開昭61−2
16202号公報)、炭素質微粒子(特開平3−478
96号公報)が知られているが、これらはおそらく粒子
内での電子の移動による分極を利用するものである。
【0010】このような非水系の微粒子を用いた電気粘
性流体は、前記の含水系の微粒子を用いた電気粘性流体
に比較すると、水分に起因する問題が発生しないため、
より実用的な電気粘性流体であると考えられる。しかし
ながら、有機半導体微粒子や炭素質微粒子を使用する電
気粘性流体では、含水系の微粒子を使用した電気粘性流
体と比較した場合に、高電圧印加時の電流が小さいもの
の、実用の観点からはまだ大き過ぎる。
性流体は、前記の含水系の微粒子を用いた電気粘性流体
に比較すると、水分に起因する問題が発生しないため、
より実用的な電気粘性流体であると考えられる。しかし
ながら、有機半導体微粒子や炭素質微粒子を使用する電
気粘性流体では、含水系の微粒子を使用した電気粘性流
体と比較した場合に、高電圧印加時の電流が小さいもの
の、実用の観点からはまだ大き過ぎる。
【0011】また、導電性微粒子の表面を絶縁膜で被覆
する複合粒子型電気粘性流体が提案されている(特開昭
63−97694号公報)が、大きなトルクの働く条件
下でこの電気粘性流体を利用すると、絶縁被膜が剥離し
て導電性部分が粒子表面に現われ、大電流が流れること
になる。
する複合粒子型電気粘性流体が提案されている(特開昭
63−97694号公報)が、大きなトルクの働く条件
下でこの電気粘性流体を利用すると、絶縁被膜が剥離し
て導電性部分が粒子表面に現われ、大電流が流れること
になる。
【0012】さらに、米国特許第4,744,914号
明細書(特開昭63−185812号公報)には、前記
の水の問題点を解決すべく、吸着水を実質的に含まない
ゼオライトを分散相として用いる電解反応性流体が開示
されている。
明細書(特開昭63−185812号公報)には、前記
の水の問題点を解決すべく、吸着水を実質的に含まない
ゼオライトを分散相として用いる電解反応性流体が開示
されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同明細
書の実施例で使用されたゼオライト3A,4A,5A,
13Xを用いて実際に動力伝達素子や防振素子などを構
成しようとすると、電圧印加で発生する剪断応力の大き
さがまだ足りないものとなっており、このようなことか
ら、剪断応力をさらに増大させることが課題であった。
書の実施例で使用されたゼオライト3A,4A,5A,
13Xを用いて実際に動力伝達素子や防振素子などを構
成しようとすると、電圧印加で発生する剪断応力の大き
さがまだ足りないものとなっており、このようなことか
ら、剪断応力をさらに増大させることが課題であった。
【0014】
【発明の目的】本発明は、電圧印加で誘起される剪断応
力が格段に大きく、同時に電流値が小さい非水系の電気
粘性流体を提供することを目的としている。
力が格段に大きく、同時に電流値が小さい非水系の電気
粘性流体を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる電気粘性
流体は、請求項1に記載しているように、電子伝導度が
室温で10−10Scm−1以上の電子伝導体と、イオ
ン伝導度が室温で10−10Scm−1以上のイオン伝
導体を含む複合体微粒子を分散質として分散媒中に含む
構成としたことを特徴としている。
流体は、請求項1に記載しているように、電子伝導度が
室温で10−10Scm−1以上の電子伝導体と、イオ
ン伝導度が室温で10−10Scm−1以上のイオン伝
導体を含む複合体微粒子を分散質として分散媒中に含む
構成としたことを特徴としている。
【0016】また、本発明に係わる電気粘性流体の実施
態様においては、請求項2に記載しているように、電子
伝導体が有機物を加熱して炭素化した物質であるものと
することができ、請求項3に記載しているように、イオ
ン伝導体がゼオライトであるものとすることができ、請
求項4に記載しているように、ゼオライトが8員環以下
の大きさのイオン伝導路をもつゼオライトであるものと
することができ、請求項5に記載しているように、ゼオ
ライトがゼオライト3A,ゼオライト4A,Na−モル
デナイトあるいはこれらのうちから選ばれる混合物であ
るものとすることができる。
態様においては、請求項2に記載しているように、電子
伝導体が有機物を加熱して炭素化した物質であるものと
することができ、請求項3に記載しているように、イオ
