JPH08117351A - 粒子ビーム照射方法および粒子ビーム装置並びにそれを用いた医療装置 - Google Patents

粒子ビーム照射方法および粒子ビーム装置並びにそれを用いた医療装置

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JPH08117351A
JPH08117351A JP26378394A JP26378394A JPH08117351A JP H08117351 A JPH08117351 A JP H08117351A JP 26378394 A JP26378394 A JP 26378394A JP 26378394 A JP26378394 A JP 26378394A JP H08117351 A JPH08117351 A JP H08117351A
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淳一 廣田
Masatsugu Nishi
政嗣 西
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Abstract

(57)【要約】 【目的】小型にして粒子ビームが十分に広げられ、かつ
その粒子分布が充分に平坦化される粒子ビーム装置を提
供する。 【構成】荷電粒子ビームを、粒子ビーム制御系を介して
目標に照射するように形成されている粒子ビーム装置に
おいて、前記粒子ビーム制御系の上流側に、粒子ビーム
を扁平状に拡大成形する粒子ビーム拡大手段と、該粒子
ビーム拡大手段により扁平状に拡大された粒子ビームを
その扁平面に直角方向に移動させる粒子ビーム移動手段
とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、荷電粒子ビームを目標
に向けて輸送・照射するための粒子ビーム装置およびそ
れを用いた医療装置および粒子ビーム照射方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般に採用されている荷電粒子ビー
ム装置を用いた医療装置は、図2にも示されているよう
に、荷電粒子ビーム制御系を介して照射目標に照射する
ようにしている。すなわち加速器101で高エネルギー
まで加速された荷電粒子ビームを各治療室103へ輸送
し、治療室103内で治療,すなわち患者の患部に照射
するようにしている。
【0003】この場合の加速器101は、シンクロトロ
ンで、前段加速器160からのビームを入射器150を
使ってこのシンクロトロンへ入射し、シンクロトロンで
は、偏向電磁石3および4極電磁石5,7、それに加速
空洞8を使って粒子ビームを周回させるとともに、高エ
ネルギーまで加速する。
【0004】そして加速された粒子ビームは、治療室1
03へ輸送されるわけであるが、この輸送過程で真空ダ
クトに衝突しないように、4極電磁石104により粒子
ビーム径を小さく抑えるとともに偏向電磁石105によ
り粒子ビームが適切なコースを通るように調整される。
【0005】図3には、この輸送された粒子ビームを患
者に照射する照射装置が示されている。この装置は、最
上流部に偏向電磁石11を備え、この偏向電磁石11を
出た粒子ビームは、散乱体42の作用により、x方向、
y方向(図中の方向記号参照)にそれぞれ広げられると
同時に粒子ビームの粒子分布が平坦化される。なお、散
乱体42より下の部分には、エネルギー調整器45が配
置されている。
【0006】粒子の分布が平坦化された粒子ビームは、
さらにコリメーター43により粒子ビームの広がりおよ
びその形状が適切に調整され、その後患者44に照射さ
れるように形成されている。なお、このような技術に関
連するものとしては、原子力工業第32巻第3号(19
86)第33頁「重粒子線治療装置」などが挙げられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように形成されて
いる従来の粒子ビーム装置では、照射位置において、散
乱体により粒子ビームを十分広げるとともに粒子数分布
を平坦化させるために、散乱体から照射位置まで十分な
