JPH07157745A - 電気粘性流体 - Google Patents
電気粘性流体Info
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- JPH07157745A JPH07157745A JP5308296A JP30829693A JPH07157745A JP H07157745 A JPH07157745 A JP H07157745A JP 5308296 A JP5308296 A JP 5308296A JP 30829693 A JP30829693 A JP 30829693A JP H07157745 A JPH07157745 A JP H07157745A
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Abstract
より大きなせん断応力を得ることができ、より大きな電
界強度を印加することができて著しく大きなせん断応力
を得ることが可能であって、その際に必要な電力も少な
くすみ、粘性の変化幅が大きいと共に、100℃程度の
高温環境下に置かれたときでも常温での性能とほとんど
変化がない高温特性に優れた電気粘性流体を提供する。 【構成】 電気絶縁性の媒質中に分散粒子として分極性
微粒子が分散している電気粘性流体において、分極性微
粒子が多孔質微粒子であると共に、多孔質微粒子の表面
に金属塩の超微粒子が担持されている電気粘性流体。
Description
を制御できる電気粘性流体に関し、印加電圧に応じた粘
性変化を利用して、電圧の印加により粘性を制御するこ
とによって、伝達トルクを制御できるクラッチ、伝達特
性を制御できる防振部品あるいは油圧回路素子など、へ
の適用をなしうる電気粘性流体に関し、特に、100℃
以上での高温特性を改良した電気粘性流体に関するもの
である。
の油状媒質中に分極性の微粒子を分散させた懸濁液であ
り、電圧を印加すると、媒質中の分散微粒子が分極を生
ずることによって微粒子間に引力が働き、この結果とし
て、印加する電圧の大きさに応じて液体の粘性が変化す
る懸濁液である。そして、このような印加電圧に応じた
粘性変化を利用して、電圧の印加により粘性を制御する
ことによって、伝達トルクを制御できるクラッチ、伝達
特性を制御できる防振部品あるいは油圧回路素子など、
への適用をなしうるものとなる。
コーン系オイル,塩化パラフィンなどのハロゲン化パラ
フィン,鉱油,塩化ジフェニル,セバチン酸ブチル,ト
ランスオイルなどが用いられている。
少なくとも表面に水分を含む含水系の微粒子と、実質的
に水分を含まない非水系の微粒子が用いられている。
カなどの無機微粒子あるいはイオン交換樹脂(例えば、
特開昭50−92278号)などの有機微粒子が用いら
れている。このような含水系の微粒子は、表面に吸着し
た水分が電圧の印加により分極する現象を利用する電気
粘性流体である。
リン,ポリ(アセン−キノン)などの有機半導体微粒子
(特開昭61−216202号)、金属などの導電性微
粒子の表面を電気絶縁性膜で被覆した複合体微粒子(特
開平1−164823号)が知られているが、これらは
微粒子そのものの分極を利用する電気粘性流体である。
表される含水系の電気粘性流体は、高価な有機半導体を
利用する電気粘性流体に比べて安価に得られ、また、導
電性微粒子の表面を絶縁膜で被覆する複合型電気粘性流
体に比べても、複合粒子の製造工程が複雑なために高価
なものとなる複合型電気粘性流体よりも含水系の電気粘
性流体の方が安価に得られる。
表面に水分を吸着させた分散粒子を利用する含水系電気
粘性流体においては、次のような問題点があった。
のイオン化傾向の増大により電流が急増すること、高電
圧印加時に電流が急激に増大すること、長時間高温にさ
らされた場合などにおいて、水分が気化すると電気粘性
効果を示さなくなること、などの問題点がある。これに
対し、吸着させる水分量を減じることによって、電流を
抑制することは可能であるが、粘性の変化の度合いも小
さくなるため、すなわち粘性の変化幅が小さくなるた
め、実用的ではない。そして、上記したように、長時間
高温にさらされた含水系の電気粘性流体は、微粒子表面
に吸着している水分が暫時蒸発するため、これに伴って
電気粘性効果も暫時減少していき、最終的にはすべての
物理吸着水がなくなるため電気粘性効果をまったく示さ
なくなるという問題点があり、このような問題点を解消
することが課題であった。
みてなされたものであって、従来の電気粘性流体に比べ
て同じ電界強度でより大きな誘起せん断応力を得ること
ができ、より大きな電界強度を印加することができるた
め著しく大きな誘起せん断応力を得ることが可能であっ
て、粘性の変化の度合すなわち粘性の変化幅が大きく、
実用に際して十分な粘性を有しているうえに、100℃
以上の高温に長時間さらされたままであっても常温での
性能とほとんど変化がない実用的な電気粘性流体を提供
することを目的としている。