ン伝導体がゼオライトであるものとすることができ、請
求項4に記載しているように、ゼオライトが8員環以下
の大きさのイオン伝導路をもつゼオライトであるものと
することができ、請求項5に記載しているように、ゼオ
ライトがゼオライト3A,ゼオライト4A,Na−モル
デナイトあるいはこれらのうちから選ばれる混合物であ
るものとすることができる。
【0017】
【発明の作用】前述したような、電圧印加で誘起される
剪断応力が格段に大きく、同時に電流値が小さい特性を
有する電気粘性流体を開発するためには、微粒子内での
電気分極をできるだけ大きくし、しかも、微粒子間では
できるだけ電流が流れなくする必要がある。特に、微粒
子の表面近傍に大きな分極電荷を発生できるようにする
ことが非常に重要であると考えられる。
剪断応力が格段に大きく、同時に電流値が小さい特性を
有する電気粘性流体を開発するためには、微粒子内での
電気分極をできるだけ大きくし、しかも、微粒子間では
できるだけ電流が流れなくする必要がある。特に、微粒
子の表面近傍に大きな分極電荷を発生できるようにする
ことが非常に重要であると考えられる。
【0018】そこで、微粒子を小領域に分割し、分割さ
れたそれぞれの小領域をイオン伝導性で電子伝導性がほ
とんどないものと、電子伝導性でイオン伝導性がほとん
どないものを用いて複合体微粒子の構造にすれば、多く
の小分割領域の集合体としての微粒子は電子の移動によ
って引き起こされる分極とイオンの移動によって引き起
こされる分極の両方の分極メカニズムによってより大き
な電気分極を生じ、その結果として大きな剪断応力を発
生する。
れたそれぞれの小領域をイオン伝導性で電子伝導性がほ
とんどないものと、電子伝導性でイオン伝導性がほとん
どないものを用いて複合体微粒子の構造にすれば、多く
の小分割領域の集合体としての微粒子は電子の移動によ
って引き起こされる分極とイオンの移動によって引き起
こされる分極の両方の分極メカニズムによってより大き
な電気分極を生じ、その結果として大きな剪断応力を発
生する。
【0019】その際に微粒子に流れる電流については、
微粒子内での電子の流れはイオン伝導性領域に適当に阻
まれ、イオンの流れは逆に電子伝導性領域に適当に阻ま
れるようにすれば小さく抑えることができる。また、こ
のような複合体微粒子の構造とすることによって、もし
微粒子が大きな剪断力で割れたりしても、絶縁被覆導電
性微粒子の場合のような問題はない。
微粒子内での電子の流れはイオン伝導性領域に適当に阻
まれ、イオンの流れは逆に電子伝導性領域に適当に阻ま
れるようにすれば小さく抑えることができる。また、こ
のような複合体微粒子の構造とすることによって、もし
微粒子が大きな剪断力で割れたりしても、絶縁被覆導電
性微粒子の場合のような問題はない。
【0020】以上のような考えに基づき鋭意検討した結
果、本発明に至った。
果、本発明に至った。
【0021】すなわち、本発明に係わる電気粘性流体
は、請求項1に記載しているように、電子伝導度が室温
で10−10Scm−1以上の電子伝導体と、イオン伝
導度が室温で10−10Scm−1以上のイオン伝導体
を含む複合体微粒子を分散質として分散媒中に含む構成
としたことにより、電圧印加時の電流を著しく小さく保
ったままで、誘起される剪断応力が格段に増大するもの
となり、しかも、再分散性の良い電気粘性流体となる。
は、請求項1に記載しているように、電子伝導度が室温
で10−10Scm−1以上の電子伝導体と、イオン伝
導度が室温で10−10Scm−1以上のイオン伝導体
を含む複合体微粒子を分散質として分散媒中に含む構成
としたことにより、電圧印加時の電流を著しく小さく保
ったままで、誘起される剪断応力が格段に増大するもの
となり、しかも、再分散性の良い電気粘性流体となる。
【0022】この場合、電子伝導体の電子伝導度が低い
と、電子の移動によって引き起こされる分極が十分なも
のとならないので、電子伝導体の電子伝導度が室温で1
0− 10Scm−1以上であるものを用いることが必要
であり、また、イオン伝導体のイオン伝導度が低いと、
イオンの移動によって引き起こされる分極が十分なもの
とならないので、イオン伝導体のイオン伝導度が室温で
10−10Scm−1以上であるものを用いることが必
要である。
と、電子の移動によって引き起こされる分極が十分なも
のとならないので、電子伝導体の電子伝導度が室温で1
0− 10Scm−1以上であるものを用いることが必要