距離が必要であり、この距離を確保するために粒子ビー
ム装置が大型化し、さらに粒子ビームを広げるために散
乱体が使用されていることからビーム損失が大きい嫌い
があった。
【0008】本発明はこれに鑑みなされたもので、その
目的とするところは、小型にして粒子ビームが十分に広
げられ、かつその粒子分布が充分に平坦化される荷電粒
子ビーム装置およびそれを用いた医療装置を提供するに
ある。
【0009】さらに本発明のもう一つの目的は、小型に
して粒子ビーム損失を充分低減することが可能な荷電粒
子ビーム装置およびそれを用いた医療装置を提供するに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、荷電
粒子ビームを、粒子ビーム制御系を介して目標の所定範
囲に照射するように形成されている粒子ビーム装置にお
いて、前記粒子ビーム制御系の上流側に、粒子ビームを
扁平状に拡大成形する粒子ビーム拡大手段と、該粒子ビ
ーム拡大手段により扁平状に拡大された粒子ビームをそ
の扁平面に直角方向に移動させる粒子ビーム移動手段と
を設けるようになし所期の目的を達成するようにしたも
のである。
【0011】
【作用】すなわちこのように形成された粒子ビーム装置
であると、粒子ビーム制御系の上流側に粒子ビームを扁
平状に拡大成形する粒子ビーム拡大手段装置が設けられ
ていることから、粒子ビーム制御系の粒子ビームサイズ
は進行方向距離の増加とともに増加はするものの、扁平
状,すなわちシート状をなしており、粒子ビーム制御系
の偏向電磁石なども扁平な形状となり全体的に薄型のも
のとなり、またこの扁平状に拡大された粒子ビームが、
粒子ビーム移動手段によりその扁平面に直角方向に移動
させられるので、その照射範囲を充分覆うことが可能で
あり、したがって小型にして十分に拡大された粒子ビー
ムの照射範囲とすることができるのである。
【0012】
【実施例】以下図示した実施例に基づいて本発明を詳細
に説明する。図1には、その粒子ビーム装置を用いた医
療装置の例が示されている。図中20が照射目標(患
者)で10がプロトンを輸送する粒子ビームダクトであ
る。加速器でエネルギーおよそ250MeVまで加速さ
れたプロトンは、粒子ビームダクト10内を流通し、収
束4極電磁石13の前側,すなわち図中Aで示す箇所に
到達する。
【0013】この収束4極電磁石13の前側から照射目
標20に至るまでの間には、収束4極電磁石13、発散
4極電磁石14、粒子数分布平坦化用8極電磁石21、
偏向電磁石11、さらに、粒子ビーム移動用の2極電磁
石23などの粒子ビーム制御系が設置されている。
【0014】収束4極電磁石13、発散4極電磁石1
4、粒子数分布平坦化用8極電磁石21、偏向電磁石1
1、さらに、粒子ビーム移動用の2極電磁石23は、そ
れぞれ電源装置202、203、204、205、20
6に接続され、各電源装置は、制御装置201で制御さ
れる。この制御装置201は、照射範囲・形状設定装置
200の出力信号に基づき、必要な範囲を正しくビーム
を照射できるように前記電源装置を制御する。
【0015】前記4極電磁石(13、14)は、粒子ビ
ームの収束、発散を行うように内部に電磁石を備えてお
り、そのxy面内の磁極構造が図6に示されている。収
束用4極電磁石13および発散用4極電磁石14の磁極
構造は、いずれもこのようにコイルCを有する磁極Pが
S極N極交互に配置された構造になっているが、収束用
4極電磁石13の場合には、磁極1と磁極3がS極、磁
極2と磁極4がN極になるようにコイルに電流が流さ
れ、また発散用4極電磁石14の場合には、この逆の極
性となるように電流が流される。
【0016】前記収束用4極電磁石13は、磁石中心か
らx方向変位が大きくなるとx方向変位に比例した力で
粒子ビームの軌道勾配を変えて、粒子ビームに収束する
作用を与え、y方向についてはy方向変位に比例した力
で発散する作用を与える。一方、発散用4極電磁石14
の場合は、前記収束用4極電磁石13と反対の作用を粒
子ビームに与える。
【0017】この結果、プロトン粒子ビームは、発散用
4極電磁石14と収束用4極電磁石13の強度を適切に
