JPH0811904A - 押出し容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単一のシートから容器の成形と同時に蓋を一
体成形し、容器の開封と同時に蓋が用意される押出し容
器を提供することを目的とする。 【構成】 容器体１の各部形状が展開された状態の単一
のシート１３を用いて、容器の底部２を湾曲に形成する
と同時に二つの側部３を起立させ、両側部３，３の対向
する側縁４，４を溶着する一方、容器体１内に流体物を
充填した後に側部３から続く口部５の上端を溶着した押
出し容器において、帽頭部８が口部溶着部５ａを介して
前記口部５の上端に一体成形され、前記口部５の上端を
切断して自動閉鎖性のある流出口９を形成するととも
に、切り離された前記帽頭部８が蓋１０となることを特
徴とする押出し容器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、容器体の圧搾操作によ
ってシャンプーやマヨネーズ等の流体物を押し出す容器
に関わり、特に単一のシートから形成される押出し容器
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、この種のシートを用いた成形
容器の一例として、特開昭５９−２０９５２１号公報に
開示された押出し容器が知られている。

【０００３】この特開昭５９−２０９５２１号公報に開
示された成形容器は、図６に示すように、ボール紙材料
の単一のシートを用いて、シートの底部５１を内方に湾
曲形成すると同時に、この底部を残して二つの側部５２
を直立させ、両側部の対向する側縁５３を密封すること
によって容器状に形成し、さらに、容器体内に流体物を
充填した後に口部５４を密封することによって得られる
ようになっている。そして、使用の際には口部５４を切
断し、容器を圧搾操作して流体物を取り出すようにして
いる。

【０００４】この従来の容器は、切断された口部５４の
壁が扁平に重なり合い、湾曲したボール紙材料自身およ
び容器形状による応力にもとずいてリップパッキンと類
似の作用により、開封された排出口が自動閉鎖性を有し
ていて、順次に多数回に亘り圧搾して内容物を取り出す
ことができ、且つ、蓋を必要としないので経済的である
というものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来容器にあっては、開封後において、短時間、短期日中
に内容物を使い切ってしまえばよいが、口部切断後、時
間の経過とともに開口部に埃が付着したり、開口部に付
着した内容物が外気に触れて変色したりして、見栄えも
悪くなり、衛生的にも問題があった。また、使用者が口
部を刃物で切断するとは限らず、手指で引きちぎること
もあり、開封後の外観の悪さが見えてしまうという欠点
が残されていた。

【０００６】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、別個に蓋を用意することなく、容器の成形と同時
に蓋を一体的に成形し、容器の開封と同時に自動的に蓋
が用意される押出し容器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで、容器体の各部形
状が展開された状態の単一のシートを用いて、容器の底
部を湾曲に形成すると同時に二つの側部を起立させ、両
側部の対向する側縁を溶着する一方、容器体内に流体物
を充填した後に側部から続く口部５上端を溶着した押出
し容器において、帽頭部が口部溶着部を介して前記口部
の上端に一体成形され、前記口部の上端を切断して自動
閉鎖性のある流出口を形成するとともに、切り離された
前記帽頭部が蓋となることで前記課題の解決手段とし
た。

【０００８】

【作用】本発明の押出し容器においては、容器の成形お
よび流体物の封入と同時に容器の口部上端に口部溶着部
を介して、この口部に外嵌する開口部と空間を有する帽
頭部が一体的に形成してあり、使用の際にはこの帽頭部
を口部から切断して分離することにより容器は開封して
流出口を形成される。そして、分離された帽頭部を逆さ
にすることにより蓋となし、蓋と容器とを具備した押出
し容器になる。

【０００９】開封後の本発明の容器は、容器内の流体物
を手指による圧搾操作によって押し出して使用し、使用
後は蓋を口部に嵌合して保管する。蓋は口部を挿入可能
な広さの開口部と空間の大きさを有する設定になってい
るので簡単に口部を閉塞できる。そして、蓋をすること
により、容器の流出口に塵埃が付着するのを防止し、流
出口周辺に付着した内容物を外気から遮断して変質や変
色を防止する。更に、開封後の流出口の見栄えの悪さも
隠蔽することができる上に、容器への少々の衝撃や、容
器の落下あっても内容物が流出することがない。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の押出し容器の好適な実施例
を、図１ないし図５を参照して説明する。

【００１１】容器体１は、図２に示すように、容器体１
の各部形状を展開した状態の紙質状の単一シート１３を
用いて製作される。このシート１３は、主としてボール
紙を使用しており、容器内側となる面には水分や通気の
防止を配慮して、アルミ箔層を形成したり、合成樹脂が
塗布してあり、容器本体１として完成したときに圧搾可
能な程度の剛性と可撓性を兼ね備える程度の厚みと硬度
を有している。

【００１２】そして、シート１３には、容器体１を形成
する際に底部２や溶着部を形成することとなる各縁部
４，７，５ａを区画する折り曲げ線１１が形成されてい
るとともに、シート１３の両端には、両端を開口した浅
い凹所１２，１２が形成されいる。この凹部１２，１２
は、図４に示すように、蓋１０の内部空間６ａを構成す
るようになるもので、シート１３を形成する際に予備成
形される。尚、各縁部４，７，５ａには溶着用の感熱性
接着剤層が形成されている。