であり、また、イオン伝導体のイオン伝導度が低いと、
イオンの移動によって引き起こされる分極が十分なもの
とならないので、イオン伝導体のイオン伝導度が室温で
10−10Scm−1以上であるものを用いることが必
要である。
【0023】本発明に係わる電気粘性流体においては、
請求項2に記載しているように、電子伝導体が有機物を
加熱して炭素化した物質であるものとすることができ、
電子伝導体としてこのような物質を用いることによって
有機物の加熱処理により電子伝導体が極く簡単に得られ
ることとなる。
請求項2に記載しているように、電子伝導体が有機物を
加熱して炭素化した物質であるものとすることができ、
電子伝導体としてこのような物質を用いることによって
有機物の加熱処理により電子伝導体が極く簡単に得られ
ることとなる。
【0024】また、請求項3に記載しているように、イ
オン伝導体がゼオライトであるものとすることができ、
イオン伝導体としてゼオライトを用いることによって、
含水系の微粒子を用いることにより生ずる問題点が解消
されることとなる。
オン伝導体がゼオライトであるものとすることができ、
イオン伝導体としてゼオライトを用いることによって、
含水系の微粒子を用いることにより生ずる問題点が解消
されることとなる。
【0025】そして、イオン伝導体であるゼオライト粒
子の表面あるいは細孔内、あるいはその両方に、電子伝
導体として有機物を加熱処理して炭素化させた領域を設
けた複合体微粒子を分散質として、この分散質を分散媒
中に含む電気粘性流体としている。
子の表面あるいは細孔内、あるいはその両方に、電子伝
導体として有機物を加熱処理して炭素化させた領域を設
けた複合体微粒子を分散質として、この分散質を分散媒
中に含む電気粘性流体としている。
【0026】そして、請求項4に記載しているように、
ゼオライトが8員環あるいはそれ以下の大きさのイオン
伝導路をもつイオン伝導性ゼオライトを用いることによ
って、イオン伝導性は良好なものになるという利点がも
たらされ、このゼオライトの例として、請求項5に記載
しているように、ゼオライト3A,ゼオライト4A,N
a−モルデナイトあるいはそれらの混合物を用いること
ができ、このようなゼオライトを用いることによってイ
オン伝導性と電子伝導性はさらに良好なものとなる。
ゼオライトが8員環あるいはそれ以下の大きさのイオン
伝導路をもつイオン伝導性ゼオライトを用いることによ
って、イオン伝導性は良好なものになるという利点がも
たらされ、このゼオライトの例として、請求項5に記載
しているように、ゼオライト3A,ゼオライト4A,N
a−モルデナイトあるいはそれらの混合物を用いること
ができ、このようなゼオライトを用いることによってイ
オン伝導性と電子伝導性はさらに良好なものとなる。
【0027】本発明の電気粘性流体は、電圧印加時の電
流を小さく保ったまま、電場で誘起される剪断応力が大
幅に増大することとなり、しかも、実用的に重要な再分
散性(静置後粒子が沈降したあとでの分散のし易さ)が
改善されるという作用・効果もある。
流を小さく保ったまま、電場で誘起される剪断応力が大
幅に増大することとなり、しかも、実用的に重要な再分
散性(静置後粒子が沈降したあとでの分散のし易さ)が
改善されるという作用・効果もある。
【0028】本発明で用いられる種々のゼオライトのな
かでも、本発明において特に好都合なものは、炭素領域
を形成するのに好適に利用できるアクリロニトリルやフ
ルフリルアルコールなどの重合性のモノマーがゼオライ
トの細孔内に入れないと考えられるゼオライト3A(細
孔径約3Å)、ゼオライト4A(細孔径約4Å)など細
孔径が小さくイオン伝導性領域を破壊せずにすむゼオラ
イトの一群と、重合性モノマーが細孔内に入っても、イ
オンがまだ移動できる構造であるゼオライトの一群であ
る。サイズの異なる二種類のイオン伝導路があるNa−
モルデナイトが後者の例である。
かでも、本発明において特に好都合なものは、炭素領域
を形成するのに好適に利用できるアクリロニトリルやフ
ルフリルアルコールなどの重合性のモノマーがゼオライ
トの細孔内に入れないと考えられるゼオライト3A(細
孔径約3Å)、ゼオライト4A(細孔径約4Å)など細
孔径が小さくイオン伝導性領域を破壊せずにすむゼオラ
イトの一群と、重合性モノマーが細孔内に入っても、イ
オンがまだ移動できる構造であるゼオライトの一群であ
る。サイズの異なる二種類のイオン伝導路があるNa−
モルデナイトが後者の例である。