選ぶ事により、偏向電磁石11の偏向面に垂直に収束作
用を受け、また、前記の偏向面に平行に発散作用を受
け、照射目標に近づくにつれ偏向面に平行方向に広が
り、また偏向面に垂直方向には収束していく。
【0018】図1に戻り、プロトン粒子ビームは8極電
磁石21を通過することにより、照射目標20の位置
で、偏向面内の粒子数分布が平坦化される。すなわち8
極電磁石21はその磁極断面が図7に示されているよう
に、磁極1がN極で磁極2がS極で磁極8まで同様の極
性が繰り返され形成されている。8極電磁石では、y方
向変位の3乘に比例した力で軌道勾配を変化させる。
【0019】この軌道勾配の変化量が変位に比例する場
合は、粒子ビームの粒子数分布の形状は相似形である
が、軌道勾配の変化量と変位との関係を非線形にする
と、変位の大きな粒子の軌道勾配をより大きく変化させ
て、粒子ビームの粒子数分布の形状を変化させることが
できるようになる。この効果を用いて、8極電磁石21
の磁石強度を適切に選択することにより、照射目標の位
置で偏向面の粒子数分布を平坦化するのである。
【0020】プロトン粒子ビームは8極電磁石21の作
用を受けたあと、偏向電磁石11でx面内の軌道が曲げ
られる。偏向電磁石11で軌道を曲げるのに必要な電流
は、偏向電磁石11のy方向のギャップサイズに比例す
るため、偏向電磁石のギャップはできるだけ小さく抑え
る事が望ましい。本発明では、収束用4極電磁石13と
発散用4極電磁石14の作用により、y方向の粒子ビー
ムサイズは小さく抑えたままでx方向の粒子ビームサイ
ズを拡大するため、偏向電磁石11のギャップは小さく
抑えられる。
【0021】偏向電磁石11の作用を受けた後、プロト
ン粒子ビームは、2極電磁石23でy方向に移動させら
れる。2極電磁石23による作用と照射目標上での粒子
ビームの様子が概念的に図4に示されている。2極電磁
石の磁場強度を変化させることにより、プロトン粒子ビ
ームは、図中y方向に移動する。なお、この場合2極電
磁石を作用させる前に照射目標20の上で、x方向には
広く、かつ平坦(扁平)な粒子ビームを得ることができ
ており、2極電磁石23により、y方向に粒子ビームを
移動させることにより、2次元的に広がりのある目標を
照射できる。
【0022】このビーム移動用の2極電磁石23には、
図8に示されているように、大きさ、極性が正弦波状に
変化する電流iが加えられ、これにより簡単に粒子ビー
ムを移動させることができる。粒子ビームのy方向の移
動範囲は、2極電磁石23の電流の大きさにより決ま
り、移動速さは2極電磁石23の電流の変化速さにより
決まる。
【0023】また、x方向の粒子ビームサイズ、平坦化
度は、発散用4極電磁石14、収束用4極電磁石13、
さらに粒子数分布平坦化用8極電磁石21の強度で決ま
るため、これらの強度についても、照射目標の大きさに
より適切に選択する。
【0024】すなわち照射範囲・形状設定装置200に
入力する患者の患部情報に基づきこの装置200で自動
的に算出し、これに基づき必要な範囲を照射できるよう
に制御装置201では4極電磁石13、14の電源(2
02、203)の強度を設定するとともに、制御装置2
01でビームの強度分布を平坦化するための8極電磁石
204の電流を求め、8極電磁石204を制御する。さ
らに、ビーム移動用の2極電磁石23についても、患部
の情報を照射範囲・形状設定装置200から得て、必要
な範囲を照射できる電流値を制御装置201で算出し、
電源装置206を制御する。
【0025】上記の実施例では、照射目標上の概ね長方
形状の領域を照射する。複雑な形状を照射する場合につ
いては、最終的にコリメーターで粒子ビーム形状を整形
するか、粒子ビームサイズ拡大手段である4極電磁石1
4の電源装置203とビーム平坦手段8極電磁石21の
電源装置204とビーム移動用電磁石23の電源装置2
06を連係制御して、必要な形状を照射する。
【0026】また、上記の実施例は、2極電磁石によ
り、粒子ビームをy方向に移動させたが、粒子ビームの
y方向位置は一定にしておき、照射目標をy方向に移動
させても全く同様の作用を持たせることができる。
【0027】次に、本発明の動作および作用について図