め、本発明では、電気絶縁性の媒質中に分散粒子として
分極性微粒子が分散している電気粘性流体において、分
極性微粒子が多孔質微粒子であると共に、多孔質微粒子
の表面に金属塩の超微粒子が担持されているものとした
ことを特徴としている。
分極性微粒子が多孔質微粒子であると共に、多孔質微粒
子の表面に金属塩の超微粒子が担持されているものとし
ているが、ここで用いる多孔質微粒子、特に、セラミッ
ク系の多孔質微粒子は、その大きな比表面積により、表
面に容易に水分を吸着する。そこで、金属塩の水溶液に
多孔質微粒子を分散させた後、微粒子と金属塩の水溶液
を瀘別すると、微粒子表面に金属塩の水溶液が吸着した
多孔質微粒子が得られる。この金属塩の水溶液が吸着し
た多孔質微粒子を加熱乾燥すると、水分が蒸発して、金
属塩の超微粒子のみが多孔質微粒子の表面に残存して担
持される。
容易に吸着し、一度吸着した水分は容易に除けないこと
に着目し、金属塩の超微粒子が担持された多孔質微粒子
の物性について鋭意研究を進めた結果、本発明に至った
ものである。
子は、表面に水分を吸着させた場合に、この水分は沸点
を超える温度になっても蒸発することがない。つまり、
このようにして得られた金属塩の超微粒子が担持された
多孔質微粒子を分散相として用いた電気粘性流体は、1
00℃程度の高温環境下であっても電気粘性効果が損な
われることはなく、さらに、電流の急激な増大もない。
めの多孔質微粒子には、シリカ,チタン酸バリウム,チ
タニア,遷移−アルミナ等が利用できるが、その径は、
サブミクロンから数十ミクロンまでの粒径を持つ粉末が
利用できるが、分散性を考慮すると、数ミクロンの粒径
を有する多孔質微粒子が好ましい。また、多孔質微粒子
に担持される金属塩の超微粒子としては、塩化ニッケ
ル,硝酸ニッケル,塩化ナトリウム,塩化アルミニウ
ム,硝酸アルミニウム等が使用できる。しかし、これら
多孔質微粒子および金属塩の超微粒子は、ここに挙げた
種類のものに限定されるものではない。
属塩の超微粒子を担持させる多孔質微粒子の濃度として
は、通常の電気粘性流体と同様に、体積分率で数%から
60%程度の濃度まで、適用部品に要求される粘性特性
に合わせて利用することができる。
系オイル,塩化パラフィンなどのハロゲン化パラフィ
ン,鉱油,塩化ジフェニル,セバチン酸ブチル,トラン
スオイルなどの種々の流体を使用できるが、安定性や安
全性を考えると、シリコーン油を使用するのが好まし
い。また、ハロゲン化パラフィンなどの比重の比較的大
きな流体を用いると分散性が改善される。しかしなが
ら、今後の検討から、さらに優れた分散媒が開発された
場合には、それらが利用できるのはやぶさかではない。
させた多孔質微粒子を分散質とする電気粘性流体の構成
とすることにより、安価でかつ低電流でしかも高温特性
に極めて優れる安定な電気粘性流体を得ることができ
る。
見されて以来、40年以上が経過しているにもかかわら
ず実用化されていなかった電気粘性流体において、実際
に実用的な電気粘性流体を提供することができ、したが
って、クラッチ,油圧回路,防振装置などの適用範囲が
広く、工業的にも大きなメリットをもたらすものであ
る。
た構成としたものであるから、従来の電気粘性流体に比
べて同じ電界強度であってもより大きな誘起せん断応力
が得られることとなり、また、従来の電気粘性流体に比
べて電流が著しく小さいため、従来の電気粘性流体では
印加することができなかった高電圧領域まで電圧を印加
することができるので、従来よりもさらに大きな誘起せ
ん断応力が得られることとなり、粘性の変化幅が大きい
電気粘性流体となると共に、その際に必要な電力も少な
くて済むこととなり、また、100℃以上の高温に長時
間さらされたままであっても表面に吸着された水分は容
易に除去されないこととなるので、常温での性能とほと
んど変化がないものとなり、広い温度範囲にわたって安
定した性能を示すものとなる。
して、塩化ニッケル水溶液とし、この水溶液に乾燥済み
のγ−アルミナ微粒子(CONDEA社製SBa−20
0)を混入し、十分に攪拌を行った後、固体部を瀘別し
た。次いで、瀘別した固体を乾燥した後、500℃で2
時間焼成し、焼成して得られた粉末を十分に乾燥したシ
リコーン油(動粘度;10センチストークス)に33重
量%分散させて、電気粘性流体を調製した。
できるように改良した回転粘度計を用いて、この電気粘
性流体に電圧を印加した場合において、25℃と120
℃で24時間放置した後の120℃におけるせん断応力
の電界強度依存性および電流密度の電界強度依存性につ
いて測定した。
時間乾燥した後、6重量%の水分を微粒子表面に均一に
吸着させ、その後、十分に乾燥したシリコーン油(動粘
度;10センチストークス)に20重量%分散させて、
電気粘性流体を調製した。次に、この電気粘性流体につ
いて実施例と同様に25℃と120℃で24時間放置し
た後の120℃におけるせん断応力の電界強度依存性お
よび電流密度の電界強度依存性について測定した。