【0029】本発明で用いる分散媒の粘度および分散相
粒子の濃度は、適用する部品の特性に合わせて調節する
ことができる。例えば、高い電場誘起応力が望まれる部
品については、粒子の濃度を高くし、分散媒の粘度を1
0から50センチストークス程度にするのが好ましい。
粒子の濃度は、適用する部品の特性に合わせて調節する
ことができる。例えば、高い電場誘起応力が望まれる部
品については、粒子の濃度を高くし、分散媒の粘度を1
0から50センチストークス程度にするのが好ましい。
【0030】電気絶縁性分散媒としては、先に従来の技
術のところで述べたような種々の溶媒を使用することが
できるが、安定性、安全性、粘度の温度変化などを考え
ると、シリコーン系オイルが好ましい。しかしながら、
今後の検討から、更に優れた分散媒系が見いだされた場
合には、それらを利用するのはやぶさかではない。ま
た、必要に応じて分散性、再分散性や流動特性を向上す
るなどの目的で分散剤や添加物などを加えてもよい。
術のところで述べたような種々の溶媒を使用することが
できるが、安定性、安全性、粘度の温度変化などを考え
ると、シリコーン系オイルが好ましい。しかしながら、
今後の検討から、更に優れた分散媒系が見いだされた場
合には、それらを利用するのはやぶさかではない。ま
た、必要に応じて分散性、再分散性や流動特性を向上す
るなどの目的で分散剤や添加物などを加えてもよい。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本願発明はそれらに制限されるものではない実施例1 平均粒子径が7.6μm(レーザー法)でかつSi/A
l比が5.4のゼオライトであるNa−モルデナイト
(東ソー(株)製、HSZ−610NAA)をガラスア
ンプルに入れ、430℃にて24時間以上拡散ポンプで
真空乾燥した後、真空下で室温まで放冷した。次に、こ
れを真空下で室温のアクリロニトリルのリザーバーと接
続し、アクリロニトリル蒸気に1時間程度さらして、ア
クリロニトリルを吸着させた。
明するが、本願発明はそれらに制限されるものではない実施例1 平均粒子径が7.6μm(レーザー法)でかつSi/A
l比が5.4のゼオライトであるNa−モルデナイト
(東ソー(株)製、HSZ−610NAA)をガラスア
ンプルに入れ、430℃にて24時間以上拡散ポンプで
真空乾燥した後、真空下で室温まで放冷した。次に、こ
れを真空下で室温のアクリロニトリルのリザーバーと接
続し、アクリロニトリル蒸気に1時間程度さらして、ア
クリロニトリルを吸着させた。
【0032】次いで、これを窒素雰囲気のグローブボッ
クス内で耐熱管瓶につめて密栓をし、6Mradのγ線
を照射して、アクリロニトリルを重合することによりポ
リアクリロニトリルとした。続いて、これを試験管タイ
プのガラス管に入れて大気下で約200℃に2時間、3
50℃に2時間保った後、これを石英ガラス製のアンプ
ルに移し、真空下で約600℃にて30時間加熱した。
この熱処理と共にサンプルの色がはだ色、うす紫色、う
す灰色に変化し、生成したサンプルはさらさらした微粉
末であった。
クス内で耐熱管瓶につめて密栓をし、6Mradのγ線
を照射して、アクリロニトリルを重合することによりポ
リアクリロニトリルとした。続いて、これを試験管タイ
プのガラス管に入れて大気下で約200℃に2時間、3
50℃に2時間保った後、これを石英ガラス製のアンプ
ルに移し、真空下で約600℃にて30時間加熱した。
この熱処理と共にサンプルの色がはだ色、うす紫色、う
す灰色に変化し、生成したサンプルはさらさらした微粉
末であった。
【0033】放冷後、窒素雰囲気のグローブボックス内
で、あらかじめ重量を測定しておいた前記の耐熱管瓶に
移して秤量した後、モレキュラーシーブスを用いて十分
に乾燥しておいたシリコーンオイル(東芝シリコーン
(株)製TSF−451−50、動粘度50cSt)を
これに加えた。そして、サンプル10gに対してシリコ
ーンオイル20mlの割合で加えてよく振り混ぜ、強力
な超音波を照射してよく分散した。これにより作製され
た電気粘性流体は、少し褐色を帯びた黒い液体であっ
た。
で、あらかじめ重量を測定しておいた前記の耐熱管瓶に
移して秤量した後、モレキュラーシーブスを用いて十分
に乾燥しておいたシリコーンオイル(東芝シリコーン
(株)製TSF−451−50、動粘度50cSt)を
これに加えた。そして、サンプル10gに対してシリコ
ーンオイル20mlの割合で加えてよく振り混ぜ、強力
な超音波を照射してよく分散した。これにより作製され