を用いてもうすこし詳しく説明すると、図5は、加速器
から出射した粒子ビームを輸送し目標に照射するための
本発明の装置の概要を示す図である。この図のz軸は、
粒子ビームの進行方向に沿って変化する軸とし、x、y
軸はz軸に垂直であるとする。
【0028】加速器から出射した粒子ビームは、粒子ビ
ームダクト10内を通過して、偏向電磁石11により曲
げられ目標12に照射される。この時、手段の第1で述
べたように、粒子ビーム装置の上流側に粒子ビームサイ
ズ拡大装置50を設け、偏向面内の粒子ビームサイズを
進行方向距離の増加とともに増加させ、照射点では、偏
向面に沿ったシート状にする。この時の粒子ビーム形状
を図4に示す。
【0029】図4のz=0は、照射目標上の面を示し、
x方向、即ち、偏向面に沿った方向の粒子ビームサイズ
は、y方向、即ち、偏向面に垂直方向の粒子ビームサイ
ズより大きい。ここで、最下流の偏向面内の粒子ビーム
サイズを増加させているが、偏向面に垂直方向の粒子ビ
ームサイズを増加させた場合、粒子ビームを失うことな
く輸送するためには、偏向電磁石のギャップを増加させ
る必要があり、その結果、電磁石のサイズや必要な電流
が増加する等の問題が生じる。
【0030】従って、偏向面に垂直方向の粒子ビームサ
イズの増加は最小限に留める。この粒子ビーム拡大に
は、具体的には、発散用4極電磁石を使用する。4極電
磁石は、電磁石中心からの変位に比例した力で軌道勾配
を変化させる。発散用4極電磁石は、偏向電磁石11の
偏向面に一致する面内で粒子ビームを発散させる作用を
持ち、偏向面内に垂直な面内で収束させる作用を持つ。
【0031】次に、図5の装置15により粒子ビームを
図2のy方向に移動させる、即ち、偏向電磁石の偏向面
に垂直に移動させるか、あるいは、図5の照射目標12
をy方向に移動させる。
【0032】ここで、偏向面に垂直に、粒子ビームの移
動もしくは照射目標の移動をするのは、前述のように、
電磁石の小型化、低コスト化のために、偏向面に垂直方
向には、粒子ビームサイズを小さく抑えておくことが必
要だからである。前者の粒子ビームの移動は、電磁石で
行ない、電磁石に流す電流の大きさを変化させて移動
量、移動速さを制御する。
【0033】以上のように粒子ビームの長軸方向に垂
直、即ち、最下流の偏向面に垂直に、粒子ビームを移動
させるか照射目標を移動させるかにより、広がりのある
目標を照射することができる。即ち、照射範囲は、粒子
ビームあるいは照射目標の移動距離と移動方向に垂直の
粒子ビームサイズにより決まる。
【0034】従って、粒子ビームの長軸方向のサイズを
増加させておけば、長軸方向に垂直方向のみの移動によ
り、広がりのある目標を照射できる。広い範囲を照射す
るためには、粒子ビームサイズは、およそ10mm以上
にしておくことが必要である。いろいろなサイズの目標
を照射する場合については、粒子ビームサイズ拡大手
段、即ち、図5の粒子ビーム拡大装置50と粒子ビーム
移動装置15を調整することにより、照射範囲を調整す
る。
【0035】粒子分布については、粒子数分布平坦化装
置16を、図5に示すように、輸送系の上流側に設け
る。この装置16により、図2のx方向、即ち、粒子ビ
ームの偏向面内の粒子数分布を平坦化させる。この粒子
数分布平坦化装置16には、8極以上の多極電磁石を用
いる。
【0036】多極電磁石を用いた粒子数分布平坦化装
置、例えば8極電磁石では、粒子ビーム中心からの距離
の3乘に比例した力で軌道勾配を変えることができ、粒
子ビーム中心からの距離が大きい粒子を中心部に集める
ことができ、粒子数分布を平坦化できる。さらに多極の
電磁石を使用した場合にも同様の効果を持たせることが
でき、粒子数分布を平坦化できる。
【0037】次に本発明の第2の実施例を図9に基づき
説明する。本実施例では、ビーム拡大用に発散用4極電
磁石14を使用し、また、粒子数分布平坦化用に12極
電磁石24を使用する。12極電磁石では、y方向の変
位の5乘に比例した力で軌道勾配を変化させる。したが
って、実施例1と同様に粒子数分布を平坦化させること
ができる。
【0038】これらにより、図9のy方向に粒子ビーム