せ、これを分散相として実施例と同様に電気粘性流体を
調製した。次に、この電気粘性流体について実施例と同
様に25℃と120℃で24時間放置した後の120℃
におけるせん断応力の電界強度依存性および電流密度の
電界強度依存性について測定した。
性特性である発生したせん断応力(縦軸)の印加した電
界強度(横軸)依存性を示すグラフである。いずれの電
気粘性流体においても電界強度を大きくしていくにした
がってせん断応力は大きくなるが、実施例では25℃と
120℃でも剪断応力に大きな変化はなく、比較例1,
2を上回るせん断応力の値を示している。一方、比較例
1,2では、120℃において電気粘性効果をまったく
示さなかった。
流密度(縦軸)の電界強度(横軸)依存性を示したグラ
フである。実施例では、25℃と120℃のいずれの温
度でも電流密度が急激に上昇することはなく、電界強度
4kV/mmにおいても電流密度2.5μA/cm2程
度とごく小さな値を示しているにすぎない。
強度が大きくなるにしたがい急激な電流密度の増大がみ
られ、電界強度2kV/mmにおいて電流密度20μA
/cm2近くまで達してしまう。また、120℃では、
電流がまったく流れず電気粘性効果もまったく発現しな
い。また、比較例2では25℃において4kV/mmの
電界強度印加において電流密度1.5μA/cm2と極
めて小さい電流密度を示しているが、比較例1と同様に
120℃では電流も流れず電気粘性効果も発現しなくな
る。
る電気粘性流体においては、電気粘性流体の分散質とし
て金属塩の超微粒子を担持させた多孔質微粒子を用いる
こととしていることにより、従来の電気粘性流体に比べ
て同じ電界強度であってもより大きな誘起せん断応力を
得ることができ、また、従来の電気粘性流体に比べて電
流が著しく小さいため、従来の電気粘性流体では印加す
ることができなかった高電圧領域まで電圧を印加するこ
とができるので、従来よりもさらに大きな誘起せん断応
力を得ることが可能であり、粘度の変化幅が大きい電気
粘性流体となると共に、その際に必要な電力も小さくて
すむ。また、100℃以上の高温に長時間さらされたま
まであっても常温での性能とほとんど変化がなく、広い
温度範囲にわたって安定した性能を示す。したがって、
クラッチ,油圧回路,防振装置など大きなせん断応力が
必要でかつまた高温となる装置に対しても適用範囲が広
がり、工業的に大きなメリットをもたらすものであると
いう著しく優れた効果が得られる。
流体について、25℃と120℃とにおける電界強度に
よるせん断応力への影響を調べた結果を示すグラフであ
る。
流体について、25℃と120℃とにおける電界強度の
電流密度への影響を調べた結果を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 電気絶縁性の媒質中に分散粒子として分
極性微粒子が分散している電気粘性流体において、分極
性微粒子が多孔質微粒子であると共に、多孔質微粒子の
表面に金属塩の超微粒子が担持されていることを特徴と
する電気粘性流体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5308296A JPH07157745A (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 電気粘性流体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5308296A JPH07157745A (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 電気粘性流体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07157745A true JPH07157745A (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=17979338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5308296A Pending JPH07157745A (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 電気粘性流体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07157745A (ja) |
-
1993
- 1993-12-08 JP JP5308296A patent/JPH07157745A/ja active Pending
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A521 | Written amendment |
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