た電気粘性流体は、少し褐色を帯びた黒い液体であっ
た。
【0034】次に、この液体の電気粘性効果の測定は、
二重円筒型の回転粘度計を用いて行った。このとき、円
筒間のギャップは1mmで、内外円筒間に直流電圧を印
加して、剪断速度360s−1での剪断応力を室温にて
測定し、同時に、両円筒間に流れる電流を測定した。剪
断応力の電場依存性を図1の(a)に示し、そのときの
電流値(電流密度)を図1の(b)に示す。
二重円筒型の回転粘度計を用いて行った。このとき、円
筒間のギャップは1mmで、内外円筒間に直流電圧を印
加して、剪断速度360s−1での剪断応力を室温にて
測定し、同時に、両円筒間に流れる電流を測定した。剪
断応力の電場依存性を図1の(a)に示し、そのときの
電流値(電流密度)を図1の(b)に示す。
【0035】実施例2 実施例1において、アクリロニトリルの重合法をγ線重
合法から熱重合法に変更したことと、熱処理方法を多少
変更したこと以外は、実施例1と同様にして目的の複合
体粒子を合成した。そして、実施例1と同じロットのN
a−モルデナイトを真空下で650℃まで乾燥して、こ
れにアクリロニトリルを吸着させた。このときの吸着量
は、乾燥Na−モルデナイト25gあたり0.43gで
あった。
合法から熱重合法に変更したことと、熱処理方法を多少
変更したこと以外は、実施例1と同様にして目的の複合
体粒子を合成した。そして、実施例1と同じロットのN
a−モルデナイトを真空下で650℃まで乾燥して、こ
れにアクリロニトリルを吸着させた。このときの吸着量
は、乾燥Na−モルデナイト25gあたり0.43gで
あった。
【0036】次いで、これを窒素下で約63℃に約2日
間保ち、更に約73℃にて約1週間保った。その後、1
2時間120℃に加熱した。そして、これを実施例1と
同様にガラス管につめて大気下で70分間に室温から2
00℃まで昇温し、引き続き85分間に250℃から3
50℃に昇温した。放冷後サンプルを石英ガラスアンプ
ルに移し、400℃にて真空引きし、さらに600℃に
して7時間真空加熱した。次いで、これにより得られた
粉末を用いて、実施例1と同様にして電気粘性流体を調
製し、電気粘性効果を測定したところ、代表的な結果は
表2の実施例2の欄に示すとおりであった。
間保ち、更に約73℃にて約1週間保った。その後、1
2時間120℃に加熱した。そして、これを実施例1と
同様にガラス管につめて大気下で70分間に室温から2
00℃まで昇温し、引き続き85分間に250℃から3
50℃に昇温した。放冷後サンプルを石英ガラスアンプ
ルに移し、400℃にて真空引きし、さらに600℃に
して7時間真空加熱した。次いで、これにより得られた
粉末を用いて、実施例1と同様にして電気粘性流体を調
製し、電気粘性効果を測定したところ、代表的な結果は
表2の実施例2の欄に示すとおりであった。
【0037】実施例3 実施例1と同じロットのNa−モルデナイトを500℃
で6時間乾燥し、20wt%のフルフリルアルコールの
ベンゼン溶液(ベンゼンはあらかじめモレキュラーシー
ブスにて十分乾燥してある)に加えて、窒素雰囲気にて
3日間撹拌した。次いで、これをヌッチェで吸引濾過し
た後、乾燥ベンゼンで1回洗浄し、風乾後丸底フラスコ
に移して、窒素下で1日80℃に保ち、その後6時間1
50℃に保った。
で6時間乾燥し、20wt%のフルフリルアルコールの
ベンゼン溶液(ベンゼンはあらかじめモレキュラーシー
ブスにて十分乾燥してある)に加えて、窒素雰囲気にて
3日間撹拌した。次いで、これをヌッチェで吸引濾過し
た後、乾燥ベンゼンで1回洗浄し、風乾後丸底フラスコ
に移して、窒素下で1日80℃に保ち、その後6時間1
50℃に保った。
【0038】次に、これらを石英ガラスアンプルにつめ
て、ロータリーポンプで真空引きしながら、室温から5
00℃まで4時間かけて昇温し、600℃にて2時間、
700℃にて3時間保ったあと、真空下で放冷し、この
複合体粒子を用いて、実施例1と同様にして電気粘性流
体を調製し、電気粘性効果を測定したところ、代表的結
果は表2の実施例3の欄に示すとおりであった。
て、ロータリーポンプで真空引きしながら、室温から5
00℃まで4時間かけて昇温し、600℃にて2時間、
700℃にて3時間保ったあと、真空下で放冷し、この
複合体粒子を用いて、実施例1と同様にして電気粘性流
体を調製し、電気粘性効果を測定したところ、代表的結
果は表2の実施例3の欄に示すとおりであった。
