JPH0811863B2 - 繊維マット及びその製造方法 - Google Patents

繊維マット及びその製造方法

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JPH0811863B2
JPH0811863B2 JP63061459A JP6145988A JPH0811863B2 JP H0811863 B2 JPH0811863 B2 JP H0811863B2 JP 63061459 A JP63061459 A JP 63061459A JP 6145988 A JP6145988 A JP 6145988A JP H0811863 B2 JPH0811863 B2 JP H0811863B2
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fiber
fibers
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carbon
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淳夫 安房
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は衣料や掛布団等のキルテイング材の中綿、敷
布団やマツトレスの詰物等に用いられる繊維マツトに関
し、更に具体的には、炭素繊維で補強され、かつ、繊維
相互の接点が熱融着繊維により接着されてなる嵩高でか
つ嵩高回復性に優れた繊維マツトに関する。
〔従来の技術〕
熱融着性繊維を用いた嵩高な繊維マツトとしては、特
開昭51−136978号公報に開示されるような、熱融着複合
繊維を用いたものが広く知られている。また、炭素繊維
等の高弾性率の繊維を熱可塑性繊維状マトリツクスで固
定した複合材料も特開昭53−73267号公報に開示されて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
特開昭51−136978号公報に開示された繊維マツトは嵩
高であるという特徴を有するが、素材自身のヤング率が
500kg/mm2程度であるため嵩高回復性が劣り、繰り返し
圧縮荷重を受けると収縮するという欠点がある。
また、特開昭53−73267号公報に開示された繊維マツ
トは強度の大きなものではあるが、炭素繊維等の強化繊
維材料が平面的(二次元的)に配列されているため嵩高
性に欠けるものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は嵩高でかつ繰り返し圧縮を受けた後も嵩高
回復性の優れた繊維マツトを得るべく鋭意研究の結果、
熱融着性繊維により繊維相互の接点が接着された繊維マ
ツトに補強材として炭素繊維を用いるとともに、該炭素
繊維を繊維マツトの幅方向および長さ方向のみならず厚
さ方向にも配列することにより所期の目的が達せられる
ことを知り本発明を完成するに到つた。
すなわち、本願第1の発明は繊維相互の接点が熱融着
性繊維により接着されてなる繊維マツトであつて、該繊
維マツトの厚み方向に20度以上の傾斜角で配向された炭
素繊維が繊維マツトの重量に対し0.5%以上含有されて
いることを特徴とする繊維マツトである。
また、本願第2の発明は、少くとも熱融着性繊維と炭
素繊維とを含有する混合ウエブに振動を与えることによ
り炭素繊維の少くとも一部を混合ウエブの厚み方向に対
し20度以上の角度に配向させ、次いで熱処理により繊維
相互の接点を熱融着繊維により接着させることにより成
る繊維マツトの製造方法である。
本発明で第1の構成要素として用いる熱融着性繊維は
加熱により融着性を発現する繊維を指し、具体的にはポ
リオレフイン、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性
樹脂からなる均質繊維、更にはポリプロピレン/ポリエ
チレン、ポリエステル/ポリエチレン、ナイロン−6/ナ
イロン6・6等の融点の異る(好ましくは20℃以上異
る)熱可塑性樹脂を組み合せて並列型、鞘芯型、海島型
等に紡糸した複合繊維が例示でき、接着しようとする繊
維より低い融点の熱可塑性樹脂を接着成分とするものの
中から適宜選択される。
繊維マツトの製造に用いる熱融着性繊維の量は、繊維
マツト重量に対し15%以上、好ましくは20%以上であ
り、過少量の使用は繊維マツトの強度低下をもたらし、
また過剰量の使用は経済的な不利益のみならず、繊維マ
ツトの風合を粗硬なものとするので好ましくない。
本発明で第2の構成要素として用いる炭素繊維は、ポ
リアクリロニトリル系、ピツチ系、レーヨン系のいずれ
であっても良く、引張り弾性率が10〜100×103kg/cm2
あつて、無捲縮、かつ、直径が4〜500μmのものが好
ましく用いられる。繊維マツトの厚み方向に対し20度以
上の傾斜角で配向された上記炭素繊維が繊維マツト重量
に対し0.5%以上存在すると、繊維マツトの嵩高回復性
が著しく向上する。繊維マツト中の炭素繊維の含量の上
限には特別な限定はなく、繊維マツトが好ましい柔軟性
を失わない範囲内であれば良い。
本発明の繊維マツトは、その用途に応じて木綿、羊毛
等の天然繊維あるいはポリアミド繊維、ポリエステル繊
維、ポリアクリロニトリル繊維等の合成繊維(以下高融
