JPH0811869A - 紙カートン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の横置きタイプの紙カートンを改良し、
開けた時に見栄えのよい収納状態を発揮できるようにす
る。 【構成】 前面パネル３に設けられた摘み部分３ａを引
っ張ることにより破断線に沿って前面パネル３の一部と
これに繋がる天面パネル４の一部が開閉部分１８として
開けられる直方体形状をした横置きタイプの紙カートン
１において、一旦開けた開閉部分１８を再封した時に前
記摘み部分３ａを係止するための切込γを内側パネル７
に設けるとともに、この内側パネル７の上辺に斜め上向
きのガイド片８を連設する。収納した小袋がガイド片８
により斜めに保持されるので、開閉部分１８を開けた時
に小袋が斜めに並んだ状態となって見栄えがよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、菓子類等の食品を収納
するための紙カートンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ケーキ菓子等を個別包装した小袋
を複数個まとめて販売するのに紙カートンが用いられて
おり、この種の紙カートンの代表的なものとして、図６
に示す如き前面から天面に渡る開閉部を設けた横置きタ
イプのものが知られている。この紙カートンＣは、前面
パネル３１の一部からなる摘み部分３１ａを引っ張り、
一対の破断線３２に沿って前面パネル３１と天面パネル
３３を破断することにより、図７に示すように開閉部分
３４を形成して上部を開けることで内容物を取り出すよ
うになっている。また、一旦開けた開閉部分３４は、摘
み部分３１ａを内側パネル３５の切込３６に差し込んで
閉じるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した横置きタイプ
の紙カートンＣは、上部が広く開けられるので体裁が良
くて内容物を取り出しやすいという利点があるものの、
小袋はこれらを縦置きか横置きのどちらかの状態で並べ
て入れるしかできないものであり、したがって開閉部分
を開けた時に見栄えがしないという欠点がある。

【０００４】本発明は、上記の如き従来の横置きタイプ
の紙カートンを改良したものであって、その目的とする
ところは、開けた時に見栄えのよい収納状態を発揮でき
る紙カートンを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の紙カートンは、前面パネルに設けられた摘
み部分を引っ張ることにより破断線に沿って前面パネル
の一部とこれに繋がる天面パネルの一部が開閉部分とし
て開けられる直方体形状をした横置きタイプの紙カート
ンにおいて、一旦開けた開閉部分を再封した時に前記摘
み部分を係止するための切込が前面パネルの内面側にあ
る内側パネルに設けられているとともに、該内側パネル
の上辺に斜め上向きのガイド片が連設されていることを
特徴としている。

【０００６】

【作用】上述の構成からなる本発明の紙カートンでは、
収納した小袋をガイド片が斜めに保持する役目を果た
し、開閉部分を開けた時に小袋が斜めに並んだ状態を呈
することになる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【０００８】図１は本発明の一実施例としての紙カート
ンを示す斜視図、図２は開閉部分を開けた状態で示す斜
視図であり、図１の紙カートン１は図３に示す展開形状
に打ち抜かれた板紙製のブランク２を組み立てて作成さ
れている。

【０００９】図３に示されるようにブランク２は、縦方
向の罫線ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅを介して前面パネル３、天
面パネル４、背面パネル５、底面パネル６、内側パネル
７及びガイド片８が連設され、前面パネル３の上下に折
曲げパネル９，１０がそれぞれ連設され、天面パネル４
の上下に外側面パネル１１，１２がそれぞれ連設され、
背面パネル５の上下に折曲げパネル１３，１４がそれぞ
れ連設され、底面パネル６の上下に内側面パネル１５，
１６がそれぞれ連設された形状をしている。

【００１０】前面パネル３の中央左側寄りには半円孔１
７を打ち抜いた形状の摘み部分３ａがツナギを残したコ
の字状の切込αにより区画されており、前面パネル３と
天面パネル４にはこの摘み部分３ａから延びる一対の破
断線βが設けられている。すなわち、破断線βは図示の
如く、切込αの両端から前面パネル３略中央の上下辺付
近まで右方向に広がり、続いて前面パネル３及び天面パ
ネル４の上下辺に平行に天面パネル４の右辺近くまで延
びている。そして、各破断線βの右端を結ぶようにして
罫線ｆが天面パネル４の右辺と平行に設けられている。
これらの切込α、破断線β及び罫線ｆで囲まれる領域は
罫線ｆをヒンジとする開閉部分１８になるところであ
り、したがって罫線ｆは途中に切込のあるリード罫で形
成することが好ましい。