を広げると同時にy方向の粒子数分布を平坦化する。さ
らに、2極電磁石23を用いて粒子ビームをx方向に移
動させ、目標20を照射する。また、これらの電磁石の
電源装置203、204、205は、照射範囲設定装置
200からの情報に基づき、制御装置201で制御す
る。
【0039】次に本発明の第3の実施例について説明す
る。図2と同様にシンクロトロン101でプロトン粒子
ビームを加速し、出射器31からプロトン粒子ビームを
輸送、治療室103へ出射する。出射器31から出射さ
れる粒子ビームは、患者の患部状況に応じて、粒子ビー
ムエネルギーを変化させる。治療室103内の輸送・照
射装置を図10に示す。輸送・照射装置は、図に示され
ているように患者の患部位置に応じて、回転軸RCの周
りを回転できるようになっている。
【0040】シンクロトロンから出射された粒子ビーム
は、偏向電磁石33で軌道を曲げられ、その後、粒子ビ
ーム収束用4極電磁石13、発散用4極電磁石14で最
終粒子ビーム偏向電磁石11の偏向面内の粒子ビームサ
イズを拡大させる。ただし、実施例1と同様に、偏向面
に垂直方向の粒子ビームサイズは小さく抑えておく。ま
た、偏向面内の粒子数分布は、粒子数分布平坦化用8極
電磁石21により、平坦化する。その後、偏向電磁石2
2で軌道を曲げたあと、2極電磁石23により、偏向面
に垂直方向に粒子ビームを移動させる。
【0041】したがって、前述した実施例1と同様に照
射範囲・形状設定装置200で自動的に算出し、これに
基づき必要な範囲を照射できるように制御装置201で
4極電磁石13、14の電源(202、203)の強度
を設定する。制御装置201でビームの強度分布を平坦
化するための8極電磁石の電流を求め、8極電磁石の電
源を制御する。さらに、ビーム移動用の電磁石23につ
いても、必要な範囲を照射できる電流値を制御装置20
1で算出し電源装置206を制御する。なお、患部の状
況によっては、シンクロトロンからは、異なるエネルギ
ーのビームを出射する。
【0042】粒子ビームのエネルギーを変える場合につ
いても収束用4極電磁石13、発散用4極電磁石14、
偏向電磁石33、偏向電磁石22、2極電磁石23が同
様の効果を持つように制御装置201で必要な電磁石の
電流を求め、電源装置202、203、204、20
5、206を制御する。
【0043】また、上記の実施例では、加速器にシンク
ロトロンを使用しているが、加速器をサイクロトロンに
した場合でも図10の粒子ビーム装置をそのまま使用す
ることができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、粒子ビーム制御系の上流側に粒子ビームを扁平状に
拡大成形する粒子ビーム拡大手段装置が設けられている
ことから、粒子ビームは扁平状をなしており、粒子ビー
ム制御系の偏向電磁石なども扁平な形状となり全体的に
薄型のものとなり、またこの扁平状に拡大された粒子ビ
ームが、粒子ビーム移動手段によりその扁平面に直角方
向に移動するように形成されているので、その照射範囲
を充分覆うことが可能であり、したがって小型にして十
分に拡大された粒子ビームの照射範囲のこの種粒子ビー
ム装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療装置の一実施例を示す線図であ
る。
【図2】本発明の医療装置の一実施例を示す線図であ
る。
【図3】従来の粒子ビーム装置を示す縦断側面図であ
る。
【図4】本発明の粒子ビーム形状と粒子ビーム移動の関
連を示す図である。
【図5】本発明の医療装置の一実施例を示す線図であ
る。
【図6】4極電磁石の断面図である。
【図7】8極電磁石の断面図である。
【図8】粒子ビーム移動用電磁石の電流の時間変化を示
す図である。
【図9】本発明の医療装置の他の実施例を示す線図であ
る。
【図10】本発明の医療装置の他の実施例を示す線図で
ある。
【符号の説明】
10…粒子ビームダクト、101…荷電粒子加速器、1
05…偏向電磁石、103…治療室、104…4極電磁
石、160…前段加速器、150…入射器、5,7,4
0…4極電磁石、8…加速空洞、42…散乱体、103
