JPH08119934A - プロスタグランジン類およびその製造法 - Google Patents

プロスタグランジン類およびその製造法

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JPH08119934A
JPH08119934A JP25667194A JP25667194A JPH08119934A JP H08119934 A JPH08119934 A JP H08119934A JP 25667194 A JP25667194 A JP 25667194A JP 25667194 A JP25667194 A JP 25667194A JP H08119934 A JPH08119934 A JP H08119934A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 モノサイト遊走因子MCP−1/MCAF等
のケモカインによる細胞遊走を阻害し、動脈硬化症、糖
尿病性血管障害等の治療薬となり得る物質を得る。 【構成】 一般式I、例えば式9のプロスタグランジン
類、その鏡像体またはそれらの混合物、ならびにそれら
の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞遊走阻害活性を有
し、医薬品として有用な新規プロスタグランジンE
1 類、およびそれらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジン類は、血小板凝集抑
制作用、血管拡張性血圧降下作用、胃酸分泌抑制作用、
平滑筋収縮作用、細胞保護作用,利尿作用等多彩な生理
作用を有しており、心筋梗塞、狭心症、動脈硬化、高血
圧症、十二指腸潰瘍、分娩誘発、中絶等の治療または予
防に有用な化合物である。なかでもプロスタグランジン
1 は強力な血小板凝集抑制作用、血管拡張作用を有し
ており、すでに臨床において用いられている。
【0003】また、7−チアプロスタグランジンE1
は血小板凝集阻害作用、降圧作用、血管拡張作用による
抗血栓、抗狭心症、抗心筋梗塞、抗動脈硬化、悪性腫瘍
転移防止作用を示したり、抗腫瘍作用を示すことが開示
されている。(特開昭53−68753、特開昭58−
110562、特開昭59−29661、特開昭60−
185761、特開昭61−204163号公報)。ま
た、この7−チアプロスタグランジンE1 類が糖尿病に
おける神経症に有用性を示すことが知られている(特開
昭64−52721号)。
【0004】一方、プロスタグランジンE1 類縁体とし
てプロスタグランジンE1 のエノールエステル類が知ら
れている(特開平5−213862、米国特許4363
817号)が、高温になる製剤の際や酸・アルカリ条件
下での安定性の向上や、プロスタグランジンE1 と同等
の生理活性がプロスタグランジンE1 より持続させるこ
とが期待されることが示されているにすぎない。
【0005】本発明のエノールエーテル構造を有するプ
ロスタグランジン類は新規な化合物である。(米国特許
4363817号の実施例の構造式の中に、エノールエ
ーテルの構造を有する化合物が記載されているようにも
みえるが、実施例中の化合物名および反応に対応してい
ない。そのため、単にカルボニル酸素を書き忘れたもの
で、直接的な先行技術にあたらないと判断できる。)さ
らに、上記2つのエノールエステル構造を有するプロス
タグランジン類についての特許(特開平5−21386
2、米国特許4363817号)等にも、以下に述べる
生理活性については何ら示唆するところはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ケモカイン、例えばモノサイト遊走因子M
CP−1/MCAFにより惹起される細胞遊走を阻害
し、動脈硬化症、糖尿病性血管障害等の治療薬として有
用な、新規のプロスタグランジンE1 誘導体を提供する
ことである。
【0007】ここでケモカイン(CHEMOKINE
S;別称INTERCRINES)とは、リンパ組織や
炎症部位の活性化マクロファージや白血球などにより産
生され、分子量が約10Kdで、4個のシステインを有
し、塩基性かつヘパリン結合性を示す、ポリペプチド性
の炎症/免疫制御因子の総称であるが、その主たる活性
は細胞遊走惹起活性であり、インターロイキン─8、M
IP─1α/β(Macrophage Inflammatory Protein-1α
/βの略称)、MCP−1(Monocyte Chemotactic Pro
tein-1の略称)などがこれにあたり、種々の慢性/亜急
性炎症疾患への関与が示唆されている一群のサイトカイ
ン・ファミリーである(例えば、MICHIEL,D. (1993年)
BIOTECHNOLOGY 第11巻 739 頁、OPPENHEIM, J.J. ら
(1991年)ANNUAL REVIEW OF IMMUNOLOGY 第9巻 617
〜648 頁、NEOTE, K. ら(1993年)CELL第72巻 415 〜
425 頁、SCHALL, T.J.(1991年)CYTOKINE第3巻 165〜
183頁など参照)。
【0008】これらの中で、モノサイト遊走因子MCP
−1(別称MCAF(MACROPHAGE CHEMOTACTIC AND ACTI
VATING FACTOR の略称))は、Tリンパ球、マクロファー
ジ、平滑筋細胞、繊維芽細胞、血管内皮細胞などより種
々の刺激に応じ産生される、モノサイト遊走活性を有す
るケモカインである。かかるケモカインは、モノサイト
/マクロファージ系細胞が病変の進展に深く関与してい
る、血管形成術等における血管内膜傷害後に発生する血
管再狭窄あるいは血管再閉塞、冠状動脈あるいは頚部大
動脈等での粥状動脈硬化巣形成を主因とする血管狭窄あ
るいは血管閉塞、移植心に発症する動脈硬化症、移植臓
器の拒絶、リウマチ性関節炎、糸球体腎炎、糖尿病性細
小血管症等の疾病において、病変部位への血中モノサイ
ト/マクロファージの集積を惹起し、さらに集積したモ
ノサイト/マクロファージを活性化することにより、こ
れらの病変の発症・進展に深く関わっていることが強く
示唆されている(例えば、LEONARD, E.J. 及び YOSHIMU
RA, T. (1990) IMMUNOLOGYTODAY第11巻97頁〜10
1頁、NELKEN, N.A.ら、THE JOURNAL OF CLINICALINVES
TIGATION (1991)第88巻1121頁〜1127頁、KOC
H, A.E.ら、THE JOUNAL OF CLINICAL INVESTIGATION (1
992) 第90巻772頁〜779頁、HANAZAWA, S ら (1
993) THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY 第268
巻9526頁〜9532頁、GRAVES, D.T.ら AMERICAN
JOURNAL OF PATHOLOGY (1992) 第140巻9頁〜14
頁、EDGINGTON, S.M. 、BIO/TECHNOLOGY (1993) 第11巻
676 〜681 頁、ADAMS, D.H. ら IMMUNOLOGICAL REVIEWS
(1993) 第134 号 5〜19頁などを参照)。かかるMC
P−1/MCAFにより惹起される細胞遊走を阻害する
薬剤は、血管形成術等における血管内膜傷害後に発生す
る血管再狭窄あるいは血管再閉塞、冠状動脈あるいは頚
部大動脈等での粥状動脈硬化巣形成を主因とする血管狭
窄あるいは血管閉塞、移植心臓に発症する動脈硬化、糖
尿病性血管障害、糸球体腎炎、関節リウマチ、変形性関
節炎あるいは移植臓器拒絶反応等の治療薬及び/または
予防薬として有用であることが期待される。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ケモカイ
ンにより惹起される細胞遊走を阻害する新規のプロスタ
グランジンE1 類を合成して研究した結果、特定構造の
プロスタグランジンE 1 類が、ケモカイン、例えばモノ
サイト遊走因子MCP−1/MCAFにより惹起される
細胞遊走の強力な阻害剤であることを見い出し、本発明
に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、下記式(I)
【0011】
【化4】
【0012】[式中、Xは硫黄原子またはメチレン基を
