JPH08118682A - インクジェットプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】インクジェットヘッドの目詰まりを円滑に防止
することができ、かつインクのプリンタ本体内への漏洩
を防止する。 【構成】本装置は、バキュームポンプ１５の排気口１６
と連通した内部空間２２を有する補助タンク２１を設
け、この補助タンク２１の内部空間２２を大気開放した
構成とされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットヘッド
の目詰まり防止装置を備えたインクジェットプリンタに
関する。

【０００２】

【従来の技術】図３にインクジェットプリンタの従来構
成を示す。図において、１はプリンタ本体である。プリ
ンタ本体１内には、用紙搬送面２，キャリッジ３および
インクジェットヘッド５等が設けられている。

【０００３】キャリッジ３は、用紙搬送方向と直交する
方向（矢印Ｘ方向）に往復移動可能に設けられている。
このキャリッジ３には、インクジェットヘッド５が用紙
搬送面２と対向するように搭載されている。インクジェ
ットヘッド５は、図４に示す如く、インクを射出するノ
ズル部６と，このノズル部６へ供給するインクを収容す
るインクタンク部７とを含み構成されている。

【０００４】印字する際は、用紙搬送面２に沿って用紙
が間欠的に搬送されるとともにキャリッジ３が往復移動
され、かつインクジェットヘッド５のノズル部６からイ
ンク滴が所定の印字タイミングで用紙へ向けて噴射され
る。

【０００５】ところで、インクジェットプリンタには、
インクの目詰まりを防止するための目詰まり防止装置１
０Ｐが設けられているのが一般的である。目詰まり防止
装置１０Ｐは、プリンタ本体１内に設けられており、キ
ャップ１１，タンク１３，負圧生成手段（例えばバキュ
ームポンプ１５）等から構成されている。

【０００６】キャップ１１は、図４に示す如く、インク
ジェットヘッド５のノズル部６を被嵌して密封可能なノ
ズル収容部１２を有している。また、タンク１３は、キ
ャップ１１のノズル収容部１２とパイプ１９Ａを通して
連通した内部空間１４を有している。また、バキューム
ポンプ１５は、タンク１３の内部空間１４からパイプ１
９Ｂを通して空気を吸引して排気口１６から外部排出す
ることにより当該内部空間１４およびキャップ１１のノ
ズル収容部１２に負圧を生成する手段である。ここにお
いて、印字作業を行わない場合には、インクジェットヘ
ッド５は、図３中左方の印字領域外にあるキャップ１１
設置箇所まで移動させられ、図４に示す如く、ノズル部
６がキャップ１１のノズル収容部１２に嵌合される。こ
れにより、インクジェットヘッド５のノズル部６が自然
乾燥するのが未然防止される。印字停止中に、インクの
目詰まり防止を図るために、インクジェットヘッド５の
ノズル部６から使い残りのインクを除去する場合には、
バキュームポンプ１５を駆動してタンク１３の内部空間
１４から空気を吸引し、当該内部空間１４，パイプ１９
Ａ内およびキャップ１１のノズル収容部１２に負圧を生
成する。

【０００７】これにより、インクジェットヘッド５のノ
ズル部６から使い残りのインクが吸引されタンク１３の
内部空間１４へ収容される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した目
詰まり防止装置１０Ｐでは、印字停止中はタンク１３の
内部空間１４は密閉されることになるため、当該内部空
間１４に収容されたインクは乾かずそのままの状態で溜
められることになる。

【０００９】そのため、上記したインク吸引作業が繰り
返し行われた場合、タンク１３の内部空間１４からイン
クがオーバーフローし、バキュームポンプ１５の排気口
１６を通して外部へ漏れ出てしまい、プリンタ本体１に
内蔵された制御基板，電源基板，モータ等にインクが掛
かり、故障，誤動作，短絡事故等が起こるおそれがあ
る。

【００１０】そこで、かかる事態が発生しないように、
タンク１３の内部空間１４を広げてインクを収容する容
量を増大することが考えられる。しかし、これでは、タ
ンク１３の内部空間１４にインク吸引に十分な負圧を生
成するまでの時間が長引くことになり実用上問題があ
る。

【００１１】本発明の目的は、上記事情に鑑み、インク
ジェットヘッドの目詰まりを円滑に防止することがで
き、かつインクがプリンタ本体内へ漏れ出るのを防止す
ることができるインクジェットプリンタを提供すること
にある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明に係るインクジェ
ットプリンタは、インクジェットヘッドのノズル部を被
嵌して密封可能なノズル収容部を有するキャップと、こ
のキャップのノズル収容部と連通した内部空間を有する
タンクと、このタンクの内部空間から空気を吸引して排
気口から外部排出することにより当該内部空間および前
記キャップのノズル収容部に負圧を生成可能な負圧生成
手段とからなる目詰まり防止装置をプリンタ本体に内蔵
したインクジェットプリンタにおいて、前記負圧生成手
段の排気口と連通した内部空間を有する補助タンクを設
け、この補助タンクの内部空間を大気開放したことを特
徴とする。

【００１３】

【作用】上記構成による本発明では、キャップのノズル
収容部にインクジェットヘッドのノズル部を被嵌した状
態で、負圧生成手段を用いてタンクの内部空間から空気
を吸引すると、当該内部空間およびキャップのノズル収
容部に負圧が生成される。これにより、インクジェット
ヘッドのノズル部からインクが吸引されタンクの内部空
間へ流入される。