…治療室103、15…粒子ビーム移動装置、50…粒
子ビームサイズ拡大装置、16…粒子数分布平坦化装
置、3,11,22,33,41…偏向電磁石、12,
20…照射目標、23…粒子ビーム移動用2極電磁石、
13…収束4極電磁石、14…発散4極電磁石、21…
8極電磁石、24…12極電磁石24、30…シンクロ
トロン、31…出射器、32…照射装置。
フロントページの続き (72)発明者 西 政嗣 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 桜畠 広明 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照射目標の所定範囲に荷電粒子ビームを
    照射する粒子ビーム照射方法において、 前記照射する粒子ビームを扁平状となるように制御し、
    かつ該扁平状に形成された粒子ビームをその扁平面に直
    角方向に移動させ、目標の所定の範囲に粒子ビームを照
    射するようにしたことを特徴とする粒子ビーム照射方
    法。
  2. 【請求項2】 照射目標の所定の部分で、かつ所定の範
    囲に荷電粒子ビームを照射するようになした粒子ビーム
    照射方法において、 前記粒子ビームを扁平状となるように制御形成して目標
    に照射するとともに、その照射した状態で、前記照射目
    標を前記粒子ビームの扁平面に直角な方向に移動させ、
    目標の所定の範囲に荷電粒子ビームを照射するようにし
    たことを特徴とする粒子ビーム照射方法。
  3. 【請求項3】 荷電粒子ビームを、粒子ビーム制御系を
    介して目標の所定範囲に照射するようになした粒子ビー
    ム装置において、 前記粒子ビーム制御系に、粒子ビームを扁平状に拡大成
    形する粒子ビーム拡大手段と、該粒子ビーム拡大手段に
    より扁平状に拡大された粒子ビームをその扁平面に直角
    方向に移動させる粒子ビーム移動手段とを備えているこ
    とを特徴とする粒子ビーム装置。
  4. 【請求項4】 荷電粒子ビームを、粒子ビーム制御系を
    介して目標の所定範囲照射するようになした粒子ビーム
    装置において、 前記粒子ビーム制御系に、粒子ビームを扁平状に拡大す
    る拡大電磁装置と、該拡大電磁装置により扁平状に拡大
    された粒子ビームを、その扁平面に直角方向に移動させ
    る粒子ビーム移動用電磁装置とを設けたことを特徴とす
    る粒子ビーム装置。
  5. 【請求項5】 荷電粒子ビームを、粒子ビーム制御系を
    介して目標の所定範囲照射するようになした粒子ビーム
    装置において、 前記粒子ビーム制御系に、粒子ビームを扁平状に拡大す
    る拡大電磁装置を設けるとともに、前記粒子ビーム輸送
    系の最下流部に前記扁平状の粒子ビームをその扁平面に
    直角方向に移動させる粒子ビーム移動用電磁装置を設け
    るようにしたことを特徴とする粒子ビーム装置。
  6. 【請求項6】 荷電粒子ビームを、粒子ビーム制御系を
    介して目標の所定範囲照射するようになした粒子ビーム
    装置において、 前記粒子ビーム制御系に、粒子ビームを扁平状に拡大す
    る拡大電磁装置を設け、かつ前記照射される目標が乗置
    されている台が、前記扁平状をなした粒子ビームの扁平
    面に直角方向に移動するように形成されていることを特
    徴とする粒子ビーム装置。
  7. 【請求項7】 前記拡大電磁装置が、4極電磁石で形成
    されてなる請求項4、5若しくは6記載の粒子ビーム装
    置。
  8. 【請求項8】 荷電粒子ビームを、粒子ビーム制御系を
    介して目標の所定範囲照射するようになした粒子ビーム
    装置において、 前記粒子ビーム制御系に、粒子ビームを扁平状に拡大す
    る拡大電磁装置を設け、かつその下流部に、扁平状に拡
    大された粒子ビームの粒子数分布を平坦化する粒子分布
    平坦化装置を設けるとともに、前記粒子ビーム輸送系の
    最下流部に、前記扁平状の粒子ビームをその扁平面に直
    角方向に移動させる粒子ビーム移動用電磁装置を設ける