表す。R1 はC1〜C5の直鎖状もしくは分岐したアル
キル基を表す。R2 は水素原子、C1〜C10の直鎖状
もしくは分岐したアルキル基、C1〜C10の直鎖状も
しく分岐したアルケニル基、置換もしくは非置換のフェ
ニル基、置換もしくは非置換のC3〜C10のシクロア
ルキル基、置換もしくは非置換のフェニル(C1〜C
2)アルキル基、または一当量のカチオンを表す。
3 、R4 は同一もしくは異なり、水素原子、トリ(C
1〜C7炭化水素)シリル基、または水酸基の酸素原子
とともにアセタール結合を形成する基を表す。R5 は水
素原子、メチル基、またはビニル基を表す。R6はC3
〜C8の直鎖状もしくは分岐したアルキル基、アルケニ
ル基、またはアルキニル基;置換もしくは非置換のフェ
ニル基;置換もしくは非置換のC3〜C10のシクロア
ルキル基;C1〜C5のアルコキシ基や、置換もしくは
非置換のフェニル基や、フェノキシ基や、C3〜C10
のシクロアルキル基で置換されている直鎖状もしくは分
岐したC1〜C5のアルキル基を表す。nは0または1
を表す。表記−−は単結合または二重結合を表す。]で
表されるプロスタグランジン類である。
【0013】上記式(I)で表されるプロスタグランジ
ン類において、R1 はC1〜C5の直鎖状もしくは分岐
したアルキル基を表すが、C1〜C5の直鎖状もしくは
分岐したアルキル基の好ましい例としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、sec −ブチル基、tert−ブチル基、ペンチ
ル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げら
る。これらのなかでも、メチル基およびエチル基である
ものが特に好ましい。
【0014】上記式(I)で表されるプロスタグランジ
ン類において、R2 は水素原子、C1〜C10の直鎖状
もしくは分岐したアルキル基、C1〜C10の直鎖状も
しくは分岐したアルケニル基、置換もしくは非置換のフ
ェニル基、置換もしくは非置換のC3〜C10のシクロ
アルキル基、置換もしくは非置換のフェニル(C1〜C
2)アルキル基、または一当量のカチオンを表すが、C
1〜C10の直鎖状もしく分岐したアルキル基の好まし
い例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec −ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネ
オペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、
ノニル基、デシル基などが挙げられ、C1〜C10の直
鎖状もしくは分岐したアルケニル基の好ましい例として
は、ビニル基、アリル基,3−ブテニル基、2−ブテニ
ル基、4−ペンテニル基、2−ペンテニル基、プレニル
基(3−メチル−2−ブテニル基)、2,4−ヘキサジ
エニル基、2,6−オクタジエニル基、ネリル基、ゲラ
ニル基、シトロネリル基、ファルネシル基、アラキジル
基などが挙げられる。置換もしくは非置換のフェニル基
の置換基の好ましい例としては、ハロゲン原子、ヒドロ
キシル基、C2〜C7のアシルオキシ基、ハロゲン原子
で置換されていてもよいC1〜C4のアルキル基、ハロ
ゲン原子で置換されていてもよいC1〜C4のアルコキ
シ基、ニトリル基、カルボキシル基、(C1〜C6)ア
ルコキシカルボニル基などが挙げられる。置換もしくは
非置換のC3〜C10のシクロアルキル基の好ましい例
としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基、シクロデキシル基などが挙げら
れる。置換もしくは非置換のフェニル(C1〜C2)ア
ルキル基の好ましい例としては、該フェニル基が上記し
たと同じ置換基で置換されているか、または非置換のベ
ンジル基、α−フェネチル基、β−フェネチル基などが
挙げられる。一当量のカチオンの好ましい例としては、
NH4 +、テトラメチルアンモニウム、モノメチルアンモ
ニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウ
ム、ベンジルアンモニウム、フェネチルアンモニウム、
モルホリニウムカチオン、モノエタノールアンモニウ
ム、ピペリジニウムカチオンなどのアンモニウムカチオ
ン;Na+ 、K+ などのアルカリ金属カチオン;1/2 C
2+、1/2 Mg2+、1/2 Zn2+、1/3 Al3+などの2価
もしくは3価の金属カチオン等を挙げることができる。
これらのなかでもR2としては水素原子、C1〜C10
の直鎖状もしくは分岐したアルキル基、C1〜C10の
直鎖状もしく分岐したアルケニル基が好ましく、メチル
基であるものが特に好ましい。
【0015】上記式(I)で表されるプロスタグランジ
ン類において、R3 ,R4 は同一もしくは異なり、水素
原子、トリ(C1〜C7炭化水素)シリル基、または水
酸基の酸素原子とともにアセタール結合を形成する基を
表す。かかるトリ(C1〜C7炭化水素)シリル基の好
ましい例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシ
リル基、tert−ブチルジメチルシリル基の如きトリ(C
1〜C4アルキル)シリル基、tert−ブチルジフェニル
シリル基の如きジフェニル(C1〜C4)アルキルシリ
ル基またはトリベンジルシリル基などが挙げられ、水酸
基の酸素原子とともにアセタール結合を形成する基の好
ましい例としては、メトキシメチル基、1−エトキシエ
チル基、2−メトキシ−2−プロピル基、2−エトキシ
−2−プロピル基、(2−メトキシエトキシ)メチル
基、ベンジルオキシメチル基、2−テトラヒドロピラニ
ル基、2−テトラヒドロフラニル基、6,6−ジメチル
−3−オキサ−2−オキソビシクロ [3.1.0] ヘキ
ス−4−イル基などが挙げられる。これらのなかでも、
3 、R4 としては水素原子、トリメチルシリル基、te
rt−ブチルジメチルシリル基が特に好ましい。
【0016】上記式(I)で表されるプロスタグランジ
ン類において、R5 は水素原子、メチル基、またはビニ
ル基を表すが、なかでも水素原子またはメチル基が好ま
しい。
【0017】上記式(I)で表される7−チアプロスタ
グランジン類において、R6 はC3〜C8の直鎖状もし
くは分岐したアルキル基、アルケニル基、またはアルキ
ニル基;置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしく
は非置換のC3〜C10のシクロアルキル基;またはC
1〜C5のアルコキシ基や、置換もしくは非置換のフェ
ニル基や、フェノキシ基や、C3〜C10のシクロアル
キル基で置換されている直鎖状もしくは分岐したC1〜
C5のアルキル基を表す。かかるC3〜C8の直鎖状も
しくは分岐したアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基の好ましい例としては、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、1−メ
チル−1−ブチル基、2−メチルヘキシル基、2−ヘキ
シル基、1,1−ジメチルペンチル基、アリル基,3−
ブテニル基、2−ブテニル基、4−ペンテニル基、2−
ペンテニル基、3−ヘキシニル基、1−メチル−3−ヘ
キシニル基が挙げられ、置換もしくは非置換のフェニル
基の置換基としてはR2 における置換フェニル基の置換
基として挙げた置換基を好ましいものとして挙げること
ができる。また、置換または非置換のC3〜C7シクロ
アルキル基の好ましい例としては、シクロプロピル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニ
ル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデ
シル基などが挙げられる。C1〜C5のアルコキシ基
や、置換もしくは非置換のフェニル基や、フェノキシ基
や、C3〜C10のシクロアルキル基で置換されている
直鎖状もしくは分岐したC1〜C5のアルキル基におい
て、C1〜C5のアルコキシ基としては、例えばメトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、
ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基など