点繊維と総称することがある)を第3の構成要素として
用いる。ただし、熱融着性繊維が融点差が15℃以上(好
ましくは20℃以上)異る複数成分からなる熱融着性複合
繊維である場合には、該熱融着性複合繊維の高融点成分
が高融点繊維の役割をするので、熱融着性複合繊維と炭
素繊維のみを用いて本発明の繊維マツトを作ることがで
きる。
上記各種の繊維はカード機、エアレイ式ランダムウエ
パー、トウ開繊開拡機等公知の方法で混合しウエブとす
る。炭素繊維はこのウエブ作成の工程で混合することも
可能であるが、高融点繊維および/または熱融着性繊維
で作つたウエブの上に所要量の炭素繊維を振り掛けるの
みでも良い。
次に、このようにして得られた混合ウエブに振動を与
えて炭素繊維を混合ウエブの厚さの方向に配向させる。
振動を与える方法としては、混合ウエブを載せた台をバ
ネを介して偏心モーターで振動させる方法等通常のバイ
ブレーターを用いれば良く、振動数、振幅、振動時間等
の条件は炭素繊維の配向の程度を観察することにより適
宜設定するが、振動数1〜60Hz、振幅0.1〜15mmで5秒
〜30分間を要する。このような振動処理の間に炭素繊維
が混合ウエブの下方に徐々に沈降しながら、混合ウエブ
の厚さ方向に配向される。この沈降により混合ウエブ中
の炭素繊維の分布が過度に不均一になる場合には、混合
ウエブを裏返して更に振動処理を続ければ良い。このよ
うにして、その厚さ方向に対し20度以上の傾斜角に配向
された炭素繊維を0.5重量%以上含有する混合ウエブを
得る。
上記振動処理をした混合ウエブを熱融着繊維の融点
(熱融着複合繊維の場合はその低融点成分の融点)と高
融点繊維の融点(熱融着性複合繊維の場合にはその高融
点成分の融点)との間の温度で熱処理して不織布とす
る。熱処理の方法としては、嵩高な不織布を得やすい熱
風循環式加熱炉が好適に用いられるが、これに限定され
るものではない。
〔実施例〕
実施例および比較例により本発明を具体的に説明す
る。なお、各例で用いた測定方法および評価方法は以下
の通りである。
炭素繊維の配向状態:繊維マツトより縦横各5cmの試
料片を切り取り、その断面(側面)を拡大鏡で観察し、
ランダムに抽出した100本の炭素繊維のうち水面平より
厚さ方向に20度以上傾斜したものの比率(n/100)を求
め、繊維マツト中の炭素繊維含有量(m、重量%)との
積(m×n/100、重量%)で表示した。
嵩高回復性:繊維マツトより切り取つた縦横各10cmの試
料片を3枚積み重ねてその高さを測り所期体積(A)を
求める。次いでこの3枚重ねの試料の上に縦横各10cm、
厚さ3mmのステンレス板を介して総重量5kgの荷重を掛け
4分間放置後除重し2分間放置する。この荷重−除重の
操作を50回繰り返した後24時間無荷重で放置した試料の
高さを測り加重後の体積(B)を求め、次式により嵩高
回復性を算出する。
嵩高回復性(%)=(B/A)×100 実施例1〜7 第1表に示した4種類の繊維を用い、第2表に示した
ような種々の組み合せと混合比で、カード機によるラン
ダムウエブ(いずれも目付700g/m2)とした。このラン
ダムウエブから切り出した縦横各20cmの試料片を振動装
置に乗せて振動数60Hz、振幅0.6mmで第2表に示した所
定時間振動処理した後、試料片を裏返して更に振動処理
した。
次いで、振動処理した試料片を145℃の乾燥器で5分
間加熱し、加熱後直ちにステンレス板で押圧しスペーサ
ーを用いて厚さ35mmの繊維マツトとした。
これら繊維マツトの炭素繊維の配向状態および嵩高回
復性のデーターを第2表に併せ表示した。
比較例1〜4 第2表に示した繊維の組み合せおよび混合比で、実施
例と同様にカード機によるランダムウエブ(いずれも目
付700g/m2)を作り、振動処理を行わなかつたこと以外
は実施例と同様に処理して厚さ35mmの繊維マツトを得
た。これらの繊維マツトの炭素繊維の配向状態および嵩
高回復性を第2表に併せ表示した。
〔発明の効果〕 第2表に示されたデータからも明らかなように、繊維
マツトの厚み方向に20度以上の傾斜角で配向された炭素
繊維を0.5重量%以上含有する本発明の繊維マツトは、
炭素繊維の含有量が比較的少量であつても嵩高回復性が
大きく、椅子の詰物、ベツドのマツトレス等の用途に優
れたクツシヨン材を経済的に提供することが可能となつ
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維相互の接点が熱融着性繊維により接着
    されてなる繊維マツトであつて、該繊維マツトの厚み方
    向に20度以上の傾斜角で配向された炭素繊維が繊維マツ
    トの重量に対し0.5%以上含有されていることを特徴と
    する繊維マツト。
  2. 【請求項2】少くとも熱融着性繊維と炭素繊維とを含有
    する混合ウエブに振動を与えることにより炭素繊維の少
    くとも一部を混合ウエブの厚み方向に対し20度以上の角
    度に配向させ、次いで熱処理により繊維相互の接点を熱
    融着繊維により接着させることにより成る繊維マツトの
    製造方法。
  3. 【請求項3】熱融着性繊維、高融点繊維および炭素繊維
    で構成されている請求項1に記載の繊維マツト。
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