JPH07157745A - 電気粘性流体 - Google Patents

電気粘性流体

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JPH07157745A
JPH07157745A JP5308296A JP30829693A JPH07157745A JP H07157745 A JPH07157745 A JP H07157745A JP 5308296 A JP5308296 A JP 5308296A JP 30829693 A JP30829693 A JP 30829693A JP H07157745 A JPH07157745 A JP H07157745A
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JP
Japan
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fine particles
electrorheological fluid
fluid
particles
metal salt
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Application number
JP5308296A
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English (en)
Inventor
Kazuo Yajima
島 和 男 矢
Koichi Nemoto
本 好 一 根
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の電気粘性流体に比べて同じ電界強度で
より大きなせん断応力を得ることができ、より大きな電
界強度を印加することができて著しく大きなせん断応力
を得ることが可能であって、その際に必要な電力も少な
くすみ、粘性の変化幅が大きいと共に、100℃程度の
高温環境下に置かれたときでも常温での性能とほとんど
変化がない高温特性に優れた電気粘性流体を提供する。 【構成】 電気絶縁性の媒質中に分散粒子として分極性
微粒子が分散している電気粘性流体において、分極性微
粒子が多孔質微粒子であると共に、多孔質微粒子の表面
に金属塩の超微粒子が担持されている電気粘性流体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧の印加により粘性
を制御できる電気粘性流体に関し、印加電圧に応じた粘
性変化を利用して、電圧の印加により粘性を制御するこ
とによって、伝達トルクを制御できるクラッチ、伝達特
性を制御できる防振部品あるいは油圧回路素子など、へ
の適用をなしうる電気粘性流体に関し、特に、100℃
以上での高温特性を改良した電気粘性流体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電気粘性流体(ERF)は、電気絶縁性
の油状媒質中に分極性の微粒子を分散させた懸濁液であ
り、電圧を印加すると、媒質中の分散微粒子が分極を生
ずることによって微粒子間に引力が働き、この結果とし
て、印加する電圧の大きさに応じて液体の粘性が変化す
る懸濁液である。そして、このような印加電圧に応じた
粘性変化を利用して、電圧の印加により粘性を制御する
ことによって、伝達トルクを制御できるクラッチ、伝達
特性を制御できる防振部品あるいは油圧回路素子など、
への適用をなしうるものとなる。
【0003】従来、電気粘性流体の媒質としては、シリ
コーン系オイル,塩化パラフィンなどのハロゲン化パラ
フィン,鉱油,塩化ジフェニル,セバチン酸ブチル,ト
ランスオイルなどが用いられている。
【0004】また、電気粘性流体の分散粒子としては、
少なくとも表面に水分を含む含水系の微粒子と、実質的
に水分を含まない非水系の微粒子が用いられている。
【0005】このうち、含水系の微粒子としては、シリ
カなどの無機微粒子あるいはイオン交換樹脂(例えば、
特開昭50−92278号)などの有機微粒子が用いら
れている。このような含水系の微粒子は、表面に吸着し
た水分が電圧の印加により分極する現象を利用する電気
粘性流体である。
【0006】また、非水系の微粒子としては、ポリアニ
リン,ポリ(アセン−キノン)などの有機半導体微粒子
(特開昭61−216202号)、金属などの導電性微
粒子の表面を電気絶縁性膜で被覆した複合体微粒子(特
開平1−164823号)が知られているが、これらは
微粒子そのものの分極を利用する電気粘性流体である。
【0007】そして、シリカを用いた電気粘性流体に代
表される含水系の電気粘性流体は、高価な有機半導体を
利用する電気粘性流体に比べて安価に得られ、また、導
電性微粒子の表面を絶縁膜で被覆する複合型電気粘性流
体に比べても、複合粒子の製造工程が複雑なために高価
なものとなる複合型電気粘性流体よりも含水系の電気粘
性流体の方が安価に得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
表面に水分を吸着させた分散粒子を利用する含水系電気
粘性流体においては、次のような問題点があった。
【0009】含水系電気粘性流体は、高温において水分
のイオン化傾向の増大により電流が急増すること、高電
圧印加時に電流が急激に増大すること、長時間高温にさ
らされた場合などにおいて、水分が気化すると電気粘性
効果を示さなくなること、などの問題点がある。これに
対し、吸着させる水分量を減じることによって、電流を
抑制することは可能であるが、粘性の変化の度合いも小