が挙げられ、置換されていてもよいフェニル基、フェノ
キシ基の置換基としては、前記R2 におけるフェニル基
についての置換基をそのまま好ましいものとして挙げら
れる。C3〜C10のシクロアルキル基としても前記R
2におけるものをそのまま好ましいものとして挙げられ
る。直鎖状もしくは分岐したC1〜C5のアルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso −プロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、sec −ブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基などを挙げることができ、置
換基はそのいずれの位置に結合していてもよい。これら
の中でも、R6 としては、C3〜C8の直鎖状もしくは
分岐したアルキル基、置換もしくは非置換のC3〜C1
0のシクロアルキル基、置換もしくは非置換のフェニル
基で置換されている直鎖状もしくは分岐したC1〜C5
のアルキル基が好ましく、ペンチル基と2−メチルヘキ
シル基が特に好ましい。
【0018】また、上記式(I)で表される化合物にお
いてシクロペンテン環上に結合している置換基について
の立体配置は天然のプロスタグランジンE1 から導かれ
る立体配置を有しているために特に有用な立体異性体で
あるが、本発明ではその鏡像体である下記式(I)ent
【0019】
【化5】
【0020】[式中、X、R1 、R2 、R3 、R4 、R
5 、R6 、n、および表示−−は前記定義と同じであ
る。]で表される立体異性体、あるいはそれらの任意の
割合の混合物をも含むものである。またOR4 、R5
よびR6 が置換している炭素は不斉炭素であるために、
この炭素原子について2種類の光学異性体が存在する
が、いずれの光学異性体でもあるいはそれらの任意の割
合の混合物をも含むものである。
【0021】本発明の上記(I)で示されるプロスタグ
ランジン類の好ましい具体例としては、下記に示した化
合物を挙げることができる。 01) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシプロスタ−8,13−ジエン酸 02) (11R,13E,15S)−9−エトキシ−1
1,15−ジヒドロキシプロスタ−8,13−ジエン酸 03) (11R,13E,15S,17R)−9−メトキ
シ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチル
プロスタ−8,13−ジエン酸 04) (11R,13E,15S,17R)−9−エトキ
シ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチル
プロスタ−8,13−ジエン酸 05) (11R,13E,15S,17S)−9−メトキ
シ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチル
プロスタ−8,13−ジエン酸 06) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−15−メチルプロスタ−8,
13−ジエン酸 07) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−15−シクロペンチル−1
6,17,18,19,20−ペンタノルプロスタ−
8,13−ジエン酸 08) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−15−シクロヘキシル−1
6,17,18,19,20−ペンタノルプロスタ−
8,13−ジエン酸 09) (11R,13E,15R)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−15−シクロヘキシル−1
6,17,18,19,20−ペンタノルプロスタ−
8,13−ジエン酸 10) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−16−フェニル−17,1
8,19,20−テトラノルプロスタ−8,13−ジエ
ン酸 11) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−16−フェニル−18,1
9,20−トリノルプロスタ−8,13−ジエン酸 12) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−16−シクロへキシル−1
7,18,19,20−テトラノルプロスタ−8,13
−ジエン酸 13) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−16−フェノキシ−17,1
8,19,20−テトラノルチアプロスタ−8,13−
ジエン酸 14) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−18−オキサプロスタ−8,
13−ジエン酸 15) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−16,16−ジメチルプロス
タ−8,13−ジエン酸 16) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシプロスタ−8,13−ジエン−
18−イン酸 17) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−16,20−ジメチルプロス
タ−8,13−ジエン−18−イン酸 18) (11R,13E,16S)−9−メトキシ−1
1,16−ジヒドロキシプロスタ−8,13−ジエン酸 19) (11R,13E,16S)−9−メトキシ−1
1,16−ジヒドロキシ−16−メチルプロスタ−8,
13−ジエン酸 20) (2E,11R,13E,15S)−9−メトキシ
−11,15−ジヒドロキシプロスタ−2,8,13−
トリエン酸 21) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−7−チアプロスタ−8,13
−ジエン酸 22) (11R,13E,15S)−9−エトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−7−チアプロスタ−8,13
−ジエン酸 23) (11R,13E,15S,17R)−9−メトキ
シ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチル
−7−チアプロスタ−8,13−ジエン酸 24) (11R,13E,15S,17R)−9−エトキ
シ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチル
−7−チアプロスタ−8,13−ジエン酸
【0022】25) (11R,13E,15S,17S)
−9−メトキシ−11,15−ジヒドロキシ−17,2
0−ジメチル−7−チアプロスタ−8,13−ジエン酸 26) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−15−メチル−7−チアプロ
スタ−8,13−ジエン酸 27) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−15−シクロペンチル−1
6,17,18,19,20−ペンタノル−7−チアプ
ロスタ−8,13−ジエン酸 28) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−15−シクロヘキシル−1
6,17,18,19,20−ペンタノル−7−チアプ
ロスタ−8,13−ジエン酸 29) (11R,13E,15R)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−15−シクロヘキシル−1
6,17,18,19,20−ペンタノル−7−チアプ
ロスタ−8,13−ジエン酸 30) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−16−フェニル−17,1
8,19,20−テトラノル−7−チアプロスタ−8,
13−ジエン酸 31) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−16−フェニル−18,1