【００１３】上述したシートを用いて容器体１に組立て
るには、まず、当該シート１３のうち、容器体１の底部
２を湾曲に形成して残し、容器体１の二つの側部３，３
を垂直に起立させ、両側部３，３の対向するフランジ状
の各側縁４，４を溶着することにより、有底の容器状に
形成される。次に、この状態で、容器体１内部にシャン
プーやマヨネーズ等の流体物を充填し、両側部３，３の
先端に形成された口部５の上端の口部溶着部５ａおよび
頭部側縁７，７を互いに合わせて溶着することにより、
口部５の先端は密封されて、図４に示すように、口部５
は薄板状に形成されるとともに、図１に示すように、口
部５を挿入可能に拡大形成された開口部６と空間６ａを
有する帽頭部８が口部溶着部５ａを介して一体的に形成
される。このような製作方法によって、本実施例の押出
し容器は、簡単に製作することができる。

【００１４】尚、本実施例では、感熱性接着剤を使用し
て溶着しているが、溶着手段はこれに限られるものでは
なく、高周波溶着、超音波溶着など周知の溶着手段を採
用できることはいうまでもない。

【００１５】以上のように構成された押出し容器を使用
するときは、図４に示すように、鋏やナイフなど刃物を
使用して口部５の上部、即ち、帽頭部８を切断して切り
離すことにより流出口９を開口させ、側部３を圧搾して
内容物を押し出して使用する。尚、切断部の位置は、容
器の表面に切断部を印刷して指示したり、口部５の両側
縁に切り込みを設けてそこから切断するようになってい
る。

【００１６】帽頭部８が切り離された口部５は流出口９
が形成されるが、両側の壁が扁平に重なり合い、湾曲す
るボール紙状材料の応力によってリップパッキンに類似
した自動閉鎖性があるので、容器を開封した後もある程
度の期間は気密が保たれている。そして、開封された容
器は、何度も圧搾を繰り返して使用することが可能であ
るが、流出口９周辺に内容物が付着することは避けられ
ない。従って、埃も付着しやすく、特に内容物が食品で
ある場合は衛生上の問題があった。また、誤ってテーブ
ルなどから落下させてしまった場合など、当たり所によ
ってはその衝撃力が容器の自動閉鎖力を越えて内容物を
吐出させてしまうという事故もあった。

【００１７】本発明では、切り離された帽頭部８を逆さ
にして、図５に示すように蓋１０として口部５に外嵌さ
せて使用する。この蓋１０は、口部５を挿入できる広さ
の長円状の開口部６と、口部５を収納できる空間６ａが
形成されている。そして、口部５に蓋１０を嵌合させて
から、蓋１０の両側部の外壁を手指で軽く押さえること
により、蓋１０の口部５への密着を強化して、更に液密
性を高めることができる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる押
出し容器によれば、単一の紙質のシートから容器体と蓋
とが同時に一体的に成形でき、開封と同時に蓋が用意さ
れるので別個に蓋を用意する必要がなく、構造が単純で
簡単に製作できるので、蓋を一体的に具備した容器を安
価に大量生産できる。

【００１９】そして、簡単な紙質の押出し容器に一体的
に形成された紙質の蓋をするようにしたことにより、開
口部への塵埃の付着や外気による変色が防止ができる上
に、切り口の外観の悪さも隠蔽でき、更に、容器への衝
撃に対して液密性を高めることができるなどの効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の押出し容器の斜視図

【図２】同押出し容器の組立前の裁片の平面図

【図３】同押出し容器の側面図

【図４】同押出し容器の帽頭部を切り離した状態を示す
従断面図

【図５】同押出し容器の帽頭部を蓋として嵌合した状態
を示す斜視図

【図６】従来例の平面図

【符号の説明】

１ 容器体 ２ 底部 ３ 側部 ４ 側縁 ５ 口部 ５ａ 口部溶着部 ６ 開口部 ６ａ 空間 ７ 頭部側縁 ８ 帽頭部 ９ 流出口 １０ 蓋 １３ シート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器体（１）の各部形状が展開された状
   態の単一のシート（１３）を用いて、容器の底部（２）
   を湾曲に面形成すると同時に二つの側部（３）を起立さ
   せ、両側部（３，３）の対向する側縁（４，４）を溶着
   する一方、容器体（１）内に流体物を充填した後に側部
   （３）から続く口部（５）の上端を溶着してなり、か
   つ、容器体（１）が圧搾可能な程度の剛性および可撓性
   を兼ね備えている押出し容器において、前記口部（５）
   が挿入可能な開口部（６）を残して頭部側縁（７，７）
   を溶着して形成された帽頭部（８）が口部溶着部（５
   ａ）を介して前記口部（５）の上端に一体成形され、前
   記口部（５）の上端を切断して自動閉鎖性のある流出口
   （９）を形成するとともに、切り離された前記帽頭部
   （８）が蓋（１０）となることを特徴とする押出し容
   器。