さくなるため、すなわち粘性の変化幅が小さくなるた
め、実用的ではない。そして、上記したように、長時間
高温にさらされた含水系の電気粘性流体は、微粒子表面
に吸着している水分が暫時蒸発するため、これに伴って
電気粘性効果も暫時減少していき、最終的にはすべての
物理吸着水がなくなるため電気粘性効果をまったく示さ
なくなるという問題点があり、このような問題点を解消
することが課題であった。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、従来の電気粘性流体に比べ
て同じ電界強度でより大きな誘起せん断応力を得ること
ができ、より大きな電界強度を印加することができるた
め著しく大きな誘起せん断応力を得ることが可能であっ
て、粘性の変化の度合すなわち粘性の変化幅が大きく、
実用に際して十分な粘性を有しているうえに、100℃
以上の高温に長時間さらされたままであっても常温での
性能とほとんど変化がない実用的な電気粘性流体を提供
することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、電気絶縁性の媒質中に分散粒子として
分極性微粒子が分散している電気粘性流体において、分
極性微粒子が多孔質微粒子であると共に、多孔質微粒子
の表面に金属塩の超微粒子が担持されているものとした
ことを特徴としている。
【0012】本発明に係わる電気粘性流体においては、
分極性微粒子が多孔質微粒子であると共に、多孔質微粒
子の表面に金属塩の超微粒子が担持されているものとし
ているが、ここで用いる多孔質微粒子、特に、セラミッ
ク系の多孔質微粒子は、その大きな比表面積により、表
面に容易に水分を吸着する。そこで、金属塩の水溶液に
多孔質微粒子を分散させた後、微粒子と金属塩の水溶液
を瀘別すると、微粒子表面に金属塩の水溶液が吸着した
多孔質微粒子が得られる。この金属塩の水溶液が吸着し
た多孔質微粒子を加熱乾燥すると、水分が蒸発して、金
属塩の超微粒子のみが多孔質微粒子の表面に残存して担
持される。
【0013】発明者は、この金属塩の超微粒子が水分を
容易に吸着し、一度吸着した水分は容易に除けないこと
に着目し、金属塩の超微粒子が担持された多孔質微粒子
の物性について鋭意研究を進めた結果、本発明に至った
ものである。
【0014】金属塩の超微粒子が担持された多孔質微粒
子は、表面に水分を吸着させた場合に、この水分は沸点
を超える温度になっても蒸発することがない。つまり、
このようにして得られた金属塩の超微粒子が担持された
多孔質微粒子を分散相として用いた電気粘性流体は、1
00℃程度の高温環境下であっても電気粘性効果が損な
われることはなく、さらに、電流の急激な増大もない。
【0015】電気粘性流体の分散粒子として利用するた
めの多孔質微粒子には、シリカ,チタン酸バリウム,チ
タニア,遷移−アルミナ等が利用できるが、その径は、
サブミクロンから数十ミクロンまでの粒径を持つ粉末が
利用できるが、分散性を考慮すると、数ミクロンの粒径
を有する多孔質微粒子が好ましい。また、多孔質微粒子
に担持される金属塩の超微粒子としては、塩化ニッケ
ル,硝酸ニッケル,塩化ナトリウム,塩化アルミニウ
ム,硝酸アルミニウム等が使用できる。しかし、これら
多孔質微粒子および金属塩の超微粒子は、ここに挙げた
種類のものに限定されるものではない。
【0016】電気粘性流体を調製する場合において、金
属塩の超微粒子を担持させる多孔質微粒子の濃度として
は、通常の電気粘性流体と同様に、体積分率で数%から
60%程度の濃度まで、適用部品に要求される粘性特性
に合わせて利用することができる。
【0017】電気絶縁性の分散媒としては、シリコーン
系オイル,塩化パラフィンなどのハロゲン化パラフィ
ン,鉱油,塩化ジフェニル,セバチン酸ブチル,トラン
スオイルなどの種々の流体を使用できるが、安定性や安
全性を考えると、シリコーン油を使用するのが好まし
い。また、ハロゲン化パラフィンなどの比重の比較的大
きな流体を用いると分散性が改善される。しかしなが
ら、今後の検討から、さらに優れた分散媒が開発された
場合には、それらが利用できるのはやぶさかではない。
【0018】このようにして、金属塩の超微粒子を担持
させた多孔質微粒子を分散質とする電気粘性流体の構成
とすることにより、安価でかつ低電流でしかも高温特性
に極めて優れる安定な電気粘性流体を得ることができ
る。
【0019】このため、今世紀半ばに電気粘性流体が発
見されて以来、40年以上が経過しているにもかかわら
ず実用化されていなかった電気粘性流体において、実際
に実用的な電気粘性流体を提供することができ、したが
って、クラッチ,油圧回路,防振装置などの適用範囲が
広く、工業的にも大きなメリットをもたらすものであ
る。
【0020】
【発明の作用】本発明に係わる電気粘性流体は、上述し
た構成としたものであるから、従来の電気粘性流体に比
べて同じ電界強度であってもより大きな誘起せん断応力
が得られることとなり、また、従来の電気粘性流体に比
べて電流が著しく小さいため、従来の電気粘性流体では
印加することができなかった高電圧領域まで電圧を印加
することができるので、従来よりもさらに大きな誘起せ
ん断応力が得られることとなり、粘性の変化幅が大きい
電気粘性流体となると共に、その際に必要な電力も少な
くて済むこととなり、また、100℃以上の高温に長時
間さらされたままであっても表面に吸着された水分は容
易に除去されないこととなるので、常温での性能とほと
んど変化がないものとなり、広い温度範囲にわたって安
定した性能を示すものとなる。
【0021】