9,20−トリノル−7−チアプロスタ−8,13−ジ
エン酸 32) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−16−シクロへキシル−1
7,18,19,20−テトラノル−7−チアプロスタ
−8,13−ジエン酸 33) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−16−フェノキシ−17,1
8,19,20−テトラノル−7−チアプロスタ−8,
13−ジエン酸 34) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−18−オキサ−7−チアプロ
スタ−8,13−ジエン酸 35) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−16,16−ジメチル−7−
チアプロスタ−8,13−ジエン酸 36) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−7−チアプロスタ−8,13
−ジエン−18−イン酸 37) (11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ジヒドロキシ−16,20−ジメチル−7−
チアプロスタ−8,13−ジエン−18−イン酸 38) (11R,13E,16S)−9−メトキシ−1
1,16−ジヒドロキシ−7−チアプロスタ−8,13
−ジエン酸 39) (11R,13E,16S)−9−メトキシ−1
1,16−ジヒドロキシ−16−メチルー7−チアプロ
スタ−8,13−ジエン酸 40) (2E,11R,13E,15S)−9−メトキシ
−11,15−ジヒドロキシ−7−チアプロスタ−2,
8,13−トリエン酸 41) 01) 〜 40)の化合物の鏡像体 42) 01) 〜 41)の化合物のメチルエステル 43) 01) 〜 41)の化合物のエチルエステル 44) 01) 〜 41)の化合物のブチルエステル 45) 01) 〜 41)の化合物のアリルエステル 46) 01) 〜 41)の化合物のベンジルエステル 47) 01) 〜 41)の化合物のナトリウム塩 48) 01) 〜 41)の化合物の水酸基(11位、および15位
または16位)がtert−ブチルジメチルシリル基、および
/またはトリメチルシリル基、および/または2−テト
ラヒドロピラニル基で保護されたエーテル類などを挙げ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
また 01)〜48) の化合物のω鎖の水酸基(15位または16
位)部分の光学異性体、およびこれらすべての鏡像体も
あわせて挙げられる。
【0023】上記式(I)で表される本発明のプロスタ
グランジン類の製造法も本発明に包含される。すなわ
ち、下記式(II)
【0024】
【化6】
【0025】[式中、R5 、R6 およびnは前記定義と
同じであり、R41はトリ(C1〜C7炭化水素)シリル
基、または水酸基の酸素原子とともにアセタール結合を
形成する基を表す。Mはリチウム原子、またはトリ(C
1〜C6炭化水素)スタンニオ基を表す。]で表される
有機リチウム化合物、または有機スズ化合物と CuQ [式中、Qはハロゲン原子、シアノ基、フェニルチオ
基、1−ペンチニル基、または1−ヘキシニル基を表
す。]から調製した有機銅化合物と下記式(III )
【0026】
【化7】
【0027】[式中、Xは前記定義と同じであり、R21
はC1〜C10の直鎖状もしくは分岐したアルキル基、
C1〜C10の直鎖状もしくは分岐したアルケニル基、
置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換
のC3〜C10のシクロアルキル基、または置換もしく
は非置換のフェニル(C1〜C2)アルキル基を表す。
31はトリ(C1〜C7炭化水素)シリル基、または水
酸基の酸素原子とともにアセタール結合を形成する基を
表す。表記−−は前記定義と同じである。]で表される
2−シクロペンテノン類またはその鏡像体、あるいはそ
れらの任意の割合の混合物と反応させた後、さらに、 CF3 SO3 1 [式中、R1 は前記定義と同じ。]で表されるトリフル
オロメタンスルホン酸エステルと反応させ、必要に応じ
て脱保護および/または加水分解および/または塩生成
反応に付することにより上記式(I)で表される化合物
を製造する方法である。
【0028】かかる本発明のプロスタグランジン類の合
成経路を図示すると次のようになる。
【0029】
【化8】
【0030】[X、R1 、R2 、R21、R31、R41、R
5 、R6 およびMとQは前記定義と同じである。] 前記式(III )のうちXが硫黄原子である2−オルガノ
チオ−2−シクロペンテノン類は公知の方法で得ること
ができる。(特開昭60−185761号公報)なお、
Xがメチレンである2−オルガノ−2−シクロペンテノ
ン類は市販されている。
【0031】上記スキームにおいて、出発原料としてラ
セミ体を用いると、途中の中間体はスキーム中に示した
化合物とその鏡像体との混合物として立体特異的に合成
経路を進んで行くので、上記式(II)あるいは上記式
(III )で示される化合物のいずれか一方が光学活性な
らば、適当な段階において分離することにより各々の立
体異性体を純品として単離することができる。
【0032】本発明の方法では有機銅化合物とともに、
三価の有機リン化合物、例えば、トリアルキルホスフィ
ン(例えば、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフ
ィンなど)、トリアルキルホスファイト(例えば、トリ
メチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリイ
ソブチルホスファイト、トリブチルホスファイトな
ど)、ヘキサメチルホスホラストリアミド、あるいは、
トリフェニルホスフィンなどを用いると共役付加反応が
円滑に進行する。特にトリブチルホスフィン、ヘキサメ
チルホスホラストリアミドが好適に用いられる。
【0033】本発明の方法は、非プロトン性不活性有機
溶媒存在下、上記式(II)で表される有機リチウム化合
物または有機スズ化合物と、CuQ(Qは前記定義と同
じ)から調製した有機銅化合物と、上記式(III )で表
される2−シクロペンテノン類を反応させた後、トリフ
ルオロメタンスルホン酸エステルと反応させることによ
り行われる。
【0034】上記式(III )で表される2−シクロペン
テノン類と有機銅化合物とは、化学量論的には等モル反
応を行うが、通常、2−シクロペンテノン類1モルに対
し、0.5 〜 5.0倍、好ましくは 0.8〜 2.0倍、特に好ま
しくは 1.0〜 1.5モル倍の有機銅化合物を用いて行われ
る。
【0035】2−シクロペンテノン類と有機銅化合物の
共役付加反応の反応温度は− 100℃〜50℃、特に好まし
くは−78℃〜 0℃程度の温度範囲が採用される。反応時
間は反応温度により異なるが、通常−78℃〜−20℃にて
約1時間反応させれば充分である。
【0036】また、2−シクロペンテノン類と有機銅化
合物の共役付加反応で得られた反応中間体と、トリフル
オロメタンスルホン酸エステルとは、化学量論的には等
モル反応を行うが、通常、トリフルオロメタンスルホン
酸エステルが過剰になるようにして反応を行わせる。す
なわち、2−シクロペンテノン類1モルに対し、1.0〜1
0.0倍、好ましくは 1.0〜 3.0モル倍のトリフルオロメ
タンスルホン酸エステルを使用して反応を行う。
【0037】2−シクロペンテノン類と有機銅化合物の
共役付加反応で得られた反応中間体と、トリフルオロメ
タンスルホン酸エステルとの反応の反応温度は−30℃〜
50℃、特に好ましくは−20℃〜 0℃程度の温度が採用さ
れる。反応時間は反応温度により異なるが、通常−20℃
〜 0℃にて約 1時間反応させれば充分である。
【0038】反応は有機溶媒の存在下で行われる。反応
温度下で液状であって、反応試剤とは反応しない不活性
の非プロトン性の有機溶媒が用いられる。
【0039】かかる非プロトン性不活性有機溶媒として
は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘ
キサンのような飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、