【００１４】この際、タンクの内部空間が既にインクで
満杯となっており、新たにインクが流入されたことによ
り当該内部空間からインクがオーバーフローしたとして
も、オーバーフローしたインクは負圧生成手段の排気口
を通して補助タンクの内部空間へ流れ込むので、プリン
タ本体へは漏れ出ない。

【００１５】ここにおいて、補助タンクの内部空間は大
気解放されているので、当該内部空間へ流れ込んだイン
クは自然乾燥し溜まらない。したがって、長期にわたっ
てインクがプリンタ本体内へ漏れ出るのを防止できる。

【００１６】また、補助タンクにもインクを収容するこ
とができるので、タンクの内部空間を格別大きくする必
要はない。そのため、タンクの内部空間に、迅速に十分
な負圧を生成してインクジェットヘッドからのインク吸
引を円滑に行うことができる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本インクジェットプリンタは、図１および図２に
示す如く、基本的構成が従来例（図３，図４）と同様と
されているが、負圧生成手段（本実施例ではバキューム
ポンプ１５）の排気口１６と接続された補助タンク２１
を設け、インクジェットヘッド５からのインク吸引を円
滑に実施可能かつインク漏洩防止達成可能に構成されて
いる。なお、従来例（図３，図４）と共通する構成要素
については、同一の符号を付し、その説明を簡略又は省
略する。

【００１８】まず、本インクジェットプリンタの目詰ま
り防止装置１０の最大の特徴部である補助タンク２１
は、バキュームポンプ１５の排気口１６と連通した内部
空間２２を有している。

【００１９】本実施例では、補助タンク２１は、その内
部空間２２と連通する入口部２３および出口部２４を有
しており、入口部２３はパイプ２９を通してバキューム
ポンプ１５の排気口１６と連通されている。また、出口
部２４は開口されている。

【００２０】したがって、補助タンク２１の内部空間２
２は、入口部２３およびパイプ２９を通してバキューム
ポンプ１５の排気口１６と連通しており、出口部２４を
通して大気解放されている。

【００２１】次に、この実施例の作用について説明す
る。キャップ１１のノズル収容部１２にインクジェット
ヘッド５のノズル部６を被嵌した状態で、バキュームポ
ンプ１５を駆動してタンク１３の内部空間１４から空気
を吸引すると、当該内部空間１４，パイプ１９Ａ内およ
びキャップ１１のノズル収容部１２に負圧が生成され
る。これにより、インクジェットヘッド５のノズル部６
からインクが吸引されタンク１３の内部空間１４へ流入
される。

【００２２】この際、タンク１３の内部空間１４が既に
インクで満杯となっており、新たにインクが流入された
ことにより当該内部空間１４からインクがオーバーフロ
ーしたとしても、オーバーフローしたインクはバキュー
ムポンプ１５の排気口１６を通して補助タンク２１の内
部空間２２へ流れ込むので、プリンタ本体１へは漏れ出
ない。

【００２３】ここにおいて、補助タンク２１の内部空間
２２は大気解放されているので、当該内部空間２２に収
容されたインクは自然乾燥し溜まらない。したがって、
長期に亙ってインクがプリンタ本体１内へ漏れ出るのを
防止できる。

【００２４】また、補助タンク２１にもインクを収容す
ることができるので、タンク１３の内部空間１４を格別
大きくする必要はない。そのため、タンク１３の内部空
間１４に、迅速に十分な負圧を生成してインクジェット
ヘッド５からのインク吸引を円滑に行うことができる。

【００２５】しかして、この実施例によれば、バキュー
ムポンプ１５の排気口１６と連通した内部空間２２を有
する補助タンク２１を設け、この補助タンク２１の内部
空間２２を大気開放した構成としたので、インクジェッ
トヘッド５の目詰まりを円滑に防止することができ、か
つインクがプリンタ本体１内へ漏れ出るのを防止するこ
とができる。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、負圧生成手段の排気口
と連通した内部空間を有する補助タンクを設け、この補
助タンクの内部空間を大気開放した構成としたので、イ
ンクジェットヘッドの目詰まりを円滑に防止することが
でき、かつインクがプリンタ本体内へ漏れ出るのを防止
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を説明するための図である。

【図２】同じく、全体構成を説明するための斜視図であ
る。

【図３】インクジェットプリンタの従来構成を説明する
ための斜視図である。

【図４】同じく、目詰まり防止装置の従来構成を説明す
るための図である。

【符号の説明】

１ プリンタ本体 ５ インクジェットヘッド ６ ノズル部 １０ 目詰まり防止装置 １１ キャップ １２ ノズル収容部 １３ タンク １４ 内部空間 １５ バキュームポンプ（負圧生成手段） １６ 排気口 ２１ 補助タンク ２２ 内部空間

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクジェットヘッドのノズル部を被嵌
   して密封可能なノズル収容部を有するキャップと、この
   キャップのノズル収容部と連通した内部空間を有するタ
   ンクと、このタンクの内部空間から空気を吸引して排気
   口から外部排出することにより当該内部空間および前記
   キャップのノズル収容部に負圧を生成可能な負圧生成手
   段とからなる目詰まり防止装置をプリンタ本体に内蔵し
   たインクジェットプリンタにおいて、 前記負圧生成手段の排気口と連通した内部空間を有する
   補助タンクを設け、この補助タンクの内部空間を大気開
   放したことを特徴とするインクジェットプリンタ。