    ようにしたことを特徴とする粒子ビーム装置。
  9. 【請求項9】 前記粒子分布平坦化装置が、極数8以上
    の多重極磁石である請求項8記載の粒子ビーム装置。
  10. 【請求項10】 前記扁平状に拡大された粒子ビームの
    照射位置におけるビームの長軸方向の大きさが10mm
    以上である請求項3、4、5、6、7、8若しくは9記
    載の粒子ビーム装置。
  11. 【請求項11】 荷電粒子ビームを、粒子ビーム制御系
    を介して目標の所定範囲照射するようになした粒子ビー
    ム装置において、 前記粒子ビームの進行方向に概ね垂直方向で、かつ最下
    流の偏向面に平行な方向のビームサイズをビーム中心位
    置を移動することなく拡大させる手段と、前記偏向面に
    垂直方向にビームを移動させる手段、若しくは前期偏向
    面に垂直方向に照射目標を移動させる手段とを備えてい
    ることを特徴とする粒子ビーム装置。
  12. 【請求項12】 荷電粒子ビームを、粒子ビーム制御系
    を介して目標の所定範囲照射するようになした粒子ビー
    ム装置において、 前記粒子ビームの進行方向に概ね垂直で、かつ最下流の
    偏向面に平行な方向のビームサイズをビーム中心位置を
    移動することなく拡大させる手段と、前期偏向面内の粒
    子数分布を平坦化する手段と、偏向面に垂直方向に、ビ
    ームを移動させる、若しくは照射目標を移動させる手段
    を備えたことを特徴とする粒子ビーム装置。
  13. 【請求項13】 前記ビームサイズ拡大手段、および粒
    子数分布平坦化手段が、ビーム移動手段より上流側にあ
    る請求項11若しくは12記載の粒子ビーム装置。
  14. 【請求項14】 前記ビームサイズ拡大手段、および粒
    子数分布平坦化手段が、最下流の偏向電磁石より上流側
    にある請求項11若しくは12記載の粒子ビーム装置。
  15. 【請求項15】 請求項3、4、5、6、7、8、9、
    11、12、13若しくは14に記載された粒子ビーム
    装置を使用したことを特徴とする医療装置。
  16. 【請求項16】 加速された荷電粒子ビームを、粒子ビ
    ーム制御系を介して患者の所定範囲照射するようになし
    た医療装置において、 前記粒子ビーム制御系に、粒子ビームを扁平状に拡大す
    る拡大電磁装置を設け、かつその下流部に、扁平状に拡
    大された粒子ビームの粒子数分布を平坦化する粒子分布
    平坦化装置を設けるとともに、前記粒子ビーム輸送系の
    最下流部に、前記扁平状の粒子ビームをその扁平面に直
    角方向に移動させる粒子ビーム移動用電磁装置を設ける
    ようにしたことを特徴とする医療装置。
  17. 【請求項17】 加速された荷電粒子ビームを、粒子ビ
    ーム制御系を介して患者の所定範囲照射するようになし
    た医療装置において、 前記粒子ビーム制御系に、粒子ビームを扁平状に拡大す
    る拡大電磁装置を設けるとともに、その下流部に、扁平
    状に拡大された粒子ビームの粒子数分布を平坦化する粒
    子分布平坦化装置を設け、かつ前記患者が乗せられてい
    る台を、前記扁平状をなした粒子ビームの扁平面に直角
    方向に移動するように形成したことを特徴とする医療装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005537461A (ja) * 2002-07-02 2005-12-08 コミツサリア タ レネルジー アトミーク 帯電ハドロンビームによってターゲットを照射するための装置ならびにハドロン利用治療法への応用
JP2011250910A (ja) * 2010-06-01 2011-12-15 Hitachi Ltd 粒子線治療装置
CN114885489A (zh) * 2022-05-12 2022-08-09 北京大学 一种激光加速质子束流的均匀化方法

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