キシレンのような芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、
ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテ
ル系溶媒、その他、ヘキサメチルホスホリックアミド
(HMP)、N,N −ジメチルホルムアミド(DMF)、
N,N −ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)、スロホラン、N −メチルピロリ
ドンのようないわゆる非プロトン性極性溶媒等が挙げら
れ、二種以上の混合溶媒として用いることも可能であ
る。また、かかる非プロトン性不活性有機溶媒として、
有機銅化合物を製造するのに用いた不活性溶媒をそのま
ま用いることもできる。すなわち、この場合、有機銅化
合物を製造した反応系内に2−シクロペンテノン類を添
加して反応を行えばよい。有機溶媒の使用量は反応に円
滑に進行させるのに十分な量があればよく、通常は原料
の1〜 100倍容量、好ましくは2〜 20 倍容量が用いら
れる。
【0040】三価の有機リン化合物は有機銅化合物の前
記した調製時に存在させておくこともでき、その系内に
2−シクロペンテノン類を加えて反応を実施することも
できる。
【0041】かくして、前記式(I)で表される化合物
のうち、水酸基が保護され、かつ、1位のカルボン酸が
エステルになったものが得られる。本発明の製造法は立
体特異的に進行する反応を用いているために上記式(II
I )で表される立体配置を持つ出発原料からは前記式
(I)で表される立体配置を持つ化合物が得られ、上記
式(III )の鏡像体からは前記式(I)ent で表される
前記式(I)の鏡像体が得られることになる。
【0042】反応後、得られる生成物は通常の手段によ
り反応液から分離、精製される。例えば抽出、洗浄、ク
ロマトグラフィーあるいはこれらの組み合わせにより行
われる。
【0043】さらにここで得られた水酸基が保護され、
かつ1位のカルボン酸がエステルになっている化合物
は、必要に応じて脱保護、加水分解、あるいは塩生成反
応に付すことができる。
【0044】水酸基の保護基が(R31および/またはR
41)の除去は、保護基が水酸基の酸素原子と共にアセタ
ール結合を形成する場合には、例えば酢酸、p−トルエ
ンスルホン酸のピリジニウム塩または陽イオン交換樹脂
を触媒として、例えば、水、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、アセトン、アセトニトリル等を反応溶媒とする
ことにより好適に実施される。反応は通常−78℃〜50℃
の温度範囲で10分〜3日間程度行われる。また、保護基
がトリ(C1〜C7炭化水素)シリル基の場合には、例
えば酢酸、テトラブチルアンモニウムフルオライド、セ
シウムフルオライド、フッ化水素酸、フッ化水素−ピリ
ジン等を触媒として、上記した反応溶媒中で同様の温度
で同程度の時間実施される。
【0045】1位のカルボシキル基の保護基(R21)の
除去、すなわち、エステルの加水分解反応は、例えば、
リパーゼ、エステラーゼ等の酵素を用い、水または水を
含む溶媒中で−10℃〜60℃の温度範囲で10分〜24時間程
度行われる。エステルがアリルエステルである場合(R
21=Allyl )には、パラジウム触媒を用いた加水素分解
反応により保護基(R21)の除去を行うことができる。
【0046】本発明によれば、上記のようにして加水分
解反応により得られたカルボキシル基を有する化合物
は、次いで必要に応じて、さらに塩生成反応に付され、
相当するカルボン酸塩を得ることができる。塩生成反応
は、カルボン酸とほぼ等量の水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム、炭酸ナトリウムなどの塩基性化合物、あるい
はアンモニア、トリメチルアミン、モノエタノールアミ
ン、モルホリンとを通常の方法で中和反応させることに
より行われる。
【0047】
【発明の効果】本発明のプロスタグランジン類またはそ
の薬学的に許容される塩を活性成分として含有する薬剤
は、ケモカイン、例えばMCP−1/MCAFにより惹
起される細胞遊走を阻害する活性を有し、血管形成術等
における血管内膜傷害後に発生する血管再狭窄あるいは
血管再閉塞、冠状動脈あるいは頚部大動脈等での粥状動
脈硬化巣形成を主因とする血管狭窄あるいは血管閉塞等
の、血中モノサイトの病巣への集積を特徴のひとつとす
る疾患の予防、治療剤として有用である。
【0048】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらのものに限定されることはな
い。
【0049】[実施例1](11R,13E,15S)−9−メトキシ−11,1
5−ビス(tert−ブチルジメチルシロキシ)プロスタ−
8,13−ジエン酸メチルの合成 (X=CH2, R 1=R2=Me,
R3=R4= t BuMe2 Si, R5=H, R6=Pentyl, n=0)
【0050】
【化9】
【0051】(1E,3S)−1−ヨード−3−(tert
−ブチルジメチルシロキシ)−1−オクテン (442 mg,
1.2mmol)のエーテル(3ml)溶液を−78℃まで冷却後、
そこへtert−ブチルリチウム(1.54M,1.56 ml, 2.4 m
mol )を加え、−78℃のまま2時間攪拌した。さらにそ
こへ、ヘキシン銅 (174 mg) とヘキサメチルホスホラス
トリアミド (436 μl)のエーテル(6ml)溶液を加え、
−78℃のままさらに1時間攪拌し、銅試薬を生成した。
得られた銅試薬の中へ、(4R)−tert−ブチルジメチ
ルシロキシ−2−(6−メトキシカルボニルヘキシル)
−2−シクロペンテン−1−オン (355 mg, 1mmol)の
テトラヒドロフラン(20ml)溶液を滴下した。その反応
混合液は−78℃のまま 15 分間、その後、反応温度を上
昇させ、−40〜−30℃で1時間攪拌した。さらに−30℃
でトリフルオロメタンスルホン酸メチル (305 μl )を
加え、室温まで反応温度を上げながら2時間攪拌した。
反応溶液を飽和硫酸アンモニウム (40ml)へ注ぎ込み、
その混合液を分液後、水層はエーテルで抽出し、抽出液
と有機層を合わせた後、無水硫酸マグネシウムで乾燥さ
せた。その溶液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(1〜2%酢酸エチル/ヘキサン)で精
製し、(11R,13E,15S)−9−メトキシ−1
1,15−ビス(tert−ブチルジメチルシロキシ)プロ
スタ−8,13−ジエン酸メチル82mg(14%)を得た。
【0052】1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3) 0.02 (s), 0.04 (s)─ 12H 0.8 - 1.0 (m, 3H) 0.88 (s, 9H) 0.89 (s, 9H) 1.0 - 1.7 (m, 16H) 2.1 - 2.4 (m, 3H) 2.29 (t, J = 7.6 Hz, 2H) 2.71 (dd, J = 5.3 & 16.3 Hz, 1H) 2.95 (d, J = 5.9 Hz, 1H) 3.56 (s, 3H) 3.66 (s, 3H) 3.9 - 4.1 (m, 2H) 5.24 (dd, J = 8.9 & 15.8 Hz, 1H) 5.48 (dd, J = 5.9 & 15.5 Hz, 1H)
【0053】[実施例2](11R,13E,15S)−9−メトキシ−11,1
5−ジヒドロキシプロスタ−8,13−ジエン酸メチル
の合成 (X=CH2, R1=R2=Me, R3=R4=R5=H, R6=Pentyl,
n=0 )
【0054】
【化10】
【0055】(11R,13E,15S)−9−メトキ
シ−11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシロキ
シ)プロスタ−8,13−ジエン酸メチル(41mg, 66.3
μmol)のテトラヒドロフラン(1ml)溶液を氷冷し、
そこへテトラブチルアンモニウムフロライドのテトラヒ
ドロフラン溶液(1.0 M )(663 μl)を加え、室温で
20時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、飽