【００１１】内側パネル７は図示の如く右辺が短い台形
状で、その右辺寄りには前記摘み部分３ａを差し込むた
めの円弧状切込γが設けられている。また、内側パネル
７とその右辺に連設するガイド片８とを合わせた高さ
（図では左右幅）は前面パネル３の高さ（図では左右
幅）より大きくなっている。そして、ガイド片８は上下
辺側に先端部分８ａを残して右から大きく凹状に切り欠
かれた切欠部８ｂを有した形状をしており、本実施例で
は切欠部８ｂの端縁を小円弧が繋がった波形状にデザイ
ンしている。なお、後述のようにガイド片８はブランク
２をサック貼りして起函する時に罫線ｅで折れ曲がるの
で、内側パネル７とガイド片８の間の罫線ｅは途中に切
込のあるリード罫で形成することが好ましい。

【００１２】上記のブランク２を組み立てるには、ま
ず、底面パネル６に対して内側パネル７を罫線ｄで、天
面パネル４に対して背面パネル５を罫線ｂでそれぞれ畳
むように内側に折り返し、内側パネル７の外面を前面パ
ネル３の内面に接着して図４に示す如くブランク２をサ
ック貼りする。この場合、前面パネル３における切込α
と破断線βで囲まれる前記開閉部分１８を接着しないよ
うにして前面パネル３と内側パネル７をスポット貼りす
る。

【００１３】次いで、このサック貼りしたものを罫線ａ
〜ｄで角筒状に起こした後、両方の折曲げパネル１０，
１４を内側に折り曲げてから、内側面パネル１６，外側
面パネル１２の順にそれぞれ内側に折り曲げて互いに接
着することにより一方の側面を閉鎖する。この起函時に
おいて、ガイド片８は内側パネル７に対して罫線ｅの部
分で自動的に折れ曲がり、両側の先端部分８ａが天面パ
ネル４の裏側に当接した状態で斜め向きになる（図２参
照）。この状態で他方の側面開口から内容物を充填す
る。具体的には、操作ハンドにより所定数の小袋を整列
状態で挟持して開口から挿入した後、挟持状態をゆるめ
て操作ハンドを引き抜くようにする。このように小袋を
収納した後、両方の折曲げパネル９，１３を内側に折り
曲げてから、内側面パネル１５，外側面パネル１１の順
にそれぞれ内側に折り曲げて互いに接着することにより
他方の側面を閉鎖する。これにより図１に示す横置きタ
イプの紙カートン１が作成される。

【００１４】図１の紙カートン１を開封するには、従来
の紙カートンと同様、前面パネル３の半円孔１７に指を
引っ掛け、摘み部分３ａを摘んで引っ張り上げるように
する。これにより摘み部分３ａが切込αのツナギが破断
されて摘み部分が起こされ、引き続いて前面パネル３及
び天面パネル４が両側の破断線βに沿って破られ、図２
に示すように開閉部分１８が罫線ｆをヒンジとして開け
られる。

【００１５】このように開閉部分１８を開封すると、図
２に示すように、ガイド片８の先端部分８ａが天面パネ
ル４の両サイド部分の裏側に当接してガイド片８が斜め
上向きになっており、中の小袋がこのガイド片８により
斜め向きに並んだ状態で露出する。さらに、本実施例で
はガイド片８における切欠部８ｂの端縁を波形状にして
あるので、優雅な感じを与えるようになる。また、一旦
開けた開閉部分１８を再封する際には、前面パネル３の
内面側にある内側パネル７に設けられている切込γに摘
み部分３ａを差し込んで係止すればよい。

【００１６】図５は本発明の紙カートンを形成するブラ
ンクの変形例を示す展開図であり、このブランク２０を
組み立てると図１に示すのと同じ外観形状の紙カートン
が作成される。なお、説明を簡単にするため、図３のブ
ランク２と対応する部位には同じ符号を付してある。