【0039】比較例1 実施例1ないし実施例3で用いたのと同じロットのNa
−モルデナイトを、500℃にて6時間乾燥した後真空
乾燥器内で放冷し、実施例1と同様にして電気粘性流体
を調製し、電気粘性効果を測定したところ、代表的な結
果は表2の比較例1の欄に示すとおりであった。なお、
このNa−モルデナイトは乾燥温度が400から700
℃では電気粘性効果は電流値を含めて変化はない。
−モルデナイトを、500℃にて6時間乾燥した後真空
乾燥器内で放冷し、実施例1と同様にして電気粘性流体
を調製し、電気粘性効果を測定したところ、代表的な結
果は表2の比較例1の欄に示すとおりであった。なお、
このNa−モルデナイトは乾燥温度が400から700
℃では電気粘性効果は電流値を含めて変化はない。
【0040】実施例4 約20gのゼオライト4A(シグマ社製、粒径10μm
以下)を石英ガラスアンプルに入れ、真空加熱し600
℃にて拡散ポンプを用いて20時間真空乾燥し、真空下
で放冷した後、約0.7リットルの体積の部分に真空下
でかつ室温でアクリロニトリルの蒸気を満たし、これを
真空下で上記の石英ガラスアンプルと接続し、先に乾燥
したゼオライト4Aにアクリロニトリルを吸着させた。
以下)を石英ガラスアンプルに入れ、真空加熱し600
℃にて拡散ポンプを用いて20時間真空乾燥し、真空下
で放冷した後、約0.7リットルの体積の部分に真空下
でかつ室温でアクリロニトリルの蒸気を満たし、これを
真空下で上記の石英ガラスアンプルと接続し、先に乾燥
したゼオライト4Aにアクリロニトリルを吸着させた。
【0041】次いで、アンプルのコックを閉じ、100
℃で1時間、200℃で2時間保ち、コックを開けてロ
ータリーポンプで真空引きしながら、温度をゆっくりと
600℃まで上げた。そして、600℃にて22時間真
空加熱した後真空下で放冷した。これによってできた粉
末はうすい灰色をしていた。
℃で1時間、200℃で2時間保ち、コックを開けてロ
ータリーポンプで真空引きしながら、温度をゆっくりと
600℃まで上げた。そして、600℃にて22時間真
空加熱した後真空下で放冷した。これによってできた粉
末はうすい灰色をしていた。
【0042】そして、この粒子表面の元素分析をX線光
電子分光(XPS)にて行ったところ、表1に示す結果
であった。なお、表1では、複合化していないもとのゼ
オライトの組成も一緒に示した。そして、この複合体粒
子を用いて、実施例1と同様にして電気粘性流体を調製
し、電気粘性効果を測定したところ、代表的な結果は表
2の実施例4の欄に示すとおりであった。
電子分光(XPS)にて行ったところ、表1に示す結果
であった。なお、表1では、複合化していないもとのゼ
オライトの組成も一緒に示した。そして、この複合体粒
子を用いて、実施例1と同様にして電気粘性流体を調製
し、電気粘性効果を測定したところ、代表的な結果は表
2の実施例4の欄に示すとおりであった。
【0043】
【表1】
【0044】比較例2 実施例4と同様にして、同じロットのゼオライト4Aを
高真空下600℃で十分乾燥して、電気粘性流体を調製
し、電気粘性効果を測定したところ、代表的な結果は表
2の比較例2の欄に示すとおりであった。このとき、サ
ンプルの濃度は、実施例4と同じである。
高真空下600℃で十分乾燥して、電気粘性流体を調製
し、電気粘性効果を測定したところ、代表的な結果は表
2の比較例2の欄に示すとおりであった。このとき、サ
ンプルの濃度は、実施例4と同じである。
【0045】
【表2】
【0046】表2には、複合体微粒子とシリコーンオイ
ルからなる本発明の電気粘性流体の電気粘性効果をまと
めて示した。また、従来技術との比較のため、実施例1
ないし実施例3に対応するものとして比較例1を挙げ、
実施例4に対応するものとして比較例2を挙げた。
ルからなる本発明の電気粘性流体の電気粘性効果をまと
めて示した。また、従来技術との比較のため、実施例1
ないし実施例3に対応するものとして比較例1を挙げ、
実施例4に対応するものとして比較例2を挙げた。
【0047】ここで、τ(E=0)は、電圧を印加して
いないときの剪断応力を表わし、Δτ(E=2)は2k
V/mmの電場を印加したときの剪断応力の増加分を表
わし、Δτ(E=5)は5kV/mmの電場を印加した
ときの剪断応力の増加分を表わし、i(E=5)は5k
V/mmの電場を印加したときの電流密度を示す。
いないときの剪断応力を表わし、Δτ(E=2)は2k
V/mmの電場を印加したときの剪断応力の増加分を表