和食塩水で洗浄した。その溶液を無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。その溶液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(50〜70%酢酸エチル/ヘキサン)
で精製し、(11R,13E,15S)−9−メトキシ
−11,15−ジヒドロキシプロスタ−8,13−ジエ
ン酸メチル(31mg,63 %)を得た。
【0056】1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3) 0.88 (t, J = 6.6 Hz, 3H) 1.2 - 1.8 (m, 16H) 1.9 - 2.5 (m, 3H) 2.29 (t, J = 7.6 Hz, 2H) 2.80 (dd, J = 6.8 & 15.7 Hz, 1H) 2.99 (dd, J = 3.6 & 8.6 Hz, 1H) 3.58 (s, 3H) 3.66 (s, 3H) 3.9 - 4.2 (m, 2H) 5.41 (dd, J = 8.9 & 15.5 Hz, 1H) 5.48 (dd, J = 6.9 & 15.5 Hz, 1H)
【0057】[実施例3](11R,13E,15S,17R)−9−メトキシ−
11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシロキシ)−
17,20−ジメチル−7−チアプロスタ−8,13−
ジエン酸メチルの合成 (X=S, R1=R2=Me, R3=R4= t Bu
Me2Si, R5=H, R 6=2-Me-hexyl, n=0 )
【0058】
【化11】
【0059】(1E,3S,5R)−1−ヨード−3−
(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5−メチル−1−
ノネン (1.19 g, 3.0 mmol)のエーテル (7 ml)溶液を
−78℃まで冷却後、そこへtert−ブチルリチウム (1.54
M,3.90 ml, 6.0 mmol )を加え、−78℃のまま 2時間攪
拌した。さらにそこへ、ヘキシン銅 (434 mg) とヘキサ
メチルホスホラストリアミド (1.09 ml)のエーテル (15
ml)溶液を加え、−78℃のままさらに 1時間攪拌し、銅
試薬を生成した。得られた銅試薬の中へ、(4R)−te
rt−ブチルジメチルシロキシ−2−(5−メトキシカル
ボニルペンチルチオ)−2−シクロペンテン−1−オン
(932 mg, 2.5 mmol) のテトラヒドロフラン(50ml)溶
液を滴下した。その反応混合液は−78℃のまま15分間、
その後、反応温度を上昇させ、−40〜−30℃で 1時間攪
拌した。さらに−30℃でトリフルオロメタンスルホン酸
メチル (764 μl )を加え、室温まで反応温度を上げな
がら 2時間攪拌した。反応溶液を飽和硫酸アンモニウム
(100 ml) へ注ぎ込み、その混合液を分液後、水層はエ
ーテルで抽出し、抽出液と有機層を合わせた後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥させた。その溶液を減圧下濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(2〜5%酢
酸エチル/ヘキサン)で精製し、(11R,13E,1
5S,17R)−9−メトキシ−11,15−ビス(te
rt−ブチルジメチルシロキシ)−17,20−ジメチル
−7−チアプロスタ−8,13−ジエン酸メチル (624
mg, 38%)を得た。
【0060】1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3) 0.04 (s), 0.05 (s), 0.06 (s)─ 12H 0.8 - 1.0 (m, 6H) 0.88 (s, 9H) 0.89 (s, 9H) 1.0 - 1.7 (m, 15H) 2.30 (t, J = 7.4 Hz, 2H) 2.3 - 2.7 (m, 4H) 3.04 (dd, J = 2.1 & 8.4 Hz, 1H) 3.66 (s, 3H) 3.73 (s, 3H) 4.0 - 4.1 (m, 1H) 4.1 - 4.2 (m, 1H) 5.35 (dd, J = 8.4 & 15.7 Hz, 1H) 5.55 (dd, J = 6.3 & 15.5 Hz, 1H)
【0061】[実施例4](11R,13E,15S,17R)−9−メトキシ−
11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチル−7
−チアプロスタ−8,13−ジエン酸メチルの合成
(X=S, R1=R2=Me,R3=R4=R5=H, R6=2-Me-hexyl, n=0)
【0062】
【化12】
【0063】(11R,13E,15S,17R)−9
−メトキシ−11,15−ビス(tert−ブチルジメチル
シロキシ)−17,20−ジメチル−7−チアプロスタ
−8,13−ジエン酸メチル (658 mg, 1.0 mmol) のテ
トラヒドロフラン (1ml) 溶液を氷冷し、そこへテトラ
ブチルアンモニウムフロライドのテトラヒドロフラン溶
液(1.0 M) (5.27 ml) を加え、室温で20時間攪拌した。
反応溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄後、
その溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その溶液を
減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(50〜70%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、(11
R,13E,15S,17R)−9−メトキシ−11,
15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチル−7−チア
プロスタ−8,13−ジエン酸メチル(310 mg, 72%)
を得た。
【0064】1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3) 0.8 - 1.0 (m, 6H) 1.0 - 1.7 (m, 15H) 2.31 (t, J = 7.4 Hz, 2H) 2.4 - 2.7 (m, 3H) 2.87 (ddd, J = 1.0 & 6.4 & 15.7 Hz, 1H) 3.09 (dd, J = 4.0 & 8.3 Hz, 1H) 3.67 (s, 3H) 3.75 (s, 3H) 4.0 - 4.2 (m, 1H) 4.1 - 4.3 (m, 1H) 5.50 (dd, J = 8.3 & 15.2 Hz, 1H) 5.62 (dd, J = 6.6 & 15.2 Hz, 1H)
【0065】[実施例5](11R,13E,15S,17R)−9−メトキシ−
11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチル−7
−チアプロスタ−8,13−ジエン酸の合成 (X=S, R1=
Me, R2=R3=R4=R5=H, R6=2-Me-hexyl, n=0 )
【0066】
【化13】
【0067】(11R,13E,15S,17R)−9
−メトキシ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−
ジメチル−7−チアプロスタ−8,13−ジエン酸メチ
ル (50 mg, 117μmmol) をアセトン (1ml) に溶解し
た。pH8リン酸バッファー10mlを加え、さらにそこへ、
エステラーゼ含有溶液(3.2 MDMSO溶液 114 μl)を
加え、室温で24時間攪拌した。反応溶液に希塩酸を加
え、溶液を pH 4とした。そして、硫酸アンモニウムで
溶液を飽和させた後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
その溶液を減圧下濃縮後、分取用薄層クロマトグラフィ
ーで精製し、(11R,13E,15S,17R)−9
−メトキシ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−
ジメチル−7−チアプロスタ−8,13−ジエン酸(3.