【００１７】このブランク２０では、前面パネル３の左
辺中程に罫線ｇを介して内側パネル７を連設し、この内
側パネル７の左辺に罫線（リード罫）ｈを介してガイド
片８を連設している。そして、底面パネル６の右辺には
罫線ｅを介して前面パネル３及び背面パネル５と同幅の
補助パネル２１を連設しており、この補助パネル２１の
上下に折曲げパネル２２，２３をそれぞれ連設してい
る。さらに、補助パネル２１は上下辺側に帯状部分２１
ａを残して右側から大きくコの字状に切り欠かれた切欠
部２１ｂを有した形状をしている。ここで、補助パネル
２１の残りの幅は内側パネル７の幅より小さく、また切
欠部分２１ｂの長さ（図では上下幅）はガイド片８の長
さ（図では上下幅）より僅かに大きくなっている。

【００１８】ブランク２０を組み立てるには、まず、底
面パネル６に対して補助パネル２１を罫線ｅで、前面パ
ネル３に対して内側パネル７を罫線ｇでそれぞれ内側に
折り返した後、天面パネル４に対して背面パネル５を罫
線ｂで折り曲げ、補助パネル２１と内側パネル３を向か
い合わせて互いに接着することにより、図４に示すのと
同様な形状にブランク２０をサック貼りする。この場
合、内側パネル７における切込γの付近を除いて接着す
るとともに、補助パネル２１の上下辺付近を前面パネル
３の裏面に接着する。このようにサック貼りすると、ガ
イド片８は補助パネル２１の切欠部２１ｂの中に位置し
た状態になる。

【００１９】次いで、このサック貼りしたものを角筒状
に起こすと、ガイド片８は補助パネル２１の切欠部２１
ｂの中にあるので内側パネル７に対して罫線ｈの部分で
自動的に折れ曲がり、両側の先端部８ａが天面パネル４
の裏側に当接した状態で斜め向きになる（図２参照）。
この起函状態で、折曲げパネル１４，２３を内側に折り
曲げてから、内側面パネル１６，外側面パネル１２の順
にそれぞれ内側に折り曲げて互いに接着することにより
一方の側面を閉鎖する。そして、他方の側面開口から前
記と同様にして内容物を充填した後、折曲げパネル１
３，２２を内側に折り曲げてから、内側面パネル１５，
外側面パネル１１の順にそれぞれ内側に折り曲げて互い
に接着することにより他方の側面を閉鎖する。これによ
り図１に示すのと同様な横置きタイプの紙カートンが作
成される。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、前面パ
ネルの一部とこれに繋がる天面パネルの一部を開閉部分
として開ける横置きタイプの紙カートンにおいて、前面
パネルの内面側にある内側パネルの上辺に斜め上向きの
ガイド辺を連設して構成されているので、開閉部分を開
けた時に中の小袋が斜め向きに並んだ状態を呈すること
から、見栄えのよい収納状態にすることができる。ま
た、ガイド片に適宜形状の装飾を施すことによりデザイ
ン的に広がりを持たせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としての紙カートンを示す斜
視図である。

【図２】図１の紙カートンをその開閉部分を開けた状態
で示す斜視図である。

【図３】図１に示す紙カートンを形成するブランクの展
開図である。

【図４】図３に示すブランクをサック貼りした状態で示
す平面図である。

【図５】図１に示す紙カートンを形成するブランクの変
形例を示す展開図である。

【図６】従来の紙カートンを示す斜視図てある。

【図７】図６に示す紙カートンを開けた状態で示す斜視
図である。

【符号の説明】

１ 紙カートン ２ ブランク ３ 前面パネル ３ａ 摘み部分 ４ 天面パネル ８ ガイド片 １８ 開閉部分 β 破断線 γ 切込

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面パネルに設けられた摘み部分を引っ
   張ることにより破断線に沿って前面パネルの一部とこれ
   に繋がる天面パネルの一部が開閉部分として開けられる
   直方体形状をした横置きタイプの紙カートンにおいて、
   一旦開けた開閉部分を再封した時に前記摘み部分を係止
   するための切込が前面パネルの内面側にある内側パネル
   に設けられているとともに、該内側パネルの上辺に斜め
   上向きのガイド片が連設されていることを特徴とする紙
   カートン。