わし、Δτ(E=5)は5kV/mmの電場を印加した
ときの剪断応力の増加分を表わし、i(E=5)は5k
V/mmの電場を印加したときの電流密度を示す。
【0048】比較例1のNa−モルデナイトを分散相と
する電気粘性流体は、これのみでも電場誘起剪断応力が
かなり大きく、そのときの電流値も非常に小さく、ま
た、分散性、再分散性もシリコーンオイルを用いるゼオ
ライト系電気粘性流体の中でも優れているものとなって
いるが、本発明によって電子伝導体である炭素と複合化
することで、電場印加での電流値をほとんど変えること
なしに、5kV/mmの電場を印加した場合に電場誘起
剪断応力を40%前後増加させることができた。また、
分散性、再分散性も更に良いものとなった。そして、よ
り大きな電場誘起剪断応力を必要とする用途において
は、分散相粒子の濃度を更に大きくできるので、流れる
電流を小さく抑えたまま、非常に大きな電場誘起剪断応
力を発生させることができる。
する電気粘性流体は、これのみでも電場誘起剪断応力が
かなり大きく、そのときの電流値も非常に小さく、ま
た、分散性、再分散性もシリコーンオイルを用いるゼオ
ライト系電気粘性流体の中でも優れているものとなって
いるが、本発明によって電子伝導体である炭素と複合化
することで、電場印加での電流値をほとんど変えること
なしに、5kV/mmの電場を印加した場合に電場誘起
剪断応力を40%前後増加させることができた。また、
分散性、再分散性も更に良いものとなった。そして、よ
り大きな電場誘起剪断応力を必要とする用途において
は、分散相粒子の濃度を更に大きくできるので、流れる
電流を小さく抑えたまま、非常に大きな電場誘起剪断応
力を発生させることができる。
【0049】また、実施例4においては、電流が少し増
加してしまうものの、電場誘起剪断応力は未処理の比較
例2に対して2倍以上にもなることが明らかである。ま
た、比較例2の電気粘性流体は水分を断って2日から1
週間静置すると、沈澱が固化して餅のようになり、振り
混ぜたくらいでは再分散できなくなってしまうが、本発
明の実施例4の電気粘性流体では、分散性、再分散性は
大幅に改善され2週間静置後も堅い沈澱は生成していな
かった。
加してしまうものの、電場誘起剪断応力は未処理の比較
例2に対して2倍以上にもなることが明らかである。ま
た、比較例2の電気粘性流体は水分を断って2日から1
週間静置すると、沈澱が固化して餅のようになり、振り
混ぜたくらいでは再分散できなくなってしまうが、本発
明の実施例4の電気粘性流体では、分散性、再分散性は
大幅に改善され2週間静置後も堅い沈澱は生成していな
かった。
【0050】
【発明の効果】本発明に係わる電気粘性流体は、請求項
1に記載しているように、電子伝導度が室温で10
−10Scm−1以上の電子伝導体と、イオン伝導度が
室温で10−10Scm−1以上のイオン伝導体を含む
複合体微粒子を分散質として分散媒中に含むものである
から、電圧印加時の電流を著しく小さく保ったまま、誘
起される剪断応力を格段に増大することができ、しか
も、再分散性のよい電気粘性流体を提供することができ
るという著しく優れた効果がもたらされ、本発明の電気
粘性流体を用いれば、実際的なクラッチ、防振装置、油
圧回路などを開発することができ、工業的に大きなメリ
ットがあるという著大なる効果がもたらされる。
1に記載しているように、電子伝導度が室温で10
−10Scm−1以上の電子伝導体と、イオン伝導度が
室温で10−10Scm−1以上のイオン伝導体を含む
複合体微粒子を分散質として分散媒中に含むものである
から、電圧印加時の電流を著しく小さく保ったまま、誘
起される剪断応力を格段に増大することができ、しか
も、再分散性のよい電気粘性流体を提供することができ
るという著しく優れた効果がもたらされ、本発明の電気
粘性流体を用いれば、実際的なクラッチ、防振装置、油
圧回路などを開発することができ、工業的に大きなメリ
ットがあるという著大なる効果がもたらされる。
【0051】そして、請求項2に記載しているように、
電子伝導体が有機物を加熱して炭素化した物質であるも
のとすることによって、有機物を加熱するだけの極く簡
単な処理によって電子伝導体を得ることが可能であると
いう著しく優れた効果がもたらされ、請求項3に記載し
ているように、イオン伝導体がゼオライトであるものと
することによって、含水系の微粒子を用いることによる
問題点を解消することが可能であり、請求項4に記載し