4 mg, 8%)を得た。
【0068】1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3) 0.8 - 1.0 (m, 6H) 1.0 - 1.7 (m, 15H) 2.35 (t, J = 7.1 Hz, 2H) 2.4 - 2.7 (m, 3H) 2.89 (dd, J = 6.9 & 16.5 Hz, 1H) 3.10 (dd, J = 4.0 & 8.3 Hz, 1H) 3.75 (s, 3H) 4.1 - 4.2 (m, 1H) 4.2 - 4.4 (m, 1H) 5.50 (dd, J = 8.3 & 15.2 Hz, 1H) 5.64 (dd, J = 6.6 & 15.2 Hz, 1H)
【0069】[実施例6](11R,13E,15S,17R)−9−エトキシ−
11,15−ビス(tert−ブチルジメチルシロキシ)−
17,20−ジメチル−7−チアプロスタ−8,13−
ジエン酸アリルの合成 (X=S, R1=Me, R2=Allyl, R3=R
4=t BuMe2Si, R 5=H, R6=2-Me-hexyl, n=0 )
【0070】
【化14】
【0071】(1E,3S,5R)−1−ヨード−3−
(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5−メチル−1−
ノネン (476 mg, 1.2 mmol) のエーテル(3ml)溶液を
−78℃まで冷却後、そこへtert−ブチルリチウム (1.54
M,1.56 ml, 2.4 mmol)を加え、−78℃のまま2時間攪
拌した。さらにそこへ、ヘキシン銅 (173 mg) とヘキサ
メチルホスホラストリアミド(436 μl )のエーテル
(6ml)溶液を加え、−78℃のままさらに1時間攪拌
し、銅試薬を生成した。得られた銅試薬の中へ、(4
R)−tert−ブチルジメチルシロキシ−2−(5−アリ
ルオキシカルボニルペンチルチオ)−2−シクロペンテ
ン−1−オン (399 mg, 1.0 mmol) のテトラヒドロフラ
ン(20ml)溶液を滴下した。その反応混合液は−78℃の
まま15分間、その後、反応温度を上昇させ、−40〜−30
℃で1時間攪拌した。さらに−30℃でトリフルオロメタ
ンスルホン酸エチル (195 μl)を加え、室温まで反応温
度を上げながら 1時間攪拌した。反応溶液を飽和硫酸ア
ンモニウム (15 ml)へ注ぎ込み、その混合液を分液後、
水層はエーテルで抽出し、抽出液と有機層を合わせた
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。その溶液を減
圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(2
%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、(11R,13
E,15S,17R)−9−エトキシ−11,15−ビ
ス(tert−ブチルジメチルシロキシ)−17,20−ジ
メチル−7−チアプロスタ−8,13−ジエン酸アリル
(135 mg, 19 %) を得た。
【0072】1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3) 0.04 (s), 0.05 (s), 0.05 (s)─ 12H 0.8 - 1.0 (m, 27H) 1.0 - 1.7 (m, 15 H) 2.3 - 2.7 (m, 3H) 2.32 (t, J = 7.6 Hz, 2H) 2.5 - 2.8 (m, 3H) 2.76 (dd, J = 6.6 & 16.2 Hz, 1H) 3.02 (d, J = 8.6 Hz, 1H) 4.00 (q, J = 6.9 Hz, 2H) 4.0 - 4.1 (m, 1H) 4.0 - 4.2 (m, 1H) 4.52 (dd, J = 1.3 & 4.6 Hz, 2H) 5.1 - 5.4 (m, 3H) 5.54 (dd, J = 6.3 & 15.5 Hz, 1H) 5.7 - 6.0 (m, 1H)
【0073】[実施例7](11R,13E,15S,17R)−9−エトキシ−
11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチル−7
−チアプロスタ−8,13−ジエン酸アリルの合成
(X=S, R1=Me, R2=Allyl, R3=R4=R5=H, R6=2-Me-hexyl,
n=0)
【0074】
【化15】
【0075】(11R,13E,15S,17R)−9
−エトキシ−11,15−ビス(tert−ブチルジメチル
シロキシ)−17,20−ジメチル−7−チアプロスタ
−8,13−ジエン酸アリル (135 mg, 193 μmol)のテ
トラヒドロフラン (1.5 ml)溶液を氷冷し、そこへテト
ラブチルアンモニウムフロライドのテトラヒドロフラン
溶液(1.0 M) (1.5 ml)を加え、室温で20時間攪拌した。
反応溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄し
た。その溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その溶
液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(40〜60%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、(11
R,13E,15S,17R)−9−エトキシ−11,
15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチル−7−チア
プロスタ−8,13−ジエン酸アリル (67mg,74 %)を
得た。
【0076】1H-NMR (270 MHz, δppm, CDCl3) 0.8 - 1.0 (m, 9H) 1.1 - 1.9 (m, 15 H) 2.34 (t, J = 7.4 Hz, 2H) 2.45 (dd, J = 3.6 & 15.8 Hz, 1H) 2.5 - 2.8 (m, 2H) 2.85 (dd, J = 6.9 & 16.2 Hz, 1H) 3.09 (dd, J = 3.5 & 8.1 Hz, 1H) 4.0 - 4.2 (m, 1H) 4.02 (q, J = 7.3 Hz, 2H) 4.1 - 4.3 (m, 1H) 4.57 (dt, J = 5.6 & 1.3 Hz, 2H) 5.24 (dd, J = 1.3 & 10.6 Hz, 1H) 5.31 (dd, J = 1.3 & 17.4 Hz, 1H) 5.50 (dd, J = 8.3 & 15.5 Hz, 1H) 5.64 (dd, J = 6.3 & 15.2 Hz, 1H) 5.8 - 6.0 (m, 1H)
【0077】[実施例8]MCP−1惹起細胞遊走阻害活性の測定 表1に記載の被験化合物の細胞遊走阻害活性を調べる目
的で、モノサイト遊走因子MCP−1/MCAFによっ
て惹起される細胞遊走の測定をヒト前単球由来白血病細
胞THP−1(ATCC TIB203)を遊走細胞と