【実施例】実施例 塩化ニッケル6水和物8.22gを蒸留水50gに溶解
して、塩化ニッケル水溶液とし、この水溶液に乾燥済み
のγ−アルミナ微粒子(CONDEA社製SBa−20
0)を混入し、十分に攪拌を行った後、固体部を瀘別し
た。次いで、瀘別した固体を乾燥した後、500℃で2
時間焼成し、焼成して得られた粉末を十分に乾燥したシ
リコーン油(動粘度;10センチストークス)に33重
量%分散させて、電気粘性流体を調製した。
【0022】次に、この電気粘性流体に対し電圧を印加
できるように改良した回転粘度計を用いて、この電気粘
性流体に電圧を印加した場合において、25℃と120
℃で24時間放置した後の120℃におけるせん断応力
の電界強度依存性および電流密度の電界強度依存性につ
いて測定した。
【0023】比較例1 水沢化学製シリカ微粒子を減圧下において80℃で24
時間乾燥した後、6重量%の水分を微粒子表面に均一に
吸着させ、その後、十分に乾燥したシリコーン油(動粘
度;10センチストークス)に20重量%分散させて、
電気粘性流体を調製した。次に、この電気粘性流体につ
いて実施例と同様に25℃と120℃で24時間放置し
た後の120℃におけるせん断応力の電界強度依存性お
よび電流密度の電界強度依存性について測定した。
【0024】比較例2 実施例で用いたγ−アルミナに3重量%の水分を吸着さ
せ、これを分散相として実施例と同様に電気粘性流体を
調製した。次に、この電気粘性流体について実施例と同
様に25℃と120℃で24時間放置した後の120℃
におけるせん断応力の電界強度依存性および電流密度の
電界強度依存性について測定した。
【0025】測定結果1 図1は実施例と比較例1,2の電気粘性流体について粘
性特性である発生したせん断応力(縦軸)の印加した電
界強度(横軸)依存性を示すグラフである。いずれの電
気粘性流体においても電界強度を大きくしていくにした
がってせん断応力は大きくなるが、実施例では25℃と
120℃でも剪断応力に大きな変化はなく、比較例1,
2を上回るせん断応力の値を示している。一方、比較例
1,2では、120℃において電気粘性効果をまったく
示さなかった。
【0026】測定結果2 図2は実施例と比較例1,2の電気粘性流体について電
流密度(縦軸)の電界強度(横軸)依存性を示したグラ
フである。実施例では、25℃と120℃のいずれの温
度でも電流密度が急激に上昇することはなく、電界強度
4kV/mmにおいても電流密度2.5μA/cm
度とごく小さな値を示しているにすぎない。
【0027】一方、比較例1では25℃においても電界
強度が大きくなるにしたがい急激な電流密度の増大がみ
られ、電界強度2kV/mmにおいて電流密度20μA
/cm近くまで達してしまう。また、120℃では、
電流がまったく流れず電気粘性効果もまったく発現しな
い。また、比較例2では25℃において4kV/mmの
電界強度印加において電流密度1.5μA/cmと極
めて小さい電流密度を示しているが、比較例1と同様に
120℃では電流も流れず電気粘性効果も発現しなくな
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係わ
る電気粘性流体においては、電気粘性流体の分散質とし
て金属塩の超微粒子を担持させた多孔質微粒子を用いる
こととしていることにより、従来の電気粘性流体に比べ
て同じ電界強度であってもより大きな誘起せん断応力を
得ることができ、また、従来の電気粘性流体に比べて電
流が著しく小さいため、従来の電気粘性流体では印加す
ることができなかった高電圧領域まで電圧を印加するこ
とができるので、従来よりもさらに大きな誘起せん断応
力を得ることが可能であり、粘度の変化幅が大きい電気
粘性流体となると共に、その際に必要な電力も小さくて
すむ。また、100℃以上の高温に長時間さらされたま
まであっても常温での性能とほとんど変化がなく、広い
温度範囲にわたって安定した性能を示す。したがって、
クラッチ,油圧回路,防振装置など大きなせん断応力が
必要でかつまた高温となる装置に対しても適用範囲が広
がり、工業的に大きなメリットをもたらすものであると
いう著しく優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例1,2の電気粘性
流体について、25℃と120℃とにおける電界強度に
よるせん断応力への影響を調べた結果を示すグラフであ
る。
【図2】本発明の実施例および比較例1,2の電気粘性
流体について、25℃と120℃とにおける電界強度の
電流密度への影響を調べた結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:04 40:06 40:14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性の媒質中に分散粒子として分
    極性微粒子が分散している電気粘性流体において、分極
    性微粒子が多孔質微粒子であると共に、多孔質微粒子の
    表面に金属塩の超微粒子が担持されていることを特徴と
    する電気粘性流体。
JP5308296A 1993-12-08 1993-12-08 電気粘性流体 Pending JPH07157745A (ja)

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JP5308296A JPH07157745A (ja) 1993-12-08 1993-12-08 電気粘性流体

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