ているように、ゼオライトが8員環以下の大きさのイオ
ン伝導路をもつゼオライトであるものとすることによっ
て、イオン伝導性を良好なものとすることが可能であ
り、請求項5に記載しているように、ゼオライトがゼオ
ライト3A,ゼオライト4A,Na−モルデナイトある
いはこれらのうちから選ばれる混合物であるものとする
ことによって、イオン伝導性をさらに良好なものとする
ことが可能であるという著大なる効果がもたらされる。
電子伝導体が有機物を加熱して炭素化した物質であるも
のとすることによって、有機物を加熱するだけの極く簡
単な処理によって電子伝導体を得ることが可能であると
いう著しく優れた効果がもたらされ、請求項3に記載し
ているように、イオン伝導体がゼオライトであるものと
することによって、含水系の微粒子を用いることによる
問題点を解消することが可能であり、請求項4に記載し
ているように、ゼオライトが8員環以下の大きさのイオ
ン伝導路をもつゼオライトであるものとすることによっ
て、イオン伝導性を良好なものとすることが可能であ
り、請求項5に記載しているように、ゼオライトがゼオ
ライト3A,ゼオライト4A,Na−モルデナイトある
いはこれらのうちから選ばれる混合物であるものとする
ことによって、イオン伝導性をさらに良好なものとする
ことが可能であるという著大なる効果がもたらされる。
【図1】図1(a)は実施例1の剪断応力の電場強度依
存性を示す説明図であり、図1(b)はその時の電流密
度を示す説明図である。
存性を示す説明図であり、図1(b)はその時の電流密
度を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C10N 10:02 10:06 20:00 Z 20:06 Z 40:14 (72)発明者 石 川 正 純 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 祢宜田 啓 史 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 電子伝導度が室温で10−10Scm
−1以上の電子伝導体と、イオン伝導度が室温で10
−10Scm−1以上のイオン伝導体を含む複合体微粒
子を分散質として分散媒中に含むことを特徴とする電気
粘性流体。 - 【請求項2】 電子伝導体が有機物を加熱して炭素化し
た物質である請求項1に記載の電気粘性流体。 - 【請求項3】 イオン伝導体がゼオライトである請求項
1に記載の電気粘性流体。 - 【請求項4】 ゼオライトが8員環以下の大きさのイオ
ン伝導路をもつゼオライトである請求項3に記載の電気
粘性流体。 - 【請求項5】 ゼオライトがゼオライト3A,ゼオライ
ト4A,Na−モルデナイトあるいはこれらのうちから
選ばれる混合物である請求項4に記載の電気粘性流体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26288794A JPH08120290A (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | 電気粘性流体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26288794A JPH08120290A (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | 電気粘性流体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08120290A true JPH08120290A (ja) | 1996-05-14 |
Family
ID=17382004
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26288794A Pending JPH08120290A (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | 電気粘性流体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08120290A (ja) |
-
1994
- 1994-10-26 JP JP26288794A patent/JPH08120290A/ja active Pending
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