して用い、FaLLらの方法(J.Immunol.M
ethods第33巻239〜247頁(1980))
に準じて以下のように行った。すなわち96穴マイクロ
ケモタキシスチャンバー(Neuroprobe社製)
のチャンバー上室(200μl)にはTHP−1細胞を
2×106 /ml(RPMI1640(Flow La
boratories社製)+10%FCSで懸濁した
もの)、下室(35μl)には同液でヒト・リコンビナ
ントMCP−1(Peprotech社製)を最終濃度
20ng/mlになるように希釈したものを入れ、両室
の間にポリカルボネートフィルター(ポアサイズ5μ
m、PVP−free,Neuroprobe社製)を
固定し、37℃で5%CO2 下に2時間インキュベート
を行った。フィルターを取り出し、Diff Quic
k液(国際試薬社製)にてフィルター下面に遊走した細
胞を固定染色し、次いでプレートリーダー(Molec
ularDevice社製)にて、測定波長550nm
で測定し、3穴の平均値を求めることにより遊走細胞数
の指標とした。このとき、被験化合物を上室にTHP−
1細胞と共に各種濃度にして添加し、細胞遊走阻害活性
(阻害度:IC50(M))を求めた。阻害度は、{(上
室に被験化合物添加の場合の下室に添加したMCP−1
による遊走細胞数)−(上室に被験化合物無添加、下室
にMCP−1無添加の場合の遊走細胞数)}を{(上室
に被験化合物無添加の場合の下室に添加したMCP−1
による遊走細胞数)−(上室に被験化合物無添加、下室
にMCP−1無添加の場合の遊走細胞数)}で除するこ
とによって求めた。そして、50%の阻害を示した化合
物の濃度をIC50とした。結果を表1に示す。
【0078】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/557 ABX AEL C07F 7/18 W

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 [式中、Xは硫黄原子またはメチレン基を表す。R1
    C1〜C5の直鎖状もしくは分岐したアルキル基を表
    す。R2 は水素原子、C1〜C10の直鎖状もしくは分
    岐したアルキル基、C1〜C10の直鎖状もしく分岐し
    たアルケニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置
    換もしくは非置換のC3〜C10のシクロアルキル基、
    置換もしくは非置換のフェニル(C1〜C2)アルキル
    基、または一当量のカチオンを表す。R3 、R4 は同一
    もしくは異なり、水素原子、トリ(C1〜C7炭化水
    素)シリル基、または水酸基の酸素原子とともにアセタ
    ール結合を形成する基を表す。R5 は水素原子、メチル
    基、またはビニル基を表す。R6はC3〜C8の直鎖状
    もしくは分岐したアルキル基、アルケニル基、またはア
    ルキニル基;置換もしくは非置換のフェニル基;置換も
    しくは非置換のC3〜C10のシクロアルキル基;C1
    〜C5のアルコキシ基や、置換もしくは非置換のフェニ
    ル基や、フェノキシ基や、C3〜C10のシクロアルキ
    ル基で置換されている直鎖状もしくは分岐したC1〜C
    5のアルキル基を表す。nは0または1を表す。表記
    は単結合または二重結合を表す。]で表される化合
    物、またはその鏡像体、あるいはそれらの任意の割合の
    混合物であるプロスタグランジン類。
  2. 【請求項2】 Xが硫黄原子またはメチレン基であり、
    1 がメチル基またはエチル基であり、R2 が水素原
    子、C1〜C5の直鎖状もしくは分岐したアルキル基、
    またはアリル基であり、R3 、R4 が同一もしくは異な
    り、水素原子、トリメチルシリル基、またはtert−ブチ
    ルジメチルシリル基であり、R5 が水素原子またはメチ
    ル基であり、R6 がC1〜C10の直鎖状もしく分岐し
    たアルキル基、または、置換もしくは非置換のフェニル
    基で置換された直鎖状もしくは分岐したC1〜C5のア
    ルキル基であり、表記−−が単結合である請求項1記載
    のプロスタグランジン類。
  3. 【請求項3】 Xが硫黄原子であり、R1 がメチル基ま
    たはエチル基であり、R2 がメチル基またはアリル基で
    あり、R3 、R4 、およびR5 が水素原子であり、R6
    がペンチル基または2−メチルヘキシル基であり、nが
    0であり、表記−−が単結合である請求項1記載のプロ
    スタグランジン類。
  4. 【請求項4】 下記式(II) 【化2】 [式中、R5 、R6 、およびnは前記定義と同じであ
    り、R41はトリ(C1〜C7炭化水素)シリル基、また
    は水酸基の酸素原子とともにアセタール結合を形成する
    基を表す。Mはリチウム原子、またはトリ(C1〜C6
    炭化水素)スタンニオ基を表す。]で表される有機リチ
    ウム化合物、または有機スズ化合物と CuQ [式中、Qはハロゲン原子、シアノ基、フェニルチオ
    基、1−ペンチニル基、または1−ヘキシニル基を表
    す。]から調製した有機銅化合物と下記式(III ) 【化3】 [式中、Xは硫黄原子またはメチレンを表す。R21はC
    1〜C10の直鎖状もしくは分岐したアルキル基、C1
    〜C10の直鎖状もしくは分岐したアルケニル基、置換
    もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のC
    3〜C10のシクロアルキル基、または置換もしくは非
    置換のフェニル(C1〜C2)アルキル基を表す。R31
    はトリ(C1〜C7炭化水素)シリル基、または水酸基
    の酸素原子とともにアセタール結合を形成する基を表
    す。表記−−は前記定義と同じである。]で表される2
    −オルガノチオ−2−シクロペンテノン類またはその鏡
    像体あるいはそれらの任意の割合の混合物と反応させた
    後、さらに、 CF3 SO3 1 [式中、R1 は前記定義と同じ。]で表されるトリフル
    オロメタンスルホン酸エステルと反応させ、必要に応じ
    て脱保護および/または加水分解および/または塩生成
    反応に付することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のプロスタグランジン類の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002030464A1 (fr) * 2000-10-11 2002-04-18 Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. Nouveaux medicaments pour maladies du foie

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